JP3536801B2 - シリンダヘッドのレーザクラッド加工方法 - Google Patents

シリンダヘッドのレーザクラッド加工方法

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JP3536801B2
JP3536801B2 JP2000280328A JP2000280328A JP3536801B2 JP 3536801 B2 JP3536801 B2 JP 3536801B2 JP 2000280328 A JP2000280328 A JP 2000280328A JP 2000280328 A JP2000280328 A JP 2000280328A JP 3536801 B2 JP3536801 B2 JP 3536801B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車用エ
ンジンのシリンダヘッドにおける複数のバルブシート部
に対してレーザクラッド加工を行うのに用いられるシリ
ンダのレーザクラッド加工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年では、自動車用エンジンのさらなる
高性能化を実現するために、シリンダヘッドのバルブシ
ート部にレーザクラッド加工を行っている。このレーザ
クラッド加工では、例えばアルミニウム合金製のシリン
ダヘッドに対して銅合金製の粉末クラッド用金属が用い
られ、環状のバルブシート部に沿ってクラッド用金属を
供給しながらレーザビームを集中的に照射し、クラッド
用金属を溶接肉盛りしてバルブシートを一体的に形成す
る。このようにバルブシート部にレーザクラッド加工を
行うことにより、別体のバルブシート部品を使用した場
合に比べて、耐摩耗性や耐熱性を高めることができ、ま
た、熱伝導率の向上に伴って圧縮比や燃焼効率の向上に
も貢献し得るものとなる。
【0003】そして、従来では、シリンダヘッドにおけ
る複数のバルブシート部に対して、順にレーザクラッド
加工を行っていた。なお、シリンダヘッドに対するレー
ザクラッド加工は、例えば特開平6−126475号公
報に開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、自動車用エ
ンジンのシリンダヘッドは、周知のように、1つの気筒
において吸気側と排気側のバルブシート部が比較的近い
位置にあり、さらに、吸気側と排気側に2つずつのバル
ブシート部を有するものでは、当然、バルブシート部同
士の位置がより近いものとなる。このため、シリンダヘ
ッドにおける複数のバルブシート部に対して順にレーザ
クラッド加工を行う場合、最初のバルブシート部にレー
ザクラッド加工を行った際に、供給した粉末のクラッド
用金属が飛散して隣接する未加工のバルブシート部に付
着することがある。
【0005】一方、レーザクラッド加工では、良好な溶
着状態を得るために、レーザビームの照射量とクラッド
用金属の供給量とのバランスを常に適正に保つことが重
要である。このため、クラッド用金属が付着したままの
状態でそのバルブシート部にレーザクラッド加工を行う
と、レーザビームの照射量とクラッド用金属の供給量と
のバランスが適正なものではなくなり、これによりクラ
ックや剥離といった溶着不良が発生する恐れがあるとい
う問題点があり、このような問題点を解決することが課
題であった。
【0006】
【発明の目的】本発明は、上記従来の課題に着目して成
されたもので、エンジンのシリンダヘッドにおける複数
のバルブシート部に対してレーザクラッド加工を順に行
うに際し、未加工のバルブシート部に付着したクラッド
用金属を除去することで、レーザビームの照射量とクラ
ッド用金属の供給量とのバランスを維持して、良好な溶
着状態を得ることができるシリンダヘッドのレーザクラ
ッド加工方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係わるシリンダ
ヘッドのレーザクラッド加工方法は、請求項1として、
エンジンのシリンダヘッドにおける複数のバルブシート
部に対して、粉末のクラッド用金属を供給しながらレー
ザビームを照射するレーザクラッド加工を順に行うに際
