JP3540738B2 - 流量分配装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、流量分配装置に係り、更に詳しくは、複数に分岐した分岐管に導かれた流体の流量を、目標とする流量に分配するための流量分配装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
通常、図5に示すように、上下水道の薬品注入設備20など、複数の水処理系統21(#A、#B、#C)からなり、各系統に対してそれぞれの処理量に応じた分配比で水や薬品などの流体を注入するような設備に対しては、流量分配装置が用いられている。
【0003】
この種の流量分配装置では、水や薬品などの流体を供給する主管23から複数に分岐した分岐管24(#A、#B、#C)毎に、各分岐管24(#A、#B、#C)へ所定の流量に調節して分配するための弁25(#A、#B、#C)がそれぞれ備えられている。そして、これらの各分岐管24(#A、#B、#C)へ流量分配を行う場合には、これら各分岐管24(#A、#B、#C)個別の弁25(#A、#B、#C)を用いて、各分岐管24(#A、#B、#C)への流量配分を行っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の流量分配装置では、以下のような問題がある。
【0005】
たとえば、弁25(#A、#B、#C)を用いて各分岐管24(#A、#B、#C)への流量配分を個別に行う場合、分岐管24(#A)の流量QAを少なくするように弁25(#A)を制御し、この弁25(#A)を絞ると、流量QAが減少する。しかしながらこの場合、同時に、流量QB、流量QCは増加する。逆に、弁25(#A)をより開くと、流量QAが増加すると同時に、流量QB、流量QCは減少する。このように、各弁25(#A、#B、#C)の制御を個別に行うと、ある弁25の動作が他の弁25の外乱となってしまう。
【0006】
上述したように、弁25(#A、#B、#C)を用いて各分岐管24(#A、#B、#C)への流量配分を個別に行う場合には、1つの弁25の動作が他の分岐管24(#A、#B、#C)の分岐流量に影響を及ぼすため、所望の流量配分を安定して達成することが困難であるという問題がある。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、複数に分岐した分岐管の流量分配を行うにあたり、目標流量と測定流量とを用いて制御演算を行い、この演算結果に基づいて操作を行う弁を選択し、選択した弁のみの制御により流量分配を行うようにし、もって、ある分岐管への流量分配時に他の分岐管の分岐流量に影響を及ぼすことなく、所望の流量配分を安定して達成することが可能な流量分配装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明では、以下のような手段を講じる。
【0009】
すなわち、請求項1の発明では、主管内を流通する流体を、主管から分岐した複数の分岐管に、おのおの所定の流量で分配する流量分配装置であって、主管内を流通する流体の流量である主流量を測定する主流量測定手段と、複数の分岐管のおのおのに備えられ、各分岐管内を流通する流体の流量である分岐流量の、主流量測定手段によって測定された主流量に対する比である流量比を調節する複数の分岐流量調節弁と、複数の分岐管のおのおのに備えられ、各分岐流量調節弁の開度を測定する複数の分岐弁開度測定手段と、複数の分岐管のおのおのに備えられ、各分岐流量を測定する複数の分岐流量測定手段と、複数の分岐管のおのおのについて予め定めた目標流量の総和に対する、各分岐管の目標流量の比率である流量目標比率を、各分岐管毎に演算する流量目標比率演算手段と、各分岐流量測定手段によって測定された各分岐流量の総和流量に対する、各分岐流量の比率である分岐流量比率を、各分岐管毎に演算する分岐流量比率演算手段と、流量目標比率演算手段によって演算された各分岐管毎の流量目標比率、および分岐流量比率演算手段によって演算された各分岐管毎の分岐流量比率に基づいて、各分岐管毎に備えられた各分岐流量調節弁の操作量を演算する弁操作量演算手段と、弁操作量演算手段によって演算された各分岐流量調節弁の操作量、および分岐弁開度測定手段によって測定された各分岐流量調節弁の開度に基づいて、各分岐流量調節弁から、操作量および開度で操作する分岐流量調節弁を選択する操作弁選択手段と、各分岐管毎に備えられ、各分岐管内を流通することによって導かれた流体を処理する複数の流体処理部と、各流体処理部に備えられ、各流体処理部における流体の流量を測定する処理部流量測定手段とを備えている。そして、複数の分岐管のおのおのについて予め定めた目標流量を、各分岐管毎に備えられた各処理部流量測定手段によって測定された流量としている。
