JP3539666B2 - 救急蘇生用気道確保用具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、患者の呼吸に必要な気道確保に用いる気道確保用具に関する。更に詳しくは、気管内チューブや顔マスクを用いることなく、全身麻酔中、又は昏睡状態の、又は、自らは気道確保する上で無力で、上気道を開放保持することの困難な患者(筋無力症や麻痺患者)の気道を確保し、患者が喉頭から気管そして肺へ、空気又は酸素や麻酔ガスを吸入または呼出しやすい気道(エアウェイ)を口腔内から咽腔内にかけて確保するとともに、必要に応じてそれを通じて間欠的加圧人工呼吸をも行えるようにするための医療用気道確保用器具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、麻酔用、救急蘇生用、または重症患者管理用の気道確保のための医療用器具としては、気管内チューブ、経口経鼻エアウェイ、食道−気管エアウェイ、ラリンゲアルマスク(LM)、食道閉鎖式エアウェイ(EOA)、食道胃チューブ付エアウェイ(EGTA)などがあった。
【0003】
気管内チューブを経口的又は経鼻的に患者の気管内に挿入して、これを麻酔器、人工呼吸器、蘇生器につないで使えば、気道確保は確実で、気管内吸引も適宜行いやすく、胃、食道からの逆流物も気道から隔絶され、さらに加圧人工呼吸も必要に応じて支障なく行えるので、最も広く利用されてきた。
【0004】
しかし、この方法は救急救命の目的で緊急時に確実に行おうとすると、直視下の喉頭展開を伴う気管内挿管の操作が、不整脈の発生、胃内容の逆流など重篤な合併症を起こしやすく、危険度の高い、かつ、侵襲度の大きい医療行為であって、この操作に習熟した医師でも、その環境、患者の体位などによっては、実際には容易に行い難いこと、さらに反射作用の強い喉頭や繊細な気管内面の絨毛上皮を、気管内チューブやそのカフで圧迫刺激することにより、後に異物感、喀痰困難などの副作用を招き、ひいては声門浮腫や気管炎などの重篤な合併症を引き起こす危険性の高いことは大きな欠点であり、換気を行うための気道確保を目的として喉頭や気管内に異物を入れることは、できるだけ避けたいというのも医学上の切実な要求となっている。つまり、気管内挿管は、なるべく開胸・上頸部手術など必要やむをえない場合に限りたいのが実情であり、気管内チューブに代わる確実な方法があればこれにこしたことはない。
【0005】
一方、経口エアウェイや経鼻エアウェイは長年広く使われているが、単に挿入したエアウェイの先端部で機械的に舌根を支えて、その沈下によって気道閉塞を防ぐのに役立てようとするもので、その先端部の周縁を支えきれないので十分には役立たないことも多く、また食道から気管への逆流を防げず、更に人工呼吸を行うときには顔マスクを気密に手で保持することを要求されることが大きな欠点であり、使用できる症例の範囲も使用可能な時間も一般に限定される。しかし、気管内チューブのようにその取り扱いに習熟した医師ばかりでなく、看護婦や救急隊員などが広く使えることは重要な利点である。
【0006】
また、食道、気管のいずれに挿管されても送気ルートを選択することにより、換気が行える装置が特開平5−269204号公報、USP4688568号、特開平7−213614号公報に開示され、実用化されている。この装置は食道、気管のいずれかに挿入されてもその挿入場所が確認できれば送気ルートを選択して換気を行えるが、確認を誤まり送気ルートが誤っている場合は換気不可能になるため食道、気管のどちらに挿入されたのかを素早く正確に確認、診断することが必要になる。
【0007】