し、所定のバルブシート部にレーザクラッド加工を行っ
た後、レーザクラッド加工を行ったバルブシート部に隣
接するバルブシート部を除く未加工のバルブシート部を
順次選択して所定数のレーザクラッド加工を行い、その
後、レーザクラッド加工を行ったバルブシート部に隣接
する未加工のバルブシート部に付着したクラッド用金属
を除去し、その未加工のバルブシート部にレーザクラッ
ド加工を行う構成とし、請求項2として、エンジンの複
数気筒用のシリンダヘッドにおける複数のバルブシート
部に対して、粉末のクラッド用金属を供給しながらレー
ザビームを照射するレーザクラッド加工を順に行うに際
し、各気筒における所定位置のバルブシート部同士を合
せて一群とし、各群毎にバルブシート部へのレーザクラ
ッド加工および未加工のバルブシート部に付着したクラ
ッド用金属の除去を行う構成とし、請求項3として、未
加工のバルブシート部に付着したクラッド用金属を除去
するに際し、バルブシート部に対応する回転ブラシとク
ラッド用金属を吸引する吸引手段を用いる構成としてお
り、上記構成をもって課題を解決するための手段として
いる。
【0008】
【0009】
【発明の作用】本発明の請求項1に係わるシリンダヘッ
ドのレーザクラッド加工方法では、シリンダヘッドにお
ける複数のバルブシート部に対して、所定のバルブシー
ト部に粉末のクラッド用金属を供給しながらレーザビー
ムを照射してレーザクラッド加工を行う。この際、隣接
する未加工のバルブシート部には、供給するクラッド用
金属が飛散して付着することがある。そこで、所定のバ
ルブシート部にレーザクラッド加工を行った後、レーザ
クラッド加工を行ったバルブシート部に隣接するバルブ
シート部を除く未加工のバルブシート部を順次選択して
所定数のレーザクラッド加工を行う。つまり、隣接する
未加工のバルブシート部にはクラッド用金属が付着して
いることがあるが、クラッド用金属の飛散範囲がほぼ限
られているので、隣接するバルブシート部を除く未加工
のバルブシート部、すなわちクラッド用金属の飛散範囲
外である未加工のバルブシート部にレーザクラッド加工
を行う。その後、レーザクラッド加工を行ったバルブシ
ート部に隣接する未加工のバルブシート部、すなわちク
ラッド用金属の飛散範囲内である未加工のバルブシート
部に付着したクラッド用金属を除去し、その未加工のバ
ルブシート部にレーザクラッド加工を行う。これによ
り、全てのバルブシート部においてレーザビームの照射
量とクラッド用金属の供給量とのバランスが適正に維持
され、クラックや剥離といった溶着不良が防止される。
【0010】
【0011】本発明の請求項2に係わるシリンダヘッド
のレーザクラッド加工方法では、シリンダヘッドが複数
気筒用である。そこで、各気筒における所定位置のバル
ブシート部同士を合せて一群とする。例えば、各気筒の
吸気側のバルブシート部を一群とし、同じく排気側のバ
ルブシート部を別の一群とする。また、吸気側と排気側
に2つずつのバルブシート部を有する場合には、同じ位
置のバルブシート部同士を合せて一群とするのがより望
ましい。なお、1つの気筒に4つのバルブシート部を有
する場合には、各気筒で選択するバルブシート部の数は
必ずしも1つでなくても良い。
【0012】そして、最初の一群のバルブシート部に順
にレーザクラッド加工を行う。このとき、最初のバルブ
シート部にレーザクラッド加工を行った際、クラッド用
金属が飛散することがあるが、そのクラッド用金属が隣
接する気筒に至る可能性はきわめて低く、また、隣接す
る気筒に至ったとしても極々微量である。したがって、
一群のバルブシート部すなわち気筒別のバルブシート部
に順次レーザクラッド加工を行えば、飛散したクラッド
用金属の影響を受けることはない。
【0013】その後、次の一群のバルブシート部に対し
てクラッド用金属の除去を行い、これらのバルブシート
部にレーザクラッド加工を行う。以後、各群毎にレーザ
クラッド加工およびクラッド用金属の除去を行う。これ
により、全てのバルブシート部において、レーザビーム
の照射量とクラッド用金属の供給量とのバランスが適正
に維持され、クラックや剥離といった溶着不良が防止さ
れる。
【0014】
【0015】本発明の請求項3に係わるシリンダヘッド
のレーザクラッド加工方法では、未加工のバルブシート
