JP3536908B2 - 画像合成方法、画像合成装置、記録媒体、及び指紋入力装置 - Google Patents

画像合成方法、画像合成装置、記録媒体、及び指紋入力装置

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JP3536908B2
JP3536908B2 JP35630099A JP35630099A JP3536908B2 JP 3536908 B2 JP3536908 B2 JP 3536908B2 JP 35630099 A JP35630099 A JP 35630099A JP 35630099 A JP35630099 A JP 35630099A JP 3536908 B2 JP3536908 B2 JP 3536908B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一定方向に移動す
る物体をカメラやスキャナあるいはイメージングセンサ
等で撮像して得られる連続した複数の部分画像から、一
枚の画像を再構成するための画像合成方法、画像合成装
置及び記録媒体と、その画像合成装置を備えた指紋入力
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の画像合成方法としては、例え
ば、各部分画像の必要な部位を切り取って繋ぎ合わせる
方法(以下、逐次追加法と呼ぶ)、あるいは全ての部分
画像を重ねあわせ、その重なっている領域の輝度を平均
化する方法(以下、平均画素値法と呼ぶ)等が考えられ
ている。
【0003】一方、従来の指紋入力装置は、プリズム式
の光学装置、静電容量式半導体センサ、あるいは圧電効
果や焦電効果を利用した指紋センサ等を用いて指紋画像
を取り込むものが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記した
ような従来の画像合成方法のうち、逐次追加法は、連続
する部分画像間の空間的な位置ずれ量である位相差を用
いて画像を合成するため、部分画像間の画像位置合わせ
誤差や画像の局所的な歪みが大きい場合、合成した画像
の連続性が保たれないという問題が発生する。例えば、
撮像対象が指紋の場合、指紋隆線がうまく繋がらない画
像になってしまう。
【0005】一方、平均画素値法は、隣接する二つの部
分画像間の画像位置合わせ誤差の影響が上記逐次追加法
よりも少なくて済み、撮像画像の背景等に存在するノイ
ズも除去することができるため、例えば、撮像対象が指
紋の場合、指紋隆線が平滑化されて汗腺孔等を目立たな
くすることができる。
【0006】しかしながら、全ての部分画像データを均
等に用いて画像を合成するため、画像位置合わせ誤差の
蓄積によって、合成画像が全体的にぼやけた感じになり
不鮮明な領域が多くなってしまう。そのため、撮像画像
が指紋等の場合は、指紋を照合するための特徴抽出に支
障をきたしてしまう。
【0007】さらに、従来の画像合成方法では、画像位
置合わせ処理の結果を信頼して画像を合成するが、画像
位置合わせ処理の結果は毎回正確であるとは限らず、局
所的な画像の歪みもあるため、これらの画像位置合わせ
誤差が合成画像の画質を低下させる要因になる。
【0008】加えて、合成画像に用いる部分画像自体の
画質を考慮することなく各部分画像を画像位置合わせ処
理結果にしたがって機械的に画像を切り取ったり重ね合
わせたりしているため、画質の悪い部分画像や局所的に
ノイズや歪みが生じている部分画像がある場合に、その
部分画像の画質が合成画像の画質を低下させてしまう。
【0009】一方、従来の指紋入力装置では、指紋の認
証に必要な指紋画像を得るために、指紋全体を覆える十
分に広い面積を持つセンサ部を用いているため、指紋入
力装置の製造コストが高くなる問題があった。また、指
紋入力装置の規模が大きくなるためユーザの利便性を損
なってしまう。
【0010】本発明は上記したような従来の技術が有す
る問題点を解決するためになされたものであり、画像位
置合わせ結果の誤差や画質の悪い部分画像の影響を少な
くして撮像対象の連続性を保つと共に、例えば、撮像対
象が指紋の場合に、指紋照合における特徴抽出に支障を
来さない良好な合成画像を得ることができる、複数の部
分画像から一枚の合成画像を再構成する画像合成方法及
び画像合成装置を提供することを目的とする。
【0011】また、製造コストを抑えると共にユーザの
利便性を損なわない指紋入力装置を提供することを目的
とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明の画像合成方法は、一定方向に移動する物体を撮
像して得られる時間的に連続した複数の部分画像から、
それらを合成した合成画像を生成するための画像合成方
法であって、前記複数の部分画像のうち、隣接する二つ
の部分画像の空間的な位置ずれ量である位相差をそれぞ
れ求め、前記部分画像のどの領域を前記合成画像にどの
程度反映させるかを示す重みを前記部分画像に対してそ
れぞれ付与し、重み付けされた部分画像を対応する位相
差にしたがってそれぞれ重ね合わせて合成途中の画像で
ある一時合成画像を生成すると共に、前記一時合成画像
の各画素毎の重みの累積値を計数し、前記一時合成画像
の各画素の輝度を各々の重みの累積値で除算し、該除算
結果の輝度を備えた前記合成画像を出力する方法であ
る。
【0013】このとき、隣接する二つの部分画像を重ね
合わせた時の一致度を示す相関値に基づいて前記位相差
の信頼度を算出し、該位相差の信頼度に基づいて前記部
分画像に対してそれぞれ前記重みを付与してもよく、前
記部分画像の画質、または該部分画像の局所的な画質の
少なくとも一方を判定し、該画質の判定結果に基づいて
前記部分画像に対してそれぞれ前記重みを付与してもよ
く、隣接する二つの部分画像を重ね合わせた時の一致度
を示す相関値に基づいて前記位相差の信頼度を算出し、
前記部分画像の画質、または該部分画像の局所的な画質
の少なくとも一方を判定し、該位相差の信頼度及び該画
質の判定結果に基づいて前記部分画像に対してそれぞれ
前記重みを付与してもよい。
【0014】さらに、隣接する二つの部分画像を複数の
画像領域にそれぞれ分割し、該二つの部分画像を重ね合
わせた時の一致度を示す相関値を該画像領域毎にそれぞ
れ算出し、該相関値に基づいて部分画像の局所的な画質
を判定してもよく、前記合成画像に最も強く反映させる
部位にピークを持つ正規分布の密度関数を重みとして用
いてもよい。
【0015】一方、本発明の画像合成装置は、一定方向
に移動する物体を撮像して得られる時間的に連続した複
数の部分画像から、それらを合成した合成画像を生成す
る画像合成装置であって、前記複数の部分画像のうち、
隣接する二つの部分画像の空間的な位置ずれ量である位
相差をそれぞれ求める画像位置合わせ手段と、前記部分
画像のどの領域を前記合成画像にどの程度反映させるか
を示す重みを前記部分画像に対してそれぞれ付与する画
像重み付け手段と、重み付けされた部分画像を前記画像
位置合わせ手段で求めた対応する位相差にしたがって
れぞれ重ね合わせて合成途中の画像である一時合成画像
を生成すると共に、前記一時合成画像の各画素毎の重み
の累積値を計数する画像重ね合わせ手段と、前記一時合
成画像の各画素の輝度を各々の重みの累積値で除算し、
該除算結果の輝度を備えた前記合成画像を出力する合成
画像生成手段と、を有する構成である。
【0016】このとき、隣接する二つの部分画像を重ね
合わせた時の一致度を示す相関値に基づいて前記画像位
置合わせ手段で求めた前記位相差の信頼度を算出し、前
記画像重み付け手段に出力する位相差信頼度計算手段を
有し、前記画像位置合わせ手段は前記相関値を算出して
前記位相差信頼度計算手段に送出し、前記画像重み付け
手段は前記位相差信頼度計算手段で算出された前記位相
差の信頼度に基づいて前記部分画像に対してそれぞれ前
記重みを付与してもよく、前記部分画像の画質、または
該部分画像の局所的な画質の少なくとも一方を判定する
部分画像画質判定手段を有し、前記画像重み付け手段は
前記部分画像画質判定手段の画質判定結果に基づいて前
記部分画像に対してそれぞれ前記重みを付与してもよ
く、隣接する二つの部分画像を重ね合わせた時の一致度
を示す相関値に基づいて前記画像位置合わせ手段で求め
