JP3538638B2 - 6軸力センサ及びこれを用いた6軸力の計測方法 - Google Patents

6軸力センサ及びこれを用いた6軸力の計測方法

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JP3538638B2 JP2001017239A JP2001017239A JP3538638B2 JP 3538638 B2 JP3538638 B2 JP 3538638B2 JP 2001017239 A JP2001017239 A JP 2001017239A JP 2001017239 A JP2001017239 A JP 2001017239A JP 3538638 B2 JP3538638 B2 JP 3538638B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、6軸力それぞれの
力を分散して受けることができる機構を有する6軸力セ
ンサおよびこれを用いた軸力の計測方法に関し、例え
ば、ロボットの歩行着地時に脚部で発生する6軸力を測
定する6軸力センサおよびこれを用いた軸力の計測方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】6軸力とは、それぞれ直交した3軸
(x,y,z)方向の並進力と、各軸周りのモーメント
とを表している。一般的な6軸力センサは、力の成分に
対して感度の異なる歪部を複数配置し、これら歪部の歪
量を歪ゲージによって測定して各軸力を計測している。
この中でも代表的な6軸力センサは、3組の平行平板状
の構造を直列に3つ組み合わせたものがある。これは、
力の成分に対する感度の異なる歪部を複数配置し、その
歪量を歪ゲージによって測定することにより、各軸力を
計測するという方法が用いられている。このように、歪
部を直列に組み合わせた構成では、全ての計測部に全て
の力がかかることとなる。そのため、非測定成分の力に
対する剛性を高くする必要がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな6軸力センサは、各軸力間の多成分の力が干渉する
という欠点を有する。
【0004】そこで、本発明の他の目的は、各軸方向の
並進力および各軸周りのモーメントが干渉されないよう
に計測することができる、6軸力センサを提供すること
にある。
【0005】また、本発明の他の目的は、それぞれ直交
した3軸方向にかかる並進力を測定し、これら並進力か
ら各軸周りのモーメントを算出し、6軸力を計測する方
法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、それぞれ直交した3軸方向の並進力と、これら3軸
周りのモーメントとを出力して物体が移動するときの反
力を計測する6軸力センサであって、ロッドの一端もし
くは両端に球体もしくは多面体が設けられた起歪体と、
前記球体もしくは多面体に前記3軸方向で接触し、それ
ぞれの軸方向に歪ゲージが設けられた検出部とからなる
計測部を具備し、前記起歪体に発生した応力が前記各検
出部に伝達され、前記歪ゲージを用いて前記3軸方向の
電気信号変化を検出し、各軸方向の並進力を測定する手
段と、これら並進力、並びにこれら並進力により導かれ
る各軸周りのモーメントを出力する手段とを備え、前記
反力を計測してなる。
【0007】このような構成とすることにより、各軸方
向の並進力のみを測定することができるので、他の成分
に干渉されず、より正確な軸力を測定することができ
る。
【0008】また、上記課題を解決するために、前記計
測部は、少なくとも3つ備えられており、これら計測部
は、一直線上にない。
【0009】このような構成とすることにより、各軸方
向の並進力の合力、並びに各軸周りの合モーメントを計
測することができ、また、移動重心ZMP(Zero
Moment Point)を測定することができる。
【0010】さらに、上記課題を解決するために、前記
検出部は、少なくとも前記球体もしくは多面体と接触す
る部分が平坦となっており、前記球体もしくは多面体に
対して点接触されている。
【0011】このような構成とすることにより、前記球
体もしくは多面体と検出部とが点接触されているので、
他の軸方向の並進力や各軸周りのモーメント成分の干渉
をより受けにくくすることができる。
【0012】さらに、上記課題を解決するために、ロッ