部に付着したクラッド用金属を除去するに際し、クラッ
ド用金属が付着した未加工のバルブシート部に回転ブラ
シおよび吸引手段を対応させ、回転ブラシによりクラッ
ド用金属を払拭すると共に、吸引手段によりクラッド用
金属を吸引して、未加工のバルブシート部からクラッド
用金属を完全に除去する。
【0016】
【発明の効果】本発明の請求項1に係わるシリンダヘッ
ドのレーザクラッド加工方法によれば、エンジンのシリ
ンダヘッドにおける複数のバルブシート部に対してレー
ザクラッド加工を順に行うに際し、供給したクラッド用
金属が飛散して隣接する未加工のバルブシート部に付着
したとしても、その後において、付着したクラッド用金
属を除去してからレーザクラッド加工を行うことから、
レーザビームの照射量とクラッド用金属の供給量とのバ
ランスを適正に維持して、クラックや剥離といった溶着
不良を防止し、良好な溶着状態を得ることができ、ひい
てはシリンダヘッドの品質を大幅に高めることができ
る。
【0017】また、本発明の請求項1に係わるシリンダ
ヘッドのレーザクラッド加工方法によれば、とくに、所
定のレーザクラッド加工後、加工後のバルブシート部に
隣接するバルブシート部を除く未加工のバルブシート部
を順次選択して所定数のレーザクラッド加工を行い、そ
の後、未加工のバルブシート部に付着したクラッド用金
属を除去することから、レーザクラッド加工および付着
したクラッド用金属の除去作業を効率的に且つ短時間で
行うことができ、品質の向上ならびに生産性の向上にも
貢献することができる。また、順次行うレーザクラッド
加工の位置を離間させることが可能となり、これにより
熱影響による母材希釈を低減することができ、クラック
の発生をより確実に抑制することができる。
【0018】本発明の請求項2に係わるシリンダヘッド
のレーザクラッド加工方法によれば、エンジンの複数気
筒用のシリンダヘッドにおける複数のバルブシート部に
対してレーザクラッド加工を順に行うに際し、各気筒に
おける所定位置のバルブシート部同士を合せて一群と
し、各群毎にレーザクラッド加工およびクラッド用金属
の除去を行うことにより、供給したクラッド用金属が飛
散して隣接する未加工のバルブシート部に付着したとし
ても、その後において、付着したクラッド用金属を除去
してからレーザクラッド加工を行うことで、レーザビー
ムの照射量とクラッド用金属の供給量とのバランスを適
正に維持して、クラックや剥離といった溶着不良を防止
し、良好な溶着状態を得ることができると共に、これら
の作業を効率的に且つ短時間で行うことができ、品質の
向上ならびに生産性の向上にも貢献することができる。
また、気筒別のバルブシート部に順次レーザクラッド加
工を行うので、加工位置が離間したものとなり、熱影響
による母材希釈を低減することができ、クラックの発生
をより確実に抑制することができる。
【0019】
【0020】本発明の請求項3に係わるシリンダヘッド
のレーザクラッド加工方法によれば、請求項1又は2と
同様の効果を得ることができるうえに、回転ブラシの払
拭作用と吸引手段の吸引作用によって未加工のバルブシ
ート部に付着したクラッド用金属を完全に除去すること
ができ、とくに、吸引手段を用いたことにより、吸引し
たクラッド用金属を容易に回収することが可能になり、
資源の節約にも貢献し得るものとなる。
【0021】
【実施例】以下、図面に基づいて、本発明に係わるシリ
ンダヘッドのレーザクラッド加工方法および同方法が適
用可能なレーザクラッド加工装置の一例を説明する。
【0022】図2に示すレーザクラッド加工装置は、床
に立設した装置本体1の正面(図中左側の面)に、駆動
部2を介して加工ヘッド3を備えている。装置本体1に
は、レーザビームの発振器や各種制御機器などが含まれ
る。駆動部2には、レーザビームの送信経路を構成する
光学系や、加工ヘッド3の昇降機構および回動機構など
が含まれる。加工ヘッド3には、レーザビームの照射部
および調整部、クラッド用金属の収容部および供給部
や、クラッド用金属の供給量を計測する手段などが含ま
れる。この加工ヘッド3は、下向きにレーザビームを照
射し、その照射部分に粉末のクラッド用金属を供給す
る。
【0023】加工ヘッド3の下側には、水平な2軸方向
