JP3537532B2 - マイクロ波プラズマ発生装置 - Google Patents

マイクロ波プラズマ発生装置

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JP3537532B2 JP10014495A JP10014495A JP3537532B2 JP 3537532 B2 JP3537532 B2 JP 3537532B2 JP 10014495 A JP10014495 A JP 10014495A JP 10014495 A JP10014495 A JP 10014495A JP 3537532 B2 JP3537532 B2 JP 3537532B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プラズマ発生空間にマ
イクロ波を給電してプラズマを生成させて、半導体、リ
キッド・クリスタル・ディスプレイ(LCD)等の製造
過程において使用されるプラズマ発生装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】図1は、従来技術のプラズマプロセスに
使用される装置の構成図の1例を示す。図1に示すマイ
クロ波プラズマ発生装置は、マイクロ波放電を行うため
に、プラズマ生成用マイクロ波発振器1、マイクロ波発
振器を保護するアイソレータ2、テーパ導波管3、パワ
ーモニタ用方向性結合器4、手動又は自動で整合するマ
イクロ波整合器5、直線導波管6及びマイクロ波真空導
入窓7を通して(以下、これらをまとめて導波管回路2
0という)、プラズマ発生室8及び反応室9で構成され
ている。プラズマ発生室8で発生したプラズマPは、拡
散によって、反応室9に輸送される。
【0003】また、反応室9の内部には、ケミカル・デ
ィパ−・デポジション(CVD)、エッチング等に使用
されるシリコンウェハ等の被処理物10が置かれてい
る。反応室9の排気口9aには、図示されていない排気
装置が接続されていて、プラズマ発生室8と反応室9が
真空に引かれるようになっている。ここで、矩形導波管
の長軸方向をX、矩形導波管の短軸方向をY、マイクロ
波の伝播方向をZ方向とする。
【0004】上記の装置によって、エッチングする場合
の操作手順は、次の通りである。まず、プラズマ発生室
8及び反応室9内の真空引きを行った後に、ガス導入口
11から所定の反応性ガス(O2 ,SF6 等)を供給す
る。その後に、マイクロ波発振器1のマイクロ波電力を
プラズマ発生室8に供給する。このマイクロ波電力のプ
ラズマ発生室8への供給効率を向上させるために、整合
器5によって、プラズマ生成用マイクロ波発振器1から
パワーモニタ用方向性結合器4の出口までのインピーダ
ンスと直線導波管6からプラズマ発生室8までのインピ
ーダンスとの整合を取る。この整合によって、気体中の
偶存電子が電界によって加速され、中性粒子の衝突によ
り電離増殖し、ついには気体がプラズマ化して放電が持
続される状態(以下、放電の開始状態という。)になる
までプラズマ発生室8内のマイクロ波電界が上昇して、
放電が開始し、マイクロ波電力を供給している間、プラ
ズマが維持される。このプラズマを反応室9の被処理物
10に照射して、エッチング等の処理を行う。
【0005】図2は、従来技術のマイクロ波の伝播方向
のプラズマ発生室8内における放電開始前のマイクロ波
の電界分布を示す図であり、図3は、図2のプラズマ発
生室のXY平面のA1−A2断面のマイクロ波の電界分
布を示す図である。図4は、プラズマ発生室の高さをH
から2Hに変えることでプラズマ発生室の容積を変化さ
せた場合の電界分布図を示す。
【0006】図2乃至図4のプラズマ発生室8は、空胴
共振器構造で、矩形モードをTE101 (Transverse el
ectric modeのXYZ方向の電圧定在波の山の数がそれ
ぞれ(1,0,1))として設計してある。したがっ
て、マイクロ波の伝播方向の長さは、プラズマ発生室8
のZ方向の長さであって管内波長λg の2分の1にな
る。このプラズマ発生室8内のマイクロ波電界の最大値
EMAX が、電界強度のしきい値Ethを越えたときに、放