ドの一端もしくは両端に球体もしくは多面体が設けられ
た起歪体と、各起歪体にそれぞれ接触され、それぞれ歪
ゲージを装着された直交した3軸の検出部とからなる、
少なくとも3つの計測部を備えた6軸力センサの6軸力
の計測方法は、前記起歪体に発生した応力が、前記3軸
方向の前記検出部に伝達される工程と、これら検出部に
装着された前記歪ゲージを用いて3軸方向の電気抵抗変
化を検出し、所定の操作を用いて各軸方向の並進力に変
換する工程と、これら並進力を用いて各軸周りのモーメ
ントを算出する工程とを具備する。
【0013】このような方法とすることにより、各軸方
向の並進力の合力、及び各軸周りの合モーメントとの6
軸力を測定することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施の形態について説明する。
【0015】まず、第1の実施の形態について、図1な
いし3を用いて説明する。本発明の第1の実施の形態に
かかる6軸力センサの一部分(計測部1)の構成は、図
1に示されている。この6軸力センサの計測部1は、ロ
ッド2の先端に、好ましくはほぼ球形の球体3が設けら
れた起歪部4と、この球体3に対して点接触され、それ
ぞれ直交した3軸方向に設けられた、前記球体と接触す
る部分が少なくともほぼ平坦となっている検出部5,
6,7とを有する。この起歪部4は、荷重が入力される
と変形し、各検出部5,6,7へとこの変形による応力
が伝達される。また、これら検出部5,6,7には、そ
れぞれの軸方向の歪を測定することができる歪ゲージ
(図示せず)が設けられており、これら歪ゲージに伝達
された応力によって生じる各歪ゲージの電気抵抗値(電
気信号)の変化が、周知のブリッジ回路(図示せず)を
介して電圧値として出力される。これら出力は、所定の
処理回路(図示せず)などによって変換され、各軸方向
の並進力が出力される。以下、このような周知の変換技
術を所定の操作という。
【0016】また、100kgf(約1kN)以上の力
に耐え得るように、起歪部の球体3としては、高炭素ク
ロム軸受け鋼、浸炭焼き入れ済のベアリング用の鋼球な
どで成形されることが好ましく、前記球体3と一体的に
形成されるか、適当な手段によって接続されたロッド2
としては、同様な剛性を有する鋼によって成形されるこ
とが好ましい。さらに、検出部5,6,7としては、球
体3と同様な表面固さを有するように処理された、例え
ばダイス鋼で成形されることが好ましい。
【0017】これら鋼の表面硬さは、センサの上に載置
される、例えば、ロボットの体重の2ないし3倍程度の
力が加えられても、球体3および検出部5,6,7に窪
みや割れ、大きな変形などが生じないような硬さを有す
ることが好ましい。このような材料を用いることによっ
て、6軸力センサは、計測部の剛性が高くなるので、軽
量化、小型化を図りながらも、人間程度の重量に対し
て、あるいは歩行時の衝撃力に対して破壊されにくくな
る。
【0018】さらに、球体3と検出部5,6,7との間
には、これらの間の滑りを良くするためのグリースが塗
布されていてもよい。また、起歪部の先端は、ほぼ球形
としたが、検出部と点接触するものであれば、ある定点
からの距離が一定とはならないような多少歪んだ球体も
しくは多面体でもよい。
【0019】次に、このような計測部1を8つ(Aない
しD、およびOないしR)有する場合の6軸力センサを
図2および3を用いて説明する。例えば、人間型ロボッ
トの脚にこの6軸力センサを装着する場合、床から反力
を受ける足裏側に検出部を固定し、足首の関節側に起歪
部を固定することが好ましい。
【0020】このような8つの計測部から構成された6
軸力センサを例として、6軸力を計測する。図2におい
て、計測部の配置は、正6面体であり、ロボットなどの
本体に対しては、例えば、正6面体の中心部で固定され
ているものとする。さらに、各計測部には、図2および
3に示されているように、それぞれ直交した3軸方向に
それぞれ(Ax,−Ay,Az)、(Bx,By,B
z)、…、(−Rx,−Ry,−Rz)の力が与えられ
ているものとし、各検出部に設けられた各軸方向の歪を
計測する歪ゲージ(図示せず)を用い、さらに所定の操
作を施して各軸方向の並進力を測定する。従って、例え
ば、x軸方向の並進力の合力Fxは以下のように表され
る。
【0021】Fx=Ax+Bx+Cx+Dx−Ox−P
