JP3543110B2 - 歯ブラシ矯正具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、歯ブラシ毛先の広がりを矯正する矯正具関するものである。
【0002】
【従来の技術】
歯ブラシの毛は一般に合成樹脂で作られているものが多いが、使用時に大きな力が加わるため徐々に側方及び前後方向へ広がったヘタリ状態となっていく。この毛の広がりが進行すると、歯を効果的に磨くことが不可能となるので、従来は広がりがある程度大きくなった時に歯ブラシを廃棄していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記広がりの生じた歯ブラシの毛を矯正して再使用する目的で、種々の矯正具が提案されている。例えば、特開平7−289356号公報、特開平9−191938号公報等には先端側が狭くなるように傾斜した側面を有する溝に歯ブラシの毛を押し込んで挟圧することにより矯正する矯正具が記載されている。
【0004】
上記特開平7−289356号公報記載の矯正具は、弾力を有する左右の矯正プレートを開いた状態で歯ブラシを嵌め込み、前記矯正プレートを弾性的に復元させて両側からブラシの毛を挟むものであるが、毛の横方向の広がりは矯正できるとしても、前後方向の広がりは矯正できなかった。また、特開平9−191938号公報記載のものは、蓋付のケース内に歯ブラシの頭部を嵌め込み、該ケースの傾斜した側壁でブラシの毛先を幅方向内側に押し込むものであるが、これも傾斜板からなる側壁で毛を挟むものであるから、横方向の矯正はできても前後方向の広がりの矯正はできなかった。
【0005】
一方、前歯の裏側を磨くためには、歯ブラシを立てた状態で軸方向に動かしながら使用する必要があるが、この場合、毛を植付けた頭部の長さが長いと使い勝手が悪く、特に毛が前後方向に広がっていると、歯の裏面をうまく磨くことはできない。したがって、使用により前後方向、すなわち柄の軸方向に広がった毛を矯正することは効果的な歯磨きを行う上で重要であるが、従来の毛矯正具は、いずれも横方向の広がりは矯正できるが、前後方向の広がりは矯正できないという問題点があった。
【0006】
さらに、歯ブラシは、使用しないときはコップ等に立てたり、横に寝かせた状態で保管されるが、このとき毛が他の物体や他の歯ブラシに接触して汚染されるという問題点もあった。
【0007】
そこで本発明は、使用により横方向及び前後方向に広がった歯ブラシの毛を手軽に矯正することができるとともに、不使用時にはなるべく毛が汚れないようにすることを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は次のような構成を採用した。すなわち、本発明にかかる歯ブラシ矯正具は、熱湯に耐える耐熱性を備えたプラスチック、金属等で作られる歯ブラシ矯正具であって、一方の端部に設けられた入口から挿入される歯ブラシの頭部を受け入れる空間部を備え、該空間部の両側には歯ブラシの毛を幅方向両側から中心線側へ挟圧する左右一対の矯正板が入口から奥側へ向かって設けられ、該一対の矯正板の上端部間隔部には、歯ブラシの毛の上端部が2〜3mm程度外部へ突出する溝状開口部が形成されているとともに、前記空間部の奥端部には、前記入口から挿入される歯ブラシの頭部を受け止める受け板部が一体に設けられていることを特徴としている。
【0009】
なお、この歯ブラシ矯正具を使用する歯ブラシは、通常市販されてい歯ブラシであり、毛の長さはある程度決まっているので、歯ブラシの毛の上端部が溝状開口部から突出するような寸法とすることに特に問題となることはない。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態について図面に基づいて具体的に説明する。図1は、歯ブラシ2と矯正具3とを組み合わせた歯ブラシセット1を表す。歯ブラシ2は、図に示すように、毛5が植えられた頭部6と、首部7と柄部分8とを備え、頭部6は、毛5が植えられた面が開く方向に柄部分8に対し傾斜している。この傾斜角αは、10〜30度とするのが好ましい。この傾斜角αがこれよりも小さくても大きくても実際に歯磨きをする時に使いにくいものとなる。
【0011】
また、頭部6に毛が植えられている長さdは、従来広く使用されてきた歯ブラシに比べて短く、毛の列5aは4列(3列でもよい)となっている。この長さdは10mm以下である。この長さが長い場合は、柄を立てに持って歯を磨く時に、頭部自体や手前に植付けられている毛が邪魔をして、毛先が歯の裏側や隙間に入りにくくなるので、効果的な歯磨きを行うためには10mm以下とするのが好ましい。また、毛が植えられている幅wは5mm以下とするのが好ましい。これが広過ぎると、やはり歯を磨きにくくなる。毛の高さは、通常の歯ブラシと同様に約10mm程度である。
【0012】
このように、歯ブラシのブラシ部分(毛の植えられている部分)を短くしておけば、柄8を縦に持って上下運動を行うことにより、歯と歯の間を糸楊枝と同じように磨くことができる。また、歯列の内側は、柄8を横に持って歯の間を上下運動して磨くことができる。さらに、ブラシを小型化することができるので、幼児から大人まで使用できるようになる。
【0013】
一方、矯正具3は、熱湯に耐えるだけの耐熱性を備えたプラスチックや、アルミ等の金属で作られるもので、図2、図3に示すように、一方の端部が入口10として開口した底板12付の空間部11を備えている。空間部11の下部は広く、その横幅は歯ブラシの頭部の幅と同等又はそれよりも若干広い幅である。また、空間部11の上部の左右には側壁を兼ねた矯正板15,15が設けられ、該矯正板15,15によって幅が狭くなっている。この矯正板15,15の上端部の間隔Aは4〜6mmであり、下側はそれよりも広くなるように、矯正板15が傾斜している。なお、空間部11の高さHは、歯ブラシの頭部を挿入した時に、毛の上部が若干(2〜3mm程度)突出するような高さである。
【0014】
上記矯正具3の空間部11の長さLは使用する歯ブラシの頭部が収納される長さ以上であればよい。したがって、頭部が短い歯ブラシ用のものは短く、例えば毛が10mmの長さに植えられている歯ブラシ用のものは、空間部11の長さLは13〜15mm程度である。なお、空間部11の奥端部には、挿入される歯ブラシの頭部を受け止める受け板部16が一体に設けられている。
【0015】
この矯正具3は、歯磨きを終えた歯ブラシの頭部に被せておく。すなわち、矯正具3の空間部11に歯ブラシの頭部を挿入しておく。この状態では、歯ブラシの毛が矯正板15,15によって中央へ寄せ集められ、該矯正板の間隔部から上方へ若干突出した状態となる。使わない歯ブラシはこの状態で保管する。
【0016】
次に、歯ブラシの毛を矯正する場合は、歯ブラシ2の頭部に矯正具3を被せた状態のまま、熱湯に数分間浸漬する。すると、横に広がっていた毛は矯正板によって中央側へ寄せ集められているので、その姿勢を保つ方向に熱による変形を受ける。熱湯に適当時間浸漬したら、歯ブラシを熱湯から取り出して冷水に浸漬する。これにより、毛が直立状態ないし若干中央側へ傾いた状態で固定される。なお、毛は、横方向(左右方向)だけではなく前後方向にも広がる傾向があるが、この場合は、熱湯から取り出した歯ブラシの矯正板から突出している毛先を指等で前後方向(図4の矢印方向)になぞるようにして矯正する。
【0017】
図6以下は上記と異なる歯ブラシセットの例を表すもので、この歯ブラシ2’は頭部6と柄8が直線状に形成されていてしかも頭部が上記よりも長くなっている。したがって、これに被せられる矯正具3’の長さも長くなっている。この矯正具3’の入口付近の底板12’には、歯ブラシの首部又は柄部が嵌合可能な切欠き12aが形成されている。この切欠きは頭部に対し柄部が傾斜した歯ブラシにも使用できるようにするためである。このように、歯ブラシの頭部の長さに応じた矯正具を組み合わせて使用すればよい。
【0018】
この歯ブラシ2と矯正具3は、歯ブラシの頭部を矯正具3に挿入した状態、すなわち、歯ブラシの頭部に矯正具を被せた状態で販売、保管等を行うことができるので便利である。この状態では、歯ブラシの頭部が矯正具によって保護された状態となるので、運搬中等に毛が異物に接触して広がったりすることが防がれる。また、歯ブラシを使用した後に矯正具を被せておくことにより、毛の広がりを防止することができる。なお、歯ブラシと矯正具とを別々に販売してもよいことは言うまでもない。
【0019】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明にかかる歯ブラシ矯正具は、使用によって毛の広がりが生じた歯ブラシの頭部に被せて熱湯に浸漬することにより、当該歯ブラシの横方向毛の広がりを矯正することができるとともに、熱湯から取り出した歯ブラシの、当該矯正具の溝状開口部から突出している毛の上端部を指で前後方向になぞることにより、前後方向の毛の広がりも簡単に矯正することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の矯正具の使用状態を表す外観図である。
【図2】その矯正具の外観図である。
【図3】矯正具の正面図である。
【図4】歯ブラシを挿入した矯正具の縦断面図である。
【図5】その横断面図である。
【図6】上記と異なる矯正具の外観図である。
【図7】その平面図である。
【図8】歯ブラシを挿入した状態を表す縦断面図である。

Claims (1)

  1. 熱湯に耐える耐熱性を備えたプラスチック、金属等で作られる歯ブラシ矯正具であって、一方の端部に設けられた入口から挿入される歯ブラシの頭部を受け入れる空間部を備え、該空間部の両側には歯ブラシの毛を幅方向両側から中心線側へ挟圧する左右一対の矯正板が入口から奥側へ向かって設けられ、該一対の矯正板の上端部間隔部には、歯ブラシの毛の上端部が2〜3mm程度外部へ突出する溝状開口部が形成されているとともに、前記空間部の奥端部には、前記入口から挿入される歯ブラシの頭部を受け止める受け板部が一体に設けられていることを特徴とする歯ブラシ矯正具。
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