た前記位相差の信頼度を算出し、前記画像重み付け手段
に出力する位相差信頼度計算手段と、前記部分画像の画
質、または該部分画像の局所的な画質の少なくとも一方
を判定する部分画像画質判定手段とを有し、前記画像重
み付け手段は前記位相差信頼度計算手段で算出された前
記位相差の信頼度及び前記部分画像画質判定手段の画質
判定結果に基づいて前記部分画像に対してそれぞれ前記
重みを付与してもよい。
【0017】さらに、前記部分画像画質判定手段は、隣
接する二つの部分画像を複数の画像領域にそれぞれ分割
し、該二つの部分画像を重ね合わせた時の一致度を示す
相関値を該画像領域毎にそれぞれ算出し、該相関値に基
づいて部分画像の局所的な画質を判定してもよく、前記
重みは、前記合成画像に最も強く反映させる部位にピー
クを持つ正規分布の密度関数であってもよい。
【0018】上記のような画像合成方法及び画像合成装
置では、部分画像にそれぞれ重みを付与して画像を合成
することで、部分画像の強く重み付けされた領域を合成
画像に強く反映させ、弱く重み付けされた領域を合成画
像に反映させないことができるため、画像位置合わせに
おける位置合わせ誤差や画像の歪みを合成画像に反映さ
せないようにすることができる。
【0019】また、位相差の信頼度に基づいて重みを決
定することで、画像の位置合わせ誤差や部分画像の局所
的な歪み等に柔軟に対応することができる。
【0020】さらに、部分画像の画質または部分画像の
局所的な画質を考慮して重みを決定することで、画質の
良い部分画像あるいはその領域を画像の合成に用いるこ
とができる。
【0021】また、指紋入力装置に、上記画像合成装置
とセンサ部に押し当てられて移動する指を撮像して得ら
れる指紋の複数の部分画像を出力する画像入力手段とを
有することで、センサ部の面積が小さくて良好な画質の
合成画像を生成することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】次に本発明について図面を参照し
て説明する。
【0023】(第1の実施の形態)図1は本発明の画像
合成装置の第1の実施の形態の構成を示すブロック図で
ある。
【0024】図1に示すように、本実施形態の画像合成
装置は、画像入力手段10から出力される、一定方向に
移動する物体を撮像して得られる時間的に連続した複数
の部分画像から、それらを合成した合成画像を生成する
処理装置1と、処理装置1の処理に必要な各種データを
格納するための記憶装置2とを有する構成である。
【0025】処理装置1は、隣接する二つの部分画像の
空間的な位置ずれ量である位相差をそれぞれ検出する画
像位置合わせ手段11と、部分画像のどの領域を合成画
像にどの程度強く反映させるかを示す重みを各部分画像
毎にそれぞれ付与する画像重み付け手段12と、重み付
けされた部分画像を重ね合わせて合成途中の画像である
一時合成画像を生成すると共に、一時合成画像の各画素
毎の重みの累積値を計数する画像重ね合わせ手段13
と、一時合成画像の各画素の輝度をそれぞれの重みの累
積値で除算し、最終的な合成画像を出力する合成画像生
成手段14とを有している。
【0026】また、記憶装置2は、画像入力手段10か
ら出力された部分画像をそれぞれ格納する部分画像記憶
部20と、画像位置合わせ手段11で検出された二つの
部分画像間の位相差をそれぞれ格納する位相差記憶部2
1と、画像重み付け手段12で重み付けされた部分画像
をそれぞれ格納する重み付け部分画像記憶部22と、画
像重ね合わせ手段13で生成された一時合成画像をそれ
ぞれ格納する一時合成画像記憶部23と、画像重ね合わ
せ手段13で計数された一時合成画像の各画素毎の重み
の累積値を格納する重み累積値記憶部24とを有してい
る。
【0027】画像入力手段10には、カメラ、スキャ
ナ、イメージングセンサ等のように移動する撮像対象の
部分画像を連続して得ることが可能なものが用いられ
る。例えば、撮像対象が指紋の場合は、「指紋パターン
の自動分類(情報処理学会研究会資料,Vol. CV 18, No.
2, 1982, pp.1-8)」や「プリズムを用いた指紋情報検
出方法−全反射法と光路分離法の比較(電子情報通信学
会論文誌(D), Vol.J68-D,No.3, 1985, pp.414-415)」
に記載された光学式スキャナ、「ホログラフィック指紋
センサを用いた個人照合装置(電子情報通信学会技術報
告,Vol. PRU 87, No.31, 1987, pp.27-33)」に記載さ
れたホログラムを用いたスキャナ、「Improvedimage qu
ality of live scan fingerprint scanners using acou
sticbackscatter measurements (Proceedings of Biome
tric Consortium8th Meeting, 1996)」に記載された超
音波を用いたスキャナ、「Thermalimaging fingerprint
technology (Proceedings of Biometric Consortium9t
h Meeting, 1997)」に記載された熱感知を利用する半導
体センサのスキャナ、「Adirect fingerprint reader
(Proceedings of CardTech/SecureTech,Vol.I:Technolo
gy, 1996, pp.271-279)」に記載された静電容量を利用
する半導体センサのスキャナ、あるいは特開平10−9
1769号公報(指紋読み取りシステム)に記載された
細長いバー形状の指紋スキャナ等がある。
【0028】画像位置合わせ手段11で実行する画像位
置合わせ方法としては、「DigitalPicture Processing.
Vol. I and II (Academic Press, Orlando, Fla.198
2)」に記載された相互相関法、「A classof algorithms
for fast digital registration. (IEEE Trans. Compu
t.C-21, 1972, pp.179-186)」に記載された逐次類似検
出アルゴリズム(以下、逐次法と呼ぶ)、「Thephase c
orrelation image alignment method. (In Proceedings
of theIEEE 1975 International Conference onCybern
etics and Society(Sept.). IEEE, New York, 1975, p
p.163-165)」に記載された位相相関法、「Registration
of translated and rotated images usingfinite Fouri
er Transforms.(IEEE Trans. Pattern Anal. Machine I
ntell. PAMI-9, 5 (Sept.),1987, pp.700-703)」に記載
された画像の回転運動を考慮した位相相関法、「Digita
limage registration using projections. (IEEE Tran
s.Pattern Anal.Machine Intell. PAMI-8, 2 (Mar.), 1
986, pp.222-223)」に記載された1次元のフーリエ変換
のみを用いた位相相関法、「Digitalregistrationtechn
iques for sequential Fundus images. (In IEEEProcee
dings of SPIE:Applications of Digital Image Proces
sing X,Vol. 829. IEEE, New York, 1987,pp.293-30
0)」に記載されたパワースペクトラムを用いる手法、あ
るいは「マニューシャネットワーク特徴による自動指紋
照合−照合過程−(電子情報通信学会論文誌(D-II), Vo
l.J72-D-II, No.5, 1989, pp.733-740)」や特許第26
36736号公報(指紋合成装置)に記載されたマニュ
ーシャと呼ばれる指紋の特徴点を用いる手法等のよう
に、隣接する二つの部分画像の位相差を検出することが