電が開始する。一度、放電が開始すると、プラズマを維
持する電界強度は、しきい値Ethよりも小さくなる。
【0007】図4(A)は、プラズマ発生室8のZ方向
の長さがL、Y方向の高さHに供給するマイクロ波電力
がPi のときのマイクロ波電界強度がEMAXHである電界
分布図を示し、同図(B)は、プラズマ発生室8のZ方
向の長さL、Y方向の高さ2Hに供給するマイクロ波電
力がPi のときのマイクロ波電界強度がEMAX2H である
電界分布図を示している。ここでのガスの種類、ガス圧
等のプロセス条件は同じなので、(A)と(B)のマイ
クロ波電界強度としきい値の大きさを比較すると、EMA
XH>Eth>EMAX2H の関係になる。したがって、プラズ
マ発生室の高さを2Hとして、容積を大きくすると、マ
イクロ波の電界強度EMAX2H がしきい値Ethよりも小さ
くなるので放電の開始が困難になる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、マイク
ロ波発振器1で発生させたマイクロ波を導波管回路20
を通して、プラズマ発生室8にマイクロ波を供給してプ
ラズマを発生させる従来技術のプラズマ発生装置では、
プラズマ発生室8及び反応室9に供給されるガスの種
類、圧力等のプロセス条件によって、プラズマ発生室内
での放電開始が困難となる場合があった。例えば、プラ
ズマ発生室及び反応室に充填する酸素ガスのガス圧が低
いとき等は放電開始が困難であった。
【0009】また、被処理物の大面積化に伴い、プラズ
マ発生室8の容積も大きくなる。プラズマ発生室8が大
きくなると、プラズマ発生室に供給するマイクロ波電力
を増大させなければ、プラズマ発生室を電界が高くなる
空胴共振器構造としていても、その空胴共振器内に生じ
るマイクロ波電界強度が小さくなるために、供給するプ
ラズマ発生室内のマイクロ波電界の最大値EMAX が、マ
イクロ波電界強度のしきい値Ethよりも小さくなって放
電の開始が困難になることがあった。
【0010】本発明の目的は、これらの課題を解決する
ために、ガス圧の増減やマイクロ波電力の増減にも影響
しない最適の処理条件で、放電の開始を容易にしたプラ
ズマ発生装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、マイ
クロ波発生装置で発生させたマイクロ波を、導波管回路
を通じてプラズマ発生室8に供給してプラズマを発生さ
せるマイクロ波プラズマ発生装置において、プラズマ発
生室内のマイクロ波の電圧定在波の山に相当する位置に
配置した放電開始補助体を備えたマイクロ波プラズマ発
生装置である。
【0012】請求項2の発明は、マイクロ波発生装置で
発生させたマイクロ波を、導波管回路を通じてプラズマ
発生室8に供給してプラズマを発生させるマイクロ波プ
ラズマ発生装置において、プラズマ発生室内の多種なマ
イクロ波の電圧定在波が重畳された多重の電界モードに
ついて、強い電界強度を有する位置に配置した放電開始
補助体を備えたマイクロ波プラズマ発生装置である。以
下、単一モードのマイクロ波の電圧定在波の山に相当す
る位置又は多重モードのマイクロ波についてマクスウェ
ル方程式の近似解を用いて求めた電界分布図上の強い電
界を有する位置に配置した放電開始補助体を放電開始補
助手段という。
【0013】請求項3の発明は、請求項1の発明におい
て、放電開始補助体をプラズマ発生室の断面上の位置に
1個又は複数個配置した請求項1又は2に記載のマイク
ロ波プラズマ発生装置である。
【0014】
【作用】プラズマ発生室に生じるマイクロ波の電圧定在
波の山の部分の断面において、電界の方向に1個又は複
数個の金属片または誘電体片または誘電体を金属で覆っ
た片(以後、これらを放電開始補助体という。)を配置
することにより、その放電開始補助体によって形成され
る狭い間隙にマイクロ波電界の集中が生じ、電界強度の
しきい値Ethを越え、放電が開始する。放電維持のため
のマイクロ波電力の吸収は、プラズマ表面で生じるた
め、放電開始補助体は、放電開始後、発生したプラズマ
には、影響を与えない。
【0015】
【実施例】
[実施例1]図5は、図1に示した従来技術のプラズマ
発生装置に、本発明の放電開始補助手段を付加したプラ
