JP3531519B2 - シリコンウエハのエッチング方法 - Google Patents

シリコンウエハのエッチング方法

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JP3531519B2
JP3531519B2 JP07416799A JP7416799A JP3531519B2 JP 3531519 B2 JP3531519 B2 JP 3531519B2 JP 07416799 A JP07416799 A JP 07416799A JP 7416799 A JP7416799 A JP 7416799A JP 3531519 B2 JP3531519 B2 JP 3531519B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,半導体加速度センサ,半導体圧
力センサ等に用いられるシリコンダイヤフラム等を作製
できるシリコンウエハのエッチング方法に関する。
【0002】
【従来技術】半導体加速度センサ,半導体圧力センサ等
のシリコンダイヤフラムを形成する方法として,次のよ
うな方法が知られている。図8(a)に示すごとく,P
N界面13により一体となったP層11とN層12とを
有し,該P層11側の一部領域にエッチングマスク11
0が施されたシリコンウエハ1を準備する。このシリコ
ンウエハ1をエッチング液19に浸した状態でN層12
側に正電圧を印加する。正電圧の印加は回路360を介
して電源装置36より行われる。印加された正電圧の大
きさは,図8(b)に示すごとく,時間と共に一定であ
る。
【0003】これにより,P層11でエッチングマスク
110のない領域が溶解除去され,図8(a)に示すご
とく凹部が形成される。この間,回路360には,図8
(c)に示すごとく微弱な電流が流れている。上記凹部
がPN界面13の近傍に達した時,陽極酸化が発生す
る。この時,回路360を流れる電流は急増し,図8
(c)に示すごとく,ピーク点に達する。その後はほぼ
一定の大きさの電流が流れる。陽極酸化の発生によりP
層11の溶解は停止し,PN界面13近傍が徐々にエッ
チングされる。この時点でエッチング液19に水を投入
してエッチングを停止させる。その後,シリコンウエハ
1をエッチング液19より取り出し,水洗する。
【0004】以上により,後述する図2に示すごとく,
シリコンウエハ1のP層11のエッチングマスク110
のない領域がN層12近傍まで除去された凹部が得られ
る。この凹部の底面の薄肉部がダイヤフラム15とな
る。このエッチング方法によれば,所望の形状,所望の
厚みを持ったダイヤフラム15を精度高く容易に作製す
ることができる。
【0005】
【解決しようとする課題】しかしながら,従来方法では
シリコンウエハの状態により,N層に加えた正電圧がP
層にリークし,リーク電流が発生し,P層が陽極酸化さ
れて,エッチングが他の部分と比べて進行し難くなり,
エッチング深さがばらつくという問題が発生することが
ある。この問題は,例えばホト欠陥により,N層へ通じ
るアルミニウム配線が集積回路のP層へ通じるアルミニ
ウム配線へとショートするような場合に発生する。ま
た,この不具合は慢性的にランダムに発生する。
【0006】そして,上述したごとくダイヤフラムをエ
ッチングで形成する場合に,リーク電流が発生するリー
ク箇所が複数ある場合には,シリコンウエハ内の50%
以上のダイヤフラムに厚さ不良が生じることもある。そ
のため,従来はエッチング終了後にシリコンウエハ内の
ダイヤフラムの厚さを計測するなどの検査に多大の工数
を要していた。このように従来方法では均一なエッチン
グ深さを得ることが難しかった。
【0007】本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてな
されたもので,確実にエッチングが行われ,未エッチン
グやエッチング不足による不具合が生じ難いシリコンウ
エハのエッチング方法を提供しようとするものである。
【0008】
【課題の解決手段】請求項1に記載の発明は,P層とN
層と両層の間のPN界面とよりなり,該P層側の一部領