に移動可能なスライドテーブル4が配置してあり、この
スライドテーブル4上には、自動車用エンジンのシリン
ダヘッドCHを保持する加工治具5が設置してある。こ
の加工治具5は、約45度に傾いた回転体6を備えてお
り、この回転体6にシリンダヘッドCHを把持するクラ
ンプを備えている。つまり、加工治具5は、シリンダヘ
ッドCHを約45度に傾いた状態で保持し、その傾斜軸
c回りにシリンダヘッドCHを回転させることができる
ものとなっている。
【0024】ここで、この実施例のシリンダヘッドCH
は、図1(a)に示すように、4気筒エンジン用のシリ
ンダヘッドであって、各気筒B1〜B4には、それぞれ
2個の吸気側バルブシート部I1〜I8と、同じくそれ
ぞれ2個の吸気側バルブシート部E1〜E8を有してい
る。
【0025】さらに、レーザクラッド加工装置は、駆動
部2の正面に、前方に張出して下り傾斜したブラケット
7を介して、未加工のバルブシート部に付着したクラッ
ド用金属を除去する清掃手段8を備えている。
【0026】清掃手段8は、ブラケット7の傾斜面の上
位側に、シリンダロッド9を下向きに伸縮動作するエア
シリンダ10を設けると共に、そのシリンダロッド9
に、モータ11の外側を構成するステータ12が連結し
てある。また、モータ11の内側には、軸受13を介し
て、ステータ12に対向するロータ14を固定したパイ
プ15が回転自在に設けてある。パイプ15は、モータ
11から斜め下方に延出し、その下端部には回転ブラシ
(例えばワイヤブラシ)16が取付けてある。
【0027】エアシリンダ10には、電磁弁17を介し
てエアホース18が接続してあり、空気の吸排気源19
との間で圧縮空気の流通が行われる。また、パイプ15
の上端部には、吸気ホース20が接続され、この吸気ホ
ース20は、装置本体1の背面側に設置した集塵機21
に接続してある。この実施例では、パイプ15、吸引ホ
ース20および集塵機21で吸引手段を構成している。
【0028】そして、清掃手段8は、エアシリンダ10
を伸長駆動すると、ブラケット7の傾斜面に沿ってモー
タ11、パイプ15および回転ブラシ16が一体的とな
って斜めに下降し、また、モータ11により、パイプ1
5とともに回転ブラシ15を回転させる。このとき、清
掃手段8は、先の加工治具5で保持されたシリンダヘッ
ドCHの傾きに対応しており、図2中に仮想線で示すよ
うに、スライドテーブル4を後退位置に移動させた状態
において、シリンダヘッドCHに対向して進退動作をす
る。
【0029】次に、上記構成を備えたレーザクラッド加
工装置の動作とともにレーザクラッド加工方法を説明す
る。
【0030】まず、当該レーザクラッド加工方法では、
各気筒B1〜B4における所定位置のバルブシート部同
士を合せて一群とする。例えば、図1(a)に示すシリ
ンダヘッドCHにおいて、各気筒B1〜B4の吸気側バ
ルブシート部I1〜I8のうちの図中左側のバルブシー
ト部I1,I3,I5,I7を第1群101とし、図中
右側のバルブシート部I2,I4,I6,I8を第2群
102とする。また、排気側においても、同様に図中右
側のバルブシート部E2,E4,E6,E8を第3群1
03とし、図中左側のバルブシート部E1,E3,E
5,E7を第4群104とする。
【0031】そして、図1(b)に示すように、最初に
吸気側の第1群101のバルブシート部I1,I3,I
5,I7に対して順にレーザクラッド加工を行う。つま
り、図3に示すように、バルブシート部I1,I3(I
5,I7)に対して、粉末のクラッド用金属Mを計量し
ながら供給するとともにレーザビームLBを集中的に照
射し、クラッド用金属を溶接肉盛りしてバルブシートを
一体的に形成する。なお、加工ヘッド3に対する各気筒
B1〜B4の位置決めは、スライドテーブル4を図2の
紙面に対して垂直方向に移動させることで行われる。
【0032】ここで、最初のレーザクラッド加工を行っ
た際、供給する粉末のクラッド用金属が飛散して隣接す
る未加工のバルブシート部に付着することがある。付着
したクラッド用金属は溶着不良の原因となる。しかし、
飛散したクラッド用金属が隣接する気筒にまで至る可能
性はきわめて低く、また、隣接する気筒に至ったとして
も極々微量であるから、上記の如く気筒別のバルブシー
ト部I1,I3,I5,I7に順次レーザクラッド加工
を行えば、レーザクラッド加工を行ったバルブシート部
に隣接するバルブシート部を除く未加工のバルブシート
部に順次レーザクラッド加工が行われることとなり、飛
散したクラッド用金属の影響を受けることはない。
【0033】第1群101のレーザクラッド加工が終了
した後には、スライドテーブル4とともにシリンダヘッ
ドCHを図2中の仮想線で示す位置に後退させ、清掃手
段8で未加工のバルブシート部に付着したクラッド用金
属を除去する。清掃手段8は、回転ブラシ16による払
拭作用と吸引手段(パイプ15、吸引ホース20および
集塵機21)による吸引作用とでクラッド用金属を完全
に除去する。このとき、集塵機21にクラッド用金属を
回収することができる。なお、清掃手段8による清掃作
業は、スライドテーブル4をレーザクラッド加工時と逆
方向に移動させながら行えば良い。
【0034】その後は、スライドテーブル4を前進さ
せ、吸気側の第2群102のバルブシート部I2,I
4,I6,I8に対して順にレーザクラッド加工を行
い、再びスライドテーブル4を後退させて、清掃手段8
で未加工のバルブシート部に付着したクラッド用金属を
除去する。また、次に排気側のバルブシート部E1〜E
8にレーザクラッド加工を行うために、加工治具5の回
転体6によってシリンダヘッドCHを180反転させ
る。
【0035】そして、第3群103のバルブシート部E
2,E4,E6,E8に対するレーザクラッド加工、清
掃手段8によるクラッド用金属の除去、第4群104の
バルブシート部E1,E3,E5,E7に対するレーザ
クラッド加工を行って、一連の作業を終了する。なお、
レーザクラッド加工を行う際のスライドテーブル4の送
り方向を常に同一とし且つ途中でシリンダヘッドCHを
反転させているので、排気側においては、図2(b)に
示す如くE8→E6→E4→E2,E7→E5→E3→
E1の順でレーザクラッド加工を行っている。
【0036】このように、上記実施例で説明したレーザ
クラッド加工方法およびレーザクラッド加工装置では、
供給したクラッド用金属が飛散して隣接する未加工のバ
ルブシート部に付着したとしても、各群毎101〜10
4にレーザクラッド加工を行うと共に、付着したクラッ
ド用金属を除去してからレーザクラッド加工を行うの
で、レーザビームの照射量とクラッド用金属の供給量と
のバランスが適正に維持され、クラックや剥離といった
溶着不良を防止して、良好な溶着状態が得られることと
なり、実際に、清掃作業を行わない場合に比べて、良品
率が大幅に高められることを確認した。
【0037】また、各群101〜104毎にレーザクラ
ッド加工およびクラッド用金属の除去を行うので、これ
らの作業が効率的に且つ短時間で行われるほか、加工位
置が離間しているので、熱影響による母材希釈が低減さ
れ、クラックの発生がより確実に抑制される。さらに、
最初の第1群101にレーザクラッド加工を行う前に、
清掃手段8により清掃を行って異物を除去しておくこと
も、良好な加工を行ううえで有効である。
【0038】なお、1つの気筒において選択するバルブ
シート部の数は、必ずしも1つでなくても良く、例え
ば、粉末のクラッド用金属の飛散量がきわめて少ないこ
とが確認された場合には、図1(c)に示すように、各
気筒B〜1B4において、吸気側の一方のバルブシート
部I1,I3,I5,I7と排気側の一方のバルブシー
ト部E2,E4,E6,E8を選択してこれらを第1群
101とし、同様に、吸気側の他方のバルブシート部I
2,I4,I6,I8と排気側の他方のバルブシート部
E1,E3,E5,E7を選択してこれらを第2群10
2として、レーザクラッド加工および清掃手段8による
クラッド用金属の除去を行うこともできる。また、熱影
響による母材希釈の低減をより高めるには、例えば、I
3→I7→I1→I5といった順序にすることも可能で
ある。
【0039】ただし、シリンダヘッドにおけるバルブシ
ート部は、吸気側と排気側とで向きが異なる場合がある
ため、吸気側と排気側を別の群にした方が加工ヘッド3
や加工治具5の動作範囲も小さくてすみ、とくに、図1
(b)に示す順序で各作業を行えば、スライドテーブル
4の動作も無駄の無いものとなる。
【0040】また、本発明に係わるレーザクラッド加工
