JP3533815B2 - ゼータ電位測定方法および装置 - Google Patents
ゼータ電位測定方法および装置Info
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Description
る荷電状態を表すゼータ電位を測定する方法並びに装置
に関し、更に詳しくは、流動電位法を用いたゼータ電位
測定方法並びに装置に関する。
動電位法が知られている。流動電位法は、一対の電極間
に固体試料を充填し、その充填層に液を流したときに一
対の電極間に発生する電位差、すなわち流動電位を測定
することによってゼータ電位を求める方法である。
位と充填層を流れる液の流動圧力、つまり充填層の両端
間の差圧を測定し、ヘルムホルツ−スモルコウスキの式
を用いてゼータ電位を算出している。その従来の測定原
理並びに算出理論について、以下に説明する。
r、長さをLとする。また、その毛細管の管壁に形成さ
れる電気二重層の厚みをδとし、δ<<rと仮定する。
毛細管壁の表面が電気二重層により中和されているとす
ると、ヘルムホルツの分子容量説よりその電荷量Qは、
率、εr は液体の比誘電率、ζはゼータ電位である。図
5に示すモデルを考え、毛細管の両端に圧力差Pを与え
た場合、液体が図中矢印で示す方向(この方向をx軸と
する)に流速uで流動しているとすると、粘性と圧力が
つりあうとして、液の運動方程式は、
る。(2)式から、r=r0 のとき、u=0を初期条件
としてrで積分すると、
uは、
(1),(3)式より、
き換えることができる。一方、オームの法則より電極間
の電位差Eは、電極間の電気抵抗をR、流れる電流をI
として、
になる。従って、(4),(5)式から次式を導出する
ことができる。
であるため、実際の固体試料の充填層全体について論じ
た場合、複数の毛細管を仮定する必要がある。すなわ
ち、実際の流動電位の測定は、対向配置された一対の電
極を備えた試料セル(流動電位測定セル)を用いて、そ
の電極間に形成された固体試料の充填層に液を流すこと
によって行われ、従って充填層中には多数の毛細管が形
成されることになる。
をA0 、一本の毛細管が存在するのに必要な液の流れに
垂直な方向の面積をAs とすると、充填層中における毛
細管の本数nは、
ければならない。
すると、
き換えることができる。
を用いることにより、電極間の電気抵抗Rを、
ら、
ホルツ−スモルコウスキの式と呼ばれる従来のゼータ電
位の算出式であり、一対の電極間に形成された固体試料
の充填層の両端における差圧P(液流動圧力)と、その
差圧Pによって液が流動するときに生じる流動電位E*
を測定することによって、ゼータ電位を算出することが
できる。
示したヘルムホルツ−スモルコウスキのゼータ電位の算
出式では、上記した原理から明らかなように、試料中を
流れる液体の流路を毛細管と見立てているものの、最終
的にはその流路のサイズ(半径と長さ)は式中に入って
はおらず、無関係であるとしている。
試料セル中での試料の充填具合によって流路のサイズが
異なると、ゼータ電位の算出結果が相違したものとな
る。すなわち、ヘルムホルツ−スモルコウスキの算出式
を用いた従来の流動電位法に基づくゼータ電位の求め方
では、同じ試料でも、その充填具合によってゼータ電位
の測定結果が異なる値を示す。また、特に粉体等の試料
では、その充填具合を常に一定の状態とし、あるいは、
その充填具合を別途何らかの方法によって測定してゼー
タ電位の算出結果に補正を加える、といった対策は実質
的に不可能であり、従って、従来の流動電位法とヘルム
ホルツ−スモルコウスキの式を用いたゼータ電位測定方
法によれば、必ずしも正確なゼータ電位が得られている
とは言えない。
もので、粉体等の試料の充填具合に影響を及ぼされるこ
となく、常に正確なゼータ電位を得ることのできる方法
と、その方法を利用したゼータ電位測定装置の提供を目
的としている。
め、本発明のゼータ電位測定方法は、一対の電極間に固
体試料を充填し、その充填層に液を流したときに上記電
極間に発生する流動電位E*と液流動圧力Pとを測定
し、その各測定結果を用いてヘルムホルツの分子容量説
に基づく算出式を演算してゼータ電位を求める方法にお
いて、上記充填層を流れる液の見かけの流速u′(u′
=W/A0;W=体積流量,A0=セルの断面積)を測定
し、その見かけの流速u′と上記液流動圧力Pを用い
て、算出式[K=(5/2)・(8π/P)・u′]に
て係数Kを求め、得られた係数Kをゼータ電位ζの算出
式[ζ=(1/K)・(1/ε0εr)・(1/R)・
(E*/P);R=電極間の電気抵抗,ε0=真空の誘電
率,εr=液体の比誘電率]の右辺に当てはめてゼータ
電位ζを求めることによって特徴づけられる。
子容量説に基づく算出式とは、前記した(1)式を基本
として(7)式の形等で表すことのできる公知の算出式
であり、また、ハーゲン・ポアズイユの式とは、毛細管
を流れる液体の平均流速が、その毛細管の両端の差圧
と、その毛細管の半径並びに長さに依存する、という公
知の式(後述の(10)式)である。
を実施の形態を表す図1を参照しつつ説明すると、固体
試料の充填層3を挟むべく対向配置された一対の電極
1,2を備えた流動電位測定セル10と、そのセル10
の一端側に連通し、当該セル10中の充填層3に流すべ
き液を収容する流動液供給容器11と、セル10の他端
側に連通し、当該セル10中の充填層3を通過した液を
収容する流動液受給容器12と、充填層3に液を流した
ときに一対の電極1,2間に発生する流動電位E* を測
定する流動電位測定手段13を備えた装置において、以
下のような構成を採用していることによって特徴づけら
れる。
おいては、流動液供給容器11、セル10、および流動
液受給容器12が耐圧気密構造によって相互に連通する
ように構成されているとともに、供給容器11内に大気
圧P0よりも高い圧力の気体を導入して充填層3の両端
に液を流動させるための差圧を付与する圧力付与手段
(図1の例において圧力源、気体通路14a、ガス導入
バルブ14b等)と、供給容器11並びに受給容器12
内の圧力PPおよびPCを測定する圧力測定手段15a,
15bと、その各圧力測定値PPおよびPCと流動電位E
*を用いてヘルムホルツの分子容量説に基づく算出式を
演算して固体試料のゼータ電位ζを算出する演算手段2
2を有し、その演算手段22は、上記各圧力測定値の差
圧P(P=PP−PC)を求め、充填層を流れる液の見か
けの流速u′(u′=W/A0;W=体積流量,A0=セ
ルの断面積)を算出し、その見かけの流速u′と上記液
流動圧力Pを用いて、算出式[K=(5/2)・(8π
/P)・u′]にて係数Kを求め、得られた係数Kをゼ
ータ電位ζの算出式[ζ=(1/K)・(1/ε0εr)
・(1/R)・(E*/P);R=電極間の電気抵抗,
ε0=真空の誘電率,εr=液体の比誘電率]の右辺に当
てはめてゼータ電位ζを算出するという構成を採用して
いる。
る。ヘルムホルツの分子流動説に基づくゼータ電位の算
出式においては、(7)式の右辺第1項に示されるよう
に、毛細管の半径r0 と長さLに関する係数、すなわち
(L/r0 2)の項が存在している。つまり、毛細管のサ
イズが変化することによって、実測された流動電位E*
と液流動圧力Pを用いて算出されるゼータ電位ζは異な
る値を示すことになる。前記したヘルムホルツ−スモル
コウスキの式では、この毛細管のサイズに関する係数が
消去され、これによって同じ試料でもその充填具合によ
ってゼータ電位の算出結果が異なる値を示すことは前記
した通りである。
ば、半径r0 、長さLの毛細管を流れる液体の平均流速
uは、
式を用いることにより、毛細管の両端間の差圧Pと液の
流速uを測定しさえすれば、これらの値Pとuをパラメ
ータとして、毛細管の長さLと半径r0 に係る情報(L
/r0 2)を得ることができる。つまり、ヘルムホルツに
よるゼータ電位の算出式中の毛細管の半径r0 と長さL
の比に関する係数(L/r0 2)を知ることができる。
力(充填層の両端における差圧)Pを測定する際に、例
えば流速計ないしは流量計等の何らかの手段を用いて充
填層内での液の流速uを測定し、(10)式に示される
ハーゲン・ポアズイユの式にPとuを代入して係数(L
/r0 2)を求め、その係数(L/r0 2)を(7)式に示
したゼータ電位の算出式に適用することによって、毛細
管のサイズの影響を受けない、つまり試料の充填具合に
よる影響を受けないゼータ電位ζを算出することができ
る。
の通路はねじれていると考えるべきであり、その実際の
通路長L′は、充填層の直線的な両端間距離Lよりも大
きくなっているはずである。従って、(10)式は次の
ように書き換えられる。
の実際の液の通路長がL′である充填層を流れる流速と
して、実際に測定することができるのは見かけの流速
u′ということになり、液体がu′なる流速で長さLを
通過する時間と、実際の流速uで長さL′を通過する時
間とは等しくなるから、
量をWとして、
式におけるコゼニー係数と理論的に一致しており、
は、
において、
過した液の体積流量Wを測定する場合には、この(1
2)式によって得られたKを(7)式の右辺第1項に当
てはめ、ゼータ電位ζを算出すればよいことになる。
ては、流動電位E* と液流動圧力Pとを容易に正確に測
定でき、しかも、充填層3内での流速uを、別途流量計
等を用いることなく正確に測定することができる。
測定系においては、流動電位測定用の一対の電極41,
42間の試料の充填層3の一端側に、流動液を収容し、
気体を用いて圧力を付与し得る容器40を連通させる一
方、充填層3の他端側は大気に開放した構成を採り、液
流動圧力Pと流動電位E* の関係(E* /P)を測定す
るに当たっては、容器40に付与する圧力を徐々に変化
させつつ、その刻々のE* を測定することが行われる。
このとき、理論的にはPとE* は直線関係となるにもか
かわらず、Pの変化に対してE* が曲線的に変化してい
くことがある。そのため、測定に際しては、測定者はE
* /Pの関係が直線的となるように測定中に圧力計43
と電位計44をモニターしながら、容器40に付与する
圧力を調整する必要があった。この原因は、液に付与す
る圧力を強制的に変化させたとき、その流路の途中に充
填層3という流動抵抗が存在しているために生じる圧力
損失によって、液に付与する圧力と、液の流動状態ひい
ては流動電位との間にズレを生じるためであると考えら
れる。換言すれば、容器40に付与している圧力のモニ
ター値と、実際の液流動圧力との間には、圧力損失分に
相当するズレが生じるためであると考えられる。
流動液供給容器11と流動電位測定セル10、および流
動液受給容器12を耐圧気密構造のもとに相互に連通さ
せている。この構成において、供給容器11に対して一
定の高圧を付与すると、供給容器11内の液は受給容器
12内との差圧に応じた流速のもとに充填層3を介して
受給容器12内に流入してそこに蓄積されていき、受給
容器12内の圧力は、その内部に蓄積されている液量に
応じて上昇していく。従って、供給容器11に一定の圧
力Pp を付与し続けたとき、受給容器12内の圧力Pc
がそこに流入した液量に応じて経時的に上昇するため、
充填層3の両端間の差圧P、つまり液流動圧力Pは、密
閉系内に置かれた充填層3中を流れる液の流速の変化に
応じて受動的に変化していくことになり、上記したよう
なE* /Pの関係が直線関係から逸脱することなく、流
動電位E* と液流動圧力Pとを容易かつ正確に測定する
ことができる。
本発明方法において毛細管のサイズに関する係数を算出
するために必要な液の流速uに関する情報は、圧力の経
時的変化から求めることができ、流量計等を別途用意す
ることなく、効率的で正確な測定を可能とする。以下に
その原理を述べる。
おける体積流量Wは、充填層3を通過した液の総体積を
Vとすると、このVを時間tで微分することによって求
められるから、
器12の容積をV0 、同容器12内の圧力をPc 、大気
圧をP0 とすると、ボイルの法則により、
タ電位測定装置においては、供給容器11と受給容器1
2との圧力差P(=PP −Pc )と、受給容器12の圧
力測定値Pc の経時的変化とを、流動電位E* とともに
測定することにより、流量計等を別途設けることなく、
(13)式と(14)式、並びに(7)式とから、試料
の充填具合の影響を受けない正確なゼータ電位ζを算出
することができる。
図である。全体として略管状で、その内部に一対の電極
1,2が対向配置された流動電位測定セル10は、その
一端側が流動液供給容器11に液供給管11aを介して
連通しており、また、他端は液受給管12aを介して流
動液受給容器12に連通している。ゼータ電位を測定す
べき固体試料は、セル10内の電極1と2の間に充填さ
れ、そこに充填層3が形成される。
おり、この電位計13によって、充填層3を液が流れる
ことによって電極1,2間に生じる電位差、つまり流動
電位E* が測定される。
によって構成されており、その内部にはセル11中に流
すべき液が収容されている。また、この供給容器11に
は、圧力源(図示せず)からの気体(例えばN2 )を導
入するための気体通路14aが接続されており、これら
によって液を流動させるための圧力を付与する機構を構
成している。また、この供給容器11には、その内部の
圧力を測定するための圧力計15aと、液の温度を測定
するための温度計16が設けられている。
して圧力源からの気体を供給容器11内に導入/停止す
るためのガス導入バルブ14bが設けられているととも
に、供給容器11内の圧力を大気圧にするための大気開
放バルブ14cを備えた分岐路14dが設けられてい
る。従って、大気開放バルブ14cを閉じ、ガス導入バ
ルブ14bを開くことによって、供給容器11内に圧力
源からの大気圧よりも高い気体を導入することができ、
また、逆にガス導入バルブ14bを閉じて大気開放バル
ブ14cを開くことによって、供給容器11内の圧力を
大気圧と等しくすることができるようになっている。
造の容器によって構成されており、その上部には内部の
圧力を測定するための圧力計15bが設けられていると
ともに、受給容器12内の圧力を大気圧にするための大
気開放バルブ17aが配設されている。また、受給容器
12の底部には、同容器12内の液を排出するための液
排出バルブ17bが設けられている。この液排出バルブ
17bと大気開放バルブ17aは、流動電位の測定時に
おいてはいずれも閉じられ、受給容器12は気密状態と
される。
力を測定するための圧力計15a,15bの出力は、そ
れぞれA−D変換器21によってデジタル化された後、
コンピュータ22に刻々とサンプリングされる。コンピ
ュータ22は、後述するゼータ電位の算出のための演算
プログラムを有しており、A−D変換器21を介して刻
々とサンプリングした電位計13の出力と各圧力計15
a,15bの出力を用いて、ゼータ電位を算出して表示
器23に表示する。
流動液供給容器11内に所定量の流動液を収容するとと
もに、流動液受給容器12の大気開放バルブ17aを一
旦開いて同容器12内の気圧を大気圧とした後、流動液
受給容器12の大気開放バルブ17aと液排出バルブ1
7bを閉じた状態で、流動液供給容器11の大気開放バ
ルブ14cを閉じ、ガス導入バルブ14bを開くことに
より、供給容器11の内部を大気圧より高い一定の圧力
PP を付与する。この状態では、供給容器11、流動電
位測定セル10、および受給容器12が相互に気密状態
で連通し、かつ、セル10の両端に差圧Pが生じた状態
となり、供給容器11内の液はセル10に向けて流動
し、電極1,2間に挟まれた試料の充填層3内を通過し
て受給容器12への流れ込む。この液の流動により充填
層3に発生する流動電位E* は電極1,2を介して電位
計13で測定され、そのデジタル変換データが刻々とコ
ンピュータ22に取り込まれていく。
器12内の液量は液の流速に応じた速度で増加していく
ことになり、この受給容器12内の圧力Pc は、同容器
12内の液量の増加分だけ上昇していく。従って、供給
容器11内の圧力PP を一定に保っていても、セル10
の両端における差圧Pは、充填層3中を流れる液の流速
の変化に応じて受動的に変化し、刻々の差圧Pと流動電
位E* との間にズレを生じることがない。受給容器12
内の圧力Pc は、供給容器11内の圧力PP とともにコ
ンピュータ22に刻々と取り込まれていく。
3)式と(14)式、および(7)式を含むゼータ電位
の算出プログラムを有しており、受給容器12内の刻々
の圧力値Pc と、刻々の差圧P(=PP −Pc )、およ
び装置定数である受給容器12の容量V0 とセル10の
断面積A0 を(13)式および(14)式に代入するこ
とによって係数Kを算出し、その係数Kを(7)式の右
辺第1項に適用して、ゼータ電位ζを算出する。
液流動圧力Pと流動電位E* との関係が常に直線関係を
有する正確な測定結果を用いて行われるが故に人為的な
測定誤差を含まず、かつ、セル10中の試料の充填具合
による影響が、その充填具合に応じて定まる毛細管のサ
イズに基づく係数、換言すれば試料の充填具合を数値化
した係数によって除去されるため、再現性が良好で信頼
性の高い値となる。
て、流動電位測定セル10内に粉体試料を充填した状態
で、10回にわたって繰り返し測定した結果を示すグラ
フである。また、図3には、比較例として、以上の実施
の形態と同等の測定系を用いたものの、ゼータ電位の算
出式については(9)式に示した従来のヘルムホルツ−
スモルコウスキの式を用いた場合の、同等の繰り返し測
定結果を示す。なお、これらの測定における試料には、
アルミナ研磨材を用いた。
回目と10回目とでは測定時間が大幅に変わることが確
かめられ、これは、繰り返して充填層3中に液を流すこ
とによって、試料が圧縮されて充填の状況が疎から密へ
と変化し、充填層3中での液流路(毛細管)のサイズが
変化しているからにほかならない。
ルツ−スモルコウスキの式をを用いて算出したゼータ電
位ζは、各測定において充填層3中の液流路のサイズを
不変として取り扱うため、1回目と10回目の測定では
ゼータ電位ζが大きく変化している。
よる測定結果では、充填層3中の液流路のサイズは、流
速uと差圧Pをパラメータとした演算により補正されて
いるが故に、1回目から10回目にわたってゼータ電位
ζの算出値は殆ど変化せず、その有効性が確認された。
形態を用いることに限定されることなく、例えば図4に
模式的に示す従来の測定系を用いて、充填層3を流れる
液の流速uを、例えば図中想像線で示す位置等に流速計
や体積流量計45等を配置して測定することによって、
ゼータ電位の算出式中の毛細管のサイズに関する係数
(r0 2/L)、あるいは前記係数Kを算出し、その係数
を適用してゼータ電位ζを算出してもよいことは勿論で
ある。
料の充填層に液を流すことによって発生する流動電位を
測定し、その測定結果と液流動圧力とを用いてゼータ電
位を算出するに当たり、ヘルムホルツの分子容量説に基
づくゼータ電位の算出式中に存在する毛細管のサイズに
関する係数を、充填層中における液の流速と差圧とをパ
ラメータとしてハーゲン・ポアズイユの式を用いて算出
し、その算出結果を用いた演算によってゼータ電位を測
定するから、試料の充填具合による影響を受けない、再
現性が良好で信頼性の高いゼータ電位を得ることが可能
となった。
れば、上記した毛細管のサイズに関する係数を算出する
ために必要な充填層中での液の流速を、流動液受給容器
内の刻々の圧力変化と充填層の両端での差圧から算出す
るから、別途流量計等を設けることなく、本発明方法を
適用したゼータ電位の測定が可能となる。しかも、充填
層はその両側の流動液供給容器と流動液受給容器に対し
て気密状態で連通し、供給容器側に一定圧力を付与する
ことによって液の流動圧力を得ているため、充填層の両
端の差圧はそこを流れる液の流速に応じて受動的に変化
し、従来の測定装置のように液の流動圧を強制的に変化
させるための操作が不要となるばかりでなく、液流動圧
力と流動電位との間にズレを生じることがなく、常に正
確な測定が可能となる。
内に充填したまま繰り返し測定した結果を示すグラフ
定を行うとともに、ゼータ電位の算出に当たっては従来
のヘルムホルツ−スモルコウスキの式を用いた場合の結
果を示すグラフ
充填層3の一端側(下流側)を大気圧に開放した、通常
の流動電位測定系の説明図
の算出理論を説明するための毛細管モデルを表す図
Claims (2)
- 【請求項1】 一対の電極間に固体試料を充填し、その
充填層に液を流したときに上記電極間に発生する流動電
位E*と液流動圧力Pとを測定し、その各測定結果を用
いてヘルムホルツの分子容量説に基づく算出式を演算し
てゼータ電位を求める方法において、 上記充填層を流れる液の見かけの流速u′(u′=W/
A0;W=体積流量,A0=セルの断面積)を測定し、そ
の見かけの流速u′と上記液流動圧力Pを用いて、算出
式[K=(5/2)・(8π/P)・u′]にて係数K
を求め、得られた係数Kをゼータ電位ζの算出式[ζ=
(1/K)・(1/ε0εr)・(1/R)・(E*/
P);R=電極間の電気抵抗,ε0=真空の誘電率,εr
=液体の比誘電率]の右辺に当てはめてゼータ電位ζを
求めることを特徴とするゼータ電位測定方法。 - 【請求項2】 固体試料の充填層を挟むべく対向配置さ
れた一対の電極を備えた流動電位測定セルと、そのセル
の一端側に連通し、当該セル中の充填層に流すべき液を
収容する流動液供給容器と、上記セルの他端側に連通
し、当該セル中の充填層を通過した液を収容する流動液
受給容器と、上記充填層に液を流したときに上記一対の
電極間に発生する流動電位E*を測定する流動電位測定
手段を備えた装置において、 上記供給容器、セル、および受給容器が耐圧気密構造に
よって相互に連通するよう構成されているとともに、上
記供給容器内に大気圧P0よりも高い圧力の気体を導入
して上記充填層の両端に液を流動させるための差圧を付
与する圧力付与手段と、上記供給容器並びに受給容器内
の圧力PPおよびPCを測定する圧力測定手段と、その各
圧力測定値PPおよびPCと上記流動電位E*を用いてヘ
ルムホルツの分子容量説に基づく算出式を演算して固体
試料のゼータ電位を算出する演算手段を有し、その演算
手段は、上記各圧力測定値の差圧P(P=PP−PC)を
求め、充填層を流れる液の見かけの流速u′(u′=W
/A0;W=体積流量,A0=セルの断面積)を算出し、
その見かけの流速u′と上記液流動圧力Pを用いて、算
出式[K=(5/2)・(8π/P)・u′]にて係数
Kを求め、得られた係数Kをゼータ電位ζの算出式[ζ
=(1/K)・(1/ε0εr)・(1/R)・(E*/
P);R=電極間の電気抵抗,ε0=真空の誘電率,εr
=液体の比誘電率]の右辺に当てはめてゼータ電位ζを
算出することを特徴とするゼータ電位測定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06228396A JP3533815B2 (ja) | 1996-03-19 | 1996-03-19 | ゼータ電位測定方法および装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06228396A JP3533815B2 (ja) | 1996-03-19 | 1996-03-19 | ゼータ電位測定方法および装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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