域にエッチングマスクが施されたシリコンウエハを準備
し,上記シリコンウエハをエッチング液中に配置し,正
電圧を印加することなく上記P層を上記PN界面近傍ま
でエッチングする第1の工程と,上記P層に正電圧を印
加することによりエッチング深さを調整し,その後エッ
チングの終了処理を行なう第2の工程とを有し,上記第
2の工程において,上記P層に,該P層及びN層が陽極
酸化する正電圧を印加し,P層及びN層を陽極酸化した
際の両者のエッチングレート差を利用することにより,
エッチング深さの調整を行うことを特徴とするシリコン
ウエハのエッチング方法にある。
【0009】本発明において最も注目すべきことは,第
1工程として,正電圧を印加せずエッチング液を利用し
たP層のエッチングを行なうこと,P層のエッチングが
PN界面近傍まで進行した後,第2工程として,P層に
正電圧を印加することにある。本発明では,N層に正電
圧を印加してエッチングを行なわないため,従来技術に
記載したリーク電流の発生によるエッチング不足,部分
的な未エッチングが発生し難く,エッチング深さが均一
となるような確実なエッチングを行なうことができる。
【0010】以上,本発明によれば,確実にエッチング
が行われ,未エッチングやエッチング不足による不具合
が生じ難いシリコンウエハのエッチング方法を提供する
ことができる。
【0011】また,本発明にかかるエッチング方法を利
用することで,半導体圧力センサ(実施形態例1参
照),加速度センサ等に利用するシリコンダイヤグラム
を作製することができる。また,その他,シリコンを用
いた各種3次元構造体等の製造に本発明にかかるエッチ
ング方法を適用することができる。
【0012】また,本発明において使用できるシリコン
ウエハとしては,PN界面を持つウエハであればいずれ
についても適用可能である。また,エッチング液として
は,KOH,ヒドラジン,水酸化テトラメチルアンモニ
ウムの水溶液等が挙げられる。また,終了処理とは,例
えば正電圧を印加した状態で,エッチング液中に水を加
えて,エッチング液を希釈,冷却し,エッチングが全く
生じなくなった状態になってから正電圧をOFFとする
等の方法が挙げられる。
【0013】また,第1工程から第2工程への切り替え
はP層に正電圧を印加することにより行われるが,印加
のタイミングは用いるシリコンウエハやエッチング液の
種類や条件によって定まるため一概に規定できない。お
よそPN界面までの残り厚みが5〜10μm程度になる
P層までエッチングが進行した段階で印加を始め,細か
い条件は実環境での試験や測定で定める。
【0014】また、上記第2の工程におけるエッチング
深さの調整は,P層及びN層を陽極酸化した際の両者の
エッチングレート差を利用する。
【0015】P層とN層は陽極酸化した際,同じエッチ
ング液,印加電圧に対するエッチングレート差が異な
り,N層のエッチングレートはP層に比べて遅い(後述
の実施形態例2,図7(a)参照)。P層中でもエッチ
ングレートは部分ごとに異なり,エッチングの進行が早
い部分から順にエッチングの先端がPN界面近傍まで進
行する。例えば後述する実施形態例1に示すごとく,一
枚のシリコンウエハに対し複数箇所のダイヤフラムを形
成するような場合,各ダイヤフラムについてエッチング
レートが異なる場合がある。
【0016】ある程度の領域のエッチングの先端がPN
界面の近傍に達した時点で,P層に正電圧を印加すると
P層は陽極酸化されつつも更にエッチングが進行する。
最終的にエッチングの先端がN層に到達するが,P層に
印加した正電圧によりP層からN層へと順バイアスで電
流が流れているため,N層もP層同様陽極酸化されてい
る。このため,N層に対するエッチングは進行し難い。
【0017】さらに,P層とN層との間には上述したご
とくもともとエッチングレート差が存在し,P層に比べ
てN層へのエッチングは進行し難い。つまり,N層に達
した時点でエッチングは非常に進行し難くなる。この間
にP層でのエッチング進行が遅れていた部分も次々にP
N界面,N層へエッチングの先端が到達する。
【0018】したがって,P層そのものの厚みのばらつ
き,エッチング進行のばらつき等によるエッチング深さ
