JP3542829B2 - 湖沼の緑藻類の除去方法 - Google Patents
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は湖沼の水中に繁殖した緑藻類を除去する方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、湖沼の水中に繁殖した緑藻類を除去するには、硫酸アルミニウム等の凝集剤を湖沼の水中に投入し、該緑藻類を凝集させた上で所望なれば曝気を行なって凝集物を水面に浮上させた上で真空パイプで吸引して捕集する方法、あるいは湖沼の水に硫酸銅を添加して緑藻類を死滅させる方法等が採られていた。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら緑藻類を凝集させ真空パイプで捕集する方法では、湖沼の岸に真空装置等を設置しなければならず、このような余地のない場合では実施不可能になり、また凝集剤が大量に必要で不経済である。更に凝集剤による湖沼あるいはその周囲の環境汚染等の問題点があり、また湖沼の水も真空パイプから可成りの量吸引されるから、緑藻類の除去効率が悪くかつ湖沼の水が減ってしまうと云う問題点もある。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記従来の問題点を解決するための手段として、湖沼(1) の水(2) 中に一端の開口部にポンプ (5) の出口側から差出された注入パイプ (7) が連絡し他端の開口部をクリップ (9) によって密閉した網袋(4) を投入し、該網袋(4) 内に湖沼(1) の水(2) をポンプ(5) によって送り込み、該水(2) に浮遊する緑藻類(3) を該網袋(4) 内に分離し、該網袋 (4) の他端の開口部を密閉しているクリップ (9) を取りはずして、該網袋 (4) 内に充満した緑藻類 (3) を取出す湖沼(1) の緑藻類(3) の除去方法を提供するものである。
【０００５】
【作用】
湖沼(1) の水(2) の中に投入した網袋(4) 内にポンプ(5) によって注入パイプ (7) を介して該網袋 (4) の一端から該水(2) を送り込む。そうすると網袋(4) 内には該水(2) の中に浮遊する緑藻類(3) が分離され、水(2) は該網袋(4) 内の外側へ排出されて再び湖沼(1) 内へ戻される。該網袋(4) 内に緑藻類(3) が充満したら、該網袋 (4) の他端の開口部を密閉しているクリップ (9) をはずして、該網袋(4) 内から該緑藻類(3) を取出し再生する。
【０００６】
【実施例】
本発明を図１〜図３に示す。図において(1) は湖沼であり、該湖沼(1) の水(2) の中には緑藻類(3) が繁殖している。該湖沼(1) の水(2) の中は吹流し状の網袋(4) が投入され、更にポンプ(5) を設置した浮板(6) が浮かべられる。そして図２に示すように該網袋(4) の一端の開口部には該ポンプ(5) の出口側から差出される注入パイプ(7) が連絡し、該開口部はワイヤ(8) 等で締結される。更に該網袋(4) の他端の開口部はクリップ(9) によって密閉される。
該ポンプ(5) の入口側からは吸水パイプ(10)が差出されて湖沼(1) の水(2) の中に挿入され、該吸水パイプ(10)の先端には魚やごみ等が吸水パイプ(10)から吸込まれるのを防ぐために網籠(11)が取付けられており、該網籠(11)内には硫酸アルミニウム等の凝集剤を充填した布袋(12)が入れられている。
【０００７】
上記構成においてポンプ(5) を作動すると吸水パイプ(10)から水(2) と共に緑藻類(3) が吸引され、注入パイプ(7) を介して網袋(4) 内に注入される。この際、網籠(11)内の布袋(12)内に充填されている凝集剤がその周りの水(2) に溶出して吸水パイプ(10)から吸引され、水(2) の中の緑藻類(3) は該凝集剤によって網袋(4) 内で凝集し水と分離する。しかしながら本発明では水(2) を網袋(4) 内に注入した時、剪断力が発生し該剪断力によって水(2) の中の緑藻類(3) が凝集するから、凝集剤の添加は必須のものではない。このようにして該緑藻類(3) は網袋(4) 内に採集され、水のみが該網袋(4) の外側へ排出されて再び湖沼(1) 内へ戻される。
【０００８】
網袋(4) 内に緑藻類(3) が充満しあるいは網袋(4) が目詰まりを来たしたらポンプ(5) の作動を停止し、該網袋(4) の他端の開口部のクリップ(9) を取はずし、図３に示すように吸引ポンプ(13)が接続している吸引ボックス(14)から差出される吸引パイプ(15)を該開口部に接続し、吸引ポンプ(13)を作動させて該網袋(4) 内の緑藻類(3) を吸引ボックス(14)内へ吸引して該網袋(4) を再生する。