x−Qx−Rx 同様にして、それぞれy軸方向、z軸方向の合力Fy,
Fzも表すことができる。
【0022】また、それぞれ直交した3軸の中心から各
検出部までの距離をr、この中心と各検出部とを結んだ
直線と、これら検出部の受けている力の方向のなす角と
を例えばθAzとすると、x軸周りの合モーメントMx
は、以下のように表される。
【0023】Mx=rAzsinθAz+rAysin
θAy+…+rRzsinθRz+rRysinθRy 同様にして、それぞれy軸方向、z軸周りの合モーメン
トMy,Mzも表すことができる。即ち、6軸力が計測
される。
【0024】次に、第2の実施の形態について、図4な
いし15を用いて説明する。この第2の実施の形態で
は、この6軸力センサを人間型ロボットの脚に装着する
ことによって、二足で歩行した場合に生じる床からの反
力を計測する6軸力センサのアプリケーションについて
記述する。
【0025】まず、ロボットの体に対して、それぞれ直
交した3軸の前後方向をx軸方向、左右方向をy軸方
向、鉛直方向をz軸方向とする。また、各軸方向の並進
力の合力をそれぞれFx,Fy,Fz、各軸周りの合モ
ーメントをそれぞれMx,My,Mzとする。この場
合、ロボットの足が床につく際には、6軸力のうち、F
z,Mx,Myが増加する。図4に示されているよう
に、4つの計測部をロボットの足裏と同じか、多少大き
な長方形の角付近に採ってロボットを支持する構造とし
て、Fzの値に対するMx,Myの誤差を小さくする。
このような構造とすると、6軸力センサの軽量化、小型
化を図ることが可能であるので薄く設計することができ
るため、人間型ロボットもしくは人間の歩行に対する床
からの反力の計測においても有利となる。
【0026】図4および5は、ロボットに装着すること
ができる6軸力センサの構造を示している。図4の
(B)に示されているように、この6軸力センサ10
は、ロボットの足裏に装着されるトッププレート11
と、直立時および歩行時に床から反力(衝撃)を受ける
ボトムプレート12とを有する。また、図4の(A)に
おいては、内部の図示のために、このトッププレート1
1は外されている。図4の(A)において、トッププレ
ート11があると仮想し、このトッププレート11の中
心をそれぞれ直交した3軸の中心とし、この中心に対し
て、図中、左右方向をx軸方向、上下方向をy軸方向、
紙面に対して垂直方向をz軸方向とする。さらに、この
トッププレート11には、y軸方向に延びて互いに離間
した2本の直方体の角材13,14が装着されている。
これら角材13,14の間には、これら角材13,14
の間の距離よりも少し長く、これら角材13,14をそ
れぞれ貫通してx軸方向に延びたロッド15が中央に配
置され、このロッド15は、両端がナット16,17で
留められて、角材13,14に固定されている。さら
に、これら角材13,14の間には、x軸方向に延び、
互いに離間された2本のロッド18,19が配置されて
いる。これら2本のロッド18,19の断面は、円形と
なっており、前記角材13,14付近でテーパ状に広が
っている。また、これらロッド18,19が前記角材と
接触する部分は、ほぼ平坦に成形されている。さらに、
これらロッド18,19は、角材13,14を貫通して
延びており、これらロッド18,19の両端にはそれぞ
れ球体20,21,22,23が設けられている。
【0027】また、ボトムプレート12には、図5に示
されているような、y,z方向にのみ歪を与えることが
できる検出部となっている構造体24,25が設けられ
ている。特に、y方向の歪を測定する歪ゲージ26およ
びz方向の歪を測定する歪ゲージ27は、図示されてい
るように装着されている。これら構造体24,25は、
前記球体20,21,22,23を覆うように設けられ
ており、これら球体20,21,22,23が、構造体
24,25に対して接触している。さらに、これら構造
体24,25の外方には、x軸方向にのみ歪を与えるこ
とができ、この方向の歪を測定する歪ゲージ(図示せ
ず)が装着されている構造体28,29が設けられてい
る。
【0028】また、この6軸力センサ10は、第1の実
施の形態と同様に、100kgf(約1kN)以上の力
に耐え得るように、これら球体20,21,22,23
としては、高炭素クロム軸受け鋼、浸炭焼き入れ済のベ
アリング用の鋼球などで成形されることが好ましく、こ
