JP3540787B2 - ネットワーク接続装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ネットワーク・システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のLANのような通信ネットワークシステムにおけるネットワーク接続装置としては、ブリッジ、ルーター、ゲートウェイなどが提供されている。
【0003】
ブリッジは、ネットワーク間で通信プロトコルのレイヤ2までを終端して処理するような、いわゆるアドレスフィルタの機能だけを持つネットワーク接続装置である。ルーターは、ブリッジよりも若干高機能であり、通信プロトコルのレイヤ3までを終端し処理を行うものである。ゲートウェイは、通信プロトコルのレイヤ7までを終端し、完全にプロトコルを変換してネットワーク接続を行うことが可能である。
【0004】
しかし、従来のこのようなネットワーク接続装置は、1対1のプロトコル変換をソフトウェアの処理によって提供する事が出来るだけであった。このため、1つのLANから複数のLANに接続する際には、それぞれへのプロトコル変換を行うためのネットワーク接続装置を個別に用意する必要があり、必要となるハードウェアの量が増大するとともに、柔軟なネットワーク構成を取ることが困難になるという問題点が生じていた。
【0005】
これに対して近年では、複数のプロトコルに対応可能なマルチプロトコルルーターなどのネットワーク接続装置が提案されあるいは実用化されており、複数のネットワークを1台のネットワーク接続装置で接続している。
【0006】
しかし、これもゲートウェイ等の上記ネットワーク接続装置と同様に、入力されたネットワークのプロトコル処理を上位レイヤまで行って、それを対応するネットワークのプロトコルに変換するためにソフトウェアの処理を施した後、所定の下位レイヤまでプロトコル変換を行うという方法でネットワーク接続を行っていた。
【0007】
このようなソフトウェア処理によるプロトコル変換は、その実現が容易であるだけでなく、マルチプロトコルルーターなどのような高機能ネットワーク接続装置にもインプリメントが容易であるために、現在のネットワーク接続装置におけるプロトコル変換において良く用いられている方法である。
【0008】
しかし、ソフトウェア処理によるプロトコル変換には、かねてより非常に時間がかかるという問題点があげられていた。特に、複数プロトコルを同時に処理するようなマルチプロトコルルーターでは、かなりの種類のソフトウェア処理を必要とするために、高速のデータ通信を行っているネットワーク間でのネットワーク接続を行うような場合には、このようなソフトウェア処理によるスループット低下が大きな問題となっていた。
【0009】
特に、ATM方式のようなコネクション型の高速のネットワークと、現在運用されているLAN(イーサネットやFDDIなど)のようなデータグラム通信のネットワークとを接続するためのネットワーク接続装置には、高速に複数プロトコルを同時に変換処理する機能やネットワーク識別を高速に行う機能が必要となる事が予想され、現在のソフトウェア処理によるネットワーク接続装置では、このような高速処理を行うことが困難であると考えられている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、接続している複数のネットワークに対して高速のネットワーク間接続を実現可能とし、接続されるネットワークの構成や特性によらず構成としては同一のネットワーク接続装置によって複数種類のネットワークとの接続を可能とし、また複数種類のネットワークを接続する場合にも接続しているネットワークの種類を意識しないネットワーク接続を可能とする事でネットワーク全体の設計を容易に行えるようにし、また、必要となるプロトコル変換機能の種類を大幅に減少させる事ができるとともに、ネットワーク接続装置間の通信路に対する効果的な通信サービス品質の提供を可能にしたネットワーク接続装置を提供する事を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明(請求項1)は、ATMプロトコルが用いられる複数のネットワーク間通信路を介して通信情報の伝送をする複数のネットワークそれぞれに設けられるネットワーク接続装置であって、他の前記ネットワーク接続装置との間で少なくとも1つの前記ネットワーク間通信路に対してATMコネクションの設定をすると共に、この設定したATMコネクションの管理をするコネクション設定・管理手段と、自装置が設けられた前記ネットワークと前記ネットワーク間通信路との間で通信する前記通信情報に対して、自装置が設けられた前記ネットワークで用いられている所定のプロトコルと前記ネットワーク間通信路で用いられているATMプロトコルとの相互間でプロトコル変換をするプロトコル変換手段と、このプロトコル変換手段及び前記複数のネットワーク間通信路に接続されたスイッチ手段を備え、自装置が設けられた前記ネットワークから前記ネットワーク間通信路に伝送する前記通信情報に付加されている宛先情報に基づいて、前記複数のネットワーク間通信路の中から前記プロトコル変換手段に接続すべきネットワーク間通信路を選択する通信路選択手段と、前記ネットワーク間通信路中に設定された前記ATMコネクションに対して、所定の通信サービス品質を提供する通信サービス品質提供手段とを具備し、前記通信サービス品質提供手段は、前記ネットワーク間通信路に対して設定されている前記ATMコネクションについて、コネクション型の通信を行っているATMコネクションとコネクションレス型の通信を行っているATMコネクションとでは、それぞれ異なる通信サービス品質を提供することを特徴とする。
【0012】
本発明(請求項2)は、請求項1において、前記通信サービス品質提供手段は、前記ネットワーク接続装置に送られてくる通信情報が通信サービス品質を要求する通信情報かそうでない通信情報かを識別する情報識別手段と、前記ネットワーク接続装置に送られてくる情報の種類に応じて、ネットワーク接続装置間のATMコネクションに設定する通信サービス品質を決定する通信サービス品質決定手段と、前記通信サービス品質決定手段によって決定された通信サービス品質と該通信サービス品質が設定されるATMコネクションとの対応を記憶する通信サービス品質記憶手段と、決定された前記通信サービス品質を対応する前記ATMコネクションに提供する手段とを有することを特徴とする。
【0013】
本発明(請求項3)は、請求項1において、前記通信サービス品質提供手段は、コネクション型の通信を行っているネットワーク接続装置間のATMコネクションに対して、常時要求されている通信サービス品質よりも高い品質の通信サービス品質を提供することを特徴とする。
【0014】
本発明(請求項4)は、請求項3において、前記通信サービス品質提供手段は、前記ネットワーク接続装置にコネクション設定要求情報が送られてきた場合に該要求通信サービス品質情報を記憶する要求通信サービス品質情報記憶手段と、前記要求サービス品質に基づいて設定要求コネクションに対応するネットワーク接続装置間のATMコネクションに設定する通信サービス品質を決定する通信サービス品質決定手段と、前記通信サービス品質決定手段によって決定された通信サービス品質と該通信サービス品質が設定されるATMコネクションとの対応を記憶する通信サービス品質記憶手段と、決定された前記通信サービス品質を対応する前記ATMコネクションに提供する手段とを有することを特徴とする。
【0015】
本発明(請求項5)は、請求項1において、前記通信サービス品質提供手段は、コネクション型の通信を行っているネットワーク接続装置間のATMコネクションに対して、該ATMコネクションが設定されているネットワーク接続装置間の通信路のリソース状況に応じて、要求されている通信サービス品質よりも低い品質の通信サービス品質を提供することを特徴とする。
【0016】
本発明(請求項6)は、請求項5において、前記通信サービス品質提供手段は、前記ネットワーク接続装置にコネクション設定要求情報が送られてきた場合に該要求通信サービス品質情報を記憶する要求通信サービス品質情報記憶手段と、前記要求サービス品質及びネットワーク接続装置間のリソース情報に基づいて設定要求コネクションに対応するネットワーク接続装置間のATMコネクションに設定する通信サービス品質を決定する通信サービス品質決定手段と、前記通信サービス品質決定手段によって決定された通信サービス品質と該通信サービス品質が設定されるATMコネクションとの対応を記憶する通信サービス品質記憶手段と、決定された前記通信サービス品質を対応する前記ATMコネクションに提供する手段とを有することを特徴とする。
【0017】
本発明(請求項7)は、請求項1において、前記通信サービス品質提供手段は、コネクションレス型の通信を行っているネットワーク接続装置間のATMコネクションに対して、送られてきたコネクションレス型の通信情報の特性に応じて異なる通信サービス品質を提供することを特徴とする。
【0018】
本発明(請求項8)は、請求項7において、前記通信サービス品質提供手段は、前記ネットワーク接続装置にデータグラム通信情報が送られてきた場合に該情報がデータグラム通信情報である事を識別する情報識別手段と、送られてきた前記データグラム通信情報の特性を読み取るデータグラム通信情報特性読み取り手段と、前記特性に対応したネットワーク接続装置間のATMコネクションの通信サービス品質を記憶する通信サービス品質記憶手段と、読み取られた前記データグラム通信情報の特性に基づいて該データグラム通信情報を乗せるネットワーク接続装置間のATMコネクションに設定する通信サービス品質を決定する通信サービス品質決定手段と、決定された前記通信サービス品質を対応する前記ATMコネクションに提供する手段とを有することを特徴とする。
【0019】
本発明(請求項9)は、請求項1において、前記ネットワーク接続装置間の通信路及び該ネットワーク接続装置自身の故障検出及び故障回避をする故障検出・回避手段を更に具備したことを特徴とする。
【0020】
本発明(請求項10)は、請求項9において、前記故障検出・回避手段は、前記ネットワーク接続装置間の通信路中での故障検出を行うためのOAM機能提供手段と、前記ネットワーク接続装置間の通信路中の故障状況を前記コネクション設定・管理手段に通知する故障情報通知手段と、送られてきた故障情報に従ってネットワーク接続装置間の故障回避を行う故障回避手段と、故障回避を行ってもネットワーク接続装置間のATMコネクションに影響を与える事がないかどうかを管理するコネクション管理手段と、前記OAM機能提供手段からのOAM情報に従ってネットワーク接続装置間の通信路中のリソース情報を書き直すリソース管理手段とを有することを特徴とする。
【0021】
本発明のネットワーク接続装置は、コネクション型のプロトコルであるATMプロトコルをネットワーク接続装置間のプロトコルとして採用するとともに、該ネットワーク接続装置間のコネクション設定・管理手段をネットワーク接続装置内に持たせる事によって、以下のような作用効果を奏する。
(1)接続しているネットワーク内の通信制御・管理と、ネットワーク接続装置間のコネクションをそれぞれ別々に管理出来るので、単位ネットワーク内に閉じたコネクション管理を、それぞれの単位ネットワーク内で独自に行う事が出来る。
(2)本発明のネットワーク接続装置を、ネットワーク接続装置が配置されている単位ネットワークのユーザーの管理下の機能とし、ネットワーク接続装置間のコネクション管理を単位ネットワークを運用しているネットワーク管理者が行う事が出来るので、そのネットワークの運用に都合の良いネットワーク間接続のアルゴリズムを実現する事が出来る。
(3)接続されるネットワークがそれぞれのネットワーク制御機能を持ったままで接続可能となる事で、複数ネットワークで構成されるネットワーク全体での機能分割を明確化する事が出来る。
(4)ネットワーク接続を行う際に接続先のネットワークがどのようなプロトコル構成を持ったネットワークであるかという事を意識する事無しに、ネットワーク接続を行う事をができる。
(5)ネットワーク設計を行う際に、ネットワークの種類によってネットワーク接続方法に制限を受けることがなく、さらに、ネットワーク全体としての機能分割を明確にする事ができるので、ネットワーク設計を容易に行う事を可能とする。
(6)ネットワーク間の通信路中をコネクション識別によって多重化して利用する事が出来るので、ネットワーク間の通信路中の通信帯域を有効に利用する事が出来る。
(7)ATMのようなコネクション型の高速通信を行っているネットワーク内での通信サービスを、複数のネットワーク間にまたがって提供出来る。
【0022】
また、本発明のネットワーク接続装置は、ネットワーク接続装置内にATMスイッチのような高速のハードウェア構成によるスイッチング手段を有する事によって、以下のような作用効果が得られる。
(1)1台のネットワーク接続装置を用いて同時に複数のネットワークとの間にコネクションを設定する事が可能となるので、複数のネットワークとの接続を同時に実現する事ができる。
(2)複数ネットワークとの間に複数のコネクションを設定でき、コネクションにのって送られてきた情報をハードウェア構成による高速スイッチング手段によってスイッチングする事で、複数ネットワーク間にまたがった高速の情報転送処理が実現可能となる。
(3)ネットワーク接続装置内のスイッチング手段によって高速にネットワークの選択を行う事によって、ネットワーク接続装置内でのプロトコル変換にかかる全体の速度を高速化する事が可能となる。
(4)接続されているネットワーク間にネットワーク接続装置間独自プロトコルの通信路を同時に複数本設定する事が可能となる事から、ネットワーク接続装置間の通信帯域を柔軟に設定・変更できるようになり、複数ネットワークによるネットワーク全体の接続形態を柔軟に構成する事が可能となる。
(5)1つのネットワークに対して複数経路の通信路を設定できるので、コネクション受け付け時やコネクション運用時にネットワーク間の通信経路を動的に変化させる事でネットワーク間通信路中の通信帯域を有効に利用する事が可能となる。
(6)1つのネットワークに対して複数経路のネットワーク接続用の装置路を設定できる事から、ネットワーク接続装置やネットワーク接続装置間通信路において故障が生じたような場合にも容易に故障回避が出来る事になり、全体として信頼性の高いネットワークを提供する事が可能となる。
【0023】
また、本発明のネットワーク接続装置は、ネットワーク接続装置の1つまたは複数の入出力ポート毎に接続するネットワークの種類に対応したプロトコル変換手段を配置する事で、1台のネットワーク接続装置を用いるだけで複数種類のネットワークからの情報をそのあて先アドレスに対応するネットワーク接続装置間通信路中の各コネクションに割り当て可能にする。
【0024】
また、本発明のネットワーク接続装置は、ATM方式をネットワーク接続装置間の通信プロトコルとして採用する事によって、ネットワーク接続装置間のコネクションにおいてもエンド−エンドのコネクションの設定時に要求された通信サービス品質とは独自に、ネットワーク接続装置間通信路で提供する通信サービス品質をネットワーク接続装置内のコネクション設定手段が設定可能とする。また、コネクション型の通信とコネクションレス型の情報が同時にネットワークから送られてくるようなネットワーク間の接続を行う場合に、コネクション型の情報とコネクションレス型の情報にそれぞれ異なる通信サービス品質を提供する事によって、ネットワーク間で転送される情報の種類に適した通信品質サービスをネットワーク接続装置間のコネクションに提供する。
【0025】
また、本発明(請求項3)では、コネクション型の情報をネットワーク接続装置間で転送する場合に、エンド−エンドのコネクション設定時に要求される通信サービス品質よりも高い通信サービス品質をネットワーク接続装置間のコネクションに提供する事によって、以下のような効果を得る事が出来る。
(1)ネットワーク接続装置間での情報転送による廃棄サービス品質の劣化を無くす事が可能となる。
(2)ネットワーク接続装置間での情報転送による情報の遅延時間を、接続しているネットワーク内のコネクション管理手段が予想する遅延時間内に抑える事が可能となる。
(3)それぞれ独立のコネクション管理を行っているネットワーク間通信において、それぞれのネットワーク内のコネクション管理手段が独立に通信サービス品質管理を行っても、エンド−エンドでコネクションが提供する廃棄サービス品質を保証する事が可能となる。
【0026】
また、本発明(請求項5)では、コネクション型の情報をネットワーク接続装置間で転送する場合に、エンド−エンドのコネクション設定時に要求される通信サービス品質とネットワーク接続装置間の通信路のリソース情報に応じて、要求された通信サービス品質よりも低い通信サービス品質をネットワーク接続装置間のコネクションに提供する。このような通信サービス品質を提供する事によって、ネットワーク接続装置間での情報転送による廃棄サービス品質は劣化する可能性はあるが、ネットワーク接続装置間に多数のコネクションを同時に収容する事が可能となるので、ネットワーク接続装置間の通信帯域の有効利用が可能となる。
【0027】
また、本発明(請求項7)では、コネクションレス型の情報をネットワーク接続装置間で転送する場合に、そのコネクションレス型の情報のパケット長やバースト長や情報の送信元のアドレスや送信先のアドレスなどの特性や、コネクションレス型の情報が提供するアプリケーションの種類などに応じて、ネットワーク接続装置間でそれぞれ異なる通信サービス品質を提供する事で、以下のような効果を得る事が出来る。
(1)コネクションレス型の情報でもその送信元のアドレスや送信先のアドレスがネットワーク管理を行っている端末であったり、緊急時に使用される端末であったりした場合には、その情報に対して高い通信サービス品質を提供する事で、ネットワーク間にまたがったコネクションレス型情報の高速で高品質な情報転送を行う事が可能となる。
(2)長距離に離れたネットワーク間での情報転送を行う場合などに、パケット長やバースト長等の長いコネクションレス型情報を送信する際に、その情報に対して割り当てるネットワーク接続装置間のコネクションに高い通信サービス品質を提供する事で、そのネットワーク間の情報転送における実効的なスループットの低下を抑える事が可能となる。
(3)現在のメールサービスのようなリアルタイム性をほとんど要求されない情報に対しては低い通信サービス品質を提供し、TV電話の情報などのリアルタイム性を要求される情報に対しては高い通信サービス品質を提供する事によって、コネクションレス型の情報においてもその情報が提供するアプリケーションに適したネットワーク間の情報転送が可能となる。
【0028】
また、本発明(請求項9)では、接続されているネットワーク間に複数の通信経路を構成する事が可能となっている場合に、ネットワーク接続装置内にネットワーク接続装置間通信路の故障検出や故障回避(例えば、ATMコネクションを設定し直したりする手続き)を行う手段を持たせる事で、ネットワーク間に設定されている通信路を有効に利用する事ができるようになるとともに、ネットワーク全体の信頼度を高める事を可能とする。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら発明の実施の形態を説明する。
【0030】
[実施形態1−1]
図1に、本発明に係るネットワーク接続装置を用いたネットワーク接続方式の基本的な一実施形態を示す。本実施形態に係るネットワーク接続装置(以下、IWU(InterWorking Unit)とも呼ぶ)を用いて2つの異なるLAN111とLAN112を接続したものであって、LAN111にIWU221を、LAN112にIWU222をそれぞれ設けるとともに、IWU221とIWU222との間ではIWU間の独自プロトコルとしてATMプロトコルを採用し、IWU221ではLAN111とATMプロトコルとのプロトコル変換を行い、IWU222ではLAN112とATMプロトコルとのプロトコル変換を行うように構成したものである。このようなネットワーク接続方式を用いる事によって、IWU間通信路91の帯域の有効利用を可能とするとともに、IWU間に信頼性の高い通信路を提供することができる。
【0031】
図2には、本実施形態のネットワーク接続装置IWU221の内部概略構成の一例を示す。
【0032】
このIWU221内には、接続しているLAN111から送られてきた情報についてLAN111のプロトコルからATMプロトコルへの変換を行うとともに、IWU間通信路から送られてきた情報についてATMプロトコルからLAN111のプロトコルへの変換を行うIWU間プロトコル変換手段31を設けてある。このIWU間プロトコル変換手段31は、あて先情報識別手段41およびプロトコル変換手段51を用いて構成され、あて先情報識別手段41によりLAN111から送られてくる情報のあて先情報を識別して、あて先情報に対応したIWU間のコネクションを割り当て、プロトコル変換手段51によりフレームフォーマットや伝送速度の変換などを行う。これとともに、IWU間通信路から送られてきた情報をATMプロトコルからLAN111のプロトコルに変換するために、プロトコル変換手段51によりフレームフォーマットや伝送速度の変換を行い、IWU間通信路中のどのコネクションを通ってきた情報であるかという事から、あて先情報識別手段41によりLAN111内の送信先端末に対応したあて先情報を書き込むという処理を順次行う。なお、あて先情報識別手段41とプロトコル変換手段51とはその配置の順番は図2に示した順番に限られるものではなく、順番が逆になっていてもかまわない。
【0033】
また、IWU221内にはLAN111内の端末から送られてきた情報のあて先情報とIWU間のコネクションとの対応をとり、そのコネクションを管理制御するためのコネクション管理手段71が存在する。また、コネクション管理手段71によって管理されているコネクションに関する情報は、コネクション管理手段によって管理されるあて先/コネクション・データベース(以下、あて先/コネクションDBと略記する)81に記憶され、コネクションに関する情報が必要な場合にはコネクション管理手段71によってその情報が読み出される。さらに、IWU221内には、IWU221内に設けた各手段の運用保守やIWU間の同期の監視やデータの入出力制御などのIWU221全体の管理制御を行うために、IWU管理CPU(A1)が存在する。このIWU管理CPU(A1)は、IWU内の各手段とバス構造の通信路(図示せず)などによって接続されており、IWU運用中は常に各IWU内手段の監視を行っている。
【0034】
なお、IWU221の内部構成は図2に示す構成に限ったものではなく、後述する各実施形態のように、IWU内部にはコネクション管理手段71やあて先/コネクションDB81を持たないような構成や、コネクション管理手段71とIWU管理CPU(A1)を同一のプロセッサ上で動作させるような構成やIWU管理CPU(A1)とIWU内手段がリング構成やスター型の構成の通信路によって接続されているような場合なども考えられる。
【0035】
このように、図2に示したIWUを用いて図1に示したようなネットワーク接続を行う事によって、従来のネットワーク接続では接続される先のネットワークのプロトコルに合わせたネットワーク接続装置を用いる必要があったのに対して、運用しているネットワークとIWU間独自プロトコル(すなわちATMプロトコル)との変換だけを考えるだけで良くなることから、接続先のネットワークの種類を意識する事無しにネットワーク接続を行う事を可能とする事が出来る。また、IWU間独自プロトコルにコネクション型のATMプロトコルを採用する事で、IWU間に信頼性の高い通信路を提供する事が出来るとともに、IWU間通信路の通信帯域を有効に利用する事が可能となる。
【0036】
[実施形態1−2]
図3には、本発明に係るネットワーク接続装置を用いてネットワーク間を接続する場合のネットワーク接続方式の一実施形態を示す。本実施形態は、ATM方式のネットワーク(ATM−LAN)のようなコネクション型のネットワーク同士を接続する場合に本発明のネットワーク接続装置を適用したものである。
【0037】
本実施形態においては、ATM−LAN115,116内のコネクションは、各ATM−LAN115,116内にそれぞれ設けたコネクション設定手段(図中のCO)441,442によって管理設定されており、IWU223,224間通信路中のコネクションはIWU内のコネクション設定手段331または332によって管理設定される。また、図3には、ATM−LAN115内の端末662からATM−LAN116内の端末664へのコネクションCO−1,CO−4,CO−6と、ATM−LAN115,116間にコネクションを設定するために各コネクション設定手段間に設定されているコネクションCO−2,CO−3,CO−5も一緒に示されている。
【0038】
図4には、本実施形態のIWU223,224の内部概略構成の一例を示す。ATM−LANからの情報を受け取ったData/コネクション選択手段G2は、そのあて先情報から、送られてきた情報がコネクション設定要求情報であった場合にはその情報をコネクション設定手段F2に送り、通常Dataであった場合にはその情報をATM−LAN内VP/VC識別手段42に送る。コネクション設定手段F2は、送られてきたコネクション設定要求情報、およびリソース管理手段E2からコネクション管理手段72を経由して送られてくるリソース管理情報から、IWU間通信路92中に要求されたコネクションが設定できるかどうかの判断を行う。設定が可能となった場合には、新たに設定したコネクションの情報をコネクション管理手段72に送り、コネクション管理手段72がIWUプロトコル変換手段32内のATM−LAN内VP/VC識別手段42を制御してATM−LAN115内のVP/VCコネクションとIWU間通信路中のVP/VCコネクションとの整合をとる。コネクション管理手段72は管理しているコネクションの情報をコネクションDB82に記憶してコネクション管理を行っている。
【0039】
このようなIWU223,224を用いて、ATM−LAN115,116間に端末662から端末664へのコネクションを設定する際の手順の一例を以下に示す。
【0040】
(1)端末662からのコネクション設定要求が、ATM−LAN115内のコネクション設定手段441に送られる。
【0041】
なお、コネクション設定手段441と端末662間の通信方式はブロードキャストによる情報伝達方式でも良いし、シグナリング手順に従っても良いし、あらかじめPVCを設定してしまう方法でも良い。
【0042】
(2)コネクション設定手段441は、ATM−LAN115内のリソース管理情報から、端末662とIWU223との間に要求されたコネクションが設定できるかどうかを判断し、コネクションが設定できる場合には端末662からのコネクション設定要求をIWU223に送る。
【0043】
ここに、コネクション管理手段441によって設定されたコネクションが図3中のATM−LAN115内のコネクションCO−1である。また、コネクション設定手段441とIWU223内コネクション設定手段331(図4中のF2に対応)間にはコネクションCO−2が存在している。
【0044】
(3)コネクション設定手段441からのコネクション設定要求情報を受け取ったIWU223は、IWU223,224間にコネクションが設定できると判断した場合にはIWU間コネクションCO−4を設定する。
【0045】
(4)IWU223,224間に要求コネクションを設定したコネクション設定手段331は、端末662からのコネクション設定要求をIWU224内コネクション設定手段332に送る。
【0046】
ここで、IWU223内のコネクション設定手段331とIWU224内のコネクション設定手段332との間には、コネクション設定手段間のコネクションCO−3が存在している。
【0047】
なお、コネクションCO−3の設定方法は、シグナリング手順に従って設定しても良いし、あらかじめコネクションを設定しておくような方法でも良い。
【0048】
(5)コネクション設定要求を受け取ったIWU224内のコネクション設定手段332は、コネクション設定要求をATM−LAN116内コネクション設定手段442に送る。
【0049】
ここに、コネクション設定手段442とIWU224内コネクション設定手段332(図4のF2に対応)間にはコネクションCO−5が存在している。なお、コネクションCO−5の設定方法は、シグナリング手順に従って設定しても良いし、あらかじめコネクションを設定しておくような方法でも良い。
【0050】
(6)コネクション設定手段442は、ATM−LAN116内のリソース管理情報から、IWU224と端末664の間に要求されたコネクションが設定できるかどうかを判断し、コネクションが設定できる場合にはIWU224と端末664の間にコネクションCO−6を設定する。
【0051】
(7)同様の手順を逆にたどってコネクション接続完了の情報を端末662に向けて送ってやり、図3に示すコネクションが完成する。
【0052】
ここで、IWU223,224の内部構成は図3に示した方法には限らず、リソース管理手段E2とコネクション設定手段72が1つの手段として構成されているもの(例えば、同一CPUで動作する)など、他にも種々の構成方法が考えられる。
【0053】
また、コネクション設定手順もここに示した通りだけではなく、例えばIWU224内のコネクション設定手段332は経由せずに、IWU223とATM−LAN116内のコネクション設定手段442間にコネクションを設定して端末662,664間のコネクション確立を行う方法や、同様にIWU223内のコネクション設定手段331を用いずに、ATM−LAN115内のコネクション設定手段441とIWU224内のコネクション設定手段332間にコネクションを設定して端末662,664間のコネクション確立を行う方法なども考えられる。
【0054】
[実施形態1−3]
図5に本発明に係るネットワーク接続装置を用いてコネクションレス型の通信を行っているLAN(以下、CL型LANと呼ぶ)を接続する場合のネットワーク接続方式の一実施形態を示す。
【0055】
図5に示すネットワーク接続方式では、IWU225,226間の通信路中に複数のPVC(Permanent Virtual Connection)を設定し、CL型LAN113やLAN114から送られてきたデータパケットのあて先情報が同じデータパケットを、IWU間に設定されている同一のPVCにのせて転送するような構成になっている。よって、IWU間の同一PVC内は同じあて先情報のデータパケットだけが通る事になり、IWU間には設定したPVCの本数分のあて先へのデータパケットを同時に転送することが可能となる。
【0056】
このようなATMプロトコルのPVCを用いる事で、コネクション型のプロトコルであるATMプロトコルをIWU間独自プロトコルとして用いても、CL型LAN間の通信を提供出来るようになる。
【0057】
図6には、図5に示したIWU225,226の内部概略構成の一例を示す。このIWU225内には、接続しているCL型LAN113から送られてきた情報をLAN113のプロトコルからATMプロトコルへの変換を行うIWUプロトコル変換手段33が存在する。ここで、IWUプロトコル変換手段33には、図2で示したIWU221内のIWUプロトコル変換手段31と同じ機能を有する手段53が含まれる。ただし、IWU225ではその内部に、LAN113内の端末から送られてきた情報のあて先情報とIWU225,226間に設定されているPVCとの対応をとり、PVCを管理制御するためのPVC管理手段73を設けた。また、IWU221の場合と同様に、PVC管理手段73によって管理されているPVCに関する情報は、PVC管理手段73によって管理されているあて先/PVC−DB83に記憶されている。PVCに関する情報が必要な場合には、PVC管理手段73によってその情報が読み出される事になる。ここで、IWU設置時やネットワーク接続時にIWU間にPVCを設定するためのPVC設定手段B3がIWU225,226には存在する。
【0058】
さらに、IWU225内には、IWU225内の各手段の運用保守やIWU間の同期の監視やデータの入出力制御などのIWU225全体の管理制御を行うために、IWU管理CPU(A3)が存在する。図中には示されていないが、このIWU管理CPU(A3)は、IWU225内の各手段とバス構造やリング構造などの通信路によって接続されており、IWU運用中は常に各IWU225内手段の監視を行っている。ただし、IWU225,226の内部構成も図6に示したような構成に限られたものではなく、図2に示したIWU221同様に各種の構成での実現が可能である。
【0059】
図5および図6に示したようなPVCをあらかじめ設定しておいてIWU間の通信を行う事によって、IWU間にコネクションを設定するためのオーバーヘッドを小さくする事が出来るので、IWU間に転送遅延時間の短い通信路を提供する事が可能となる。また、あらかじめPVCを設定するので、IWU内に必要となるコネクション識別のためのテーブルやそのテーブルの管理手段が小さくて済み、IWUのハードウェア量を削減する事が可能となる。
【0060】
[実施形態1−4]
図7に本発明に係るネットワーク接続装置を用いてコネクションレス型の通信を行っているLANを接続する場合のネットワーク接続方式の一実施形態を示す。
【0061】
本実施形態では、図5の様にネットワーク接続装置間のATMコネクションとしてPVCのような固定コネクションを用いるのではなく、CL型LAN113からCL型データパケットがIWU227に到着した際に、そのあて先情報に対応するコネクションをIWU227,228間にオン・デマンド(On demand)に設定し、その後同じあて先情報を持ったデータパケットが到着した場合には設定したコネクションに順次そのデータをのせて転送する方式でIWU間通信を実現している。また、設定されたコネクションが一定時間使用されなかった場合などのようにコネクションが不要であると判断された場合には、そのコネクションを切断し、新たに到着するデータパケットのあて先情報に対応させるコネクションとして確保しておく。
【0062】
このように、ATMプロトコルのコネクションをCL型のデータパケットが到着する毎に設定し、不要となった場合にはそのコネクションを解放していく事によって、コネクション型のプロトコルであるATMプロトコルを用いても、CL型LAN113と114の間のネットワーク間の通信を提供出来るようになる。
【0063】
図8に、図7に示したIWU227,228の内部概略構成の一例を示す。IWU227内には、接続しているCL型LAN113から送られてきた情報をLAN113のプロトコルからATMプロトコルへの変換を行うIWU間プロトコル変換手段34として、図2で示したIWU221内のIWUプロトコル変換手段31と同じ機能を有する手段54が含まれる。
【0064】
CL型LANからのデータパケットを受信したあて先情報識別手段44では、その識別したあて先情報を、On demand コネクション設定手段C4に送る。On demand コネクション設定手段C4は、コネクション管理手段74からの情報によってそのあて先がすでにIWU間通信路94内にコネクションとして設定されたものであるかどうかを判断し、すでにコネクションとして設定されているものならばその設定されているコネクションを割り当てる。まだ、そのあて先情報がコネクションとして設定されていないものならば、新たにそのあて先情報に未使用のコネクションを割り当てると同時に、その割り当てたコネクションをコネクション管理手段74に通知し、さらにあて先情報識別手段44に新たに対応づけされたあて先情報とコネクションの情報を通知する。通知されたあて先情報識別手段44によって、あて先情報をIWU内コネクション識別子に変換してIWU間通信路94に送出する事になる。
【0065】
また、コネクション管理手段74はIWU間のコネクションを監視しており、コネクションがある一定時間以上使用されなかったり送信端末から通信終了の通知があったりしてコネクションが不要だと判断された場合には、コネクション切断手段D4にコネクション切断命令を送り、コネクション切断手段D4がIWUプロトコル変換手段34に対してコネクション切断命令を発する。また、コネクション管理手段74はIWU227内のリソース管理手段E4によって得られるIWU間通信路中のリソース使用状況によって、On demand コネクション設定手段C4に、後どのくらいのコネクションならば設定可能かという指示を送る事になる。また、コネクション管理手段74は常にIWU間通信路94中にどのくらいのコネクションが設定されているかを監視しており、そのコネクションの情報はあて先/コネクションDB84に記憶され管理されている。
【0066】
さらに、IWU227においてもIWU管理CPU(A4)によるIWU内各手段の管理制御を行っている。また、IWU227はここで示したような構成に限られるのではなく、図2で示したような各手段配備方法が当然考えられる。
【0067】
図7および図8に示したような on demand なIWU間通信路へのコネクション設定を行う事によって、あらかじめ設定したPVCの数の制限を受けることなくIWU間に設定するコネクション数を自由に変化させる事が出来るようになる。また、システム立ち上げ時にPVC設定などのオーバーヘッドが生じないので、迅速なシステム立ち上げを行う事が可能となる。さらに、要求された通信帯域を順次通信路内に割り当てていく事になるので、IWU間通信路中の通信帯域を必要なだけ使用する事が出来るので通信帯域の有効利用が可能となる。
【0068】
[実施形態1−5]
図9に本発明に係るネットワーク接続装置を用いてコネクション型のネットワークを接続する場合のネットワーク接続方式の一実施形態を示す。本実施形態に係るネットワーク接続方式においても、ATM方式のネットワーク(ATM−LAN)を接続する構成を示している。また、本実施形態においてはATM−LAN115や116内のコネクションはATM−LAN115,116内のコネクション設定手段(図中のCO)441,442によって管理設定されると同時に、IWU229,230間通信路中のコネクションもATM−LAN115または116内のコネクション設定手段441または442によって管理設定される事になる。
【0069】
また、図9にはATM−LAN115内の端末662からATM−LAN116内の端末664へのコネクションと、ATM−LAN115,116間にコネクションを設定するための、各コネクション設定手段間に設定されているコネクションも一緒に記されている。
【0070】
図10に、図9に示したIWU229,230の内部概略構成の一例を示す。ATM−LANからの情報を受け取ったIWUプロトコル変換手段35は、コネクション管理手段75からの制御によってATM−LAN115内のVP/VCコネクションとIWU間通信路中のVP/VCコネクションとの整合をとる。本実施形態のIWU229,230はコネクション設定手段を持たないので、基本的にはATM−LANとIWU間コネクションの乗換を行うだけでよい。
【0071】
しかしこの場合には、IWU間通信路中のリソース管理情報はIWU間通信路中のコネクション設定を行っているATM−LAN115または116内のコネクション設定手段に対して送る必要がある。そのために、本実施形態のIWUにおいては、IWU229,230内のコネクション管理手段75が、リソース管理手段E5からのIWU間通信路中のリソース管理情報を、リソース情報作成手段B5を通してATM−LAN115内のコネクション設定手段441またはATM−LAN116内のコネクション設定手段442に対して送り出すようになっている。
【0072】
本実施形態においても、コネクション管理手段75は管理しているコネクションの情報をコネクションDB85に記憶してコネクション管理を行っている。このような図10に示すIWU229,230を用いて、図9のようにATM−LAN115,116間に端末662から端末664へのコネクションを設定する際の手順の一例を以下に示す。
【0073】
(1)端末662からのコネクション設定要求がATM−LAN115内のコネクション設定手段441に送られる。ここで、コネクション設定手段441と端末662間の通信方式はブロードキャストによる情報伝達方式でも良いし、シグナリング手順に従っても良いし、あらかじめPVCを設定してしまうような方法でも良い。
【0074】
(2)コネクション設定手段441は、コネクション設定要求がATM−LAN115内の端末宛の要求でない場合には、ATM−LAN115内のリソース管理情報とIWU229から送られてくるIWU229・230間の通信路中のリソース管理情報から、端末662とIWU229・IWU230の間に要求されたコネクションが設定できるかどうかを判断し、コネクションが設定できる場合には端末662からのコネクション設定要求をIWU229に送る。ここに、コネクション管理手段441によって設定されたコネクションが図9中のATM−LAN115内のコネクションCO−2とIWU間のコネクションCO−4である。また、コネクション設定手段441とIWU229の間にはコネクションCO−1が存在している。なお、コネクションCO−1の設定方法はシグナリング手順に従った方法でも良いし、あらかじめコネクションを設定しておくような方法でも良い。
【0075】
(3)コネクション設定手段441からのコネクション設定要求情報を受け取ったIWU229は、IWU間のコネクション設定要求情報用コネクションCO−3にコネクション設定要求情報をのせてIWU230にコネクション設定要求情報を送る。なお、コネクションCO−3の設定方法はシグナリング手順に従った方法でも良いし、あらかじめコネクションを設定してしまっておくような方法でも良い。
【0076】
(4)IWU230はCO−3で送られてくるコネクション設定要求情報を、ATM−LAN116内のコネクション設定要求情報用コネクションCO−5にのせてコネクション設定手段442に送る。
【0077】
(5)コネクション設定手段442はATM−LAN116内のリソース管理情報から、IWU230と端末664の間に要求されたコネクションが設定できるかどうかを判断し、コネクションが設定できる場合にはIWU228と端末664の間にコネクションCO−6を設定する。
【0078】
(6)同様の手順を逆にたどってコネクション接続完了の情報を端末662に向けて送ってやり、図9中のコネクションが完成する。
【0079】
前記の機能を提供する本実施形態のIWU229,230の内部構成は、図10に示したものには限らず、図7および図8に示したIWU227,228と同様に各種の構成方法が考えられる。また、コネクション設定手順もここに示した通りだけではなく、例えばIWU間のコネクション設定をコネクション設定手段441ではなくコネクション設定手段442に行わせる方法や、コネクション設定要求を出した端末の所属するATM−LANのコネクション設定を行っているコネクション設定手段がIWU間のコネクションも設定するなどの方法も考えられる。
【0080】
図3および図4に示した構成のように、コネクション設定手段を単位ネットワーク内とIWU内に分散させて持たせる事によって、ATM−LAN内のコネクション設定の負荷が大きい場合に、ネットワーク接続によるコネクション設定の負荷を1つのコネクション設定手段に集中させる事無しに他のネットワークとの接続を行う事が可能となる。また、図9および図10に示したよう構成のように、IWU間のコネクション設定負荷をATM−LAN内のコネクション設定手段にも負担させる事によって、IWU内のCPU負荷を小さくする事でネットワーク接続装置にかかる負荷を軽減する事が可能となる。
【0081】
以上のような双方の機能を持ったIWUをネットワーク間にバランス良く配置する事で、コネクション設定負荷やネットワーク管理負荷に偏りの無いバランスのとれたネットワーク構成を実現する事が容易に出来るようになる。
【0082】
[実施形態1−6]
以上各実施形態について説明してきたが、次に、図11、図12、図13に前述した本発明に係るネットワーク接続装置を用いてATM−LAN間のネットワーク接続を行い、ATM−LAN間にまたがったコピーコネクションを実現する場合の3通りの実施形態を示す。
【0083】
各図で示されているコピー手段771,772,773,774におけるコピー手段としては、そのコピー手段がコピーサービスを行う対象としている全ての端末に同一の情報を送信するブロードキャストの手段と、サービス対象の端末のうちのいくつかの端末に情報をコピーして送信するマルチキャスト手段が考えられる。コピー手段にこのようなブロードキャスト手段とマルチキャスト手段を持たせる事で以下の3通りの構成によって、ATM−LAN115内の端末661からの情報をATM−LAN116内の全ての端末にブロードキャストする事も、ATM−LAN116内のいくつかの特定の端末に情報を送信する事も可能となっている。以下に、各実施形態についての詳細を示す。
【0084】
(実施形態1−6−1)
図11に示す構成においては、ATM−LAN115内の端末661がATM−LAN116内の端末662,663,664にコピーコネクションを設定するようになっている。
【0085】
ここで、端末661から端末662,663,664へのコネクションの設定方法としては、ATM−LAN115内のコネクション設定手段441がATM−LAN115内のコネクションCO−1を設定し、IWU231またはIWU232内のコネクション設定手段がIWU間のコネクションCO−2を設定し、ATM−LAN116内のコネクション設定手段442がATM−LAN116内のコネクションCO−3,CO−4,CO−5,CO−6,CO−7を設定するとしても良い。あるいは、ATM−LAN115内のコネクション設定手段441がコネクションCO−1,CO−2を設定し、ATM−LAN116内のコネクション設定手段442がコネクションCO−3,CO−4,CO−5,CO−6,CO−7を設定するという方法でも良い。さらには、ATM−LAN115内のコネクション設定手段441がコネクションCO−1を設定し、ATM−LAN116内のコネクション設定手段442がコネクションCO−2,CO−3,CO−4,CO−5,CO−6,CO−7を設定するとしても良い。
【0086】
このように設定されるコネクションCO−1,CO−2,CO−3,CO−4,CO−5,CO−6,CO−7によって、図11でのコピー方法においては以下のような手順でコピー機能が提供される。
(1)端末661から送出された情報は、コネクションCO−1,CO−2によってIWU231からATM−LAN116内のIWU232に送られる。 (2)送られてきた情報は、さらにIWU232からコネクションCO−3によって交換手段552を経由してATM−LAN116内のコピー手段771に送られる。
(3)コピー手段771でコピー処理を受けたその情報は、再び交換手段552にコネクションCO−4によって送られる。
(4)交換手段552はコネクションCO−5,CO−6,CO−7によってATM−LAN116内の端末662、663、664にそれぞれ情報を送信する。
【0087】
ここで、コピー手段771は交換手段552の内部に設けても良いし、交換手段552とコピー手段771をATM−LAN116内で独立させたものとして構成してもかまわない。また、コピー手段771がATM−LAN116内の独立した手段である場合には、IWU232から直接コピー手段771にコネクションが設定され、コピー手段771から交換手段552を介して端末662、663、664にコネクションが設定されているようなコネクションの設定になっていてもかまわない。さらに、コピー手段771からのコネクションは必ずコピー手段771にデータを送ってきた交換手段552にコピーしたデータを送る必要はなく、コピー手段771からのコネクションがATM−LAN116内の別の交換手段を介して端末662、663、664にデータを送るようなコネクションになっていてもかまわない。
【0088】
このような方法を用いる事によって、ATM−LAN115からATM−LAN116へのコピーコネクションを提供する事が出来る。また、コピー手段をATM−LAN116内のコピー手段に任せる事によって、IWU間のコネクションとしてコピー情報1回分の帯域のコネクションを設定するだけでネットワーク間のコピーコネクションを提供する事が出来るようになっている。
【0089】
(実施形態1−6−2)
図12においても、ATM−LAN115内の端末661がATM−LAN116内の端末662,663,664にコピーコネクションを設定するようになっている。
【0090】
この場合のコピー方法は、ネットワーク接続装置(IWU)の内部にコピー手段を持たせる事によって、ネットワーク間にまたがったコピーコネクションを設定できるような構成になっている。また、端末661から端末662,663,664へのコネクションの設定方法としては前述した実施形態と同様に、ATM−LAN115内のコネクション設定手段441がATM−LAN115内のコネクションCO−1を設定し、IWU233またはIWU234内のコネクション設定手段がIWU間のコネクションCO−2を設定し、ATM−LAN116内のコネクション設定手段442がATM−LAN116内のコネクションCO−3、CO−4、CO−5を設定するとしても良い。あるいは、ATM−LAN115内のコネクション設定手段441がコネクションCO−1,CO−2を設定し、ATM−LAN116内のコネクション設定手段442がコネクションCO−3,CO−4,CO−5を設定するという方法でも良い。さらには、ATM−LAN115内のコネクション設定手段441がコネクションCO−1を設定し、ATM−LAN116内のコネクション設定手段442がコネクションCO−2,CO−3,CO−4,CO−5を設定するとしても良い。
【0091】
このように設定されるコネクションCO−1,CO−2,CO−3,CO−4,CO−5によって、図12でのコピー方法においては以下のような手順でコピー機能が提供される。
(1)端末661から送出された情報は、コネクションCO−1,CO−2によってIWU233からATM−LAN116内のIWU234に送られる。 (2)IWU234は内部のコピー手段773においてコピー処理を行う。 (3)コピー処理をされた情報はIWU234から端末662,663,664に設定されたコネクションCO−3,CO−4,CO−5によって端末662,663,664に送られる。
【0092】
このような方法を用いる事によって、図11の場合のようにコピー手段をATM−LAN116内のコピー手段に負担させるのではなく、IWU234内部で提供する事が可能となり、しかも、ATM−LAN116内で必要とするコネクションの数を増やす事無くネットワーク間にまたがったコピーコネクションを提供する事が出来るようになる。また、図11に示した実施形態と同様に、IWU間に1コネクションを定義するだけでネットワーク間にまたがったコピー機能が提供できるようになっている。
【0093】
(実施形態1−6−3)
図13においても、ATM−LAN115内の端末661がATM−LAN116内の端末662,663,664にコピーコネクションを設定するようになっている。この場合も、図12に示した実施形態と同様にネットワーク接続装置(IWU)内にコピー手段を持たせるような構成によって、ネットワーク間にまたがるコピーコネクションを実現するようになっている。しかし、図13の場合には、ATM−LAN115側のIWU235内にはコピー手段774が存在するが、ATM−LAN116側のIWU236内にはコピー手段が存在しないような場合のコピー手段実現方法を考えている。このような場合の端末661から端末662,663,664へのコネクションの設定方法としては先の場合と同様に、ATM−LAN115内のコネクション設定手段441がATM−LAN115内のコネクションCO−1を設定し、IWU235またはIWU236内のコネクション設定手段がIWU間のコネクションCO−2,CO−3,CO−4を設定し、ATM−LAN116内のコネクション設定手段442がATM−LAN116内のコネクションCO−5,CO−6,CO−7を設定するとしても良い。あるいは、ATM−LAN115内のコネクション設定手段441がコネクションCO−1,CO−2、CO−3、CO−4を設定し、ATM−LAN116内のコネクション設定手段442がコネクションCO−5,CO−6,CO−7を設定するという方法でも良い。さらには、ATM−LAN115内のコネクション設定手段441がコネクションCO−1を設定し、ATM−LAN116内のコネクション設定手段442がコネクションCO−2,CO−3,CO−4,CO−5,CO−6,CO−7を設定するとしても良い。
【0094】
このように設定されるコネクションCO−1,CO−2,CO−3,CO−4,CO−5,CO−6,CO−7によって、図13での方法においては以下のような手順によってコピー手段が提供される。
(1)端末661から送出された情報はコネクションCO−1によってIWU235に送られる。
(2)IWU235の内部のコピー手段774によって情報のコピー処理を行う。
(3)コピー処理された情報はコネクションCO−2,CO−3,CO−4によってIWU236に送られる。
(4)IWU236においてIWU間コネクションCO−2,CO−3,CO−4とATM−LAN116内コネクションCO−5,CO−6,CO−7の間の整合が取られ、それぞれのコネクションが接続される。
(5)IWU236から送り出されたコピー情報はコネクションCO−5,CO−6,CO−7によって端末662,663,664に送られる。
このような方法を用いる事によって、IWU間通信を行う際に片方のIWUにコピー手段がついていない場合でも、ATM−LAN116内に存在しうるコピー手段に負担をかける事無くネットワーク間にまたがったコネクションでのコピー手段を提供する事が可能となる。また、図12に示した実施形態による利点と同様に、ATM−LAN116内にコピー手段が存在しない場合でもATM−LAN115からのコピーコネクションをATM−LAN116に対して提供できるようになっている。
【0095】
また、図13での方法と同じように、送信側のネットワークでコピー機能を提供する場合としては、図11に示したようなATM−LAN115内に設けたコピー手段によって情報のコピーを行った後に、IWU235,236を介して端末661からの情報を端末662,663,664に送出する事でネットワーク間にまたがったコピー手段を提供する事も可能である。
【0096】
[実施形態1−7]
次に、図14および図15に、前述した本発明に係るネットワーク接続装置を用いてATM−LAN間にまたがったデータグラム通信を提供する場合のネットワーク構成の実施形態を示す。ここでは、ATM−LAN間にデータグラム通信を提供するための手段としてCLSF(Connection-Less Service Function)処理手段を用いた場合の2通りの実施形態を示している。
【0097】
(実施形態1−7−1)
図14においては、ATM−LAN115内の端末662が、ATM−LAN116内の端末663にデータグラム通信を行うようにコネクションを設定するようになっている。
【0098】
ここで、端末662から端末663へのコネクションの設定方法としては、ATM−LAN115内のコネクション設定手段441がATM−LAN115内のコネクションCO−1を設定し、IWU237またはIWU238内のコネクション設定手段がIWU間のコネクションCO−2を設定し、ATM−LAN116内のコネクション設定手段442がATM−LAN116内のコネクションCO−3を設定するとしても良い。あるいは、ATM−LAN115内のコネクション設定手段441がコネクションCO−1,2を設定し、ATM−LAN116内のコネクション設定手段442がコネクションCO−3を設定するという方法でも良い。さらには、ATM−LAN115内のコネクション設定手段441がコネクションCO−1を設定し、ATM−LAN116内のコネクション設定手段442がコネクションCO−2,3を設定するとしても良い。
【0099】
また、各コネクションをコネクション設定手段によって設定するのではなく、ATM−LAN内の端末とIWUまたはIWU内のCLSF処理手段に対して、例えばPVCのような設定方法によって、あらかじめコネクションを割り当てておき、端末662がデータグラム通信を行う場合にはそのあらかじめ設定されているコネクションに情報をのせて転送するようにしても良い。あるいは、IWU間のコネクションもコネクション設定手段によって設定されるのではなく、あらかじめPVCのようなコネクションを設定するような方法でも良い。さらには、データグラム情報が到着する毎にコネクションを設定する On demand なコネクション設定方法でもかまわない。
【0100】
このように設定されるコネクションCO−1,CO−2,CO−3によって、図14での方法においては以下のような手順によってデータグラム通信が提供される。
(1)端末662から送出された情報はコネクションCO−1によってIWU237内のCLSF処理手段881に送られる。
(2)CLSF処理手段881においてデータグラム情報のあて先情報からそのあて先端末がATM−LAN115内に存在しない場合には、IWU間通信路中のコネクションCO−2によってその情報をIWU238に送信する。
(3)IWU238においては送られてきたデータグラム情報のあて先情報からATM−LAN116内のどの端末への情報であるかを読み取る。
(4)IWU238から端末663へは、新たに設定されたか、または、あらかじめ設定されているかのコネクションCO−3によってデータグラム情報を端末663に送信する。
【0101】
ここで、CLSF機能を提供するのはIWU237内のCLSF処理手段881でも良いし、IWU238内のCLSF処理手段882でも良い。
【0102】
(実施形態1−7−2)
図15においても、ATM−LAN115内の端末662がATM−LAN116内の端末663にデータグラム通信を行うようにコネクションを設定するようになっている。
【0103】
ここで、端末662から端末663へのコネクションの設定方法としては、ATM−LAN115内のコネクション設定手段441がATM−LAN115内のコネクションCO−1、2を設定し、IWU239またはIWU240内のコネクション設定手段がIWU間のコネクションCO−3を設定し、ATM−LAN116内のコネクション設定手段442がATM−LAN116内のコネクションCO−4、5を設定するとしても良い。あるいは、ATM−LAN115内のコネクション設定手段441がコネクションCO−1,2、3を設定し、ATM−LAN116内のコネクション設定手段442がコネクションCO−4、5を設定するという方法でも良い。さらには、ATM−LAN115内のコネクション設定手段441がコネクションCO−1、2を設定し、ATM−LAN116内のコネクション設定手段442がコネクションCO−3、4、5を設定するとしても良い。
【0104】
また、各コネクションをコネクション設定手段によって設定するのではなく、ATM−LAN内の端末とCLSF処理手段の間やCLSF処理手段とIWUの間に、例えばPVCのような設定方法によって、あらかじめコネクションを割り当てておき、端末662がデータグラム通信を行う場合にはあらかじめ設定されているデータグラム用のコネクションに情報をのせて情報転送するようにしても良い。また、IWU間のコネクションCO−3も、図14に示した実施形態と同様に、コネクション設定手段によって設定されるのではなく、あらかじめPVCのようなコネクションを設定してしまうような方法でも良い。あるいは、データグラム情報が到着する毎にコネクションを設定する On demand なコネクション設定方法でもかまわない。
【0105】
このように設定されるコネクションCO−1,CO−2,CO−3、CO−4、CO−5によって、図15での方法においては以下のような手順によってデータグラム通信が提供される。
(1)端末662から送出された情報はコネクションCO−1によってATM−LAN115内のCLSF処理手段883に送られる。
(2)CLSF処理手段883においてデータグラム情報のあて先情報から、ATM−LAN115内への配送データではないと判断した場合には、IWU239との間に設定されているコネクションCO−2によってIWU239に情報を送信する。
(3)IWU239においては送られてきたデータグラム情報のあて先情報から、IWU間にコネクションを新たに設定するか、あらかじめ設定されているか、のコネクションCO−3によって情報をIWU240に送信する。
(4)IWU240においては、送られてきた情報がデータグラム情報用のコネクション(CO−3など)を通ってきた場合にはその情報をATM−LAN116内のCLSF処理手段884に送信する。
(5)CLSF処理手段884では、送られてきたデータグラム情報のあて先情報からATM−LAN116内のどの端末に対しての情報であるかを読み取って、コネクションCO−5によって端末663に情報を送信する。
【0106】
このような図14あるいは図15に示した構成を採用する事によって、ATM−LAN内にCLSF処理手段を持たないようなATM−LANを接続した場合や、CLSF処理手段をATM−LAN内の手段として持っているような場合のATM−LAN間にまたがったデータグラム通信を提供する事が出来るようになる。
【0107】
[実施形態1−8]
次に、図16に、前述した本発明に係るネットワーク接続装置を用いて複数のネットワークにまたがってコネクション型の通信を行う際のネットワーク接続方式の一実施形態を示す。図中においては、ATM−LAN115内の端末662からATM−LAN117を通ってATM−LAN116内の端末663に至るコネクションCO−1,CO−2,CO−3,CO−4,CO−5とともに、コネクションを設定するためにコネクション設定手段441、442、443、333、334、335、336の間にあらかじめ設定されるコネクション設定要求用のコネクションCO−6,CO−7,CO−8,CO−9,CO−10,CO−11を示している。
【0108】
なお、ここでは接続しているネットワークがコネクション型のネットワークのみを想定して示しているが、接続するネットワークはコネクション型のものに限られるものではなく、前述の各種のコネクションレス型のネットワーク接続方法を用いる事によってコネクションレス型のネットワークも接続する事が可能である。
【0109】
図16を用いて端末662から端末663へコネクションを設定するための手順を以下に示す。
【0110】
(1)端末662からのコネクション設定要求信号がATM−LAN115内のコネクション設定手段441に送られる。ここで、コネクション設定手段441と端末662間の通信方式はブロードキャストによる情報伝達方式でも良いし、シグナリング手順に従っても良いし、あらかじめPVCを設定してしまうような方法でも良い。
【0111】
(2)コネクション設定手段441は、そのコネクション接続要求端末(端末663)がATM−LAN115内にないので、端末662とIWU241間にコネクションCO−1を設定し、コネクション設定要求情報をコネクションCO−6を用いてIWU241内のコネクション設定手段333に送る。ただし、設定できないときにはコネクション拒否の信号を端末662に送る。
【0112】
(3)コネクション設定手段333はIWU241とIWU245の間にコネクションが設定できるならばコネクションCO−2を設定し、コネクション設定要求情報をコネクションCO−7を用いて、IWU245内のコネクション設定手段335に送る。ただし、コネクションが設定できないときはコネクション拒否の信号をコネクションCO−6を用いてコネクション設定手段441に送る。
【0113】
(4)コネクション設定手段335はコネクション設定要求情報をコネクションCO−8を用いてATM−LAN117のコネクション設定手段443に送る。
【0114】
(5)コネクション設定手段443はコネクション接続要求先の端末(端末663)がATM−LAN117内にないので、IWU245、246間にコネクションCO−3を設定し、コネクション設定要求情報をコネクションCO−9を用いてIWU246内のコネクション設定手段336に送る。ただし、設定できないときにはコネクション拒否の信号をコネクション設定手段335に送る。
【0115】
なお、ATM−LAN117はバックボーンネットワークとしてATM−LAN間の接続を行っているネットワークであるので、そのコネクション設定手段443は、コネクション接続要求先の端末がどのATM−LANに所属しているのかを知っているものである。
【0116】
(6)コネクション設定手段336は、IWU246とIWU242の間にコネクションが設定できるならばコネクションCO−4を設定し、コネクション設定要求情報をコネクションCO−10を用いて、IWU242内のコネクション設定手段334に送る。ただし、コネクションが設定できないときはコネクション拒否の信号をコネクションCO−9を用いてコネクション設定手段443に送る。
【0117】
(7)コネクション設定手段334は、コネクション設定要求情報をATM−LAN116内のコネクション設定手段442に対してコネクションCO−11を用いて送る。
【0118】
(8)コネクション設定手段442は、コネクション設定要求先の端末がATM−LAN116内にあるので、IWU242、端末663間にコネクションCO−5を設定し、コネクション接続情報をコネクションCO−11を用いてIWU242内のコネクション設定手段334に送る。ただし、設定できないときにはコネクション拒否の信号をコネクション設定手段334に送る。
【0119】
(9)コネクション接続情報が順次送り返されていき、最終的に端末662と端末663の間にコネクションが確立される。
【0120】
ここでは簡単のためにIWU内にもコネクション設定手段を持たせた構成にしが、この場合も先の場合と同様にIWU間のコネクションをATM−LAN内のコネクション設定手段が設定するような構成、例えばコネクションCO−2をコネクション設定手段441が設定するような構成でもかまわない。また、IWU間のコネクションをコネクション設定要求側のIWU内のコネクション設定手段で設定が、この場合もコネクション設定要求側と反対側のIWUのコネクション設定手段がIWU間のコネクションを設定するような構成、例えばコネクションCO−2をコネクション接続手段333が設定するのではなくてコネクション設定手段335が設定するような構成でもかまわない。
【0121】
さらに、図16においてはIWU内のコネクション設定手段間にあらかじめコネクションを設定しておいてコネクション設定要求情報の転送を行うような構成になっているが、コネクション設定要求情報の転送には新たに設定したコネクションを用いてコネクション設定要求情報を転送していくような構成、例えばIWU241とIWU245の間にコネクションCO−2を設定した後で、コネクションCO−2を用いてコネクション設定要求信号をコネクション設定手段333から335に転送するような構成になっていてもかまわない。
【0122】
このようなネットワーク接続方式を用いる事によって、複数のATM−LANや各種のネットワークを高速のバックボーンATM網によって接続する事で広域に広がったLANを構成する事が可能となる。また、図16のような構成にする事で、ATM−LAN115とATM−LAN116とが直接LAN間接続されていないような場合でも、ATM−LAN115内の端末662とATM−LAN116内の端末663との間に高速のATMコネクションを設定する事が可能となり、複数のATM−LANを用いた高速のネットワーク構成を実現する事が可能となる。
【0123】
また、バックボーンネットワークであるATM−LAN117内のコネクション設定手段443がIWU間のコネクション管理を全て行うような構成とする事で、ユーザーが運用しているATM−LANがバックボーンネットワークに接続する際に、ATM−LAN内に新たな手段をつけ加える事無くIWUを1台設置してATM−LAN117に接続すれば他のATM−LANとの通信も行う事が可能となり、ネットワーク運用やネットワークの拡張が従来よりも容易に実現できるような構成になっている。
【0124】
[実施形態2−1]
図17に本発明に係るネットワーク接続装置を用いた場合のネットワーク接続方式の一実施形態を示す。図17においては、LAN(A111,A112,A113)を、それぞれのLAN内に設けたネットワーク接続装置A221,A222,A223によって接続した場合のネットワーク構成の一例を示している。ここで、各IWU(A221,A222,A223)には、プロトコル変換手段A441,A442,A443、およびコネクション設定手段A881,A882,A883をそれぞれ設けた構成になっている。
【0125】
図18には、図17に示したIWU(A221〜A223)の内部構成の一実施形態の概略図を示す。
【0126】
このIWUには、LAN側のインタフェース手段として、接続されているLANとATMプロトコルとのプロトコル変換手段をモジュール化したモジュール化プロトコル変換手段A31−1〜A31−nを有している。ここでnは、IWUが持つ事の出来るLAN側のインタフェース数である。また、プロトコル変換にかかる処理時間や情報衝突の間パケットを待たせるためのバッファ手段がこの場合でも必要になる事が予想されるが、このバッファ手段はモジュール化プロトコル変換手段に持たせる事も可能であるし、バッファ手段自身はIWU本体にもたせバッファとのインタフェースをモジュール化プロトコル変換手段に持たせる構成にする事も可能である。また、モジュール化プロトコル変換手段A31−1〜A31−nは、接続されているLAN内のアドレス体系とIWU間プロトコル (すなわちATMプロトコル)のアドレス体系の変換を行うとともに、接続されているLAN内プロトコルやIWU間通信路中のコネクション管理情報の入出力を行うためのインタフェースを有する構成となっている。
【0127】
さらに、本IWU内にはネットワーク接続装置間のATMコネクションを設定するためのコネクション設定手段AM1とともに、ネットワーク接続装置間に設定されたコネクションや、アドレス情報、コネクション情報などを管理するためのコネクション管理手段A71が存在する。コネクション管理手段A71は、そこで管理しているLANおよびIWU間コネクションのアドレスやコネクションに関する情報を、IWU内に存在するコネクションデータベースA81に記憶して管理するような構成になっている。また、コネクション設定に必要な情報を各IWU間通信路から得るためのリソース管理手段AE1が存在する構成になっている。
【0128】
このリソース管理手段AE1では、IWU間通信路のリソース情報として、コネクション設定数や使用帯域(ピーク値や平均値など)や各通信路の持つ通信帯域などのリソース情報を管理している事になる。リソース管理手段AE1で収集されたリソース管理情報は、コネクション管理手段A71に送られコネクション管理のための情報として用いられるとともに、IWU間通信路A91−1〜A91−n中のコネクションの設定を行うコネクション設定手段AM1にも送られて、コネクション設定に必要な通信路中のリソース情報として用いられる。
【0129】
また、このIWU中には、モジュール化プロトコル変換手段A31−1〜A31−nを当該IWUに着脱可能な構成とするために、IWU本体とモジュール化プロトコル変換手段との間にモジュール接続手段AH1−1〜AH1−nが存在する構成になっている。これは、モジュール化プロトコル変換手段をIWU本体に着脱するためのコネクタのような手段を提供するもので、IWU本体の手段はこのモジュール接続手段によって一度終端される構成になっており、モジュール接続手段の先にモジュール化IWUプロトコル変換手段が存在しない場合でも、IWU本体としてはその手段を提供する事が可能となるような構成になっている。
【0130】
さらに、モジュール接続手段AH1−1〜AH1−nとスイッチング手段AZ1の間には、スイッチング手段AZ1への入力インタフェースに合わせるためのI/F手段AJ1−3〜AJ1−nが存在する。さらにスイッチング手段AZ1からIWU間通信路A91−1〜A91−nへの出力インタフェースの整合を取るためのAJ2−1〜AJ2−nが存在する。これらのI/F手段は、後述する図20中のI/F手段AJ3−1〜AJ3−n、AJ4−1〜AJ4−nと同様の機能を提供するものである。
【0131】
ここでは、IWUとネットワークとの間のプロトコル変換手段をモジュール化してIWU本体に着脱可能となるような構成としたが、IWUに必要なプロトコル変換手段は必ずしもこのように着脱可能な構成になっている必要はなく、プロトコル変換手段がIWU本体の中にあらかじめ埋め込まれているような構成になっていても良い。あるいは、プロトコル変換手段だけはIWU本体から離れて設置されていて、プロトコル変換手段とIWU本体がなんらかの手段によって情報転送できるような構成にしても良い。また、IWU内にもIWU全体のタイミング制御やIWUが提供するべき手段の管理などを行うためのIWU管理CPU (AA1)が存在する。図中ではIWU管理CPUは単独に存在しているが、実際のIWU内部においてはIWU管理CPUと図18のIWU内部の各手段との間には内部バスなどが存在している。
【0132】
このようなIWUの構成を実現する事によって、従来のマルチプロトコルルーターのように受信した情報の送出先通信路をソフトウェア処理によって決定していた場合に比べて、送出先通信路の選択を高速のハードウェア処理によって行う事が可能となるので、複数ネットワークを接続するようなネットワーク接続を行う際にも高速のネットワーク間通信を提供する事が可能となる。また、IWU内のプロトコル変換手段をモジュール化してIWU本体に着脱可能な構成とした事で、1台のIWUを用いて複数のパターンのネットワーク接続を容易に提供する事が可能となるとともに、ネットワーク構成を変更したりネットワーク間の通信容量や接続するネットワークの数自体を拡張したい場合でも、容易にその手段を提供する事が可能となる。
【0133】
[実施形態2−2]
続けて、図19に本発明に係るネットワーク接続装置を用いて複数のATM−LANを接続する場合のネットワーク接続方式の一実施形態を示す。
【0134】
図19においては、ATM−LAN(A114,A115,A116)を、それぞれのATM−LAN内のネットワーク接続装置A224,A225,A226によって接続した場合のネットワーク構成の一例を示している。ここで、各IWU(A224,A225,A226)には、コネクション設定手段A884,A885,A886を設けた構成になっているが、必ずしもそうである必要はなく、コネクション設定手段を持たないIWUを用いてもかまわない。
【0135】
図20に、図19に示したIWU(A224〜A226)の内部構成の一実施形態の概略図を示す。図20のIWU内には、図18に示したIWUと同様に、IWUによって接続している通信路中のコネクションをスイッチングするためのスイッチング手段AZ2が存在する。
【0136】
このスイッチング手段AZ2は、基本的には図18のスイッチング手段AZ1と同じ機能を提供するもので、ATMスイッチング手段のようなハードウェアによる自己ルーティングスイッチングを行うものであり、IWU内での情報交換を高速に行うとともに、IWUによって接続される通信路中に高速の情報転送を行うコネクションを設定する事を可能とし、ネットワーク間での高速情報転送処理を可能とするものである。
【0137】
このスイッチング手段AZ2の入出力インタフェースの数は、ネットワーク間に設定する情報転送量(スループット)や、IWUによって同時に接続するネットワークの数などによって設定される事になる。しかし、スイッチング手段AZ2のインタフェースをあらかじめ多めに設定しておいて、ネットワーク拡張時やネットワーク構成の変更時などにその冗長分のインタフェースを用いて新たな通信路をIWUに設けるようにする事も可能である。
【0138】
また、本実施形態のIWU内にはATM−LAN側のインタフェース手段として、まず送られてきたパケットをコネクション設定要求パケットと情報パケットに選別するためのData/コネクション選択手段AK2−1〜AK2−nが存在する。
【0139】
ここで、送られてきたパケットがコネクション設定要求パケットであった場合には、そのコネクション設定要求パケットをIWU内のコネクション設定手段AM2に送る。このコネクション設定手段AM2は、図19のコネクション設定手段A884〜A886に対応するものであり、IWU間コネクションの設定を行う機能を有するものである。送られてきたパケットが通常の情報パケットの場合にはそのままVP/VC変換手段AL2−1〜AL2−nに送られる。VP/VC変換手段は、接続されているATM−LANとIWU間独自プロトコルとのアドレス変換を行うものであり、コネクション管理手段から通知される入力VP/VCと出力VP/VCの変換テーブルに従ってVP/VC変換を行うものである。ここで、nはIWUが持つ事の出来るATM−LAN側のインタフェース数であり、通常はIWU内のスイッチング手段AZ2の入出力インタフェース数と同じ数のモジュールを持つ事が可能であるが、必ずしもスイッチング手段AZ2のインタフェース数と同じモジュール数である必要はなく、ATM−LAN側やIWU間通信路の使用形態に合わせたインタフェース数をIWUに持たせる事が可能である。
【0140】
このようなVP/VC変換を行うために、本実施形態のIWU内には、ATM−LAN側のコネクションとIWU間のコネクションの管理を行うコネクション管理手段A72が存在する。コネクション管理手段A72は、そこで管理するATM−LANやIWU間コネクションのアドレスやコネクションに関する情報を、IWU内に存在するコネクションデータベースA82に記憶して管理するような構成になっている。また、各IWU間通信路A92−1〜A92−nからのリソース情報を得るためのリソース管理手段AE2が本IWU内には存在する。
【0141】
このリソース管理手段AE2では、IWU間通信路のリソース情報として、コネクション設定数や使用帯域(ピーク値や平均値など)や各通信路の持つ通信帯域などのリソース情報を管理している事になる。リソース管理手段AE2で収集されたリソース管理情報は、コネクション管理手段A72に送られコネクション管理のための情報として用いられるとともに、IWU間通信路A92−1〜A92−n中のコネクションの設定を行うコネクション設定手段AM2にも送られて、コネクション設定に必要な通信路中のリソース情報として用いられる。
【0142】
さらに、VP/VC変換手段AL2−1〜AL2−nとスイッチング手段AZ2の間には、スイッチング手段への入力インタフェースに合わせるためのI/F手段AJ3−1〜AJ3−nが存在する。このI/F手段は、VP/VC変換手段から送られてくるIWU間プロトコル(すなわちATMプロトコル)による情報パケットのあて先情報に従って、スイッチング手段AZ2内部の自己ルーティングアルゴリズムによる物理的なアドレス(ルーティングアドレス)への変換や、スイッチング手段AZ2内のパケットフォーマットへの変換(パラレル展開やルーティングヘッダ付加)などの処理を行う。また、スイッチング手段AZ2の出力をIWU間通信路A92−1〜A92−n内に送るために、I/F手段AJ3−1〜AJ3−nによってスイッチング手段内のフォーマットに変換したパケットを再びIWU間独自プロトコルのフォーマットに変換するためのI/F手段AJ4−1〜AJ4−nが、スイッチング手段AZ2とIWU間通信路A92−1〜A92−nの間に存在する。
【0143】
このようにして、接続されているATM−LANからの情報は、VP/VC変換を受けた後にスイッチング手段によって所定のIWU間通信路に送出されるような構成になっている。また、VP/VC変換にかかる処理時間や情報衝突の間パケットを待たせるためのバッファ手段がIWU内に必要になる事が予想されるが、このバッファ手段はVP/VC変換手段に持たせる事も可能であるし、I/F手段に持たせる事も可能である。
【0144】
また、本実施形態のIWU内にも、IWU全体のタイミング制御やIWUが提供するべき機能の管理などを行うためのIWU管理CPU(AA2)が存在する。図中ではIWU管理CPU(AA2)は単独に存在しているが、実際のIWU内部においてはIWU管理CPUと図20中のIWU内部の各手段との間には内部バスなどが存在している。
【0145】
このようなIWUの構成を実現する事によって、複数のATM−LANを接続する場合に、ATM−LAN間を自由に接続する事が出来るとともに、ネットワーク間にまたがったATMコネクションを設定する事が可能となるので、異なるATM−LANに所属する端末間での高速の情報転送を実現する事が可能となる。また、IWUが提供するインタフェースの数を任意に設定する事が出来るので、ネットワーク構成に柔軟性を持たせる事が出来るとともに、ネットワーク拡張時やネットワーク構成を変更したりするような場合にも、IWUの手段を大きく変更する事無く、容易にネットワークの形態に対応したIWUを提供する事が可能となる。また、本IWUを用いて、スイッチング手段に入力するインタフェースのうちの数本にはData/コネクション選択手段とVP/VC変換手段は設けずに、ATM−LAN内のVP/VCをそのままI/F手段に入力してスイッチング手段内の物理アドレスにマッピングし、そのマッピングされたアドレスに対応するスイッチング手段の出力インタフェースのうちの数本をそのままATM−LAN内の通信路に割り当て、残りの数本をIWU間通信路に割り当てることで、IWUの手段の一部をATM−LAN内の通常のスイッチングノードとして利用しながら、同じIWUによってATM−LAN間のネットワーク接続手段をも提供する事が可能となる。
【0146】
また、図17と図18に示したIWUと、図19と図20に示したIWUはそれぞれ独立に用いなければならないものではなく、コネクション型のネットワーク(ATM−LANなど)とコネクションレス型のネットワークなどを接続する場合には、コネクション型のネットワーク内に図19と図20に示したIWUを設置し、コネクションレス型のネットワーク内に図17と図18に示したIWUを設置して、IWU間はIWU間独自プロトコルとしてATMプロトコルを用いてネットワーク接続を行う事が可能である。
【0147】
さらに、図17、図19中のそれぞれのIWU間の通信路中において、それぞれ独自のアドレス体系のVP/VC値を用いてコネクション設定を行う事が可能である。この場合には、図18、図20中のコネクション管理手段A71,A72が、どのIWU間通信路がどのIWUとの接続を行っているかをコネクションDB(A81,A82)に記憶させて管理する。さらに、コネクション管理手段A71,A72は、IWU間通信路から送られてくる異なるアドレス体系のコネクション識別子を1つのスイッチでスイッチングするために、各通信路毎に設置されているI/F手段AJ2−1〜n、AJ4−1〜nにおいて、IWU間通信路のそれぞれのアドレス体系毎に異なるスイッチ内ルーティングテーブルを提供する。I/F手段AJ2−1〜n、AJ4−1〜nにおいては、そのアドレス体系毎のルーティングテーブルに従って、各IWU通信路から送られてきた情報のスイッチングを行う事によって、異なるIWU間通信路から同じVP/VC値を持った情報が送られてきても、スイッチ内のルーティング情報としてはそれらのVP/VC値を独立なものとして扱える事が出来る。
【0148】
このような、IWU間通信路毎に異なるアドレス体系のVP/VC値を設定する事によって、以下のような効果を得る事が期待できる。
(1)1つのネットワーク接続措置に必要となるコネクション識別子の数が多くなってきた場合にも、接続しているネットワーク間でそれぞれ独立なアドレス体系になっているので、1つのネットワーク接続装置で識別できるコネクション数を多くする事が可能となる。
(2)各ネットワーク接続装置間で情報転送される可能性のあるアドレス数だけのコネクション識別子があれば済む事になるので、コネクション識別のためのビット数を少なくする事ができ、ネットワーク接続装置内でのアドレス変換処理を簡単にする事や、ネットワーク接続装置内に設置するアドレス記憶のための記憶領域を少なくする事が可能となる。
(3)ネットワーク接続装置間のアドレス管理をそれぞれのネットワーク接続装置間で独立に行う事になるので、ネットワーク接続装置間にコネクション設定信号転送用の固定コネクションや、情報転送用の固定コネクションを設定する際などにも、他のネットワーク接続装置との間に設定されるコネクションなどをコネクション設定のたびに意識する事無く、それぞれ独立にコネクション設定してもコネクションの混在が生じないような構成にする事が可能となる。
【0149】
[実施形態2−3]
次に、図21に本発明(前述した実施形態2−1や実施形態2−2参照)に係るネットワーク接続装置を用いて、複数のコネクションレス型のネットワーク間にまたがったコネクションを設定した場合のネットワーク接続方式の一実施形態を示す。
【0150】
図21においては、CL型のLAN(A111)内のサーバーA661から、ATM−LAN(A117)を介してCL型のLAN(A112)内のサーバーA663に情報転送するために設定されたコネクションCO−1,CO−2,CO−3と、CL型LAN(A111)内のサーバーA662から直接CL型LAN(A112)内のサーバーA664に情報転送するために設定されたコネクションCO−4,CO−5を示している。
【0151】
ここでのCL型LAN(A111)とバックボーンATM−LAN(A117)やCL型LAN(A112)とATM−LAN(A117)間のコネクションCO−1,CO−3や、CL型LAN(A111)とCL型LAN(A112)間のコネクションCO−4のコネクション設定の手順は、基本的に実施形態1−3(図5)や実施形態1−4(図7)で示したコネクション確立方法と同様の手順で行う事が出来る。また、バックボーンATM−LAN(A117)内のコネクションCO−2のコネクション設定の手順は、基本的に実施形態1−8(図16)で示したコネクション確立方法と同様の手順で行う事が出来る。
【0152】
このようなネットワーク接続方法が、本実施形態のIWUを用いる事によって実現出来るので、CL型LAN(A111)内の端末は、CL型LAN(A112)内の端末との通信を行う際に、そのコネクション設定方法として、
(a)ATM−LAN:A117を介してCL型LAN:A112内の端末との間のコネクションを設定する方法
(b)CL型LAN:A111から直接CL型LAN:A112内の端末に対してコネクションを設定する方法
の2通りのコネクション選択を用いる事が可能となる。
【0153】
従って、CL型LAN(A111)とCL型LAN(A112)の間でのネットワーク接続のボトルネックを小さくする事が出来るとともに、複数のネットワークとの接続を行った場合でも、そのネットワーク選択をハードウェア構成の高速スイッチング手段によって提供する事が出来るので、従来のようなソフトウェア処理によってネットワーク選択を行うネットワーク接続方式よりも高速のネットワーク接続を実現する事が出来るようになる。
【0154】
また、図21において、例えばATM−LAN(A117)が故障状態に陥り、IWU(A230)からATM−LAN(A117)を介してIWU(A231)に接続されていたコネクションが使用できなくなり、サーバーA661からサーバーA663の間の通信が行えなくなった場合でも、本実施形態におけるネットワーク接続方式では、IWU(A230)とIWU(A231)との間の通信路中に新たにコネクションCO−5を設定し、いままでコネクションCO−1やCO−3に乗せていた情報を、コネクションCO−5に乗せるように動的に変化させる事で、サーバーA661からサーバーA663への通信を確保する事が可能となっている。
【0155】
このように、本発明のIWUを用いる事によって、ネットワーク間通信路においてもネットワーク故障時の故障回避手段を提供する事が可能となっている。
【0156】
この場合の故障回避手段の提供方法としては、以下の2通りの方法が考えられる。
(a)IWU内のIWU管理CPUなどのIWU内の管理手段によってIWU間通信路に対しての故障回避手段を提供し、IWU内で自律的にIWU間通信路の経路選択や経路変更を行う方法
(b)IWUが所属しているネットワーク内の故障回避手段にIWU間通信路に対しての故障回避手段を任せてしまい、IWU間通信路の経路選択や経路変更などの処理も外部の管理手段に任せ、IWUはその結果だけを受けてIWU内の経路設定を変更するという方法。
【0157】
以上のような方法を用いる事によって、IWU間通信路の信頼度自体を変えることなく、ネットワーク全体としての信頼度を上げる事が可能となる。また、ATM−LAN(A117)のような複数のCL型LANのバックボーンネットワークとしての手段を提供するネットワークにおいては、必ず各CL型LAN内のIWUがバックボーンATM−LAN内の複数のIWUと接続するような構成、例えば図21中で、IWU(A230)は各IWU(A227,A228)に接続し、IWU(A231)は各IWU(A228,A229)に接続するような構成にする事ができる。
【0158】
このようにする事で、バックボーンATM−LAN内の1つのIWUの故障によってバックボーンATM−LANを使用できなくなるCL型LANは存在しない事になる。すなわち、IWU(A228)が故障しても、CL型LAN(A111,A112)は両方ともバックボーンATM−LAN(A117)に接続されているわけである。
【0159】
本構成のネットワーク接続方式では、このようなネットワーク接続構成にする事によってもネットワーク全体としての信頼度を上げる事が可能である。
【0160】
[実施形態2−4]
次に、図22に本発明に係るネットワーク接続装置を用いて複数のコネクション型のネットワーク間にまたがったコネクションを設定した場合のネットワーク接続方式の他の実施形態を示す。
【0161】
図22においては、ATM−LAN(A114)内の端末A661から、バックボーンATM−LAN(A117)を介してATM−LAN(A115)内の端末A668に設定されたコネクションCO−1,CO−2,CO−3,CO−4,CO−5と、ATM−LAN(A114)内の端末A663から直接ATM−LAN(A115)内の端末A666に設定されたコネクションCO−6,CO−7,CO−8を示している。さらに、ATM−LAN(A114)内のIWU(A235)は図20に関する説明で述べたように、本発明に係るIWUがATM−LAN内のスイッチノードとしての機能も提供する事が可能であるという特徴から、図22中に示すように、端末A664と端末A665との間にIWU(A235)を介したコネクションCO−9を設定することが可能である。
【0162】
ここでのコネクション設定の手順は、基本的に実施形態1−8(図16)で示したコネクション確立方法と同様の手順で行う事が出来る。また先の場合と同様に、IWU間通信路中のコネクションCO−2,CO−4,CO−7はATM−LAN内のコネクション設定手段A771,A772,A773によって行われても良いし、図中には示されていないがIWU内に存在するコネクション設定手段がIWU間のコネクションを設定するとしても良い。
【0163】
このようなネットワーク接続方法が、本発明に係るIWUを用いる事によって実現出来るので、ATM−LAN(A114)内の端末は、ATM−LAN(A115)内の端末との通信を行う際に、そのコネクション設定方法として、
(a)バックボーンATM−LAN(A117)を介してATM−LAN(A115)内の端末との間のコネクションを設定する方法
(b)ATM−LAN:A114から直接ATM−LAN(A115)内の端末に対してコネクションを設定する方法
の2通りのコネクション選択を用いる事が可能となり、ATM−LAN(A114)とATM−LAN(A115)との間でのネットワーク接続のボトルネックを小さくする事が出来るとともに、ルーティングパターンが増える事で柔軟なコネクション設定によってATM−LAN内の通信帯域を偏って利用する事無く、全体として有効に帯域を利用したコネクション設定を実現する事が出来る。
【0164】
さらに、複数のネットワークとの接続を行った場合でも、そのネットワーク選択をハードウェア構成の高速スイッチング手段によって提供する事が出来るので、従来のようなソフトウェア処理によってネットワーク選択を行うネットワーク接続方式よりも高速のネットワーク接続を実現する事が出来る。
【0165】
また、図22において、例えばATM−LAN(A117)が故障状態に陥り、IWU(A235)からATM−LAN(A117)を介してIWU(A236)に接続されていたコネクションが使用できなくなり、端末A661から端末A668の間の通信が行えなくなった場合でも、本構成のネットワーク接続方式では、IWU(A235)とIWU(A236)との間の通信路中に新たにコネクションCO−10を設定し、いままでコネクションCO−1とコネクションCO−2、コネクションCO−4とコネクションCO−5を乗せ替えていたものを、コネクションCO−1とコネクションCO−10、コネクションCO−10とコネクションCO−5を乗せ替えるように動的に変化させる事で、端末A661から端末A668への通信を確保する事が可能となっている。
【0166】
このように、本発明に係るIWUを用いる事によって、ネットワーク間通信路においてもネットワーク故障時の故障回避手段を提供する事が可能となっている。
【0167】
この場合の故障回避手段の提供方法としては、先の実施形態(図21)で述べたコネクションレス型のネットワークを接続する場合と同様に以下の2通りの方法が考えられる。
(a)IWU内のIWU管理CPUなどのIWU内の管理手段によってIWU間通信路に対しての故障回避手段を提供し、IWU内で自律的にIWU間通信路の経路選択や経路変更を行う方法
(b)IWUが所属しているネットワーク内の故障回避手段にIWU間通信路に対しての故障回避手段を任せてしまい、IWU間通信路の経路選択や経路変更などの処理も外部の管理手段に任せ、IWUはその結果だけを受けてIWU内の経路設定を変更するという方法
以上のような方法を用いる事によって、IWU間通信路の信頼度自体は変えずに、ネットワーク全体としての信頼度を上げる事が可能となる。また、ATM−LAN(A117)のような複数ATM−LANのバックボーンLANとしての手段を提供するネットワークにおいては、必ず各ATM−LAN内のIWUがバックボーンATM−LAN内の複数のIWUと接続するような構成、例えば図22中で、IWU(A235)はIWU(A232)とIWU(A233)に接続し、IWU(A236)はIWU(A233)とIWU(A234)に接続しているような構成にする事ができる。
【0168】
このようにする事で、バックボーンATM−LAN内の1つのIWUの故障によってバックボーンATM−LANを使用できなくなるATM−LANは存在しない事になる。すなわち、IWU(A233)が故障しても、ATM−LAN (A114)とATM−LAN(A115)とは両方ともバックボーンATM−LAN(A117)に接続されているわけである。
【0169】
本構成のネットワーク接続方式では、このようなネットワーク接続構成にする事によってもネットワーク全体としての信頼度を上げる事が可能である。
【0170】
[実施形態2−5]
図23には、本発明のIWUを用いて、データグラム通信を複数のネットワーク間にまたがって提供する場合の、ネットワーク接続方式の一実施形態を示す。
【0171】
図23においては、ATM−LAN(A114)内の端末A662から、ATM−LAN(A117)を介してATM−LAN(A115)内の端末A663にデータグラム情報を送信する場合にATM−LAN内に設定されるコネクションを示している。
【0172】
コネクション設定の手順は基本的に実施形態1−7(図14、図15)で示したコネクション確立方法と同様の手順で行う事が出来る。ATM−LAN(A114)内でのデータグラム情報通信実現方法が図14の場合に対応し、ATM−LAN(A115)内でのデータグラム通信実現方法が図15の場合に対応している。また、ATM−LAN(A117)において、IWU(A237,A238)は双方とも内部にCLSF処理手段を持った構成になっているが、これも先の場合と同様に、IWU内にCLSF処理手段を持っていても良いし、ATM−LAN(A117)内のCLSF処理手段とIWU(A237,A238)間にあらかじめコネクションを設定しておく方法でもかまわない。
【0173】
さらに、図23には示していないが、IWU(A239)とIWU(A240)との間の通信路にコネクションを設定し、IWU(A239)内のCLSF処理手段とATM−LAN(A115)内のCLSF処理手段との間にコネクションを設定する事で、端末A662から端末A663へのデータグラム通信を提供する事も可能である。
【0174】
[実施形態2−6]
図24には、本発明に係るIWUを用いて、ネットワーク間に複数本の通信路を設定した場合の、ネットワーク接続方式の一実施形態を示す。
【0175】
図24においては、ATM−LAN(A114)とATM−LAN(A115)との間(すなわちIWU241とIWU242との間)はIWU間通信路1本で接続し、ATM−LAN(A115)とATM−LAN(A116)との間(すなわちIWU242とIWU243との間)はIWU間通信路3本で接続し、ATM−LAN(A114)とATM−LAN(A116)との間(すなわちIWU243とIWU241との間)はIWU間通信路2本で接続する構成になっている。
【0176】
ここで、通常各IWU間通信路の通信帯域は同じであるので、ATM−LAN(A115)とATM−LAN(A116)との間には、ATM−LAN(A114)とATM−LAN(A115)との間の通信路の3倍の通信容量が提供されている事になる。
【0177】
このようなネットワーク接続方式を用いる事によって、ATM−LAN間を1本の通信路で接続した場合よりも多くの通信帯域をATM−LAN間に提供する事が出来るとともに、必要に応じてATM−LAN間の通信帯域を選択する事が出来るネットワーク接続方式を提供する事が可能となっている。
【0178】
また、ある時点では図24のように、ATM−LAN(A115)とATM−LAN(A116)との間に最も通信容量が必要であったが、時間が経過して、例えば通信端末の量や端末あたりの通信容量が増加したといったようなことによって、ATM−LAN(A115)からATM−LAN(A114)への通信容量とATM−LAN(A115)からATM−LAN(A116)への通信容量とが同じくらいになった場合には、ATM−LAN(A115)からATM−LAN(A114)へのIWU間通信路を新たに設置する方法や、図24中でATM−LAN(A115)とATM−LAN(A116)との間に設定されているIWU間通話路3本のうちの1本を、ATM−LAN(A115)とATM−LAN(A114)との間の通信路に置き換えるなどの処理を行う事によって、ネットワーク運用時点でのネットワーク間に要求される通信帯域を容易に提供する事が可能となる。
【0179】
[実施形態2−7]
図25には、本発明に係るIWUを用いて、当該IWU内にCLSF機能やコピー機能といった各種機能を提供する場合のIWUの要部概略構成例を示す。
【0180】
前述したように、図23に示すATM−LAN(A114)内の端末A662がデータグラム型の情報パケットを送出する場合には、ATM−LAN内に設定されているコネクションCO−1によって、IWU(A235)内のCLSF処理手段に送られるようになっている。これを図25に当てはめると、図23における端末A662からのコネクションCO−1は、図25中のIWU内のあるI/F手段AJ5−i(i=1〜n)からスイッチング手段AZ3を通ってCLSF手段AP3に設定されている事になる。
【0181】
図中には示されていないが、この場合IWU内のコネクション管理部はCLSF処理手段に接続されるコネクションをあらかじめ識別しておき、CLSF処理手段に送られる情報パケットはすべてCLSF処理手段に接続しているスイッチング手段の出力ポートに送られるように、スイッチング手段内のルーティングを決定するルーティングテーブルを設定している。
【0182】
また、図23中のコネクションCO−2は、図25中のCLSF処理手段AP3から再びスイッチング手段AZ3を通って適当なIWU間通信路A93−i (i=1〜n)に設定されている事になる。
【0183】
同様の方法によって、コピー手段AQ3によってIWU間のコピー機能を提供する事が可能となっている。ただし、コピー手段はここに示した方法でしか供給できないものではなく、他にも以下のような方法が考えられる。
(a)スイッチ内部で同じ情報パケットを複数回送出するような手段を持たせる事によってコピー手段を提供する方法
(b)スイッチング手段の前段で、あるI/F手段AJ5−i(i=1〜n)によって同じ情報パケットを複数回送出する事によってコピー手段を提供する方法
(c)スイッチング手段の後段で、あるI/F手段AJ6−i(i=1〜n)によって同じ情報パケットを複数回送出する事によってコピー手段を提供する方法
(d)スイッチング手段に多段スイッチを用いる場合に、その各段のスイッチによって順次情報のコピーを行っていく事で、多段のスイッチ全体としてコピー手段を提供する方法
また、ここではIWU内で提供する手段としてCLSF処理手段とコピー手段しか示されていないが、図25のようにIWU内部のスイッチング手段を用いる事によって、IWU管理CPU、コネクション設定手段、コネクション切断手段、コネクション管理手段、あるいはリソース管理手段などの他の手段を選択して提供する事が可能である。
【0184】
また、各機能を提供するための手段をスイッチング手段AZ3の入力前に設置する構成や出力後に設置する構成にする事によっても、本機能を提供する事は可能である。
【0185】
[実施形態3−1]
次に、図26に、本発明のネットワーク接続装置を用いて、複数のコネクションレス型ネットワークを接続する場合の、ネットワーク接続方式の一実施形態を示す。
【0186】
図26においては、3台のIWU(A244,A245,A246)によって7つのCL型LAN(A121〜A127)を接続するような構成になっており、3台のIWU(A244,A245,A246)間を接続するコネクションCO−1,CO−2,CO−3と、各IWU内にそれぞれ設けたコネクション設定手段(A887,A888,A889)間を接続するコネクションCO−4,CO−5,CO−6が示されている。
【0187】
このような構成において、IWU(A244)にはCL型LAN(A121,A122)とIWU間プロトコル(すなわちATMプロトコル)とのプロトコル変換手段が設置され、IWU245にはCL型LAN(A123,A124,A125)とIWU間プロトコルとのプロトコル変換手段が設置され、IWU246にはCL型LAN(A126,A127)とIWU間プロトコルとのプロトコル変換手段が設置される。IWU(A244,A245,A246)で提供する機能は、基本的には実施形態2−1(図18)で示した手段と同様の機能であるが、本実施形態では、提供するプロトコル変換手段が複数種類IWU本体に設置されているようになっている。図中には3台のIWU(A244,A245,A246)の間には情報転送用のコネクションCO−1,CO−2,CO−3がそれぞれ1本ずつしか示されていないが、実際には情報転送量に応じたコネクションの数だけのコネクションが設定可能である。
【0188】
また、本実施形態は、IWU間に必要な情報量に応じて、実施形態2−6(図24)で示したようにIWU間に設置するIWU間通信路の本数を変化させて、IWU間の情報量に適応した通信路を提供する事が可能な構成となっている。
【0189】
さらに、本構成のIWUにおけるコネクション設定方法としては、実施形態1−3,4(図5、図7)などで説明したようなCL型LAN間を接続する場合のIWU間のコネクション設定方法を用いる事が可能な構成となっている。
【0190】
このようなネットワーク接続方式を用いる事によって、ATM方式の特徴である通信速度に対する柔軟性の特徴から、速度の異なるCL型LANを同一のIWUを用いて複数収容した形でのネットワーク接続を実現する事が可能となる。
【0191】
例えば、イーサーネットの通信速度である10Mbpsのネットワーク5つと、FDDIの通信速度である100Mbpsのネットワークを同一のIWUに収容し、IWU間のATM通信方式の通信速度である155Mbpsに乗せてIWU間通信を行うような構成が可能となる。
【0192】
また同様の理由によって、各ネットワーク毎にIWUを配置する方法での問題である、ネットワークの数が増えてきた場合のネットワーク間の通信路数の増大を少なくする事が可能となる.
さらに、マルチプロトコルルーターを用いてネットワーク接続を行う場合の問題である、接続するネットワーク数が増えた場合のルーターでのスループットの低下という問題を解決する事が可能な構成となっている.
また、図26においてはCL型LANを複数ずつIWUに接続して収容するような構成を示しているが、これまでに述べてきたように接続するネットワークは必ずしもコネクションレス型のものに限らず、例えば図中のどのCL型LANがコネクション型のネットワークに置き替わっていても本実施形態のIWUを用いれば、同様のネットワーク接続を提供する事が可能となる。
【0193】
[実施形態3−2]
図27に、図18および図26に示すような各ネットワーク接続装置を用いて、コネクション型のネットワークであるATM−LANに、低速インタフェースを持ったLAN(Ethernetなど)を複数接続する場合のネットワーク接続方式の一実施形態を示す。
【0194】
図27においては、低速インタフェースLAN(A121,A122,A123)が、図26に示すような構成を有するIWU(A248)によって集線され、図18に示すような構成を有するIWU(A247)を介してATM−LAN(A117)と接続されるような構成になっている。また、ATM−LAN(A117)内の端末A662が、低速インタフェースLANと通信を行う場合に設定されるコネクションが示されている。本実施形態では、IWU(A248)はいわゆる低速LANをATM−LANに接続するための多重化装置としての機能を果たす。
【0195】
また、ATM−LAN(A117)内の端末A662はコネクションCO−2によってIWU(A247)と接続されている。IWU(A247)とIWU (A248)との間には、通信用のコネクションCO−1とコネクション設定要求情報転送用のコネクションCO−3が設定されている。IWU(A248)内のモジュール化プロトコル変換手段の先にそれぞれ低速LANが接続され、IWU(A247)とIWU(A248)との間のIWU間通信路によってATM−LAN(A117)内の端末との通信が行えるようになっている。
【0196】
ここで、低速LANを集線する方法は図27に示した方法に限られたものではなく、IWU間に通信路が1本だけではなく複数本設定されていてもかまわない。また、IWU(A248)は用いずに、IWU(A248)がATM−LAN(A117)内に存在して直接低速LANを集線しているような構成になっていてもかまわない。また、低速LANがコネクション型のLANであるような場合には、IWU(A247)と低速LAN内の端末との間にコネクションが設定される構成になってもかまわない。
【0197】
このような本発明のネットワーク接続装置による低速LANの集線方式を用いる事によって、従来のネットワーク接続装置を用いたのではATM−LAN(A117)と低速LAN(A121,A122,A123)との間にそれぞれネットワーク接続処理を行う必要があったものと異なり、1台のネットワーク接続装置によってネットワーク間のプロトコル変換以降は多重化した高速の通信路を用いてネットワーク接続を行う事が可能となり、低速LANを高速のネットワーク(例えばATM−LAN)に容易に収容出来る事になる。
【0198】
また、1つの高速LAN(例えばATM−LAN)側インタフェースの先に複数の低速LANのインタフェースを収容する事が出来るので、ネットワーク接続インタフェースを有効に利用したネットワーク接続を実現する事が可能となる。
【0199】
また、図27においても、前述した図26の場合と同様に、複数のCL型LANを1台のIWUに接続して収容するような構成を示しているが、これまでに述べてきたように接続するネットワークは必ずしもコネクションレス型のものに限られるわけではなく、例えば図中のどのCL型LANがコネクション型のネットワークに置き替わっていても、本実施形態のIWUを用いれば同様のネットワーク接続を提供する事が可能となっている。
【0200】
[実施形態4]
次に、図28に本発明に係るネットワーク接続装置を用いて、複数のネットワークを接続した場合のネットワーク接続方式の一実施形態を示す。図28においては、複数のコネクション型やコネクションレス型のネットワークが接続されている状況で、ATM−LAN(A114)内の端末A661とATM−LAN(A115)内の端末A662が、コネクションCO−1,CO−2,CO−3を用いてコネクションを設定して通信を行っている。
【0201】
本発明のIWUを用いれば、例えばコネクションCO−2が設定されているIWU間通信路に故障が生じた場合に、IWU(A252)またはIWU(A253)内の故障検出手段によって、IWU間通信路中の故障検出を行う事が可能な構成となっている。
【0202】
本実施形態では、IWU間の通信路中にATMコネクションを設定して通信を行う事になっているので、ATMの故障検出手段であるOAM機能を用いて故障検出を行う事が考えられる。ここで、故障を検出したIWU(A252)またはIWU(A253)は、コネクションCO−2に変わるコネクションをIWU(A252)とIWU(A253)との間に設定可能であるかどうかを判断する。IWU(A252)とIWU(A253)との間に他のIWU間通信路が存在し、その通信路中にコネクションCO−2と同じ帯域のコネクションを設定できる場合には、図28中のコネクションCO−4のような新たなコネクションを設定して、コネクションCO−2の代わりに使用するように変更を行う。
【0203】
また、IWU(A252)とIWU(A253)との間の通信路中にコネクションを新たに設定できない場合には、他の隣接しているIWUを介してIWU(A252)とIWU(A253)との間の新たな通信路を検索する。図28では、IWU(A254)を介してIWU(A252)とIWU(A253)を接続する場合のコネクションCO−5を記している。
【0204】
また、IWU自身の故障としてIWU(A253)が故障した場合には、そのIWU自身の故障をIWU(A253)内の故障検出手段やIWU(A253)が接続しているIWU(A252,A254)内の故障検出手段によって検出する事になる。また、故障検出をIWU(A253)が所属しているネットワーク内の故障検出手段によって行う方法も考えられる。
【0205】
故障を検出されたIWU(A253)の故障回避の方法としては、IWU(A253)の内部機能(構成部分)の2重化やATM−LAN(A115)内に複数のIWUを設置してネットワーク間接続を行い、故障検出された場合にIWU(A253)の予備系の内部機能(構成部分)に切り換える方法や、ATM−LAN(A115)内の他のIWUを用いてネットワーク接続を行うなどの方法が考えられる。
【0206】
このような故障回避にともなうIWUの切り換えの命令や内部機能の切り換えの命令も故障検出の方法の場合と同様に、IWU(A253)自身が出す方法、IWU(A253)が接続しているIWU(A252,A254)などが出す方法、あるいはIWU(A253)が所属しているATM−LAN(A115)内の故障管理手段が出すなどの方法が考えられる。
【0207】
図29に、本実施形態に係るネットワーク接続装置の内部構成の一実施形態の概念図を示す。図29においては、IWUの故障回避手段に注目して構成図を示しているのでこのIWUの内部構成部分は図29に示したものが全てではなく、当然、図18や図20に示した他の手段も含まれる事になる。
【0208】
図29のIWUには、IWU間通信路中の故障検出を行うためのOAM情報管理手段AW5とOAMセル分岐挿入手段AV5−1〜nが存在している。OAM情報管理手段AW5では、IWU間通信路中の故障を検出するために、定期的または任意のタイミングで故障検出用のパケット(OAMセル)をIWU間通信路に送出する。
【0209】
また、IWU間通信路中を定期的にまたは任意のタイミングで流れるOAMセルを受け取って、OAMセルによって収集されたIWU間通信路中のOAM情報を元にIWU間通信路中に故障がないかどうかの監視を行っている。また、OAM情報管理手段AW5は他のIWU内のOAM情報管理手段から送られてくるOAMセルに対して自分の知っているOAM情報や、OAM情報管理手段AW4が設置されているIWUが正常であるかどうかというOAM情報を乗せて送信もとのIWU内のOAM情報管理手段に送り返すなどの処理を行っている。
【0210】
次に、OAMセル分岐挿入手段AV5−1〜nでは、IWU間通信路中に設定されているコネクション内にOAM情報管理手段AW5から送られてきたOAMセルを乗せて転送したり、逆にIWU間通信路中のコネクションを転送されて来たセルの中からOAMセルのみを選択してOAM情報管理手段AW5に送出するという処理を行っている。現在、OAMセルの識別方法はCCITTなどで標準化が進んでいるが、OAMセルの識別方法は必ずしもCCITTの仕様に従う必要はなく、本発明のIWUがLAN間の接続など特に標準化の仕様を守る必要のない環境で用いられる場合には、OAMセルの識別方法は各種の方法が考えられる。ATMセルのヘッダ領域内のGFCフィールドを用いる方法、VPI/VCIフィールドの一部を用いる方法、PTやCLPのフィールドを用いる方法、HEC領域を用いる方法、AALヘッダ・トレイラ内のビットを用いる方法、あるいは情報フィールドを用いる方法などが考えられる。
【0211】
ここで、図28および図29を用いて、IWU間通信路の故障が検出された場合の故障回避方法の一例を以下に示す。
【0212】
(1)IWU(A252)やIWU(A253)などの中のOAM情報管理手段AW5から送出されたOAMセルによって、コネクションCO−2が設定されているIWU間通信路中の故障(リンク切断など)が検出された場合を考える。ここで、故障を検出してIWU(A252)に通知するOAMセルは、どのIWUが送出したOAMセルでもかまわない。
【0213】
(2)故障を検出したOAMセルを受け取ったIWU(A252)内のOAMセル分岐挿入手段AV5−1〜nは、そのOAMセルをIWU(A252)内のOAM情報管理手段AW5に送出して故障検出を通知する。
【0214】
(3)OAM情報管理手段AW5に故障情報が送られてくると、OAM情報管理手段AW5はその故障が発見された通信路が接続されているIWU(A253)と接続している他のIWU間通信路が存在するかどうかを判断する。
【0215】
(4)他の通信路が存在する場合には、その通信路中にコネクションCO−2と同じ通信帯域をその通信路中に設定できるかどうかをコネクション管理手段A75に聞きにいく。なお、上記3番目の処理であったIWU(A252)とIWU(A253)の間に他の通信路があるかどうかの判断もコネクション管理手段A75に任せてしまうような構成でもかまわない。
【0216】
(5)コネクション管理手段A75はIWU(A252)とIWU(A253)との間に新たなコネクションが設定できる場合には、コネクション設定手段AM5に新たにコネクションCO−2の代わりにコネクションCO−4をIWU(A252)とIWU(A253)との間に設定するように要求を出す。
【0217】
(6)コネクション設定手段AM5によってコネクションCO−4が設定されて、故障に依って使えなくなったコネクションCO−2に代わって端末A661とA662の間の通信を行わせるようにする。ここに、今まで、端末A661からコネクションCO−1,CO−2,CO−3を通って端末A662に転送されていた情報が、コネクションCO−1,CO−4,CO−3を通って転送されるようになる。
【0218】
(7)コネクション管理手段A75はIWU(A252)とIWU(A253)との間に新たなコネクションが設定できなかった場合には、別の経路を設定するためにコネクション設定手段AM5にコネクション設定要求を出す。
【0219】
(8)コネクション設定手段AM5によって、IWU(A252)からIWU(A254)を介してIWU(A253)にいたるコネクションCO−5が設定されて、故障に依って使えなくなったコネクションCO−2に代わって端末A661とA662の間の通信を行わせるようにする。ここに、今まで、端末A661からコネクションCO−1,CO−2,CO−3を通って端末A662に転送されていた情報が、コネクションCO−1,CO−5,CO−3を通って転送されるようになる。なお、CO−5のコネクション設定方法は、コネクション設定要求をIWUに順次転送させていく方法でも良いし、あらかじめIWUがネットワーク接続構成を知っていてコネクション設定を行う方法でも良いし、あるいはIWU(A252)がコネクション設定要求を接続しているIWU全てにブロードキャストするような方法でも良い。
【0220】
(9)コネクションCO−2に代わる新たなコネクションがIWU(A252)とIWU(A253)の間に設定できない場合には、故障回避のためのコネクション設定をあきらめるか、コネクションとしての帯域は減少してもいいので、前記3番目〜8番目の処理と同様の方法を用いてコネクションだけは確保するなどの故障回避方法が考えられる。
【0221】
このような図28、図29に示した故障回避手段をIWUに持たせる事によって、IWU間通信路に故障が生じた場合に他の通信経路をIWU自身で検索して故障回避を行う事が可能となり、接続しているネットワークに新たな負担をかける事無くIWU間の故障検出・回避機能を提供する事が可能となる。
【0222】
また、本発明のIWUを用いたネットワーク接続方式ではIWU間通信路を多数設定可能となっている事から、ネットワーク接続を行う際にIWU間通信路に冗長度を持たせて設置しておく事で、図17や図19のような通常のネットワーク接続方式においても信頼性を高くする事が出来るが、さらにOAM手段のような故障回避手段をIWU内に持たせる事で、より信頼性の高いネットワーク接続方式を提供する事が可能となる。
【0223】
また、図29中に示すOAM管理手段AW5が自分自身の手段の故障状態の監視を行う事でIWU自身の故障検出を行う事も可能である。また、図29中のOAM管理手段AW5が、接続しているIWUの故障状態を監視して他のIWUの故障を検出する事も可能である。さらに、このOAM管理手段は自分自身の故障を検出した場合や他のIWUの故障を検出した場合に、その故障検出をしたIWUに対して、前述したような故障検出時の系切り換え命令を送出する事が出来る。
【0224】
このように、IWU内部のOAM管理手段によってIWU間通信路だけではなくIWU自身の故障も検出し、故障回避を行う事が可能な構成とすることで、より高い信頼性を持ったネットワーク接続方式を提供する事が可能となる。
【0225】
[実施形態5]
次に、図30に本発明のIWUを用いて、IWU間通信路においても情報転送に関する通信サービス品質(以下、QOSと略記する)の管理を行う事が可能となるような、IWUの内部手段構成の一実施形態の概略図を示す。
【0226】
図30においては通信品質管理のための手段に注目して示しているので、IWU内部手段としてはその一部を示しただけのものである。図には示されていないが、当然、図18や図20に示したIWUの内部の手段は存在している事になる。
【0227】
図30において、コネクション設定時に要求される各コネクションの要求QOSは、コネクション管理手段A76を通してIWU内のQOS管理手段AR6に通知される。QOS管理手段AR6はその要求通信品質情報をQOS情報データベースAS6に記憶させるとともに、このIWUから出ている各IWU間通信路毎に設置されているQOS保証手段AT6−1〜AT6−nに通知する。
【0228】
QOS保証手段AT6−1〜AT6−nでは、通信路中の情報をコネクション単位で監視し、各コネクション内を流れる情報が要求してきたQOSを満たして送り出されているかを監視し、もし要求に違反しているパケットがあった場合には以下のような処理を行う事が考えられる。
【0229】
(a)違反しているパケットを廃棄する。
(b)違反しているパケットを要求通信品質に見合う状態になるまで待たせる。
(c)違反しているというフラグをたてて、輻輳時に優先的に廃棄する。
(d)違反しているという事をユーザーに知らせる。
(e)違反しているという事をIWU内のスイッチング手段より前のI/F手段やVP/VC変換手段に通知して、情報の送出を少し待たせる。
【0230】
このような方法によって、IWU間通信路中でも要求されたQOSを確保して通信を行う事が可能となる。
【0231】
ここで示したQOS保証手段で提供する機能のうち、上記(a)、(c)のような機能は、ATM通信で行われるポリシング機能を用いる方法などが考えられる。また、同じようにQOS保証手段で提供する機能のうち、違反しているパケットに対しての処理の中の上記(b)のような機能は、ATM通信で行われるシェイピング機能を用いて提供する方法などが考えられる。なお、ポリシングやシェイピングの方式としては、スライディングウィンドウ方式やリーキーバケット方式などが考えらる。
【0232】
さらに、このようにQOS保証手段においては、ポリシング機能やシェイピング機能と良く似た機能を提供する事から、本発明のネットワーク接続装置内ではこれらの機能を統合した一つの機能モジュールによって提供する事によってネットワーク間でのポリシング機能やシェイピング機能をも容易に提供する事が可能である。
【0233】
ここで、通信サービス保証手段において提供する通信サービス品質(QOS)の提供方法としては、IWU間通信路中のコネクションにおいてもコネクション設定時に要求される同じQOSを保証するような方法だけではなく、その提供方法として以下のような各種の方法が考えられる。
【0234】
(方法1)接続しているLAN内と異なるQOSをIWU間通信路で提供する方法
この方法1は、ATM−LANを接続する場合に、IWU間通信路においてもコネクション設定時に設定されるQOSと同じQOSを設定するのではなく、例えばIWU間通信路では1種類のQOSだけを提供する事で、要求されたQOSよりも高い品質のQOSや低い品質のQOSをもってIWU間の通信を行う事になるが、IWU内においてQOSを提供するための機能を小さくするという方法である。また、IWU間では常に要求された通信品質のピークレート(最大要求サービス品質)のQOSを割り当てる事で、IWU間通信路での通信帯域の利用効率は下がるけれども、IWU間に高品質の通信路を提供しネットワーク接続によるQOSの劣化をなくすとともに、IWU内でのQOSを提供するための機能を小さくする事が可能となる方法も考えられる。
【0235】
(方法2)IWU間通信路中のPVCにあらかじめQOSを設定しておく方法
この方法2は、IWU間にPVCを設定してIWU間通信を提供するような場合に、各PVCにあらかじめQOSを設定しておき、要求されたコネクションの帯域とQOSの組に適したPVCを順次割り当てる事で、帯域やQOSには無駄や不足が生じる可能性があるが、IWU内で提供するコネクション設定の機能とQOS提供の機能の双方を小さくする事が出来る方法である。また、IWU間通信路にPVCコネクションを割り当てる際に、コネクションの要求するピークレートの帯域割り当てを行ってしまう事で、先の場合と同様にIWU内でのQOS提供機能を小さくする事を可能とする方法も考えられる。
【0236】
(方法3)帯域割当無し(コネクションだけ設定される)のQOSを設ける方法
この方法3は、特にデータグラム通信の場合のように通信における転送遅延時間にリアルタイム性を要求しないようなコネクションに対しては、IWU間通信路にコネクションは設定するけれどもそのコネクションには帯域を割り当てず、IWU間通信路の帯域に空きがある場合にのみそのコネクションの情報を転送する事が出来るようなQOSを設ける方法である。
【0237】
この方法を用いる事で、音声通信やリアルタイム画像情報通信などのリアルタイム性を要求されるコネクションは、データグラム通信などの非リアルタイム性のコネクションによって帯域を奪われてしまい、その結果としてIWU間の情報転送に時間がかかりリアルタイム性が損なわれてしまうような影響を回避する事が可能となる。また、この方法ではIWU間通信路の通信帯域に限りがある場合でも、データグラム通信のコネクションを多数受け付けた事によって通信路中の帯域を奪われてしまう事が無く、リアルタイム性のコネクションのコネクション受付の確率を大きくする事が可能となる。また、この方法で提供するQOSは、PVCにQOSを割り当てるような上記方法2の場合にも、IWU間にATM−LANとは異なるQOSを提供するような上記方法1の場合にも、そのQOSの1パターンとして適用する事が可能なQOSである。
【0238】
(方法4)複数コネクション毎に(例えばVP単位で)QOSを設定する方法
この方法4は、IWU間に設定しているコネクション全てに対してそれぞれQOSの監視や保証を行う事はIWUに大きな負荷を持たせる事になるので、IWU間に設定している複数のコネクションのQOSをまとめて管理する方法である。すなわち、例えばATM方式でのVPとVCの関係のようなコネクション識別子を用いて、QOS管理はVP単位だけで行い、そのVP内に含まれるVCのQOSは管理しないとするような方法である。また、あらかじめIWU間に設定できるQOSの種類を限定してしまい、設定した各QOSに対してVPを割り当て、端末が要求してきたコネクションはそのQOS毎にIWU間に設定している適当なVP(QOSに対応している)に割り振って、QOSの監視や保証はそのVPを単位として行う事で、コネクション全てに対して監視するオーバーヘッドを小さくするという方法である。
【0239】
このようなQOS提供方式においても、そのQOSの1パターンとして上記方法3で示した「帯域割当無し」のQOSを設定する事が可能である。
【0240】
(方法5)IWU間でも再送制御を行う事でQOSを提供する方法
この方法5としては、IWU間でのQOS保証手段として、先に示したようなIWUの出口において保証する方法とともに、IWU間通信路においてデータリンクレイヤレベルでの再送制御手段を提供するなどの方法を用いて、IWUのIWU間通信路へのインタフェース点においてポリシングやシェイピングのような機能を提供する事によるQOS保証方法ではない、IWU間での再送制御によるQOS保証方法が考えられる。
【0241】
[実施形態6]
次に、図31に、本発明に係るネットワーク接続装置を用いて、コネクション型とコネクションレス型の通信が混在するようなネットワーク間(以下、CO&CL混在LANと略記する)を接続するネットワーク接続方式の一実施形態を示す。
【0242】
ここでは、CO&CL混在LAN(B111)内の端末B661から各IWU(B221,B222)を介してCO&CL混在型LAN(B112)内の端末B663に、コネクションCO−1,CO−2,CO−3が設定されていて、コネクション型の通信を行っている。また、CO&CL混在型LAN(B111)内の端末B662から各IWU(B221,B222)を介してCO&CL混在型LAN(B112)内の端末B664に、コネクションCO−4,CO−5,CO−6,CO−7,CO−8が設定されていて、コネクションレス型の通信を行っている。
【0243】
ここでは、コネクションレス型の情報の転送方法としてCLSF処理手段を用いて、ATM環境内にコネクションレス型の通信を提供する場合を考えているが、コネクションレス型の情報の提供方法は必ずしもこの方法に限られるものではなく、FDDI−IIのようにフレーム内にコネクション型の情報の領域とコネクション型の情報の領域をそれぞれ確保しておいて通信を行うような場合でも良いし、巡回予約方式のようなあらかじめコネクション型の情報を転送するためのスロットとコネクション型の情報を転送するためのスロットを用意しておくような方法でもかまわない。また、IWU間のコネクションCO−2,CO−6はそれぞれが同じIWU間通信路中に設定されていても良いし、それぞれ別のIWU間通信路中に設定されていてもかまわない。
【0244】
この場合に、本発明のIWUは、IWU間通信路中のコネクションがコネクション型の通信を行っているコネクションCO−2と、コネクションレス型の通信を行っているコネクションCO−6に対して、それぞれ異なるQOSを提供する事になる。
【0245】
図32に本実施形態のIWUの内部構成例の概念図を示す。図32は、特に図30のQOSを提供するための手段について注目しているので、図中においてはそのQOS提供のための手段のみを示したものである。図30中でのQOS保証手段AT6−1〜nが、図32中のB11,B12に対応している。当然、図18や図20に示したようなIWUの内部手段を有した構成になっている。図32ではコネクション型の情報を転送するIWU間コネクションと、コネクションレス型の情報を転送するIWU間コネクションに、それぞれ1種類のQOSを提供する場合のQOS提供方式を示している。
【0246】
以下、図31および図32を用いて、QOSの中でのセル廃棄品質の保証法の一例を示す。図32のQOS保証方法は、図30におけるQOS保証手段AT6−1〜nがI/F手段AJ11−1〜nの前に配置されたような構成になっており、スイッチング手段AZ6に入力される前にQOSを保証するような場合のQOS保証方式を示している。
(1)端末B661やCLSFB991から送られてきた情報は、IWU内のスイッチング手段BZ2に入力される前にQOS保証手段B12に入力される。
(2)QOS保証手段B12内の情報識別手段B22には、先の場合と同様の情報がコネクション管理手段B72から送られてくる。
(3)情報識別手段B22はその情報に従ってコネクション単位に保証するべきQOS毎の待ち合わせバッファB33,B34に情報を送出する。
(4)待ち合わせバッファB33にコネクション型の情報、待ち合わせバッファB34にコネクションレス型の情報が転送されるとすると、その情報の待ち合わせバッファB33,B34から情報を引き出す際のアルゴリズムによってIWU間のコネクションにQOSが保証される事になる。なお、セル廃棄品質の高いQOSを保証する待ち合わせバッファの方から優先的に情報を引き出し、スイッチング手段においては情報のスイッチングでの情報の衝突時に、情報送出を前段に待ち合わせをさせるACK制御を行う事によって、IWU間にセル廃棄品質を保証できる。
(5)待ち合わせバッファB33,B34から引き出された情報がMUX手段B42によって多重化されて、I/F手段BJ2を介してスイッチング手段BZ2に送出されてIWU間通信路の選択を行われる事となる。
【0247】
ここで、セル廃棄品質を保証するための待ち合わせバッファからの送出アルゴリズムとして、以下のようなアルゴリズムが考えられる。
(a)廃棄品質の高いQOSを保証する待ち合わせバッファから全ての情報を送出したときにのみ、廃棄品質の低いQOSを提供する待ち合わせバッファから情報が送出できる。
(b)廃棄品質の高いQOSを提供する待ち合わせバッファから数回情報を引き出したら、廃棄品質の低いQOSを提供する待ち合わせバッファから情報が引き出せる。この回数は、任意に決定できる。
(c)廃棄品質の高いQOSを提供する待ち合わせバッファの方に廃棄品質の低いQOSを提供する待ち合わせバッファに送るよりも高速のクロックを供給し、双方のバッファを同じように制御してMUX手段に送出する事で異なるQOSを提供する。
(d)廃棄品質の高いQOSを提供する待ち合わせバッファに閾値を設けておき、その閾値を越えて情報が蓄積される事の無いようにバッファ制御を行う。
【0248】
ここで、廃棄品質と遅延品質を提供するQOS提供手段の配置方法は以上のような方法に限られたものではなく、廃棄品質・遅延品質のQOS提供手段をともにスイッチング手段の後段に配置する方法や、逆にQOS提供手段をともにスイッチング手段の前段に配置する方法や、1つのQOS提供手段によって廃棄品質と遅延品質の双方のQOSを提供するような方法などが考えられる。
【0249】
[実施形態7]
図33には、本発明に係るネットワーク接続装置を用いた場合のネットワーク接続方式の一実施形態を示す。図33においてはCO&CL混在型LAN(B113)内の端末B661からCO&CL混在型LAN(B114)内の端末B663に対して、コネクションCO−1,CO−2,CO−3が設定されている。
【0250】
ここで、端末B661から要求されたコネクションCO−1はCO&CL混在型LAN(B113)内のコネクション設定手段B441によって設定され、CO−3はCO&CL混在型LAN(B114)内のコネクション設定手段B442によって設定される。また、IWU(B223)とIWU(B224)との間のコネクションCO−2は、IWU内のコネクション設定手段によって設定されるので、CO−2の提供するQOSはIWU内のコネクション設定手段によって任意に設定可能な構成となっている。
【0251】
本実施形態に係るIWUによるQOS提供方式では、端末B661から出されたコネクション設定要求の中での要求QOSに比べて常に高い品質のQOSをIWU間のコネクションCO−2に提供する構成になっている。つまり、要求されたQOSを提供する事になるコネクションCO−1,CO−3に比べて高い品質のQOSがコネクションCO−2に提供されている事になる。
【0252】
このようなコネクションへのQOSの提供を行う事によって、IWU間通信路中でのQOSの劣化を軽減させる事が可能となる。また、IWUによって接続されているネットワーク内のコネクション設定手段がそれぞれ独自にネットワーク内でのコネクションのQOS管理を行っていても、IWU間通信路中の品質劣化によって提供するべきQOSが劣化してしまうような影響を極力少なくする事が可能となる。
【0253】
このようなQOS提供方式を実現するIWU内のQOS提供手段は、図32に示した内部手段配備方法で充分提供可能なものである。
【0254】
[実施形態8]
図34には、本発明に係るネットワーク接続装置を用いた場合のネットワーク接続方式の一実施形態を示す。図34においてはCO&CL混在型LAN(B113)内の端末B661,B662,B663,B664からCO&CL混在型LAN(B114)内の端末B665,B666,B667,B668に対して、コネクションCO−1〜CO−12が設定されている。
【0255】
ここで、CO&CL混在型LAN(B113)内の端末から要求されたコネクションCO−1〜CO−4は、CO&CL混在型LAN(B113)内のコネクション設定手段によって設定され、CO−5〜CO−8はCO&CL混在型LAN(B114)内のコネクション設定手段によって設定される事になる。
【0256】
また、IWU(B225)とIWU(B226)との間のコネクションCO−9〜CO−12は、IWU内のコネクション設定手段によって設定されるので、CO−9〜CO−12の提供するQOSはIWU内のコネクション設定手段によって任意に設定可能な構成となっている。
【0257】
通常のQOS提供方式では、IWU(B225)とIWU(B226)との間のコネクションCO−9〜CO−12でのQOS提供方法としては、端末B661〜B664から要求されたQOSをそのまま提供する方法か、または前述したようにさらに高い品質のQOSを提供する方法が考えられる。しかし、高い品質のQOSを提供するためには、IWU間の通信路中に大きな帯域のコネクションを設定する必要があるので、IWU間に設定できるコネクションの数に制限が生じる可能性がある。
【0258】
本実施形態に係るIWUによるQOS提供方式を用いると、IWU間のコネクション中に要求されたQOSよりも低いQOSを提供する事が可能となる。このようなQOS提供方法を用いる事で、IWU間通信路中に大きくない帯域を確保したコネクションを設定する事でネットワーク間接続を行う事が出来るので、IWU間に設定できるコネクション数を多くする事が可能となり、通常の場合よりも多くの端末がIWU間で情報転送を行う事が出来る。つまり、IWU間に与えられた帯域(IWU間通信路によって決まる通信容量)よりも大きな帯域を割り当てる要求を出されたコネクションまでも、IWU間の通信路中に設定する事が可能となる。
【0259】
このことから、IWUによって接続されているネットワーク内の端末数が増大したり、各端末から送出される情報の帯域が大きくなったりしてIWU間の通信容量がIWU間の通信容量よりも多く必要になった場合でも、通信のサービス品質は少々劣化する可能性があるが、IWUの接続構成やIWU間に配置するリソースを変化させる事無くIWU間の通信容量の変化に対応する事が出来るようになる。
【0260】
[実施形態9]
図35には、本発明に係るネットワーク接続装置を用いてネットワーク接続をする場合の当該IWUに送り込まれてくるパケットのフォーマットの一例と、送られてくるパケットの時間変化の一例を示す。本実施形態に係るIWUでは、このIWUに送り込まれてくるパケットのその特性に応じたQOSをIWU間通信路中に設定する事が可能な構成となっている。
【0261】
ここで、パケットの持つ特性としては以下のようなものが考えられ、それによって以下のような効果を得る事が期待できる。
【0262】
(1)送られてきた情報のパケット長によってQOSを割り当てる
まず、IWU間にコネクションを設定して情報転送を行う場合に、パケット長の長い情報に対しては高い品質のQOSを割り当てる事を考える。遠く離れた端末間での情報転送を行う際に、パケット長の長い情報はその情報伝送中の伝送誤りがパケット内に生じる確率が高くなり、そのための再送処理などを行う必要があるために実質的なパケットのスループットが低下するという問題がある。このような問題に対してパケット長の長い情報に高い品質のQOSを与える事で、低遅延時間での情報転送が行えるので、再送処理が必要な場合にも高いスループットを提供する事が出来るようになる。
【0263】
また、高い廃棄品質をパケット長の長い情報に与える事で、IWU間での伝送誤り率(IWU間通信路中の誤りだけでなくセル廃棄による情報欠落も含めた伝送誤り率)を減少させる事が出来、再送処理を行う回数を減少させる事が出来る。
【0264】
このような効果が得られる事から、パケット長の長い情報に高い品質のQOSを与える方法では、特に長距離の情報伝送において情報の実質的なスループットの低下を防ぐ事が可能となる。
【0265】
また、パケット長の長い情報に対して高い品質のQOSを提供する場合の逆の場合として、パケット長の短い情報に対して高い品質のQOSを割り当てる事を考える。電話などのリアルタイム通信を提供する場合などに端末から送信される情報は、パケット長の短い情報がその大半を占めていると考えられるので、パケット長の短い情報に対して高い品質のQOSを与えるというアルゴリズムでQOSを提供する事で、リアルタイム性の要求される情報に対して、低遅延・低廃棄率でのネットワーク間の情報転送を提供する事が出来る。
【0266】
(2)制御情報によってQOSを割り当てる
通信ネットワーク内の端末として、コネクション設定手段を持った端末や故障回避手段やネットワーク管理を行っているような端末からの情報は、ネットワークを運用していく際に非常に重要な情報である。また、故障検出などの緊急信号は、その性格上リアルタイム処理が可能なくらいの転送遅延で通信が行える事が期待されている。
【0267】
このような特に重要性の高い情報を送信するパケットは通常そのパケットの制御情報フィールドにそのパケットがどのような情報を転送させているパケットであるかを示すビットを持っているので、その制御情報のビットの情報から重要度の高いものには高い品質のQOSを与える事が考えられる。このようにする事で、重要性の高い情報を低遅延・低廃棄率でネットワーク内を転送させる事が出来るようになる。
