JP3531957B2 - 定量注出容器、該定量注出容器用の定量注出具及びスタンド - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、注出容器、特にシャン
プーやリンス等の高粘性液を片手でワンタッチで定量注
出することができる定量注出容器、該定量注出容器用の
定量注出具及びスタンドに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、シャンプーやリンス等の高粘性液
をワンタッチで注出する容器は、種々の形式のものが知
られているが、容器自体を手で持つことなく定置した状
態でワンタッチで注出できるものとしてはシリンダ式の
注出ポンプ付き容器が広く採用されている。また、容器
を定置した状態で内容液を注出する他の形式の容器とし
ては、容器自体がジャバラ状になっていて、その口頚部
に設けられたジャバラ状シリンダの両側に逆止弁部材を
設けて注出ポンプを構成したものが知られている（例え
ば、実公平４−１７２４８号）。

【０００３】しかしながら、従来のこれらの定置式の注
出容器は、注出ポンプが高価であるため容器コストを高
めるという欠点がある。さらに、従来の注出ポンプ付き
容器は、ワンタッチで注出できても、片方の手でポンプ
を押圧し、他方の手で注出された液を受けなければなら
ず、完全に片手のみで液を注出して受けるものではな
い。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の定置
式定量注出容器の前記問題点を解消しようとするもので
あり、高粘性の内溶液を定量づつ片手のみで確実に注出
することができ、しかも構造が簡単で安価に製造できて
容器コストを低減することができ、さらに詰め替え式で
繰返し使用することができると共に、定置してファッシ
ョン性にも優れた定量注出容器、該定量注出容器用の定
量注出具及びスタンドを提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の本発明の定量注出容器は、 容器本体と、該容器本体
の口部に装着される定量注出具と、前記容器本体を支持
するスタンドとの組合せから構成され、前記定量注出具
は、上部が開口し内部が定量貯溜室を形成している注出
筒と、該注出筒の定量貯溜室から液が容器本体に逆流す
るのを防止する逆止弁部材とからなり、前記注出筒は、
収縮させることにより前記定量貯溜室の液を外部に注出
できるように圧縮可能に形成され、前記スタンドは、少
なくとも頂部及び前部が開口した箱型に形成され、容器
本体の頚部に係合して前記容器本体を正立状態と倒立状
態に係止保持する容器頚部係止片がヒンジ連結されて一
体に形成されていることを特徴とする構成を有してい
る。

【０００６】前記圧縮可能な注出筒は、筒部に多数のス
リットが形成された弾性体薄肉円筒部材、または筒部が
蛇腹状に伸縮可能に構成され下端に注出弁が設けられて
いる円筒部材等で構成することができる。

【０００７】また、前記定量注出容器に使用する定量注
出具は、上部が開口し内部が定量貯溜室を形成している
注出筒と、該注出筒の定量貯溜室から液が容器本体に逆
流するのを防止する逆止弁部材とからなり、前記注出筒
は、筒部に多数のスリットが形成された弾性体薄肉円筒
部材からなり、収縮させることにより前記定量貯溜室の
液を外部に注出できるように圧縮可能に形成され、前記
逆止弁部材は、中央に弁孔が形成された弁座部材と、該
弁座部材の外側に移動自在に支持され前記弁孔を開閉す
る弁球から構成され、該弁球は前記注出筒の開口部に液
流出可能に支持されていることを特徴とする構成を有し
ている。

【０００８】さらに、前記定量注出容器用のスタンド
は、少なくとも頂部及び前部が開口した箱型に形成さ
れ、容器本体の頚部に係合して容器を正立状態及び倒立
状態に支持することができる容器頚部係止片がヒンジ連
結されて一体に形成されていることを特徴とするこもの
である。

