JP3536563B2 - 半導体マイクロマシン - Google Patents

半導体マイクロマシン

Info

Publication number
JP3536563B2
JP3536563B2 JP35533996A JP35533996A JP3536563B2 JP 3536563 B2 JP3536563 B2 JP 3536563B2 JP 35533996 A JP35533996 A JP 35533996A JP 35533996 A JP35533996 A JP 35533996A JP 3536563 B2 JP3536563 B2 JP 3536563B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
semiconductor
electrode
micromachine
substrate
wiring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP35533996A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10190008A (ja
Inventor
加藤  学
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
Aisin Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aisin Seiki Co Ltd, Aisin Corp filed Critical Aisin Seiki Co Ltd
Priority to JP35533996A priority Critical patent/JP3536563B2/ja
Priority to GB9726734A priority patent/GB2320571B/en
Priority to US08/994,759 priority patent/US6190571B1/en
Priority to DE19756849A priority patent/DE19756849A1/de
Publication of JPH10190008A publication Critical patent/JPH10190008A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3536563B2 publication Critical patent/JP3536563B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Gyroscopes (AREA)
  • Micromachines (AREA)
  • Pressure Sensors (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,各種微小センサ等に利用可能な
半導体マイクロマシンに関する。
【0002】
【従来技術】従来,大きさが微小である角速度センサ
(ジャイロセンサ),加速度センサ(Gセンサ),マイ
クロアクチュエーター等を作成する技術として,シリコ
ン等の半導体材料を利用したマイクロマシニング技術が
開発されている。この技術によれば,機械的な加工によ
らず,通常の半導体回路等の作成技術を組み合わせ,1
ミリ以下の微小な上記センサ等を作成することができ
る。このような技術により作成された製品の一例とし
て,角速度センサとして機能する半導体マイクロマシン
につき,図5〜図7を用いて説明する。
【0003】図5〜図7に示すごとく,上記半導体マイ
クロマシン9は,基板92と,該基板92に間隙部91
を設けて対向配置されると共に,針状体95によって支
持された可動部93と,該可動部93を挟み,その両側
に対向配置された一対の固定部97とよりなる。また,
図6に示すごとく,上記可動部93は上記基板92に対
し,平行となるように配置されてなる。上記可動部93
は,上記振動板96とその両側に一体的に設けられた可
動部側櫛形電極961とよりなる。
【0004】上記針状体95の端部は,上記基板92に
固定された支持部94に接続されてなる。更に,上記支
持部94は,固定層949を介して,上記基板92に対
し固定されている。また,上記支持部94には,電極パ
ッド948が設けてなる。
【0005】更に,上記基板92における上記振動板9
6との対向面には,該振動板96との距離を検出するた
めの距離検出用電極98が設けてある。また,図6に示
すごとく,上記振動板96の裏面962には,上記距離
検出用電極98と対になって動作する検出用電極部が設
けてある。また,上記距離検出用電極98は,リード部
980,端子部982を経て,出力取出用の電極パッド
988に接続されてなる。
【0006】また,上記固定部97には,上記振動板9
6を振動させるための固定部側櫛形電極971が設けて
ある。上記固定部側櫛形電極971と上記可動部側櫛形
電極961とは,相互にかみ合うように配置されてな
り,両者の間には微細な隙間が形成されている。なお,