の不均一がこの時点で補正される。例えば,後述する実
施形態例1に示すごとき複数ダイヤフラムの形成におい
ては,この時点で複数ダイヤフラム間の厚みの不均一が
補正される。よって,この時点でエッチングの終了処理
を行なうことで,エッチング深さをP層の状況にかかわ
らず,均一とすることができる。
【0019】次に,上記第2の工程におけるエッチング
は高温雰囲気かつ印加する正電圧を高くして行なうこと
が好ましい。これにより,実施形態例2の図7(a)よ
り知れるごとく,印加した電圧が増大することでP層と
N層とのエッチングレートの差が増大し,本発明にかか
る効果を確実に得ることができる。また,エッチングの
雰囲気温度を高くすると,エッチングレートを大きくで
きるため,短時間でエッチング深さの補正を行なうこと
ができる。
【0020】上記エッチングの高温雰囲気とは例えばエ
ッチング液の温度を一定に保持することで実現できる。
この時の温度は,90〜115℃とすることが好まし
い。90℃未満だとエッチングレートが低下するため,
エッチングの効率が低下するおそれがあり,115℃を
越えると,エッチング液の沸点に近づき,水の蒸発等に
よる濃度変動が発生しやすくなり,安定なエッチングが
困難となるおそれがある。
【0021】また,正電圧の高さは3〜10Vとするこ
とが好ましい。3V未満であると,P層とN層とのエッ
チングレート差が小さくなり,エッチング深さの補正が
不充分となるおそれがある。また,10Vより高い場合
には,電流が増大し,エッチング面への安定的な給電が
できなくなるおそれがある。
【0022】次に,請求項2の発明のように,上記第1
の工程と,上記第2の工程とは同一装置において,連続
的に実施されることが好ましい。これにより,エッチン
グにかかるコストを低減することができる。
【0023】次に,請求項3に記載の発明のように,上
記エッチングの終了処理は電流変化のモニタリングによ
り実施することが好ましい。これにより,確実にエッチ
ングの深さが均一で,N層が侵食され難いエッチング方
法を提供することができる。
【0024】そして,請求項4に記載の発明のように,
上記電流変化のモニタリングは,P層及びN層が陽極酸
化された際の両者のエッチングされた部位の単位面積あ
たりの電流値の差を利用して行なうことが好ましい。こ
れにより,定量的な計測が可能となり,確実にエッチン
グの深さが均一となった時点でエッチング終了処理を行
なうことができる。なお,電流変化のモニタリングはシ
リコンウエハに正電圧を印加する回路等に電流計を設け
る等して行なうことができる。
【0025】また,具体的には,正電圧の印加後,電流
が検出されるが,この電流が低下し,その勾配率が0と
なった時点を基準とし,その後所定の時間の経過後に終
了処理を行なうことが好ましい(実施形態例1,図5
(b))。
【0026】エッチングが終了すればP層が除去される
ため,N層がエッチング液中に露出することになる。実
施形態例2の図7(b)に示すごとく,同じ電圧がかか
ったときにP層とN層とを流れる電流の大きさはP層の
ほうが大きい。従って,P層が除去され,N層の露出が
増大することで,電流は後述する図5(b)に示すごと
く,減少してゆく。P層がなくなりN層だけが露出した
状態となれば,それ以上電流は減少しなくなるから,同
図の印Aのような変化点をモニタリングすればエッチン
グを終えるべき時期を容易に見いだすことができる。
【0027】次に,請求項5の発明のように,P層と共
にN層に対し正電圧を加えることが好ましい。これによ
り,特に薄いN層を持ったシリコンウエハをエッチング
する際にN層にエッチングが進行しすぎて貫通孔が形成
されてしまう不具合を防止することができる。また,こ
れにより,N層の電気抵抗が大きくN層が陽極酸化され
難く,エッチングが進行して,貫通孔が形成されてしま
う不具合も防止することができる。
【0028】次に,請求項6の発明のように,P層とN
層との間にN+層を設けることが好ましい。この場合
も,上記請求項7と同様の効果を得ることができる。な
お,ここにN+層とはPやSb等のドープ濃度が通常の
N層よりも大きく,比抵抗の小さい層である。
【0029】