【０００９】

【作用】流通段階では容器本体をスタンドに正立状態で
支持することにより、コンパクトに収納し、使用時には
容器本体をスタンドに倒立状態で支持させることによ
り、液は容器本体から弁部材を通って注出筒内に流下し
て、注出筒の定量貯溜室に１回の使用量に相当する定量
の液が貯溜される。この状態で、注出筒を圧縮すると、
即ち請求項３の構成の場合は注出筒を片手で握ることに
よって、定量貯溜室が加圧されてスリットが開き液が手
に滲み出て注出される。また、注出筒が請求項４の構成
の場合は、注出筒全体を下方から手のひらで押し上げて
蛇腹を圧縮させることによって、注出筒の下端に設けら
れた注出弁が開き、定量貯溜室から液が手のひらに注出
される。

【００１０】注出筒が圧縮されると定量貯溜室の内圧が
高まり、弁部材の弁球は上昇して逆止弁の弁座に着座し
て弁孔を閉塞して定量貯溜室から容器本体への液の逆流
を防ぎ、定量貯溜室に貯溜されている定量の液を確実に
注出することができる。注出筒の圧縮を解除すると、弁
球は下降して弁孔を開き、再び液貯溜室内の容器から液
が流入する状態となり、次の使用に備えれらる。従っ
て、本発明の定量注出容器は、単に片手で注出筒を圧縮
するだけで、定置した状態でワンタッチで液を手に注出
することができ、洗髪時のシャンプーやリンス等の注出
に非常に便利である。また、容器本体と定量注出具及び
スタンドはそれぞれ別部材で構成されているから、液の
使用が終わると、液が充填されている容器本体のみを購
入して取替え、他の定量注出具及びスタンドは繰り返し
て使用することが可能であり、経済的である。

【００１１】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。図１〜図３は、本発明の実施例に係る注出
容器を示し、図１は使用状態を示し、図２は流通段階等
での未使用状態を示している。

【００１２】本実施例の注出容器は、容器本体１と、該
容器本体の口部に装着される定量注出具２と、容器本体
を支持するスタンド３とから構成されている。容器本体
１は、プラスチックボトル等適宜形状に形成され、スタ
ンド３に係止支持させるための係止突起６が肩部に対称
的に設けられている。容器本体の口部に装着するキャッ
プ７は、頂壁の中央部が開口して使用状態では後述する
ように該開口部から定量注出具を貫通させて容器本体に
螺合することにより定量注出具を容器本体に取付けるこ
とができるようになっているが、流通段階では該頂壁内
面にシール材が設けられて開口部がシールされているの
で、該キャップを容器口部に螺着することによって、内
溶液が外部に流出しないように密封することができる。

【００１３】定量注出具２は、容器本体１の口部にキャ
ップ７によって装着され内部が定量貯溜室となっている
注出筒８と、該注出筒から液を注出する際、前記定量貯
溜室から容器本体に液が逆流するのを防止する逆止弁部
材９とから構成されている。注出筒８は、圧縮可能な弾
性材料、例えば軟質のポリエチレン等で形成された厚み
が０．５〜１．０mmの薄肉円筒部材からなり、その筒部
に１〜５mm程度のスリット１０を外周に自由な方向に多
数設けてある。そして、図３（ａ）に示すように、容器
口部側に位置する上部端には容器口部にキャップで固定
するためのフランジ１１が形成され、該フランジ内周上
縁が後述する弁球受けを形成し、該弁球受けに弁球１５
が支持された状態で容器内から液が注出筒内に流下でき
るように、前記フランジ内周上縁を適宜間隔で切り欠い
て液流下路１２が形成されている（図３（ｂ）参照）。
なお、液流下路１２は、フランジ内周上縁に切欠きを設
ける代わりに、フランジ内周上縁に適宜間隔で突起を設
けて、弁球をフランジ内周縁から浮いた状態で支持する
ことによって形成しても良い。

【００１４】逆止弁部材９は、図１の状態では容器から
前記注出筒８に液の流出が自由に流下して定量貯溜室に
定量の液を貯溜し、そして定量貯溜室から液を外部に注
出する際には容器内に液が逆流しないように制御するも
のであって、容器口部に設けられた弁座部材１６と、該
弁座部材と注出筒８のフランジ内周上縁との間に移動自
在に装着された弁球１５から構成されている。弁座部材
１６は、容器口部に嵌合出来るカップ状に形成され、容
器内方側に位置する頂壁が弁球１５が密着できる円形の
弁孔１７が形成された弁座となっており、その円筒壁１
８の端部に容器口頂部と係合するフランジ１９が形成さ
れている。

【００１５】スタンド３は、頂部及び前部が開口した適
宜形状の箱型に形成され、その側壁頂部に容器に形成さ
れた係止突起６が嵌合する係止溝２０が形成されてい
る。また、後部壁の頂部には、容器本体の頸部に嵌合し
て容器を正立状態又は倒立状態に支持するための、容器
頚部係止片２１がヒンジ連結されて一体に形成されてい
る。

【００１６】本実施例の注出容器は以上のように構成さ
れ、流通段階では、図２に示すように、容器を正立状態
にして係止突起６をスタンド３の係止溝２０に嵌合さ
せ、且つ容器頚部係止片２１を図１（ｂ）に仮想線で示
すように、容器口部に嵌合して係止させて正立状態を維
持させ、必要に応じ適宜包装する。なお、この状態で
は、前記定量注出具２は容器本体に装着されておらず、
スタンド３内に適宜収納されている。

【００１７】使用に際しては、容器本体の口部に図１に
示すように、定量注出具２を装着してキャップ７により
固定し、倒立状態でスタンド３にセットする。その場
合、容器頚部係止片２１をヒンジ連結部より下向きに傾
斜させて容器頸部に嵌合することにより、容器を倒立状
態で安定して保持できる。この状態では、弁球１５は注
出筒のフランジ内周上縁に支持されているが、液は容器
本体から弁孔１７及び液流下路１２を通って注出筒内に
流下して、注出筒の定量貯溜室に例えば１回の使用量に
相当する定量の液が貯溜される。

【００１８】この状態で手で注出筒８を握ることによっ
て、定量貯溜室が加圧されてスリット１０が開き液が手
に滲み出て使用することができる。注出筒を握ることに
より、弁球１５は上昇して弁座に着座して弁孔１７を閉
塞して定量貯溜室から容器本体への液の逆流を防ぎ、ス
リット１０から確実に手に注出することができる。注出
筒の握りを解除すると、注出筒はその弾性により復元し
て、スリットは自動的に閉塞して液の流出を防ぐと共
に、弁球１５は下降して弁孔１７を開き、再び液貯溜室
内の容器から液が流入する状態となり、次の使用に備え
れらる。

【００１９】図４〜図５は本発明の注出容器の他の実施
例であり、本実施例は、前記実施例と比較して定量注出
具、特に注出筒の構造が相違している。本実施例では、
注出筒２５は、図４に示すように蛇腹状に伸縮可能に構
成され、容器口側に位置する上端部に前記実施例と同様
に、液流下路２７が形成された弁球受け２６が設けられ
ている。また、注出筒２５の下端には注出弁２８が設け
られ、常時は該注出弁２８の弁球２９が注出筒の下端壁
３０に形成された注出孔３１を閉鎖している状態にあ
る。下端壁３０の外側面には、注出筒を下側から手で押
圧した場合、手のひらが注出孔３１を閉鎖して液の注出
を邪魔することがないように、フィン３２を形成して液
の注出路を確保してある。なお、図の実施例において、
他の構成は、前記実施例と同様であるので、同一符号を
用い、詳細な説明を省略する。

【００２０】図５は、図４に示す実施例において、蛇腹
状の注出筒下端に設けられた注出弁の構造を変更した実
施例である。即ち、本実施例の注出弁３５は、注出筒の
下端壁３６を漏斗状に形成して弁座とし、該弁座と係合
する円錐面４０を有する弁体４１の円錐面頂部から、前
記弁座の中央部に形成した注出孔３７に十分な隙間を持
って嵌合するガイド杆４２を設けて構成されている。従
って、液注出の際、該ガイド杆４２を押し上げながら、
注出筒全体を下方から手で押し上げて蛇腹を圧縮させる
ことによって、弁体４１の円錐面４０と弁座との間に十
分な隙間が形成され、液は注出孔のガイド杆４２との隙
間を通って注出される。

【００２１】

【発明の効果】本発明は次のような格別の効果を奏す
る。容器本体をスタンドに定置した状態で片手で定量の
液を注出することができ、且つ定量注出具及びスタンド
はそれぞれ別部材で構成されているから、液の使用が終
わると、液が充填されている容器本体のみを購入して取
替え、他の定量注出具及びスタンドは繰り返して使用す
ることが可能であり、経済的である。

【００２２】本発明の定量注出具によれば、注出筒を単
に片手で圧縮することにより定量の液体をワンタッチで
手のひらに注出することができるので、洗髪時のシャン
プーやリンス等の注出に非常に便利である。

【００２３】また、定量注出具は、従来のシリンダポン
プ式のものに比べて構成が非常に簡単であり、容器コス
トの低減を図ることができる。スタンドは、定置した状
態で容器本体を倒立及び正立状態で確実に保持すること
ができ、またディスプレー効果を高めることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例に係る定量注出容器の容器本体
を倒立スタンドに支持している状態での（ａ）は一部断
面正面図、（ｂ）は側面図である。

【図２】本発明の実施例に係る定量注出容器の容器本体
を正立してスタンドに支持している状態での（ａ）は一
部断面正面図、（ｂ）は平面図である。

【図３】（ａ）は本発明の実施例に係る注出具の容器本
体に装着した状態での一部断面正面図、（ｂ）はそのＡ
−Ａ断面矢視図である。

【図４】（ａ）は本発明の他の実施例に係る注出具の容
器本体に装着した状態での一部断面正面図、（ｂ）は注
出筒の下端壁の底面図である。

【図５】本発明の他の実施例に係る注出具の要部一部断
面正面図である。

【符号の説明】

１ 容器本体 ２ 定量注出具 ３ スタンド ８、２５ 注出
筒 ９ 逆止弁部材 １０ スリット １２、２７ 液流下路 １５ 弁球 １６ 弁座部材 １７ 弁孔 ２０ 係止孔 ２８、３５
注出弁 ２１ 容器頸部係止片

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 容器本体と、該容器本体の口部に装着さ
   れる定量注出具と、前記容器本体を支持するスタンドと
   の組合せから構成され、 前記定量注出具は、上部が開口し内部が定量貯溜室を形
   成している注出筒と、該注出筒の定量貯溜室から液が容
   器本体に逆流するのを防止する逆止弁部材とからなり、
   前記注出筒は、収縮させることにより前記定量貯溜室の
   液を外部に注出できるように圧縮可能に形成され、 前記スタンドは、少なくとも頂部及び前部が開口した箱
   型に形成され、容器本体の頚部に係合して前記容器本体
   を正立状態と倒立状態に係止保持する容器頚部係止片が
   ヒンジ連結されて一体に形成されていることを特徴とす
   る定量注出容器。
2. 【請求項２】 前記注出筒は、筒部に多数のスリット
   が形成された弾性体薄肉円筒部材からなる請求項１記載
   の定量注出容器。
3. 【請求項３】 前記注出筒は、筒部が蛇腹状に伸縮可能
   に構成され、下端には注出弁が設けられている請求項１
   記載の定量注出容器。
4. 【請求項４】 上部が開口し内部が定量貯溜室を形成し
   ている注出筒と、該注出筒の定量貯溜室から液が容器本
   体に逆流するのを防止する逆止弁部材とからなり、前記
   注出筒は、筒部に多数のスリットが形成された弾性体薄
   肉円筒部材からなり、収縮させることにより前記定量貯
   溜室の液を外部に注出できるように圧縮可能に形成さ
   れ、前記逆止弁部材は、中央に弁孔が形成された弁座部
   材と、該弁座部材の外側に移動自在に支持され前記弁孔
   を開閉する弁球から構成され、該弁球は前記注出筒の開
   口部に液流出可能に支持されていることを特徴とする定
   量注出容器用の定量注出具。