装置は、その詳細な構造が上記実施例のみに限定される
ことはなく、例えば、加工治具5を2つ用意し、一方の
シリンダヘッドにレーザクラッド加工を行っている際
に、他方のシリンダヘッドに清掃手段8によるクラッド
用金属の除去を行うようにし、これにより作業効率をよ
り高めることも可能である。
【0041】さらに、本発明に係わるレーザクラッド加
工方法では、上記実施例のように各気筒B1〜B4にお
ける所定位置のバルブシート部同士を合せて一群とする
以外に、所定のバルブシート部にレーザクラッド加工を
行った後、そのバルブシート部に隣接するバルブシート
部を除く未加工のバルブシート部を適宜選択し、これら
に順次レーザクラッド加工を行うようにしても良い。つ
まり、隣接する未加工のバルブシート部にはクラッド用
金属が付着していることがあるが、クラッド用金属の飛
散範囲がほぼ限られているので、隣接するバルブシート
部を除く未加工のバルブシート部、すなわちクラッド用
金属の飛散範囲外である未加工のバルブシート部にレー
ザクラッド加工を行う。
【0042】その後、レーザクラッド加工を行ったバル
ブシート部に隣接する未加工のバルブシート部、すなわ
ちクラッド用金属の飛散範囲内である未加工のバルブシ
ート部に付着したクラッド用金属を除去し、そのバルブ
シート部にレーザクラッド加工を行う。このようにして
も、全てのバルブシート部においてレーザビームの照射
量とクラッド用金属の供給量とのバランスが適正に維持
され、クラックや剥離といった溶着不良が防止されるう
えに、レーザクラッド加工および付着したクラッド用金
属の除去作業が効率的に且つ短時間で行われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるレーザクラッド加工方法および
同方法が適用可能なレーザクラッド加工装置の一例を説
明する図であって、シリンダヘッドの平面図(a)、作
業順序を説明するブロック図(b)、作業順序の他の例
を説明するブロック図(c)である。
【図2】レーザクラッド加工装置を説明する側面図であ
る。
【図3】レーザクラッド加工を説明する斜視図である。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02F 1/00 - 11/00 F01L 3/24 B23K 26/00 - 26/16

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンのシリンダヘッドにおける複数
    のバルブシート部に対して、粉末のクラッド用金属を供
    給しながらレーザビームを照射するレーザクラッド加工
    を順に行うに際し、所定のバルブシート部にレーザクラ
    ッド加工を行った後、レーザクラッド加工を行ったバル
    ブシート部に隣接するバルブシート部を除く未加工のバ
    ルブシート部を順次選択して所定数のレーザクラッド加
    工を行い、その後、レーザクラッド加工を行ったバルブ
    シート部に隣接する未加工のバルブシート部に付着した
    クラッド用金属を除去し、その未加工のバルブシート部
    にレーザクラッド加工を行うことを特徴とするシリンダ
    ヘッドのレーザクラッド加工方法。
  2. 【請求項2】 エンジンの複数気筒用のシリンダヘッド
    における複数のバルブシート部に対して、粉末のクラッ
    ド用金属を供給しながらレーザビームを照射するレーザ
    クラッド加工を順に行うに際し、各気筒における所定位
    置のバルブシート部同士を合せて一群とし、各群毎にバ
    ルブシート部へのレーザクラッド加工および未加工のバ
    ルブシート部に付着したクラッド用金属の除去を行うこ
    とを特徴とするシリンダヘッドのレーザクラッド加工方
    法。
  3. 【請求項3】 未加工のバルブシート部に付着したクラ
    ッド用金属を除去するに際し、バルブシート部に対応す
    る回転ブラシとクラッド用金属を吸引する吸引手段を用
    いることを特徴とする請求項1または2に記載のシリン
    ダヘッドのレーザクラッド加工方法。
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