上記固定部97は固定層979を介して上記基板92に
接合配置されてなる。また,上記固定部97には,上記
固定部側櫛形電極971への電圧印加用の電極パッド9
78が設けてある。
【0007】また,上記半導体マイクロマシン9におい
て,上記基板92は単結晶のシリコン材料よりなる。ま
た,上記可動部93は,リン,硼素,アンチモン等をド
ーピングした多結晶シリコンよりなる。また,上記固定
部97,上記支持部94,針状体95も同様にリン,硼
素,アンチモン等をドーピングした多結晶シリコンより
なる。
【0008】また,上記基板92に設けた距離検出用電
極98は,基板92と異なる特性となるようなドーパン
トをドーピングすることにより形成されている。具体的
には,p型シリコン単結晶よりなる基板92の該当部分
にリン,硼素,アンチモン等をドーピングし,距離検出
用電極98となす。また,上記距離検出用電極98と同
様にして,リード部980,端子部982を基板92上
に作成する。なお,上記固定層949,979は窒化シ
リコン膜よりなる。更に,上記電極パッド948,97
8,988は,金,アルミニウム等の導電性材料にて形
成されている。
【0009】上記半導体マイクロマシン9による角速度
の検出につき説明する。まず,上記一対の可動部側櫛形
電極961と固定部側櫛形電極971との間に0〜V0
(V)の振幅の矩形波交流電圧を印加する。この電圧の
周波数は,可動部93が図5の矢印αに示す方向に共振
するときの共振周波数とする。また,上記とは反対側の
一対には,上記一対と180度位相をずらした電圧を印
加する。これにより,上記可動部側櫛形電極961と固
定部側櫛形電極971との間に静電力が発生する。上記
静電力によって,上記振動板96には,図5の矢印αに
示すごとく,上記基板92に対して平行方向の水平振動
が発生する。
【0010】この状態にある上記半導体マイクロマシン
9に対し,同図に示すc軸を回転軸とする角速度ωを加
えたとする。この時,上記振動板96には,図5におけ
る矢印βに示すごとく,上記基板92に対して垂直方向
に,図6に示すごときコリオリ力F1及びF2が交互に
発生する。上記コリオリ力F1,F2によって,上記振
動板96は,上記基板92に対して,垂直方向へ振動す
る。
【0011】ここに,上記コリオリ力F1,F2は次式
により示される。即ち, F1=F2=2mω×A(2πf)cos{(2πf)
t} である。ただし,mは振動板96の質量,ωは半導体マ
イクロマシン9の角速度,Aは振動板96の振幅,fは
上記交流電圧の周波数,tは経過時間である。
【0012】上記振動板96の垂直方向への振動によ
り,該振動板96と基板92との間の間隙部91の距離
が,上記振動の周期に従って変化する。この距離の変化
を上記振動板の下面962と距離検出用電極98との間
の静電容量の変化として検出する。この検出値に基づ
き,図示を略した回路の信号処理によって角速度ωを検
出する。
【0013】
【解決しようとする課題】しかしながら,上記半導体マ
イクロマシン9には以下に示す問題がある。上記可動部
側櫛形電極961と振動板96とは,共に,一枚のドー
ピングされた多結晶シリコンよりなる可動部93に形成
されてなる。このため,両者は電気的に導通した状態に
ある。
【0014】そして,上記可動部側櫛形電極961は,
電圧の印加された上記固定部側櫛形電極971が,微細
な隙間を隔てて配置されてなることから,帯電する。ま
た,上記振動板96に接続された針状体95は,非常に
軽量である振動板96を効率よく振動させるため,その
バネ定数が小さいことが要求される。よって,上記針状
体95の形状は,一般に,径が細く,長さが長い。この
ため,上記針状体95における電気抵抗値は非常に大き
い。
【0015】従って,上記可動部側櫛形電極961に溜
まった電荷は,抵抗値の大きい針状体95の側に移動し
難く,代わりに上記振動板96に溜まる。このため,上
記振動板96の下面962に余分の電荷が現れ,該下面
962と距離検出用電極98との間の距離の検出値が,
上記振動板96と上記基板92との間の距離に対し,正
確に比例しなくなる。つまり,角速度ωを正確に検出す
ることができなくなる。
【0016】即ち,従来技術にかかる半導体マイクロマ
シンにおいては,電極または配線の相互間において電荷
の交換が生じ易く,よって,信号のクロストークが発生
する。このことから,上記半導体マイクロマシンにおけ
る電極または配線を構成する回路のS/N比は低く,検
出精度が悪くなる。また,複数の電極を有する可動部が
内部で電気的に接続されているため,それらの電極を同
電位(グランド)として回路を設計する必要があり,回
路設計上の自由度は低い。
【0017】また,マイクロマシニング技術による他の
応用例である,加速度センサ,マイクロアクチュエータ
ー等においても,上述した角速度センサと同様の問題が
発生する。
【0018】本発明は,かかる問題点に鑑み,複数の電
極または配線の相互間における信号のクロストークを防
止でき,S/N比及び回路の設計自由度の高い,半導体
マイクロマシンを提供しようとするものである。
【0019】
【課題の解決手段】請求項1の発明は,基板と,該基板
