JP3535553B2 - 靴の通気装置および方法 - Google Patents

靴の通気装置および方法

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  • Footwear And Its Accessory, Manufacturing Method And Apparatuses (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、靴の通気に関するも
のであり、特に少量の高速度空気によって靴内の大量の
低速度悪臭空気を加速度的に推進させることに関するも
のである。
【0002】
【従来技術とその問題点】歩行するとき、ポンプのポン
プ送り作用によって靴内に、特に、密閉されたつま先領
域に溜まる悪臭空気が通気靴から排出される。例えば、
米国特許第2441879号、同第2668372号、
同第4654982号、同第4760651号、および
同第4974342号明細書を参照されたい。
【0003】しかしながら、それにもかかわらず、公知
の通気靴は悪臭および汗を増加させることがあるのは経
験の示すところである。公知の通気靴は靴上の足操作式
ポンプを有し、予め設定された量の悪臭空気がポンプに
入り、それよりも少量または精々同一量の悪臭空気がポ
ンプによって排出される。ポンプに入る悪臭空気の量は
非常に小さい量であり、靴を十分通気するには歩行また
は走行することによってポンプを繰り返し付勢せねばな
らない。このような過度の動作は望ましくない場合があ
り、不可能であることもある。
【0004】
【発明の目的】この発明の目的は、靴を効果的に十分通
気することができ、過度の歩行または走行動作が要求さ
れないようにすることにある。
【0005】他の目的は、少量の高速度空気によって大
量の低速度悪臭空気を加速度的に推進させることにあ
る。
【0006】
【発明の構成】この発明の特徴は、靴の内部に連通する
空気入口が形成されたつま先部、靴の外部に連通する空
気出口が形成されたかかと部、および入口から出口にの
びる流路からなる靴の通気装置に存する。靴底は靴内に
取り外し可能に取り付けられた内底であってもよく、靴
に一体的に組み込まれていてもよい。
【0007】少なくとも1つのスロットルオリフィスが
靴底内に形成され、複数のスロットルオリフィスである
ことが好ましく、各オリフィスが流路に連通し、その下
流に向けられる。オリフィスはかかと部に配置され、互
いに平行の壁を貫通することが好ましい。オリフィスは
流路に沿って順次配列され、流路は靴底の一方側でその
周縁に沿ってのびることが好ましい。
【0008】足操作式ポンプ送り手段が靴底に設けら
れ、少量の一次空気を各オリフィスから高速度で流路の
下流に押し込む。これが流路内に低圧領域を生じさせ、
その領域内に靴の内部から入口に入る大量の二次空気が
加速度的に導かれる。二次空気は高速度移動する一次空
気に乗り、これによって混合空気が形成され、これが出
口から強制的に放出される。空気入口および出口の位置
は反対であってもよい。
【0009】一次空気を各オリフィスに押し込み、二次
空気を一次空気に乗せることにより、靴から排出される
空気の量は精々ポンプに入り、ポンプから出る悪臭空気
の量の比率がおよそ1対1であった従来の通気靴よりも
大幅に大きくなる。この発明によれば、この比率は少な
くとも10倍に増大する。過度の肉体的動作によってポ
ンプを繰り返し付勢し、靴を通気する必要はない。
【0010】以下、この発明の実施例を説明する。
【0011】
【実施例の説明】図面を参照すると、図1および図2の
符号10によって靴12の通気装置が示されている。靴
12はつま先領域14、かかと領域16、およびつま先
およびかかと領域間にのびる中間領域18を有する。こ
の通気装置は靴内に取り外し可能に取り付けられた内底
として形成された靴底20を有する。しかしながら、通
気装置10を靴に取り外し可能に取り付けるのではな
く、靴自体に一体的に組み込んでもよい。
【0012】靴底20は一連の孔24が形成されたつま
先部22を有し(図6参照)、孔24はつま先領域14
の上方の靴の内部に連通する空気入口として作用する。
さらに、靴底20は靴の外部に連通する空気出口28が
形成されたかかと部26を有する。靴底20は靴底の一
方側でその周縁に沿って空気入り口孔24から空気出口
孔28まで靴底の長さ方向にのびる流路30を有する。
【0013】少なくとも1つのスロットルオリフィス3