可能な方法であればどのような方法であってもよい。
【0029】相互相関法では、まず、二つの画像データ
をそれぞれI1(x,y),I2(x,y)と表したとき
に、二つの部分画像間の類似性の測度C(u,v)を以
下の式で求める。
【0030】
【数1】
【0031】例えば、I1(x,y)が(i,j)の変
化によってI2(x,y)に一致したとすると、相互相
関は(i,j)で最大となる。すなわち、C(u,v)
が最大となる(i,j)を探すことで位相差を求めるこ
とができる。
【0032】逐次法は、隣接する二つの部分画像の画素
輝度の差の絶対値に基づいて位相差を求める方法であ
り、部分画像間の類似性の測度E(u,v)は以下の式
で示される。
【0033】
【数2】
【0034】上記測度E(u,v)は二つの画像が一致
する値(i,j)で最小の値となるため、最小値を超え
たときに計算を中止して、次の画素の測度計算に移行す
ることができるという特長を持つ。
【0035】また、位相相関法は、高速フーリエ変換を
用いて位相差を算出する方法であり、隣接する二つの部
分画像のフーリエ変換をF1(ωx,ωy),F2(ωx
ωy),で表すと、以下の式で示す相互パワースペクト
ルから二つの画像が一致する値(dx,dy)を検出する
ことで位相差を算出する。
【0036】
【数3】
【0037】すなわち、上記相互パワースペクトルを逆
フーリエ変換することでインパルス関数を得ることが可
能であり、そのインパルス関数のピーク位置が求める
(dx,dy)となる。
【0038】画像の回転運動を考慮した位相相関法で
は、最初に回転角を求め、続いて上記位相相関法と同様
に、二つの画像を一致させたときの一方の画像の移動量
を求めることで位相差を算出する方法である。二つの画
像のフーリエ変換を、極座標(r,θ)を用いてF
1(r,θ),F2(r,θ)で表したとき、以下の相互
パワースペクトルG(r,θ,φ)を逆フーリエ変換す
ることにより上記移動量を求めることができる。
【0039】
【数4】
【0040】1次元のフーリエ変換のみを用いた位相相
関法は、各々の画像のx方向とy方向への投影値を用
い、その投影ヒストグラムにフーリエ変換を適用する方
法である。
【0041】パワースペクトラムを用いる手法は、相互
パワースペクトルから求める位相相関法と類似している
が、本手法では相互パワースペクトルの対数で計算を行
うため、画像データの掛け算の代わりに足し算で移動量
を算出することが可能であり、計算コストを節約できる
特長を持つ。
【0042】特徴点を用いる手法は、各画像中からそれ
ぞれ特徴点を抽出し、その特徴点が一致するように位置
合わせを行う手法である。
【0043】画像重み付け手段12は、合成画像に用い
る部分画像のどの領域に重みを強く置くか、すなわち、
部分画像のどの領域を合成画像に強く反映させるかを定
め、部分画像の各画素輝度に重み関数wk(x,y)を
それぞれ乗算し、重み付け部分画像として重み付け部分
画像記憶部22へ出力する。
【0044】ここで、入力部分画像をIk(x,y)と
すると、重み付け部分画像
【0045】
【外1】
【0046】は、
【0047】
【数5】
【0048】で表される。
【0049】例えば、部分画像が、図2に示すようにx
方向に長いX×Yの矩形形状から構成され、中央ライ
ン、すなわち、y=Y/2のラインを最も強調したい場
合、重み関数wk(x,y)には以下に示すような中央
ラインにピークを持つ正規分布の密度関数を適用すると
よい。
【0050】
【数6】
【0051】なお、図2は図1に示した画像重み付け手
段で用いられる重み関数の一例を示す図であり、部分画
像の形状とそれに付与される重み関数の関係を示す平面
図である。
【0052】この標準偏差σyの値を自由に設定するこ
とで、強調したいラインの幅と重みの強さを変えること
ができる。すなわち、σyの値を0に近づければ重み関
数wk(x,y)はY/2でピークを持つインパルス関
数に近づき、中央ライン上の画素輝度を他のライン上の
画素輝度よりも著しく強調することができる。
【0053】一方、σyの値を∞に近づけると、重み関
数wk(x,y)が広い分布を持つようになるため、全
ラインにほぼ等しい強さの重みを与えることができる。
【0054】より一般的には、以下に示すような重み関
数wk(x,y)を用いることで、任意のラインy=α
上の画素輝度を強調することができる。
【0055】
【数7】
【0056】また、中央ライン上の画素輝度を強調した
い場合は、以下に示すような重み関数wk(x,y)を
用いてもよい。
【0057】
【数8】
【0058】これは、中央ライン(y=Y/2)の重み
を100、y=0,y=Yのラインの重みを1とするよ
うな重み関数である。さらに単純には、以下に示すよう
な重み関数wk(x,y)を用いてもよい。
【0059】
【数9】
【0060】これは、中央ラインの重みが100、y=
0,y=Yのラインの重みが0となるような重みが線形
に変化する関数である。
【0061】さらに、ラインではなく画像中の任意の点
(α,β)を強調する場合は、正規分布を2次元に拡張
した以下の重み関数wk(x,y)を用いるとよい。
【0062】
【数10】
【0063】以上説明したように、画像重み付け手段1
2で用いる重み付け処理は、任意のラインまたは画素の
輝度を強調できるものであれば、どのような重み関数を
用いてもよい。
【0064】画像重ね合わせ手段13は、重み付け部分
画像記憶部22から1フレーム毎に重み付け部分画像を
読み出し、一時合成画像記憶部23から読み出した一時
合成画像に重ね合わせて新たな一時合成画像を生成し、
一時合成画像記憶部23に格納する。
【0065】このとき、一時合成画像は、図3に示すよ
うに、位相差記憶部21から読み出された二つの部分画
像に対応する位相差にしたがって重ね合わされる。な
お、図3は図1に示した画像重ね合わせ手段で用いられ
る画像重ね合わせの例を示す平面図である。
【0066】すなわち、一時合成画像の同一画素に二つ
の画像が重なる場合は、各々の重み付け部分画像の画素
輝度を累積する。この画素輝度を累積した合成画像を一
時合成画像として一時合成画像記憶部23へ格納する。
また、新たに生成した一時合成画像の各画素毎にそれぞ
れの重みを累積し、その重み累積値を重み累積値記憶部
24へ格納する。
【0067】ここで、第kフレームの重み付け部分画像
【0068】
【外2】
【0069】、重み関数をwk(x,y)、第kフレー
ムと第(k−1)フレームの部分画像の位相差をxk
k、一時合成画像をJ(x,y)、一時合成画像J
(x,y)の画素(x,y)の重なり開始部分画像フレ
ーム番号をs(x,y)、重なり終了部分画像フレーム
番号をe(x,y)とすると、一時合成画像J(x,
y)と重み累積値w(x,y)は以下のように表すこと
ができる。
【0070】
【数11】
【0071】合成画像生成手段14は、一時合成画像記
憶部23から読み出した一時合成画像の各画素輝度を、
重み累積値記憶部24から読み出した一時合成画像の画
素毎の重み累積値でそれぞれ除算し、その除算結果を最
終的な合成画像の画素毎の画像輝度として出力する。す
なわち、重み付け合成画像
【0072】
【外3】
【0073】は以下の式で表される。
【0074】
【数12】
【0075】次に、本実施形態の画像合成装置の処理手
順について図4を用いて説明する。
【0076】図4は図1に示した画像合成装置の処理手
順を示すフローチャートである。
【0077】図4において、処理装置1は、まず、画像
入力手段10を用いて一定方向に移動している物体を撮
像し(ステップA1)、画像入力手段10から出力され
た連続する部分画像Ik(x,y)(1≦k≦N)をそ
れぞれ部分画像記憶部20に格納する(ステップA
2)。
【0078】次に、部分画像間の画像位置合わせ処理が
全て終了しているか否かを判定し(ステップA3)、画
像位置合わせ処理が全て終了していればステップA6の
処理へ移行する。また、画像位置合わせ処理が全て終了
していない場合は、画像位置合わせ手段11を用いて、
部分画像記憶部20から隣接する二つの部分画像Ik- 1
(x,y),Ik(x,y)(2≦k≦N)をそれぞれ
読み出し(ステップA4)、それらのx方向及びy方向
の位相差xk,yk(2≦k≦N)をそれぞれ求め、求め