れら球体20,21,22,23と一体的に形成される
か、適当な手段によって接続されたロッド18,19と
しては、同様な硬さおよび剛性を有する鋼によって成形
されることが好ましい。さらに、構造体24,25,2
8,29としては、これら球体20,21,22,23
と同様な表面固さを有するように処理された、例えばダ
イス鋼で成形されることが好ましい。
【0029】これら鋼の表面硬さは、センサの上に載置
されるロボットの体重の2ないし3倍程度の力が加えら
れても、これら球体20,21,22,23および構造
体24,25,28,29に窪みや割れ、大きな変形な
どが生じないような硬さを有することが好ましい。本実
施の形態においては、球体20,21,22,23は、
例えば、表面硬さHRCが62ないし67の高炭素クロ
ム軸受け鋼を用い、構造体24,25,28,29は、
表面硬さHRCが65のダイス鋼を用いている。
【0030】このような材料を用いることによって、6
軸力センサは、計測部の剛性が高くなるので、軽量化、
小型化を図りながらも、人間程度の重量に対して、ある
いは歩行時の衝撃に対して破壊されにくくなる。
【0031】6軸力は、所定の荷重を入力することがで
きるフォースゲージ(図示せず)を用いて、例えば、図
6に示されているような6軸力センサ10上の位置およ
び方向(Cond.1,Cond.2)に力を入力する
ことによって計測される。図中、Cond.1は、トッ
ププレート11上であり、Cond.2は、計測部より
もやや上方のこの6軸力センサ10の側部である。ま
ず、Cond.1の点にz軸方向下向きに図7に示され
ているような実線、破線、および点線となるように力を
入力した。この実線はFx、破線はFy、点線はFzを
表している。また、このような力に対するモーメント
は、所定の操作によって算出され、図8に示されている
ように、実線、破線、および点線として表されている。
この実線はMx、破線はMy、点線はMzを表してい
る。このフォースゲージを用いて入力された荷重に対す
る6軸力センサ10の出力は、図7および8に示されて
いるようなプロットによって表されている。これら図に
示されているように、Fzはフォースゲージによって入
力された荷重の増加に伴って増加したものの、Fx,F
yは、ほぼ0であった。また、所定の操作によって算出
された3軸周りのモーメントは、Mx,Myが荷重に応
じて増加したが、Mzは、ほぼ0であった。これら測定
した値は、フォースゲージを用いて入力された力と良く
一致(平均誤差は、Fz=0.56kgf(約5.49
N),Mx=0.080kgf・m(約0.785N・
m),My=0.038kgf・m(約0.373N・
m))しているので、この6軸力センサ10は、所望の
6軸力を計測している。
【0032】また、図6に示されているCond.2の
点に、y軸正の方向に図9の実線、破線、および点線と
なるように力を入力した。この実線はFx、破線はF
y、点線はFzを表している。また、このような力に対
するモーメントは、所定の操作によって算出され、図1
0に示されているように、実線、破線、および点線とし
て表されている。この実線はMx、破線はMy、点線は
Mzを表している。このフォースゲージを用いて入力さ
れた荷重に対する6軸力センサ10の出力は、図9およ
び10に示されているようなプロットによって表されて
いる。これら図示されているように、Fyはフォースゲ
ージによって入力された荷重の増加に伴って増加したも
のの、Fx,Fzは、ほぼ0であった。また、所定の操
作によって算出された3軸周りのモーメントは、Mz,
Mzが荷重に応じて増加したが、Myは、ほぼ0であっ
た。これら測定した値は、フォースゲージを用いて入力
された力と良く一致(平均誤差は、Fy=0.26kg
f(約2.55N),Mx=0.054kgf・m(約
0.530N・m),Mz=0.128kgf・m(約
1.26N・m))しているので、この6軸力センサ1
0は、所望の軸力を計測している。即ち、この6軸力セ
ンサ10は、目的とする各軸方向の並進力のみ測定し、
他の軸方向の並進力や各軸周りのモーメントの干渉をほ
とんど受けないことが示されている。
【0033】さらに、図11に示されているように、こ
の6軸力センサ10のトッププレート11に3×4の格
子を仮想した。この格子の各点にフォースゲージを用い
て入力した力の大きさと、このセンサ10を用いて計算
された移動重心ZMPの位置との平均誤差は、例えば、