また、気管内チューブ同様、気管に挿入された場合は重篤な合併症の起こる可能性が高く、この操作に習熟した医師でないと実際には行い難いこともあり、日本では心肺停止患者に対し救急救命士が気道確保のための用具としてこの装置が使われているが、救急救命士には気管内での換気は認められていないのが実情である。また、食道に挿入する場合にも、その長さを気管分岐部までに合わせてあるので、食道深部までは到達せず、しかも、元来、気管に挿入しやすいように材質が硬いまま先端まで弓状の湾曲を形成してあるため、食道前部を傷つけやすく、閉胸心マッサージによる蘇生法を行うと、特に危険である。
【0008】
さらに、英国ロンドンの医師Brainが発明した(英国特許第2,111,394号)、ゴム製のクッション(マスク)を太径の弓状チューブの先に付けた状態で、喉頭口の所にかぶせて使う喉頭マスク(LM)と称するものも、近年日本に導入され、麻酔用や救急蘇生用に使用されている。日本では1983年Br.J.Anaesth.におけるBrainのLaryngeal maskと題する論文、1989年学術誌「麻酔」における天羽らの紹介などによって公知となったため、これにマスク領域に溜まる液体を吸引又はサイフォン方式で体外へ排出する工夫を加えた発明が、特開平2−283378号公報に開示されているが、この形ではまだ市販されていない。
【0009】
LMを使用すると、気管内に異物を挿入する必要が無く、正しく挿入されれば、伏臥位などを除く自発呼吸下の全身麻酔用には便利で、術後の合併症もなく安心して使えるもので世界中で注目されている。欠点は、自発呼吸のない状態での挿入では、換気状態を直ちに観察して適切な位置か否か判断できず、また、クッション(マスク)には方向性が要求されるが、正しい位置に落ち着かせることは必ずしも容易ではなく、患者の体位変換や運搬移動に際してクッション(マスク)がずれて、却って大きく膨らんだクッション(マスク)が気道を閉塞する危険がある。
【0010】
また、咽腔内でクッション(マスク)を喉頭口に気密に押しつける圧力が足りないので、加圧人工呼吸を行う時には、一定以上の気道圧(約20cmH2O以上)になるとクッションの周りにガス漏れが生じて、十分な加圧人工呼吸が行い難いこと、上部食道の閉鎖程度も不十分なので、胃内容物の逆流と気管内への流入(誤飲)も避け切れない点等である。日本では医師のみならず看護婦や救急救命士もLMを使用できるが、救急蘇生用としては陽圧人工呼吸の加圧に限度があるばかりか、正しい挿入の深さや位置の決定に難渋したり、救急の現場あるいは救急車で搬送中に位置ズレが生ずることがあった。
【0011】
更に、気管内挿管時のような喉頭展開を行う必要が無く、盲目的に素早く食道へ挿入して、チューブの先端部の近くに付いたバルーンを食道内で膨らませて食道壁に密着させるとともに、盲端となっているチューブの先端をもって食道下部を閉塞して、胃内容の逆流を防ぐとともに気密性を確保し、チューブの側孔からガスを一旦上部食道内に出してから、喉頭、気管に押し込んで人工呼吸を行う食道閉鎖式エアウェイ(EOA)、及びチューブの先端が開放されて胃内容物を附属の胃チューブで吸引でき、換気ガスはマスクの換気口から口、鼻を通り、チューブの外周を通って食道→喉頭→気管へ通っていく食道胃チューブ付エアウェイ(EGTA)が救急救命士用として広く使用されている。
【0012】
しかし、これは人工呼吸と同時に顔マスクを両手で患者の顔に密着保持しなければ気密を保持できないので、走行中の救急車の中では加圧人工呼吸を十分に行えないという欠点があった。最近はストラップをマスクに取り付け顔面との密着性を改良している。また、構造上、気管内チューブ、ラリンゲアルマスク等と比較すると換気ガスの死腔が多いため、患者からの炭酸ガスの排出が行いにくいという欠点が指摘されている。
【0013】