ズマ発生装置の実施例を示す図である。図6は、実施例
1の放電開始補助手段を付加したプラズマ発生室のYZ
平面の断面の電界分布図を示す。図7は、図6のプラズ
マ発生室のXY平面のB1−B2断面の電界分布図を示
す。ここで、図5乃至図7の直線導波管6及びプラズマ
発生室8は、矩形状である。
【0016】図6の電界強度の分布を示す図は、放電開
始補助体8a及び8bが無い図2の電界強度の分布を示
す図と同様に、プラズマ発生室8は、TE101 モードを
有し、マイクロ波の伝播方向に対して断面が矩形状の空
胴共振器になっている。この時、プラズマ発生室内のマ
イクロ波電界最大値EMAX の位置は、プラズマ発生室8
と反応室9との境界面に設置された金属メッシュ12か
らプラズマ発生室方向にλg /4の位置にある。したが
って、放電開始補助体8a,8bの配置位置は、マイク
ロ波を供給することによって生じる電圧定在波の山の近
くの位置であって、その配置方向は、電圧定在波の山の
断面(図7のXY断面)での電界Eと同方向に配置する
ことが最も有効である。
【0017】これらの位置決定は、実験だけでは難し
く、予め、有限要素法(連続物理系における現象を解明
するための近似法)による計算で設計し、実験で確認す
る等の方法が有効となる。この場合、有限要素法による
計算においては、放電開始補助体8a,8bを挿入した
電界強度の最大値を示す位置は電圧定在波の山と一致す
る。この位置に放電開始補助体8a,8bを配置する
と、図3の放電開始補助体8a,8bが無いときの間隙
D0と、図7の放電開始補助体8a,8bがあるときの
間隙D8とを比べるとD8<D0となるので、図7の電
界強度の最大値は図3電界強度の最大値よりも強くな
る。さらに、放電開始補助体8a,8bの間隙方向の端
部を尖らせれば、電界強度は、極度に大きくなる。
【0018】この放電開始補助体をプラズマ発生室8に
挿入することによって、挿入前の電圧定在波の電界分布
に歪みが生じるために、プラズマ発生室8の中に生じる
電圧定在波の山の位置とずれが生じる。しかし、放電開
始補助体を図6及び図7のようにプラズマ発生室8内の
電界と同方向に配置すると、放電開始補助体8a,8b
を挿入しない場合の電圧定在波の山の位置と略一致させ
ることができ、先に述べた放電開始補助体8a,8bの
挿入位置をこの位置で決定することができる。
【0019】そこで、プラズマ発生室8を矩形導波管
(XY断面110[mm]×55[mm])で形成し、
図6に示すように、放電開始補助体8a,8bを、その
先端形状が5Rであり、直径が10[mm]の2本のア
ルミニウム棒で形成して、この2本のアルミニウム棒の
間隙D8が23[mm]になるように空胴共振器の長軸
にろう接した。
【0020】上記の放電開始補助体を付加したプラズマ
発生室8の放電開始状態と、従来の放電開始補助体を付
加していないプラズマ発生室8の放電開始状態とを比較
するために、両者のプラズマ発生室8及び反応室9に、
酸素ガスを充填し、300[W]のマイクロ波電力を供
給した。放電開始補助体を付加していない従来のプラズ
マ発生室の場合は、酸素ガス1[Torr]の雰囲気
で、全く放電開始をしなかった。一方同じ条件で、放電
開始補助体を付加した本発明のプラズマ発生室の場合
は、マイクロ波電力を供給して容易に放電が開始した。
【0021】この場合、放電開始補助体を挿入した場合
のプラズマ発生室内のマイクロ波電界最大値EMAX は、
電界のしきい値Eth以上になり、容易に放電開始した。
【0022】なお上記実施例1において、プラズマ発生
室の酸素ガスの圧力を1[Torr]から3[Tor
r]に増加させれば、マイクロ波電力を供給して整合さ
せると、放電開始補助手段がない従来技術の方法でも、
放電を開始する。通常、被処理物は、ガス圧1[Tor
r]で処理するものをこの場合では、ガス圧を3[To
rr]に増加させて処理しているので、被処理物の処理
条件が変化してしまって、最適の処理条件で被処理物が
処理できないときがある。したがって、実施例1の放電
開始補助手段は、ガス圧に左右されないで最適の処理条
件を実施することができる。
【0023】同様に、上記実施例において、マイクロ波