た位相差を位相差記憶手段21に格納して(ステップA
5)ステップA3の処理に戻る。
【0079】続いて、処理装置1は、部分画像に対する
重み付け処理が全て終了しているか否かを判定し(ステ
ップA6)、重み付け処理が全て終了していればステッ
プA9の処理へ移行する。また、重み付け処理が全て終
了していない場合は、画像重み付け手段12を用いて、
部分画像記憶部20から1フレーム分の部分画像I
k(x,y)を読み出し(ステップA7)、当該部分画
像に対して重み付け処理を行う。また、その処理結果で
ある重み付け部分画像
【0080】
【外4】
【0081】を重み付け部分画像記憶部22に格納して
(ステップA8)ステップA6の処理に戻る。
【0082】次に、処理装置1は、重み付け部分画像の
重ね合わせ処理が全て終了しているか否かを判定し(ス
テップA9)、重ね合わせ処理が全て終了している場合
は、合成画像生成手段14を用いて一時合成画像記憶部
23から一時合成画像を読み出し(ステップA15)、
その各画像輝度を、重み累積値記憶部24から読み出し
た(ステップA16)各画素の重み累積値で除算し、除
算結果を画素輝度とする最終的な合成画像を出力する
(ステップA17)。
【0083】一方、重ね合わせ処理が全て終了していな
い場合は、画像重ね合わせ手段13を用いて、重み付け
部分画像記憶部22から1フレーム分の重み付け部分画
【0084】
【外5】
【0085】を読み出し(ステップA10)、一時合成画
像記憶部23から一つ前のフレームまで重ね合わせた一
時合成画像Jk-1(x,y)を読み出し(ステップA1
1)、位相差記憶手段21から当該部分画像と前フレー
ムの部分画像の位相差xk,ykを読み出して(ステップ
A12)、重み付け部分画像
【0086】
【外6】
【0087】と一時合成画像Jk-1(x,y)とを位相
差xk,ykにしたがって重ね合わせ、新たな一時合成画
像Jk(x,y)を生成する(ステップA13)。ま
た、生成した一時合成画像Jk(x,y)の各画素毎の
重み累積値を計数し、重み累積値記憶24に格納する
(ステップA14)。
【0088】以上説明したように、本実施形態の画像合
成装置によれば、部分画像から合成画像を生成する際
に、従来のように部分画像の全てを均等に重ね合わせる
手法や部分画像の一部を切り取って繋ぎ合わせる手法を
用いずに、部分画像にそれぞれ重みを付与して合成する
ことで、部分画像の強く重み付けされた領域を合成画像
に強く反映させ、弱く重み付けされた領域を合成画像に
反映させないことができるため、画像位置合わせにおけ
る位置合わせ誤差や画像の歪みを合成画像に反映させな
いようにすることができる。したがって、撮像対象の連
続性が保たれると共に、良好な画質の合成画像を得るこ
とができる。
【0089】(第2の実施の形態)次に、本発明の第2
の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図5は本発明の画像合成装置の第2の実施の形態の構成
を示すブロック図である。
【0090】図5に示すように、本実施形態の画像合成
装置は、処理装置に、画像位置合わせ手段で求めた隣接
する二つの部分画像の位相差の信頼度を設定する位相差
信頼度計算手段15を有し、記憶装置に、位相差信頼度
計算手段15で求めた二つの部分画像の位相差信頼度を
格納する位相差信頼度記憶部25を有する構成である。
【0091】また、処理装置が有する画像位置合わせ手
段11aは隣接する二つの部分画像間の相関値を算出し
て位相差信頼度計算手段15に送出し、画像重み付け手
段12aは位相差信頼度に基づいて重み関数を決定して
重み付け部分画像を生成する点が第1の実施の形態と異
なっている。その他の構成は第1の実施の形態と同様で
あるため、その説明は省略する。
【0092】位相差信頼度計算手段15は、画像位置合
わせ手段11aで算出された二つの部分画像間の位相差
の信頼度を計算するものであり、画像位置合わせ手段1
1aから当該二つの部分画像間の相関値を受け取り、該
相関値に基づいて位相差の信頼度を決定する。相関値
は、隣接する二つの部分画像を重ね合わせた時の一致度
を示す値であり、例えば、第1の実施の形態で示した隣
接する二つの部分画像間の類似性の測度等を用いるとよ
い。
【0093】位相差信頼度計算手段15は、二つの部分
画像間の相関が高いとき、すなわち相関値による一致度
が高ければ信頼度を高くし、位置合わせ誤差や部分画像
の局所的な歪み等によって二つの部分画像間の相関が低
いとき、すなわち相関値による一致度が低ければ信頼度
を低くするような関数を設定する。位相差信頼度計算手
段15で設定された位相差信頼度は位相差信頼度記憶部
25に格納される。
【0094】本実施形態の画像重み付け手段12aは、
第1の実施の形態と同様に、合成画像に用いる部分画像
のどの領域に重みを強く置くか、すなわち、どの領域を
合成画像にどの程度反映させるかを示す重み関数を定
め、定められた重み関数に基づいて部分画像の各画素の
輝度に重み関数wk(x,y)を乗算し、その結果を重
み付け部分画像記憶部へ格納する。
【0095】ここで、重み関数wk(x,y)は、位相
差信頼度記憶部25から読み出した2つの部分画像間の
位相差信頼度に基づいて決定される。すなわち、位相差
信頼度が高ければ当該部分画像を合成画像に強く反映さ
せたいので当該部分画像に対して強い重み付けを行う。
逆に、位相差信頼度が低ければ当該部分画像を合成画像
に反映させたくないので当該部分画像に対して弱い重み
付けを行う。
【0096】より具体的には、例えば、部分画像の任意
のラインy=αを強調するために正規分布の重み関数w
k(x,y)を考える。
【0097】
【数13】
【0098】この正規分布の標準偏差であるσyの値を
自由に設定することで、強調したいラインの幅と重みの
強さを変えることができる。すなわち、位相差信頼度が
高い場合は、σyの値を0に近づけることでラインy=
αに強い重みを持たせることが可能であり、合成画像に
ラインy=α付近を強く反映させることが可能である。
【0099】一方、位相差信頼度が低い場合は、σy
値を∞に近づけることで重み関数wk(x,y)が広い
分布を持ち、全ラインにほぼ等しく低い重み付けがなさ
れるため、当該部分画像の全領域を合成画像にあまり反
映させないようにすることができる。
【0100】次に、本実施形態の画像合成装置の動作に
ついて図6を用いて説明する。
【0101】図6は図5に示した画像合成装置の処理手
順を示すフローチャートである。
【0102】図6において、処理装置は、まず、画像入
力手段を用いて一定方向に移動している物体を撮像し
(ステップB1)、画像入力手段から出力された連続す
る部分画像Ik(x,y)(1≦k≦N)をそれぞれ部
分画像記憶部に格納する(ステップB2)。
【0103】次に、部分画像間の画像位置合わせ処理が
全て終了しているか否かを判定し(ステップB3)、画
像位置合わせ処理が全て終了していればステップB7の
処理へ移行する。また、画像位置合わせ処理が全て終了
していない場合は、画像位置合わせ手段11aを用い
て、部分画像記憶部から隣接する二つの部分画像Ik-1
(x,y),Ik(x,y)(2≦k≦N)をそれぞれ
読み出し(ステップB4)、x方向及びy方向の位相差
k,yk(2≦k≦N)と相関値ckをそれぞれ求め、
求めた位相差を位相差記憶手段に格納し(ステップB
5)、相関値ckを位相差信頼度計算手段15に出力す
る。位相差信頼度計算手段15は、画像位置合わせ手段
11aから受け取った二つの画像の相関値ckに基づい
て当該部分画像間の位相差信頼度rkを計算し、その位
相差信頼度rkを位相差信頼度記憶部25に格納して
(ステップB6)、ステップB3の処理に戻る。
【0104】続いて、処理装置は、部分画像に対する重
み付け処理が全て終了しているか否かを判定し(ステッ
プB7)、重み付け処理が全て終了していればステップ
B11の処理へ移行する。また、重み付け処理が全て終
了していない場合は、画像重み付け手段12aを用いて
部分画像記憶部から1フレーム分の部分画像Ik(x,
y)を読み出し(ステップB8)、位相差信頼度記憶部
25から当該位相差信頼度rkを読み出し(ステップB
9)、当該位相差信頼度rkに基づいて重み関数w