また、食道閉鎖式エアウェイのこれらの欠点を改良し、マスクを咽頭バルーンに置き換えた装置が特開平6−142205号公報、特願平8−343895号、特願平8−343899号さらに特開平9−24102号公報に開示されている。これらはマスクの固定が要らず、死腔もマスク式より少なくなるためかなり改善され操作性も良くなっている。しかし、チューブの曲げ剛性が不足しているため、換気用のコネクター部分に、救急隊が使用する自動式人工呼吸器(オートベント等)を接続すると、その重みのため門歯から末端側のチューブが折れ曲がり、換気できなくなるため、手で保持したり、人工呼吸器に付いている接続管を長くするなど工夫が必要であった。また、チューブ断面が円形のため誤って気管にチューブが挿入される可能性があった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、比較的重量のある接続部を有する自動式人工呼吸器(オートベント等)を接続してもチューブが折れ曲がらず、また、盲目的に安全に食道に挿入可能であり、顔マスクを使用する必要がなく、気管にチューブが挿入される可能性が少なく、容易に迅速かつ確実に加圧人工呼吸による蘇生を行うことができる救急蘇生用気道確保用具を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、湾曲した本体チューブと、該本体チューブの先端側に付設された食道カフと該本体チューブの該食道カフより後端側に付設された咽頭カフと、該本体チューブの最後端に付設された換気コネクターと、該本体チューブの該咽頭カフより後端に付設された食道カフ用気道チューブと咽頭カフ用気道チューブと、該食道カフ用気道チューブと該咽頭カフ用気道チューブそれぞれの他の一方に付設されたパイロットバルーン及び栓手段よりなり、該本体チューブには、換気ルーメン、胃内圧解放ルーメン、食道カフ用気道ルーメン、咽頭カフ用気道ルーメンが備わっており、該本体チューブ先端は、該胃内圧解放ルーメンのみ開口しており、該食道カフと該咽頭カフとの間には該換気ルーメンに通じる換気側孔があり、該換気コネクターと該換気ルーメンと該換気側孔は連通し、該食道カフの内部と該食道カフ用気道ルーメンと該食道カフ用気道チューブと該食道カフ用気道チューブに接続される該パイロットバルーン及び該栓手段の内部は連通し、また該咽頭カフの内部と該咽頭カフ用気道ルーメンと該咽頭カフ用気道チューブと該咽頭カフ用気道チューブに接続される該パイロットバルーン及び該栓手段の内部は連通しており、該胃内圧解放ルーメンは、該本体チューブの最先端部から該咽頭カフと該換気コネクターの間まで連通し、更に外部へ開口している救急蘇生用気道確保用具において、該本体チューブの断面が、略楕円形状であり、その先端には本体チューブより外径が大きく断面が略楕円形状である先端チップを付設し、かつ該換気コネクターと該咽頭カフの間には凸部および/または凹溝と目盛り手段を設けた補強手段が併設されていることを特徴とする救急蘇生用気道確保用具である。

【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面により本発明を具体的に説明する。
図1は、本発明の一実施例となる救急蘇生用気道確保用具の側面図を示す。図2は、本発明の換気用側孔付近の断面図であり、(a)は、図1に示す実施例のA−A’断面図で(b)、(c)、(d)は、その他の実施例を示す。図3は、本発明の補強手段付近の断面図であり、(a)は、図1に示す実施例のB−B’断面図で、(b)は、その他の実施例を示す。
【0017】
図1より本体チューブ(1)は、口腔から食道に挿入される弓状に湾曲したチューブであり、場合により、断面形状を楕円形状にすることもある。食道は元来、前後に扁平であり、必要により前後に伸びて円柱になるので、横に扁平な楕円状のチューブを入れるのは理にかなっているといえる。また、図2の(a)に示すとおり、本体チューブ(1)には換気ルーメン(2)、食道カフ用気道ルーメン(3)、咽頭カフ用気道ルーメン(4)、胃内圧解放ルーメン(5)がある。前記の各ルーメンの配置は、必要断面積、強度、加工効率、成形性を考慮した上で決定されるものであるが、これらの必要要素が満たされれば、配置自体に限定はない。
【0018】