に間隙部を設けて対向配置されると共に,針状体によっ
て支持された半導体薄膜からなる可動部とを有する半導
体マイクロマシンにおいて,上記可動部内には複数の電
極または配線とを設けてなり,かつ,これらの間には電
気的絶縁領域が設けてあることを特徴とする半導体マイ
クロマシンにある。
【0020】本発明の作用につき,以下に説明する。本
発明にかかる半導体マイクロマシンにおいては,ある電
極または配線と,他の電極または配線との間に電気的絶
縁領域が設けてある。これにより,ある電極または配線
に流通する電荷が,可動部を通じて,他の電極または配
線に移動することを防止できる。即ち,各電極または配
線の相互間における信号のクロストークを防止できる。
また,信号のクロストークが生じ難いことから,電極ま
たは配線におけるS/N比を高めることができる。ま
た,ある電極または配線と,他の電極または配線におけ
る電流(または電圧)とを,別制御とすることができ
る。これにより,回路設計の自由度を高くすることがで
きる。
【0021】以上のように,本発明によれば,複数の電
極または配線の相互間における信号のクロストークを防
止でき,S/N比及び回路の設計自由度の高い,半導体
マイクロマシンを提供することができる。
【0022】なお,本発明にかかる半導体マイクロマシ
ンとしては,マイクロマシニング技術を応用した角速度
センサ,加速度センサ,マイクロアクチュエータ等を挙
げることができる。
【0023】また,上記基板としては,単結晶シリコン
基板,多結晶シリコン基板,ガラス基板,単結晶サファ
イア基板,ステンレス基板等を用いることができる。上
記単結晶シリコン基板は入手容易であるため,半導体マ
イクロマシンの生産性を高めることができる。また,半
導体マイクロマシンの製造プロセスを通常のLSI製造
プロセスと併用することができる。
【0024】上記多結晶シリコン基板は安価に入手する
ことができる。このため,半導体マイクロマシンの製造
コスト等を安価とすることができる。また,上記ガラス
基板は安価であり,また入手しやすい材料であるため,
半導体マイクロマシンの製造コスト等を安価とすること
ができる。
【0025】次に,請求項2の発明のように,上記可動
部内における複数の電極または配線は,互いに絶縁され
てなる駆動用電極部と検出用電極部とよりなることが好
ましい。
【0026】これにより,駆動用電極部と検出用電極部
との相互間における信号のクロストークを防止すること
ができる。なお,上記駆動用電極部とは,例えば,上記
可動部を静電力により駆動するために設けられた電極で
ある。また,上記検出用電極部とは,例えば,上記可動
部の基板に対する位置関係を検出するための電極であ
る。
【0027】次に,請求項3の発明のように,上記基板
には上記可動部に対面する位置に,基板と可動部との間
の距離を検出するための距離検出用電極を配設してなる
ことが好ましい。
【0028】これにより,角速度センサとして機能する
半導体マイクロマシンを得ることができる。即ち,従来
技術に示すごとく,上記半導体マイクロマシンにおける
可動部を一定周期で振動させ,この状態にある半導体マ
イクロマシンに角速度を加える。これにより,上記可動
部にはコリオリ力が作用し,上記基板との位置関係が周
期的に変動する。この位置関係の変動を検出するのが,
上記距離検出用電極である。
【0029】なお,上記半導体マイクロマシンが角速度
センサである場合には,上述のごとき構成を有するが,
例えば上記半導体マイクロマシンが加速度センサである
場合には,加速度によって位置変動する質量としての可
動部と,その位置変動を静電容量の変化として検出する
電極としての検出電極と,その位置変動を抑制するため
の電極としての駆動電極とを備えた構造を有する。
【0030】次に,請求項4の発明のように,上記半導
体薄膜は,シリコン,ゲルマニウム,SiC,SiG
e,SiCGeより選ばれる少なくとも一種であること
が好ましい。これにより,量産性,歩留まりが高いシリ
コンICプロセスを用いて半導体マイクロマシンを製造
することができる。
【0031】次に,請求項5の発明のように,上記シリ
コンは,多結晶シリコンまたは非晶質シリコンのいずれ
かであることが好ましい。半導体薄膜を多結晶シリコン
または非晶質シリコンで構成することにより,半導体薄
膜の製造をより低温で行うことができる。このように,
低温で半導体薄膜を生成すれば,後工程でのドーパント
の再拡散が抑制できる。このため,微細化により有利な
半導体薄膜とすることができる。
【0032】次に,請求項6の発明のように,上記電極
または配線はn型半導体またはp型半導体のいずれかよ
りなり,かつ上記電気的絶縁領域はアンドープの半導体
よりなることが好ましい。これにより,製造が容易であ
り,かつ電極間の容量が小さく,即ちクロストークを小
さくすることができる。
【0033】なお,上記n型半導体としては,多結晶シ
リコンまたは非晶質シリコン等に対し,燐,砒素,アン
チモン等のドーパントをドーピングしたもの用いること
が好ましい。これにより低抵抗n型半導体を得ることが
できる。よって,寄生容量による信号遅延が低減でき