k(x,y)を決定する。そして、決定した重み関数wk
(x,y)を用いて当該部分画像に対して重み付け処理
を行い、その処理結果である重み付け部分画像
【0105】
【外7】
【0106】を重み付け部分画像記憶部に格納して(ス
テップB10)ステップB7の処理に戻る。
【0107】次に、処理装置は、重み付け部分画像の重
ね合わせ処理が全て終了しているか否かを判定し(ステ
ップB11)、重ね合わせ処理が全て終了している場合
は、合成画像生成手段を用いて一時合成画像記憶部から
一時合成画像を読み出し(ステップB17)、その各画
像輝度を重み累積値記憶部から読み出した(ステップB
18)各画素の重み累積値で除算し、除算結果を画素輝
度とする最終的な合成画像を出力する(ステップB1
9)。
【0108】一方、重ね合わせ処理が全て終了していな
い場合は、画像重ね合わせ手段を用いて、重み付け部分
画像記憶部から1フレーム分の重み付け部分画像
【0109】
【外8】
【0110】を読み出し(ステップB12)、一時合成画
像記憶部から一つ前のフレームまで重ね合わせた一時合
成画像Jk-1(x,y)を読み出し(ステップB1
3)、位相差記憶手段から当該部分画像と前フレームの
部分画像の位相差xk,ykを読み出して(ステップB1
4)、重み付け部分画像
【0111】
【外9】
【0112】と一時合成画像Jk-1(x,y)とを位相
差xk,ykにしたがって重ね合わせ、新たな一時合成画
像Jk(x,y)を生成する(ステップB15)。ま
た、生成した一時合成画像Jk(x,y)の各画素毎の
重み累積値を計数し、重み累積値記憶に格納する(ステ
ップB16)。
【0113】以上説明した本実施形態の画像合成装置に
よれば、画像位置合わせで得られた位相差の信頼度を考
慮して重み付け処理を行うため、画像の位置合わせ誤差
や部分画像の局所的な歪み等に柔軟に対応することが可
能になり、信頼度の高い部分画像を画像の合成に用いる
ことができるため、合成画像の画質をより向上させるこ
とができる。
【0114】(第3の実施の形態)次に本発明の画像合
成装置の第3の実施の形態について図面を参照して詳細
に説明する。
【0115】図7は本発明の画像合成装置の第3の実施
の形態の構成を示すブロック図である。
【0116】図7に示すように、本実施形態の画像合成
装置は、処理装置に、画像入力手段から出力される部分
画像の画質、または部分画像の局所的な画質を判定する
部分画像画質判定手段16を有し、記憶装置に、部分画
像画質判定手段16の画質判定結果を格納する部分画像
画質記憶部26を有し、処理装置が有する画像重み付け
手段が位相差信頼度計算手段で判定された信頼度及び部
分画像画質判定手段16の画質判定結果に基づいて重み
関数を決定し、重み付け部分画像を生成する点が第2の
実施の形態と異なっている。その他の構成は第2の実施
の形態と同様であるため、その説明は省略する。
【0117】部分画像画質判定手段16は、部分画像記
憶部から読み出した部分画像の局所的なノイズ、ぼけ、
かすれ、つぶれ等を検出し、その画質判定結果を部分画
像画質記憶部26へ格納する。
【0118】部分画像画質判定手段16で用いる画質判
定方法としては、高速フーリエ変換を用いた周波数分析
による判定方法、画像のコントラストによる判定方法、
あるいは抽出特徴点の有無による判定方法等がある。
【0119】また、部分画像の局所的な画質判定方法と
しては、部分画像記憶部から読み出した隣接する二つの
部分画像を複数の領域にそれぞれ分割し、位相差記憶部
から読み出した部分画像間の位相差に基づいて当該二つ
の部分画像間の各領域毎に相関値をそれぞれ計算し、各
領域間の相関値から部分画像の局所的な画質を判定する
方法がある。
【0120】本実施形態の画像重み付け手段12bは、
第1の実施の形態及び第2の実施の形態と同様に、合成
画像に用いる部分画像のどの領域に重みを強く置くか、
すなわち、どの領域を合成画像に強く反映させるかを定
め、定められた重み関数に基づいて部分画像の各画素輝
度に重み関数wk(x,y)を乗算し、その結果を重み
付け部分画像記憶部へ格納する。
【0121】ここで、重み関数wk(x,y)は、位相
差信頼度記憶部から読み出した2つの部分画像間の位相
差信頼度、及び部分画像画質記憶部26から読み出した
当該部分画像の画質に基づいて決定される。すなわち、
位相差信頼度が高いか当該部分画像の画質が良ければ、
当該部分画像を合成画像に強く反映させたいので当該部
分画像に対して強い重み付けを行う。逆に、位相差信頼
度が低いか当該部分画像の画質が悪ければ、当該部分画
像を合成画像に反映させたくないので当該部分画像に対
して弱い重み付けを行う。
【0122】より具体的には、部分画像の任意の画素で
ある(α,β)を強調するために正規分布の重み関数w
k(x,y)を考える。
【0123】
【数14】
【0124】この正規分布の標準偏差であるσx及びσy
の値を自由に設定することで、強調したい画素付近の広
がりと重みの強さを変えることができる。すなわち、位
相差信頼度が高いか画素(α,β)付近の画質が良い場
合は、標準偏差σx及びσyの値を0に近づけることで
(α,β)付近に強い重みを持たせることができる。
【0125】一方、位相差信頼度が低いか(α,β)付
近の画質が悪い場合は、標準偏差σ x及びσyの値を∞に
近づけることで、重み関数wk(x,y)が広い分布を
持ち、部分画像全体にほぼ等しく低い重み付けがなされ
るため、当該部分画像の全領域を合成画像にあまり反映
させないようにすることができる。
【0126】次に、本実施形態の画像合成装置の動作に
ついて図8、図9を用いて説明する。
【0127】図8及び図9は図7に示した画像合成装置
の処理手順を示すフローチャートである。
【0128】図8において、処理装置は、まず、画像入
力手段を用いて一定方向に移動している物体を撮像し
(ステップC1)、画像入力手段から出力された連続す
る部分画像Ik(x,y)(1≦k≦N)をそれぞれ部
分画像記憶部に格納する(ステップC2)。
【0129】次に、部分画像間の画像位置合わせ処理が
全て終了しているか否かを判定し(ステップC3)、画
像位置合わせ処理が全て終了していればステップC8の
処理へ移行する。また、画像位置合わせ処理が全て終了
していない場合は、画像位置合わせ手段を用いて、部分
画像記憶部から隣接する二つの部分画像Ik-1(x,
y),Ik(x,y)(2≦k≦N)をそれぞれ読み出
し(ステップC4)、x方向及びy方向の位相差xk
k(2≦k≦N)と相関値ckをそれぞれ求め、求めた
位相差を位相差記憶手段に格納し(ステップC5)、相
関値ckを位相差信頼度計算手段に出力する。位相差信
頼度計算手段は、画像位置合わせ手段から受け取った二
つの画像の相関値ckに基づいて当該部分画像間の位相
差信頼度rkを計算し、その計算結果を位相差信頼度記
憶部25に格納する(ステップC6)。また、部分画像
画質判定手段26は、部分画像記憶部から読み出した部
分画像、及び位相差記憶部から読み出した当該部分画像
の位相差に基づいて、当該部分画像の画質及び当該部分
画像の局所的な画質を判定し、その判定結果を部分画像
画質記憶部26に格納して(ステップC7)、ステップ
C3の処理に戻る。
【0130】続いて、処理装置は、部分画像に対する重
み付け処理が全て終了しているか否かを判定し(ステッ
プC8)、重み付け処理が全て終了していれば、図9に
示すステップC13の処理へ移行する。また、重み付け
処理が全て終了していない場合は、画像重み付け手段1
2bを用いて部分画像記憶部から1フレーム分の部分画
像Ik(x,y)を読み出し(ステップC9)、位相差
信頼度記憶部から当該位相差信頼度rkを読み出し(ス
テップC10)、部分画像画質記憶部26から当該部分
画像の画質の程度qkを読み出し(ステップC11)、
当該位相差信頼度rk及び当該画質の程度qkに基づいて
重み関数wk(x,y)を決定する。そして、決定した
重み関数wk(x,y)を用いて当該部分画像に対して
重み付け処理を行い、その処理結果である重み付け部分
画像
【0131】
【外10】
【0132】を重み付け部分画像記憶部に格納して(ス
テップC12)ステップC8の処理に戻る。
【0133】次に、処理装置は、重み付け部分画像の重
ね合わせ処理が全て終了しているか否かを判定し(ステ