【0010】
従って、請求項1の発明の流量分配装置においては、以上のような手段を講じることにより、選択した分岐流量調整弁のみの制御により各分岐管に対する流量分配を行うことができる。更に、各分岐管によって導かれた例えば水処理施設などの各液体処理部において測定された流量から、分岐流量調節弁を選択することができる。
【0011】
請求項2の発明では、請求項1の発明の流量分配装置において、操作弁選択手段は、弁操作量演算手段によって演算された各分岐流量調節弁の操作量が、各分岐流量調節弁をより開く方向である正の値である場合には、操作量が最大値である分岐流量調節弁を選択し、負の値である場合には、操作量が最小値である分岐流量調節弁を選択する。
【0012】
従って、請求項2の発明の流量分配装置においては、以上のようにして分岐流量調節弁を選択することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0016】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態を図1から図2を用いて説明する。
【0017】
図1は、第1の実施の形態に係る流量分配装置の一例を示す構成図である。
【0018】
すなわち、本実施の形態に係る流量分配装置は、主管1内を流通する水や薬品などの流体を、主管1から分岐した複数の分岐管2(#1、#2、・・、#n)に、所定の流量で分配する装置であって、主管1にはポンプP1、弁V1、流量計F1、および弁V1の開度を測定する弁開度計B1を備えている。また、各分岐管2(#1、#2、・・、#n)には、それぞれ弁V2(#1、#2、・・、#n)、流量計F2(#1、#2、・・、#n)、および弁V2(#1、#2、・・、#n)の開度を測定する弁開度計B2(#1、#2、・・、#n)を備えている。更に、流量計F1、F2や弁開度計B1、B2によって測定された測定値に基づいて流量分配のための必要な演算および制御を行う全体流量制御演算部4、流量目標比率演算部5、流量計測値比率演算部6、弁制御演算部7(#1、#2、・・、#n)、弁選択部8、弁選択回路部9を備えている。
【0019】
ポンプP1は、主管1内を流通する水などの流体を加圧し、図中矢印に示す方向に流体を流通させる。弁V1は、主管1内を流通する流体の流量(以下、「主流量」と称する)を調節する。流量計F1は、主流量を測定し、その測定結果を全体流量制御演算部4に出力する。弁開度計B1は、弁V1の開度を測定し、その測定結果を全体流量制御演算部4に出力する。
【0020】
弁V2(#1、#2、・・、#n)は、複数の分岐管2(#1、#2、・・、#n)のおのおのに備えられ、各分岐管2内を流通する流体の流量(以下、「分岐流量」と称する)を調節する。流量計F2(#1、#2、・・、#n)は、それぞれの分岐管2(#1、#2、・・、#n)の分岐流量を測定し、測定結果を流量計測値比率演算部6に出力する。弁開度計B2(#1、#2、・・、#n)は、弁V2(#1、#2、・・、#n)の開度をそれぞれ測定し、その測定結果をそれぞれ対応する弁制御演算部7(#1、#2、・・、#n)に出力する。
【0021】
全体流量制御演算部4は、弁開度計B1から出力された弁V1の開度、流量計F1から出力された流量、および操作入力による入力される全体目標流量に基づいて、主管1内を流通する流体の流量を制御するための演算を行い、この演算結果に基づいて、弁V1の開度を操作する。
【0022】
流量目標比率演算部5は、分岐管2(#1、#2、・・、#n)のおのおのについて予め定めた目標流量Q1、Q2、・・、Qnの総和に対する各分岐管2(#1、#2、・・、#n)の目標流量の比率である流量目標比率SV1、SV2、・・、SVnを、各分岐管毎2(#1、#2、・・、#n)に演算し、その結果を各弁制御演算部7(#1、#2、・・、#n)に出力する。すなわち、たとえば分岐管2(#1)に対する流量目標比率SV1は、以下に示す(1)式に従って演算する。
【0023】
【数1】
【0024】
流量計測値比率演算部6は、各流量計F2(#1、#2、・・、#n)によって測定された各分岐流量q1、q2、・・、qnに基づいて、これら分岐流量q1、q2、・・、qnの総和流量に対する各分岐流量の比率である分岐流量比率PV1、PV2、・・、PVnを各分岐管2(#1、#2、・・、#n)毎に演算し、その結果を各弁制御演算部7(#1、#2、・・、#n)に出力する。すなわち、たとえば分岐管2(#1)に対する分岐流量比率PV1は、以下に示す(2)式に従って演算する。
【0025】
【数2】
【0026】
弁制御演算部7(#1、#2、・・、#n)は、流量目標比率演算部5によって演算された各分岐管2毎の流量目標比率SV1、SV2、・・、SVn、および流量計測値比率演算部6によって演算された各分岐管2(#1、#2、・・、#n)毎の分岐流量比率PV1、PV2、・・、PVnに基づいて、各分岐管2(#1、#2、・・、#n)毎に備えられた各弁V2(#1、#2、・・、#n)の操作量MV1、MV2、・・、MVnをPID演算などによって演算し、その結果を弁選択部8に出力する。なお、この操作量MV1、MV2、・・、MVnは、所定の制御範囲内に制限されるものである。
【0027】
弁選択部8は、弁制御演算部7(#1、#2、・・、#n)によって演算された各弁V2(#1、#2、・・、#n)の操作量、各弁V2(#1、#2、・・、#n)の開度に基づいて、分岐管2(#1、#2、・・、#n)に備えられた各弁V2(#1、#2、・・、#n)の中から、この操作量および開度で操作する弁V2を選択し、その結果に基づいて弁選択回路部9を作動させる。弁V2の選択は、例えば、以下のような基準に基づいて行う。各弁制御演算部7(#1、#2、・・、#n)によって演算された各弁V2(#1、#2、・・、#n)の操作量が、各弁V2(#1、#2、・・、#n)をより開く方向である正の値である場合には、操作量が最大値である弁V2を選択する。一方、各弁制御演算部7(#1、#2、・・、#n)によって演算された各弁V2(#1、#2、・・、#n)の操作量が、各弁V2(#1、#2、・・、#n)をより閉じる方向である負の値である場合には、操作量が最小値である弁V2を選択する。
【0028】
弁選択回路部9は、弁選択部8によって選択された弁V2の開度を、弁選択部8によって演算された操作量に応じて操作する。
【0029】
次に、以上のように構成した本実施の形態に係る流量分配装置の動作について図2に示すフローチャートを用いて説明する。
【0030】
まず、主管1内を流通する水や薬品などの流体は、ポンプP1によって加圧され、図中矢印に示す方向に流れる。このように主管1内を流れる流体は、弁V1によってその流量が調節される。この弁V1の開度および流体の流量は、弁開度計B1および流量計F1によってそれぞれ測定され、ともに全体流量制御演算部4に出力される(S1)。
【0031】
全体流量制御演算部4では、弁開度計B1から出力された弁開度、流量計F1から出力された流量に基づいてPID演算などの制御演算が行われ、その演算結果に基づいて弁V1が操作され、主管1内の流量(主流量)が一定に制御される。なお、ステップS1における主流量および弁開度の測定は、一定の周期で行われており、それに伴う制御演算、およびこの演算結果に基づく弁V1の操作もまた一定の周期で行われる(S2)。
【0032】
このようにして主管1内でその流量が一定に制御された流体は、主管1から分岐した複数の分岐管2(#1、#2、・・、#n)へと分配される。そして各分岐管2(#1、#2、・・、#n)へと分配された流体は、各分岐管2(#1、#2、・・、#n)において、弁V2(#1、#2、・・、#n)によってその流量が調節される。各弁V2(#1、#2、・・、#n)の開度および各分岐管2(#1、#2、・・、#n)を流れる流体の流量q1、q2、・・、qnは、各弁開度計B2(#1、#2、・・、#n)および各流量計F2(#1、#2、・・、#n)によってそれぞれ測定され、開度はそれぞれの弁制御演算部7(#1、#2、・・、#n)へ、流量q1、q2、・・、qnは流量計測値比率演算部6へそれぞれ出力される(S3)。
【0033】
そして、流量目標比率演算部5では、操作入力された各分岐管2(#1、#2、・・、#n)における目標流量Q1、Q2、・・、Qnに基づいて、上述した(1)式に基づいて、流量目標比率SV1、SV2、・・、SVnが演算され、その結果が各弁制御演算部7(#1、#2、・・、#n)に出力される(S4)。
【0034】
また、流量計測値比率演算部6では、各流量計F2(#1、#2、・・、#n)によって測定された各分岐流量q1、q2、・・、qnに基づいて、上述した(2)式に基づいて、分岐流量比率PV1、PV2、・・、PVnが演算され、その結果が各弁制御演算部7(#1、#2、・・、#n)に出力される(S5)。
【0035】
弁制御演算部7(#1、#2、・・、#n)では、流量目標比率演算部5によって演算された各分岐管2毎の流量目標比率SV1、SV2、・・、SVn、および流量計測値比率演算部6によって演算された各分岐管2(#1、#2、・・、#n)毎の分岐流量比率PV1、PV2、・・、PVnに基づいて、各分岐管2(#1、#2、・・、#n)毎に備えられた各弁V2(#1、#2、・・、#n)の操作量MV1、MV2、・・、MVnが、PID演算などによって演算され、その結果が弁選択部8に出力される(S6)。
【0036】
弁選択部8では、弁制御演算部7(#1、#2、・・、#n)によって演算された各弁V2(#1、#2、・・、#n)の操作量MV1、MV2、・・、MVn、各弁V2(#1、#2、・・、#n)の開度に基づいて、分岐管2(#1、#2、・・、#n)に備えられた各弁V2(#1、#2、・・、#n)の中から、この操作量および開度で操作する弁V2が選択される(S7)。
【0037】
そして、弁選択回路部9によって、弁選択部8によって選択された弁V2の開度が、弁選択部8によって演算された操作量に応じて操作され、各分岐管2(#1、#2、・・、#n)に対して所望の流量が安定して分配される(S8)。
【0038】
このように、選択された弁V2のみが操作されるので、ある分岐管2への流量分配時に、他の分岐管2の分岐流量に影響を及ぼすことなく、所望の流量が安定して分配される。
【0039】
上述したように、本実施の形態に係る流量分配装置においては、上記のような作用により、複数の分岐管2(#1、#2、・・、#n)に備えらた弁V2(#1、#2、・・、#n)のうち、1回の操作で出力を行うのはいずれか1つの弁V2のみとすることができる。
【0040】
したがって、ある分岐管2への流量分配時に、他の分岐管2の分岐流量に影響を及ぼすことなく、所望の流量を安定して分配することが可能となる。
【0041】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態を図3から図4を用いて説明する。
【0042】
図3は、第2の実施の形態に係る流量分配装置の一例を示す構成図であり、図1と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0043】
すなわち、本実施の形態に係る流量配分装置は、図1に示す各分岐管2(#1、#2、・・、#n)の下流側にそれぞれ、各分岐管2(#1、#2、・・、#n)によって導かれた水や薬などの液体を処理する処理系統11(#1、#2、・・、#n)をそれぞれ備えている。この処理系統11は、例えば、上下水道の薬品注入設備に相当する。
【0044】
さらに、各処理系統11(#1、#2、・・、#n)には、各処理系統11(#1、#2、・・、#n)における流量W1、W2、・・、Wnを測定して、その結果を流量目標比率演算部5に出力する流量計F3(#1、#2、・・、#n)をそれぞれ備えている。
【0045】
そして、流量目標比率演算部5は、各流量計F3(#1、#2、・・、#n)から出力された流量W1、W2、・・、Wnを、それぞれ総和流量(W1+W2+・・+Wn)で除することによって、各処理系統11(#1、#2、・・、#n)の流量目標比率SV1、SV2、・・、SVnを演算し、その結果を各弁制御演算部7(#1、#2、・・、#n)に出力する。すなわち、流量目標比率演算部5は、たとえば処理系統11(#1)に対する流量目標比率SV1を演算する場合、以下に示す(3)式に従って、各流量計F3(#1、#2、・・、#n)から出力された流量W1、W2、・・、Wnを用いて流量目標比率SV1をオンラインで自動的に演算する。
【0046】
【数3】
【0047】
その他の構成については、第1の実施の形態で説明したものと同様であるので、重複説明を避ける。
【0048】
次に、以上のように構成した本実施の形態に係る流量分配装置の動作について図4のフローチャートを用いて説明する。
【0049】
図4に示すフローチャートは、図2に示すフローチャートのステップS3、S4に替えて、ステップS11、S12、S13を加えたものであって、ステップS1、S2、S5、S6、S7、S8は、図2に示すフローチャートで説明した通りである。したがって、ここでは、異なるステップを中心に、本実施の形態に係る流量分配装置の動作について説明する。
【0050】
ステップS1で測定された結果に基づきなされたステップS2における制御演算によって、主管1内でその流量が一定に制御された流体は、主管1から分岐した複数の分岐管2(#1、#2、・・、#n)へと分配される。そして各分岐管2(#1、#2、・・、#n)へと分配された流体は、各分岐管2(#1、#2、・・、#n)において、弁V2(#1、#2、・・、#n)によってその流量が調節され、各分岐管2(#1、#2、・・、#n)の下流に備えられた各処理系統11(#1、#2、・・、#n)へと導かれる(S11)。
【0051】
各弁V2(#1、#2、・・、#n)の開度および各分岐管2(#1、#2、・・、#n)を流れる流体の流量q1、q2、・・、qnは、各弁開度計B2(#1、#2、・・、#n)および各流量計F2(#1、#2、・・、#n)によってそれぞれ測定され、開度はそれぞれの弁制御演算部7(#1、#2、・・、#n)へ、流量q1、q2、・・、qnは流量計測値比率演算部6へそれぞれ出力される。また、各処理系統11(#1、#2、・・、#n)における流量W1、W2、・・、Wnが、流量計F3(#1、#2、・・、#n)によってそれぞれ測定され、流量目標比率演算部5へと出力される(S12)。
【0052】
そして、流量目標比率演算部5では、各流量計F3(#1、#2、・・、#n)から出力された各処理系統11(#1、#2、・・、#n)における流量W1、W2、・・、Wnに基づいて、上述した(3)式に基づいて、流量目標比率SV1、SV2、・・、SVnが演算され、その結果が各弁制御演算部7(#1、#2、・・、#n)に出力される(S13)。
【0053】
また、前述したステップS5と同様にして、流量計測値比率演算部6では、分岐流量比率PV1、PV2、・・、PVnが演算され、その結果が各弁制御演算部7(#1、#2、・・、#n)に出力される(S5)。
【0054】
以下、図2で説明したステップS6、S7、S8と同様に動作し、最終的には、弁選択部8によって選択された弁V2の開度が、弁選択部8によって演算された操作量に基づいて操作され、各分岐管2(#1、#2、・・、#n)に対して所望の流量が安定して分配される。
【0055】
このように、選択された弁V2のみが操作されるので、ある分岐管2への流量分配時に、他の分岐管2の分岐流量に影響を及ぼすことなく、所望の流量が安定して分配される。
【0056】
上述したように、本実施の形態に係る流量分配装置においては、上記のような作用により、流量計F3(#1、#2、・・、#n)によって測定される流量W1、W2、・・、Wnがオンラインで取得され、更にこの流量W1、W2、・・、Wnに基づいて、流量目標比率SV1、SV2、・・、SVnを自動的に演算することができる。
【0057】
これによって、時々刻々変化する処理系統11(#1、#2、・・、#n)の流量W1、W2、・・、Wnに基づいて、分岐流量を決定する場合であっても、自動的に目標流量比率SV1、SV2、・・、SVnを演算し、更に、この目標流量比率SV1、SV2、・・、SVnに基づいて操作量MV1、MV2、・・、MVnを演算することができる。
【0058】
その結果、ある分岐管2への流量分配時に、他の分岐管2の分岐流量に影響を及ぼすことなく、所望の流量を安定して分配することが可能となる。
【0059】
以上、本発明の好適な実施の形態について、添付図面を参照しながら説明したが、本発明はかかる構成に限定されない。特許請求の範囲の発明された技術的思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、複数に分岐した分岐管の流量分配を行うにあたり、目標流量と測定流量とを用いて制御演算を行い、この演算結果に基づいて操作を行う弁を選択し、選択した弁のみの制御により流量分配を行うことができる。
【0061】
以上により、ある分岐管への流量分配時に他の管路の分岐流量に影響を及ぼすことなく、所望の流量配分を安定して達成することが可能な流量分配装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る流量分配装置の一例を示す構成図
【図2】第1の実施の形態に係る流量分配装置の動作を示すフローチャート
【図3】第2の実施の形態に係る流量分配装置の一例を示す構成図
【図4】第2の実施の形態に係る流量分配装置の動作を示すフローチャート
【図5】従来技術の流量分配装置の一例を示す部分構成図
【符号の説明】
P1…ポンプ
V1、V2…弁
F1、F2、F3…流量計
1、23…主管
2、24…分岐管
4…全体流量制御演算部
5…流量目標比率演算部
6…流量計測値比率演算部
7…弁制御演算部
8…弁選択部
9…弁選択回路部
11…処理系統
Claims (2)
- 主管内を流通する流体を、前記主管から分岐した複数の分岐管に、おのおの所定の流量で分配する流量分配装置であって、
前記主管内を流通する前記流体の流量である主流量を測定する主流量測定手段と、
前記複数の分岐管のおのおのに備えられ、前記各分岐管内を流通する前記流体の流量である分岐流量の、前記主流量測定手段によって測定された主流量に対する比である流量比を調節する複数の分岐流量調節弁と、
前記複数の分岐管のおのおのに備えられ、前記各分岐流量調節弁の開度を測定する複数の分岐弁開度測定手段と、
前記複数の分岐管のおのおのに備えられ、前記各分岐流量を測定する複数の分岐流量測定手段と、
前記複数の分岐管のおのおのについて予め定めた目標流量の総和に対する、前記各分岐管の前記目標流量の比率である流量目標比率を、前記各分岐管毎に演算する流量目標比率演算手段と、
前記各分岐流量測定手段によって測定された前記各分岐流量の総和流量に対する、前記各分岐流量の比率である分岐流量比率を、前記各分岐管毎に演算する分岐流量比率演算手段と、
前記流量目標比率演算手段によって演算された前記各分岐管毎の流量目標比率、および前記分岐流量比率演算手段によって演算された前記各分岐管毎の分岐流量比率に基づいて、前記各分岐管毎に備えられた前記各分岐流量調節弁の操作量を演算する弁操作量演算手段と、
前記弁操作量演算手段によって演算された前記各分岐流量調節弁の操作量、および前記分岐弁開度測定手段によって測定された前記各分岐流量調節弁の開度に基づいて、前記各分岐流量調節弁から、前記操作量および開度で操作する分岐流量調節弁を選択する操作弁選択手段と、
前記各分岐管毎に備えられ、前記各分岐管内を流通することによって導かれた前記流体を処理する複数の流体処理部と、
前記各流体処理部に備えられ、前記各流体処理部における前記流体の流量を測定する処理部流量測定手段とを備え、
前記複数の分岐管のおのおのについて予め定めた目標流量を、前記各分岐管毎に備えられた各処理部流量測定手段によって測定された流量としたことを特徴とする流量分配装置。 - 請求項1に記載の流量分配装置において、
前記操作弁選択手段は、前記弁操作量演算手段によって演算された前記各分岐流量調節弁の操作量が、前記各分岐流量調節弁をより開く方向である正の値である場合には、前記操作量が最大値である分岐流量調節弁を選択し、負の値である場合には、前記操作量が最小値である分岐流量調節弁を選択するようにしたことを特徴とする流量分配装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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