【発明の実施の形態】実施形態例1 本発明の実施形態例にかかるエッチング方法につき,図
1〜図6を用いて説明する。本例の概略について説明す
ると,図1に示すごとく,P層11とN層12と両層の
間のPN界面13とよりなり,該P層11側の一部領域
にエッチングマスク110が施されたシリコンウエハ1
を準備し,上記シリコンウエハ1をエッチング液19中
に配置し,正電圧を印加することなく上記P層11を上
記PN界面13近傍までエッチングした後(第1工
程),上記P層11に正電圧を印加することによりエッ
チング深さを調整し,その後エッチングの終了処理を行
なう(第2工程)。
【0030】本例のエッチング方法では,ピエゾ抵抗層
を用い,エッチングによるダイヤフラム15が形成され
た半導体圧力センサ10を作製する。この断面図を図2
に示す。この半導体圧力センサ10は結晶方位(11
0)のP型シリコン基板よりなるP層11の一面にN型
エピタキシャル層よりなるN層12が形成されている。
そして,P層11とN層12との間にN+層120が設
けてある。P層11には一面に開口する凹部が形成さ
れ,この凹部の底面に薄肉部が形成されている。この薄
肉部がダイヤフラム15であり,本例にかかるエッチン
グ方法で形成されている。また,ダイヤフラム厚は図示
したDである。
【0031】上記N層12にはP+型不純物層163が
形成され,これが歪みを感知するためのピエゾ抵抗層と
なる。N層12の表面はシリコン酸化膜161で覆われ
ている。P+型不純物層はアルミ配線162にて,シリ
コン酸化膜161の表面側に電気的に引き出されてい
る。
【0032】この半導体圧力センサ10の製造の概略を
説明する。まず,(110)P型シリコン基板の一面に
N+層120を拡散により形成し,N型エピタキシャル
層を成長させ,P+型不純物層,シリコン酸化膜,アル
ミ配線を形成した後,P型シリコン基板の表面にダイヤ
フラム15を形成するためのエッチンダマスク110
(シリコン窒化膜)を形成する。これにより,図1にか
かるシリコンウエハ1を得る。上記シリコンウエハ1の
厚みは300μmであり,N層12及びN+層120を
合わせた厚みは20μmである。その後,このシリコン
ウエハ1を図1に示すごとくエッチング液19中で異方
性エッチングを施し,ダイヤフラム15を形成して,半
導体圧力センサ10となす。
【0033】次に,本例で使用するエッチング装置3の
概要を図3を用いて説明する。エッチング装置3は4フ
ッ化エチレン樹脂等の高絶縁性でかつ断熱性・耐食性に
優れた材料によりなる基台314と筒状の枠体315と
蓋体316とよりなる。基台314の上には枠体315
の下面開口端がOリング317により液密状態で配置さ
れる。枠体315の上面開口端は蓋体316がOリング
318により液密状態で配置される。この基台314,
枠体315,蓋体316により処理槽31が構成され,
この処理槽31内にアルカリ異方性エッチング用のエッ
チング液19とシリコンウエハ1が導入される。
【0034】また,上記シリコンウエハ1は,上記基台
314の処理槽に面した上面にアルミ配線162等を設
けた面を下として,ダイヤフラム15が形成される面を
上として,セットする。N層12への正電圧の印加は端
子361,回路360を介して接続された電源装置36
にて行われる。また,回路360には電流計363と接
点365が接続されている。また,符号362は電源装
置36の負極側のPt電極で,先端が処理槽31内のエ
ッチング液19中に配置されている。
【0035】また,基台314,枠体315,蓋体31
6の外部には窒素ガスタンク376,純水タンク37
4,エッチング液タンク372が設けてあり,各バルブ
371,372,373により処理槽31に対する導入
/停止が制御可能となるよう構成されている。また,処
理槽31には温度コントローラー37に接続された温度
センサ372,ヒータ371が配置されている。また,
処理槽31にはモータ38に接続された撹拌翼381が
配置されている。そして,上記電源装置36,温度コン
トローラー37,モータ38等の制御装置39が設けて
ある。
【0036】本例のエッチング方法を図4にかかるフロ