る。
【0034】また,上記p型半導体としては,多結晶シ
リコンまたは非晶質シリコン等に対し,硼素,ガリウ
ム,インジウム等のドーパントをドーピングしたものを
用いることが好ましい。これにより,低抵抗n型半導体
と同等の導電率が得られ,優れた半導体マイクロマシン
を得ることができる。なお,上記アンドープの半導体と
は,上述したごときドーパントとなる物質を添加してい
ない半導体のことを示している。
【0035】次に,請求項7の発明のように,上記電極
または配線と上記電気的絶縁領域とは,一方がn型半導
体,他方がp型半導体よりなることが好ましい。これに
より,上記可動部中にいわゆるnpn接合(またはpn
p接合)が形成され,電極または配線と,電気的絶縁領
域との間の電荷の移動を防止することができる。
【0036】次に,請求項8の発明のように,上記電極
または配線と上記電気的絶縁領域とは,一方がn型半導
体,他方がp型半導体よりなり,かつ両者の間にはアン
ドープの半導体が配置されてなることが好ましい。
【0037】これにより,請求項7において述べたごと
く,npn接合(またはpnp接合)が形成され,電極
または配線と,電気的絶縁領域との間の電荷の移動を防
止することができる。その上,上記n型半導体とp型半
導体との間にアンドープの半導体が配置されてなるた
め,可動部内における電荷の移動をより強く防止するこ
とができる。
【0038】次に,請求項9の発明のように,上記電気
的絶縁領域におけるキャリア濃度は,上記電極または配
線におけるキャリア濃度よりも低いことが好ましい。一
般に,p型半導体とn型半導体との界面においては,拡
散等により移動する電子は再結合により非常に少なくな
り,イオン化した原子のみが存在する空乏層が形成され
る。また,上記空乏層はキャリア密度のより低い側に広
がる傾向がある。そして,上記空乏層はキャリアが殆ど
存在しないことから電流が流れ難い部分である。
【0039】よって,上記電気的絶縁領域のキャリア濃
度を低くすることにより,空乏層が上記電極または配線
側に形成されることを防止ができる。電極または配線側
に空乏層が形成された場合には,空乏層の面積分,電極
または配線における有効作用面積が減少するおそれがあ
る。
【0040】
【発明の実施の形態】
実施形態例1 本発明の実施形態例にかかる半導体マイクロマシンにつ
き,図1,図2を用いて説明する。なお,本例の半導体
マイクロマシンはマイクロマシニング技術により作成さ
れた角速度センサであり,その基本的な構造は従来技術
において示した半導体マイクロマシンと同様の構造であ
る(図5〜図7参照)。
【0041】図1,図2に示すごとく,本例の半導体マ
イクロマシン1は,基板12と,該基板12に間隙部1
1を設けて対向配置されると共に,針状体15,150
によって支持された多結晶シリコンの薄膜からなる可動
部13とを有する。上記可動部13内には駆動用電極部
161と検出用電極部162とよりなる電極と配線15
9とを設けてなり,かつ,これらの間には電気的絶縁領
域160が設けてある。また,上記可動部13の両側に
は,基板12に固定された一対の固定部17が設けてあ
る。
【0042】上記可動部13の両側には櫛形の駆動用電
極部161が設けてある。また,上記固定部17には,
上記駆動用電極部161と相互にかみあうように配置さ
れる櫛形の固定部側駆動用電極部171が設けてある。
なお,上記駆動用電極部161と固定部側駆動用電極部
171との間には,微細な間隙が設けてなる。また,上
記針状体15,150は図示を略した支持部によって,
上記基板12に対し,固定されてなる。上記配線159
は,上記駆動用電極部161,上記検出用電極部162
と上記針状体15との間を連結するよう設けてある。な
お,上記固定部17は支持層179によって基板12に
固定されてなる。
【0043】また,図2に示すごとく,上記基板12に
は上記可動部13における検出用電極部162に対面す
る位置に,基板12と可動部13との間の間隙部11の
距離を検出するための距離検出用電極18を配設してな
る。なお,上記針状体15の端部には電極パッド158
が設けてなる。また,上記針状体150は上記可動部1
3を支承するだけの役割を負っている。
【0044】上記可動部13,固定部17,針状体1
5,150はいずれも多結晶シリコンよりなる。そし
て,上記可動部13における駆動用電極部161,検出
用電極部162,針状体15,上記固定部17における
固定部側駆動用電極部171は,上記多結晶シリコンに
対し,ドーパントであるリンをイオン注入によりドープ
したn型半導体より構成されている。また,上記電気的
絶縁領域160は,アンドープの状態のままの多結晶シ
リコンよりなる。そして,上記基板12はp型単結晶シ
リコンよりなり,上記距離検出用電極18は,導電性材
料であるn型シリコンよりなる。
【0045】上記半導体マイクロマシン1において,角
速度の検出は以下に示すごとく行なわれる。従来技術に
示す半導体マイクロマシン9と同様に,一対の固定部側
櫛形電極171,駆動用電極部161間に0〜V
0 (V)で基板に平行方向の共振周波数の矩形波交流電
