JP3542487B2 - 脛骨切除ガイド - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、脛骨プラトー切除ガイドとして役立つ装置、および膝の関節形成術で使用するための方法に関する。更に詳しくは、本発明は、患者の上脛骨の前部分に骨鋸ガイドを固定するために調節可能なロッドを利用する装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
疾患や外傷による障害を負った膝関節の取り替えにおいて、脛骨基端が損傷した骨を、適切な内反／外反角度および適切な屈曲／伸張角度で切除して除去することが重要である。この方法では、骨切除は、正しい内反／外反および屈曲／伸張の整合性を有するように行い、脛骨基端がインプラントまたは人工補装具を受け入れて機能的な膝関節を再構成することができるようにする。インプラントの適切な適合と機能は、切除の正確性に因る。
【０００３】
骨切除を行うときに正しい角度を決定するための多くの装置が従来知られている。公知の装置は典型的には、鋸ブレードを案内する切除ブロックと、患者の足関節すなわち距骨の前面のほぼ中央に隣接する位置に延びる前側テレスコーピングロッド等の装置とを備え、切除ブロックが機械的軸線と適切に整合するための基準ガイドとして、脛骨の機械的軸線を外科医が二重にすることができるものである。
【０００４】
ジョンソン等のアメリカ特許第５，４５１，２２８号は、親指動作でスライドする機構によって制御される角度を調節可能なヘッドを有する脛骨切除ガイドを開示している。ジョンソン等の脛骨切除ガイドは、機械的軸線を基準とする１つだけのテレスコーピングロッドを有するが、中間冠状面を基準とする外側ロッドやこれと同等の手段はない。
【０００５】
フェランテ（Ｆｅｒｒａｎｔｅ）等のアメリカ特許第５，３４２，３６７号は、延長ロッドのようなどんな外側の基準手段も含まない脛骨切除ガイドを開示している。
【０００６】
バウマン等のアメリカ特許第４，９５２，２１３号は、骨鋸ガイドを支持する回動装置に接続された骨髄内ロッドを使用することを開示している。バウマン等の特許にも外側の基準ロッドは開示されておらず、骨管内に深く挿入された骨髄内ロッドが基準に使用されている。
【０００７】
ペターソンのアメリカ特許第５，３４２，３６８号は、骨髄ロッドを有する上脛骨切除ガイドを開示しており、この骨髄ロッドの基端は、切除鋸ガイドに設けられたバーに取り付けられている。ペターソン特許にも外側基準ロッドは開示されておらず、骨管内に深く挿入された骨髄ロッドが基準に使用されている。
【０００８】
ペターソンのアメリカ特許第４，５２４，７６６号は、機械的軸線を基準とするために使用される１つのテレスコーピング外部ロッドに取り付けた脛骨切除鋸ガイドを有する外科的膝整合システムを開示している。これには、中間冠状平面を基準とする外側の横ロッドや同等物は開示されていない。
【０００９】
ウェルリのアメリカ特許第４，９３８，７６２号は、脛骨切除鋸ガイドを有する顆状全膝人工補装具の移植用の基準システムが開示されている。ウェルリのシステムは、骨盤内に設けられたネジを主な基準点として利用するもので、脛骨内に幾つかのネジが設けられている。骨盤のネジと脛骨のネジに取り付けられたテレスコーピングロッドが、脛骨切除鋸ガイドを位置決めするために利用される。
【００１０】
【発明が解決しようとする課題】
基準として骨髄内のロッドを使用する１つの欠点は、多くの患者の解剖学的構造が、骨髄内ロッドを十分に挿入することができないことである。また骨の前部分に隣接する１つだけの外側基準ロッドを使用する従来技術では、中間冠状平面を基準とする直接的且つ信頼できる手段を提供していない。本発明は機械的軸線と中間冠状平面の両方を、直接に且つ信頼性を有する基準とするための外側ロッドを提供する。
【００１１】