2が靴底のかかと部26に形成され、流路30に連通し
ており、4つのスロットルオリフィス32であることが
好ましい。各オリフィス32は流路30の下流に向けら
れている(図4参照)。オリフィス32はジグザグ形状
に配置された別個の壁34を貫通する。壁34は互いに
平行であり、かかと部16に配置されている。オリフィ
ス32は流路30に沿って順次前後方向に配列されてい
る。
【0014】足操作式ポンプ36(図3参照)がかかと
部26に配置されている。ポンプ36は靴底に被さり、
それに対し傾斜したかかと踏付部38、かかと踏付部3
8と靴底間のリターンコイルスプリング40、および靴
内の空気を内部のポンプチャンバ44に入れるポンプ入
口42を有する。歩行するとき、かかと踏付部38に作
用する人間のかかとの重量がスプリング40を圧縮し、
人間の足を持ち上げると、スプリングがその元の位置に
復帰し、これによって空気が靴の内部からポンプ入口4
2を通り、ポンプチャンバ44に引き込まれる。
【0015】スプリング40が圧縮されるとき、人間の
かかとがポンプ入口42に被さり、それを遮断し、ポン
プチャンバ44内の少量の空気、すなわち一次空気がオ
リフィス32から高速度で図4の矢印Aの方向に流路3
0の下流に押し込まれる。これが流路30内に低圧混合
チャンバ、すなわち領域46を生じさせ、これに矢印B
の方向に大量の悪臭空気、すなわち二次空気が加速度的
に導かれる。二次空気は靴の内部から空気入口孔24を
介して流路30に入る。二次空気は高速度で移動する一
次空気に乗り、これによって混合空気が形成され、これ
が出口28から強制的に放出される。
【0016】ポンプによって排出される空気の量に対す
るポンプに入る悪臭空気の量の比率が精々1対1であっ
た従来技術と比較すると、オリフィス32の下流に生じ
るベンチュリ効果により、この発明の通気装置によって
排出される二次空気の量は一次空気の量よりもおよそ1
0〜20倍大きくなる。低圧領域46が大量の悪臭二次
空気を高速度一次空気内に導き、これによってジェット
状の排出流れが生じる。反応または混合領域として作用
する低圧領域46において、高速度一次空気がそのエネ
ルギを二次空気に与える。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の靴の通気装置の平面図である。
【図2】図1の2−2線断面図である。
【図3】図1の3−3線拡大断面図である。
【図4】図2の4−4線拡大断面図である。
【図5】図1の5−5線拡大断面図である。
【図6】図1の6−6線拡大断面図である。
【符号の説明】
10 通気装置 12 靴 20 靴底 24 空気入口 28 空気出口 30 流路 32 スロットルオリフィス 36 ポンプ 46 混合チャンバ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A43B 1/00 - 23/30 A43D 1/00 - 17/06 A43D 1/00 - 119/00

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)常時靴の内部に連通する空気入口、
    常時靴の外部に連通する空気出口、および前記空気入口
    から前記空気出口にのびる常時開口する流路を有する靴
    底を備え、前記流路は前記空気入口と前記空気出口間の
    常時開口する混合チャンバをもち、 (b)前記靴底内に形成され、常時前記混合チャンバに
    連通し、前記流路の下流に前記混合チャンバ内に向けら
    れた少なくとも1つのスロットルオリフィスを備え、前
    記1つのスロットルオリフィスは前記流路の流通断面よ
    りも小さい流通断面をもち、さらに、 (c)前記靴底に被さるかかと踏付部、前記かかと踏付
    部と前記靴底間のポンプチャンバ、および前記かかと踏
    付部に形成され、靴内の空気を前記ポンプチャンバに入
    れるポンプ入口を有し、前記ポンプチャンバは前記スロ
    ットルオリフィスに常時連通し、少量の一次空気を前記
    スロットルオリフィスから前記混合チャンバ内に高速度
    で前記流路の下流に押し込み、前記混合チャンバ内に低
    圧領域を生じさせ、これに前記靴の内部から前記空気
    口に入る大量の二次空気を加速度的に推進させることが
    できる足操作式ポンプ送り手段を備え、前記混合チャン
    バ内において、前記二次空気が前記一次空気に強制的に
