JP3539677B2 - Resin composition, moisture-curable solution, coating material composition and method of applying the same - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂組成物、湿気硬化性溶液、被覆材組成物及びその施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
被覆材組成物は、床及び壁面コーティング材組成物や道路マーキング材組成物等の土木建築用被覆材組成物や、その他に地下防水用や防食用の被覆材組成物等として、コンクリート、モルタル、アスファルト、金属、木材、プラスチック、セルロース系基材、ガラスや、これらに類する建築、土木等の基材で構成される建築物、工場、倉庫、立体駐車場等の床、壁面、屋根等の構築物の内装や外装、道路等の新設や改修に広く用いられている。このような被覆材組成物として、基材との密着性を付与したり、基材の影響を抑制したりするために、プライマー組成物が一般的に使用されている。
【0003】
このようなプライマー組成物を構成する樹脂としては、通常は、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂等が使用されている。しかしながら、これらの樹脂を用いて溶剤型や水分散型のプライマー組成物とする場合には、冬場の低温条件で施工したときに乾燥性が低下するため、プライマー組成物の被膜中に溶剤や水が残留することに起因して上塗りした被膜にフクレが生じるという問題があった。
【0004】
一方、これらのプライマー組成物と組み合わせて、アクリル系ラジカル硬化性樹脂を含む上塗り用コーティング材組成物が使用されることがある。この上塗り用コーティング材組成物は、硬化速度が速く、5℃以下の低温施工時の硬化性が良好であるため、施工時間を短縮できるとともに、被膜の耐候性や耐薬品性等の性能を向上させることができるものである。しかしながら、プライマー組成物の乾燥性や低温施工時の硬化性が充分ではないため、このような上塗り用コーティング材組成物を用いても、施工時間を短縮したり、被膜の性能を発揮させたりすることが充分にできないという問題があった。また、エポキシ樹脂を含むプライマー組成物を用いる場合には、低温施工時に上塗り用コーティング材組成物を塗布すると、プライマー組成物中の未反応のアミンが上塗り用コーティング材組成物のラジカル重合を阻害するという問題もあった。
【0005】
特公平44−18757号公報には、合成高分子エマルションを下地のモルタルにおけるプライマー組成物として用いることにより、モルタルと上塗り用コーティング材組成物との密着性を改善する方法が開示されている。しかしながら、この合成高分子エマルションでは、硬化速度が遅く、また、下地のモルタルの多孔性を無孔性に改良することはできなかった。
【0006】
特公平64−10024号公報には、不飽和β−ヒドロキシエステル、メタクリル酸メチル等を含む樹脂組成物をプライマー組成物として用いることが開示されている。しかしながら、この樹脂組成物でも、速硬化性、乾燥性及び密着性が不充分であり、特に湿潤面との密着性が著しく劣っていた。
【0007】
特開平4−202073号公報には、多価イソシアネート化合物と水酸基を有するエチレン性不飽和単量体とを反応して得られる不飽和プレポリマーを含む樹脂組成物をプライマー組成物としてセメント基材に塗布して硬化させた後、熱硬化性樹脂組成物を塗布して硬化させるセメント基材の保護方法が開示されている。しかしながら、この樹脂組成物は、イソシアネート基が残存した場合、保存安定性が悪くなり、また、硬化性、乾燥性も劣っていた。
従って、これらの樹脂組成物では、プライマー組成物に適した乾燥性や硬化性と硬化物の性能とを両立させることができないという問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、速硬化性を有するとともに、乾燥性、低温硬化性、保存安定性等の性能や各種の基材に対する密着性に優れたウレタン硬化用の樹脂組成物を提案することにある。より具体的にはウレタン硬化用の被覆材組成物である。そして例えば施工条件等で湿潤面との密着性や低温施工時の基材との密着性にも優れた被覆材組成物を構成する樹脂組成物、及び、その樹脂組成物とあわせて用いる湿気硬化性溶液を提供することを目的とするものである。そしてより具体的にはプライマー組成物として用いる被覆材組成物を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ポリイソシアネート化合物及び/又はウレタンプレポリマーを主成分として含む湿気硬化性溶液と混合して用いる樹脂組成物であって、上記樹脂組成物は、架橋性(メタ)アクリルシラップを含み、上記架橋性(メタ)アクリルシラップは、重合性二重結合を有する(メタ)アクリル系重合体(A)、及び、重合性単量体(B)を含む樹脂組成物である。
【0010】
本発明はまた、上記樹脂組成物と混合して用いる湿気硬化性溶液であって、上記湿気硬化性溶液は、ポリイソシアネート化合物及び/又はウレタンプレポリマーを主成分として含む湿気硬化性溶液でもある。
本発明はまた、上記樹脂組成物と上記湿気硬化性溶液とからなる被覆材組成物でもある。
本発明はまた、上記被覆材組成物を施工する方法であって、上記樹脂組成物と上記湿気硬化性溶液とを施工前に混合してから塗工する施工方法でもある。
本発明は更に、基材とその上に設けられた上記被覆材組成物からなる被覆層とから構成されている被覆層構造でもある。
【0011】
本発明者らは、プライマー組成物等として用いることができる被覆材組成物についての問題点を綿密に精査したうえで鋭意研究を行った結果、上述した樹脂組成物と湿気硬化性溶液とからなる被覆材組成物が保存安定性に優れたものとなり、該被覆材組成物を施工することにより、樹脂組成物中の架橋性(メタ)アクリルシラップが架橋することから速硬化性が向上するとともに、湿気硬化性溶液中のポリイソシアネート化合物及び/又はウレタンプレポリマーが湿気硬化することに起因して乾燥性、低温硬化性等の性能や各種の基材に対する密着性に優れ、しかも、水酸基と重合性二重結合とを有する重合体及び/又は化合物を含有する場合には湿潤面との密着性にも優れたものとなるという劇的な効果が生じる事実に遭遇し、本発明に到達したものである。
以下に本発明を詳述する。
【0012】
本発明の樹脂組成物は、湿気硬化性溶液と混合して用いる。このような樹脂組成物は、プライマー組成物等として用いられる被覆材組成物を形成することができる。
上記湿気硬化性溶液は、ポリイソシアネート化合物及び/又はウレタンプレポリマーを主成分として含む。これらの中でも、ウレタンプレポリマーを主成分として含むものであることが好ましい。
本明細書中において、「主成分として含む」とは、主たる成分とするものであることを意味し、付加的にその他の成分を含んでいても含んでいなくてもよいことを意味する。
【0013】
上記ポリイソシアネート化合物及び/又はウレタンプレポリマーは、湿気硬化により、被膜表層においてイソシアネート基がウレタン結合を形成しながら、架橋、硬化することになる。これにより、被膜の空気乾燥性が向上するとともに、樹脂組成物中の架橋性(メタ)アクリルシラップが硬化する際に空気との遮断層を被膜表面に形成するため、空気中の酸素による架橋性(メタ)アクリルシラップのラジカル重合の阻害作用が抑制されて硬化性が向上することになる。更に、上記ポリイソシアネート化合物及び/又はウレタンプレポリマーは、各種の基材に対して被膜の密着性を向上する作用も有することになる。
【0014】
上記ポリイソシアネート化合物としては、イソシアネート基を2個以上有する化合物であれば特に限定されず、例えば、2,4/2,6=80/20異性体比のトリレンジイソシアネート(80/20TDI)、65/35TDI、2,4−100TDI、ジフェニルメタン4,4′−ジイソシアネート(ピュアー又はモノメリックMDI)とその異性体、ポリメリックMDI、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トランス−シクロヘキサ1,4−ジイソシアネート(CHDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、p−フェニレンジイソシアネート(PPDI)、4,4′−ジフェニルメタントリイソシアネート、トリエチレンジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、1,2−ジイソシアネートプロパン、1,3−ジイソシアネートプロパン、1,1′−メチレンビス(4−イソシアネートシクロヘキサン)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシル)イソシアネート、メチルシクロヘキサン−2,6−ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、ダイマー酸ジイソシアネート、2−イソシアネートエチル−2,6−ジイソシアネートヘキサエノール等のポリイソシアネートモノマー、及び、これらのダイマー類やトリマー類等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0015】
上記ウレタンプレポリマーとしては特に限定されず、例えば、水酸基を有する化合物に対して過剰のポリイソシアネート化合物等をウレタン化反応させて得ることができる遊離のイソシアネート基を有するプレポリマー等が挙げられる。このウレタン化反応では、NCO基/OH基比が1.5〜10となるようにして行うことが好ましい。このようにして末端イソシアネート基等を有するウレタンプレポリマーが得られることになる。
【0016】
上記水酸基を有する化合物としては特に限定されず、例えば、ポリオールやポリオールポリエステル等の多官能水酸基を有する化合物;水酸基を有するアクリル化合物やアリルエーテル化合物等の水酸基と重合性二重結合とを有する化合物等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0017】
上記ポリオールとしては特に限定されず、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、3−メチルペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン、トリメチロールプロパン等の単鎖ポリオール類;ポリエチレングリコール(PEG)、ポリオキシプロピレングリコール(PPG)、エチレンオキサイド−プロピレンオキイサド共重合体、ポリブチレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG)等のポリアルキレンエーテルポリオール類;ポリβ−メチル−δ−バレロラクトン(P−β−MVL)、ポリカプロラクトン(PCL)等のラクトン類;トリメチロールプロパン、ポリトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ポリペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、グリセリン、ポリグリセリン等の多価アルコール類等が挙げられる。また、ポリオールに付加重合させたε−カプロラクトンのポリオール、ひまし油、ポリブタジエンポリオール、ポリオール型キシレンホルムアルデヒド樹脂等も用いることができる。これらの中で、ポリアルキレンエーテルポリオール類は、単鎖ポリオール類と、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド等のアルキレンオキサイド類とをそれぞれ単独又は2種以上を併用して重合させることにより得ることができる。
【0018】
上記ポリオールポリエステルとしては特に限定されず、例えば、ジオールと二塩基酸とのエステル化反応により得られるポリエステル等が挙げられる。
上記ジオールとしては、例えば、単鎖ポリオール類の他、ネオペンチルグリコール等を用いることができる。また、上記二塩基酸としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸、ヘット酸、コハク酸、水添ダイマー酸等を用いることができる。
【0019】
上記水酸基を有するアクリル化合物としては特に限定されず、水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルが好ましく、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ブロモ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−クロロ−1−(ヒドロキシメチル)エチル(メタ)アクリレート、2−ブロモ−1−(ヒドロキシメチル)エチル(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の水酸基を2個有する多価アルコールのモノ(メタ)アクリレート類;トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸のジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の水酸基を3個以上有する多価アルコールの部分(メタ)アクリレート類等が挙げられ、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
【0020】
上記水酸基を有するアリルエーテル化合物としては特に限定されず、例えば、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノアリルエーテル、トリエチレングリコールモノアリルエーテル、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル、プロピレングリコールモノアリルエーテル、ジプロピレングリコールモノアリルエーテル、トリプロピレングリコールモノアリルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアリルエーテル、1,2−ブチレングリコールモノアリルエーテル、1,3−ブチレングリコールモノアリルエーテル、ヘキシレングリコールモノアリルエーテル、オクチレングリコールモノアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、グリセリンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル等の多価アルコール類のアリルエーテル化合物等が挙げられ、水酸基を1個有するアリルエーテル化合物が好ましい。
【0021】
上記ポリイソシアネート化合物及び/又はウレタンプレポリマーの中でも、重合性二重結合を有するものは、架橋性(メタ)アクリルシラップを含む樹脂組成物と湿気硬化性溶液とからなる被覆材組成物において、保存安定性を低下させることになるが、架橋性(メタ)アクリルシラップとポリイソシアネート化合物及び/又はウレタンプレポリマーとを架橋させることができ、これにより被覆材組成物の硬化性や被膜性能等を向上させることができることになる。このような重合性二重結合を有するポリイソシアネート化合物及び/又はウレタンプレポリマーとしては、例えば、水酸基と重合性二重結合とを有する化合物を用いて過剰のポリイソシアネート化合物をウレタン化反応させることにより得ることができるウレタンプレポリマー等が挙げられる。このようなウレタンプレポリマーを得る場合、水酸基と重合性二重結合とを有する化合物としては、水酸基と重合性二重結合とを1個ずつ有する化合物を用いることが好ましく、水酸基を有するアクリル化合物やアリルエーテル化合物を用いることが好ましい。
【0022】
上記重合性二重結合を有するポリイソシアネート化合物及び/又はウレタンプレポリマーとしてはまた、ポリイソシアネート化合物及び/又はウレタンプレポリマーとともに、m−イソプロペニルα,α−ジメチルベンジルイソシアネートや(メタ)アクリル酸2−イソシアネートエチル等のイソシアネート基と重合性二重結合とを1個ずつ有する化合物を含有させたものを用いることもできる。
【0023】
上記湿気硬化性溶液の調製は、溶剤等でポリイソシアネート化合物及び/又はウレタンプレポリマーを希釈してもよい。
上記溶剤としては特に限定されず、例えば、トルエン、キシレン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、セロソルブアセテート、n−ヘキサン等が挙げられる。また、ビニル基を有する化合物として、スチレン、ビニルトルエン、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート等を用いることもできる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0024】
本発明の樹脂組成物は、架橋性(メタ)アクリルシラップを含む。
上記架橋性(メタ)アクリルシラップは、重合性二重結合を有する(メタ)アクリル系重合体(A)、及び、重合性単量体(B)を含む。このような架橋性(メタ)アクリルシラップは、硬化性及び保存安定性や各種の基材に対する密着性に優れる他、重合性単量体とともに(メタ)アクリル系重合体もラジカル重合して硬化するため、耐薬品性、耐水性、表面硬度、靱性や、耐熱性、耐溶剤性、耐磨耗性等の性能に優れたものである。
【0025】
上記(メタ)アクリル系重合体(A)は、分子内に重合性二重結合を2個以上有することが好ましい。
上記(メタ)アクリル系重合体(A)の重合性二重結合当量としては特に限定されず、例えば、500〜20000であることが好ましい。500未満であると、架橋性(メタ)アクリルシラップを硬化させて得られる硬化物にクラックが発生するおそれがあり、20000を超えると、硬化物の耐熱性や耐溶剤性等の性能が低下するおそれがある。より好ましくは、3000〜15000であり、更に好ましくは、4000〜10000である。尚、重合性二重結合当量は、(重合体の重量平均分子量)/(重合体1分子が有する重合性二重結合の平均数)により求めることができる。
【0026】
上記(メタ)アクリル系重合体(A)の分子量としては特に限定されず、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算での重量平均分子量が3000〜1000000であることが好ましい。3000未満であると、架橋性(メタ)アクリルシラップを硬化させた硬化物の性能が低下し、1000000を超えると、架橋性(メタ)アクリルシラップの粘度が高くなり、湿気硬化性溶液の混合や塗工等の作業性に支障をきたすおそれがある。より好ましくは、5000〜100000であり、更に好ましくは、10000〜60000であり、特に好ましくは、10000〜40000であり、最も好ましくは、10000〜30000である。尚、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーの測定条件はSC−8020システム(東ソー社製)により、カラムはTSKgelGMH(東ソー社製)、展開溶媒はテトラヒドロフランを使用して溶媒流量1ml/分で測定することができる。
【0027】
上記(メタ)アクリル系重合体(A)の製造方法としては特に限定されず、例えば、第一段反応として、(メタ)アクリル系単量体等から(メタ)アクリル系重合体を合成する際に、官能基を有する重合性単量体を共重合させることにより分子内に官能基を有する(メタ)アクリル系重合体を合成し、第二段反応として、(メタ)アクリル系重合体の官能基と反応性のある官能基を有する重合性単量体を官能基どうしで反応させることにより重合性二重結合を有する(メタ)アクリル系重合体(A)を得ることができる。尚、第一段反応と第二段反応とは、段階的に行ってもよく、同時的に行ってもよい。
【0028】
上記第二段反応で反応する官能基の組み合わせとしては、官能基どうしが反応性を有するものであれば特に限定されず、例えば、カルボキシル基とグリシジル基、水酸基、アミノ基、オキサゾリン基、アジリジン基等との組み合わせ;水酸基と酸無水物、イソシアネート基等との組み合わせ;これらを複合させた組み合わせ等が挙げられるが、反応の制御の容易性等を考慮すると、2つの官能基による組み合わせであることが好ましい。
【0029】
上記官能基の組み合わせにおいて、第一段反応及び第二段反応で用いる官能基を有する重合性単量体の官能基の種類や量をどのように組み合わせるかは特に限定されるものではない。このようにして得られる(メタ)アクリル系重合体(A)には、重合性二重結合とともに各種の官能基を導入することができるが、重合性二重結合とともにカルボキシル基を導入する場合、カルボキシル基を有する重合性単量体を用いて第一段反応を行えばよい。この場合、第一段反応において、カルボキシル基を有する重合性単量体のカルボキシル基と官能基を有する重合性単量体の官能基との反応性が高いときには、共重合中に重合体間の架橋結合が形成され、ゲル化するおそれがある。従って、第一段反応として、カルボシキル基と反応性の低い官能基を有する重合性単量体を(メタ)アクリル系単量体、カルボキシル基を有する重合性単量体、及び、その他必要により(メタ)アクリル系単量体以外の不飽和単量体と共重合させることにより、カルボキシル基とそれ以外の官能基とを有する(メタ)アクリル系重合体を合成し、第二段反応として、(メタ)アクリル系重合体の該官能基と反応性の高い官能基を有する重合性単量体を官能基どうしで反応させて(メタ)アクリル系重合体中にカルボキシル基と重合性二重結合とを導入する方法を用いることが好ましい。また、第一段反応として、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル系重合体を合成し、第二段反応として、カルボキシル基と反応性の高い官能基を有する重合性単量体を官能基どうしで反応させ、かつ、(メタ)アクリル系重合体のカルボキシル基が重合性単量体の官能基よりも過剰となるようにする方法を用いることもできる。
【0030】
上記第一段反応及び第二段反応による(メタ)アクリル系重合体(A)の製造においては、反応の簡便性、利便性からは、第一段反応として、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル系重合体を合成し、第二段反応として、該カルボキシル基の一部又は全部を不飽和エポキシ化合物等のグリシジル基を有する重合性単量体とエステル化反応させる方法を用いることが好ましい。その他には、(メタ)アクリル系単量体、水酸基を有する重合性単量体、及び、必要に応じてカルボキシル基を有する重合性単量体を共重合させて(メタ)アクリル系重合体を合成した後、有機錫化合物等のウレタン化触媒を用いてイソシアネート基を有する重合性単量体を(メタ)アクリル系重合体中の水酸基に反応させる方法や、(メタ)アクリル系単量体、及び、水酸基を有する重合性単量体を共重合させて(メタ)アクリル系重合体を合成した後、不飽和酸無水物を(メタ)アクリル系重合体中の水酸基に反応させる方法等を用いることもできるが、これらに限定されるものではない。具体的な第一段反応に用いる官能基を有する重合性単量体とその官能基と反応性のある官能基を有する第二段反応に用いる重合性単量体の好ましい組合せとしては(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸グリシジル、またはその逆、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルと(メタ)アクリル酸2−イソシアネートエチル、またはその逆、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルと無水マレイン酸の組合せなどが好ましい。
【0031】
上記(メタ)アクリル系重合体(A)の製造に用いることができる重合性単量体としては特に限定されず、例えば、以下に記載するもの等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記(メタ)アクリル系単量体としては、例えば、以下の(1)〜(6)に記載するもの等が挙げられる。
【0032】
(1)(メタ)アクリル酸。
(2)(メタ)アクリル酸エステル類:メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート。
【0033】
メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシトリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシトリプロピレングリコール(メタ)アクリレート。
【0034】
メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、アリルアルコールのオリゴエチレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレート、アリルアルコールのポリプロピレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレート等。
【0035】
(3)塩基性(メタ)アクリレート類:ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等。
(4)(メタ)アクリルアミド類:(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド等。
(5)紫外線吸収性基を有する(メタ)アクリレート類:エチル−2−シアノ−3,5−ジフェニルアクリレート等。
(6)水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル類:2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ブロモ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−クロロ−1−(ヒドロキシメチル)エチル(メタ)アクリレート、2−ブロモ−1−(ヒドロキシメチル)エチル(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の水酸基を2個有する多価アルコールのモノ(メタ)アクリレート類;トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸のジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の水酸基を3個以上有する多価アルコールの部分(メタ)アクリレート類等。
7)その他の(メタ)アクリル系単量体類:(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクロレイン等。
【0036】
上記(メタ)アクリル系単量体の使用量としては特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル系重合体(A)を構成することになる単量体全重量のうち50重量%以上であることが好ましい。より好ましくは、70重量%以上であり、更に好ましくは、80重量%以上である。
【0037】
上記カルボキシル基を有する重合性単量体としては、分子内に重合性二重結合とカルボキシル基とを有する単量体であれば特に限定されず、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ビニル安息香酸等の不飽和モノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等の不飽和ジカルボン酸;これら不飽和ジカルボン酸のモノエステルや、酸無水物のモノエステル等の長鎖カルボキシル基を有する重合性単量体等が挙げられる。
【0038】
上記不飽和ジカルボン酸のモノエステルとしては、例えば、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノブチル、マレイン酸モノオクチル、フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、フマル酸モノブチル、フマル酸モノオクチル、シトラコン酸モノエチル等が挙げられる。
【0039】
上記酸無水物のモノエステルとしては、例えば、コハク酸モノエステル、フタル酸モノエステル、ヘキサフタル酸モノエステル等が挙げられ、水酸基を有する重合性単量体の水酸基を、酸無水物でエステル化することや、酸無水物と反応性がある官能基を有する重合性単量体と酸無水物とを反応させることにより得ることができる。
【0040】