ーチャート,図5にかかるエッチング中の電流,電圧変
化の線図を用いて説明する。まず,処理槽31にエッチ
ングされるP層11を上に向けて,基台314にシリコ
ンウエハ1をセットする。そして,シリコンウエハ1の
P層11に対し,回路360を介して電源装置36より
正電圧を印加するための接点361をセットする。ま
た,Pt電極362は処理槽31内に宙づりとし,エッ
チング液19中に浸して設置する位置に配置されてい
る。
【0037】そして,図4のステップ511に示すごと
く,温度110℃に予熱したエッチング液19(KOH
32%水溶液)をバルブ371を開いて処理槽31に導
入する。この時,正電圧を印加しないよう接点365は
開けたままとする。ステップ512に示すごとく,所定
時間T1の経過を待つ。この時,図5(a),(b)に
示されるごとく,電源装置36より印加される電圧は0
であり,回路360を流れる電流Iも0である。なお,
この電流Iは電流計363により計測される。
【0038】ステップ513に示すごとく,所定時間T
1経過後,エッチングが進行して,エッチングの先端が
PN界面に近づいた段階で,接点365を閉じて,所定
の電圧V1を印加する。その後,ステップ514に示す
ごとく時間T00経過後,ステップ515に示すごと
く,電流Iを所定時間T01の間に電流計363にて測
定する。得られた値を初期電流:I=I0とする。この
間にもエッチングは進行し,進行の早い部分のエッチン
グの先端がPN界面13に達するため,図5(b)に示
すごとく,電流Iが徐々に低下しはじめる。
【0039】ステップ516に示すごとく,この電流の
低下の状況をモニタするため,時間T01の間隔でステ
ップ517に示すごとく,電流Iをサンプリングする。
サンプリングされた電流がステップ518に示すごと
く,所定値(k・I0)より小さくなり,かつ,ステッ
プ519に示すごとく,連続する2点間の電流差が3回
連続してほぼ0になった時点(図5(b)に記載した印
A)を検出する。
【0040】このAで電流が安定するのは,シリコンウ
エハ1内ではすべてのエッチングの先端がPN界面13
に達したためと考えられる。従って,ステップ520に
示すごとく,所定時間T2経過後にステップ521以降
に記載したごときエッチング終了処理を行なう。
【0041】即ち,ステップ521において処理槽31
に対し,バルブ373を開いて純水を注入する。ステッ
プ522に示すごとく,純水の注入開始より時間T3の
経過を待つ。ステップ523に示すごとく,接点365
を開いて,正電圧の印加を停止する。以上により,本例
にかかるシリコンウエハ1のエッチングが終了し,所定
の厚みDを持ったダイヤフラム15を持つ半導体圧力セ
ンサ10を得ることができる。
【0042】なお,上記エッチングにおける各条件は,
T1=32分,V1=4V,T01=2秒,T00=1
0秒,k=0.85,T2=5分,T3=3分とした。
また,初期電流:I=I0は825mA,図5(b)の
印Aにおける電流の値は625mAであった。
【0043】次に,本例のエッチング方法における時間
と対応するダイヤフラム厚Dの変化を調整するため,エ
ッチング途中で処理槽に純水を注入し,エッチングを終
了させ,水洗,乾燥後,ダイヤフラムの厚さを測定し,
図6(b)に記載した。なお,ダイヤフラム厚Dは,そ
の部分でのエッチングの先端とN層12の下面との間の
距離である。ダイヤフラム厚Dの測定は,赤外光による
シリコン表面及び裏面からの反射光の干渉を利用する方
法で行なった。
【0044】また,純水を注入するタイミングは図6
(a)に示すごとく,電圧を印加した直後である,連
続する2点間の電流差が3回連続してほぼ0になった時
点の,より時間T2経過した後のである。測定結
果より,に対しではダイヤフラム厚DがほぼN層1
2の厚みに等しく,エッチングの先端がPN界面13に
達していることが分かる。と比較してはダイヤフラ
ム厚Dのばらつきが小さい。そして,最終的にエッチン
グが終了したものについて,同様にダイヤフラム厚Dを
測定したところ,ばらつきが+−1.4μmの範囲にお
さまった。
【0045】また,従来方法に準じて本例と同じシリコ