電力を300[W]から600[W]増加させれば、マ
イクロ波電力を供給して整合させると、放電開始補助手
段がない従来技術の方法でも、放電を開始する。しかし
この場合も、マイクロ波電力が高くなっているので、被
処理物が余分に加熱され、最適の処理条件で処理できな
いときがある。したがって、実施例1の放電開始補助手
段は、マイクロ波電力に左右されないで最適の処理条件
を実施することができる。
【0024】[実施例2]図8は、実施例2の放電開始
補助体を1個で形成したプラズマ発生室の電界分布図を
示す。図9は、実施例2の放電開始補助体を1個で形成
したプラズマ発生室のXY平面のC1−C2断面の電界
分布図を示す。ここで、図8及び図7の直線導波管6及
びプラズマ発生室8は、矩形状である。
【0025】図8の電界強度の分布を示す図は、図6の
電界強度の分布を示す図と同様に、プラズマ発生室8
は、TE101 モードを有し、マイクロ波の伝播方向に対
して断面が矩形状の空胴共振器構造になっている。この
時、プラズマ発生室内のマイクロ波電界最大値EMAX の
位置は、プラズマ発生室8と反応室9との境界面に設置
された金属メッシュ12からプラズマ発生室方向にλg
/4の位置にある。したがって、放電開始補助体8d
は、マイクロ波を供給することによって生じる電圧定在
波の山の近くの位置で、その配置方向は、電圧定在波の
山の断面(図9のXY断面)での電界Eと同方向に配置
している
【0026】次に、上記の実施例1、2に示すように、
放電開始補助体を単純な形状に形成しても、プラズマ発
生室8の容積が大きくなったり、形状が複雑になると、
電界の方向が一定ではなくなるために、放電開始補助体
を電圧定在波の山の断面の電界方向と一致させることが
困難となる。その場合には、放電開始補助体によって形
成される狭い間隙方向の電界強度が大きくなる位置すな
わち次の実施例3で説明した位置に配置する。
【0027】[実施例3]図10は、実施例3の容積の
大きな円筒形状のプラズマ発生室を備えたプラズマ発生
装置を示し、図11は、実施例3の放電開始補助手段を
付加してない場合のプラズマ発生室のXY平面のD1−
D2断面の電界分布図を示し、図12は、図11のX1
−X2断面のY方向の電界分布を表わした図である。図
13は、実施例3の放電開始補助手段を付加したプラズ
マ発生室のXY平面のD1−D2断面の電界分布図を示
す。図14は、図13のX1−X2断面のY方向の電界
分布を表わした図である。マイクロ波発振器1からマイ
クロ波真空導入窓7までの導波管回路は、実施例1と同
様である。
【0028】図10において、プラズマ発生室30は、
直径d=300[mm]、長さl=45[mm]で、マ
イクロ波の伝播方向に対して断面が円筒形状をしてい
る。プラズマ発生室30及び反応室31には、酸素ガス
及びマイクロ波電力1000[W]を供給した。放電開
始補助体が存在しないときは、酸素ガス1[Torr]
の雰囲気では、放電の開始が困難であった。
【0029】放電開始補助手段を付加していないプラズ
マ発生室において、放電が開始していない場合の電界分
布を、マクスウェル方程式の近似法を用いて求めた。こ
の求めた電界分布図から強い電界強度の位置を判定す
る。このマクスウェル方程式の近似解を求める方法とし
て、差分法、境界要素法、有限要素法がある。例えば、
有限要素法を用いて近似解を求める方法として、市販の
アメリカMSC社製の3次元電磁界シミュレーションソ
フトウェア「EMAS」がある。図11は、このソフト
ウェアを使用してプラズマ発生室30の形状、材質等の
境界条件を入力し、プラズマ発生室の入り口30aから
マイクロ波を導入した場合に、プラズマ発生室30内に
生じる電界モードを計算した結果の電界分布図である。
この電界モードは、多種なマイクロ波の電圧定在波が重
畳された多重の電界モードが生じており、非常に複雑な
分布をしている。また、図12は、図11のX1−X2
断面のY方向の電界分布を表わした図である。この図で
は、プラズマ発生室30で生じるマイクロ波電界最大値
EMAX は、しきい値Ethより小さいため、放電は生じな
い。
【0030】この結果から、図13及び図14に示すよ
うに、円筒状のプラズマ発生室30のD1−D2断面の