ップC13)、重ね合わせ処理が全て終了している場合
は、合成画像生成手段を用いて一時合成画像記憶部から
一時合成画像を読み出し(ステップC19)、その各画
像輝度を重み累積値記憶部から読み出した(ステップC
20)各画素輝度毎の重み累積値で除算し、除算結果を
画素輝度とする最終的な合成画像を出力する(ステップ
C21)。
【0134】一方、重ね合わせ処理が全て終了していな
い場合は、画像重ね合わせ手段を用いて、重み付け部分
画像記憶部から1フレーム分の重み付け部分画像
【0135】
【外11】
【0136】を読み出し(ステップC14)、一時合成画
像記憶部から一つ前のフレームまで重ね合わせた一時合
成画像Jk-1(x,y)を読み出し(ステップC1
5)、位相差記憶手段から当該部分画像と前フレームの
部分画像の位相差xk,ykを読み出して(ステップC1
6)、重み付け部分画像
【0137】
【外12】
【0138】と一時合成画像Jk-1(x,y)とを位相
差xk,ykにしたがって重ね合わせ、新たな一時合成画
像Jk(x,y)を生成する(ステップC17)。ま
た、生成した一時合成画像Jk(x,y)の各画素毎の
重み累積値を計数し、重み累積値記憶に格納する(ステ
ップC18)。
【0139】本実施形態の画像合成方法では、部分画像
の画質または部分画像の局所的な画質を考慮して重み付
け処理を行うため、画質の良い部分画像あるいはその領
域を画像の合成に用いることができるため、合成画像の
画質を向上させることができる。
【0140】なお、本実施形態では処理装置に第2の実
施の形態と同様の位相差信頼度計算手段及び位相差信頼
度記憶部を有する場合で説明しているが、これらは無く
てもよい。その場合、画像重み付け手段12bは部分画
像画質判定手段16で判定された部分画像の画質あるい
は部分画像の局所的な画質の程度のみに基づいて重み関
数を設定し、重み付け処理を行う。
【0141】(第4の実施の形態)次に本発明の画像合
成装置の第4の実施の形態について図面を参照して詳細
に説明する。
【0142】図10は本発明の画像合成装置の第4の実
施の形態の構成を示すブロック図である。
【0143】図10に示すように、本実施形態の画像合
成装置は、画像入力手段10aと、画像入力手段10a
で撮像して得られる連続する複数の部分画像から一枚の
画像を合成するコンピュータ3と、コンピュータ3で合
成された合成画像を出力するための出力装置4とを有す
る構成である。
【0144】コンピュータ3は、CPU31と、CPU
31の処理に必要な各種データを格納するための記憶装
置32と、CPU31に所定の画像合成処理を実行させ
るための画像合成プログラムが記録された記録媒体33
と、画像入力手段10a及び出力装置4との間で画像デ
ータを送受信するためのI/O装置34とを有し、CP
U31、記憶装置32、記録媒体33、及びI/O装置
34は、バス35によってそれぞれ接続されている。
【0145】CPU31は記録媒体33に記録された画
像合成プログラムを読み出し、読み出した画像合成プロ
グラムにしたがって、上記第1の実施の形態〜第3の実
施の形態に記載された処理装置(画像入力手段を除く)
と同様の処理を実行する。なお、記録媒体33は、磁気
ディスク、光ディスク、半導体メモリ及びその他の記録
装置であってもよい。
【0146】本実施形態の構成でも、上記第1の実施の
形態〜第3の実施の形態と同様の効果を得ることができ
る。
【0147】
【実施例】次に本発明の画像合成方法及び画像合成装置
の実施例について説明する。なお、以下の各実施例は本
発明の画像合成方法及び画像合成装置を指紋入力装置に
適用した例である。
【0148】(第1実施例)本発明の指紋入力装置の第
1実施例について図面を参照して説明する。なお、第1
実施例は上述した第1の実施の形態に対応するものであ
る。
【0149】第1実施例の指紋入力装置は、画像入力手
段として細長い矩形形状(300×30ピクセル)の指
紋センサを用い、画像位置合わせ手段で逐次法を用い、
画像重み付け手段で図11及び以下の式で示す重み関数
k(x,y)を用いるものとする。
【0150】
【数15】
【0151】また、記憶装置にはRAM(Random Acces
s Memory)を用いるものとする。
【0152】今、ユーザが画像入力手段であるバー状の
指紋センサに指を押捺しながら、指紋センサの長手方向
と垂直な方向に指を動かしたとする。指紋センサはユー
ザの指紋画像を連続して取得し部分画像として記憶装置
にそれぞれ格納する。
【0153】処理装置は、記憶装置に格納された指紋画
像の隣接するフレーム間の画像位置合わせを逐次法を用
いて行い、各フレーム間の位相差を算出してそれぞれ記
憶装置に格納する。
【0154】続いて、記憶装置に格納された各指紋画像
の中央ラインを上記重み関数を用いて強調するための重
み付け処理を行う。そして、中央ラインを強調した各指
紋画像(重み付け部分画像)をフレーム間の位相差に基
づいて逐次重ね合わせて一時合成画像を生成し、生成さ
れた一時合成画像を記憶装置に格納する。
【0155】ここで、一時合成画像の重なっている領域
では、各フレーム毎に画素輝度が累積される。同時に、
重ね合わせて生成された一時合成画像の各画素毎の重み
の累積値が記憶装置に格納される。
【0156】最後に、記憶装置に格納された一時合成画
像の各画素輝度を、同じく記憶装置に格納された各画素
の重み累積値で除算し、その除算結果を最終的な合成画
像の画素輝度として出力する。
【0157】第1実施例の指紋入力装置は、バー形状の
指紋センサを用いることでセンサ部の面積を小さくする
ことができるため、指紋入力装置の製造コストを低減す
ることができる。また、その形状とサイズを活かして、
指紋センサを携帯電話やICカードに搭載することがで
きるため、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0158】さらに、指紋センサの面積が小さくて良好
な画質の合成画像を生成することができるため、指紋認
証を高精度に行うことができる。
【0159】(第2実施例)次に本発明の指紋入力装置
の第2実施例について図面を参照して説明する。なお、
第2実施例は上述した第2の実施の形態に対応するもの
である。
【0160】第2実施例の指紋入力装置は、画像入力手
段として細長い矩形形状(300×30ピクセル)の指
紋センサを用い、画像位置合わせ手段で逐次法を用い、
画像重み付け手段は位相差xk,ykとその位相差におけ
る相関値ck(0≦ck≦255)をそれぞれ出力するも
のとする。
【0161】また、位相差信頼度計算手段は位相差信頼
度rkを以下の式を用いて算出する。
【0162】
【数16】
【0163】すなわち、相関値ckが小さい(相関が高
い)ほど、位相差信頼度rkの値は大きくなる。さら
に、画像重み付け手段は重み関数wk(x,y)として
以下の式を用いるものとする。
【0164】
【数17】
【0165】ここで、σyは位相差信頼度rkによって定
まる値であり、以下の式で定義される。
【0166】
【数18】
【0167】なお、部分画像記憶部、位相差記憶部、位
相差信頼度記憶部、重み付け画像記憶部、一時合成画像
記憶部、重み累積値記憶部を含む記憶装置にはRAMを
用いるものとする。
【0168】今、ユーザが画像入力手段であるバー状の
指紋センサに指を押捺しながら、指紋センサの長手方向
と垂直な方向に指を動かしたとする。指紋センサはユー
ザの指紋画像を連続して取得し部分画像として記憶装置
にそれぞれ格納する。
【0169】処理装置は、記憶装置に格納された指紋画
像の隣接するフレーム間の画像位置合わせを逐次法を用
いて行い、各フレーム間の位相差及び相関値を算出して
それぞれ記憶装置に格納する。
【0170】次に、記憶装置に格納されたフレーム間の
相関値に基づいて位相差信頼度を算出して記憶装置に格
納する。ここで、最も相関の高い相関値ck=0のと
き、位相差信頼度はrk=255となる。
【0171】次に、記憶装置に格納されたフレーム間の
位相差信頼度に基づいて、各指紋画像へ与える重みを決
定する。例えば、最も位相差信頼度の高いrk=255
の場合σy=1となり、重み関数wk(x,y)は図12
に示すような1次元標準正規分布となる。
