JP3534314B2 - 床置形ヒートポンプ式空調機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は床置形ヒートポンプ
式空調機に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、冷温水を利用する空調機では、冷
温水用熱源や全熱交換器などが必要であった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】そのため、嵩高となり
据付場所に限界があり、屋内などに設置困難で、設備コ
ストも高かった。そこで、これらの問題点を解決する床
置形ヒートポンプ式空調機を提供することを目的とす
る。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の床置形ヒートポンプ式空調機は、ケーシン
グ内に、凝縮器を設けた排気用送風路と、蒸発器を設け
た外気用送風路と、冷媒循環回路と、凝縮器と蒸発器に
共用であって排気用送風路と外気用送風路のうちの一方
から他方に向かって排水するように両送風路にまたがっ
て設けたドレンパンと、を備え、排気用送風路と外気用
送風路のうちでドレンパンの上流側となる送風路に第一
の送風機を押込式に設けかつドレンパンの下流側となる
送風路に第二の送風機を吸込式に設けた。さらに、排気
用送風路と外気用送風路を夫々Ｕターンするように形成
して略平行に隣接させ、冷媒循環回路を、排気用送風路
と外気用送風路にまたがってケーシングに対して取出・
収納自在に設けた。さらに、冷媒循環回路を、ケーシン
グ内に着脱自在に取付けられるフレームに固定し、この
冷媒循環回路付のフレームを出し入れする開口部を、ケ
ーシングに形成し、この開口部を、着脱又は開閉自在な
外装板にて施蓋した。さらに、冷媒循環回路付フレーム
をケーシングに対して出し入れするためのスライド機構
を、設けた。さらに、凝縮器及び蒸発器のフィンチュー
ブを楕円管にした。

【０００５】

【発明の実施の形態】図１〜図５は、本発明の床置形ヒ
ートポンプ式空調機の一実施例を示しており、この空調
機は、ケーシング１内に、凝縮器２を設けた排気用送風
路Ａと、蒸発器３を設けた外気用送風路Ｂと、冷媒循環
回路Ｃと、凝縮器２と蒸発器３に共用であって排気用送
風路Ａと外気用送風路Ｂのうちの一方から他方に向かっ
て排水するように両送風路Ａ、Ｂにまたがって設けたド
レンパン２０と、を備えている。凝縮器２と蒸発器３と
圧縮機４などから成る冷媒循環回路Ｃは、図示省略の受
液器と膨張弁と冷媒循環方向の切換弁等も有し、凝縮器
２及び蒸発器３の吸熱と放熱を切換自在に構成される。

【０００６】冷媒循環回路Ｃは、排気用送風路Ａと外気
用送風路Ｂにまたがって設けかつケーシング１に対して
取出・収納自在に設ける。具体的には、冷媒循環回路Ｃ
を、ケーシング１内に着脱自在に取付けられるフレーム
５に固定し、この冷媒循環回路Ｃ付のフレーム５を出し
入れする開口部６を、ケーシング１に形成し、この開口
部６を、着脱又は開閉自在な外装板７にて施蓋し、冷媒
循環回路Ｃ付のフレーム５をケーシング１に対して出し
入れするためのスライド機構を、設ける。スライド機構
は、例えば図例のようにフレーム５に車輪２１を複数設
け、この車輪２１を走行案内するレール２２をケーシン
グ１に設けて構成すればよく、その構成は変更自由であ
る。また、図例以外の構成で冷媒循環回路Ｃを取出・収
納自在に設けるも自由である。

【０００７】排気用送風路Ａと外気用送風路Ｂは夫々Ｕ
ターンするように形成して略平行に隣接させ、排気用送
風路Ａと外気用送風路Ｂの各ターン部に凝縮器２と蒸発
器３を夫々配置し、凝縮器２と蒸発器３への風当たりを
よくする。このようにすれば、各ターン部で空気が乱流
化して拡散され、凝縮器２と蒸発器３の空気入口全面に
均等に当たり熱交換効率が良くなる。また、排気用送風
路Ａと外気用送風路Ｂの各ターン部を隣合わせてあるの
で冷媒循環回路Ｃに占める容積を最小限に抑えることが
できる。外気用送風路Ｂには加湿器９を設ける。排気用
送風路Ａと外気用送風路Ｂは仕切板などで区画形成し、
冷媒循環回路Ｃの間に配置される仕切板はフレーム５と
ケーシング１のどちら側に設けてもよい。なお、実線及
び点線の白抜き矢印で送風方向を示す。

【０００８】排気用送風路Ａと外気用送風路Ｂのうちで
ドレンパン２０の上流側となる送風路に第一の送風機を
押込式に設けかつドレンパン２０の下流側となる送風路
に第二の送風機を吸込式に設ける。例えば図例のように
外気用送風路Ｂから排気用送風路Ａに向かって排水する
場合、ドレンパン２０の上流側となる外気用送風路Ｂに
第一の送風機１４を押込式（蒸発器３の風上側）に設け
かつドレンパン２０の下流側となる排気用送風路Ａに第
二の送風機１５を吸込式（凝縮器２の風下側）に設け
る。ドレンパン２０には、排気用送風路Ａと外気用送風
路Ｂを区画形成しかつ両送風路Ａ、Ｂの間をドレンが通
水可能な仕切板２４を設ける。図例では仕切板２４に小
通水孔２３を形成してドレン排水自在に構成して両送風
路Ａ、Ｂ間の気密性を可及的に確保しているが、他の構
造で区画形成して通水可能にするも自由である。凝縮器
２と蒸発器３のフィンチューブ８は楕円管（図６参照）
にするのが好ましいが円形管でもよい。

【０００９】ケーシング１には、外気取入口１０、給気
口１１、還気取入口１２及び排気口１３を形成し、外気
取入口１０と給気口１１を外気用送風路Ｂにて連通連結
し、還気取入口１２と排気口１３を排気用送風路Ａにて
連通連結する。還気取入口１２はダクトや吸込口等を介
して屋内と連通連結し、給気口１１はダクトや吹出口等
を介して屋内と連通連結する。

【００１０】この床置形ヒートポンプ式空調機では、外
気取入口１０から取入れた外気を蒸発器３で熱交換し、
必要に応じて加湿器９を作動させて給気口１１から給気
し、同時に還気取入口１２から取入れた還気（屋内から
の排気）で凝縮器２の循環冷媒を熱交換して吸熱又は放
熱しつつ排気口１３から屋外へ排気する。このようにし
て排気熱を利用して凝縮器２の熱交換負荷を下げること
ができ、あたかも全熱交換器を用いたような効果を凝縮
器２で得ることができる。なお、外気冷房運転や換気運
転する場合は圧縮機４を止めればよい。

【００１１】なお、前記各実施例の空調機を外気処理空
調機として使用するも自由で、設置場所の変更や縦型の
ものを横型に、またその逆にすることも自由である。

【００１２】

【発明の効果】請求項１の発明では、空調機が簡単な構
造となり製作が容易である。別個に冷温水用熱源が不要
である。屋内からの排熱を利用して凝縮器を運転できる
ので熱交換能力が高く冷媒循環回路を小型化できて省エ
ネを図れ、全熱交換器などの余分な部品が不要となり、
空調機全体をコンパクト化でき、設置スペースが少なく
て済み、設備コスト及びランニングコストの低減を図れ
る。１台の床置形ヒートポンプ式空調機で、外気処理冷
暖房運転、外気冷房運転、換気運転ができ別個に外気処
理用空調機などが不要である。ドレンパンの上流側より
下流側が負圧になるので、ドレンが滞留せず確実に排水
できて水漏れしない。ドレンパンを共用としているので
部品点数が少なくコストダウンできる。請求項２の発明
では、ケーシング全体を取り外すことなく冷媒循環回路
のみをケーシングから取出して冷媒回収作業やメンテナ
ンスを容易に行え、取付け収納にも手間がかからない。
また、冷媒循環回路だけ交換することにより、リニュー
アル時のコストダウンも図れる。排気用送風路と外気用
送風路を隣接させて、それにまたがるようにして冷媒循
環回路を設けてあるので、冷媒循環回路がコンパクトに
なる。排気用送風路と外気用送風路をＵターンするよう
に形成し、かつ両送風路共屋内からより遠い位置に送風
機を設けてあるので、空調機の嵩を大きくせずとも送風
距離を長くとれて騒音エネルギーの減衰が大で低騒音と
なり、室内近辺にも容易に設置できる。請求項３の発明
では、冷媒循環回路をフレームに一体化してあるので、
取出し・収納に手間がかからず作業性が良い。請求項４
の発明では、スライド機構で冷媒循環回路付フレームを
楽に取出し・収納できる。請求項５の発明では、高風速
で使用しても圧力損失が増加せずかつ熱交換能力も低下
しないので小型の蒸発器と凝縮器を使用でき空調機を大
幅にコンパクト化できる。また、通常風速では圧力損失
が減少して熱交換効率が向上するので小型の送風機を用
いることができ騒音低減を図れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す正面図である。

【図２】図１の側面図である。

【図３】図１の断面図である。

【図４】一部を省略した要部斜視図である。

【図５】ドレンパンとスライド機構の要部拡大断面図で
ある。

【図６】フィンチューブ群の断面図である。

【符号の説明】

１ ケーシング ２ 凝縮器 ３ 蒸発器 ５ フレーム ６ 開口部 ７ 外装板 ８ フィンチューブ ２０ ドレンパン Ａ 排気用送風路 Ｂ 外気用送風路 Ｃ 冷媒循環回路

フロントページの続き (56)参考文献 特開 平５−149580（ＪＰ，Ａ) 特開 平４−306429（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−1939（ＪＰ，Ａ) 特開 昭57−188946（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−191892（ＪＰ，Ａ) 実開 平４−4633（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭63−22527（ＪＰ，Ｕ) 実開 平１−140430（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭63−134318（ＪＰ，Ｕ) 実公 昭47−17167（ＪＰ，Ｙ１) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) F24F 1/02 331 F24F 1/02 401 F24F 1/02 371

Claims (5)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ケーシング１内に、凝縮器２を設けた排
   気用送風路Ａと、蒸発器３を設けた外気用送風路Ｂと、
   冷媒循環回路Ｃと、凝縮器２と蒸発器３に共用であって
   排気用送風路Ａと外気用送風路Ｂのうちの一方から他方
   に向かって排水するように両送風路Ａ、Ｂにまたがって
   設けたドレンパン２０と、を備え、排気用送風路Ａと外
   気用送風路Ｂのうちでドレンパン２０の上流側となる送
   風路に第一の送風機を押込式に設けかつドレンパン２０
   の下流側となる送風路に第二の送風機を吸込式に設けた
   ことを特徴とする床置形ヒートポンプ式空調機。
2. 【請求項２】 排気用送風路Ａと外気用送風路Ｂを夫々
   Ｕターンするように形成して略平行に隣接させ、冷媒循
   環回路Ｃを、排気用送風路Ａと外気用送風路Ｂにまたが
   ってケーシング１に対して取出・収納自在に設けた請求
   項１記載の床置形ヒートポンプ式空調機。
3. 【請求項３】 冷媒循環回路Ｃを、ケーシング１内に着
   脱自在に取付けられるフレーム５に固定し、この冷媒循
   環回路Ｃ付のフレーム５を出し入れする開口部６を、ケ
   ーシング１に形成し、この開口部６を、着脱又は開閉自
   在な外装板７にて施蓋した請求項１又は２記載の床置形
   ヒートポンプ式空調機。
4. 【請求項４】 冷媒循環回路Ｃ付のフレーム５をケーシ
   ング１に対して出し入れするためのスライド機構を、設
   けた請求項３記載の床置形ヒートポンプ式空調機。
5. 【請求項５】 凝縮器２及び蒸発器３のフィンチューブ
   ８を楕円管にした請求項１、２、３又は４記載の床置形
   ヒートポンプ式空調機。