また、図2の(a)、図2の(b)では前記の各ルーメンが1体の多ルーメンチューブとしているが、図2の(c)、図2の(d)のように、1ルーメンないし複数ルーメンのチューブを複数組み合わせた構造としても良い。換気ルーメン(2)は後端部で解放され換気コネクター(6)が取り付けられ、その先端部は封止されているので、換気コネクター(6)に接続された蘇生器から送られる吸気は換気ルーメン(2)から食道カフ(7)と咽頭カフ(8)の間にある換気側孔(9)を通って食道内から喉頭を経て気管内に送られ、気管内の空気は呼気として換気側孔(9)を通って換気ルーメン(2)をから蘇生器に送られる。
【0019】
食道カフ用気道ルーメン(3)は基端部側には栓手段(10)とパイロットバルーン(11)の付いた食道カフ用気道チューブ(12)が接続され、先端側は封止され、栓手段(10)から注入した空気はパイロットバルーン(11)、食道カフ用気道チューブ(12)、食道カフ用気道ルーメン(3)を通り、本体チューブ(1)に取り付けられた食道を閉鎖するための食道カフ(7)内に開口している側孔より食道カフ(7)内に流出される。パイロットバルーン(11)は注入された空気によるバルーンの膨張度合いを体外で確認するため使用される。
【0020】
同様に咽頭カフ用気道ルーメン(4)は基端部側には栓手段(10)とパイロットバルーン(11)の付いた咽頭カフ用気道チューブ(13)が接続され、先端側は封止され、栓手段(10)から注入した空気はパイロットバルーン(11)、咽頭カフ用気道チューブ(13)、咽頭カフ用気道ルーメン(4)を通り、本体チューブ(1)に取り付けられた咽頭を閉鎖するための咽頭カフ(8)内に開口している側孔より咽頭カフ(8)内に流出される。胃内圧解放ルーメン(5)は、先端が開口しており、また、咽頭カフ(8)と換気コネクター(6)との間で補強手段(14)を通して設けられた通気口(16)により外部に開放されており、胃・食道内の膨満ガス・内容物を体外に逃がすができる。
【0021】
また、本体チューブ(1)は患者の体格にあった長さと太さに形成され、通常の室温と体温で適度の柔軟性と弾性を有しており、その形成材料としては通常、合成樹脂の例えば軟質塩化ビニル樹脂やシリコーンゴム、ポリウレタン等が好適に使用される。換気コネクター(6)は本体チューブ(1)の最後端に取り付けられ、蘇生器等が直接接続できるように、通常、合成樹脂製のもの(国際的には直径15mm、テーパ1/40と決められている)としている。
【0022】
食道カフ(7)は本体チューブ(1)の先端側に取り付けられている。食道カフ(7)は食道の下部を気密に閉鎖するもので、気密性をよくするためにゴム状弾性体の例えば天然ゴムや、イソプレンゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、エチレン−プロピレンゴム等の合成ゴム、その他の軟質塩化ビニル樹脂などの合成樹脂やエラストマーを用いて円筒状に形成される。また、その膜は内圧がない状態で挿入するときは本体チューブ(1)の壁に密着して食道内への挿入の邪魔にならないことが重要である。
【0023】
咽頭カフ(8)は本体チューブ(1)の食道カフ(7)より後端側に取り付けられている。咽頭カフ(8)は咽頭上部から口腔にかけての壁に沿ってこの部分を気密に閉鎖するものであり、これを膨らませたときに咽頭の複雑な形状に追随してその壁に密着しながらも壁を強く圧迫することが無いように、合成樹脂の例えばポリエチレンやポリエステル、軟質塩化ビニル樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタンなどの比較的柔らかい樹脂を用いて円筒状に形成される。咽頭カフ(8)は膨張させたとき咽頭壁を強く圧迫して咽頭壁の組織を損傷しないように、食道カフ(7)と比べてゴム状弾性の小さい材料で形成されているので、その内圧までの間欠的加圧人工呼吸を行った際に、この柔らかくて大きいバルーンの内圧が気道内陽圧に負けないようにバルーンが変形する。間欠的人工呼吸の陽圧がピークに達する度に幾分歪んでガスは漏れず、ずれもしない。