圧を印加する。これにより,上記可動部13において,
上記基板92に対して平行方向の水平振動が発生する。
この状態にある上記半導体マイクロマシン1に対し,図
1に示す回転軸の方向に,角速度ωとなる回転運動を加
える。これにより,上記可動部13には上記基板12に
対する垂直方向への振動が発生する。
【0046】上記可動部13の垂直振動により,該可動
部13と基板12との間の間隙部11の距離が,上記振
動の周期に従って変化する。ところで,上記検出用電極
部18と可動部13内の検出用電極部162とは,コン
デンサを構成し,間隙部11の距離変化に伴い静電容量
変化を起こす。このため,回路による容量検出により,
上記間隙部11の距離の変化を電気信号の値として検出
することができる。そして,この検出値より上記半導体
マイクロマシン1にかかる角速度ωを検出することがで
きる。
【0047】次に,本例における作用効果につき説明す
る。本例にかかる半導体マイクロマシン1においては,
可動部13における駆動用電極部161,検出用電極部
162,配線159の間には電気的絶縁領域160が設
けてある。これにより,駆動用電極部161,検出用電
極部162,配線159は,互いに電気的に独立した状
態にある。
【0048】このため,これらの間における電荷の移
動,即ち信号のクロストークが生じがたい。また,信号
のクロストークが生じ難いことから,駆動用電極部16
1,検出用電極部162,配線159におけるS/N比
を高めることができる。これにより,本例にかかる半導
体マイクロマシン1は精度の高い角速度検出を行うこと
ができる。
【0049】また,ある駆動用電極部161,検出用電
極部162,配線159を流通する電流または電圧は,
他の部分を流通する電流または電圧とは別制御とするこ
とができる。これにより,上記半導体マイクロマシン1
において,回路の設計の自由度を高くすることができ
る。
【0050】従って,本例によれば,複数の電極または
配線の相互間における信号のクロストークを防止でき,
S/N比及び回路の設計自由度の高い,半導体マイクロ
マシンを提供することができる。
【0051】実施形態例2 本例は,電極または配線と電気的絶縁領域とは,一方が
n型半導体,他方がp型半導体よりなり,かつ両者の間
にはアンドープの半導体が配置されてなる半導体マイク
ロマシンについて説明するものである。なお,本例にか
かる半導体マイクロマシン19についても,その構造は
実施形態例1とほぼ同様である。
【0052】図3に示すごとく,上記半導体マイクロマ
シン19において,上記可動部13には,その両側に櫛
形の駆動用電極部161が設けてなり,上記可動部13
における中央部分が検出用電極部162となる。また,
上記可動部13には,針状体15に対し上記検出用電極
部162及び駆動用電極部161を電気的に導通させる
ための配線159が設けてある。そして,上記駆動用電
極部161,上記検出用電極部162,上記配線159
との相互間には,電気的絶縁領域160が設けてある。
【0053】そして,上記可動部13は,アンドープの
多結晶シリコンよりなり,上記駆動用電極部161,上
記検出用電極部162,上記配線159は,該多結晶シ
リコンにそれぞれリンをイオン注入によりドープしたn
型半導体より構成されている。
【0054】そして,図3,図4に示すごとく,上記駆
動用電極部161,上記検出用電極部162,上記配線
159らの相互間はアンドープの状態のままとしてお
く。この部分が上記電気的絶縁領域160となる。更
に,上記電気的絶縁領域160の中央には,硼素をイオ
ン注入することによりドープしたp型半導体よりなる中
央部169が設けてあり,より一層の各電極−配線間の
絶縁が確保されている。その他は実施形態例1と同様で
ある。また,本例の半導体マイクロマシン19は実施形
態例1と同様の作用効果を有する。
【0055】
【発明の効果】上記のごとく,本発明によれば,複数の
電極または配線の相互間における信号のクロストークを
防止でき,S/N比及び電極または配線,及び回路の設
計自由度の高い,半導体マイクロマシンを提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1にかかる,半導体マイクロマシン
の平面図。
【図2】実施形態例1にかかる,図1のA−A矢視断面
図。
【図3】実施形態例2にかかる,半導体マイクロマシン
の平面図。
【図4】実施形態例2にかかる,図3のB−B矢視断面
図。
【図5】従来例にかかる,半導体マイクロマシンの平面
図。
【図6】従来例にかかる,半導体マイクロマシンのC−
C断面図。
【図7】従来例にかかる,半導体マイクロマシンのD−
D断面図。
【符号の説明】
1...半導体マイクロマシン, 12...基板, 13...可動部, 15...針状体, 159...配線, 160...電気的絶縁領域, 161...駆動用電極部, 162...検出用電極部, 18...距離検出用電極,
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 29/84 G01P 9/04 G01C 19/56