上記に示した従来技術の参考は、これらの参考文献が本発明に従来技術として利用されることを認めるように解釈されるべきではない。
【００１２】
【課題を解決するための手段】
本発明は、脛骨プラトー切除ガイドとして有用な装置およびそれを膝関節形成術で使用するための方法に関する。本発明の装置は、膝関節形成術において脛骨プラトーの切除で使用する切除ガイドの設置をするときに、角度的な基準に使用される２つの離れた幾何学平面を独立して確立することができる整合システムを備える。これら２つの平面の交差によって形成される軸線は、脛骨の機械的軸線を二重にするためである。骨と切除ブロックとの角度的関係は、幾つかの調節可能なパラメータを固定することによって確立され、それにより外科医は二重の機械的軸線に対して特別な好ましい内反／外反角度および屈曲／伸張角度で、脛骨の横断面での切除をすることができる。
【００１３】
一実施形態では、本発明の装置は矢状平面内の逆Ｌ字形状の前側フレームアセンブリと、冠状平面内の逆Ｌ字形状の内側フレームアセンブリとを有する。２つのフレームアセンブリは、互いに取り付けられており、好ましくは脛骨プラトーの中心で、例えば９０°の角度のような互いに一定の角度で着脱可能に取り付けられている。矢状平面内に配置された前側フレームアセンブリは、第１端と第２端とを有し、また回動ブロック、回動アーム、支持アーム、着脱可能に取り付けられた切除ブロック（切除鋸ガイド）および脛骨先端の前面の中央、即ち距骨（ｔａｌｕｓ）（足関節（ａｎｋｌｅ））に延びることができるテレスコーピングロッドを有する。冠状平面内に置かれる内側フレームアセンブリは、第１端と第２端とを有し、またトップバーと、患者の果部（ｍａｌｌｅｏｌｕｓ）の中央に延びることができるテレスコーピングロッドとを有する。
【００１４】
２つの連結しているフレームアセンブリは、一方が脛骨の前部分に隣接し、他方が脛骨の側方部分（ｌａｔｅｒａｌ ｐｏｒｔｉｏｎ）または内側部分（ｍｅｄｉａｌ ｐｏｒｔｉｏｎ）のいづれかに隣接した状態で、脛骨に取り付けられる。外科手術の間、通常、膝蓋骨は側方に反転されているから、ほとんどの外科医は、側部（ｓｉｄｅ）フレームアセンブリを側方（ｌａｔｅｒａｌ ｓｉｄｅ）よりも内側（ｍｅｄｉａｌ ｓｉｄｅ）に位置決めすることを好むことが予想される。本明細書では、簡単にするために、側部（ｓｉｄｅ）フレームアセンブリは、ここでは内側フレームアセンブリと呼ぶことにする。更に外科医は前側フレームアセンブリか、内側フレームアセンブリのいづれかを取り付けるか、あるいは同時に脛骨に両方のフレームアセンブリを取り付けるが、ほとんどの外科医は、まず前側フレームアセンブリを取り付け、次いで内側フレームアセンブリを取り付けることが予想される。第１のアンカーピンを脛骨頂部のほぼ中央に回動ブロックを貫通して配置する。次いで前側テレスコーピングロッドを下方へ延ばし、ロッドヒンジを必要な方向に回動して、ロッド端部が脛骨端部に直接対向するように配置する。次につまみネジを回して、ロッドヒンジを固定位置に保持する。脛骨プラトーに回動ブロックを固定する第２のピンによって、回動ブロックを所定位置に固定して、装置が回転することを防止する。切除ブロックを、固定あるいは調節可能な角度で、前側フレームアセンブリの基端部分に着脱可能に取り付ける。各フレームアセンブリの角度および切除ブロックの高さの調整を行い、所定位置に固定することができる。
【００１５】
２つのフレームアセンブリの間は、９０°の固定された角度であり、それにより中間冠状平面及び機械的軸線への直接且つ信頼性のある基準を提供する。これにより、脛骨の機械的軸線の再構成が容易である。
【００１６】