【0024】
そのため、気密性と固定性を良くするために咽頭カフ(8)を食道カフ(7)よりも長手方向及び横方向に大きく膨らむように形成している。咽頭カフ(8)と本体チューブ(1)の間の空間の容積は、体格によって決められた容量の空気を20〜40cmH2Oの圧力で注入したときに、丁度満杯になるような大きさになっている。限定されるものではないが、咽頭カフ(8)に注入される圧力20〜40cmH2Oの空気量は、例えば、大人の場合は50〜150mlであり、子供の場合は30〜60mlである。
【0025】
栓手段(10)は、注入した空気が逆流しないように逆流防止手段例えば逆止弁や活栓又は止め栓等が使用される。実施例図1では一方弁を取り付けたものを示した。
食道カフ用気道チューブ(12)、咽頭カフ用気道チューブ(13)は合成樹脂の例えば軟質塩化ビニル樹脂やシリコーンゴム、ポリウレタン、ポリエチレン等で小径に形成されている。パイロットバルーンの形成材料は通常、合成樹脂の例えば軟質塩化ビニル樹脂やシリコーンゴム、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリエステルなどが好適である。
【0026】
補強手段(14)は、咽頭カフ(8)と換気コネクター(6)との間に設けられている。この補強手段(14)は、換気コネクター(6)に、自動式人工呼吸器(オートベント等)の比較的重量のある接続部を接続しても本体チューブ(1)が折れ曲がらないように、咽頭カフ(8)より後端側の本体チューブ(1)に強度を持たせたものである。図3の(a)は図1に示す実施例のB−B’断面図である。本実施例では、補強手段(14)は、図3の(a)のように、咽頭カフ(8)と換気コネクター(6)の間で、本体チューブ(1)に被さるように装着させている。
【0027】
更に補強手段(14)は、本発明の患者への挿入位置を把握するための目盛り手段(15)が設けられており、本実施例では、この目盛り手段(15)と門歯を合わせるようにして、患者への挿入深さの目安とするようにしている。ここで、目盛り手段(15)は補強手段(14)への凹溝、あるいは凸段差、印刷等が考えられるが限定されない。補強手段(14)は、自動式人工呼吸器(オートベント等)の比較的重量のある接続部を接続させても本体チューブ(1)が折れ曲がらない程度の曲げ剛性を備えており、その形成材料としては通常、合成樹脂の例えば軟質塩化ビニル樹脂やシリコーンゴム、ポリウレタン等が好適に使用される。
【0028】
更に、患者の搬送中に、本発明の位置ずれが生じないように、図1、図3の(a)に示す補強手段(14)に、凸部を設け、マウスピース、あるいやバイトブロックのように本発明を口腔内に固定する手段や、補強手段(14)に、凹溝を設け門歯をひっかけ固定する手段を用いることもある。
【0029】
図3の(b)は図3の(a)以外の補強手段(14)であるが、このように、本体チューブ(1)の内部に補強手段(14)を埋め込む手段も好適である。この場合の補強手段(14)は、棒状のものであり本体チューブ(1)の壁内に内蔵するか、あるいは内腔内に貼り付けるなどの形態とし、本数、形状、材質は、限定はしないが、合成樹脂では硬質塩化ビニル樹脂、ウレタン樹脂、ABS樹脂、フッ素樹脂等、金属ではステンレス鋼、チタニウム合金等が好適である。
【0030】