【0172】また、位相差信頼度の低いrk=230の
場合、σy=3となり、図13に示すように重み関数wk
(x,y)がより平坦化される。
【0173】次に、記憶装置に格納された入力指紋画像
の中央ラインを上記の重み関数wk(x,y)に用いて
強調する。そして、中央ラインを強調した指紋画像を1
フレーム毎に、フレーム間の位相差に基づいて逐次重ね
合わせ、生成された一時合成画像を記憶装置に格納す
る。
【0174】すなわち、一時合成画像の重なっている領
域では各フレーム毎に画素輝度が累積される。また、一
時合成画像の各画素毎の重みの累積値がそれぞれ記憶装
置に格納される。
【0175】最後に、記憶装置に格納された一時合成画
像の各画素輝度を、同じく記憶装置に格納された各画素
の重み累積値で除算し、その除算結果を最終的な合成画
像の画素輝度として出力する。
【0176】第2実施例の指紋入力装置では、第1実施
例の効果に加えて得られた位相差の信頼度を相関値を用
いて決定し、その信頼度に基づいて重みを決定している
ため、画像の位置合わせ誤差や部分画像の局所的な歪み
等に柔軟に対応することができる。
【0177】(第3実施例)次に本発明の指紋入力装置
の第3実施例について図面を参照して説明する。なお、
第2実施例は上述した第3の実施の形態に対応するもの
である。
【0178】第3実施例の指紋入力装置は、第2実施例
の構成に加えて、部分画像画質判定手段として2次元フ
ーリエ変換を用い、部分画像画質記憶部としてRAMを
用いるものである。
【0179】今、ユーザが画像入力手段であるバー状の
指紋センサに指を押捺しながら、指紋センサの長手方向
と垂直な方向に指を動かしたとする。指紋センサはユー
ザの指紋画像を連続して取得し部分画像として記憶装置
にそれぞれ格納する。
【0180】処理装置は、記憶装置に格納された指紋画
像の隣接するフレーム間の画像位置合わせを逐次法を用
いて行い、各フレーム間の位相差及び相関値を算出して
それぞれ記憶装置に格納する。
【0181】次に、記憶装置に格納されたフレーム間の
相関値に基づいて位相差信頼度を算出して記憶装置に格
納する。また、部分画像を2次元フーリエ変換すること
で画質を判定し、画質の程度を記憶装置に格納する。
【0182】撮像対象が指紋の場合、指紋の隆線はほぼ
周期的な縞模様を形成しており、その隆線間隔(以下、
隆線ピッチと呼ぶ)がほぼ一定である。そこで、入力画
像の指紋らしさを判定するために、予め隆線ピッチの上
限及び下限を決めておく。そして、部分画像を2次元フ
ーリエ変換することで画像の周波数ピッチを検出し、そ
の周波数ピッチが前述の指紋ピッチと判定できる閾値内
に収まっているか否かを調べ、その得られた周波数ピッ
チに基づいて部分画像の画質を判定する。
【0183】次に、記憶装置に格納されたフレーム間の
位相差信頼度及び部分画像の画質にに基づいて各指紋画
像へ与える重みを決定する。例えば、入力画像の画質が
悪ければ(指紋らしくなければ)、重み関数wk(x,
y)=0とし、その部分画像を画像合成に用いないよう
にする。
【0184】次に、記憶装置に格納された入力指紋画像
の中央ラインを上記の重み関数wk(x,y)に用いて
強調する。そして、中央ラインを強調した指紋画像を1
フレーム毎に、フレーム間の位相差に基づいて逐次重ね
合わせ、生成された一時合成画像を記憶装置に格納す
る。
【0185】すなわち、一時合成画像の重なっている領
域では、各フレーム毎に画素輝度が累積される。同時
に、重ね合わせて生成された一時合成画像の各画素毎の
重みの累積値がそれぞれ記憶装置に格納される。
【0186】最後に、記憶装置に格納された一時合成画
像の各画素輝度を、同じく記憶装置に格納された各画素
の重み累積値で除算し、その除算結果を最終的な合成画
像の画素輝度として出力する。
【0187】第3実施例の指紋入力装置では、部分画像
を2次元フーリエ変換することで指紋らしさを判定して
いるため、指紋入力時の指紋センサと指の接触不良によ
って起こる部分的な指紋の未取得を検知することが可能
であり、合成画像を生成する際に指紋の映っていない部
分画像を排除することが可能である。したがって、生成
する合成画像の画質を高めることができる。
【0188】
【発明の効果】本発明は以上説明したように構成されて
いるので、以下に記載する効果を奏する。
【0189】部分画像にそれぞれ重みを付与して画像を
合成することで、部分画像の強く重み付けされた領域を
合成画像に強く反映させ、弱く重み付けされた領域を合
成画像に反映させないことができるため、画像位置合わ
せにおける位置合わせ誤差や画像の歪みを合成画像に反
映させないようにすることができる。
【0190】したがって、撮像対象の連続性が保たれる
と共に、良好な画質の合成画像を得ることができる。
【0191】また、位相差の信頼度に基づいて重みを決
定することで、画像の位置合わせ誤差や部分画像の局所
的な歪み等に柔軟に対応することができるため、合成画
像の画質をより向上させることができる。
【0192】さらに、部分画像の画質または部分画像の
局所的な画質を考慮して重みを決定することで、画質の
良い部分画像あるいはその領域を画像の合成に用いるこ
とができるため、合成画像の画質をより向上させること
ができる。
【0193】また、指紋入力装置に、上記画像合成装置
とセンサ部に押し当てられて移動する指を撮像して得ら
れる指紋の複数の部分画像を出力する画像入力手段とを
有することで、センサ部の面積が小さくて良好な画質の
合成画像を生成することができるため、指紋認証を高精
度に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像合成装置の第1の実施の形態の構
成を示すブロック図である。
【図2】図1に示した画像重み付け手段で用いられる重
み関数の一例を示す図であり、部分画像の形状とそれに
付与される重み関数の関係を示す平面図である。
【図3】図1に示した画像重ね合わせ手段で用いられる
画像重ね合わせの例を示す平面図である。
【図4】図1に示した画像合成装置の処理手順を示すフ
ローチャートである。
【図5】本発明の画像合成装置の第2の実施の形態の構
成を示すブロック図である。
【図6】図6は図5に示した画像合成装置の処理手順を
示すフローチャートである。
【図7】本発明の画像合成装置の第3の実施の形態の構
成を示すブロック図である。
【図8】図7に示した画像合成装置の処理手順を示すフ
ローチャートである。
【図9】図7に示した画像合成装置の処理手順を示すフ
ローチャートである。
【図10】本発明の画像合成装置の第4の実施の形態の
構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の指紋入力装置の第1実施例で用いる
重み関数の一例を示すグラフである。
【図12】本発明の指紋入力装置の第2実施例で用いる
重み関数の一例を示す図であり、位相差信頼度が最も高
い場合の様子を示すグラフである。
【図13】本発明の指紋入力装置の第2実施例で用いる
重み関数の一例を示す図であり、位相差信頼度が低い場
合の様子を示すグラフである。
【符号の説明】
1 処理装置 2 記憶装置 10 画像入力装置 11、11a 画像位置合わせ手段 12、12a、12b 画像重み付け手段 13 画像重ね合わせ手段 14 合成画像生成手段 15 位相差信頼度計算手段 16 部分画像画質判定手段 20 部分画像記憶部 21 位相差記憶部 22 重み付け部分画像記憶部 23 一時合成画像記憶部 24 重ね累積値記憶部 25 位相差信頼度記憶部 26 部分画像画質記憶部

Claims (20)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一定方向に移動する物体を撮像して得ら
    れる時間的に連続した複数の部分画像から、それらを合
    成した合成画像を生成するための画像合成方法であっ
    て、 前記複数の部分画像のうち、隣接する二つの部分画像の
    空間的な位置ずれ量である位相差をそれぞれ求め、 前記部分画像のどの領域を前記合成画像にどの程度反映
    させるかを示す重みを前記部分画像に対してそれぞれ付
    与し、 重み付けされた部分画像を対応する位相差にしたがって
    それぞれ重ね合わせて合成途中の画像である一時合成画