本発明はまた、膝間接形成術で上記脛骨切除ガイドを使用する方法を提供する。この方法は、脛骨に第１フレームアセンブリを取り付ける行程と、第１フレームアセンブリに対して互いに９０°の角度で連結するように第２フレームアセンブリを取り付ける行程とを有する。前側フレームアセンブリから下方へ延びる前側テレスコーピングロッドを、脛骨の先端即ち距骨のほぼ中央に隣接して配置する。内側フレームアセンブリから下方に延びる内側テレスコーピングロッドを、果部のほぼ中央に配置する。果部の中央に内側テレスコーピングロッドをセットするために、外科医は切除ブロックの屈曲／伸張角度を調節し、及び／又は第１アンカーピンの周りの横断面内で切除ブロックを回転しなければならないかもしれない。切除ブロックを回転するために、第２アンカーピンを外し、新たな位置に取り付けなければならないかもしれない。切除ブロックと内側テレスコーピングロッドとの間の固定された関係により、切除ブロックの屈曲／伸張角度を変更すると、内側テレスコーピングロッドの屈曲／伸張角度も同量だけ変わる。そしてスタイラスを使用して切除ガイドの高さを測定する。
【００１７】
即ち本発明は、トップバーと該トップバーに垂直なテレスコーピングロッドとを有する内側フレームアセンブリを備える脛骨切除ガイドであって、前記内側フレームアセンブリが、脛骨切除ガイドアセンブリに着脱可能に取り付けられるように形状および寸法が決められていることを特徴とする脛骨切除ガイドを提供する。
【００１８】
また脛骨プラトーを脛骨の機械的軸線と整合させるための脛骨切除ガイドであって、（ａ） 切除ブロックが取り付けられており、脛骨に取り付けることができる前側フレームアセンブリと、（ｂ） トップバーと該トップバーに垂直なテレスコーピングロッドとを有し、前記前側フレームアセンブリに取り付けることができるように形状および寸法が決められている内側フレームアセンブリとを備える脛骨切除ガイドを提供する。
【００１９】
前記前側フレームアセンブリの基端が前記内側フレームアセンブリの基端に９０°の固定された相対角度に設定されていてもよい。
【００２０】
また前記前側フレームアセンブリが、（ａ） 第１の孔と該第１の孔に隣接する第２の孔とを有する回動ブロックと、（ｂ） 回動アームを矢状面内で回動することができるヒンジにおいて、前記回動ブロックに回動可能に取り付けられている回動アームと、（ｃ） 前記回動アームに対して垂直下方に延びる支持アームと、（ｄ） 前記支持アームに着脱可能に取り付けられている切除ブロックと、（ｅ） 前側テレスコーピングロッドが矢状面内で回動することができるヒンジにおいて、前記支持アームに取り付けられている前側テレスコーピングロッドとを備えていてもよい。
【００２１】
また前記回動ブロック内の前記第１の孔を介して前記脛骨プラトー内に適合することができるように寸法決めされた第１アンカーピンを更に有していてもよい。
【００２２】
また前記回動ブロック内の前記第２の孔を介して前記脛骨プラトー内に適合することができるように寸法決めされた第２アンカーピンを更に有していてもよい。
【００２３】
また前記回動アームが前記支持アームに取り付けられている地点に配置されるヒンジと、前記ヒンジを選択した位置に選択的に固定するために前記ヒンジに作動的に関連する締め付け手段とを更に備えていてもよい。
【００２４】
前記支持アームには長手方向に延びる長孔が形成され、前記切除ブロックは前記長孔を貫通するネジによって前記支持アームに取り付けられていてもよい。
【００２５】
また前記切除ブロックは、前記脛骨に前記切除ブロックを固定するために、１以上の安定ピンを挿入するための１以上の孔を有していてもよい。
【００２６】
また前記前側テレスコーピングロッドが前記支持アームに取り付けられる地点に配置されるヒンジと、前記ヒンジを選択した位置に固定するために前記ヒンジに作動的に関連する締め付け手段とを更に備えていてもよい。
【００２７】
また前記内側フレームアセンブリは、（ａ） 前記前側フレームアセンブリの前記回動ブロックに、その基端が着脱可能に取り付けられているトップバーと、（ｂ） 前記トップバーから垂直下方に延びる内側テレスコーピングロッドとを備えていてもよい。