ンウエハに対するエッチングを行なった。この方法で
は,前述した図8(b)に示すごとく,エッチング開始
より常時N層に対し正電圧を印加する。この正電圧の大
きさは4Vとした。リーク電流のないウエハにおいては
厚みのばらつきが本例と略同等のレベルであったが,リ
ーク電流があるウエハではばらつきが+−2μmを大き
く上まわってしまう。さらに,ダイヤフラムの一部に未
エッチング部が認められた。もちろん,本例にかかる製
造方法では未エッチング部をもったシリコンウエハは全
く存在しなかった。
【0046】即ち,従来のN層に正電圧を印加するエッ
チング方法において,リーク電流が全くないウエハを処
理した時とほぼ同等の厚さばらつきを確保し,かつリー
ク電流による厚さ不良が全く発生しないエッチング方法
を本例は提供できる。
【0047】本例の作用効果について説明する。本例は
図5に示すごとく,正電圧を印加せずエッチング液を利
用したP層のエッチングを行なうこと,P層のエッチン
グがPN界面近傍まで進行した後,P層に正電圧を印加
することにある。N層に正電圧を印加してエッチングを
行なわないため,リーク電流の発生によるエッチング不
足,部分的な未エッチングが発生しないため,確実なエ
ッチングを行なうことができる。
【0048】また,P層とN層は同じエッチング液に対
する陽極酸化時のエッチングレート差が異なり,N層の
エッチングレートはP層に比べて遅い(後述の実施形態
例2,図7(a)参照)。ところで,P層中でもエッチ
ングレートは部分ごとに異なり,エッチングの進行が早
い部分から順にエッチングの先端がPN界面近傍まで進
行する。ある程度の領域のエッチングの先端がPN界面
の近傍に達した時点で,P層に正電圧を印加するとP層
は陽極酸化されつつも更にエッチングが進行する。最終
的にエッチングの先端がN層に到達するが,P層に印加
した正電圧によりP層からN層へと順バイアスで電流が
流れているため,N層もP層同様陽極酸化されている。
このため,N層に対するエッチングは進行し難い。
【0049】さらに,P層とN層との間には上述したご
とくエッチングレート差が存在するため,P層に比べて
N層へのエッチングは進行し難い。つまり,N層に達し
た時点でエッチングは非常に進行し難くなる。この間に
P層でのエッチング進行が遅れていた部分も次々にPN
界面,N層へエッチングの先端が到達する。
【0050】したがって,P層そのものの厚みのばらつ
き,エッチング進行のばらつき等によるエッチング深さ
の不均一がこの時点で補正される。よって,この時点で
エッチングの終了処理を行なうことで,エッチング深さ
をP層の状況にかかわらず,均一とすることができる。
【0051】以上,本例によれば,確実にエッチングが
行われ,未エッチングやエッチング不足による不具合が
全く生じないシリコンウエハのエッチング方法を提供す
ることができる。そのため,ダイヤフラム厚のばらつき
が小さくなり,トータル的な歩留まりが向上すると共
に,後工程で厚みを測定,検査する工程を行なう必要が
なくなる。
【0052】実施形態例2 本例は,P型シリコンとN型シリコンに対する印加電圧
とエッチングレート,また印加電圧と流れる電流密度と
の関係を測定し,その結果について説明する,P型シリ
コン,N型シリコンを準備し,表面に給電用のアルミニ
ウム配線を形成し,その表面に窒化ケイ素マスクをパタ
ーニングし,印加電圧に対するエッチング開始時の電流
及びエッチング前後のダイヤフラムの厚さを測定した。
ダイヤフラムの開口面積からエッチング初期の電流密度
を求めた。また,エッチング前後のダイヤフラム厚変化
量からエッチングレートを求めた。
【0053】測定結果を図7(a),(b)に記載し
た。同図より知れるごとく,印加電圧を1V以上とすれ
ばP型シリコンのエッチングレートがN型シリコンより
も高くなる。また,P型シリコンは印加した電圧に応じ
て大きな電流が流れるが,N型シリコンについては電圧
にかかわらずほぼ一定の電流が流れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1における,シリコンウエハのエッ
チング方法を示す説明図。
【図2】実施形態例1における,半導体圧力センサの断