【0268】
(3)送信元アドレス、送信先アドレスによってQOSを割り当てる
上記(2)の場合と同様に、通信ネットワーク内の端末として、コネクション設定手段を持った端末や故障回避手段やネットワーク管理を行っているような端末からの情報は、ネットワークを運用していく際に非常に重要な情報である。また、故障検出などの緊急信号は、その性格上リアルタイム処理が可能なくらいの転送遅延で通信が行える事が期待されている。パケットの重要度を判断するビットとして前述の方法は制御ビットを用いた方法であったが、この場合にはその送信元アドレスや送信先アドレスが重要な端末であるかどうかを判断する事によってQOSを割り当てる事になる。
【0269】
このようなQOSの割当方法を用いる事によって、先の場合と同様に重要性の高い情報を低遅延・低廃棄率でネットワーク内を転送させる事が出来るようになる。また、制御情報を用いないのでATMのようなパケットのヘッダ領域の少ないパケットに新たに制御情報をのせる必要がなくなり、パケット内の情報を有効に利用する事が出来るようになる。また、制御情報として重要度を示す必要がなくなるので、情報を送信する端末の手段を小さくする事が可能となる。
【0270】
(4)送られてきた情報のバースト長によってQOSを割り当てる
図35に示したように、同じあて先情報を持ったパケットが連続して到着するような場合をバースト到着と呼ぶ。ここで、バースト長とはその連続して到着したパケットの総延長時間の事を指している。QOSの割当方法としては、上記の(1)で説明したような方法内でのパケット長をバースト長にそのまま置き換えることで実現が可能である。
【0271】
このようなパケットの特性によってQOSを割り当てる方法とともに、上記の(1)で述べたのと同じ理由から、IWU間の距離によってQOSを割り当てるような方法が考えられる。例えば、遠いIWUと接続しているIWU間通信路中のコネクションには高い品質のQOSを与え、近くのIWUと接続しているIWU間通信路中のコネクションには低い品質のQOSを提供するというような方法も考えられる。また、IWU間通信路のそれぞれの特有の伝送効率によってその通信路毎にQOSを割り当てるような方法も考えられる。
【0272】
これらの方法は、これまでの方法がコネクション単位でQOSを割り当てていたのに対して、通信路や通信路の伝送媒体の種類に対してQOSを割り当てる事になるので、IWU導入時やIWU間通信路などの設置時や変更時にIWU内のコネクション管理手段やQOS管理手段内に情報として入力させる事になる。
【0273】
また、これまで述べてきたような、IWU間においてサービス品質が劣化する可能性の高い情報や通信路に対してIWU内では高い品質のQOSを提供するという方法の逆に、IWU間でサービス品質の劣化する可能性のある情報や通信路に対しては低い品質のQOSを提供するという方法も考えられる。
【0274】
このような方法によって、IWU間で高い品質のQOSを提供できる情報や通信路に対しては、その提供可能なサービス品質を損なう事無くネットワーク接続が行える事になる。
【0275】
このようなQOSの提供方法は、特に、前述したようなIWU内で提供するQOS提供方法によるサービス品質の劣化が、IWU間でのサービス品質の劣化に比べて問題にならない場合に有効な方法である。
【0276】
以上述べてきたようなQOSの割当方法は、必ずしもコネクションレス型の情報パケットに対してのみ適応する事が出来るものではなく、コネクション型の情報をIWU間で情報転送する際にも適応可能な方法である。コネクション型の情報に対するQOSの提供方法としては、これまで述べてきた方法の他に、IWU間に設定されているコネクション自身の距離(コネクションを設定している端末間の距離)やIWU間に設定されているコネクションが通過するノード数(ホップ数)に対してQOSを割り当てるような方法も考えられる。
【0277】
【発明の効果】
本発明によれば、複数種類の通信プロトコルの異なるネットワーク間の接続を行う際にも、柔軟なネットワーク構成がとれるとともに、ネットワーク構成を気にする事無くネットワークの拡張や変更を行う事が可能となる。特に、コネクション型の通信プロトコルであるATMプロトコルをネットワーク接続装置間の独自プロトコルとして採用する事で、ネットワーク間に高速で信頼性の高い通信路が提供する事が可能となる。
さらに、ネットワーク接続装置内にATMスイッチのようなコネクションのスイッチング手段を持たせる事によって、複数のネットワーク接続を行う際の接続先のネットワークの識別とその接続先ネットワークへ転送する情報のスイッチングをハードウェア構成による自己ルーティングによって容易に実現する事が可能となる。さらに、ネットワーク接続装置内のスイッチング手段の複数の出力インタフェースを、接続しているネットワークに適当な数ずつ割り当てる事が出来るので、接続しているネットワーク間に必要となる通信帯域がそれぞれ異なるような場合にも、ネットワーク接続装置間の通信路帯域を割り当てる出力インタフェースの数によって容易に設定する事ができるので、ネットワーク間の通信帯域をネットワーク設計者の期待通りの通信帯域に設定する事が可能となる。また、同様の理由により、接続しているネットワーク間に必要となる通信帯域が時間によって変化したような場合にも、ネットワーク接続装置間の通信路帯域を容易に変化させる事ができるので、ネットワーク間の通信帯域をネットワーク運用状態に最も適した状態に設定する事が可能となる。さらに、このように高速のネットワーク間接続を実現する事で将来の高速広帯域通信を行うネットワークを接続する際に、そのネットワーク単体の持つパフォーマンスを損なう事無くネットワーク接続を行う事が可能となる。
また、ネットワーク接続装置間に設定するコネクションに対してもコネクション単位のQOSを設定する事が出来るようにする事で、複数ネットワークを経由して設定されるコネクションにおいてもそのコネクションに適した通信サービス品質を提供する事が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1−1に係るネットワーク接続装置を用いたネットワーク接続方式の一例を示す図
【図2】同実施形態に係るネットワーク接続装置を示す概略構成図
【図3】本発明の実施形態1−2に係るネットワーク接続装置を用いたネットワーク接続方式の一例を示す図
【図4】同実施形態に係るネットワーク接続装置を示す概略構成図
【図5】本発明の実施形態1−3に係るネットワーク接続装置を用いたネットワーク接続方式の一例を示す図
【図6】同実施形態に係るネットワーク接続装置を示す概略構成図
【図7】本発明の実施形態1−4に係るネットワーク接続装置を用いたネットワーク接続方式の一例を示す図
【図8】同実施形態に係るネットワーク接続装置を示す概略構成図
【図9】本発明の実施形態1−5に係るネットワーク接続装置を用いたネットワーク接続方式の一例を示す図
【図10】同実施形態に係るネットワーク接続装置を示す概略構成図
【図11】本発明の実施形態1−6−1に係るネットワーク接続装置を用いたネットワーク接続方式の一例を示す図
【図12】本発明の実施形態1−6−2に係るネットワーク接続装置を用いたネットワーク接続方式の一例を示す図
【図13】本発明の実施形態1−6−3に係るネットワーク接続装置を用いたネットワーク接続方式の一例を示す図
【図14】本発明の実施形態1−7−1に係るネットワーク接続装置を用いたネットワーク接続方式の一例を示す図
【図15】本発明の実施形態1−7−2に係るネットワーク接続装置を用いたネットワーク接続方式の一例を示す図
【図16】本発明の実施形態1−8に係るネットワーク接続装置を用いたネットワーク接続方式の一例を示す図
【図17】本発明の実施形態2−1に係るネットワーク接続装置を用いたネットワーク接続方式の一例を示す図
【図18】同実施形態に係るネットワーク接続装置を示す概略構成図
【図19】本発明の実施形態2−2に係るネットワーク接続装置を用いたネットワーク接続方式の一例を示す図
【図20】同実施形態に係るネットワーク接続装置を示す概略構成図
【図21】本発明の実施形態2−3に係るネットワーク接続装置を用いたネットワーク接続方式の一例を示す図
【図22】本発明の実施形態2−4に係るネットワーク接続装置を用いたネットワーク接続方式の一例を示す図
【図23】本発明の実施形態2−5に係るネットワーク接続装置を用いたネットワーク接続方式の一例を示す図
【図24】本発明の実施形態2−6に係るネットワーク接続装置を用いたネットワーク接続方式の一例を示す図
【図25】本発明の実施形態2−7に係るネットワーク接続装置を示す概略構成図
【図26】本発明の実施形態3−1に係るネットワーク接続装置を用いたネットワーク接続方式の一例を示す図
【図27】本発明の実施形態3−2に係るネットワーク接続装置を用いたネットワーク接続方式の一例を示す図
【図28】本発明の実施形態4に係るネットワーク接続装置を用いたネットワーク接続方式の一例を示す図
【図29】同実施形態に係るネットワーク接続装置を示す概略構成図
【図30】本発明の実施形態5に係るネットワーク接続装置を示す概略構成図
【図31】本発明の実施形態6に係るネットワーク接続装置を用いたネットワーク接続方式の一例を示す図
【図32】同実施形態に係るネットワーク接続装置を示す概略構成図
【図33】本発明の実施形態7に係るネットワーク接続装置を用いたネットワーク接続方式の一例を示す図
【図34】本発明の実施形態8に係るネットワーク接続装置を用いたネットワーク接続方式の一例を示す図
【図35】本発明の実施形態9に係るネットワーク接続装置を用いてネットワーク接続を行う場合にネットワーク接続装置に送り込まれてくるパケットのフォーマットとパケットの時間変化の一例を示す図
【符号の説明】
111,112,A111,A112,A113…LAN
221,222,A221,A222,A223…ネットワーク接続装置(IWU)
31…IWU間プロトコル変換手段
41…あて先情報識別手段
51,A441,A442,A443…プロトコル変換手段
71,A71…コネクション管理手段
81,A81…あて先/コネクション・データベース
91,A91−1〜A91−n…IWU間通信路
A1…IWU管理CPU
A881,A882,A883,AM1…コネクション設定手段
A31−1〜A31−n…モジュール化プロトコル変換手段
AE1…リソース管理手段
AH1−1〜AH1−n…モジュール接続手段
AZ1…スイッチング手段
AJ1−3〜AJ1−n…I/F手段

Claims (10)

  1. ATMプロトコルが用いられる複数のネットワーク間通信路を介して通信情報の伝送をする複数のネットワークそれぞれに設けられるネットワーク接続装置であって、
    他の前記ネットワーク接続装置との間で少なくとも1つの前記ネットワーク間通信路に対してATMコネクションの設定をすると共に、この設定したATMコネクションの管理をするコネクション設定・管理手段と、
    自装置が設けられた前記ネットワークと前記ネットワーク間通信路との間で通信する前記通信情報に対して、自装置が設けられた前記ネットワークで用いられている所定のプロトコルと前記ネットワーク間通信路で用いられているATMプロトコルとの相互間でプロトコル変換をするプロトコル変換手段と、
    このプロトコル変換手段及び前記複数のネットワーク間通信路に接続されたスイッチ手段を備え、自装置が設けられた前記ネットワークから前記ネットワーク間通信路に伝送する前記通信情報に付加されている宛先情報に基づいて、前記複数のネットワーク間通信路の中から前記プロトコル変換手段に接続すべきネットワーク間通信路を選択する通信路選択手段と、
    前記ネットワーク間通信路中に設定された前記ATMコネクションに対して、所定の通信サービス品質を提供する通信サービス品質提供手段とを具備し、
    前記通信サービス品質提供手段は、前記ネットワーク間通信路に対して設定されている前記ATMコネクションについて、コネクション型の通信を行っているATMコネクションとコネクションレス型の通信を行っているATMコネクションとでは、それぞれ異なる通信サービス品質を提供することを特徴とするネットワーク接続装置。
  2. 前記通信サービス品質提供手段は、
    前記ネットワーク接続装置に送られてくる通信情報が通信サービス品質を要求する通信情報かそうでない通信情報かを識別する情報識別手段と、
    前記ネットワーク接続装置に送られてくる情報の種類に応じて、ネットワーク接続装置間のATMコネクションに設定する通信サービス品質を決定する通信サービス品質決定手段と、
    前記通信サービス品質決定手段によって決定された通信サービス品質と該通信サービス品質が設定されるATMコネクションとの対応を記憶する通信サービス品質記憶手段と、
    決定された前記通信サービス品質を対応する前記ATMコネクションに提供する手段とを有することを特徴とする請求項1に記載のネットワーク接続装置。
  3. 前記通信サービス品質提供手段は、コネクション型の通信を行っているネットワーク接続装置間のATMコネクションに対して、常時要求されている通信サービス品質よりも高い品質の通信サービス品質を提供することを特徴とする請求項1に記載のネットワーク接続装置。
  4. 前記通信サービス品質提供手段は、
    前記ネットワーク接続装置にコネクション設定要求情報が送られてきた場合に該要求通信サービス品質情報を記憶する要求通信サービス品質情報記憶手段と、前記要求サービス品質に基づいて設定要求コネクションに対応するネットワーク接続装置間のATMコネクションに設定する通信サービス品質を決定する通信サービス品質決定手段と、
    前記通信サービス品質決定手段によって決定された通信サービス品質と該通信サービス品質が設定されるATMコネクションとの対応を記憶する通信サービス品質記憶手段と、
    決定された前記通信サービス品質を対応する前記ATMコネクションに提供する手段とを有することを特徴とする請求項3に記載のネットワーク接続装置。
  5. 前記通信サービス品質提供手段は、コネクション型の通信を行っているネットワーク接続装置間のATMコネクションに対して、該ATMコネクションが設定されているネットワーク接続装置間の通信路のリソース状況に応じて、要求されている通信サービス品質よりも低い品質の通信サービス品質を提供することを特徴とする請求項1に記載のネットワーク接続装置。
  6. 前記通信サービス品質提供手段は、
    前記ネットワーク接続装置にコネクション設定要求情報が送られてきた場合に該要求通信サービス品質情報を記憶する要求通信サービス品質情報記憶手段と、前記要求サービス品質及びネットワーク接続装置間のリソース情報に基づいて設定要求コネクションに対応するネットワーク接続装置間のATMコネクションに設定する通信サービス品質を決定する通信サービス品質決定手段と、
    前記通信サービス品質決定手段によって決定された通信サービス品質と該通信サービス品質が設定されるATMコネクションとの対応を記憶する通信サービス品質記憶手段と、
    決定された前記通信サービス品質を対応する前記ATMコネクションに提供する手段とを有することを特徴とする請求項5に記載のネットワーク接続装置。
  7. 前記通信サービス品質提供手段は、コネクションレス型の通信を行っているネットワーク接続装置間のATMコネクションに対して、送られてきたコネクションレス型の通信情報の特性に応じて異なる通信サービス品質を提供することを特徴とする請求項1に記載のネットワーク接続装置。
  8. 前記通信サービス品質提供手段は、
    前記ネットワーク接続装置にデータグラム通信情報が送られてきた場合に該情報がデータグラム通信情報である事を識別する情報識別手段と、
    送られてきた前記データグラム通信情報の特性を読み取るデータグラム通信情報特性読み取り手段と、
    前記特性に対応したネットワーク接続装置間のATMコネクションの通信サービス品質を記憶する通信サービス品質記憶手段と、
    読み取られた前記データグラム通信情報の特性に基づいて該データグラム通信情報を乗せるネットワーク接続装置間のATMコネクションに設定する通信サービス品質を決定する通信サービス品質決定手段と、
    決定された前記通信サービス品質を対応する前記ATMコネクションに提供する手段とを有することを特徴とする請求項7に記載のネットワーク接続装置。
  9. 前記ネットワーク接続装置間の通信路及び該ネットワーク接続装置自身の故障検出及び故障回避をする故障検出・回避手段を更に具備したことを特徴とする請求項1に記載のネットワーク接続装置。
  10. 前記故障検出・回避手段は、
    前記ネットワーク接続装置間の通信路中での故障検出を行うためのOAM機能提供手段と、
    前記ネットワーク接続装置間の通信路中の故障状況を前記コネクション設定・管理手段に通知する故障情報通知手段と、
    送られてきた故障情報に従ってネットワーク接続装置間の故障回避を行う故障回避手段と、
    故障回避を行ってもネットワーク接続装置間のATMコネクションに影響を与える事がないかどうかを管理するコネクション管理手段と、
    前記OAM機能提供手段からのOAM情報に従ってネットワーク接続装置間の通信路中のリソース情報を書き直すリソース管理手段とを有することを特徴とする請求項9に記載のネットワーク接続装置。
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