    像を生成すると共に、前記一時合成画像の各画素毎の重
    みの累積値を計数し、 前記一時合成画像の各画素の輝度を各々の重みの累積値
    で除算し、該除算結果の輝度を備えた前記合成画像を出
    力する画像合成方法。
  2. 【請求項2】 隣接する二つの部分画像を重ね合わせた
    時の一致度を示す相関値に基づいて前記位相差の信頼度
    を設定し、 該位相差の信頼度に基づいて前記部分画像に対してそれ
    ぞれ前記重みを付与する請求項1記載の画像合成方法。
  3. 【請求項3】 前記部分画像の画質、または該部分画像
    の局所的な画質の少なくとも一方を判定し、 該画質の判定結果に基づいて前記部分画像に対してそれ
    ぞれ前記重みを付与する請求項1記載の画像合成方法。
  4. 【請求項4】 隣接する二つの部分画像を重ね合わせた
    時の一致度を示す相関値に基づいて前記位相差の信頼度
    を算出し、 前記部分画像の画質、または該部分画像の局所的な画質
    の少なくとも一方を判定し、 該位相差の信頼度及び該画質の判定結果に基づいて前記
    部分画像に対してそれぞれ前記重みを付与する請求項1
    記載の画像合成方法。
  5. 【請求項5】 隣接する二つの部分画像を複数の画像領
    域にそれぞれ分割し、 該二つの部分画像を重ね合わせた時の一致度を示す相関
    値を該画像領域毎にそれぞれ算出し、 該相関値に基づいて部分画像の局所的な画質を判定する
    請求項3または4記載の画像合成方法。
  6. 【請求項6】 前記合成画像に最も強く反映させる部位
    にピークを持つ正規分布の密度関数を重みとして用いる
    請求項1乃至5のいずれか1項記載の画像合成方法。
  7. 【請求項7】 一定方向に移動する物体を撮像して得ら
    れる時間的に連続した複数の部分画像から、それらを合
    成した合成画像を生成する画像合成装置であって、 前記複数の部分画像のうち、隣接する二つの部分画像の
    空間的な位置ずれ量である位相差をそれぞれ求める画像
    位置合わせ手段と、 前記部分画像のどの領域を前記合成画像にどの程度反映
    させるかを示す重みを前記部分画像に対してそれぞれ付
    与する画像重み付け手段と、 重み付けされた部分画像を前記画像位置合わせ手段で求
    めた対応する位相差にしたがってそれぞれ重ね合わせて
    合成途中の画像である一時合成画像を生成すると共に、
    前記一時合成画像の各画素毎の重みの累積値を計数する
    画像重ね合わせ手段と、 前記一時合成画像の各画素の輝度を各々の重みの累積値
    で除算し、該除算結果の輝度を備えた前記合成画像を出
    力する合成画像生成手段と、 を有する画像合成装置。
  8. 【請求項8】 隣接する二つの部分画像を重ね合わせた
    時の一致度を示す相関値に基づいて前記画像位置合わせ
    手段で求めた前記位相差の信頼度を設定し、前記画像重
    み付け手段に出力する位相差信頼度計算手段を有し、 前記画像位置合わせ手段は前記相関値を算出して前記位
    相差信頼度計算手段に送出し、 前記画像重み付け手段は前記位相差信頼度計算手段で算
    出された前記位相差の信頼度に基づいて前記部分画像に
    対してそれぞれ前記重みを付与する請求項7記載の画像
    合成装置。
  9. 【請求項9】 前記部分画像の画質、または該部分画像
    の局所的な画質の少なくとも一方を判定する部分画像画
    質判定手段を有し、 前記画像重み付け手段は前記部分画像画質判定手段の画
    質判定結果に基づいて前記部分画像に対してそれぞれ前
    記重みを付与する請求項7記載の画像合成装置。
  10. 【請求項10】 隣接する二つの部分画像を重ね合わせ
    た時の一致度を示す相関値に基づいて前記画像位置合わ
    せ手段で求めた前記位相差の信頼度を算出し、前記画像
    重み付け手段に出力する位相差信頼度計算手段と、 前記部分画像の画質、または該部分画像の局所的な画質
    の少なくとも一方を判定する部分画像画質判定手段とを
    有し、 前記画像重み付け手段は前記位相差信頼度計算手段で算
    出された前記位相差の信頼度及び前記部分画像画質判定
    手段の画質判定結果に基づいて前記部分画像に対してそ
    れぞれ前記重みを付与する請求項7記載の画像合成装
    置。
  11. 【請求項11】 前記部分画像画質判定手段は、 隣接する二つの部分画像を複数の画像領域にそれぞれ分
    割し、該二つの部分画像を重ね合わせた時の一致度を示
    す相関値を該画像領域毎にそれぞれ算出し、該相関値に
    基づいて部分画像の局所的な画質を判定する請求項9ま
    たは10記載の画像合成装置。
  12. 【請求項12】 前記重みは、 前記合成画像に最も強く反映させる部位にピークを持つ
    正規分布の密度関数である請求項7乃至11のいずれか
    1項記載の画像合成装置。
  13. 【請求項13】 一定方向に移動する物体を撮像して得
    られる時間的に連続した複数の部分画像から、コンピュ
    ータにそれらを合成した合成画像を生成させるためのプ
    ログラムが記録された記録媒体であって、 前記複数の部分画像のうち、隣接する二つの部分画像の
    空間的な位置ずれ量である位相差をそれぞれ算出させ、 前記部分画像のどの領域を前記合成画像にどの程度反映
    させるかを示す重みを前記部分画像に対してそれぞれ付
    与させ、 重み付けされた部分画像を対応する位相差にしたがって
    それぞれ重ね合わせて合成途中の画像である一時合成画
    像を生成すると共に、前記一時合成画像の各画素毎の重
    みの累積値を計数させ、 前記一時合成画像の各画素の輝度を各々の重みの累積値
    で除算し、該除算結果の輝度を備えた前記合成画像を出
    力させるためのプログラムが記録された記録媒体。
  14. 【請求項14】 隣接する二つの部分画像を重ね合わせ
    た時の一致度を示す相関値に基づいて前記位相差の信頼
    度を設定させ、 該位相差の信頼度に基づいて前記部分画像に対してそれ
    ぞれ前記重みを付与させるためのプログラムが記録され
    た請求項13記載の記録媒体。
  15. 【請求項15】 前記部分画像の画質、または該部分画
    像の局所的な画質の少なくとも一方を判定させ、 該画質の判定結果に基づいて前記部分画像に対してそれ
    ぞれ前記重みを付与させるためのプログラムが記録され
    た請求項13記載の記録媒体。
  16. 【請求項16】 隣接する二つの部分画像を重ね合わせ
    た時の一致度を示す相関値に基づいて前記位相差の信頼
    度を算出させ、 前記部分画像の画質、または該部分画像の局所的な画質
    の少なくとも一方を判定させ、 該位相差の信頼度及び該画質の判定結果に基づいて前記
    部分画像に対してそれぞれ前記重みを付与させるための
    プログラムが記録された請求項13記載の記録媒体。
  17. 【請求項17】 隣接する二つの部分画像を複数の画像
    領域にそれぞれ分割させ、該二つの部分画像を重ね合わ
    せた時の一致度を示す相関値を該画像領域毎にそれぞれ
    算出させ、該相関値に基づいて部分画像の局所的な画質
    を判定させるためのプログラムが記録された請求項15
    または16記載の記録媒体。
  18. 【請求項18】 前記合成画像に最も強く反映させる部
    位にピークを持つ正規分布の密度関数を重みとして用い
    るためのプログラムが記録された請求項13乃至17の
    いずれか1項記載の記録媒体。
  19. 【請求項19】 請求項7乃至12のいずれか1項記載
    の画像合成装置と、センサ部に押し当てられて移動する
    指を撮像して得られる指紋の前記複数の部分画像を出力
    する画像入力手段と、 を有する指紋入力装置。
  20. 【請求項20】 前記画像入力手段は、 細長い矩形形状のセンサ部を有する請求項19記載の指
    紋入力装置。
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