上記水酸基を有する重合性単量体としては、例えば、上述した水酸基を有するアクリル化合物やアリルエーテル化合物の他、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートへのε−カプロラクトン開環付加物、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートへのγ−ブチロラクトンの開環付加物等が挙げられ、上記酸無水物と反応性がある官能基を有する重合性単量体としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基を有する重合性単量体;2−イソプロペニル−2−オキサゾリン等のオキサゾリン基を有する重合性単量体、2−(1−アジリジニル)エチル(メタ)アクリレート等のアジリジン基を有する単量体等が挙げられる。また、上記酸無水物としては、例えば、無水コハク酸、無水フタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等が挙げられる。
【0041】
上記(メタ)アクリル系重合体(A)の製造においては、上述した単量体以外に、これらと共重合可能な不飽和単量体も使用することができる。例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン等のスチレン類;酢酸ビニル等のビニルエステル類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;アリルアルコール、アリルグリシジルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、プロピレングリコールモノアリルエーテル等のアリル化合物;N−フェニルマレイミド、N−シクロへキシルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド等のN−置換マレイミド類等が挙げられる。
【0042】
上記不飽和単量体の使用量としては特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル系重合体(A)を構成することになる単量体全重量のうち50重量%未満であることが好ましい。より好ましくは、30重量%未満であり、更に好ましくは、20重量%未満である。
【0043】
上記(メタ)アクリル系重合体(A)の製造における第一段反応においては、通常、重合開始剤を用いて重合を行う。このような重合開始剤としては特に限定されず、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、tert−ブチルパーオキシオクトエート、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、クメンヒドロパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ビス(4−tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート等の有機過酸化物;2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル等のアゾ化合物等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。重合開始剤の添加量や添加方法は適宜設定すればよく特に限定されるものではない。
【0044】
上記第一段反応においてはまた、重合体の平均分子量等を調節するために、連鎖移動剤を添加することが好ましい。
上記連鎖移動剤としては、重合性単量体の重合反応を極めて容易に制御できることから、チオール化合物が特に好適に用いられるが、特に限定されるものではなく、例えば、その他にα−メチルスチレンダイマー、四塩化炭素等を用いることもできる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0045】
上記チオール化合物としては特に限定されず、例えば、tert−ブチルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン等のアルキルメルカプタン;チオフェノール、チオナフトール等の芳香族メルカプタン;チオグリコール酸;チオグリコール酸オクチル、エチレングリコールジチオグリコレート、トリメチロールプロパントリス−(チオグリコレート)、ペンタエリスリトールテトラキス−(チオグリコレート)等のチオグリコール酸アルキルエステル;β−メルカプトプロピオン酸;β−メルカプトプロピオン酸オクチル、1,4−ブタンジオールジ(β−チオプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス−(β−チオプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス−(β−チオプロピオネート)等のβ−メルカプトプロピオン酸アルキルエステル等が挙げられる。
上記連鎖移動剤の使用量は、その種類や(メタ)アクリル系単量体等との組み合わせ等に応じて適宜選択すればよく特に限定されず、例えば、第一段反応における重合性単量体全量に対して、0.1〜15重量%用いることが好ましい。
【0046】
上記第二段反応において、カルボキシル基とグリシジル基とをエステル化反応させる場合、反応を迅速に進行させるためにエステル化触媒を用いることができる。
上記エステル化触媒としては特に限定されず、例えば、トリエチルアミン等のアミン類;テトラエチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩類;トリフェニルホスフィン等のリン化合物等の一般的なエステル化触媒を用いることができるが、Zn、Sn及びZrからなる群より選択される少なくとも1つの元素を有する金属化合物及び/又は4級ホスホニウム塩を用いることが好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0047】
上記金属化合物及び/又は4級ホスホニウム塩をエステル化触媒として用いた場合には、触媒活性が高く、主に(メタ)アクリル重合体が有するカルボキシル基と不飽和エポキシ化合物が有するグリシジル基との反応を促進することができ、また、架橋性(メタ)アクリルシラップの着色を抑制するとともに保存安定性(貯蔵安定性)の低下を防止することができる。この場合、架橋性(メタ)アクリルシラップのハーゼン色数が0〜50となるようにすることが好ましい。より好ましくは0〜30である。
【0048】
上記金属化合物としては、Zn、Sn及びZrからなる群より選択される少なくとも1つの元素を有するものであれば特に限定されず、例えば、無機金属化合物、オキソ酸金属塩、ポリオキソ酸金属塩、有機金属化合物、有機酸金属塩、金属錯塩等が挙げられる。
【0049】
上記無機金属化合物としては、例えば、金属フッ化物、金属塩化物、金属臭化物、金属ヨウ化物等の金属ハロゲン化物;金属酸化物、金属硫化物等の金属カルコゲン化物;金属窒化物;金属リン化物;金属砒化物;金属炭化物;金属ケイ化物;金属ホウ化物;金属シアン化物;金属水酸化物;金属塩化酸化物等が挙げられ、具体的な化合物名としては、塩化亜鉛、酸化ジルコニウム、硫化スズ等が挙げられる。
【0050】
上記オキソ酸金属塩としては、例えば、硫酸金属塩、硝酸金属塩、リン酸金属塩、ホスフィン酸金属塩、ホスホン酸金属塩、メタリン酸金属塩、ホウ酸金属塩、塩素酸金属塩、臭素酸金属塩、ヨウ素酸金属塩、ケイ酸金属塩等が挙げられ、具体的な化合物名としては、硫酸スズ、リン酸亜鉛、硝酸ジルコニウム等が挙げられる。尚、オキソ酸金属塩には、リン酸水素亜鉛のような水素塩も含まれるものとする。
【0051】
上記ポリオキソ酸金属塩としては、例えば、ポリリン酸金属塩、ポリホウ酸金属塩、ポリニオブ酸金属塩、ポリタンタル酸金属塩、ポリモリブデン酸金属塩、ポリバナジン酸金属塩、ポリタングステン酸金属塩等が挙げられ、具体的な化合物名としては、ポリリン酸亜鉛等が挙げられる。
【0052】
上記有機金属化合物としては、例えば、下記一般式(1);
M−(R)n (1)
(式中、Mは、Zn、Sn及びZrからなる群より選択される少なくとも1つの元素を表す。Rは、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ等の有機基を表す。nは、1〜6の整数を表す。)で表される有機金属化合物等が挙げられ、具体的な化合物名としては、ジエチル亜鉛、テトラエトキシジルコニウム等が挙げられる。
【0053】
上記有機酸金属塩としては、例えば、ラウリル酸金属塩、ミリスチン酸金属塩、パルミチン酸金属塩、ステアリン酸金属塩、オレイン酸金属塩等の脂肪酸金属塩や、ナフテン酸金属塩、オクチル酸金属塩、スルホン酸金属塩、硫酸エステル金属塩、リン酸エステル金属塩等の金属石鹸;酢酸金属塩、安息香酸金属塩、サリチル酸金属塩、シュウ酸金属塩、酒石酸金属塩、乳酸金属塩、クエン酸金属塩等が挙げられ、具体的な化合物名としては、金属石鹸としてオクチル酸亜鉛、ステアリンスズ等、金属石鹸以外の有機酸金属塩として酢酸亜鉛、サリチル酸スズ等が挙げられる。
【0054】
上記金属錯塩としては、例えば、下記一般式(2);
M−(L)n (2)
(式中、Mは、Zn、Sn及びZrからなる群より選択される少なくとも1つの元素を表す。Lは、アセチルアセトン等の配位子を表す。nは、1〜6の整数を表す。)で表される金属錯塩等が挙げられ、具体的な化合物名としては、アセチルアセトン亜鉛等が挙げられる。
【0055】
上記4級ホスホニウム塩としては特に限定されず、例えば、テトラフェニルホスニウムブロマイド、テトラフェニルホスホニウムクロライド、テトラブチルホスニウムブロマイド、ブチルトリフェニルホスホニウムブロマイド等が挙げられ、特にテトラフェニルホスホニウム塩が好ましい。
【0056】
上記エステル化触媒の使用量は、その種類や第二段反応における(メタ)アクリル系重合体と重合性単量体との組み合わせ等に応じて適宜設定すればよく、特に限定されず、例えば、第二段反応がカルボキシル基を有する(メタ)アクリル系重合体とグリシジル基を有する重合性単量体との反応である場合、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル系重合体100重量部に対して、0.005〜5重量部とすることが好ましい。より好ましくは、0.05〜3重量部である。
【0057】
上記エステル化反応を行う際には、重合禁止剤を共存させてもよく、また、水及び/又は有機溶媒等の溶媒を用いてもよい。
上記重合禁止剤としては特に限定されず、例えば、アルキル化ジフェニルアミン等のアミン系;tert−ブチルフェノール、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,6−ジtert−ブチル−4−メチルフェノール、アルキル化ビスフェノールA、スチレン化フェノール、メトキシフェノール等のフェノール系;ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、メトキシハイドロキノン、tert−ブチルハイドロキノン等のハイドロキノン系;トリフェニルホスファイト、トリス(モノノニルフェニル)ホスファイト等のアルキル化フェニルホスファイト類や、トリデシルホスファイト等のトリアルキルホスファイト類等のホスファイト系;ジラウリル−3,3′チオジプロピオネート等のプロピオン酸エステルのチオエーテル類や、エステル化ビスフェノールS類等のチオエーテル系等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、アミン系の単独又はアミン系と他の系との2種以上を併用することが好ましく、架橋性(メタ)アクリルシラップの着色の点からは、ハイドロキノン系やtert−ブチルフェノール等のフェノール系を用いることが好ましく、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)を用いることがより好ましい。
【0058】
上記エステル化反応において、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル系重合体、不飽和エポキシ化合物等のグリシジル基を有する重合性単量体、及び、金属化合物を混合する場合、これらの混合の順序や方法は、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル系重合体とグリシジル基を有する重合性単量体との反応時に金属化合物が存在していればよく、特に限定されるものではない。
【0059】
上記第一段反応における重合方法としては特に限定されず、例えば、重合性単量体の重合を途中で停止させる方法、すなわち部分重合により行うことが好ましい。これにより、(メタ)アクリル系重合体と未反応の重合性単量体との混合物が得られ、一段階で(メタ)アクリルシラップを得ることができる。重合性単量体の重合を途中で停止させる時期としては、例えば、重合の途中で、重合体と単量体との混合物である(メタ)アクリルシラップをサンプリングし、その固形分を測定することで決定することができる。これにより、所望の部分重合したシラップを得ることができる。(メタ)アクリルシラップの固形分重量としては、例えば、10〜90重量%であることが好ましい。10重量%未満であると、被覆材組成物の硬化時の収縮率が大きくなるために、被覆層の残留歪みが大きくなり、硬化時にクラック等が発生するおそれがある。90重量%を超えると、(メタ)アクリルシラップの粘度が大きくなるため、被覆材組成物の塗工性等の作業性が低下するおそれがある。より好ましくは20〜80重量%であり、更に好ましくは、30〜70重量%である。
【0060】
上記重合は、例えば、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等の公知の重合方法により行うことができるが、塊状重合により行うことが特に好ましい。懸濁重合により行う場合には、ポリビニルアルコール等の分散安定剤を用いて、水等の分散媒中に懸濁させればよい。
上記重合における反応温度や反応時間等の反応条件としては、単量体や重合開始剤等の種類や使用量により適宜設定すればよい。また、窒素雰囲気下で行うことが好ましい。
【0061】
本発明における架橋性(メタ)アクリルシラップに含有される重合性単量体(B)としては特に限定されず、例えば、上述した(メタ)アクリル系重合体(A)の原料として使用できる重合性単量体の他、多官能の重合性単量体等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、多官能の重合性単量体を用いると、硬化物の耐熱性、耐薬品性等の性能を向上させることができる。
【0062】
上記多官能の重合性単量体としては特に限定されず、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングエリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート類;エポキシ(メタ)アクリレート類;エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、シクロへキサンジメタノールジビニルエーテル等の多官能ビニルエーテル類;ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等の化合物が挙げられる。
【0063】
上記重合性単量体(B)としてはまた、被覆材組成物が低臭気性を要求される用途に用いられたり、塗工作業時に架橋性(メタ)アクリルシラップの皮張りを嫌う用途に用いられたりする場合には、例えば、常圧(1013hPa)における沸点が120℃以上の、いわゆる高沸点の重合性単量体を含有していることが好ましい。より好ましくは、高沸点の重合性単量体の沸点が150℃以上であり、更に好ましくは、180℃以上である。
【0064】
上記高沸点の重合性単量体としては特に限定されず、例えば、オリゴアルキレングリコールとアクリル酸等の不飽和酸単量体とのエステル、すなわちオリゴエチレングリコールやオリゴプロピレングリコール等のアクリル酸やメタクリル酸エステルであるアルコキシオリゴエチレングリコールジ(メタ)アクリレートやアルコキシオリゴプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられ、具体的な化合物名として、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる他、分子量が好ましくは800以下、より好ましくは600以下であるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、分子量が好ましくは800以下、より好ましくは600以下であるポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等も挙げられる。これらの中でも、エチレングリコールジ(メタ)アクリレートやジエチレングリコールジ(メタ)アクリレートが好ましい。
【0065】
上記重合性単量体(B)において、(メタ)アクリル系単量体に(メタ)アクリル系単量体以外の重合性単量体を混合する場合における両者の混合割合、すなわち重合性単量体(B)における(メタ)アクリル系単量体以外の不飽和単量体の含有率としては、架橋性(メタ)アクリルシラップの硬化性や硬化物の性能等に応じて適宜設定すればよく、特に限定されるものではない。また、高沸点の重合性単量体の含有量は、重合性単量体(B)の総量に対して、20重量%以上とすることが好ましい。20重量%未満であると、架橋性(メタ)アクリルシラップを大気にさらすことによって皮張りしやすくなり、また、高沸点の重合性単量体以外の単量体が多くなるため臭気が強くなるおそれがある。より好ましくは、30重量%以上であり、更に好ましくは、50重量%以上であり、特に好ましくは、60重量%以上であり、最も好ましくは、70重量%以上である。
【0066】
本発明における架橋性(メタ)アクリルシラップにおいて、(メタ)アクリル系重合体(A)と重合性単量体(B)との重量割合としては特に限定されず、例えば、良好な作業粘度と硬化物の物性とのバランスの点から、(メタ)アクリル系重合体(A)/重合性単量体(B)=90/10〜10/90とすることが好ましい。(メタ)アクリル系重合体(A)の混合割合が10%未満であると、硬化物が熱可塑性の傾向を示し、耐熱性や耐薬品性能が低下するおそれがあり、(メタ)アクリル系重合体(A)の重量割合が90重量%を超えると、被覆材組成物の粘度が上昇し、硬化剤の混合や塗工等の作業性が低下するおそれがある。より好ましくは、80/20〜20/80であり、更に好ましくは、70/30〜30/70である。このような架橋性(メタ)アクリルシラップは、通常は室温付近にて0.01〜10Pa・sの粘度を有しており、用途に応じてアクリル系重合体(A)と重合性単量体(B)との重量割合を適宜設定することにより所望の粘度で調製することができる。尚、本発明における架橋性(メタ)アクリルシラップには、本発明の効果が発揮される限り、(メタ)アクリル系重合体(A)以外の(メタ)アクリル系重合体、すなわち重合性二重結合を有しない(メタ)アクリル系重合体が含有されていてもよい。
樹脂組成物中の重合性二重結合を有する(メタ)アクリル系重合体(A)の量としては0.5〜90重量%が好ましく、10〜90重量%がより好ましく、20〜80重量%が更に好ましく、30〜70重量%が最も好ましい。また、樹脂組成物中の重合性単量体(B)の量としては0.5〜90重量%が好ましく、10〜90重量%がより好ましく、20〜80重量%が更に好ましく、30〜70重量%が最も好ましい。
【0067】
上記架橋性(メタ)アクリルシラップは、水酸基と重合性二重結合とを有する重合体及び/又は化合物が含有されたものであることが好ましい。これにより、本発明の樹脂組成物と湿気硬化性溶液とを混合して混合物とし、硬化させるときに、架橋性(メタ)アクリルシラップとポリイソシアネート化合物及び/又はウレタンプレポリマーとの間で架橋されることになることから、硬化性や硬化物の性能を向上させることができるとともに、特に湿潤面との密着性を優れたものとすることができる。
【0068】
上記架橋性(メタ)アクリルシラップに水酸基と重合性二重結合とを有する重合体及び/又は化合物を含有させる形態としては、例えば、(1)(メタ)アクリル系重合体(A)が重合性二重結合と水酸基を有する(メタ)アクリル系重合体を含む形態、(2)重合性単量体(B)が重合性二重結合と水酸基を有する重合性単量体を含む形態、(3)上記(1)と(2)とを合わせた形態のいずれかの形態であることが好ましい。このような形態における重合性二重結合と水酸基を有する(メタ)アクリル系重合体を含む(メタ)アクリル系重合体(A)は、例えば、上述した(メタ)アクリル系重合体(A)の製造方法において、第二段反応終了後に水酸基が(メタ)アクリル系重合体中に残るようにして得ることができる。
上記樹脂組成物において、(メタ)アクリル系重合体(A)に二重結合と水酸基が導入されている確認手法としては、例えば、以下に記載するようにして行うことができる。
上記重合体は樹脂組成物を同量のアセトンに溶解した後、20倍量のメタノールに滴下することにより分離し、ろ別、乾燥して分取することができる。分取された重合体を核磁気共鳴装置UNITY−plus(バリアンジャパン社製)により、共鳴周波数400MHz、溶媒クロロホルム−d、基準物質テトラメチルシラン、積算回数10回の測定条件でプロトン核磁気共鳴分析を行い、重合体に二重結合や水酸基が導入されていることを確認することができる。
【0069】
上記架橋性(メタ)アクリルシラップは、カルボキシル基を有していても有していなくてもよく特に限定されるものではないが、例えば、カルボキシル基を有する場合には、(メタ)アクリル系重合体(A)のカルボキシル基濃度としては、(メタ)アクリル系重合体(A)1gに対して、1×10-7〜60×10-4モルであることが好ましい。60×10-4モルを超えると、樹脂組成物の粘度が高くなって作業性が低下するおそれがある。また、重合性単量体(B)のカルボキシル基濃度としては、重合性単量体(B)1gに対して、1×10-6〜100×10-4モルであることが好ましい。100×10-4モルを超えると、架橋性(メタ)アクリルシラップの取扱い安全性が低下するおそれがある。更に、架橋性(メタ)アクリルシラップのカルボキシル基濃度としては、(メタ)アクリル系重合体(A)と重合性単量体(B)の混合物1gに対して、1×10-7〜100×10-4モルであることが好ましい。1×10-7モル未満であると、基材との密着性が充分でなくなるおそれがあり、100×10-4モルを超えると、硬化物の耐水性が低下するおそれがある。より好ましくは、1×10-5〜20×10-4モルであり、更に好ましくは、1×10-4〜15×10-4モルである。
【0070】
本発明の樹脂組成物がコンクリートのような基材に対して用いられる場合、基材との密着性の点から、架橋性(メタ)アクリルシラップにおけるアクリル系重合体(A)の製造に用いられる重合性単量体や、重合性単量体(B)として、メタクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル等の分子内に(メタ)アクリロイル基とエチレン性不飽和二重結合とを有する重合性単量体や、(メタ)アクリロイル基と共重合可能な重合性二重結合とエチレン性不飽和二重結合とを有する重合性単量体を用いることが好ましい。尚、エチレン性不飽和二重結合とは、ビニル基やアリル基等の不飽和炭化水素を有するものを意味し、(メタ)アクリロイル基のようないわゆるα、β−不飽和カルボニル基を意味するものではない。
【0071】
本発明の樹脂組成物と混合して用いる湿気硬化性溶液であって、ポリイソシアネート化合物及び/又はウレタンプレポリマーを主成分として含む湿気硬化性溶液は、プライマー組成物等として用いられる被覆材組成物を形成することができる。このような湿気硬化性溶液もまた、本発明の一つである。
本発明の樹脂組成物や湿気硬化性溶液には、上述した構成要素の他に、例えば、後述する添加剤等を適宜含有させてもよい。
【0072】
本発明の樹脂組成物と湿気硬化性溶液とからなる被覆材組成物は、各種の用途に適用させることができるものである。このような被覆材組成物もまた、本発明の一つである。
上記被覆材組成物におけるアクリル系重合体(A)と重合性単量体(B)との合計重量の含有割合は、5〜100重量%であることが好ましい。より好ましくは、10〜100重量%であり、更に好ましくは、15〜100重量%である。
【0073】
上記被覆材組成物は、速硬化性を有するとともに、乾燥性、低温硬化性等の性能や各種の基材に対する密着性に優れ、しかも、湿潤面との密着性にも優れたものであることから、各種の用途の中でも、プライマー組成物として好適に適用することができるものである。
上記プライマー組成物とは、基材との密着性を付与したり、基材の影響を抑制したりするために用いられる被覆材組成物である。通常は、プライマー組成物を塗工して硬化させた被膜上に上塗り用の被覆材組成物が塗工されて上塗りの硬化物が形成されることになるが、プライマー組成物の被膜を含む基材上の被覆形態としては特に限定されるものではない。
【0074】
上記基材としては特に限定されず、例えば、コンクリート、モルタル、アスファルト、金属、木材、プラスチック、セルロース系基材、ガラスや、これらに類する建築、土木等に一般的に用いられている下地等が挙げられる。また、プライマー組成物の被膜を介して塗布されたウレタン塗料、エポキシ塗料、重合性塗料等の塗膜が形成された基材であってもよく、合成高分子系の敷物として、例えば、PVC製やゴム製のタイルやシート、又は、これらに類似するタイルやシートが接着剤で基材に貼られた基材であってもよい。
【0075】
上記被覆材組成物は、樹脂組成物と湿気硬化性溶液とからなり、通常、被覆材組成物を塗工する際には、樹脂組成物と湿気硬化性溶液とが混合され、樹脂組成物中の架橋性(メタ)アクリルシラップを硬化させるために硬化剤や促進剤からなるレドックス系触媒が含有された形態となっているが、保存される形態としては特に限定されず、例えば、1液の形態では保存安定性が低下するため、以下の(1)〜(5)に記載する2液以上の形態とすることが好ましく、3液以上の形態としてもよい。
【0076】
(1)A液:樹脂組成物及び促進剤。
B液:湿気硬化性溶液及び硬化剤。
(2)A液:樹脂組成物、硬化剤。
B液:湿気硬化性溶液及び促進剤。
(3)A液:樹脂組成物。
B液:湿気硬化性溶液、硬化剤及び促進剤。
(4)A液:樹脂組成物及び促進剤。
B液:湿気硬化性溶液。
硬化剤
(5)A液:樹脂組成物。
B液:湿気硬化性溶液及び促進剤。
硬化剤
【0077】
上記保存形態の中でも、促進剤と硬化剤とを混合すると、硬化剤の分解反応が開始されるおそれがあることから、(1)、(2)、(4)及び(5)の形態とすることが好ましい。また、重合性二重結合が硬化剤により徐々にラジカル重合反応を開始するおそれがあることから湿気硬化性溶液中に重合性二重結合を有する化合物を含有する場合を含めて、硬化剤をA液やB液に混合しないでA液、B液及び硬化剤の(4)、(5)の3液の形態とすることがより好ましい。これらの形態により、本発明の被覆材組成物が保存安定性と作業時の取り扱い性とが良好なものとなる。
【0078】
本発明の被覆材組成物の施工は、例えば、樹脂組成物と湿気硬化性溶液とを施工前に混合してから塗布することにより行われる。このような施工方法もまた、本発明の一つである。
上記施工方法は、例えば、硬化剤や促進剤からなるレドックス系触媒を含有させて、樹脂組成物と湿気硬化性溶液とを施工前に混合した混合液を基材に塗布して硬化させることにより行われる。
【0079】
上記施工方法においては、被覆材組成物の保存形態が上記(1)、(2)及び(3)の形態である場合には、施工前にA液及びB液を混合することになる。また、硬化剤をA液やB液に混合しない形態である(4)、(5)の場合には、施工前にA液、B液及び硬化剤を混合することになる。これらの場合において、A液、B液、硬化剤等を混合した混合液の調製は、施工の直前に行うことが好ましい。例えば、塗布直前にA液とB液との混合を行って塗布する2液型スプレー塗工機を用いて行うことができる。
【0080】
上記硬化剤としては特に限定されず、例えば、ラジカル重合開始剤を用いることができる。このようなラジカル重合開始剤としては、例えば、以下の(1)〜(8)に記載する有機過酸化物や、(9)〜(13)に記載するアゾ化合物等が挙げられ、硬化特性の点から有機過酸化物を用いることが好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0081】
(1)ケトンパーオキサイド類:メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド等。