図12(図11中、最も左上の格子点に力を入力した)
に示されているように、この6軸力センサ10にかかる
力が小さいときには、非常に大きな誤差が生じたが、人
間程度の体重に近くなるように、このセンサ10にかか
る力が大きくなったときには、ZMP位置の誤差は小さ
くなり、数mm程度に抑えられ得る。図11に示されて
いるように、この6軸力センサ10のトッププレート1
1の格子点に10kgf(約0.1kN)以上の力を入
力された場合のZMP位置の誤差は、小さく抑えられ
る。
【0034】これらZMP位置の変化を計測するため
に、4つの計測部を有する6軸力センサを示したが、こ
れら計測部が一直線上に配置されていなければ、これら
計測部は少なくとも3つあればよく、足裏のZMP位置
を計測することができるように配置されていることが好
ましい。
【0035】次に、この6軸力センサ10を用いて実際
の人間型ロボットを用いる代わりに、人間の歩行に対す
る軸力を計測し、さらにこの歩行によって移動するZM
Pを測定する。ここで人間の前向き方向は、x軸の負の
方向である。約1.6秒周期の歩行による各軸方向の並
進力の測定結果を図13に示し、各軸周りのモーメント
の測定結果を図14に示している。ここで、図13中の
実線はFx、破線はFy、点線はFzを表している。ま
た、図14中の実線はMx、破線はMy、点線はMzを
表している。図13に示されているように、Fzは、最
大約65ないし70kgf(約0.63ないし0.69
kN)の荷重がかけられている。図14に示されている
ように、My,Mzは、負から正の値に、Mxは、正か
ら負の値に変化しており、また、Myは、Mx,Mzに
比べて非常に大きなモーメントを有する。
【0036】また、図15には、各軸の並進力、および
各軸周りのモーメントの測定結果と、これら並進力およ
びモーメントが生じた時刻と同時刻に生じていた計算さ
れたZMP位置とを示している。ここで、実線はx軸方
向のZMP位置の変化を表し、破線はy軸方向のZMP
位置の変化を表している。このZMPは、片足支持時に
後ろから前に、および右から左に向かって移動している
ことが示されている。この6軸力センサ10は、このよ
うにZMPを測定することができるので、ロボットの重
心を逐一把握することができ、歩行の安定化に役立ち得
る。
【0037】さらに、本実施の形態によれば、人間もし
くは人間程度の重量を有するロボットの歩行着地時にか
かる荷重や衝撃にも破壊されることなく、6軸力および
ZMPを計測することが可能である。
【0038】また、この6軸力センサをロボットの代わ
りに人間の足に装着して試したが、この6軸力センサを
ロボットの手や関節などに使用してもよく、また、床な
どに埋め込んだり、並べたりすることによって、ある程
度の重量を有する人間、ロボット、もしくは他の生命体
の歩行着地時にかかる力(6軸力)を計測することも可
能である。
【0039】さらに、これら実施の形態では、このセン
サを床からの反力を測定するものとして記述したが、そ
の他、反力がかかる状態であれば、これら実施の形態に
限定されるものではない。
【0040】これまで、いくつかの実施の形態について
図面を参照しながら具体的に説明したが、本発明は、上
述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨
を逸脱しない範囲で行なわれるすべての実施を含む。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる計
測部を示す図である。
【図2】図2は、本発明の第1の実施の形態にかかる、
それぞれ直交した3軸方向に並進力を有する、8つの計
測部が設けられた6軸力センサの概略を示す斜視図であ
る。
【図3】図3は、本発明の第1の実施の形態にかかる、
図2を側方から見た図である。
【図4】図4の(A)および(B)は、本発明の第2の
実施の形態にかかる、床からの反力を計測する6軸力セ
ンサの上面および正面の概略を示す図である。
【図5】図5は、本発明の第2の実施の形態にかかる、
y,z方向にのみ歪を与え、これらを計測する構造体を
示す図である。
【図6】図6は、本発明の第2の実施の形態にかかる、
6軸力センサの性能を調べるためのフォースゲージの入
力位置および方向を示す図である。
【図7】図7は、本発明の第2の実施の形態にかかる、