中心を同心とする電界Eの中で、強い電界強度を示して
いるEMAX の方向と同一方向に半円形状の放電開始補助
体40a,40bを狭い間隙41,42を開けて対向す
るように配置した。
【0031】放電開始補助体を用いた放電開始補助手段
を付加したプラズマ発生室30では、マイクロ波電力供
給後、整合を行うことにより、図14に示すように、プ
ラズマ発生室30内のマイクロ波電界最大値EMAX が、
しきい値Ethを越えているため、プラズマ発生室30内
のマイクロ波電界強度が増大するので容易に放電が開始
した。
【0032】なお上記の実施例3において、プラズマ発
生室の直径がd=100[mm]のときは、放電開始補
助手段がなくても、マイクロ波電力を供給して整合させ
ると放電を開始する。しかし、プラズマ発生室の直径が
300[mm]から100[mm]に減少しているの
で、被処理物の面積が約1/10に小さくなるので、大
きな被処理物を処理することができない。
【0033】[実施例4]図15は、実施例1におい
て、空胴共振器構造でないプラズマ発生室に放電開始補
助体を付加したプラズマ発生装置を示す。図16は、実
施例1において、空胴共振器構造でないプラズマ発生室
に放電開始補助体を付加したプラズマ発生装置のプラズ
マ発生室の電界分布を示す。図17は、図16のプラズ
マ発生室のXY平面のE1−E2断面の電界分布図を示
す。ここで、図15乃至図17の、直線導波管6及びプ
ラズマ発生室18は、矩形状である。
【0034】図16の電界強度の分布を示す図は、TE
10モ−ドでマイクロ波が、矢印の方向に伝播している。
このとき、放電開始補助体18a及び18bを幅D18
の間隔を開けて設置することにより、プラズマ発生室1
8内のマイクロ波電界の最大値EMAX が、直線導波管6
内でのマイクロ波電界の最大値EWmaxより大きくなる。
また、放電開始補助体18a及び18bの設置位置は、
マイクロ波を供給することにより生じる電圧定在波の山
の位置の近くであって、その方向は、図17に示すXY
断面すなわち電圧定在波の山の断面での電界Eと同方向
に配置するのが最も有効である。
【0035】これらの位置の決め方は、実施例1、2の
場合と同様に、予め、有限要素法を用いて、プラズマ発
生室18内に生じる電磁界を計算し、放電開始補助体1
8a及び18bの取り付け位置を最適化し、プラズマ発
生室18内に生じるマイクロ波電界の最大値EMAX が、
放電開始できる電界のしきい値Ethより大きくなるよう
にする。
【0036】実施例1では、TE101 の空胴共振器につ
いて電界を集中させて、ガスの種類、ガスの圧力、マイ
クロ波電力等のプロセス条件の適正値で被処理物を処理
することができる。また、実施例3では、各方向の多種
な電圧定在波が重畳された多重モードの電界が生じる容
積の大きなプラズマ発生室または複雑な形状をもつプラ
ズマ発生室においても、プラズマ発生室内に生じる多重
モードの電界のうちの電界強度の大きい電界に対して、
電界と同方向に1個又は複数個の放電開始補助体を配置
し、電界を集中させることができる。
【0037】したがって、いままで、プラズマ発生室の
容積が大であったり、形状が複雑で放電開始が困難であ
ったプラズマ発生室でも、容易に放電を開始させること
ができる。
【0038】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、プラズ
マ発生室内に放電開始補助体をマイクロ波の電界強度を
放電開始が可能な電界強度のしきい値Eth以上にして、
放電の開始を容易にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来技術のプラズマプロセスに使用される装
置の構成図を示す。
【図2】 従来技術のマイクロ波の伝播方向のプラズマ
発生室内における放電開始前のマイクロ波の電界分布図
を示す。
【図3】 図2のプラズマ発生室のXY平面のA1−A
2断面の電界分布図を示す。
【図4】 プラズマ発生室の高さをHから2Hに変える
ことでプラズマ発生室の容積を変化させた場合の電界分
布図を示す。
【図5】 実施例1の放電開始補助手段を付加したプラ
ズマ発生装置を示す。