面形状を示す説明図。
【図3】実施形態例1における,エッチング装置の構成
を示す説明図。
【図4】実施形態例1における,エッチング方法のフロ
ーチャートを示す説明図。
【図5】実施形態例1における,エッチング中の(a)
電圧と時間との変化を示す線図,(b)電流と時間との
変化を示す線図。
【図6】実施形態例1における,エッチング中の(a)
電流と時間との変化を示す線図,(b)エッチング中の
ダイヤフラム厚のばらつきを示す線図。
【図7】実施形態例2における,P型シリコンとN型シ
リコンに対する(a)印加電圧とエッチングレートとの
関係を示す線図,(b)印加電圧と電流密度との関係を
示す線図。
【図8】従来技術にかかる,(a)シリコンウエハのエ
ッチング方法を示す説明図,エッチング中の(b)電圧
と時間との変化を示す線図,(c)電流と時間との変化
を示す線図。
【符号の説明】
1...シリコンウエハ, 11...P層, 110...エッチングマスク, 12...N層, 120...N+層, 13...PN界面, 19...エッチング液,
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−14223(JP,A) 特開 昭61−30038(JP,A) 特開 昭61−137330(JP,A) 特開 平4−96227(JP,A) 特開 平1−170054(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/306 H01L 21/3063 H01L 21/308

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 P層とN層と両層の間のPN界面とより
    なり,該P層側の一部領域にエッチングマスクが施され
    たシリコンウエハを準備し, 上記シリコンウエハをエッチング液中に配置し,正電圧
    を印加することなく上記P層を上記PN界面近傍までエ
    ッチングする第1の工程と, 上記P層に正電圧を印加することによりエッチング深さ
    を調整し,その後エッチングの終了処理を行なう第2の
    工程とを有し, 上記第2の工程において,上記P層に,該P層及びN層
    が陽極酸化する正電圧を印加し,P層及びN層を陽極酸
    化した際の両者のエッチングレート差を利用することに
    より,エッチング深さの調整を行うことを特徴とするシ
    リコンウエハのエッチング方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において,上記第1の工程と,
    上記第2の工程とは同一装置において,連続的に実施さ
    れることを特徴とするシリコンウエハのエッチング方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2のいずれか一項におい
    て,上記エッチングの終了処理は電流変化のモニタリン
    グにより実施することを特徴とするシリコンウエハのエ
    ッチング方法。
  4. 【請求項4】 請求項において,上記電流変化のモニ
    タリングは,P層及びN層が陽極酸化された際の両者の
    エッチングされた部位の単位面積あたりの電流値の差を
    利用して行なうことを特徴とするシリコンウエハのエッ
    チング方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜のいずれか一項において,
    上記第2の工程において,P層及びN層が陽極酸化する
    正電圧を,上記P層と共に上記N層に印加することによ
    り,エッチング深さを調整することを特徴とするシリコ
    ンウエハのエッチング方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜のいずれか一項において,
    上記P層と上記N層との間にはN+層を設けてなること
    を特徴とするシリコンウエハのエッチング方法。
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