【００２８】
また前記内側フレームアセンブリのトップバーは、あり溝構造によって前記回動ブロックに取り付けられていてもよい。
【００２９】
また本発明は、（ａ） 複数の孔を有する着脱可能な切除ブロックを有する前側フレームアセンブリを貫通し、脛骨プラトーのほぼ中心を通る第１アンカーピンを設置する行程と、（ｂ） 前記前側フレームアセンブリに内側フレームアセンブリを取り付ける行程と、（ｃ） 前記前側フレームアセンブリの先端から前側テレスコーピングロッドを下方へ延ばして、前側テレスコーピングロッドが前記脛骨の先端の前面に隣接して位置決めされるようにする行程と、（ｄ） 内側フレームアセンブリの先端から内側テレスコーピングロッドを下方へ延ばして、内側テレスコーピングロッドが前記脛骨の先端の内側面に隣接して位置決めされるようにする行程と、（ｅ） 前記切除ブロックを前記脛骨に固定するために、前記切除ブロックの孔に複数のピンを挿入する行程と、（ｆ） 前記前側フレームアセンブリと前記内側フレームアセンブリとを前記切除ブロックから取り除く行程とを備える脛骨切除ブロックの位置決め方法を提供する。
【００３０】
【発明の実施の形態】
本発明は、部分的又は全体の膝関節形成術の間の脛骨プラトーの切除の角度的基準に使用する２つの別々の幾何学平面を独立して確立する脛骨整合システムに関するものである。基準平面は、固定された相対角度で互いに交差する。これら２つの面の交差によって形成される軸線は、脛骨の機械的軸線を二重にする意図があり、この軸線は、骨の基端と先端のほぼ中央に接続する想像線を示す。再構成された機械的軸線と骨切除の姿勢を決定する切除ブロックの面との間には、所定の角度関係が存在する。
【００３１】
図１は前側フレームアセンブリと矢状面とを示す。第１アンカーピン（図示せず）が脛骨の頂部のほぼ中央でアセンブリ全体を固定する。前側フレームアセンブリは、５つの主要要素、即ち回動ブロック２，回動アーム４，支持アーム８、切除ブロック１２および前側テレスコーピングロッド１３から成る。
【００３２】
第１アンカーピンは、孔１に入り、回動ブロック２を貫通する。回動ブロック２自体は、ヒンジポイント６において回動アーム４の後端に回動可能に取り付けられており、矢状面方向に軸線の周りで回動アームが回動することができる。更に回動ブロック２とこれに取り付けられた回動アーム４とが、孔１に挿入された第１アンカーピンの周りで回転することができる。外科医は脛骨頂部のほぼ中央の孔１とほぼ平行な切除ブロックの長手軸線に、脛骨の前面に近接させて切除ブロックを位置決めした後で、第２のアンカーピン（図示せず）を第２の孔３に入れて、前側フレームアセンブリ全体を所定位置に固定する。回動アーム４の前端において、つまみネジ即ちレバー７を回転して、回動アームのグリップを回動ブロック２に対して締め付ける。回動アーム４の後端においては、２つの鳩尾状のあり溝５が、内側フレームアセンブリの取り付け構造の各側に形成されている。
【００３３】
回動アーム４自体は、支持アーム８の基端近くで孔９を貫通して適合している。支持アーム８は回動アーム４に対して前後にスライドでき、孔９に隣接するレバー１０によって回動アームに対して締結可能である。支持アーム８には、その中央に長孔１１が形成され、ネジ（図示せず）がこの長孔に挿入されることにより、切除ブロック１２を支持アーム８に着脱可能に取り付けることができる。支持アーム８の先端には、前側テレスコーピングロッド１３が回動可能に取り付けられている。前側テレスコーピングロッド１３は矢状面に沿って前後に回動することができ、また支持アーム８が前側テレスコーピングロッドと接続しているヒンジ１５において、つまみネジ１４を締め付けることによって前側テレスコーピングロッド１３を所定位置に固定することができる。つまみネジ１０を固定する前は、前側テレスコーピングロッド１３を矢状面に対して垂直方向に回動することもできる。
【００３４】
切除ブロック１２は、支持アーム８のほぼ中央において、長孔１１に対して上下動することができる。ネジ（図示せず）を長孔１１に貫通させて固定し、切除ブロック１２を支持アーム８に対して固定することができる。これにより、切除ブロックを脛骨に沿って最適の位置に固定し、外科医が正しい脛骨プラトーになるように切除することができる。スタイラス（図示せず）を使用して、外科医は所望のレベルに切除深さを設定する。
【００３５】
前側フレームアセンブリを設ける矢状基準面を、図１に示すように地点Ａ，Ｂ，Ｃによって規定する。地点Ａは脛骨プラトーのほぼ中央であり、地点Ｂは支持アーム８と回動アーム４との交差地点であり、地点Ｃは前側テレスコーピングロッド１３の先端であり、この地点は脛骨の先端前面即ち足関節のほぼ中央に位置決めされている。
【００３６】
図２は、内側フレームアセンブリと冠状基準面とを示す。内側フレームは、前側フレームアセンブリの回動ブロック２に対して着脱可能に取り付けられていることが好ましく、内側フレームは冠状面に沿って延びている。
【００３７】
内側フレームアセンブリの基端部分はトップバー１６であり、このトップバー１６の基端は、回動ブロック２のあり溝５とトップバー１６のあり溝１７とが係合することにより、前側フレームアセンブリの回動ブロック２に着脱可能に取り付けられている。つまみネジ１８がトップバー１６の先端に取り付けられ、基端において内側フレームアセンブリを締め付けることができる。トップバー１６の先端は内側テレスコーピングロッド１９に取り付けられ、この内側テレスコーピングロッド１９はトップバーに対して垂直方向下方へ延びる。ヒンジ２１には２つのつまみネジ２０があり、これらはトップバー１６に内側テレスコーピングロッド１９を接続し、また整合中に内側フレームアセンブリをその最終位置に固定する。このヒンジ２１において、内側テレスコーピングロッド１９を冠状面に沿って回動することができる。使用時には、つまみネジ１８，２０を締めることによって、内側テレスコーピングロッド１９の先端は、脛骨先端の内側面の果部のほぼ中央に近接する。
【００３８】
冠状基準面は、地点Ａ，Ｄ，Ｅによって規定される。地点Ａは、脛骨頂部の脛 骨プラトーのほぼ中心にある。地点Ｄは、トップバー１６と内側テレスコーピングロッド１９の交差点にある。地点Ｅは、内側テレスコーピングロッド１９の先端であって、これは果部のほぼ中央に位置する。
【００３９】
図３は、装置２２全体の外観図を示し、前側フレームアセンブリと内側フレームアセンブリとを脛骨に固定し適合している様子を示している。矢状基準面と冠状基準面の両方が、この図に示されている。
【００４０】
以下のようにして装置を組み立て整合する。
【００４１】
前側フレームアセンブリを、矢状面において脛骨に位置決めする。図１に関して、脛骨プラトーのほぼ中央の孔１に第１アンカーピンを貫通させて配置した後、回動ブロック２をこのピンに通し、切除ブロック１２が患者の脚に接触した状態で、前側フレームアセンブリを脛骨の前面に近接させて位置決めする。矢状面内のピンの最適位置は、外科医の選択によって変えることができる。膝蓋骨は外側へそらされるから、膝の内側が好ましい。回動ブロック２を位置決めしたら、第２アンカーピンを骨中に固定し、回動ブロックの回転を防止し安定させる。本発明の一側面では、回動ブロック２を骨に固定する前に、支持アーム８を回動アーム４に取り付ける。本発明の他の側面では、回動ブロック２を骨に固定した後で、支持アーム８を回動アーム４に取り付ける。
【００４２】
回動ブロック２の孔３に挿入した第２アンカーピンにより回動ブロック２を固定した後、前側テレスコーピングロッド１３を下方に延ばし、ロッド端部が距骨に対してまっすぐ配置されるまでロッドのヒンジを必要な方向に回転する。そしてつまみネジ１４を回してロッドヒンジを固定位置に保持する。地点Ａ，Ｂ，Ｃによって規定される平面と切除ブロック１２との間に形成される角度は一定であることが好ましい。切除ブロック１２は支持アーム８に着脱可能に取り付けられ、従ってそれらの一方を回転すると他方も同じだけ回転する。
【００４３】
冠状平面に沿った内側フレームアセンブリの取り付けを同様な方法で行う。内側フレームアセンブリのトップバー１６をあり溝１７，５同士を嵌め合わせることにより、前側フレームアッセンブリの回動ブロック２に取り付けた後、つまみネジ１８を締め付けて、回動ブロックを締まり嵌めして固定する。内側テレスコーピングロッド１９を下方に向けて延ばし、このロッドの端部が果部の中央に近接して配置されるように、冠状平面内でロッド１９を必要な方向に回転する。内側テレスコーピングロッドの先端を果部に隣接して容易に配置するために、外科医はヒンジ２１の周囲で内側テレスコーピングロッド１９を回転し、所望の位置でつまみネジ２０を締め付けることができる。これは単に内側テレスコーピングロッド１９の先端の位置を変えるだけで、どんな他のパラメータにも影響しない。側部、即ち内側フレームアセンブリを前側フレームアセンブリに対して９０°のような所定角度で固定することによって、内側フレームアセンブリのトップバー１６を中央の冠状平面に対して所望の位置まで回転するために、前側フレームアセンブリの回動ブロック２を貫通して延びる第２アンカーピンを外さなければならない。そのような場合には、内側テレスコーピングロッド１９を適切な位置に配置した後に、第２アンカーピンを前側フレームアセンブリの回動ブロック２中へ再挿入する。更に内側テレスコーピングロッドと切除ブロックとの固定された角度関係に起因して、切除ブロックの屈曲／伸張角度が変わり、また同量だけ内側テレスコーピングロッドの屈曲／伸張角度も変わる。従って、内側テレスコーピングロッドの先端を果部に近接して位置決めするために、外科医は切除ブロックの屈曲／伸張角度を変えることもできる。
【００４４】
全ての整合をした後、外科医は個々の選択及び／又は患者の解剖学的構造に応じて、設定角度、基準位置及び／又はアンカーピンの位置のいづれか１つまたはそれ以上の項目を再評価することができる。複数の安定ピン（図示せず）を切除ブロック１２内の選択された安定ピン用の孔２４を貫通して脛骨の前部分に挿入する。そして切除ブロックを前側フレームアセンブリから外し、両方のフレームアセンブリを外す。鋸ブレード用の適切な脛骨プラトー切除平面が、切除ブロックの頂部によって参照される。
【００４５】
本発明の他の実施例では、内側フレームアセンブリが、既存の脛骨切除ガイドアセンブリに取り付けることができるような形状及び寸法を有する。既存の脛骨切除ガイドは、上述したアメリカ特許第５，４５１，２２８号および第４，５２４，７６６号に開示されているように、矢状面内に延び、ガイドにほぼ垂直に配置された切除ブロックを含む、脛骨に取り付けることができるどのような装置でもよい。そのような従来の脛骨切除ガイドは本発明の図１に示す構造とほぼ同様である。
【００４６】
上記で説明した実施例は、本発明の幾つかの側面での例示に過ぎないから、ここで説明し特許請求した発明は、開示した特別な実施形態によってその範囲が限定されるべきではない。どのような同等の実施形態も本発明の範囲内に含まれることを意図する。ここで示し説明した実施形態に加え、種々の変形例が以上の説明により当業者によって明らかになるであろう。そのような変形例も添付した特許請求の範囲に入るものである。
【００４７】
本明細書中で引用した参照文献の番号は、そこで引用したことによりその全体開示が本明細書中でなされたものとみなす。
【図面の簡単な説明】
【図１】脛骨の一部に取り付けられる前側フレームアセンブリと矢状基準面とを示す斜視図である。
【図２】脛骨の一部に取り付けられる内側フレームアセンブリと冠状基準面とを示す斜視図である。
【図３】装置全体と、２つの基準面と、２つのフレームアセンブリの連結を示す斜視図である。
【符号の説明】
１ 孔
２ 回動ブロック
３ 孔
４ 回動アーム
５ あり溝
７ レバー
８ 支持アーム
１１ 長孔
１２ 切除ブロック
１３ 前側テレスコーピングロッド
１６ トップバー
１７ あり溝
１９ 内側テレスコーピングロッド
２２ 装置

Claims (12)

1. トップバーと該トップバーに垂直なテレスコーピングロッドとを有する内側フレームアセンブリを備える脛骨切除ガイドであって、前記内側フレームアセンブリが、脛骨切除ガイドアセンブリの前側フレームアセンブリに着脱可能に取り付けられるように形状および寸法が決められていることを特徴とする脛骨切除ガイド。
2. 脛骨プラトーを脛骨の機械的軸線と整合させるための脛骨切除ガイドであって、
   （ａ） 切除ブロックが取り付けられており、脛骨に取り付けることができる前側フレームアセンブリと、
   （ｂ） トップバーと該トップバーに垂直なテレスコーピングロッドとを有し、前記前側フレームアセンブリに取り付けることができるように形状および寸法が決められている内側フレームアセンブリとを備える脛骨切除ガイド。
3. 前記前側フレームアセンブリの基端が前記内側フレームアセンブリの基端に９０°の固定された相対角度に設定されていることを特徴とする請求項２記載のガイド。
4. 前記前側フレームアセンブリが、
   （ａ） 第１の孔と該第１の孔に隣接する第２の孔とを有する回動ブロックと、
   （ｂ） 回動アームを矢状面内で回動することができるヒンジにおいて、前記回動ブロックに回動可能に取り付けられている回動アームと、
   （ｃ） 前記回動アームに対して垂直下方に延びる支持アームと、
   （ｄ） 前記支持アームに着脱可能に取り付けられている切除ブロックと、
   （ｅ） 前側テレスコーピングロッドが矢状面内で回動することができるヒンジにおいて、前記支持アームに取り付けられている前側テレスコーピングロッドと
   を備える請求項２記載のガイド。
5. 前記回動ブロック内の前記第１の孔を介して前記脛骨プラトー内に取り付けることができるように寸法決めされた第１アンカーピンを更に有することを特徴とする請求項４記載のガイド。
6. 前記回動ブロック内の前記第２の孔を介して前記脛骨プラトー内に取り付けることができるように寸法決めされた第２アンカーピンを更に有することを特徴とする請求項４記載のガイド。
7. 前記回動アームが前記支持アームに取り付けられている地点に配置されるヒンジと、前記ヒンジを選択した位置に選択的に固定するために前記ヒンジに作動的に関連する締め付け手段とを更に備えることを特徴とする請求項４記載のガイド。
8. 前記支持アームには長手方向に延びる長孔が形成され、前記切除ブロックは前記長孔を貫通するネジによって前記支持アームに取り付けられていることを特徴とする請求項４記載のガイド。
9. 前記切除ブロックは、前記脛骨に前記切除ブロックを固定するために、１以上の安定ピンを挿入するための１以上の孔を有することを特徴とする請求項４記載のガイド。
10. 前記前側テレスコーピングロッドが前記支持アームに取り付けられる地点に配置されるヒンジと、前記ヒンジを選択した位置に固定するために前記ヒンジに作動的に関連する締め付け手段とを更に備えることを特徴とする請求項４記載のガイド。
11. 前記内側フレームアセンブリは、
    （ａ） 前記前側フレームアセンブリの前記回動ブロックに、その基端が着脱可能に取り付けられているトップバーと、
    （ｂ） 前記トップバーから垂直下方に延びる内側テレスコーピングロッドとを備えることを特徴とする請求項２記載のガイド。
12. 前記内側フレームアセンブリのトップバーは、あり溝構造によって前記回動ブロックに取り付けられることを特徴とする請求項１１記載のガイド。

Images