図6に示すCond.1に力を入力した場合の各軸方向
の並進力を測定した図である。
【図8】図8は、本発明の第2の実施の形態にかかる、
図6に示すCond.1に力を入力した場合の各軸周り
のモーメントを測定した図である。
【図9】図9は、本発明の第2の実施の形態にかかる、
図6に示すCond.2に力を入力した場合の各軸方向
の並進力を測定した図である。
【図10】図10は、本発明の第2の実施の形態にかか
る、図6に示すCond.2に力を入力した場合の各軸
周りのモーメントを測定した図である。
【図11】図11は、本発明の第2の実施の形態にかか
る、各格子点に入力した力に対するZMPの移動経路を
示す図である。
【図12】図12は、本発明の第2の実施の形態にかか
る、格子点に所定の力を入力したときのZMPの誤差を
示すグラフである。
【図13】図13は、本発明の第2の実施の形態にかか
る、人間が歩行したときの時間軸に対する6軸力センサ
に入力された各軸方向の並進力を示すグラフである。
【図14】図14は、本発明の第2の実施の形態にかか
る、人間が歩行したときの時間軸に対する6軸力センサ
で測定された各軸周りのモーメントを示すグラフであ
る。
【図15】図15は、本発明の第2の実施の形態にかか
る、人間が歩行したときの時間軸に対するZMP位置の
変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1…計測部、2…ロッド、3…球体、4…起歪部、5,
6,7…検出部、10…6軸力センサ、11…トッププ
レート、12…ボトムプレート、13,14…角材、1
5…ロッド、16,17…ナット、18,19…ロッ
ド、20,21,22,23…球体、24,25…構造
体、26,27…歪ゲージ、28,29…構造体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−52731(JP,A) 特開 平8−248059(JP,A) 特開 平6−27133(JP,A) 特表 平11−511244(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01L 5/16 B25J 19/02

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれ直交した3軸方向の並進力と、
    これら3軸周りのモーメントとを出力して物体が移動す
    るときの環境との間に働く反力を計測する6軸力センサ
    であって、 ロッドの一端もしくは両端に球体もしくは多面体が設け
    られた起歪体と、前記球体もしくは多面体に前記3軸方
    向で接触し、それぞれの軸方向に歪ゲージが設けられた
    検出部とからなる計測部を具備し、 前記起歪体に発生した応力が前記各検出部に伝達され、
    前記歪ゲージを用いて前記3軸方向の電気信号変化を検
    出し、各軸方向の並進力を測定する手段と、これら並進
    力、並びにこれら並進力により導かれる各軸周りのモー
    メントを出力する手段とを備え、前記反力を計測してな
    る6軸力センサ。
  2. 【請求項2】 前記計測部は、少なくとも3つ備えられ
    ており、これら計測部は、一直線上にない請求項1に記
    載の6軸力センサ。
  3. 【請求項3】 前記検出部は、少なくとも前記球体もし
    くは多面体と接触する部分が平坦となっており、前記球
    体もしくは多面体に対して点接触されている請求項1も
    しくは2に記載の6軸力センサ。
  4. 【請求項4】 ロッドの一端もしくは両端に球体もしく
    は多面体が設けられた起歪体と、各起歪体にそれぞれ接
    触され、それぞれ歪ゲージを装着された直交した3軸方
    向に設けられた検出部とからなる、少なくとも3つの計
    測部を備えた6軸力センサを用いた6軸力の計測方法で
    あって、 前記起歪体に発生した応力が、前記3軸方向の前記検出
    部に伝達される工程と、 これら検出部に装着された前記歪ゲージを用いて前記3
    軸方向の電気抵抗変化を検出し、各軸方向の並進力に変
    換する工程と、 これら並進力を用いて各軸周りのモーメントを算出する
    工程とを具備して6軸力を計測する6軸力の計測方法。
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