    吸引され、混合し、これによって空気混合物が形成さ
    れ、これが前記混合チャンバから強制的に送られ、前記
    空気出口から放出され、前記大量の二次空気が前記少量
    の一次空気よりも数倍大きくなるようにしたことを特徴
    とする靴の通気装置。
  2. 【請求項2】前記靴底は靴内に取り外し可能に取り付け
    られた内底であることを特徴とする請求項1に記載の装
    置。
  3. 【請求項3】前記空気入口は前記流路内にのびる複数の
    入口孔からなることを特徴とする請求項1に記載の装
    置。
  4. 【請求項4】前記流路は前記靴底の一方側でその周縁に
    沿ってのびることを特徴とする請求項1に記載の装置。
  5. 【請求項5】複数の前記スロットルオリフィスが前記靴
    底内に形成され、前記流路に連通し、その下流に向けら
    れていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
  6. 【請求項6】前記各スロットルオリフィスがかかと部に
    配置されていることを特徴とする請求項5に記載の装
    置。
  7. 【請求項7】前記各スロットルオリフィスがジグザグ形
    状に配置された別個の壁を貫通し、前記壁は互いに平行
    であることを特徴とする請求項5に記載の装置。
  8. 【請求項8】前記靴底は前記空気入口が形成されたつま
    先部、および前記空気出口が形成されたかかと部を有す
    ることを特徴とする請求項1に記載の装置。
  9. 【請求項9】前記各スロットルオリフィスが前記流路に
    沿って順次配列されていることを特徴とする請求項5に
    記載の装置。
  10. 【請求項10】前記かかと踏付部が前記靴底に対し傾斜
    し、前記ポンプ送り手段は前記踏付部と前記靴底間のリ
    ターンスプリングを有することを特徴とする請求項1に
    記載の装置。
  11. 【請求項11】 (a)靴底に常時靴の内部に連通する空気入口を形成す
    る工程と、 (b)前記靴底に常時靴の外部に連通する空気出口を形
    成する工程と、 (c)前記靴底に前記空気入口から前記空気出口にのび
    る常時開口する流路を形成する 工程とを備え、前記流路は前記空気入口と空気出口間の
    混合チャンバをもち、 (d)前記靴底に常時前記混合チャンバに連通し、前記
    流路の下流に前記混合チャンバ内に向けられた少なくと
    も1つのスロットルオリフィスを形成する工程を備え、
    前記スロットルオリフィスは前記流路の流通断面よりも
    小さい流通断面をもち、さらに、 (e)前記靴底に被さるかかと踏付部、前記かかと踏付
    部と前記靴底間のポンプチャンバ、および前記かかと踏
    付部に形成され、靴内の空気を前記ポンプチャンバに入
    れるポンプ入口を有し、前記ポンプチャンバは前記スロ
    ットルオリフィスに常時連通する足操作式ポンプ送り手
    段を設けることにより、少量の一次空気を前記スロット
    ルオリフィスから前記混合チャンバ内に高速度で前記流
    路の下流に押し込み、前記混合チャンバ内に低圧領域を
    生じさせ、これに前記靴の内部から前記空気入口に入る
    大量の二次空気を加速度的に推進させる工程を備え、前
    記混合チャンバ内において、前記二次空気が前記一次空
    気に強制的に吸引され、混合し、これによって空気混合
    物が形成され、これが前記混合チャンバから強制的に送
    られ、前記空気出口から放出され、前記大量の二次空気
    が前記少量の一次空気よりも数倍大きくなることを特徴
    とする靴を通気する方法。
  12. 【請求項12】前記靴底を靴内に取り外し可能に取り付
    けることを特徴とする請求項11に記載の方法。
  13. 【請求項13】前記少なくとも1つのスロットルオリフ
    ィスを形成する工程は複数の前記スロットルオリフィス
    を前記靴底内に形成し、各スロットルオリフィスを前記
    流路に沿って順次配列する工程を含むことを特徴とする
    請求項11に記載の方法。
  14. 【請求項14】前記空気入口は前記靴底のつま先部に形
    成され、前記空気出口は前記靴底のかかと部に形成され
    ることを特徴とする請求項11に記載の方法。
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