【図6】 実施例1の放電開始補助手段を付加したプラ
ズマ発生室のYZ平面の断面の電界分布図を示す。
【図7】 図6のプラズマ発生室のXY平面のB1−B
2断面の電界分布図を示す。
【図8】 実施例2の放電開始補助体を1個で形成した
プラズマ発生室の電界分布図を示す。
【図9】 実施例2の放電開始補助体を1個で形成した
プラズマ発生室のXY平面のC1−C2断面の電界分布
図を示す。
【図10】 実施例3の容積の大きな円筒形状のプラズ
マ発生室を備えたプラズマ発生装置を示す。
【図11】 実施例3の放電開始補助手段を付加してな
い場合のプラズマ発生室のXY平面のD1ーD2断面の
電界分布図を示す。
【図12】 図11のX1−X2断面のY方向の電界分
布を表わした図である。
【図13】 実施例3の放電開始補助手段を付加したプ
ラズマ発生室のXY平面のD1−D2断面の電界分布図
を示す。
【図14】 図13のX1−X2断面のY方向の電界分
布を表わした図である。
【図15】 実施例1において、空胴共振器構造でない
プラズマ発生室に放電開始補助体を付加したプラズマ発
生装置を示す。
【図16】 実施例1において、空胴共振器構造でない
プラズマ発生室に放電開始補助体を付加したプラズマ発
生装置のプラズマ発生室の電界分布を示す。
【図17】 図16のプラズマ発生室のXY平面のE1
−E2断面の電界分布図を示す。
【符号の説明】
1 プラズマ生成用マイクロ波発振器(マイクロ波発
振器) 2 アイソレータ 3 テーパ導波管 4 パワーモニタ用方向性結合器 5 マイクロ波整合器(整合器) 6 直線導波管 7 マイクロ波真空導入窓 8,18 プラズマ発生室 8a,8b,8d,18a,18b 放電開始補助体 9,31 反応室 9a 排気口 10 被処理物 11 ガス導入口 12 金属メッシュ 20 導波管回路 30 円筒状プラズマ発生室 30a プラズマ発生室の入り口 40a,40b 半円形状放電開始補助体 41,42 半円形状放電開始補助体間の間隙 D0 放電開始補助体がないときの間隙 D8 放電開始補助体があるときの間隙 D18 放電開始補助体があるときの間隙(非空胴共振
器構造) Eth 電界強度のしきい値 EMAX プラズマ発生室内のマイクロ波電界の最大値 EWmax 直線導波管内でのマイクロ波電界の最大値 λg 管内波長
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金子 英司 大阪市淀川区田川2丁目1番11号 株式 会社ダイヘン内 (56)参考文献 特開 平4−56100(JP,A) 特開 平6−295796(JP,A) 特開 昭62−204530(JP,A) 実開 昭60−87200(JP,U) 実開 昭57−195800(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05H 1/46 C23F 4/00 H01L 21/205 H01L 21/3065

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マイクロ波発生装置で発生させたマイク
    ロ波を、導波管回路を通じて円筒状のプラズマ発生室に
    供給してプラズマを発生させるマイクロ波プラズマ発生
    装置において、円筒状のプラズマ発生室の円筒の中心軸
    に垂直な断面内であって、前記円筒の中心軸を同心とす
    る位置で、マイクロ波電圧定在波の山に相当する位置
    に、半割リング形状の放電開始補助体一対を配置し、前
    記放電開始補助体に形成された一対の各半割リング形状
    の端部断面をそれぞれ対向させた間隙を、前記マイクロ
    波電圧定在波の山に相当する位置で前記円筒の中心軸を
    同心とする円周方向の電界の電界分布中に位置させるこ
    とによって、前記一対の間隙に発生するマイクロ波電界
    強度最大値E MAX を増大させて、放電が開始する電界強
    度のしきい値E th を超えて容易に放電を開始させるマイ
    クロ波プラズマ発生装置。
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