湖沼(1) の岸に吸引ボックス(14)を設置する余地がない場合は、網袋(4) を岸に上げ開口して該網袋(4) 内の緑藻類(3) を押出して除去してもよい。また逆に余地があればポンプ(5) を岸に設置してもよいし、またポンプ(5) は湖沼(1) の水中に設置してもよい。
【０００９】
【発明の効果】
したがって本発明では湖沼の岸に装置等を設置する必要はなく、どのような地形の中の湖沼でも緑藻類を効率良く安価な装置で除去出来、また環境汚染等の心配もないし、湖沼の水は循環されるので減少することもない。
【図面の簡単な説明】
図１〜図３は本発明の一実施例を示すものである。
【図１】緑藻類採集状態説明図
【図２】網袋の一部省略側面図
【図３】網袋再生状態説明図
【符号の説明】
1 湖沼
2 水
3 緑藻類
4 網袋
5 ポンプ
7 注入パイプ
9 クリップ
【産業上の利用分野】
本発明は湖沼の水中に繁殖した緑藻類を除去する方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、湖沼の水中に繁殖した緑藻類を除去するには、硫酸アルミニウム等の凝集剤を湖沼の水中に投入し、該緑藻類を凝集させた上で所望なれば曝気を行なって凝集物を水面に浮上させた上で真空パイプで吸引して捕集する方法、あるいは湖沼の水に硫酸銅を添加して緑藻類を死滅させる方法等が採られていた。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら緑藻類を凝集させ真空パイプで捕集する方法では、湖沼の岸に真空装置等を設置しなければならず、このような余地のない場合では実施不可能になり、また凝集剤が大量に必要で不経済である。更に凝集剤による湖沼あるいはその周囲の環境汚染等の問題点があり、また湖沼の水も真空パイプから可成りの量吸引されるから、緑藻類の除去効率が悪くかつ湖沼の水が減ってしまうと云う問題点もある。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記従来の問題点を解決するための手段として、湖沼(1) の水(2) 中に一端の開口部にポンプ (5) の出口側から差出された注入パイプ (7) が連絡し他端の開口部をクリップ (9) によって密閉した網袋(4) を投入し、該網袋(4) 内に湖沼(1) の水(2) をポンプ(5) によって送り込み、該水(2) に浮遊する緑藻類(3) を該網袋(4) 内に分離し、該網袋 (4) の他端の開口部を密閉しているクリップ (9) を取りはずして、該網袋 (4) 内に充満した緑藻類 (3) を取出す湖沼(1) の緑藻類(3) の除去方法を提供するものである。
【０００５】
【作用】
湖沼(1) の水(2) の中に投入した網袋(4) 内にポンプ(5) によって注入パイプ (7) を介して該網袋 (4) の一端から該水(2) を送り込む。そうすると網袋(4) 内には該水(2) の中に浮遊する緑藻類(3) が分離され、水(2) は該網袋(4) 内の外側へ排出されて再び湖沼(1) 内へ戻される。該網袋(4) 内に緑藻類(3) が充満したら、該網袋 (4) の他端の開口部を密閉しているクリップ (9) をはずして、該網袋(4) 内から該緑藻類(3) を取出し再生する。
【０００６】
【実施例】
本発明を図１〜図３に示す。図において(1) は湖沼であり、該湖沼(1) の水(2) の中には緑藻類(3) が繁殖している。該湖沼(1) の水(2) の中は吹流し状の網袋(4) が投入され、更にポンプ(5) を設置した浮板(6) が浮かべられる。そして図２に示すように該網袋(4) の一端の開口部には該ポンプ(5) の出口側から差出される注入パイプ(7) が連絡し、該開口部はワイヤ(8) 等で締結される。更に該網袋(4) の他端の開口部はクリップ(9) によって密閉される。
該ポンプ(5) の入口側からは吸水パイプ(10)が差出されて湖沼(1) の水(2) の中に挿入され、該吸水パイプ(10)の先端には魚やごみ等が吸水パイプ(10)から吸込まれるのを防ぐために網籠(11)が取付けられており、該網籠(11)内には硫酸アルミニウム等の凝集剤を充填した布袋(12)が入れられている。
【０００７】
上記構成においてポンプ(5) を作動すると吸水パイプ(10)から水(2) と共に緑藻類(3) が吸引され、注入パイプ(7) を介して網袋(4) 内に注入される。この際、網籠(11)内の布袋(12)内に充填されている凝集剤がその周りの水(2) に溶出して吸水パイプ(10)から吸引され、水(2) の中の緑藻類(3) は該凝集剤によって網袋(4) 内で凝集し水と分離する。しかしながら本発明では水(2) を網袋(4) 内に注入した時、剪断力が発生し該剪断力によって水(2) の中の緑藻類(3) が凝集するから、凝集剤の添加は必須のものではない。このようにして該緑藻類(3) は網袋(4) 内に採集され、水のみが該網袋(4) の外側へ排出されて再び湖沼(1) 内へ戻される。
【０００８】
網袋(4) 内に緑藻類(3) が充満しあるいは網袋(4) が目詰まりを来たしたらポンプ(5) の作動を停止し、該網袋(4) の他端の開口部のクリップ(9) を取はずし、図３に示すように吸引ポンプ(13)が接続している吸引ボックス(14)から差出される吸引パイプ(15)を該開口部に接続し、吸引ポンプ(13)を作動させて該網袋(4) 内の緑藻類(3) を吸引ボックス(14)内へ吸引して該網袋(4) を再生する。
湖沼(1) の岸に吸引ボックス(14)を設置する余地がない場合は、網袋(4) を岸に上げ開口して該網袋(4) 内の緑藻類(3) を押出して除去してもよい。また逆に余地があればポンプ(5) を岸に設置してもよいし、またポンプ(5) は湖沼(1) の水中に設置してもよい。
【０００９】
【発明の効果】
したがって本発明では湖沼の岸に装置等を設置する必要はなく、どのような地形の中の湖沼でも緑藻類を効率良く安価な装置で除去出来、また環境汚染等の心配もないし、湖沼の水は循環されるので減少することもない。
【図面の簡単な説明】
図１〜図３は本発明の一実施例を示すものである。
【図１】緑藻類採集状態説明図
【図２】網袋の一部省略側面図
【図３】網袋再生状態説明図
【符号の説明】
1 湖沼
2 水
3 緑藻類
4 網袋
5 ポンプ
7 注入パイプ
9 クリップ
Claims (1)
- 湖沼の水中に一端の開口部にポンプの出口側から差出された注入パイプが連絡し他端の開口部をクリップによって密閉した網袋を投入し、該網袋内に湖沼の水をポンプによって送り込み、該水に浮遊する緑藻類を該網袋内に分離し、該網袋の他端の開口部を密閉しているクリップを取りはずして、該網袋内に充満した緑藻類を取出すことを特徴とする湖沼の緑藻類の除去方法
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP23059194A JP3542829B2 (ja) | 1994-08-30 | 1994-08-30 | 湖沼の緑藻類の除去方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP23059194A JP3542829B2 (ja) | 1994-08-30 | 1994-08-30 | 湖沼の緑藻類の除去方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0866114A JPH0866114A (ja) | 1996-03-12 |
| JP3542829B2 true JP3542829B2 (ja) | 2004-07-14 |
Family
ID=16910145
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP23059194A Expired - Fee Related JP3542829B2 (ja) | 1994-08-30 | 1994-08-30 | 湖沼の緑藻類の除去方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3542829B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP6714394B2 (ja) * | 2016-03-03 | 2020-06-24 | 朝日精機株式会社 | 石詰め袋 |
| CN109629539A (zh) * | 2018-12-03 | 2019-04-16 | 山东省水利科学研究院 | 一种除藻方法 |
| CN111228876B (zh) * | 2020-03-17 | 2021-07-23 | 嵊州市万睿科技有限公司 | 一种环保水处理设备及处理方法 |
| JP6719118B1 (ja) * | 2020-04-24 | 2020-07-08 | 朝日精機株式会社 | 石詰め袋 |
-
1994
- 1994-08-30 JP JP23059194A patent/JP3542829B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0866114A (ja) | 1996-03-12 |
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