先端チップ(17)は本体チューブ(1)の先端に取り付けられることがある。これは、本発明を患者に挿入させる際に、本発明の先端で口腔内や食道壁を傷つけることを防ぐことを目的としている。本実施例では、先端チップ(17)の形状は可能の限り角のない丸みをおびたもので、本体チューブ(1)の胃内圧解放ルーメン(5)と連通し、先端で開口している流路を設けている。その開口部は端に設けると鋭角の角が生じてしまうので、角が極力生じにくくなるよう中央に配置することが望ましい。また、本発明の主な使用者と想定する救急救命士は、その特定行為の中で、気管への用具挿入が法で禁じられている背景があり、本実施例では、本発明を盲目的に患者に挿入する際に気管に入らないように、先端チップ(17)を本体チューブ(1)より外径を更に大きくしている。その形状は、気管の入口である喉頭口へ挿入不能で、かつ食道へは抵抗なく挿入可能な、横幅の楕円断面としている。先端チップ(17)の材質は比較的柔らかい軟質塩化ビニル樹脂やシリコーンゴム、ウレタン樹脂などが好適としている。
【0031】
【発明の効果】
本発明の救急蘇生用気道確保用具を使用することにより、比較的重量のある接続部を有する自動式人工呼吸器(オートベント等)を接続してもチューブが折れ曲がらず、また、先端が横長の楕円形状であるので気管に誤って挿入される危険が少なく、口腔から食道まで容易に挿入できて、選択的にバルーンを膨張し、下部は食道を閉鎖し、上部は咽頭部で口腔・鼻腔の通路を閉鎖して換気操作をおこなえ、更に安全で、確実で、使用し易く、緊急時に使用するための挿入しやすい気道確保用具として極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例となる救急蘇生用気道確保用具の側面図である。
【図2】本発明の換気用側孔付近の断面図であり、(a)は図1に示す実施例のA−A’断面図で、(b)、(c)、(d)はその他の実施例である。
【図3】本発明の補強手段付近の断面図であり、(a)は図1に示す実施例のB−B’断面図で、(b)はその他の実施例を示す。
【符号の説明】
1 本体チューブ
2 換気ルーメン
3 食道カフ用気道ルーメン
4 咽頭カフ用気道ルーメン
5 胃内圧解放ルーメン
6 換気コネクター
7 食道カフ
8 咽頭カフ
9 換気側孔
10 栓手段
11 パイロットバルーン
12 食道カフ用気道チューブ
13 咽頭カフ用気道チューブ
14 補強手段
15 目盛り手段
16 通気口
17 先端チップ

Claims (1)

  1. 湾曲した本体チューブと、該本体チューブの先端側に付設された食道カフと該本体チューブの該食道カフより後端側に付設された咽頭カフと、該本体チューブの最後端に付設された換気コネクターと、該本体チューブの該咽頭カフより後端に付設された食道カフ用気道チューブと咽頭カフ用気道チューブと、該食道カフ用気道チューブと該咽頭カフ用気道チューブそれぞれの他の一方に付設されたパイロットバルーン及び栓手段よりなり、該本体チューブには、換気ルーメン、胃内圧解放ルーメン、食道カフ用気道ルーメン、咽頭カフ用気道ルーメンが備わっており、該本体チューブ先端は、該胃内圧解放ルーメンのみ開口しており、該食道カフと該咽頭カフとの間には該換気ルーメンに通じる換気側孔があり、該換気コネクターと該換気ルーメンと該換気側孔は連通し、該食道カフの内部と該食道カフ用気道ルーメンと該食道カフ用気道チューブと該食道カフ用気道チューブに接続される該パイロットバルーン及び該栓手段の内部は連通し、また該咽頭カフの内部と該咽頭カフ用気道ルーメンと該咽頭カフ用気道チューブと該咽頭カフ用気道チューブに接続される該パイロットバルーン及び該栓手段の内部は連通しており、該胃内圧解放ルーメンは、該本体チューブの最先端部から該咽頭カフと該換気コネクターの間まで連通し、更に外部へ開口している救急蘇生用気道確保用具において、該本体チューブの断面が、略楕円形状であり、その先端には本体チューブより外径が大きく断面が略楕円形状である先端チップを付設し、かつ該換気コネクターと該咽頭カフの間には凸部および/または凹溝と目盛り手段を設けた補強手段が併設されていることを特徴とする救急蘇生用気道確保用具。
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