【0082】
(2)パーオキシケタール類:1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(tert−ブチルパーオキシ)オクタン、ノルマルブチル−4,4−ビス(tert−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ブタン等。
【0083】
(3)ハイドロパーオキサイド類:tert−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド等。
【0084】
(4)ジアルキルパーオキサイド類:ジtert−ブチルパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、α,α′−ビス(tert−ブチルパーオキシ−メタ−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等。
【0085】
(5)ジアシルパーオキサイド類:アセチルパーオキサイド、イソブチルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,3,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、サクシニックアシッドパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、メタ−トルオイルパーオキサイド等。
【0086】
(6)パーオキシジカーボネート類:ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジノルマルプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジメトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、ジアリルパーオキシジカーボネート等。
【0087】
(7)パーオキシエステル類:tert−ブチルパーオキシアセテート、tert−ブチルパーオキシイソブチレート、tert−ブチルパーオキシオクトエート、tert−ブチルパーオキシピバレート、tert−ブチルパーオキシネオデカノエート、クミルパーオキシネオデカノエート、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、tert−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルヘキサノエート、tert−ブチルパーオキシラウレート、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、ジtert−ブチルパーオキシイソフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、tert−ブチルパーオキシマレイックアシッド、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、クミルパーオキシオクトエート、tert−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、tert−ヘキシルパーオキシピヴァレート、tert−ブチルパーオキシネオヘキサノエート、tert−ヘキシルパーオキシネオヘキサノエート、クミルパーオキシネオヘキサノエート等。
(8)その他の有機過酸化物:アセチルシクロヘキシルスルフォニルパーオキサイド、ターシャリブチルパーオキシアリルカーボネート等。
【0088】
(9)アゾニトリル化合物類:アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、1−[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、2−フェニルアゾ−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル等。
【0089】
(10)アゾアミジン化合物類:2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジハイドロクロライド等。
(11)サイクリックアゾアミジン化合物類:2,2′−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]等。
(12)アゾアミド化合物:2,2′−アゾビス{2−メチル−ノルマル−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2′−アゾビス{2−メチル−ノルマル−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル]プロピオンアミド}等。
(13)アルキルアゾ化合物類:2,2′−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)等。
【0090】
上記促進剤としては特に限定されず、例えば、以下の(1)〜(5)に記載するラジカル重合開始剤の分解を促進する化合物の他、(6)に記載する被覆材組成物の乾燥性等を促進する化合物等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(1)チオ尿素誘導体:ジエチルチオ尿素、ジブチルチオ尿素、エチレンチオ尿素、テトラメチルチオ尿素、メルカプトベンゾイミダゾール、ベンゾイルチオ尿素等。
(2)アミン類:N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジエチル−p−トルイジン、N,N−ジヒドロキシエチル−p−トルイジン、N,N−ジイソプロパノール−p−トルイジン、N,N−ジ(2−ヒドロキシプロピル)−p−トルイジン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エチルジエタノールアミン、N,N−ジメチルアニリン、エチレンジアミン、トリエタノールアミン等。
【0091】
(3)有機酸金属塩:ナフテン酸コバルト、ナフテン酸銅、ナフテン酸亜鉛、オクチル酸コバルト、オクチル酸銅、オクチル酸亜鉛等。
(4)有機金属キレート化合物:銅アセチルアセトネート、チタンアセチルアセトネート、マンガンアセチルアセトネート、クロムアセチルアセトネート、鉄アセチルアセトネート、バナジニルアセチルアセトネート、コバルトアセチルアセトネート等。
(5)その他の分解促進剤:アルデヒドとアミンの縮合反応物等。
(6)有機酸の金属塩類:ナフテン酸コバルト、オクチル酸コバルト、アセチルアセトンコバルト等のコバルト塩等。
【0092】
上記硬化剤や促進剤の中でも、速硬化性や低温硬化性の点から、硬化剤としてはジアシルパーオキサイド類、促進剤としてはアミン類が好ましい。より好ましくは、硬化剤がベンゾイルパーオキサイド、促進剤がトルイジン類である。これらベンゾイルパーオキサイド等は、取り扱い上の危険を避けるために、不活性の液体又は固体により濃度が50重量%程度に希釈されたペースト状又は粉末状のものを用いることが好ましい。
【0093】
上記硬化剤や促進剤の使用量としては特に限定されず、例えば、架橋性(メタ)アクリルシラップとポリイソシアネート化合物及び/又はウレタンプレポリマーとからなる硬化性樹脂(以下、硬化性樹脂という)の合計量100重量部に対し、硬化剤が0.1〜10重量部、促進剤が0.01〜10重量部であることが好ましい。これらの使用量未満であると、硬化性が低下するおそれがあり、これらの使用量を超えても、硬化速度等は向上せず、むしろ接着性が低下等するおそれがある。より好ましくは、硬化剤が0.2〜5重量部、促進剤が0.1〜4重量部である。
【0094】
上記硬化剤や促進剤の使用量は、様々な施工温度においても被覆材組成物の硬化性を均一とするため、施工温度によって適宜設定すればよいが、そのときに硬化被膜の色差変化が少なくなるようにすることが好ましい。本発明における架橋性(メタ)アクリルシラップが速硬化性や低温硬化性に優れることから、本発明の被覆材組成物では、硬化被膜の色差変化が少ないものとすることができる。また、架橋性(メタ)アクリルシラップを製造する際に用いるエステル化触媒と重合禁止剤との組み合わせや被覆材組成物に用いられる硬化剤と促進剤との組み合わせにおいて種類や添加量を適切なものとすることにより、より色差変化が少ないものとすることができる。例えば、架橋性(メタ)アクリルシラップの5℃と25℃でのポットライフがそれぞれ25分以下となるように、それぞれの温度において硬化剤と促進剤とをともに添加量だけを調節して適宜組み合わせた場合に、完全硬化された架橋性(メタ)アクリルシラップのみの樹脂注型板において、透過色差計にて測定した25℃の硬化物に対する5℃の硬化物の色差(ΔE)が25以下となるように設定することが好ましい。より好ましくは、15以下であり、更に好ましくは、10以下である。尚、上記ポットライフとは、30gの架橋性(メタ)アクリルシラップに促進剤と硬化剤とを混合してから流動性がなくなるまでの時間である。
【0095】
上記硬化剤や促進剤とともに、硬化を安定化させるために、トリブチルフォスファイト、トリ(2−エチルヘキシル)フォスファイト、トリデシルフォスファイト、トリステアリルフォスファイト、トリス(ノニルフェニル)フォスファイト、トリフェニルフォスファイト等のフォスファイト類を必要に応じて使用することもできる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0096】
本発明の被覆材組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲で、パラフィン及び/又はワックス、チキソトロピー付与剤(チクソ性付与剤、揺変化剤)、紫外線吸収剤、低収縮化剤、可塑剤、増粘剤、内部離型剤、カップリング剤、重合抑制剤、充填剤、骨材、強化材等を含んでいてもよい。また、他の重合性樹脂として、例えば、アクリルウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ポリエステル(メタ)アクリレート樹脂、エポキシ樹脂等を含んでいてもよい。その量は樹脂組成物100重量%に対して0〜50重量%、好ましくは0〜40重量%、より好ましくは0〜30重量%がよい。これらはそれぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、本発明の被覆材組成物に添加できる低収縮剤であるが、組成物の粘度、被覆層として硬化させた後の硬化物の強靱性や耐久性の向上を目的として添加される場合がある。具体的には、アクリル系重合体、ポリ酢酸ビニル樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、ウレタン樹脂、ウレタンプレポリマー、アクリルウレタンオリゴマー、反応性エポキシ樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン系ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、スチレン系ブロックコポリマー、イソプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、エピクロルヒドリンゴム、クロロプレンゴム等の重合体の中から1種又は2種以上を選定し使用することができる。
また、この低収縮剤成分として、ゴム弾性を有する重合体を使用し、本発明の被覆材組成物に溶解、均一分散させておき、施工すると、硬化樹脂中に、ミクロ分散したゴム成分が生成し、被覆層に強靱性を付与させる事ができる。その結果、被覆層に、引っ張り、せん断、衝撃、剥離等の力がかかっても、被覆層の破壊抵抗性を向上させる事もできる。例えば、このゴム弾性を持つ重合体としては、熱可塑性ポリウレタンエラストマーとして、パンデックスT−5201、5202(大日本インキ化学工業製)、デスモコール406(住友バイエルウレタン製)、ウレタンプレポリマーとして、デスモジュールTEC41(住友バイエル製)、ハイプレンR305(三井東圧化学製)、ポリフレックスMT(第一工業製薬製)等が例示でき、アクリロニトリルブタジエン系ゴムでは、ニッポール1072J、DN219(日本ゼオン製)、スチレン系ブロックコポリマーとしては、クレイトンGX1726(シェル化学製)、ソルプレンT406、アサプレンT450、タフプレンA(旭化成工業製、スチレンブタジエン系可塑性エラストマー)、クロロスルホン化ポリエチレンとしては、ハイパロン20(デュポン社製)、エピクロルヒドリンゴムとしては、ゼクロン1000、1100(日本ゼオン製)等が例示できる。これらのゴム弾性を有する重合体は、単独にて、又はそれぞれの重合体に適した相溶化剤を併用することにより、本発明の被覆材組成物に溶解又は分散させることができる。
【0097】
上記パラフィン及び/又はワックスとしては、架橋性(メタ)アクリルシラップが硬化する際に被覆材組成物の硬化物の表面に析出し、空気との遮断層を硬化物の表面に形成することにより空気中の酸素が架橋性(メタ)アクリルシラップのラジカル重合を阻害することを抑制して被覆材組成物の空気乾燥性や低温硬化性を良好にしたり、硬化物の耐水性、光沢、耐汚れ性等を向上させたりする作用を有するものであれば特に限定されず、例えば、以下の(1)〜(3)に記載するもの等が挙げられる。
【0098】
(1)天然ワックス:キャンデリラワックス、カルナバワックス、ライスワックス、木蝋、ホホバ油等の植物系ワックス;蜜蝋、ラノリン、鯨蝋等の動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン等の鉱物系ワックス;パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム等の石油ワックス等。
(2)合成ワックス:フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素;モンタンワックス誘導体、パラフィンワックス誘導体、マイクロクリスタリンワックス誘導体等の変性ワックス;硬化ひまし油、硬化ひまし油誘導体等の水素化ワックス等。
(3)天然ワックスや合成ワックス等の配合ワックスや、その他、ステアリン酸や1,2−ヒドロキシステアリン酸等の高級脂肪酸等。
【0099】
上記パラフィン及び/又はワックスの中でも、品質の安定性及び防湿防水性の点から、石油ワックスを用いることが好ましく、油分が少なく、かつ、被覆材組成物の変色及び変質が少なくなることから、パラフィンワックスを用いることがより好ましい。このようなパラフィンワックスとしては、低重合度のポリエチレンや高級炭化水素化合物を用いることができる。また、木蝋や蜜蝋等の高級脂肪酸エステルや高分子系ワックスを用いることも好ましい。更に、分離安定性の点から、アルコール型ワックスを併用することが好ましく、特殊ワックスLPS−6665(商品名、ビックケミー・ジャパン社製)を用いることが好ましい。このようなワックスを用いることにより、本発明の被覆材組成物を、特に土木・建築材用の被覆材用途や、空気乾燥性や5℃以下の低温施工時の表面ベタツキ性や硬化性が良好であることが要求されるコーティング材用途に好適なものとすることができるとともに、硬化物の被膜硬度、強度、耐熱性等の性能が優れたものとすることができる。
【0100】
上記パラフィン及び/又はワックスの融点は、30〜100℃であることが好ましい。より好ましくは、50〜80℃であり、更に好ましくは、50〜65℃である。また、季節により施工時の温度条件が異なることから、一年を通じてパラフィン及び/又はワックスの作用を発揮させるため、融点の異なる二種以上のものを用いることが好ましい。
上記パラフィン及び/又はワックスの添加量としては、硬化性樹脂の合計量100重量部に対して、0.01〜5重量部であることが好ましい。より好ましくは、0.05〜2重量部であり、更に好ましくは、0.1〜1重量部である。
【0101】
上記チキソトロピー付与剤としては、被覆材組成物にチクソトロピー性を付与することができるものであれば特に限定されず、例えば、コロイダルシリカ、フュームドシリカ、シリカエーロゲル、有機改質粘土、クレー、シリカパウダー、酢酸セルロース、セピオライト、アエロジル(商品名、日本アエロジル社製)、チクソゲル(商品名、横浜化成社製)、ディスパロン(商品名、楠本化成社製)、レオロシール(商品名、徳山ソーダ社製)、ユリヤウレタン樹脂等が挙げられる。
【0102】
上記チキソトロピー付与剤の添加量としては、硬化性樹脂の合計量100重量部に対して、0.1〜5重量部であることが好ましい。より好ましくは、0.5〜3重量部であり、更に好ましくは、1〜2重量部である。このようなチキソトロピー付与剤を用いることにより、本発明の被覆材組成物を壁面コーティング材組成物やゲルコート材組成物として用いる場合、例えば、硬化性樹脂が吹き付け面上で垂れることや、移動することを防止することができる。
【0103】
上記チキソトロピー付与剤を添加することにより得られるゲルコート材組成物は、本発明の被覆材組成物の好ましい実施形態の一つであり、所望により各色の顔料や酸化チタン等を所定量含有したものとしてもよい。このようなゲルコート材組成物は、良好なチクソ性とともに、本発明における架橋性(メタ)アクリルシラップ特有の良好な耐熱性、耐溶剤性、靭性等の被膜物性を有している。
【0104】
上記紫外線吸収剤としては特に限定されず、例えば、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジtert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−3′,5′−ビス(2,2′−ジメチルプロピル)フェニル〕ベンゾトリアゾールやこれらのハロゲン置換誘導体等のベンゾトリアゾール類;シアノアクリレート類;2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−デシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4,4′−ジブトキシベンゾフェノン等の2−ヒドロキシベンゾフェノンの誘導体等のベンゾフェノン類;フェニルサリチレート、p−tert−ブチルフェニルサリチレート、p−オクチルフェニルサリチレート等のサリチル酸エステル類や、ベンゾエート類の他、市販品として、TINUVIN 770,123,144,622(いずれも商品名、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、SANOL LS−770,765,292,2626(いずれも商品名、三共社製)、アデカスタブ LA−52,57,62(いずれも商品名、旭電化社製)等のヒンダードアミン類等が挙げられる。
上記紫外線吸収剤の添加量としては、硬化性樹脂の合計量100重量部に対して、10重量部以下であることが好ましい。より好ましくは、5重量部以下である。
【0105】
上記低収縮化剤としては、熱可塑性樹脂等を用いることができ、特に限定されず、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート等の低級(メタ)アクリル酸エステル類や、スチレン、塩化ビニル、酢酸ビニル等のビニル単量体の単独重合体又は共重合体類;これらビニル単量体の少なくとも一種と、ラウリル(メタ)アクリレート、イソビニル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシルアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸、セチルステアリル(メタ)アクリレートよりなる単量体の少なくとも一種との共重合体;その他、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。
【0106】
上記可塑剤としては、被覆材組成物の粘度調節や硬化物の可塑化による下地面への追随性の向上ができるものであれば特に限定されず、例えば、ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジn−オクチルフタレート、ジ2−エチルヘキシルフタレート、オクチルデシルフタレート、ジn−デシルフタレート、ジイソデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート等のフタル酸エステル類;アジピン酸系、アゼライン酸系、セバチン酸系、フタル酸系のポリエステル系高分子可塑剤;エポキシ化油、エポキシ化脂肪酸エステル等のエポキシ系高分子可塑剤;その他、ジ2−エチルヘキシルアジペート、オクチルデシルアジペート、ジ2−エチルヘキシルセバケート、ジブチルセバケート、ジ2−エチルヘキシルアゼレート、ポリプロピレングリコール、塩素化パラフィン等が挙げられる。
上記低収縮化剤や可塑剤の添加量としては、硬化性樹脂の合計量100重量部に対して、30重量部以下であることが好ましい。可塑剤の添加量が30重量部を超えると、被膜の耐汚れ性が劣るおそれがある。より好ましくは、15重量部以下である。
【0107】
上記増粘剤としては、(メタ)アクリル系重合体(A)等が有する水酸基、カルボキシル基、エステル基等と化学的に結合することにより線状又は一部交叉結合を形成して重合体等の分子量を増大させる作用を有するものであれば特に限定されず、例えば、ジイソシアネート類;アルミニウムイソプロポオキシド、チタンテトラブトキシ等の金属アルコキシド類;酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ベリリウム等の2価金属の酸化物;水酸化カルシウム等の2価金属の水酸化物等が挙げられる。
上記増粘剤の添加量としては、硬化性樹脂の合計量100重量部に対して、0.1〜10重量部であることが好ましい。より好ましくは、0.5〜5重量部である。また、必要に応じて、水等の極性の強い物質を増粘助剤として少量使用することもできる。
【0108】
上記内部離型剤としては特に限定されず、例えば、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛等の高級脂肪酸や高級脂肪酸エステル;アルキルリン酸エステル等が挙げられる。
上記カップリング剤としては、基材との密着性を安定化させる作用等があるものであれば特に限定されず、例えば、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0109】
上記重合抑制剤としては、被覆材組成物の保存安定性を向上させるものであれば特に限定されず、例えば、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール等が挙げられる。
上記内部離型剤、カップリング剤や重合抑制剤の添加量としては、硬化性樹脂の合計量100重量部に対して、10重量部以下であることが好ましい。より好ましくは、5重量部以下である。
【0110】
上記充填剤としては、充填作用を有するものの他、着色顔料や染料等を用いることができ、特に限定されず、例えば、酸化チタン、硫酸バリウム、カーボンブラック、クロムバーミリオン、ベンガラ、群青、コバルトブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等が挙げられる。
【0111】
上記骨材としては特に限定されず、例えば、砂、珪砂、石英砂、これらを着色したものや焼成したもの;石英粉、珪砂粉等の岩石粉;着色した磁器;陶器素地を焼成硬化して粉砕したもの;その他に、亜鉛白、炭酸カルシウム、ゼオライト、アルミナ、ガラス粉末、ガラスビーズ、陶土等が挙げられる。これらの中でも、平均粒径が10μm以上で吸油量が25mlアマニ油/100g以下であるものが好ましい。これらの組み合わせとしては特に限定されず、例えば、塗工作業性、セルフレベリング性向上の点から、粒径が異なる骨材の組み合わせが好ましい。
上記充填剤や骨材の添加量としては、硬化性樹脂の合計量100重量部に対して、900重量部以下であることが好ましい。900重量部を超えると、硬化性樹脂の硬化性が低下するおそれがある。
【0112】
上記強化材としては、繊維強化材等を用いることができ、特に限定されず、例えば、アミド、アラミド、ビニロン、ポリエステル、フェノール等の有機繊維の他、ガラス繊維、カーボン繊維、金属繊維、セラミックス繊維等が挙げられる。これらを用いることにより、繊維強化プラスチック(FRP)のマトリックス樹脂として用いることができる。これらの中でも、施工性や経済性の点から、有機繊維やガラス繊維を用いることが好ましい。また、繊維の形態としては特に限定されず、例えば、マット状、平織り、朱子織りの他、ガラスロービングを20〜100mmにカットしたチョップドストランド等が挙げられ、施工性や厚み保持性等の点から、マット状を用いることが好ましい。
上記繊維強化材の添加量としては、硬化性樹脂の合計量100重量部に対して、300重量部以下であることが好ましい。より好ましくは、10〜100重量部である。
【0113】
本発明の被覆材組成物は、更に、各種熱重合抑制剤、レベリング剤、消泡剤、減粘剤、艶消し剤、希釈剤、熱可塑性樹脂等を含んでいてもよい。特に熱可塑性樹脂は重合性二重結合を有する(メタ)アクリル系重合体(A)100重量%に対して0〜50重量%、好ましくは0〜40重量%、より好ましくは0〜30重量%がよい。また、熱可塑性樹脂は好ましくは水酸基を有するものがよく、その水酸基濃度は0.1〜10eq./kgが好ましく、より好ましくは0.1〜5eq./kgである。熱可塑性樹脂以外の含有量としては特に限定されず、例えば、被覆材組成物に要求される性能等により適宜設定すればよい。これらはそれぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0114】
上記被覆材組成物における混合液のイソシアネート濃度としては特に限定されず、例えば、A液とB液との混合液1kg中のイソシアネート基(NCO基)の当量として、10eq./kg以下であることが好ましく、0.1〜2eq./kgであることがより好ましい。また、水酸基濃度としては特に限定されず、例えば、硬化物の耐水性の点から、A液とB液との混合液1kg中の水酸基当量として、5eq./kg以下であることが好ましく、0.1〜1eq./kgであることがより好ましい。更に、イソシアネート濃度と水酸基濃度との比(NCO基/OH基)としては特に限定されず、例えば、A液とB液との混合液において、0.1〜10であることが好ましく、1〜5であることがより好ましい。
架橋性(メタ)アクリルシラップの水酸基濃度は5eq./kg以下が好ましく、0.1〜2eq./kgであることがより好ましい。
【0115】
上記水酸基濃度は、以下に記載する測定方法により求めることができる。
先ず、試料を水とアセトンで希釈し、水酸化カリウムメタノール溶液の滴定により試料の酸濃度を求める。また、試料を酢酸エチルで希釈し、p−トルエンスルホン酸/無水酢酸/酢酸エチルからなるアセチル化試薬を添加して全ての水酸基をアセチル化する。次いで、過剰の無水酢酸をピリジン/水からなる加水分解試薬により全て酢酸に加水分解し、水酸化カリウムメタノール溶液の滴定によりアセチル化後の酸濃度を求める。同時に、ブランクテストを行い、ブランクの酸濃度を求める。そして、下式により水酸基濃度を試料1kg中のモル当量として、eq./kg単位で求めることができる。
(水酸基濃度)=(試料の酸濃度)+(ブランクの酸濃度)−(アセチル化後の酸濃度)
【0116】
上記混合液の粘度としては、被覆材組成物が用いられる用途により塗工作業性等を考慮して適宜設定すればよく、特に限定されず、例えば、プライマー組成物として用いる場合には、0.01〜1Pa・sとすることが好ましい。粘度が低いと、基材への浸透性が向上して接着性が向上するが、硬化性が低下して硬化に長時間を要することになる。粘度が高すぎると、基材との接着性が低下し、また、塗工作業性やセルフレベリング性等も劣ることになる。
【0117】
上記混合液の基材への塗工方法としては特に限定されず、例えば、ローラー、刷毛、コテ、スプレー等を用いて、0.1〜1mmの厚みとなるように塗工することが好ましく、コンクリート、モルタル等の極めて多孔質な基材へは小孔への浸透を考慮してやや厚目に塗工することが好ましい。また、塗工における環境温度や基材温度は−30〜50℃とし、施工生産性の点から、2時間以内に硬化するように設定することが好ましいが、硬化物に要求される表面平滑性や塗工作業性、塗工効率等を考慮して被覆材組成物の可使時間や硬化時間を適宜設定することになる。例えば、建築物の床や壁を塗工する場合、塗工後、被覆材組成物の硬化前に被膜表面を平滑に整える余裕時間を要するため、可使時間が5〜30分、硬化時間が10〜90分となるように設定することが好ましい。可使時間や硬化時間が短すぎると、塗工作業が困難となるおそれがある。このような可使時間や硬化時間の調整は、硬化剤量及び促進剤量の少なくとも一方を被覆材組成物や塗工作業環境の温度に応じて調整することにより行うことができる。尚、被覆材組成物をプライマー組成物以外の用途で用いる場合には、基材上にプライマー組成物の被膜を形成した後に被覆材組成物を塗工することが好ましい。
【0118】
上記塗工方法において骨材を用いる場合には、骨材を混合しない混合液又は骨材を一部混合した混合液をあらかじめ塗布し、被膜が硬化する前に骨材を散布することにより被膜表面に骨材を一部突出させてノンスリップ性を付与することもできる。あらかじめ混合される骨材の種類や添加量は塗布方法や被膜の性能により適宜設定すればよく特に限定されるものではない。
【0119】
上記塗工方法における骨材の添加量としては、例えば、0.2〜1mmの比較的薄い厚みで塗布することができるローラー、刷毛、スプレー等を用いた塗工の場合には、骨材の添加量を硬化性樹脂の合計量100重量部に対して、30〜100重量部とすることが好ましく、1〜30mmの比較的厚い厚みで塗布することができる金コテ等を用いた塗工の場合には、100〜900重量部とすることが好ましい。比較的厚い厚みで塗工する場合、被膜表面を滑らかにするためには骨材の添加量を100重量部に近くなるようにすることが好ましく、経済的な点からは900重量部に近くなるようにすることが好ましい。
【0120】
本発明の被覆材組成物は、各種の基材に対するプライマー組成物として好適に適用することができるものであるが、土木建築用被覆材組成物として、例えば、床及び壁面コーティング材組成物、道路マーキング材組成物、レジンコンクリート組成物、レジンモルタル組成物等や、その他に地下防水用や防食用の被覆材組成物として適用することができるものである。また、その施工方法も、上述した塗工方法等の中から各用途に適した方法を適宜用いることができる。
【0121】
基材とその上に設けられた本発明の被覆材組成物からなる被覆層とから構成されている被覆層構造、すなわち本発明の被覆材組成物を基材に塗工して基材上に被覆層を形成してから該被覆層が硬化するまでと、該被覆層が硬化した後の基材と該被覆層とから構成されている被覆層構造は、硬化中の被覆層が速硬化性を有するとともに、乾燥性、低温硬化性等の性能に優れ、また、硬化後の被覆層が各種の基材に対する密着性に優れ、しかも、湿潤面との密着性にも優れたものであることから、土木建築用基材や防食用基材の被覆構造、構築物の床や壁面、道路等の被覆構造として好適に用いることができることになる。このような被覆層構造もまた、本発明の一つである。尚、本発明の被覆層構造は、(1)被覆材組成物を施工した直後のまだ硬化していない被覆材の層構造、(2)施工後硬化して、固まった、最終的な硬化塗膜の層構造の両方の形態と、(3)その中間の硬化中の被覆材の状態とを含めた構造を意味する。
本発明の被覆層構造において、基材としては特に限定されず、例えば、上述したもの等が挙げられ、本発明の被覆材組成物の被覆層を含む基材上の被覆形態としては特に限定されるものではない。
【0122】
【実施例】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。尚、「部」は、「重量部」を示し、「%」は、「重量%」を示す。
【0123】
合成例1 メタクリルシラップ(1)の合成
温度計、冷却管、ガス導入管及び攪拌機を備えた反応器に、メタクリル酸メチル96.5部及びメタクリル酸3.5部を仕込み、反応器内を窒素ガスで置換した。次に、この混合物を攪拌しながら80℃に昇温し、アゾビスイソブチロニトリル0.1部と、メルカプトプロピオン酸1.4部とを添加して4時間共重合反応を行った後、反応系内に空気を吹き込むと同時にハイドロキノン(以下、HQという)0.01部を添加して重合を停止した。
次いで、これにメタクリル酸グリシジル4.0部及びテトラフェニルホスホニウムブロマイド(以下、TPPBという)0.1部を添加した後100℃に昇温し、空気雰囲気下で2.0時間エステル化反応した。固形分濃度が42%、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる固形分のポリスチレン換算の重量平均分子量(以下、重量平均分子量という)が17000、重合体の重合性二重結合当量が3600、粘度が1.8Pa・s、水酸基濃度が0.32eq./kgのメタクリルシラップが得られた。これをメタクリルシラップ(1)とした。
上記重合体は樹脂組成物を同量のアセトンに溶解した後、20倍量のメタノールに滴下することにより分離し、ろ別、乾燥して分取した。分取された重合体を核磁気共鳴装置UNITY−plus(バリアンジャパン社製)により、共鳴周波数400MHz、溶媒クロロホルム−d、基準物質テトラメチルシラン、積算回数10回の測定条件でプロトン核磁気共鳴分析を行い、重合体に二重結合や水酸基が導入されていることを確認した。
以下、同様に他の実施例の重合体も確認した。
【0124】
合成例2 メタクリルシラップ(2)の合成
温度計、冷却管、ガス導入管及び攪拌機を備えた反応器に、メタクリル酸メチル85部、メタクリル酸2部及びメタクリル酸2−ヒドロキシエチル13部を仕込み、合成例1と同様に重合し、エステル化反応を行った。固形分濃度が44%、重量平均分子量が17000、重合体の重合性二重結合当量が9200、粘度が2.5Pa・s、水酸基濃度が1.45eq./kgのメタクリルシラップが得られた。これをメタクリルシラップ(2)とした。
【0125】
合成例3 メタクリルシラップ(3)の合成
温度計、冷却管、ガス導入管及び攪拌機を備えた反応器に、メタクリル酸メチル97.9部及びメタクリル酸2−ヒドロキシエチル2.1部を仕込み、反応器内を窒素ガスで置換した。次に、この混合物を攪拌しながら80℃に昇温し、アゾビスイソブチロニトリル0.1部と、n−ドデシルメルカプタン1.4部とを添加して4時間共重合反応を行った後、反応系内に空気を吹き込むと同時にHQ0.01部を添加して重合を停止した。
次いで、これにメタクリル酸2−イソシアネートエチル2.6部及びジブチルチンジラウリレート0.02部を添加した後100℃に昇温し、空気雰囲気下で2.0時間反応し、総水酸基の反応率を100%にした。固形分濃度が44%、重量平均分子量が17000、重合体の重合性二重結合当量が6400、粘度が1.8Pa・s、水酸基濃度が0eq./kgのメタクリルシラップが得られた。これをメタクリルシラップ(3)とした。
【0126】
比較合成例1 比較メタクリルシラップ(1)の合成
温度計、冷却管、ガス導入管及び攪拌機を備えた反応器に、メタクリル酸メチル100部を仕込み、反応器内を窒素ガスで置換した。次に、この混合物を攪拌しながら80℃に昇温し、アゾビスイソブチロニトリル0.1部と、n−ドデシルメルカプタン1.4部とを添加して3.5時間共重合反応を行った後、反応系内に空気を吹き込むと同時にHQ0.01部を添加して重合を停止した。固形分濃度が46%、重量平均分子量が26000、粘度が3.0Pa・s、水酸基濃度が0eq./kgのメタクリルシラップが得られた。これを比較メタクリルシラップ(1)とした。
【0127】
合成例5 ポリイソシアネート化合物(1)の合成
温度計、冷却管、ガス導入管及び攪拌機を備えた反応器に、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート(MDI、イソシアネート基濃度8.00eq./kg)58.1部、重量平均分子量が1000のポリプロピレングリコール41.9部、及び、触媒としてジブチルチンジラウリレート0.1部を仕込み、60℃で2時間反応し、総水酸基の反応率を100%にした。固形分濃度が100%、イソシアネート基濃度が3.81eq./kg、粘度が5000センチポイズのポリイソシアネート化合物を得た。これをポリイソシアネート化合物(1)とした。
【0128】
実施例1〜6
表1のように配合してA、B液をそれぞれ調製した。下地であるコンクリートの乾燥、清掃を行い、その上にプライマーを施工した。このとき、施工条件が25℃の場合は、プライマー及び下地ともに25℃、施工条件が5℃の場合は、プライマー及び下地ともに5℃に調温して以下のように施工した。ただし、湿潤面への密着性のテストでは、下地のコンクリートを24時間水にさらし、軽くふき取った上に施工した。
先ず、A液に、表1に示したように、その他の配合剤としてDM−PT(硬化促進剤:N,N′−ジメチル−p−トルイジン)、及び、ナイパーFF〔硬化剤:50%ベンゾイルパーオキサイド、日本油脂製〕(以下、BPOという)を添加してよく攪拌した後、直ちに、B液を混合し、0.3kg/m2 の塗布量でローラーにて下地に塗布し、硬化させた。ポットライフはいずれも25分以下であった。その上にメタクリルシラップ60重量部、メタクリル酸メチル40重量部、パラフィンワックス140F(商品名、日本精蝋社製)0.5重量部、DM−PT0.2重量部、並びに、BPO 2重量部(25℃の場合)若しくは6重量部(5℃の場合)を溶解混合し、骨材として珪砂8号10重量部/珪石粉末10重量部(珪砂8号、珪石粉末はいずれも三栄興産社製)を混合した上塗り剤を0.7kg/m2 で塗布し、硬化させた。実施例1〜6のいずれもプライマーとして良好な施工性、物性が得られ、良好に使用できることがわかった。また、上塗り剤との密着性もいずれも良好であった。
下地に対する各プライマーの塗工作業性、24時間放置後の物性試験の結果を表1に示した。なお、試験方法や評価基準については以下の通りである。
【0129】
作業性
プライマーの塗工作業性を以下の評価基準に基づいて評価した。
○:下地に対する過度の吸い込みがなく、ローラー跡がなく、ローラーも軽い。△:下地に対する吸い込みがやや大きい。
×:下地に対する吸い込みが大きい、又は、ローラー跡があり、ローラーが重い。
【0130】
25℃での乾燥性
プライマーを25℃の施工条件で塗布後、25℃で40分後の乾燥、硬化状態を以下の評価基準に基づいて評価した。
◎:タックなく、硬化している。
○:タックなく、硬化しているが、やや表面にムラがある。
△:ややタックあるが硬化している。
×:タックあるか、又は、硬化が不充分である。
【0131】
5℃での乾燥性
プライマーを5℃の施工条件で塗布後、5℃で40分後の乾燥、硬化状態を以下の評価基準に基づいて評価した。
◎:タックなく、硬化しており、表面が均一である。
○:タックなく、硬化しているが、やや表面にムラがある。
△:部分的にタックあるが、硬化している。
×:タックあるか、又は、硬化が不充分である。
【0132】
下地との密着性
上記の25℃の施工条件の施工物(施工4日後)に対して、建研式接着強度測定を行った。特に記載のないものは全て下地破壊を起こした。(界)と記載したものは界面破壊を起こした。
【0133】
湿潤面との密着性
下地のコンクリートを24時間水にさらし、軽くふき取った湿潤コンクリート上に上記の25℃の施工条件で施工されたプライマー(施工4日後)に対して建研式接着強度測定を行った。特に記載のないものは全て下地破壊を起こした。(界)と記載したものは界面破壊を起こした。
【0134】
保存安定性
A、B液をそれぞれ50℃の恒温槽に静置し、2ヶ月後の状態を観察し、以下のように評価した。ただし、実施例7では、一液型として全てを配合したものを観察した。
○:それぞれの液ともに変化なし。
×:少なくとも一方の液が流動性をなくし、ゲル化した。
【0135】
実施例7
一液型としてA、B液の区別なく、すべてを配合して実施した。
実施例1〜6と同様の物性試験方法や評価基準により、下地に対するプライマーの塗工作業性を評価し、24時間放置後の物性試験を行った。その結果を表1に示した。
【0136】
比較例1〜4
実施例1〜6と同様にA、B液の2液型とし、表2に示したように配合して実施した。
実施例1〜6と同様の物性試験方法や評価基準により、下地に対するプライマーの塗工作業性を評価し、24時間放置後の物性試験を行った。その結果を表2に示した。
【0137】
【表1】
【0138】
【表2】
【0139】
表1及び表2中、イソシアネート基濃度、水酸基濃度及びNCO基/OH基は、A、B液及びその他の配合剤の混合液における値を示した。
【0140】
【発明の効果】
本発明の樹脂組成物及び湿気硬化性溶液は、上述の構成よりなるので、速硬化性を有するとともに、乾燥性、低温硬化性、保存安定性等の性能に優れ、コンクリート、モルタル、アスファルト、金属、木材、プラスチック、セルロース系基材、ガラスや、これらに類する建築、土木等に一般的に用いられている基材に対する密着性に優れ、しかも、湿潤面との密着性にも優れたプライマー組成物として好適に用いられる被覆材組成物を形成することができるものである。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a resin composition, a moisture-curable solution, a coating material composition, and a method for applying the same.
[0002]
[Prior art]
Coating material composition, civil and architectural coating material composition such as floor and wall surface coating material composition and road marking material composition, as well as other underground waterproofing and anticorrosion coating material composition, concrete, mortar, Buildings such as asphalt, metal, wood, plastic, cellulosic base materials, glass, and similar structures, civil engineering and other base materials, factories, warehouses, multi-level parking lots, and other floor, wall, and roof structures It is widely used for new construction and renovation of interior and exterior of roads and roads. As such a coating material composition, a primer composition is generally used in order to impart adhesion to a base material or to suppress the influence of the base material.
[0003]
As a resin constituting such a primer composition, usually, an epoxy resin, an unsaturated polyester resin, a polyurethane resin, an acrylic resin, or the like is used. However, in the case of using a solvent-based or water-dispersed primer composition using these resins, the drying property is reduced when applied under low temperature conditions in winter. There is a problem that blisters are generated in the overcoated film due to the residual scum.
[0004]
On the other hand, in combination with these primer compositions, a coating material composition for overcoating containing an acrylic radical curable resin may be used. The coating material composition for overcoating has a high curing speed and good curability when applied at a low temperature of 5 ° C or less, so that the application time can be shortened and the performance of the coating, such as weather resistance and chemical resistance, is improved. That can be done. However, since the drying property of the primer composition and the curability at the time of low-temperature application are not sufficient, even when such a top-coating coating material composition is used, the application time is reduced or the performance of the coating is exerted. There was a problem that it was not possible to do enough. When a primer composition containing an epoxy resin is used, when the coating material composition for topcoat is applied at a low temperature, unreacted amine in the primer composition inhibits radical polymerization of the coating material composition for topcoat. There was also a problem.
[0005]
Japanese Patent Publication No. 44-18775 discloses a method for improving the adhesion between a mortar and a coating material composition for an overcoat by using a synthetic polymer emulsion as a primer composition in a mortar as a base. However, with this synthetic polymer emulsion, the curing rate was low, and the porosity of the underlying mortar could not be improved to be non-porous.
[0006]
Japanese Patent Publication No. 64-10024 discloses that a resin composition containing an unsaturated β-hydroxy ester, methyl methacrylate and the like is used as a primer composition. However, even with this resin composition, quick-curing properties, drying properties, and adhesion were insufficient, and adhesion to a wet surface was particularly poor.
[0007]
JP-A-4-202073 discloses that a resin composition containing an unsaturated prepolymer obtained by reacting a polyvalent isocyanate compound with an ethylenically unsaturated monomer having a hydroxyl group is used as a primer composition on a cement substrate. A method for protecting a cement base material in which a thermosetting resin composition is applied and cured after application and curing is disclosed. However, when the isocyanate group remained, this resin composition had poor storage stability, and was inferior in curability and drying property.
Therefore, these resin compositions have a problem that it is not possible to achieve both the drying property and curability suitable for the primer composition and the performance of the cured product.
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to propose a urethane curing resin composition which has fast-curing properties, is excellent in performance such as drying properties, low-temperature curability, and storage stability, and is excellent in adhesion to various substrates. More specifically, it is a coating material composition for urethane curing. For example, a resin composition constituting a coating material composition having excellent adhesion to a wet surface under application conditions and adhesion to a substrate during low-temperature application, and moisture curing used in combination with the resin composition It is intended to provide a neutral solution. And more specifically, it aims at a coating material composition used as a primer composition.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
The present invention is a resin composition used by mixing with a moisture-curable solution containing a polyisocyanate compound and / or a urethane prepolymer as a main component, wherein the resin composition contains a crosslinkable (meth) acrylic syrup, The crosslinkable (meth) acryl syrup is a resin composition containing a (meth) acrylic polymer (A) having a polymerizable double bond and a polymerizable monomer (B).
[0010]
The present invention is also a moisture-curable solution used by being mixed with the resin composition, wherein the moisture-curable solution is a moisture-curable solution containing a polyisocyanate compound and / or a urethane prepolymer as a main component.
The present invention is also a coating composition comprising the resin composition and the moisture-curable solution.
The present invention is also a method for applying the coating material composition, wherein the resin composition and the moisture-curable solution are mixed before application and then applied.
The present invention is also a coating layer structure comprising a base material and a coating layer provided on the base material and made of the coating material composition.
[0011]
The present inventors have conducted a thorough study after closely examining the problems with the coating material composition that can be used as the primer composition and the like, and as a result, the resin composition and the moisture-curable solution described above are composed. The coating material composition becomes excellent in storage stability, and by applying the coating material composition, the crosslinkable (meth) acrylic syrup in the resin composition is crosslinked, so that the quick-curing property is improved. Due to moisture curing of the polyisocyanate compound and / or urethane prepolymer in the moisture-curable solution, it has excellent performance such as dryness and low-temperature curability and adhesion to various base materials. When a polymer and / or a compound having a double bond is contained, a dramatic effect that the adhesiveness to a wet surface is also improved is encountered, and the present invention has been achieved. One in which the.
Hereinafter, the present invention will be described in detail.
[0012]
The resin composition of the present invention is used by mixing with a moisture-curable solution. Such a resin composition can form a coating material composition used as a primer composition or the like.
The moisture-curable solution contains a polyisocyanate compound and / or a urethane prepolymer as a main component. Among these, those containing a urethane prepolymer as a main component are preferable.
In the present specification, “includes as a main component” means that the main component is used, and it means that other components may or may not be additionally included.
[0013]
The polyisocyanate compound and / or urethane prepolymer is crosslinked and cured by moisture curing while the isocyanate group forms a urethane bond in the surface layer of the coating. As a result, the air drying property of the coating is improved, and a cross-linking layer formed by the oxygen in the air is formed on the surface of the coating when a cross-linkable (meth) acrylic syrup in the resin composition is cured. Inhibition of radical polymerization of (meth) acrylic syrup is suppressed, and curability is improved. Further, the polyisocyanate compound and / or urethane prepolymer also has an action of improving the adhesion of the coating to various substrates.
[0014]
The polyisocyanate compound is not particularly limited as long as it has two or more isocyanate groups. For example, tolylene diisocyanate (80/20 TDI) having an isomer ratio of 2,4 / 2,6 = 80/20, and 65 / 35TDI, 2,4-100 TDI, diphenylmethane 4,4'-diisocyanate (pure or monomeric MDI) and its isomers, polymeric MDI, hexamethylene diisocyanate (HDI), trans-cyclohexa-1,4-diisocyanate (CHDI), Isophorone diisocyanate (IPDI), xylylene diisocyanate (XDI), naphthalene diisocyanate (NDI), p-phenylene diisocyanate (PPDI), 4,4'-diphenylmethane triisocyanate, triethylene diiso Annate, ethylene diisocyanate, 1,2-diisocyanatepropane, 1,3-diisocyanatepropane, 1,1'-methylenebis (4-isocyanatocyclohexane), tetramethylxylylenediisocyanate, lysine diisocyanate, 4,4'-methylenebis (cyclohexyl) Polyisocyanate monomers such as isocyanate, methylcyclohexane-2,6-diisocyanate, 1,3-bis (isocyanatomethyl) cyclohexane, diisocyanate diisocyanate, 2-isocyanateethyl-2,6-diisocyanate hexaenol, and dimers thereof And trimers. These may be used alone or in combination of two or more.
[0015]
The urethane prepolymer is not particularly limited, and includes, for example, a prepolymer having a free isocyanate group which can be obtained by subjecting an excess of a polyisocyanate compound or the like to a urethane-forming reaction with respect to a compound having a hydroxyl group. In the urethanization reaction, it is preferable to perform the reaction such that the NCO group / OH group ratio is 1.5 to 10. Thus, a urethane prepolymer having a terminal isocyanate group or the like is obtained.
[0016]
The compound having a hydroxyl group is not particularly limited, for example, a compound having a polyfunctional hydroxyl group such as a polyol or a polyol polyester; a compound having a hydroxyl group and a polymerizable double bond such as an acrylic compound having a hydroxyl group or an allyl ether compound; Is mentioned. These may be used alone or in combination of two or more.
[0017]
The above polyol is not particularly limited, and for example, ethylene glycol, diethylene glycol, propylene glycol, dipropylene glycol, butylene glycol, 1,4-butanediol, 3-methylpentanediol, 1,6-hexanediol, 3,3- Single-chain polyols such as dimethylol heptane and trimethylol propane; polyethylene glycol (PEG), polyoxypropylene glycol (PPG), ethylene oxide-propylene oxisad copolymer, polybutylene glycol, polytetramethylene ether glycol (PTMEG) Lactones such as poly-β-methyl-δ-valerolactone (P-β-MVL) and polycaprolactone (PCL); trimethylolpropane; Ritori trimethylolpropane, pentaerythritol, poly pentaerythritol, sorbitol, mannitol, glycerin, polyhydric alcohols such polyglycerol like, and the like. Further, a polyol of ε-caprolactone obtained by addition polymerization to a polyol, castor oil, polybutadiene polyol, a polyol type xylene formaldehyde resin, and the like can also be used. Among these, polyalkylene ether polyols are obtained by polymerizing single-chain polyols and alkylene oxides such as ethylene oxide, propylene oxide, butylene oxide, styrene oxide alone or in combination of two or more. Can be obtained by
[0018]
The polyol polyester is not particularly limited, and examples thereof include a polyester obtained by an esterification reaction between a diol and a dibasic acid.
As the diol, for example, neopentyl glycol and the like can be used in addition to single-chain polyols. Further, as the dibasic acid, for example, phthalic acid, isophthalic acid, terephthalic acid, maleic acid, adipic acid, azelaic acid, sebacic acid, heptic acid, succinic acid, hydrogenated dimer acid and the like can be used.
[0019]
The acrylic compound having a hydroxyl group is not particularly limited, and a (meth) acrylic ester having a hydroxyl group is preferable. For example, 2-hydroxyethyl (meth) acrylate, 2-hydroxypropyl (meth) acrylate, 3-hydroxybutyl ( (Meth) acrylate, 3-chloro-2-hydroxypropyl (meth) acrylate, 3-bromo-2-hydroxypropyl (meth) acrylate, 2-chloro-1- (hydroxymethyl) ethyl (meth) acrylate, 2-bromo- 1- (hydroxymethyl) ethyl (meth) acrylate; mono (meth) acrylates of polyhydric alcohols having two hydroxyl groups such as polyethylene glycol mono (meth) acrylate and polypropylene glycol mono (meth) acrylate; Di) isocyanuric acid di (meth) acrylate, pentaerythritol tri (meth) acrylate and the like, and polyhydric alcohol moieties having three or more hydroxyl groups (meth) acrylates, etc., and 2-hydroxyethyl (meth) acrylate preferable.
[0020]
The allyl ether compound having a hydroxyl group is not particularly limited, for example, ethylene glycol monoallyl ether, diethylene glycol monoallyl ether, triethylene glycol monoallyl ether, polyethylene glycol monoallyl ether, propylene glycol monoallyl ether, dipropylene glycol monoallyl ether Allyl ether, tripropylene glycol monoallyl ether, polypropylene glycol monoallyl ether, 1,2-butylene glycol monoallyl ether, 1,3-butylene glycol monoallyl ether, hexylene glycol monoallyl ether, octylene glycol monoallyl ether, Trimethylolpropane diallyl ether, glycerin diallyl ether, pentaerythritol tri Allyl ether compounds such polyhydric alcohols are exemplified such as Rirueteru, allyl ether compound having one hydroxyl group are preferred.
[0021]
Among the above-mentioned polyisocyanate compounds and / or urethane prepolymers, those having a polymerizable double bond are preserved in a coating material composition comprising a resin composition containing a crosslinkable (meth) acrylic syrup and a moisture-curable solution. Although the stability is lowered, the crosslinkable (meth) acrylic syrup can be crosslinked with the polyisocyanate compound and / or urethane prepolymer, thereby improving the curability and coating performance of the coating composition. Can be done. As such a polyisocyanate compound having a polymerizable double bond and / or a urethane prepolymer, for example, a compound having a hydroxyl group and a polymerizable double bond is used to cause an excess polyisocyanate compound to undergo a urethanization reaction. Urethane prepolymer and the like that can be obtained. When obtaining such a urethane prepolymer, as the compound having a hydroxyl group and a polymerizable double bond, it is preferable to use a compound having one hydroxyl group and one polymerizable double bond, such as an acrylic compound having a hydroxyl group and It is preferable to use an allyl ether compound.
[0022]
Examples of the polyisocyanate compound and / or urethane prepolymer having a polymerizable double bond include m-isopropenyl α, α-dimethylbenzyl isocyanate and (meth) acrylic acid 2 together with the polyisocyanate compound and / or urethane prepolymer. -A compound containing a compound having one isocyanate group and one polymerizable double bond such as isocyanate ethyl can also be used.
[0023]
In preparing the moisture-curable solution, the polyisocyanate compound and / or urethane prepolymer may be diluted with a solvent or the like.
The solvent is not particularly limited, and examples thereof include toluene, xylene, ethyl acetate, methyl ethyl ketone, cellosolve acetate, and n-hexane. In addition, as the compound having a vinyl group, styrene, vinyl toluene, methyl (meth) acrylate, ethyl (meth) acrylate, or the like can be used. These may be used alone or in combination of two or more.
[0024]
The resin composition of the present invention contains a crosslinkable (meth) acryl syrup.
The crosslinkable (meth) acrylic syrup contains a (meth) acrylic polymer (A) having a polymerizable double bond and a polymerizable monomer (B). Such a crosslinkable (meth) acrylic syrup is excellent in curability and storage stability and adhesiveness to various substrates, and is cured by radical polymerization of a (meth) acrylic polymer together with a polymerizable monomer. Therefore, it has excellent properties such as chemical resistance, water resistance, surface hardness, toughness, heat resistance, solvent resistance, and abrasion resistance.
[0025]
The (meth) acrylic polymer (A) preferably has two or more polymerizable double bonds in the molecule.
The polymerizable double bond equivalent of the (meth) acrylic polymer (A) is not particularly limited, but is preferably, for example, 500 to 20,000. If it is less than 500, cracks may occur in the cured product obtained by curing the crosslinkable (meth) acrylic syrup, and if it is more than 20,000, the performance of the cured product such as heat resistance and solvent resistance decreases. There is a risk. More preferably, it is 3000-15000, and still more preferably, 4000-10000. The polymerizable double bond equivalent can be determined by (weight average molecular weight of polymer) / (average number of polymerizable double bonds in one molecule of polymer).
[0026]
The molecular weight of the (meth) acrylic polymer (A) is not particularly limited. For example, the weight average molecular weight in terms of polystyrene by gel permeation chromatography is preferably 3,000 to 1,000,000. When the molecular weight is less than 3000, the performance of the cured product obtained by curing the crosslinkable (meth) acrylic syrup decreases. When the molecular weight exceeds 1,000,000, the viscosity of the crosslinkable (meth) acrylic syrup increases, and the mixing of the moisture curable solution or Workability such as coating may be impaired. It is more preferably 5,000 to 100,000, further preferably 10,000 to 60,000, particularly preferably 10,000 to 40,000, and most preferably 10,000 to 30,000. The measurement conditions of gel permeation chromatography can be measured using an SC-8020 system (manufactured by Tosoh Corporation), using TSKgelGMH (manufactured by Tosoh Corporation) as a column and using tetrahydrofuran as a developing solvent at a solvent flow rate of 1 ml / min. .
[0027]
The method for producing the (meth) acrylic polymer (A) is not particularly limited. For example, when a (meth) acrylic polymer is synthesized from a (meth) acrylic monomer or the like as a first-stage reaction, Then, a (meth) acrylic polymer having a functional group in the molecule is synthesized by copolymerizing a polymerizable monomer having a functional group, and the functionality of the (meth) acrylic polymer is The (meth) acrylic polymer (A) having a polymerizable double bond can be obtained by reacting a polymerizable monomer having a functional group reactive with a group between the functional groups. In addition, the first-stage reaction and the second-stage reaction may be performed stepwise or may be performed simultaneously.
[0028]
The combination of the functional groups that react in the second-stage reaction is not particularly limited as long as the functional groups have reactivity, and examples thereof include a carboxyl group and a glycidyl group, a hydroxyl group, an amino group, an oxazoline group, and an aziridine group. A combination of a hydroxyl group with an acid anhydride, an isocyanate group, and the like; a combination of these, and the like. Is preferred.
[0029]
In the combination of the above functional groups, there is no particular limitation on how the types and amounts of the functional groups of the polymerizable monomer having a functional group used in the first-stage reaction and the second-stage reaction are combined. In the (meth) acrylic polymer (A) thus obtained, various functional groups can be introduced together with a polymerizable double bond. When a carboxyl group is introduced together with a polymerizable double bond, The first-stage reaction may be performed using a polymerizable monomer having a carboxyl group. In this case, in the first step reaction, when the reactivity between the carboxyl group of the polymerizable monomer having a carboxyl group and the functional group of the polymerizable monomer having a functional group is high, the Crosslinking may be formed and gelation may occur. Therefore, as a first-stage reaction, a polymerizable monomer having a functional group having low reactivity with a carboxyl group is converted to a (meth) acrylic monomer, a polymerizable monomer having a carboxyl group, and, if necessary, ( By copolymerizing with an unsaturated monomer other than the (meth) acrylic monomer, a (meth) acrylic polymer having a carboxyl group and a functional group other than the carboxyl group is synthesized. A polymerizable monomer having a functional group highly reactive with the functional group of the (meth) acrylic polymer is reacted with each other by a functional group to form a carboxyl group and a polymerizable double bond in the (meth) acrylic polymer. Is preferably used. Also, as a first-stage reaction, a (meth) acrylic polymer having a carboxyl group is synthesized, and as a second-stage reaction, a polymerizable monomer having a functional group highly reactive with a carboxyl group is combined with another functional group. It is also possible to use a method in which the carboxyl groups of the (meth) acrylic polymer are allowed to react and the carboxyl groups of the (meth) acrylic polymer are in excess of the functional groups of the polymerizable monomer.
[0030]
In the production of the (meth) acrylic polymer (A) by the first-stage reaction and the second-stage reaction, from the simplicity and convenience of the reaction, the (meth) acryl having a carboxyl group is used as the first-stage reaction. It is preferable to use a method of synthesizing a system polymer and subjecting part or all of the carboxyl group to an esterification reaction with a polymerizable monomer having a glycidyl group such as an unsaturated epoxy compound as the second step reaction. In addition, a (meth) acrylic monomer, a polymerizable monomer having a hydroxyl group, and a polymerizable monomer having a carboxyl group as needed are copolymerized to form a (meth) acrylic polymer. After the synthesis, a method of reacting a polymerizable monomer having an isocyanate group with a hydroxyl group in a (meth) acrylic polymer using a urethanizing catalyst such as an organotin compound, a method of (meth) acrylic monomer, And a method in which a polymerizable monomer having a hydroxyl group is copolymerized to synthesize a (meth) acrylic polymer, and then a method of reacting an unsaturated acid anhydride with a hydroxyl group in the (meth) acrylic polymer is used. However, the present invention is not limited to these. A specific preferred combination of a polymerizable monomer having a functional group used in the first step reaction and a polymerizable monomer used in the second step reaction having a functional group reactive with the functional group is (meth) Acrylic acid and glycidyl (meth) acrylate or vice versa, 2-hydroxyethyl (meth) acrylate and 2-isocyanatoethyl (meth) acrylate, or vice versa, 2-hydroxyethyl (meth) acrylate and maleic anhydride Preferred are combinations of acids and the like.
[0031]
The polymerizable monomer that can be used for producing the (meth) acrylic polymer (A) is not particularly limited, and includes, for example, those described below. These may be used alone or in combination of two or more.
Examples of the (meth) acrylic monomer include those described in the following (1) to (6).
[0032]
(1) (meth) acrylic acid.
(2) (meth) acrylates: methyl (meth) acrylate, ethyl (meth) acrylate, n-propyl (meth) acrylate, n-butyl (meth) acrylate, i-butyl (meth) acrylate, 2-ethylhexyl (Meth) acrylate, lauryl (meth) acrylate, cyclohexyl (meth) acrylate, phenyl (meth) acrylate, benzyl (meth) acrylate, glycidyl (meth) acrylate, methoxyethylene glycol (meth) acrylate, ethoxyethylene glycol (meth) acrylate Butoxyethylene glycol (meth) acrylate, methoxydiethylene glycol (meth) acrylate, ethoxydiethylene glycol (meth) acrylate, butoxydiethylene glycol (meth) acrylate Relate.
[0033]
Methoxypropylene glycol (meth) acrylate, ethoxypropylene glycol (meth) acrylate, butoxypropylene glycol (meth) acrylate, methoxydipropylene glycol (meth) acrylate, ethoxydipropylene glycol (meth) acrylate, butoxydipropylene glycol (meth) acrylate , Methoxytriethylene glycol (meth) acrylate, ethoxytriethylene glycol (meth) acrylate, butoxytriethylene glycol (meth) acrylate, methoxytripropylene glycol (meth) acrylate, ethoxytripropylene glycol (meth) acrylate, butoxytripropylene glycol (Meth) acrylate.
[0034]
Methoxy polyethylene glycol (meth) acrylate, ethoxy polyethylene glycol (meth) acrylate, butoxy polyethylene glycol (meth) acrylate, methoxy polypropylene glycol (meth) acrylate, ethoxy polypropylene glycol (meth) acrylate, butoxy polypropylene glycol (meth) acrylate, phenoxyethyl (Meth) acrylate, phenoxydiethylene glycol (meth) acrylate, phenoxytriethylene glycol (meth) acrylate, allyl (meth) acrylate, (meth) acrylate of oligoethylene oxide adduct of allyl alcohol, and (meth) acrylate of allyl alcohol polypropylene oxide adduct ( (Meth) acrylate and the like.
[0035]
(3) Basic (meth) acrylates: dimethylaminoethyl (meth) acrylate, diethylaminoethyl (meth) acrylate and the like.
(4) (meth) acrylamides: (meth) acrylamide, N-methoxymethyl (meth) acrylamide, N-ethoxymethyl (meth) acrylamide and the like.
(5) (meth) acrylates having an ultraviolet absorbing group: ethyl-2-cyano-3,5-diphenylacrylate and the like.
(6) Hydroxy group-containing (meth) acrylates: 2-hydroxyethyl (meth) acrylate, 2-hydroxypropyl (meth) acrylate, 3-hydroxybutyl (meth) acrylate, 3-chloro-2-hydroxypropyl ( (Meth) acrylate, 3-bromo-2-hydroxypropyl (meth) acrylate, 2-chloro-1- (hydroxymethyl) ethyl (meth) acrylate, 2-bromo-1- (hydroxymethyl) ethyl (meth) acrylate; polyethylene Mono (meth) acrylates of polyhydric alcohols having two hydroxyl groups such as glycol mono (meth) acrylate and polypropylene glycol mono (meth) acrylate; di (meth) acrylate of tris (hydroxyethyl) isocyanuric acid, pentaerythritol tri Meth) polyhydric moiety of the alcohol (meth) acrylates having 3 or more hydroxyl groups such as acrylate.
7) Other (meth) acrylic monomers: (meth) acrylonitrile, (meth) acrolein and the like.
[0036]
The amount of the (meth) acrylic monomer used is not particularly limited, and is, for example, 50% by weight or more based on the total weight of the monomers constituting the (meth) acrylic polymer (A). Is preferred. More preferably, it is 70% by weight or more, and still more preferably 80% by weight or more.
[0037]
The polymerizable monomer having a carboxyl group is not particularly limited as long as it is a monomer having a polymerizable double bond and a carboxyl group in the molecule, for example, acrylic acid, methacrylic acid, crotonic acid, vinyl Unsaturated monocarboxylic acids such as benzoic acid; unsaturated dicarboxylic acids such as maleic acid, fumaric acid, itaconic acid and citraconic acid; long-chain carboxyl groups such as monoesters of these unsaturated dicarboxylic acids and monoesters of acid anhydrides And the like.
[0038]
Examples of the monoester of the unsaturated dicarboxylic acid include, for example, monomethyl maleate, monoethyl maleate, monobutyl maleate, monooctyl maleate, monomethyl fumarate, monoethyl fumarate, monobutyl fumarate, monooctyl fumarate, monoethyl citraconic acid And the like.
[0039]
Examples of the acid anhydride monoester include, for example, succinic acid monoester, phthalic acid monoester, hexaphthalic acid monoester, and the like.The hydroxyl group of a polymerizable monomer having a hydroxyl group is esterified with an acid anhydride. Or by reacting an acid anhydride with a polymerizable monomer having a functional group reactive with the acid anhydride.
[0040]
Examples of the polymerizable monomer having a hydroxyl group include, for example, the above-mentioned acrylic compound and allyl ether compound having a hydroxyl group, ε-caprolactone ring-opening adduct to 2-hydroxyethyl (meth) acrylate, and 2-hydroxyethyl. Examples of the ring-opening adduct of γ-butyrolactone to (meth) acrylate include polymerizable monomers having a functional group reactive with the acid anhydride. Examples of the polymerizable monomer include epoxy such as glycidyl (meth) acrylate. Polymerizable monomer having a group; polymerizable monomer having an oxazoline group such as 2-isopropenyl-2-oxazoline; monomer having an aziridine group such as 2- (1-aziridinyl) ethyl (meth) acrylate And the like. Examples of the acid anhydride include succinic anhydride, phthalic anhydride, hexahydrophthalic anhydride, maleic anhydride, itaconic anhydride, and citraconic anhydride.
[0041]
In the production of the (meth) acrylic polymer (A), an unsaturated monomer copolymerizable therewith can be used in addition to the above-mentioned monomers. For example, styrenes such as styrene, α-methylstyrene, vinyltoluene, and chlorostyrene; vinyl esters such as vinyl acetate; vinyl ethers such as methyl vinyl ether, ethyl vinyl ether and butyl vinyl ether; allyl alcohol, allyl glycidyl ether, ethylene glycol mono Allyl compounds such as allyl ether and propylene glycol monoallyl ether; and N-substituted maleimides such as N-phenylmaleimide, N-cyclohexylmaleimide and N-isopropylmaleimide.
[0042]
The amount of the unsaturated monomer used is not particularly limited, and is preferably, for example, less than 50% by weight based on the total weight of the monomers constituting the (meth) acrylic polymer (A). . More preferably, it is less than 30% by weight, even more preferably less than 20% by weight.
[0043]
In the first stage reaction in the production of the (meth) acrylic polymer (A), polymerization is usually performed using a polymerization initiator. Such a polymerization initiator is not particularly limited. For example, benzoyl peroxide, lauroyl peroxide, methyl ethyl ketone peroxide, tert-butyl peroxy-2-ethylhexanoate, tert-butyl peroxy octoate, tert- Organic peroxides such as butyl peroxybenzoate, cumene hydroperoxide, cyclohexanone peroxide, dicumyl peroxide, and bis (4-tert-butylcyclohexyl) peroxydicarbonate; 2,2'-azobisisobutyronitrile And azo compounds such as 2-phenylazo-2,4-dimethyl-4-methoxyvaleronitrile. These may be used alone or in combination of two or more. The amount and method of addition of the polymerization initiator may be appropriately set and are not particularly limited.
[0044]
In the first-stage reaction, it is preferable to add a chain transfer agent in order to adjust the average molecular weight and the like of the polymer.
As the chain transfer agent, a thiol compound is particularly preferably used because the polymerization reaction of the polymerizable monomer can be very easily controlled, but is not particularly limited, and includes, for example, α-methylstyrene dimer. And carbon tetrachloride can also be used. These may be used alone or in combination of two or more.
[0045]
The thiol compound is not particularly restricted but includes, for example, alkyl mercaptans such as tert-butyl mercaptan, n-octyl mercaptan and n-dodecyl mercaptan; aromatic mercaptans such as thiophenol and thionaphthol; thioglycolic acid; octyl thioglycolate Thioglycolic acid alkyl esters such as ethylene glycol dithioglycolate, trimethylolpropane tris- (thioglycolate) and pentaerythritol tetrakis- (thioglycolate); β-mercaptopropionic acid; β-mercaptopropionic acid octyl; 4-butanediol di (β-thiopropionate), trimethylolpropane tris- (β-thiopropionate), pentaerythritol tetrakis- (β-thiopropionate) and the like β-mercaptopropionic acid alkyl ester and the like.
The amount of the chain transfer agent to be used is not particularly limited as long as it is appropriately selected according to the type thereof, the combination with the (meth) acrylic monomer, and the like. It is preferable to use 0.1 to 15% by weight based on the total amount.
[0046]
When the carboxyl group and the glycidyl group are esterified in the second-stage reaction, an esterification catalyst can be used in order to rapidly progress the reaction.
The esterification catalyst is not particularly limited. For example, common esterification catalysts such as amines such as triethylamine; quaternary ammonium salts such as tetraethylammonium chloride; and phosphorus compounds such as triphenylphosphine can be used. It is preferable to use a metal compound and / or a quaternary phosphonium salt having at least one element selected from the group consisting of Zn, Sn, and Zr. These may be used alone or in combination of two or more.
[0047]
When the above-mentioned metal compound and / or quaternary phosphonium salt is used as an esterification catalyst, it has high catalytic activity and mainly reacts a carboxyl group of a (meth) acrylic polymer with a glycidyl group of an unsaturated epoxy compound. Can be promoted, and the coloration of the crosslinkable (meth) acrylic syrup can be suppressed, and a decrease in storage stability (storage stability) can be prevented. In this case, it is preferable that the number of Hazen colors of the crosslinkable (meth) acrylic syrup be 0 to 50. More preferably, it is 0-30.
[0048]
The metal compound is not particularly limited as long as it has at least one element selected from the group consisting of Zn, Sn and Zr. For example, an inorganic metal compound, an oxo acid metal salt, a polyoxo acid metal salt, and an organic metal compound Metal compounds, organic acid metal salts, metal complex salts and the like can be mentioned.
[0049]
Examples of the inorganic metal compound include metal halides such as metal fluorides, metal chlorides, metal bromides, and metal iodides; metal chalcogenides such as metal oxides and metal sulfides; metal nitrides; metal phosphides; Metal arsenides; metal carbides; metal silicides; metal borides; metal cyanides; metal hydroxides; metal chlorides and the like. Specific compound names include zinc chloride, zirconium oxide, tin sulfide, and the like. Is mentioned.
[0050]
Examples of the above oxo acid metal salts include metal sulfates, metal nitrates, metal phosphates, metal phosphinates, metal phosphonates, metal metaphosphates, metal borates, metal chlorates, and bromates. Examples include metal salts, metal iodates, metal silicates, and the like, and specific compound names include tin sulfate, zinc phosphate, zirconium nitrate, and the like. The oxo acid metal salt also includes a hydrogen salt such as zinc hydrogen phosphate.
[0051]
Examples of the polyoxoacid metal salt include a metal polyphosphate, a metal polyborate, a metal polyniobate, a metal tantalate, a metal polymolybdate, a metal polyvanadate, a metal polytungstate, and the like. Specific compound names include zinc polyphosphate and the like.
[0052]
Examples of the organometallic compound include, for example, the following general formula (1);
M- (R) n (1)
(In the formula, M represents at least one element selected from the group consisting of Zn, Sn, and Zr. R represents an organic group such as methyl, ethyl, methoxy, ethoxy, and the like. And an organic metal compound represented by the following formula: and specific compound names include diethylzinc, tetraethoxyzirconium and the like.
[0053]
Examples of the organic acid metal salts include fatty acid metal salts such as metal laurate, metal myristate, metal palmitate, metal stearate, metal oleate, metal naphthenate, metal octylate, and the like. Metal soaps such as sulfonic acid metal salts, metal sulfates, metal phosphates, etc .; metal acetates, metal benzoates, metal salicylates, metal oxalates, metal tartarates, metal lactates, metal citrates Specific examples of compound names include zinc octylate and stearin tin as metal soaps, and zinc acetate and tin salicylate as metal salts of organic acids other than metal soaps.
[0054]
Examples of the metal complex salt include, for example, the following general formula (2);
M- (L) n (2)
(In the formula, M represents at least one element selected from the group consisting of Zn, Sn, and Zr. L represents a ligand such as acetylacetone. N represents an integer of 1 to 6.) And specific compound names include zinc acetylacetonate and the like.
[0055]
The quaternary phosphonium salt is not particularly limited, and includes, for example, tetraphenylphosphonium bromide, tetraphenylphosphonium chloride, tetrabutylphosphonium bromide, butyltriphenylphosphonium bromide, and the like, with tetraphenylphosphonium salt being particularly preferred.
[0056]
The amount of the esterification catalyst to be used may be appropriately set according to the type thereof, the combination of the (meth) acrylic polymer and the polymerizable monomer in the second step reaction, and is not particularly limited. When the second-stage reaction is a reaction between a (meth) acrylic polymer having a carboxyl group and a polymerizable monomer having a glycidyl group, the reaction is based on 100 parts by weight of the (meth) acrylic polymer having a carboxyl group. , 0.005 to 5 parts by weight. More preferably, it is 0.05 to 3 parts by weight.
[0057]
When performing the esterification reaction, a polymerization inhibitor may be allowed to coexist, and a solvent such as water and / or an organic solvent may be used.
The polymerization inhibitor is not particularly restricted but includes, for example, amines such as alkylated diphenylamine; tert-butylphenol, 2,2′-methylenebis (4-methyl-6-tert-butylphenol), 2,6-ditert- Phenols such as butyl-4-methylphenol, alkylated bisphenol A, styrenated phenol, and methoxyphenol; hydroquinones such as hydroquinone, methylhydroquinone, methoxyhydroquinone and tert-butylhydroquinone; triphenylphosphite, tris (monononylphenyl) ) Phosphites such as alkylated phenyl phosphites such as phosphite and trialkyl phosphites such as tridecyl phosphite; propion such as dilauryl-3,3'thiodipropionate Thioethers and ester, thioether such as esterified bisphenol S compound and the like. These may be used alone or in combination of two or more. Of these, it is preferable to use an amine alone or two or more of an amine and another system. From the viewpoint of coloring of the crosslinkable (meth) acrylic syrup, phenols such as hydroquinone and tert-butylphenol are preferred. Preferably, 2,2'-methylenebis (4-methyl-6-tert-butylphenol) is used.
[0058]
In the esterification reaction, when mixing a (meth) acrylic polymer having a carboxyl group, a polymerizable monomer having a glycidyl group such as an unsaturated epoxy compound, and a metal compound, the order and method of mixing these are mixed. Is not particularly limited as long as the metal compound is present during the reaction between the (meth) acrylic polymer having a carboxyl group and the polymerizable monomer having a glycidyl group.
[0059]
The polymerization method in the first-stage reaction is not particularly limited, and is preferably, for example, a method of terminating the polymerization of the polymerizable monomer, that is, a method of performing partial polymerization. As a result, a mixture of the (meth) acrylic polymer and the unreacted polymerizable monomer is obtained, and the (meth) acryl syrup can be obtained in one step. The timing of stopping the polymerization of the polymerizable monomer during the polymerization may be, for example, sampling (meth) acrylic syrup, which is a mixture of the polymer and the monomer, during the polymerization, and measuring the solid content thereof. Can be determined. Thereby, a desired partially polymerized syrup can be obtained. The solid content weight of the (meth) acrylic syrup is preferably, for example, 10 to 90% by weight. If the content is less than 10% by weight, the shrinkage ratio of the coating composition at the time of curing becomes large, so that the residual strain of the coating layer becomes large, and cracks or the like may be generated at the time of curing. If it exceeds 90% by weight, the viscosity of the (meth) acrylic syrup increases, and thus the workability such as the coatability of the coating composition may be reduced. More preferably, it is 20 to 80% by weight, and still more preferably, 30 to 70% by weight.
[0060]
The above polymerization can be performed by a known polymerization method such as bulk polymerization, solution polymerization, suspension polymerization, and emulsion polymerization, but it is particularly preferable to perform bulk polymerization. When the suspension polymerization is carried out, the suspension may be suspended in a dispersion medium such as water using a dispersion stabilizer such as polyvinyl alcohol.
Reaction conditions such as a reaction temperature and a reaction time in the above polymerization may be appropriately set depending on the types and amounts of monomers, polymerization initiators, and the like. Further, it is preferable to perform the treatment under a nitrogen atmosphere.
[0061]
The polymerizable monomer (B) contained in the crosslinkable (meth) acrylic syrup in the present invention is not particularly limited. For example, polymerizable monomers that can be used as a raw material of the above-mentioned (meth) acrylic polymer (A) In addition to the monomers, polyfunctional polymerizable monomers and the like can be mentioned. These may be used alone or in combination of two or more. Among these, when a polyfunctional polymerizable monomer is used, the performance of the cured product such as heat resistance and chemical resistance can be improved.
[0062]
The polyfunctional polymerizable monomer is not particularly limited. For example, ethylene glycol di (meth) acrylate, diethylene glycol di (meth) acrylate, triethylene glycol di (meth) acrylate, tetraethylene glycol di (meth) acrylate Acrylate, propylene glycol di (meth) acrylate, dipropylene glycol di (meth) acrylate, neopentyl glycol di (meth) acrylate, trimethylolpropane tri (meth) acrylate, pentaerythritol tetra (meth) acrylate, dipentaerythritol hexa ( Polyfunctional (meth) acrylates such as meth) acrylate; epoxy (meth) acrylates; ethylene glycol divinyl ether, diethylene glycol divinyl ether, triethyl Glycol divinyl ether, polyfunctional vinyl ethers such as Cyclohexanedicarboxylic divinyl ether cyclohexane; divinylbenzene, diallyl phthalate, diallyl isophthalate, triallyl cyanurate, compounds such as triallyl isocyanurate.
[0063]
The polymerizable monomer (B) is also used in applications where the coating composition is required to have low odor, or used in applications where the skinning of cross-linkable (meth) acrylic syrup is disliked during the coating operation. In such a case, for example, it is preferable to contain a so-called high boiling polymerizable monomer having a boiling point of 120 ° C. or more at normal pressure (1013 hPa). More preferably, the boiling point of the polymerizable monomer having a high boiling point is 150 ° C. or higher, further preferably 180 ° C. or higher.
[0064]
The polymerizable monomer having a high boiling point is not particularly limited. For example, an ester of an oligoalkylene glycol and an unsaturated acid monomer such as acrylic acid, that is, acrylic acid or methacrylic acid such as oligoethylene glycol or oligopropylene glycol Examples of the acid ester include alkoxy oligoethylene glycol di (meth) acrylate and alkoxy oligopropylene glycol di (meth) acrylate. Specific compound names include ethylene glycol di (meth) acrylate, diethylene glycol di (meth) acrylate, In addition to triethylene glycol di (meth) acrylate and tripropylene glycol di (meth) acrylate, polyethylene glycol di (meth) acrylate having a molecular weight of preferably 800 or less, more preferably 600 or less is used. ) Acrylate, the molecular weight is preferably 800 or less, more preferably also include polypropylene glycol di (meth) acrylate is 600 or less. Among these, ethylene glycol di (meth) acrylate and diethylene glycol di (meth) acrylate are preferred.
[0065]
In the above-mentioned polymerizable monomer (B), when a polymerizable monomer other than the (meth) acrylic monomer is mixed with the (meth) acrylic monomer, a mixing ratio of the two, that is, a polymerizable monomer The content of the unsaturated monomer other than the (meth) acrylic monomer in the body (B) may be appropriately set according to the curability of the crosslinkable (meth) acrylic syrup, the performance of the cured product, and the like. It is not particularly limited. The content of the high boiling polymerizable monomer is preferably 20% by weight or more based on the total amount of the polymerizable monomer (B). When the content is less than 20% by weight, the crosslinkable (meth) acrylic syrup is exposed to the atmosphere, so that it becomes easy to skin, and since the amount of monomers other than the high boiling polymerizable monomer increases, the odor becomes strong. There is a risk. It is more preferably at least 30% by weight, still more preferably at least 50% by weight, particularly preferably at least 60% by weight, and most preferably at least 70% by weight.
[0066]
In the crosslinkable (meth) acrylic syrup in the present invention, the weight ratio between the (meth) acrylic polymer (A) and the polymerizable monomer (B) is not particularly limited, and for example, good working viscosity and curing It is preferable that (meth) acrylic polymer (A) / polymerizable monomer (B) = 90/10 to 10/90 from the viewpoint of balance with physical properties of the product. If the mixing ratio of the (meth) acrylic polymer (A) is less than 10%, the cured product tends to have a thermoplastic property, and heat resistance and chemical resistance may be reduced. When the weight ratio of the coalesced (A) exceeds 90% by weight, the viscosity of the coating material composition increases, and the workability such as mixing and coating of a curing agent may be reduced. More preferably, it is 80/20 to 20/80, and still more preferably, it is 70/30 to 30/70. Such a crosslinkable (meth) acrylic syrup usually has a viscosity of 0.01 to 10 Pa · s at around room temperature, and depends on the application, the acrylic polymer (A) and the polymerizable monomer. By setting the weight ratio with (B) appropriately, it can be prepared with a desired viscosity. The crosslinkable (meth) acrylic syrup in the present invention includes (meth) acrylic polymers other than the (meth) acrylic polymer (A), that is, polymerizable double polymers, as long as the effects of the present invention are exhibited. A (meth) acrylic polymer having no bond may be contained.
The amount of the (meth) acrylic polymer (A) having a polymerizable double bond in the resin composition is preferably 0.5 to 90% by weight, more preferably 10 to 90% by weight, and more preferably 20 to 80% by weight. Is more preferable, and 30 to 70% by weight is most preferable. Further, the amount of the polymerizable monomer (B) in the resin composition is preferably 0.5 to 90% by weight, more preferably 10 to 90% by weight, still more preferably 20 to 80% by weight, and 30 to 70% by weight. % By weight is most preferred.
[0067]
The crosslinkable (meth) acrylic syrup preferably contains a polymer and / or compound having a hydroxyl group and a polymerizable double bond. Thereby, when the resin composition of the present invention and the moisture-curable solution are mixed to form a mixture, and cured, the resin composition is crosslinked between the crosslinkable (meth) acrylic syrup and the polyisocyanate compound and / or the urethane prepolymer. As a result, the curability and the performance of the cured product can be improved, and in particular, the adhesion to a wet surface can be improved.
[0068]
Examples of the form in which the crosslinkable (meth) acrylic syrup contains a polymer and / or a compound having a hydroxyl group and a polymerizable double bond include, for example, (1) a (meth) acrylic polymer (A) which is polymerizable. A form including a (meth) acrylic polymer having a double bond and a hydroxyl group, (2) a form including a polymerizable monomer (B) including a polymerizable monomer having a polymerizable double bond and a hydroxyl group, (3 It is preferable that any one of the above embodiments (1) and (2) is combined. The (meth) acrylic polymer (A) including the (meth) acrylic polymer having a polymerizable double bond and a hydroxyl group in such a form is, for example, the (meth) acrylic polymer (A) described above. In the production method, it can be obtained such that a hydroxyl group remains in the (meth) acrylic polymer after the completion of the second-stage reaction.
In the above resin composition, a method for confirming that a double bond and a hydroxyl group have been introduced into the (meth) acrylic polymer (A) can be performed, for example, as described below.
The polymer can be separated by dissolving the resin composition in the same amount of acetone and then dropping it into 20 times the amount of methanol, followed by filtration, drying and fractionation. The separated polymer was subjected to proton nuclear magnetic resonance analysis using a nuclear magnetic resonance apparatus UNITY-plus (manufactured by Varian Japan) under the conditions of a resonance frequency of 400 MHz, a solvent of chloroform-d, a reference substance of tetramethylsilane, and an accumulation count of 10 times. To confirm that a double bond or a hydroxyl group has been introduced into the polymer.
[0069]
The crosslinkable (meth) acrylic syrup may or may not have a carboxyl group, and is not particularly limited. For example, when it has a carboxyl group, a (meth) acrylic polymer The carboxyl group concentration of the coalesced (A) was 1 × 10 5 per 1 g of the (meth) acrylic polymer (A)-7~ 60 × 10-FourPreferably it is molar. 60 × 10-FourIf the molar ratio is exceeded, the viscosity of the resin composition may increase and the workability may decrease. The carboxyl group concentration of the polymerizable monomer (B) was 1 × 10 4 g per 1 g of the polymerizable monomer (B).-6~ 100 × 10-FourPreferably it is molar. 100 × 10-FourIf the molar ratio is exceeded, the handling safety of the crosslinkable (meth) acrylic syrup may be reduced. Further, the carboxyl group concentration of the crosslinkable (meth) acrylic syrup was 1 × 10 5 per 1 g of the mixture of the (meth) acrylic polymer (A) and the polymerizable monomer (B).-7~ 100 × 10-FourPreferably it is molar. 1 × 10-7If the amount is less than 10 mol, the adhesion to the substrate may be insufficient,-FourIf the molar ratio is exceeded, the water resistance of the cured product may decrease. More preferably, 1 × 10-Five~ 20 × 10-FourMole, more preferably 1 × 10-Four~ 15 × 10-FourIs a mole.
[0070]
When the resin composition of the present invention is used for a substrate such as concrete, it is used for producing an acrylic polymer (A) in a crosslinkable (meth) acryl syrup from the viewpoint of adhesion to the substrate. As a polymerizable monomer or a polymerizable monomer (B), a polymerizable monomer having a (meth) acryloyl group and an ethylenically unsaturated double bond in a molecule such as dicyclopentenyloxyethyl methacrylate It is preferable to use a polymerizable monomer having a polymerizable double bond copolymerizable with a (meth) acryloyl group and an ethylenically unsaturated double bond. Incidentally, the ethylenically unsaturated double bond means a compound having an unsaturated hydrocarbon such as a vinyl group or an allyl group, and a so-called α, β-unsaturated carbonyl group such as a (meth) acryloyl group. Not something.
[0071]
The moisture-curable solution used by mixing with the resin composition of the present invention, the moisture-curable solution containing a polyisocyanate compound and / or a urethane prepolymer as a main component is a coating material composition used as a primer composition or the like. Can be formed. Such a moisture-curable solution is also one of the present invention.
The resin composition and the moisture-curable solution of the present invention may appropriately contain, for example, additives described later, in addition to the above-mentioned constituent elements.
[0072]
The coating composition comprising the resin composition of the present invention and a moisture-curable solution can be applied to various uses. Such a coating material composition is also one of the present invention.
The content ratio of the total weight of the acrylic polymer (A) and the polymerizable monomer (B) in the coating material composition is preferably 5 to 100% by weight. More preferably, it is 10 to 100% by weight, still more preferably 15 to 100% by weight.
[0073]
The coating material composition has fast curing properties, excellent drying performance, low-temperature curing properties, etc. and excellent adhesion to various substrates, and also excellent adhesion to wet surfaces. Therefore, among various uses, it can be suitably applied as a primer composition.
The primer composition is a coating material composition used for imparting adhesion to a substrate and suppressing the influence of the substrate. Usually, a coating material composition for overcoating is applied on a coating film obtained by applying and curing a primer composition to form a cured overcoating material. The form of coating on the material is not particularly limited.
[0074]
The substrate is not particularly limited, and includes, for example, concrete, mortar, asphalt, metal, wood, plastic, cellulosic substrate, glass, and similar structures, foundations generally used for civil engineering and the like. No. Further, a base material on which a coating film such as a urethane paint, an epoxy paint, or a polymerizable paint is applied via a primer composition film may be used. As a synthetic polymer-based rug, for example, PVC The base material may be a tile or sheet made of rubber or rubber, or a tile or sheet similar to these may be attached to the base material with an adhesive.
[0075]
The coating material composition is composed of a resin composition and a moisture-curable solution. Usually, when the coating material composition is applied, the resin composition and the moisture-curable solution are mixed, and In order to cure the cross-linkable (meth) acrylic syrup, a form containing a redox catalyst comprising a curing agent and an accelerator is contained, but the form to be stored is not particularly limited. Since the storage stability is reduced in the form, the form of two or more liquids described in the following (1) to (5) is preferable, and the form of three or more liquids may be used.
[0076]
(1) Liquid A: resin composition and accelerator.
Liquid B: moisture-curable solution and curing agent.
(2) Liquid A: resin composition, curing agent.
Liquid B: moisture-curable solution and accelerator.
(3) Liquid A: resin composition.
Liquid B: moisture-curable solution, curing agent and accelerator.
(4) Liquid A: a resin composition and an accelerator.
Liquid B: moisture-curable solution.
Curing agent
(5) Liquid A: resin composition.
Liquid B: moisture-curable solution and accelerator.
Curing agent
[0077]
Among the above storage forms, when an accelerator and a curing agent are mixed, the decomposition reaction of the curing agent may start, so that the composition is in the form of (1), (2), (4) and (5). Is preferred. Further, since the polymerizable double bond may gradually start a radical polymerization reaction by the curing agent, the curing agent may be used in the moisture-curable solution, including the case where a compound having a polymerizable double bond is contained. It is more preferable to form the liquid A, the liquid B, and the curing agent into three liquid forms (4) and (5) without mixing with the liquid or the liquid B. By these forms, the coating composition of the present invention has good storage stability and easy handling during operation.
[0078]
The application of the coating material composition of the present invention is performed, for example, by mixing the resin composition and the moisture-curable solution before application, and then applying the mixture. Such a construction method is also one of the present invention.
The above-mentioned construction method is, for example, by including a redox catalyst comprising a curing agent and an accelerator, applying a mixed liquid obtained by mixing the resin composition and the moisture-curable solution before construction to the base material and curing the mixture. Done.
[0079]
In the above-mentioned construction method, when the preservation form of the coating material composition is the above-mentioned form (1), (2) or (3), the liquid A and the liquid B are mixed before the construction. In the cases (4) and (5), in which the curing agent is not mixed with the liquid A and the liquid B, the liquid A, the liquid B and the curing agent are mixed before the application. In these cases, it is preferable that the preparation of the mixed liquid in which the A liquid, the B liquid, the curing agent and the like are mixed is performed immediately before the application. For example, it can be performed using a two-component spray coating machine that mixes and applies the liquid A and the liquid B immediately before the coating.
[0080]
The curing agent is not particularly limited, and for example, a radical polymerization initiator can be used. Examples of such a radical polymerization initiator include, for example, organic peroxides described in the following (1) to (8), azo compounds described in (9) to (13), and the like. From the viewpoint, it is preferable to use an organic peroxide. These may be used alone or in combination of two or more.
[0081]
(1) Ketone peroxides: methyl ethyl ketone peroxide, cyclohexanone peroxide, 3,3,5-trimethylcyclohexanone peroxide, methylcyclohexanone peroxide, methyl acetoacetate peroxide, acetylacetone peroxide and the like.
[0082]
(2) Peroxyketals: 1,1-bis (tert-butylperoxy) -3,3,5-trimethylcyclohexane, 1,1-bis (tert-butylperoxy) cyclohexane, 2,2-bis ( tert-butylperoxy) octane, normal butyl-4,4-bis (tert-butylperoxy) valerate, 2,2-bis (tert-butylperoxy) butane and the like.
[0083]
(3) Hydroperoxides: tert-butyl hydroperoxide, cumene hydroperoxide, diisopropylbenzene hydroperoxide, paramenthane hydroperoxide, 2,5-dimethylhexane-2,5-dihydroperoxide, 1, 1,3,3-tetramethylbutyl hydroperoxide and the like.
[0084]
(4) Dialkyl peroxides: di-tert-butyl peroxide, tert-butylcumyl peroxide, dicumyl peroxide, α, α′-bis (tert-butylperoxy-meta-isopropyl) benzene, 2,5- Dimethyl-2,5-di (tert-butylperoxy) hexane, 2,5-dimethyl-2,5-di (tert-butylperoxy) hexyne-3 and the like.
[0085]
(5) Diacyl peroxides: acetyl peroxide, isobutyl peroxide, octanoyl peroxide, decanoyl peroxide, lauroyl peroxide, 3,3,5-trimethylhexanoyl peroxide, succinic acid peroxide, benzoyl peroxide Oxide, 2,4-dichlorobenzoyl peroxide, meta-toluoyl peroxide and the like.
[0086]
(6) Peroxydicarbonates: diisopropylperoxydicarbonate, di-2-ethylhexylperoxydicarbonate, dinormal propylperoxydicarbonate, bis (4-tert-butylcyclohexyl) peroxydicarbonate, di-2 -Ethoxyethyl peroxydicarbonate, dimethoxyisopropyl peroxydicarbonate, di (3-methyl-3-methoxybutyl) peroxydicarbonate, diallylperoxydicarbonate and the like.
[0087]
(7) Peroxyesters: tert-butylperoxyacetate, tert-butylperoxyisobutyrate, tert-butylperoxyoctoate, tert-butylperoxypivalate, tert-butylperoxyneodecanoate, Cumyl peroxy neodecanoate, tert-butyl peroxy-2-ethylhexanoate, tert-butyl peroxy-3,3,5-trimethylhexanoate, tert-butyl peroxy laurate, tert-butyl per Oxybenzoate, di-tert-butylperoxyisophthalate, 2,5-dimethyl-2,5-di (benzoylperoxy) hexane, tert-butylperoxymaleic acid, tert-butylperoxyisopropylcarbonate, kumi Peroxy octoate, tert-hexyl peroxy neodecanoate, tert-hexyl peroxy pivalate, tert-butyl peroxy neohexanoate, tert-hexyl peroxy neo hexanoate, cumyl peroxy neo hexanoate Eat and so on.
(8) Other organic peroxides: acetylcyclohexylsulfonyl peroxide, tert-butylperoxyallyl carbonate, and the like.
[0088]
(9) Azonitrile compounds: azobisisobutyronitrile, 2,2'-azobis (4-methoxy-2,4-dimethylvaleronitrile), 1,1'-azobis (cyclohexane-1-carbonitrile), 1 -[(1-cyano-1-methylethyl) azo] formamide, 2-phenylazo-4-methoxy-2,4-dimethylvaleronitrile and the like.
[0089]
(10) Azoamidine compounds: 2,2'-azobis (2-methylpropionamidine) dihydrochloride and the like.
(11) Cyclic azoamidine compounds: 2,2'-azobis [2- (2-imidazolin-2-yl) propane] and the like.
(12) Azoamide compound: 2,2′-azobis {2-methyl-normal- [1,1-bis (hydroxymethyl) -2-hydroxyethyl] propionamide}, 2,2′-azobis {2-methyl- Normal- [1,1-bis (hydroxymethyl) ethyl] propionamide} and the like.
(13) Alkyl azo compounds: 2,2'-azobis (2,4,4-trimethylpentane) and the like.
[0090]
The accelerator is not particularly limited.For example, in addition to the compounds that promote the decomposition of the radical polymerization initiator described in (1) to (5) below, the drying property of the coating material composition described in (6) And the like which promote the above. These may be used alone or in combination of two or more.
(1) Thiourea derivatives: diethylthiourea, dibutylthiourea, ethylenethiourea, tetramethylthiourea, mercaptobenzimidazole, benzoylthiourea and the like.
(2) amines: N, N-dimethyl-p-toluidine, N, N-diethyl-p-toluidine, N, N-dihydroxyethyl-p-toluidine, N, N-diisopropanol-p-toluidine; N-di (2-hydroxypropyl) -p-toluidine, triethylamine, tripropylamine, ethyldiethanolamine, N, N-dimethylaniline, ethylenediamine, triethanolamine and the like.
[0091]
(3) Organic acid metal salts: cobalt naphthenate, copper naphthenate, zinc naphthenate, cobalt octylate, copper octylate, zinc octylate and the like.
(4) Organic metal chelate compounds: copper acetylacetonate, titanium acetylacetonate, manganese acetylacetonate, chromium acetylacetonate, iron acetylacetonate, vanadinyl acetylacetonate, cobalt acetylacetonate and the like.
(5) Other decomposition accelerators: condensation products of aldehydes and amines.
(6) Metal salts of organic acids: cobalt salts such as cobalt naphthenate, cobalt octylate and acetylacetone cobalt.
[0092]
Among the above curing agents and accelerators, diacyl peroxides are preferred as the curing agent, and amines are preferred as the accelerator, from the viewpoint of quick-curing and low-temperature curability. More preferably, the curing agent is benzoyl peroxide and the accelerator is toluidines. These benzoyl peroxides and the like are preferably used in the form of pastes or powders diluted with an inert liquid or solid to a concentration of about 50% by weight in order to avoid danger in handling.
[0093]
The amount of the curing agent or accelerator used is not particularly limited. For example, a curable resin (hereinafter, referred to as a curable resin) composed of a crosslinkable (meth) acrylic syrup and a polyisocyanate compound and / or a urethane prepolymer is used. It is preferable that the curing agent is 0.1 to 10 parts by weight and the accelerator is 0.01 to 10 parts by weight based on 100 parts by weight in total. If the amount is less than these amounts, the curability may decrease. If the amount exceeds these amounts, the curing speed or the like may not be improved, but rather the adhesiveness may be decreased. More preferably, the curing agent is 0.2 to 5 parts by weight and the accelerator is 0.1 to 4 parts by weight.
[0094]
The amount of the curing agent or accelerator used may be appropriately set depending on the application temperature in order to make the curability of the coating material composition uniform even at various application temperatures. Preferably. Since the crosslinkable (meth) acrylic syrup of the present invention is excellent in quick-curing property and low-temperature curability, the coating composition of the present invention can have a small change in the color difference of the cured film. In addition, in the combination of an esterification catalyst and a polymerization inhibitor used in the production of a crosslinkable (meth) acrylic syrup or the combination of a curing agent and an accelerator used in a coating material composition, the type and the amount of addition are appropriate. By doing so, the change in color difference can be further reduced. For example, the curing agent and the accelerating agent are adjusted at the respective temperatures only by adding only an appropriate amount so that the pot life of the crosslinkable (meth) acrylic syrup at 5 ° C. and 25 ° C. is 25 minutes or less, respectively. In a case where the resin cast plate of only the crosslinked (meth) acrylic syrup was completely cured, the color difference (ΔE) of the cured product at 5 ° C. with respect to the cured product at 25 ° C. measured with a transmission color difference meter was 25 or less. It is preferable to set so that More preferably, it is 15 or less, still more preferably, 10 or less. The above pot life is the time from mixing the accelerator and the curing agent to 30 g of the crosslinkable (meth) acrylic syrup until the fluidity is lost.
[0095]
In order to stabilize the curing together with the above curing agents and accelerators, tributyl phosphite, tri (2-ethylhexyl) phosphite, tridecyl phosphite, tristearyl phosphite, tris (nonylphenyl) phosphite, triphenyl phosphite Phosphites such as fight may be used as necessary. These may be used alone or in combination of two or more.
[0096]
The coating composition of the present invention includes paraffin and / or wax, a thixotropy-imparting agent (thixotropy-imparting agent, thixotropic agent), an ultraviolet absorber, a low-shrinking agent, and a plasticizer as long as the effects of the present invention are not impaired. , A thickener, an internal mold release agent, a coupling agent, a polymerization inhibitor, a filler, an aggregate, a reinforcing material, and the like. Further, as another polymerizable resin, for example, an acrylic urethane resin, an unsaturated polyester resin, a vinyl ester resin, a polyester (meth) acrylate resin, an epoxy resin, or the like may be included. The amount is preferably 0 to 50% by weight, preferably 0 to 40% by weight, more preferably 0 to 30% by weight based on 100% by weight of the resin composition. These may be used alone or in combination of two or more.
The low shrinkage agent that can be added to the coating composition of the present invention may be added for the purpose of improving the viscosity of the composition and the toughness and durability of the cured product after being cured as a coating layer. is there. Specifically, acrylic polymers, polyvinyl acetate resins, ethylene vinyl acetate resins, ethylene-vinyl acetate-vinyl chloride copolymers, urethane resins, urethane prepolymers, acrylic urethane oligomers, reactive epoxy resins, acrylonitrile-butadiene One or more polymers can be selected and used from polymers such as a series rubber, styrene-butadiene rubber, styrene block copolymer, isoprene rubber, chlorosulfonated polyethylene, epichlorohydrin rubber, and chloroprene rubber.
As the low-shrinkage agent component, a polymer having rubber elasticity is used, dissolved and uniformly dispersed in the coating material composition of the present invention, and when applied, a micro-dispersed rubber component is formed in the cured resin. In addition, it is possible to impart toughness to the coating layer. As a result, even if a force such as tension, shear, impact, or peeling is applied to the coating layer, the breaking resistance of the coating layer can be improved. For example, as the polymer having rubber elasticity, as a thermoplastic polyurethane elastomer, Pandex T-5201, 5202 (manufactured by Dainippon Ink and Chemicals), Desmocol 406 (manufactured by Sumitomo Bayer Urethane), and as a urethane prepolymer, Examples include module TEC41 (manufactured by Sumitomo Bayer), Hyprene R305 (manufactured by Mitsui Toatsu Chemicals), Polyflex MT (manufactured by Daiichi Kogyo Seiyaku), and acrylonitrile butadiene rubbers such as Nippol 1072J, DN219 (manufactured by Nippon Zeon), and styrene. Clayton GX1726 (manufactured by Shell Chemical), Sorprene T406, Asaprene T450, Tufprene A (manufactured by Asahi Kasei Corporation, styrene butadiene plastic elastomer), and chlorosulfonated polyethylene Paron 20 (manufactured by DuPont), as the epichlorohydrin rubber, Zechlone 1000, 1100 (manufactured by Nippon Zeon) or the like can be exemplified. These polymers having rubber elasticity can be dissolved or dispersed in the coating material composition of the present invention alone or in combination with a compatibilizer suitable for each polymer.
[0097]
As the paraffin and / or wax, when the crosslinkable (meth) acrylic syrup cures, the paraffin and / or wax precipitate on the surface of the cured product of the coating material composition, and form an air blocking layer on the surface of the cured product to form air. Suppresses the oxygen in the film to inhibit the radical polymerization of the crosslinkable (meth) acrylic syrup, thereby improving the air-drying property and low-temperature curability of the coating composition, and the water resistance, gloss, and stain resistance of the cured product. There is no particular limitation as long as it has an action of improving the properties and the like, and examples thereof include those described in the following (1) to (3).
[0098]
(1) Natural waxes: vegetable waxes such as candelilla wax, carnauba wax, rice wax, wood wax and jojoba oil; animal waxes such as beeswax, lanolin and spermaceti; mineral waxes such as montan wax, ozokerite and ceresin; Petroleum waxes such as paraffin wax, microcrystalline wax, petrolatum, etc.
(2) Synthetic waxes: synthetic hydrocarbons such as Fischer-Tropsch wax and polyethylene wax; modified waxes such as montan wax derivatives, paraffin wax derivatives, and microcrystalline wax derivatives; hydrogenated waxes such as hardened castor oil and hardened castor oil derivatives.
(3) Compounded waxes such as natural wax and synthetic wax, and higher fatty acids such as stearic acid and 1,2-hydroxystearic acid.
[0099]
Among the above-mentioned paraffins and / or waxes, it is preferable to use petroleum wax from the viewpoint of quality stability and moisture-proof and water-proof properties. Paraffin is used because it contains less oil and less discoloration and deterioration of the coating material composition. More preferably, a wax is used. As such a paraffin wax, polyethylene having a low degree of polymerization or a higher hydrocarbon compound can be used. It is also preferable to use a higher fatty acid ester such as wood wax or beeswax or a polymer wax. Further, from the viewpoint of separation stability, it is preferable to use an alcohol type wax in combination, and it is preferable to use a special wax LPS-6665 (trade name, manufactured by Big Chemie Japan). By using such a wax, the coating material composition of the present invention is particularly suitable for use as a coating material for civil engineering and construction materials, and has good air-drying properties and surface stickiness and curability when applied at a low temperature of 5 ° C. or lower. And the cured product can have excellent properties such as film hardness, strength, and heat resistance.
[0100]
The melting point of the paraffin and / or wax is preferably 30 to 100 ° C. The temperature is more preferably 50 to 80 ° C, and still more preferably 50 to 65 ° C. Further, since temperature conditions at the time of construction vary depending on the season, it is preferable to use two or more kinds having different melting points in order to exert the action of paraffin and / or wax throughout the year.
The amount of the paraffin and / or wax to be added is preferably 0.01 to 5 parts by weight based on 100 parts by weight of the total amount of the curable resin. More preferably, it is 0.05 to 2 parts by weight, still more preferably 0.1 to 1 part by weight.
[0101]
The thixotropy-imparting agent is not particularly limited as long as it can impart thixotropy to the coating material composition.Examples include colloidal silica, fumed silica, silica airgel, organic modified clay, clay, and silica. Powder, cellulose acetate, sepiolite, Aerosil (trade name, manufactured by Nippon Aerosil Co., Ltd.), thixogel (trade name, manufactured by Yokohama Kasei Co., Ltd.), Dispalon (trade name, manufactured by Kusumoto Kasei Co., Ltd.), Leoro Seal (trade name, manufactured by Tokuyama Soda Co., Ltd.) And urethane urethane resins.
[0102]
The amount of the thixotropic agent to be added is preferably 0.1 to 5 parts by weight based on 100 parts by weight of the total amount of the curable resin. More preferably, it is 0.5 to 3 parts by weight, still more preferably 1 to 2 parts by weight. By using such a thixotropic agent, when the coating material composition of the present invention is used as a wall coating material composition or a gel coating material composition, for example, the curable resin may drip or move on the sprayed surface. Can be prevented.
[0103]
The gel coat material composition obtained by adding the above thixotropic agent is one of the preferred embodiments of the coating material composition of the present invention, and if desired, contains a predetermined amount of a pigment or titanium oxide of each color. Is also good. Such a gel coat material composition has good film properties such as heat resistance, solvent resistance, and toughness unique to the crosslinkable (meth) acrylic syrup of the present invention, together with good thixotropy.
[0104]
The ultraviolet absorber is not particularly limited, and examples thereof include 2- (2'-hydroxy-5'-methylphenyl) benzotriazole and 2- (2'-hydroxy-3 ', 5'-ditert-butylphenyl). Benzotriazoles such as benzotriazole, 2- [2'-hydroxy-3 ', 5'-bis (2,2'-dimethylpropyl) phenyl] benzotriazole and their halogen-substituted derivatives; cyanoacrylates; -4-methoxybenzophenone, 2-hydroxy-4-octyloxybenzophenone, 2-hydroxy-4-decyloxybenzophenone, 2-hydroxy-4-dodecyloxybenzophenone, 2-hydroxy-4,4'-dimethoxybenzophenone, 2- Hydroxy-4,4'-dibutoxybenzophenone Benzophenones such as 2-hydroxybenzophenone derivatives; salicylic acid esters such as phenyl salicylate, p-tert-butylphenyl salicylate, and p-octylphenyl salicylate; and benzoates; TINUVIN 770, 123, 144, 622 (all trade names, manufactured by Ciba Specialty Chemicals), SANOL LS-770, 765, 292, 2626 (all trade names, manufactured by Sankyo), ADK STAB LA-52, 57 , 62 (both trade names, manufactured by Asahi Denka Co., Ltd.) and the like.
The amount of the ultraviolet absorbent added is preferably 10 parts by weight or less based on 100 parts by weight of the total amount of the curable resin. More preferably, the amount is 5 parts by weight or less.
[0105]
As the low shrinkage agent, a thermoplastic resin or the like can be used, and is not particularly limited. For example, lower (meth) acrylic acid such as methyl (meth) acrylate, ethyl (meth) acrylate, and butyl (meth) acrylate Esters, homopolymers or copolymers of vinyl monomers such as styrene, vinyl chloride, and vinyl acetate; at least one of these vinyl monomers, lauryl (meth) acrylate, isovinyl (meth) acrylate, ( (Meth) acrylamide, hydroxylalkyl (meth) acrylate, (meth) acrylonitrile, (meth) acrylic acid, copolymer with at least one monomer composed of cetylstearyl (meth) acrylate; other, cellulose acetate butyrate, cellulose Acetate propionate, polyethylene, poly Propylene and the like.
[0106]
The plasticizer is not particularly limited as long as it can adjust the viscosity of the coating material composition and improve the followability to the base surface by plasticizing the cured product. For example, dibutyl phthalate, diheptyl phthalate, di n Phthalic acid esters such as octyl phthalate, di-2-ethylhexyl phthalate, octyl decyl phthalate, di n-decyl phthalate, diisodecyl phthalate, and butyl benzyl phthalate; adipic, azelaic, sebacic and phthalic polyesters Epoxy polymer plasticizers such as epoxidized oils and epoxidized fatty acid esters; and others, di-2-ethylhexyl adipate, octyldecyl adipate, di-2-ethylhexyl sebacate, dibutyl sebacate, and di-2-ethylhexyl. Azelate, polypropylene Recall, and chlorinated paraffins.
The addition amount of the above-mentioned low shrinkage agent and plasticizer is preferably 30 parts by weight or less based on 100 parts by weight of the total amount of the curable resin. If the amount of the plasticizer exceeds 30 parts by weight, the coating may have poor stain resistance. More preferably, it is 15 parts by weight or less.
[0107]
Examples of the above-mentioned thickener include polymers such as (meth) acrylic polymer (A) which form a linear or partial cross-link by chemically bonding to a hydroxyl group, a carboxyl group, an ester group or the like of the polymer or the like. No particular limitation is imposed as long as it has an action of increasing the molecular weight of, for example, diisocyanates; metal alkoxides such as aluminum isopropoxide and titanium tetrabutoxy; and divalent metals such as magnesium oxide, calcium oxide and beryllium oxide. Oxides; hydroxides of divalent metals such as calcium hydroxide.
The amount of the thickener to be added is preferably 0.1 to 10 parts by weight based on 100 parts by weight of the total amount of the curable resin. More preferably, it is 0.5 to 5 parts by weight. If necessary, a small amount of a highly polar substance such as water can be used as a thickening aid.
[0108]
The internal release agent is not particularly limited, and examples thereof include higher fatty acids such as stearic acid and zinc stearate, higher fatty acid esters, and alkyl phosphate esters.
The coupling agent is not particularly limited as long as it has an effect of stabilizing the adhesiveness to the substrate, for example, γ-methacryloxypropyltrimethoxysilane, γ-glycidoxypropyltrimethoxysilane , N-β (aminoethyl) -γ-aminopropyltrimethoxysilane, γ-mercaptopropyltrimethoxysilane and the like.
[0109]
The polymerization inhibitor is not particularly limited as long as it improves the storage stability of the coating composition, and examples thereof include hydroquinone, hydroquinone monomethyl ether, and 2,4-dimethyl-6-tert-butylphenol. .
The addition amount of the internal release agent, coupling agent and polymerization inhibitor is preferably 10 parts by weight or less based on 100 parts by weight of the total amount of the curable resin. More preferably, the amount is 5 parts by weight or less.
[0110]
As the filler, besides those having a filling action, color pigments and dyes can be used, and are not particularly limited. For example, titanium oxide, barium sulfate, carbon black, chromium vermillion, red iron oxide, ultramarine, cobalt blue Phthalocyanine blue, phthalocyanine green and the like.
[0111]
The above-mentioned aggregate is not particularly limited. For example, sand, quartz sand, quartz sand, a colored or fired material thereof; rock powder such as quartz powder or quartz sand powder; a colored porcelain; Pulverized; in addition, zinc white, calcium carbonate, zeolite, alumina, glass powder, glass beads, porcelain, and the like. Among these, those having an average particle size of 10 μm or more and an oil absorption of 25 ml linseed oil / 100 g or less are preferable. The combination of these is not particularly limited, and for example, a combination of aggregates having different particle sizes is preferable from the viewpoint of improving coating workability and self-leveling property.
The amount of the filler or the aggregate is preferably 900 parts by weight or less based on 100 parts by weight of the total amount of the curable resin. If the amount exceeds 900 parts by weight, the curability of the curable resin may be reduced.
[0112]
As the reinforcing material, a fiber reinforcing material or the like can be used, and is not particularly limited. For example, in addition to organic fibers such as amide, aramid, vinylon, polyester, and phenol, glass fibers, carbon fibers, metal fibers, and ceramic fibers And the like. By using these, it can be used as a matrix resin of fiber reinforced plastic (FRP). Among these, it is preferable to use organic fibers or glass fibers from the viewpoint of workability and economy. In addition, the form of the fiber is not particularly limited, and includes, for example, a mat shape, a plain weave, a satin weave, and a chopped strand obtained by cutting a glass roving to 20 to 100 mm. It is preferable to use a mat shape.
The amount of the fiber reinforcing material added is preferably 300 parts by weight or less based on 100 parts by weight of the total amount of the curable resin. More preferably, it is 10 to 100 parts by weight.
[0113]
The coating composition of the present invention may further contain various thermal polymerization inhibitors, leveling agents, defoamers, viscosity reducers, matting agents, diluents, thermoplastic resins, and the like. Particularly, the thermoplastic resin is 0 to 50% by weight, preferably 0 to 40% by weight, more preferably 0 to 30% by weight based on 100% by weight of the (meth) acrylic polymer (A) having a polymerizable double bond. Is good. The thermoplastic resin preferably has a hydroxyl group, and the hydroxyl group concentration is 0.1 to 10 eq. / Kg, more preferably 0.1 to 5 eq. / Kg. The content other than the thermoplastic resin is not particularly limited, and may be appropriately set according to, for example, the performance required for the coating composition. These may be used alone or in combination of two or more.
[0114]
The isocyanate concentration of the mixed solution in the coating material composition is not particularly limited. For example, as the equivalent of the isocyanate group (NCO group) in 1 kg of the mixed solution of the solution A and the solution B, 10 eq. / Kg or less, preferably 0.1 to 2 eq. / Kg is more preferable. The hydroxyl group concentration is not particularly limited. For example, from the viewpoint of water resistance of the cured product, the hydroxyl equivalent in 5 kg of a mixed liquid of the liquid A and the liquid B is 5 eq. / Kg or less, preferably 0.1 to 1 eq. / Kg is more preferable. Further, the ratio between the isocyanate concentration and the hydroxyl group concentration (NCO group / OH group) is not particularly limited. For example, in a mixed solution of the liquid A and the liquid B, it is preferably 0.1 to 10, More preferably, it is 5.
The hydroxyl group concentration of the crosslinkable (meth) acrylic syrup is 5 eq. / Kg or less, preferably 0.1 to 2 eq. / Kg is more preferable.
[0115]
The hydroxyl group concentration can be determined by the measurement method described below.
First, a sample is diluted with water and acetone, and the acid concentration of the sample is determined by titration of a potassium hydroxide methanol solution. Further, the sample is diluted with ethyl acetate, and an acetylating reagent consisting of p-toluenesulfonic acid / acetic anhydride / ethyl acetate is added to acetylate all hydroxyl groups. Next, the excess acetic anhydride is completely hydrolyzed to acetic acid with a hydrolysis reagent composed of pyridine / water, and the acid concentration after acetylation is determined by titration of a methanol solution of potassium hydroxide. At the same time, a blank test is performed to determine the acid concentration of the blank. The hydroxyl group concentration is defined as the molar equivalent in 1 kg of the sample according to the following equation, and eq. / Kg unit.
(Hydroxyl concentration) = (acid concentration of sample) + (acid concentration of blank) − (acid concentration after acetylation)
[0116]
The viscosity of the mixture may be appropriately set in consideration of the coating workability and the like depending on the use in which the coating composition is used, and is not particularly limited. It is preferable to set it as 01-1 Pa.s. When the viscosity is low, the permeability to the base material is improved and the adhesiveness is improved, but the curability is reduced and the curing takes a long time. If the viscosity is too high, the adhesiveness to the substrate will be reduced, and the coating workability, self-leveling property, etc. will also be poor.
[0117]
The method for applying the mixed solution to the substrate is not particularly limited. For example, it is preferable to apply the mixture to a thickness of 0.1 to 1 mm using a roller, a brush, an iron, a spray, or the like, It is preferable to apply a slightly thicker coating to extremely porous substrates such as concrete and mortar in consideration of penetration into small holes. In addition, the environment temperature and the substrate temperature in the coating are preferably set to -30 to 50 ° C., and it is preferable to set the curing within two hours from the viewpoint of construction productivity, but the surface smoothness required for the cured product is preferably set. The working time and the curing time of the coating material composition are appropriately set in consideration of, for example, coating workability and coating efficiency. For example, when coating a floor or a wall of a building, after coating, it is necessary to allow time for smoothing the coating surface before curing of the coating material composition, so that the pot life is 5 to 30 minutes and the curing time is 10 minutes. It is preferable to set the time so as to be 90 minutes. If the pot life and the curing time are too short, the coating operation may be difficult. Such adjustment of the pot life and the curing time can be performed by adjusting at least one of the amount of the curing agent and the amount of the accelerator according to the temperature of the coating material composition and the temperature of the coating work environment. When the coating composition is used for applications other than the primer composition, it is preferable to apply the coating composition after forming a coating of the primer composition on the base material.
[0118]
When using an aggregate in the above coating method, a mixed solution in which the aggregate is not mixed or a mixed solution in which the aggregate is partially mixed is applied in advance, and the aggregate is sprayed before the coating is hardened, whereby the coating surface is coated. Non-slip properties can also be imparted by partially projecting the aggregate. The kind and amount of the aggregate to be mixed in advance may be appropriately set depending on the coating method and the performance of the film, and are not particularly limited.
[0119]
The amount of the aggregate to be added in the above coating method is, for example, in the case of coating using a roller, a brush, a spray or the like that can be applied with a relatively thin thickness of 0.2 to 1 mm, The addition amount is preferably 30 to 100 parts by weight with respect to the total amount of the curable resin of 100 parts by weight, and is preferably applied using a metal iron or the like that can be applied with a relatively thick thickness of 1 to 30 mm. In such a case, the content is preferably 100 to 900 parts by weight. In the case of coating with a relatively thick thickness, the amount of the aggregate is preferably set to be close to 100 parts by weight in order to smooth the coating surface, and is close to 900 parts by weight in terms of economy. It is preferable to do so.
[0120]
The coating composition of the present invention can be suitably applied as a primer composition for various substrates, and as a civil engineering and building coating composition, for example, a floor and wall coating material composition, road It can be applied as a marking material composition, a resin concrete composition, a resin mortar composition, or the like, and as a coating material composition for underground waterproofing or anticorrosion. In addition, as the construction method, a method suitable for each application can be appropriately used from the above-described coating methods and the like.
[0121]
A coating layer structure composed of a substrate and a coating layer of the coating material composition of the present invention provided thereon, that is, a coating material composition of the present invention is applied to a substrate and applied to the substrate. From the formation of the coating layer to the curing of the coating layer, the coating layer structure composed of the base material and the coating layer after the coating layer has been cured has a property such that the coating layer being cured is rapidly curable. It has excellent properties such as dryness and low-temperature curability, and the cured coating layer has excellent adhesion to various substrates and also has excellent adhesion to wet surfaces. Therefore, it can be suitably used as a covering structure of a substrate for civil engineering construction or a substrate for anticorrosion, a covering structure of a floor or a wall surface of a building, a road, or the like. Such a coating layer structure is also one of the present invention. The coating layer structure of the present invention comprises (1) the layer structure of the coating material that has not yet been cured immediately after the application of the coating material composition, and (2) the final cured coating that has been cured and hardened after application. It means the structure including both forms of the layer structure of the film and (3) the state of the coating material during curing in between.
In the coating layer structure of the present invention, the substrate is not particularly limited, for example, those described above, and the coating form on the substrate including the coating layer of the coating composition of the present invention is not particularly limited. Not something.
[0122]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in more detail with reference to Examples, but the present invention is not limited to these Examples. Note that “parts” indicates “parts by weight” and “%” indicates “% by weight”.
[0123]
Synthesis Example 1 Synthesis of methacrylic syrup (1)
96.5 parts of methyl methacrylate and 3.5 parts of methacrylic acid were charged into a reactor equipped with a thermometer, a cooling pipe, a gas introduction pipe and a stirrer, and the inside of the reactor was replaced with nitrogen gas. Next, the mixture was heated to 80 ° C. with stirring, and 0.1 part of azobisisobutyronitrile and 1.4 parts of mercaptopropionic acid were added to carry out a copolymerization reaction for 4 hours. At the same time as blowing air into the reaction system, 0.01 part of hydroquinone (hereinafter referred to as HQ) was added to terminate the polymerization.
Next, 4.0 parts of glycidyl methacrylate and 0.1 part of tetraphenylphosphonium bromide (hereinafter, referred to as TPPB) were added thereto, followed by raising the temperature to 100 ° C. and performing an esterification reaction under an air atmosphere for 2.0 hours. The solid content concentration is 42%, the weight average molecular weight of the solid content in terms of polystyrene by gel permeation chromatography (hereinafter referred to as weight average molecular weight) is 17000, the polymerizable double bond equivalent of the polymer is 3600, and the viscosity is 1.8 Pa. S, hydroxyl group concentration is 0.32 eq. / Kg of methacrylic syrup was obtained. This was designated as methacrylic syrup (1).
After dissolving the resin composition in the same amount of acetone, the polymer was separated by dropping it in 20 times the amount of methanol, separated by filtration, dried and separated. The separated polymer was subjected to proton nuclear magnetic resonance analysis using a nuclear magnetic resonance apparatus UNITY-plus (manufactured by Varian Japan) under the conditions of a resonance frequency of 400 MHz, a solvent of chloroform-d, a reference substance of tetramethylsilane, and an accumulation count of 10 times. Was performed to confirm that a double bond or a hydroxyl group was introduced into the polymer.
Hereinafter, polymers of other examples were similarly confirmed.
[0124]
Synthesis Example 2 Synthesis of methacrylic syrup (2)
A reactor equipped with a thermometer, a cooling pipe, a gas introduction pipe, and a stirrer was charged with 85 parts of methyl methacrylate, 2 parts of methacrylic acid, and 13 parts of 2-hydroxyethyl methacrylate. The reaction was carried out. The solid content concentration is 44%, the weight average molecular weight is 17000, the polymerizable double bond equivalent of the polymer is 9200, the viscosity is 2.5 Pa · s, and the hydroxyl group concentration is 1.45 eq. / Kg of methacrylic syrup was obtained. This was designated as methacryl syrup (2).
[0125]
Synthesis Example 3 Synthesis of methacrylic syrup (3)
A reactor equipped with a thermometer, a cooling pipe, a gas introduction pipe, and a stirrer was charged with 97.9 parts of methyl methacrylate and 2.1 parts of 2-hydroxyethyl methacrylate, and the inside of the reactor was replaced with nitrogen gas. Next, the mixture was heated to 80 ° C. with stirring, and 0.1 part of azobisisobutyronitrile and 1.4 parts of n-dodecylmercaptan were added to carry out a copolymerization reaction for 4 hours. At the same time, air was blown into the reaction system, and 0.01 parts of HQ was added to terminate the polymerization.
Then, 2.6 parts of 2-isocyanatoethyl methacrylate and 0.02 part of dibutyltin dilaurate were added thereto, and the temperature was raised to 100 ° C., and the mixture was reacted in an air atmosphere for 2.0 hours. To 100%. The solid concentration is 44%, the weight average molecular weight is 17000, the polymerizable double bond equivalent of the polymer is 6,400, the viscosity is 1.8 Pa · s, and the hydroxyl group concentration is 0 eq. / Kg of methacrylic syrup was obtained. This was designated as methacryl syrup (3).
[0126]
Comparative Synthesis Example 1 Synthesis of Comparative Methacryl Syrup (1)
A reactor equipped with a thermometer, a cooling pipe, a gas introduction pipe, and a stirrer was charged with 100 parts of methyl methacrylate, and the inside of the reactor was replaced with nitrogen gas. Next, the mixture was heated to 80 ° C. with stirring, and 0.1 part of azobisisobutyronitrile and 1.4 parts of n-dodecylmercaptan were added to carry out a copolymerization reaction for 3.5 hours. After that, air was blown into the reaction system and at the same time, 0.01 part of HQ was added to terminate the polymerization. The solid content is 46%, the weight average molecular weight is 26000, the viscosity is 3.0 Pa · s, and the hydroxyl group concentration is 0 eq. / Kg of methacrylic syrup was obtained. This was designated as comparative methacryl syrup (1).
[0127]
Synthesis Example 5 Synthesis of polyisocyanate compound (1)
In a reactor equipped with a thermometer, a cooling pipe, a gas introduction pipe and a stirrer, 58.1 parts of diphenylmethane-4,4'-diisocyanate (MDI, isocyanate group concentration 8.00 eq./kg) and a weight average molecular weight of 1,000 41.9 parts of polypropylene glycol and 0.1 part of dibutyltin dilaurate as a catalyst were charged and reacted at 60 ° C. for 2 hours to make the conversion of total hydroxyl groups 100%. The solid content concentration is 100% and the isocyanate group concentration is 3.81 eq. / Kg and a viscosity of 5000 centipoise. This was designated as polyisocyanate compound (1).
[0128]
Examples 1 to 6
Liquids A and B were prepared by mixing as shown in Table 1. The foundation concrete was dried and cleaned, and a primer was applied thereon. At this time, when the application condition was 25 ° C., the temperature of both the primer and the substrate was adjusted to 25 ° C., and when the application condition was 5 ° C., the temperature of both the primer and the substrate was adjusted to 5 ° C., and the application was performed as follows. However, in the test of the adhesion to the wet surface, the concrete of the foundation was exposed to water for 24 hours, and was then wiped lightly before construction.
First, as shown in Table 1, DM-PT (curing accelerator: N, N'-dimethyl-p-toluidine) and Niper FF [curing agent: 50% benzoyl] (Peroxide, manufactured by NOF Corporation) (hereinafter referred to as “BPO”) and, after stirring well, immediately mix the solution B to obtain 0.3 kg / m 2.Two Was applied to the substrate with a roller at the application amount and cured. The pot lives were all less than 25 minutes. On top of that, 60 parts by weight of methacrylic syrup, 40 parts by weight of methyl methacrylate, 0.5 parts by weight of paraffin wax 140F (trade name, manufactured by Nippon Seiro), 0.2 parts by weight of DM-PT, and 2 parts by weight of BPO ( Melting and mixing 6 parts by weight (at 25 ° C.) or 6 parts by weight (at 5 ° C.), 10 parts by weight of silica sand 8/10 parts by weight of silica powder as aggregate (silica sand 8 and silica powder are both manufactured by Sanei Kosan Co., Ltd.) 0.7kg / mTwo And cured. In all of Examples 1 to 6, it was found that good workability and physical properties were obtained as primers and that they could be used favorably. In addition, the adhesion to the overcoat was also good.
Table 1 shows the coating workability of each primer on the substrate and the results of physical properties tests after standing for 24 hours. The test methods and evaluation criteria are as follows.
[0129]
Workability
The coating workability of the primer was evaluated based on the following evaluation criteria.
:: There is no excessive suction to the substrate, no roller mark, and the roller is light. Δ: Suction to the substrate is slightly large.
×: The suction to the substrate is large, or there is a roller mark, and the roller is heavy.
[0130]
Drying at 25 ° C
After applying the primer under the application condition of 25 ° C, the dried and cured state after 40 minutes at 25 ° C was evaluated based on the following evaluation criteria.
A: Hardened without tack.
:: Hardened without tack, but slightly uneven on the surface.
Δ: slightly tacky but hardened.
×: Tack or insufficient curing.
[0131]
Drying at 5 ℃
After applying the primer under the application condition of 5 ° C, the dried and cured state after 5 minutes at 5 ° C was evaluated based on the following evaluation criteria.
◎: Hardened without tack, and the surface was uniform.
:: Hardened without tack, but slightly uneven on the surface.
Δ: Partially tacky, but cured.
×: Tack or insufficient curing.
[0132]
Adhesion with substrate
The Kenken-type adhesive strength was measured for the construction under the above-mentioned construction conditions of 25 ° C. (four days after construction). Unless otherwise specified, all substrates were destroyed. Those described as (world) caused interfacial fracture.
[0133]
Adhesion with wet surfaces
The underlying concrete was exposed to water for 24 hours, and the Kenken-type adhesive strength was measured for the primer (four days after construction) applied on the wet concrete gently wiped under the above-mentioned application conditions of 25 ° C. Unless otherwise specified, all substrates were destroyed. Those described as (world) caused interfacial fracture.
[0134]
Storage stability
The solutions A and B were each allowed to stand in a constant temperature bath at 50 ° C., and the state after two months was observed, and evaluated as follows. However, in Example 7, a mixture of all as a one-pack type was observed.
:: No change in each liquid.
×: At least one of the liquids lost fluidity and gelled.
[0135]
Example 7
As a one-pack type, all of them were blended without distinction between A and B solutions.
According to the same physical property test method and evaluation criteria as in Examples 1 to 6, the workability of applying the primer to the base was evaluated, and a physical property test after standing for 24 hours was performed. The results are shown in Table 1.
[0136]
Comparative Examples 1-4
In the same manner as in Examples 1 to 6, a two-pack type of the A and B liquids was used, and blended and performed as shown in Table 2.
According to the same physical property test method and evaluation criteria as in Examples 1 to 6, the workability of applying the primer to the base was evaluated, and a physical property test after standing for 24 hours was performed. The results are shown in Table 2.
[0137]
[Table 1]
[0138]
[Table 2]
[0139]
In Tables 1 and 2, the isocyanate group concentration, the hydroxyl group concentration, and the NCO group / OH group show values in the mixed liquids of the A and B liquids and other compounding agents.
[0140]
【The invention's effect】
Since the resin composition and the moisture-curable solution of the present invention have the above-mentioned constitution, they have fast-curing properties, and are excellent in performance such as drying property, low-temperature curability, and storage stability. Concrete, mortar, asphalt, and metal Primer composition with excellent adhesion to wood, plastic, cellulosic substrates, glass, and similar substrates commonly used in construction, civil engineering, etc., and also excellent adhesion to wet surfaces It is possible to form a coating material composition suitably used as a product.
Claims (8)
該樹脂組成物は、架橋性(メタ)アクリルシラップを含み、
該架橋性(メタ)アクリルシラップは、重合性二重結合を有する(メタ)アクリル系重合体(A)、及び、重合性単量体(B)を含む
ことを特徴とする樹脂組成物。A resin composition used by mixing with a moisture-curable solution containing a polyisocyanate compound and / or a urethane prepolymer as a main component,
The resin composition contains a crosslinkable (meth) acrylic syrup,
A resin composition characterized in that the crosslinkable (meth) acrylic syrup contains a (meth) acrylic polymer (A) having a polymerizable double bond and a polymerizable monomer (B).
ことを特徴とする請求項1記載の樹脂組成物。The resin composition according to claim 1, wherein the (meth) acrylic polymer (A) includes a (meth) acrylic polymer having a polymerizable double bond and a hydroxyl group.
ことを特徴とする請求項1又は2記載の樹脂組成物。The resin composition according to claim 1, wherein the polymerizable monomer (B) includes a polymerizable monomer having a polymerizable double bond and a hydroxyl group.
該湿気硬化性溶液は、ポリイソシアネート化合物及び/又はウレタンプレポリマーを主成分として含む
ことを特徴とする湿気硬化性溶液。A moisture-curable solution used by mixing with the resin composition according to claim 1, 2, or 3,
The moisture-curable solution comprises a polyisocyanate compound and / or a urethane prepolymer as a main component.
ことを特徴とする被覆材組成物。A coating composition comprising the resin composition according to claim 1, 2 or 3, and the moisture-curable solution according to claim 4.
ことを特徴とする請求項5記載の被覆材組成物。The coating material composition according to claim 5, which is used as a primer composition.
前記樹脂組成物と前記湿気硬化性溶液とを施工前に混合してから塗工する
ことを特徴とする施工方法。A method for applying the coating composition according to claim 5 or 6,
An application method, wherein the resin composition and the moisture-curable solution are mixed before application and then applied.
ことを特徴とする被覆層構造。A coating layer structure comprising a base material and a coating layer formed of the coating material composition according to claim 5 provided thereon.
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