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と,該基板に間隙部を設けて対向配
    置されると共に,針状体によって支持された半導体薄膜
    からなる可動部とを有する半導体マイクロマシンにおい
    て,上記可動部内には複数の電極または配線とを設けて
    なり,かつ,これらの間には電気的絶縁領域が設けてあ
    ることを特徴とする半導体マイクロマシン。
  2. 【請求項2】 請求項1において,上記可動部内におけ
    る上記複数の電極または配線は,互いに絶縁されてなる
    駆動用電極部と検出用電極部とよりなることを特徴とす
    る半導体マイクロマシン。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において,上記基板には
    上記可動部に対面する位置に,基板と可動部との間の距
    離を検出するための距離検出用電極を配設してなること
    を特徴とする半導体マイクロマシン。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか一項において,
    上記半導体薄膜は,シリコン,ゲルマニウム,SiC,
    SiGe,SiCGeより選ばれる少なくとも一種であ
    ることを特徴とする半導体マイクロマシン。
  5. 【請求項5】 請求項3において,上記シリコンは,多
    結晶シリコンまたは非晶質シリコンのいずれかであるこ
    とを特徴とする半導体マイクロマシン。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか一項において,
    上記電極または配線はn型半導体またはp型半導体のい
    ずれかよりなり,かつ上記電気的絶縁領域はアンドープ
    の半導体よりなることを特徴とする半導体マイクロマシ
    ン。
  7. 【請求項7】 請求項1〜5のいずれか一項において,
    上記電極または配線と上記電気的絶縁領域とは,一方が
    n型半導体,他方がp型半導体よりなることを特徴とす
    る半導体マイクロマシン。
  8. 【請求項8】 請求項1〜5のいずれか一項において,
    上記電極または配線と上記電気的絶縁領域とは,一方が
    n型半導体,他方がp型半導体よりなり,かつ両者の間
    にはアンドープの半導体が配置されてなることを特徴と
    する半導体マイクロマシン。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか一項において,
    上記電気的絶縁領域におけるキャリア濃度は,上記電極
    または配線におけるキャリア濃度よりも低いことを特徴
    とする半導体マイクロマシン。
JP35533996A 1996-12-20 1996-12-20 半導体マイクロマシン Expired - Fee Related JP3536563B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35533996A JP3536563B2 (ja) 1996-12-20 1996-12-20 半導体マイクロマシン
GB9726734A GB2320571B (en) 1996-12-20 1997-12-18 Semiconductor micromachine and manufacturing method thereof
US08/994,759 US6190571B1 (en) 1996-12-20 1997-12-19 Semiconductor micromachine and manufacturing method thereof
DE19756849A DE19756849A1 (de) 1996-12-20 1997-12-19 Halbleitermikromaschine und Herstellungsverfahren dafür

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35533996A JP3536563B2 (ja) 1996-12-20 1996-12-20 半導体マイクロマシン

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10190008A JPH10190008A (ja) 1998-07-21
JP3536563B2 true JP3536563B2 (ja) 2004-06-14

Family

ID=18443370

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP35533996A Expired - Fee Related JP3536563B2 (ja) 1996-12-20 1996-12-20 半導体マイクロマシン

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3536563B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1173893A4 (en) * 1999-01-15 2007-08-01 Univ California POLYCRYSTALLINE SILICON GERMANIUM FILMS FOR THE MANUFACTURE OF MICROELECTROCHEMICAL SYSTEMS
US7071017B2 (en) 2003-08-01 2006-07-04 Yamaha Corporation Micro structure with interlock configuration
JP4440065B2 (ja) * 2004-10-08 2010-03-24 キヤノン株式会社 電位測定装置及び画像形成装置
US9493344B2 (en) * 2010-11-23 2016-11-15 Honeywell International Inc. MEMS vertical comb structure with linear drive/pickoff
JP2016059191A (ja) 2014-09-11 2016-04-21 ソニー株式会社 静電型デバイス

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10190008A (ja) 1998-07-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3457037B2 (ja) 集積型加速度計
US6190571B1 (en) Semiconductor micromachine and manufacturing method thereof
JP3199775B2 (ja) 加速度センサ
JP3412293B2 (ja) 半導体ヨーレートセンサおよびその製造方法
EP1216397A2 (en) Microfabricated tuning fork gyroscope and associated three-axis inertial measurement system to sense out-of-plane rotation
US20100127715A1 (en) Semiconductor physical quantity sensor and control device using the same
EP0742904A1 (en) Method of making a micromechanical silicon-on-glass tuning fork gyroscope
GB2156523A (en) Planar inertial sensor
US6209394B1 (en) Integrated angular speed sensor device and production method thereof
JPH05508914A (ja) マイクロメカニック式の回転値センサ
USRE41856E1 (en) Process for manufacturing high-sensitivity accelerometric and gyroscopic integrated sensors, and sensor thus produced
KR101928371B1 (ko) 나노공진기 및 그의 제조 방법
JP3536563B2 (ja) 半導体マイクロマシン
JP4710700B2 (ja) 半導体装置およびその製造方法
JPH10335675A (ja) 半導体マイクロマシン
EP0664438A1 (en) Comb drive micromechanical tuning fork gyro
US20220252635A1 (en) Mechanically-sensitive semiconducting triode capacitor
JP2001044450A (ja) 半導体力学量センサ
EP3342035B1 (en) Micro-electromechanical device, system and method for energy harvesting and sensing
JP2971610B2 (ja) 力・加速度・磁気の検出装置およびその製造方法
JPH10313123A (ja) 薄膜を用いた変換素子およびその製造方法
JP5333354B2 (ja) 力学量センサ
JP2013055647A (ja) Mems共振器およびそれを用いた電気機器
JP7369399B2 (ja) 振動素子の製造方法、振動発電素子の製造方法、振動素子、および振動発電素子
CN220273651U (zh) 微机电系统谐振器及微机电系统振荡器

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040217

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040224

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040308

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080326

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090326

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090326

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100326

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100326

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110326

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees