JP3530165B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置の製造
方法に係わり、特に塗布法によって形成される絶縁膜を
有する半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体素子の微細化によって配線寸法が
小さくなるのに伴い、配線間容量が増加してきている。
近年、この種の配線間容量の増加がデバイスの動作速度
に大きな影響を与えるようになってきている。
【0003】従来より、半導体装置の層間絶縁膜とし
て、熱CVDやプラズマCVDにより形成されたシリコ
ン酸化膜が用いられている。しかし、近年、配線間容量
を低減するために、有機シリコン酸化膜あるいはシリコ
ンを含まない有機膜などの低誘電率膜を、層間絶縁膜に
適用することが要求されている。
【0004】従来のプラズマCVDにより得られる一般
的なシリコン酸化膜(P−SiO2)の比誘電率は4.
1程度である。また、これにフッ素(F)を添加して低
誘電率化して得られたシリコン酸化膜(FSG膜)の比
誘電率は3.3である。これが、熱CVDやプラズマC
VDにより形成された絶縁膜の比誘電率の低さの限界で
あった。
【0005】これに対し、上記有機シリコン酸化膜など
の低誘電率膜を用いることによって、比誘電率が2.4
−2.8程度の層間絶縁膜を実現できる。しかし、これ
らの低誘電率膜の実用化には多々の問題があるのが現状
である。その内の重大な問題点の一つとして、膜の機械
的強度が低いことがあげられる。膜の機械的強度が低い
と、成膜中および成膜後において膜にクラックが生じた
り、あるいはCMPプロセス中で膜の剥離が発生する。
クラックや剥離が発生すると、信頼性の高い配線を作る
ことが困難になる。
【0006】有機シリコン酸化膜等の低誘電率膜のほと
んどは、塗布を用いた方法によって形成される。上記方
法は、例えば低誘電率膜を構成する物質の前駆体を溶媒
に溶解させたワニスと呼ばれる液状原料を基板上に塗布
し、その後、液状原料を加熱して溶媒の揮発と前駆体の
架橋を行うというものである。なお、ここで、前駆体と
は着目する生成物の前の段階にある一連の物質を指す。
【0007】次に、従来の塗布法による絶縁膜の形成方
法のシーケンスを、ポリメチルシロキサン膜(有機シリ
コン酸化膜)を例にとって具体的に以下に述べる。上記
形成方法の概要は、以下の通りである(工程a−c)。
【0008】工程a:ワニスの塗布 工程b:約80−200℃、約1分間の加熱処理。 工程c:約400−450℃、約30−60分間の加熱
処理。
【0009】上記形成方法についてより詳細に説明す
る。まず、被処理基板上に、溶媒にポリメチルシロキサ
ンを溶解させたワニスを、コーターを用いてスピンコー
ト法により塗布し、塗布膜を形成する(工程a)。次
に、上記被処理基板を80−200℃の温度で約1分間
加熱する(工程b)。最後に、上記被処理基板を400
−450℃の温度で30分間加熱し(工程c)、ポリメ
チルシロキサン膜が得られる。
【0010】上記シーケンス(工程a−c)において、
工程bは溶媒揮発により膜材料を固定化する処理、そし
て工程cがポリメチルシロキサン分子間の架橋を形成す
る処理をそれぞれ担っている。
【0011】上記形成方法によって形成されたポリメチ
ルシロキサン膜の特性を以下に述べる。
【0012】一般的にこのような絶縁膜は低誘電率では
あるが、密度が低く、かつ(または)空孔度が高い。そ
のため、ポリメチルシロキサン膜は、機械的強度が低い
という欠点を持つている。
【0013】さらに、このような機械的強度が低い絶縁
膜を上記のような方法で形成した場合には、ある一定以
上の厚さでクラックが生じるという問題が起こる。クラ
ックを発生しない限界の厚さを耐クラック膜厚と言う。
【0014】ここで、半導体装置の層間絶縁膜の特性と
しては、比誘電率が低いほど、かつ耐クラック膜厚が大
きいほど良い。上述した従来の形成方法によって形成さ
れたポリメチルシロキサン膜は、比誘電率が2.8の時
に、耐クラック膜厚が1200nmである。したがっ
て、従来の形成方法によって形成されたポリメチルシロ
キサン膜は、半導体装置の層間絶縁膜の特性としては十
分なものではなかった。
【0015】ここで、従来の形成方法によって形成され
た低誘電率のポリメチルシロキサン膜にクラックを生ぜ
しめる要因を以下に示す。クラックが生じる要因は、力
学的強度が低い膜に対し、架橋反応の際の膜収縮による
内部応力が生ずることと、膜形成時に熱ストレスが加え
られることである。
【0016】ポリメチルシロキサン膜の場合は、脱水縮
合によって架橋反応が起こるため、その反応時に膜収縮
が起こり、これが成膜後の膜の残留応力となる。また、
熱処理による架橋反応時では、材料が熱膨張している状
態で膜収縮が起こっているため、この膜を室温まで冷却
した場合には降温による収縮が加わる。その結果、膜の
残留応力はさらに大きくなる。これに加え、昇降温に加
わっている熱ストレスが架橋欠陥や空孔度増加の原因と
なり、これによってもともと脆弱である膜の機械的強度
はさらに弱められることになる。
【0017】さらに最近では、塗布膜を硬化させる方法
として、例えば特開平10−303190号公報に開示
されているように、樹脂を塗布し、溶媒を一部揮発さ
せ、室温程度で高いエネルギー線を塗布膜に照射して塗
布膜を硬化させ、さらに塗布膜に高温の熱処理を施すと
いう方法が提案されている。上記方法によれば、被覆性
および平坦性に優れた絶縁膜が得られる。
【0018】しかし、上記方法により、被覆性および平
坦性に優れたシリカ(シリコン酸化膜)を形成するため
には、165keVもの高エネルギー線を樹脂に照射し
ている。このような高レベルの高エネルギー線の照射に
より塗布膜を硬化させることはできるが、塗布膜中の前
駆体の構造のネットワークを変形させることはできな
い。すなわち、上記方法では、塗布膜の誘電率を小さく
すること、および塗布膜に所望の機械的強度を持たせる
ことはできない。さらに、上記公報には、塗布膜の低誘
電率化等についての記載およびそれを示唆する記載もな
い。
【0019】さらに、熱処理および電子線照射の一方の
みを用いた塗布膜の形成方法は、前駆体の架橋反応が終
了するまでに要する時間が長いという問題がある。例え
ば、前駆体の架橋反応が終了するのに、30分から1時
間程度の時間を必要とする。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】上述の如く、配線間容
量を軽減するために、塗布法によって形成された低誘電
率の絶縁膜が提案されている。しかしながら、従来の塗
布法によって形成された低誘電率の絶縁膜は、機械的強
度が不十分であるという問題がある。
【0021】本発明は、上記事情を考慮してなされたも
ので、その目的とするところは、誘電率が低く、かつ十
分な機械的強度を有する絶縁膜を備えた半導体装置およ
びその製造方法を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば下
記の通りである。すなわち、上記目的を達成するため
に、本発明に係る半導体装置の製造方法は、被処理基板
を用意する工程と、前記被処理基板上に絶縁膜を形成す
る工程とを有し、前記絶縁膜を形成する工程は、前記被
処理基板上に前記絶縁膜を構成する物質の前駆体もしく
は該物質を含む絶縁膜原料を塗布する工程と、反応容器
内で前記被処理基板を加熱しながら、前記絶縁膜原料に
電子線を照射し、前記絶縁膜原料を硬化する工程であっ
て、前記絶縁膜原料に前記電子線が照射されているとき
に、前記反応容器内の圧力、前記被処理基板の温度、前
記被処理基板が曝露されるガス種、前記反応容器内に導
入されるガスの流量、前記被処理基板の位置、および前
記被処理基板に単位時間当たりに入射する電子の量のう
ちの少なくとも一つを変動させる工程とを含むことを特
徴とする。
【0023】本発明者等の研究によれば、前記被処理基
板を加熱しながら、前記絶縁膜原料に電子線を照射して
いる最中に、反応容器内の圧力等のパラメータを変動さ
せることによって、誘電率が低く、かつ十分な機械的強
度を有する絶縁膜が得られることが明らかになった。こ
の点については発明の実施の形態でさらに詳細に説明す
る。
【0024】本発明の上記ならびにその他の目的と新規
な特徴は、本明細書の記載および添付図面によって明ら
かになるであろう。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施形態を説明する。
【0026】まず、以下に述べる本実施形態の基本とな
る、熱処理および電子線照射処理を用いた塗布膜の形成
方法について説明する。上記形成方法は、膜材料もしく
はその前駆体を溶媒に溶解させた液状原料(ワニス)を
基板上に塗布し、その後、基板上に塗布された液状原料
を、熱処理および電子線照射処理を用いて硬化させると
いうものである。下記に、上記塗布膜の形成方法のシー
クエンスの典型的な例を2つ示す。
【0027】〔シークエンス1〕 工程1:塗布 工程2:熱処理+電子線照射処理 〔シークエンス2〕 工程1:塗布 工程2:熱処理+電子線照射処理 工程3:熱処理 次に、絶縁膜の形成に電子線照射を用いた場合の作用に
ついて述べる。膜材料に対してエネルギーを与える形態
として、熱処理と比較して電子線照射には以下のような
特徴がある。
【0028】まず、膜材料に対し、電子線は熱処理より
も桁違いに大きなエネルギーを与えることができる。熱
処理が与えるエネルギーは高々数eVかそれ以下なのに
対し、一般的に照射処理等に用いられる電子線は、約5
−200keVのエネルギーを持っている。
【0029】無論、膜材料内に進入した電子線は、衝突
によるカスケードを起こして2次電子やX線などを発生
しながらエネルギーを損失する。そのため、電子線がも
ともと持っているエネルギーの全てが直接反応に関与で
きるわけではない。しかし、電子線が膜材料に与えるこ
とのできるエネルギーは、熱処理のそれと比べて、桁違
いに大きいことには変わりない。
【0030】電子線照射を行った場合、熱処理では不可
能なエネルギーが膜材料に与えられることによって、膜
材料の前駆体の架橋反応が効果的に進んだり、あるいは
熱エネルギーでは切断できない分子鎖や基を切断するこ
とができる。
【0031】電子線照射を行った場合、一般的に、分子
間の架橋反応と、分子鎖の切断または基の分離とは同時
に起こる。どちらがどのような割合で起こるかは材料分
子の種類に依存する。さらに電子線照射と熱処理を組み
合わせることにより、分子鎖の切断や基の分離が起こっ
た場合にも、切断点が新たな架橋点となりさらに架橋が
進む。
【0032】以上のように、電子線照射を用いること
で、熱処理のみでは実現できないような膜材料の分子間
の架橋反応と、分子鎖の切断または基の分離とを行うこ
とができる。
【0033】上述した電子線照射の作用をふまえ、電子
線照射を低誘電率の絶縁膜の形成に用いた場合の効果に
ついて述べる。電子線照射による架橋反応では、高エネ
ルギーが与えられるため、架橋反応は効果的に促進され
る。
【0034】さらに、電子線照射を用いることにより、
低温で効果的な架橋反応が可能となる。そのため、昇降
温の熱ストレスによる架橋欠陥や空孔度の増加が抑制さ
れ、機械的強度が高い膜が形成される。
【0035】また、分子構造の観点からは、電子線照射
処理を用いることにより、熱処理による架橋とは異なる
架橋点での架橋が可能となるため、熱処理では得られな
い機械的強度の高い分子構造が生成されることが考えら
れる。
【0036】電子線照射を用いた塗布膜の硬化に関して
は、既に、例えば特表平11−505670号公報に
は、半導体基板上のSOG材料を硬化させる方法とし
て、SOG材料を約250℃よりも低い温度で加熱しつ
つ、SOG材料に電子ビームを照射する方法が開示され
ている。
【0037】また、特表平11−506872号公報に
は、シリコンウェハ上のシロキサン等の誘電性物質を硬
化させる方法として、電子ビーム照射を用いることによ
り、優れた誘電特性、密度、均一性などを有する膜が得
られることが開示されている。
【0038】さらに、特開平10−107026号公報
には、HSQ(Hydrogen silsesquioxane)からなるSOG
層を常温から約500℃までの温度で加熱しつつ、SO
G層を電子ビームに曝し硬化することにより、金属配線
間の絶縁作用と平坦化作用を行うSOG層のキュアリン
グ方法が開示されている。
【0039】本実施形態では、後で詳しく述べるよう
に、熱処理工程と電子線照射処理工程を組み合わせた絶
縁膜の形成方法において、電子線照射処理工程の電子線
照射時に、複数の所定のパラメータのうちの少なくとも
一つを変動させる。
【0040】上記複数の所定のパラメータは、反応容器
内の圧力、被処理基板の温度、前記被処理基板が曝露さ
れるガス種、前記反応容器内に導入されるガスの流量、
被処理基板の位置、および被処理基板に単位時間当たり
に入射する電子の量である。
【0041】すなわち、本発明者等は、複数の所定のパ
ラメータのうちの少なくとも一つを変動させることによ
り、優れた耐クラック性を有し、加えてドライエッチン
グ、ドライアッシング、CMP等の各プロセスにおける
耐性に優れた、低誘電率の絶縁膜を容易に得られる方法
を見出した。
【0042】本実施形態の方法は、このように電子線照
射処理中に所定のパラメータを変動させる点で、先述し
た特表平11−505670号公報、特表平11−50
6872号公報、特開平10−107026号公報等に
開示された方法とは大きく異なっている。
【0043】さらに、以下に詳しく述べるように、電子
線照射処理を行う反応容器と同一の容器内において、上
記塗布膜の形成方法と連続して前熱処理および後熱処理
の少なくとも一方を行っても良い。上記前熱処理および
後熱処理は、複数の所定のパラメータのうちの少なくと
も一つ以上の変動を伴う加熱処理である。
【0044】上記複数のパラメータは、反応容器内の圧
力、被処理基板の温度、前記被処理基板が曝露されるガ
ス種、前記反応容器内に導入される前記ガスの流量、お
よび被処理基板の位置である。
【0045】本実施形態の方法は、このように電子線照
射処理を行う反応容器と同一の容器内において、上記電
子線照射処理と連続した前熱処理や後熱処理を行い、か
つこれらの処理中に複数の所定のパラメータを変動させ
る点でも、先述した特表平11−505670号公報、
特表平11−506872号公報、特開平10−107
026号公報等に開示された方法とは大きく異なってい
る。
【0046】電子線照射によって膜材料の分子鎖の切断
や基の分離が起こり、さらに電子線照射と組み合わせて
使用する熱処理によって架橋反応が促進され、電子線照
射による切断や分離との関係の調整がとれる。その結
果、膜材料中に機械的強度の高いネットワーク構造が生
成され、低誘電率の絶縁膜のクラック耐性が向上する。
【0047】電子線照射工程においては、架橋と同時に
起こっている分子鎖の切断や、基の分離が進みすぎない
よう、適正な線量の電子線を膜材料中に照射することが
重要である。
【0048】多くの塗布材料の場合、電子線照射処理の
前に熱処理を行い、溶媒揮発による膜材料の固定化を積
極的に行った方が、より良好な絶縁膜を形成できること
が多い。
【0049】次に図面を参照しながら実施形態を説明す
る。
【0050】(第1の実施形態)図1(a)−1(c)
は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造工
程を示す断面図である。
【0051】まず、図1(a)に示すように、素子が集
積形成された半導体基板1の表面に下地絶縁膜2を形成
し、次に、加熱および電子線照射を用いて、下地絶縁膜
2上に層間絶縁膜3を形成する。層間絶縁膜3の具体的
な形成方法は後で説明する。
【0052】次に、図1(b)に示すように、層間絶縁
膜3の所定の箇所に、所望する大きさおよび形状からな
る配線溝を形成し、周知のCMPプロセスにより、配線
溝内にバリアメタル4および金属配線5を形成するとと
もに、層間絶縁膜3、バリアメタル4および金属配線5
の表面を平坦にする。ここでは、金属配線5として、C
uを主成分とするCu配線を使用する。
【0053】その後、図1(c)に示すように、表面が
平坦にされた層間絶縁膜3、バリアメタル4および金属
配線5の表面上に、SiNまたはSiCからなるバリア
絶縁膜6を形成する。
【0054】次に、層間絶縁膜3を形成する方法につい
て具体的に説明する。上記形成方法の概要は、以下の通
りである(工程1−4)。
【0055】工程1:スピンコート法にてワニスを半導
体基板1上に塗布する。 工程2:半導体基板1に80℃、1分間の熱処理を施
す。 工程3:半導体基板1に200℃、1分間の熱処理を施
す。 工程4:減圧された窒素雰囲気中で、半導体基板1を加
熱しつつ、電子線照射処理を行い、層間絶縁膜3を形成
する。
【0056】上記形成方法についてより詳細に説明す
る。まず、半導体基板1上の下地絶縁膜2の表面上に、
溶媒に膜材料の前駆体としてのポリメチルシロキサンを
溶解させたワニスを、コーターを用いてスピンコート法
により塗布し、塗布膜を形成する(工程1)。溶媒は、
例えばPGPE(プロピレングリコールモノプロピルエ
ーテル)である。
【0057】次に、電子線照射処理を行う反応容器と同
一の容器内に設置され、80℃に保持されているホット
プレート上に、半導体基板1を載置する。この状態を1
分間保持することにより、80℃、1分間の熱処理を上
記塗布膜に施す(工程2)。
【0058】次に、上記ホットプレート上に、半導体基
板1を載置したまま、上記ホットプレートの温度を20
0℃に保持する。この状態を1分間保持することによ
り、電子線照射処理を行う反応容器と同一の容器内で、
200℃、1分間の熱処理を上記塗布膜に施す(工程
3)。
【0059】上記工程2または工程3により、工程1で
形成された塗布膜中に含まれる溶媒は除去され、塗布膜
は半導体基板1上に固定される。
【0060】その後、反応容器内に窒素約20slmを
導入し、減圧された窒素雰囲気中で半導体基板1を40
0℃に保持されたホットプレート上に載置した状態で、
上記塗布膜に電子線を照射し、層間絶縁膜3を形成する
(工程4)。
【0061】工程4における電子線照射の際、本実施形
態では、反応容器内の圧力を40Torrと60Tor
rの2段階に変動させた。すなわち、電子線照射開始か
ら約90秒間は、反応容器内の圧力を40Torrと
し、単位時間あたりの入射電子の量(以下、照射量とい
う。)を約5μC/cm2 ・secとして電子線照射を
行い、それ以降から電子線照射終了までの約30秒間
は、反応容器内の圧力を60Torrとし、照射量を約
4μC/cm2 ・secとして電子線照射を行った。電
子線のエネルギーは1−15keVとする。また、半導
体基板に入射する電子の総量(以下、全照射量という)
は500μC/cm2 とした。全照射量は上記値に限定
されるものではなく、ポリメチルシロキサン膜が変質し
ない値であれば良い。
【0062】次に、本実施形態および以降に述べる実施
形態に使用する電子線照射装置について図2を用いて説
明する。
【0063】電子線照射処理を行う反応容器21上部に
は、電子線発生部22が少なくとも1個設置され、電子
線発生部22は隔壁23により反応容器21と隔離さ
れ、電子線24は隔壁23を透過して反応容器21内に
導入される。反応容器21内の下方には電子線発生部2
2の下部と対向するようにホットプレート25が設置さ
れている。図2(a)は電子線発生部22の数が1個、
図2(b)は電子線発生部22の数が複数個の装置を示
している。
【0064】ホットプレート25上には塗布膜が形成さ
れた半導体基板1が載置され、半導体基板1には電子線
24が所望の条件で照射される。ここで、ホットプレー
ト25は図示されない制御装置に接続され、その制御装
置によって、ホットプレート25は所望な温度に維持さ
れる。ホットプレート25を使用することにより、その
上に載置される半導体基板1は略均一な温度に保持さ
れ、処理の均一性が図られる。
【0065】一方、すでに市販されている電子線照射装
置としては、例えば米国Electron vision社のElectronC
ure(TM)装置がある。上記装置の電子線源にはプラ
ズマが使用されている。プラズマ中の電子はメッシュを
介して反応容器内へ引き出され、電子線発生部と反応容
器は常に同一雰囲気にある。
【0066】そのため、電子線照射処理により被処理膜
から有機成分を含有したガスが発生すると、放電領域の
圧力が急変する。放電領域の圧力が急変すると、電子線
源が不安定になる。その結果、均一な電子線の照射が不
可能となる。したがって、上記装置を用いると、焼成後
の膜の特性、例えば、誘電率、機械的強度等にばらつき
が生じる等の問題が発生する。
【0067】これに対して、本実施形態で使用する電子
線照射装置は、電子線源である電子線発生部22と被照
射物(塗布膜が形成された半導体基板1)の間に隔壁2
3が設けられ、電子線24は隔壁23を介して被照射物
を照射するようになっている。そのため、被照射物から
発生するガスの電子線発生部22への影響は隔壁23に
よって抑えられる。その結果、均一な電子線24を被照
射物に照射することが可能になり、焼成後の膜の特性に
ばらつきを無くすことが可能となる。
【0068】上記方法で形成された層間絶縁膜3は、原
料に含まれる前駆体の脱水縮合による架橋によって形成
されるが、その架橋時に膜収縮が起こり、この膜収縮に
よって成膜後の膜に残留応力が生じる。
【0069】従来のように熱処理のみで塗布膜の硬化を
行う場合、半導体基板が熱膨張している状態で塗布膜の
収縮が起こる。そのため、塗布膜を室温まで冷却した場
合、降温時に半導体基板の収縮が塗布膜に加わり、残留
応力はさらに大きくなる。上記のような残留応力は、成
膜中または成膜後のクラック発生の起因の一つとなって
いる。したがって、残留応力の低減のためには、工程4
における加熱処理は、基板温度を500℃以下に設定し
て行うことが望ましい。
【0070】しかし、温度が低すぎると脱水反応等の架
橋反応は進まず、所望の機械的強度は得られなかった。
本発明者等の研究によれば、電子線照射時に、脱水反応
等の反応を効果的に促進するには、少なくとも200℃
以上の加熱温度が必要であることが分かった。以上のこ
とにより、本実施形態では加熱温度を400℃とした。
【0071】さらに、工程4を行う際は、雰囲気中の酸
素により塗布膜の表面が酸化されないように、反応容器
内の圧力を400Torr以下に設定し、かつ酸素濃度
を100ppm以下に抑える必要がある。本実施形態で
は、40Torrまたは60Torrの窒素雰囲気下で
電子線照射を行った。
【0072】また、上記条件のもとで電子線照射の均一
性を保持するために、本実施形態では、電子線発生部2
2の下端から75mmの位置にホットプレート25を設
置して、電子線照射を行った。
【0073】本実施形態の方法により形成された絶縁膜
(ポリメチルシロキサン膜)の特性について説明する。
【0074】表1に、本実施形態の方法、方法A(熱処
理のみ)、方法B(熱処理と電子線照射、反応容器内の
圧力40Torr)および方法C(熱処理と電子線照
射、反応容器内の圧力60Torr)で形成された各絶
縁膜(ポリメチルシロキサン膜)の比誘電率と耐クラッ
ク膜厚を示す。方法Bにおいて、照射量は約5μC/c
2 ・sec、電子線照射時間は120秒間とした。方
法Cにおいて、照射量は約4μC/cm2 ・sec、電
子線照射時間は120秒間とした。比誘電率は水銀プロ
ーブ法を用いて測定した。耐クラック膜厚は目視や光学
顕微鏡でクラックの発生が観察されたときの膜厚であ
る。
【0075】
【表1】
【0076】本実施形態の方法により形成された絶縁膜
は、方法Aにより形成された絶縁膜と同程度の約3.0
の比誘電率を有する。耐クラック膜厚に関しては、本実
施形態の方法により形成された絶縁膜は、方法Aにより
形成された絶縁膜に比べて、1.5倍改善された。
【0077】方法Bにより形成された絶縁膜は、方法A
により形成された絶縁膜と同程度の約3.0の比誘電率
を有する。耐クラック膜厚に関しては、方法Bにより形
成された絶縁膜は、方法Aにより形成された絶縁膜に比
べて、1.1倍の改善に留まることが分かった。
【0078】方法Cにより形成された絶縁膜は、方法A
により形成された絶縁膜よりも大きな比誘電率を有す
る。耐クラック膜厚に関しては、方法Cにより形成され
た絶縁膜は、方法Aにより形成された絶縁膜に比べて、
1.6倍ほど改善されることが分かった。
【0079】方法Bまたは方法Cにより、本実施形態と
同等な膜質を有する絶縁膜を得ようとすると、照射時間
を長くしたり、照射量を多くしたりする必要がある。そ
の場合、処理時間が長くなり生産効率が低下したり、過
剰な電子線照射により低誘電率の絶縁膜でなくなってし
まったり、あるいは前駆体の架橋反応が十分に達成され
ず、所望の膜質を有する絶縁膜が得られないことが分か
った。
【0080】本実施形態では、方法Bと方法Cをうまく
組み合わせることにより、すなわち、熱処理と電子線照
射処理とを併用し、かつ圧力を2段階に変更させること
により、低誘電率で優れた耐クラック性を有する絶縁膜
を得ることができた。
【0081】ここで、以下、本実施形態および上記方法
A−Cにより形成された各絶縁膜の膜構造の変化につい
て考察する。
【0082】図3に、それぞれの方法で形成された絶縁
膜(ポリメチルシロキサン膜)のフーリエ変換赤外分光
法(FT−IR:Fourier Transform Infrared Spectro
meter)によるスペクトル強度を示す。図3では、比較
しやすいように、3つの絶縁膜のスペクトルを縦に並べ
て示している。方法Bで形成された絶縁膜のFT−IR
スペクトルは、方法Cで形成された絶縁膜のそれと同様
であった。
【0083】図3から、本実施形態の方法および方法C
により形成された絶縁膜は、方法Aにより形成された絶
縁膜に比べて、波数1300cm-1の周辺において、S
i−CH3 結合のピーク強度が小さいことが分かる。こ
れは、本実施形態の方法および方法Cの場合、電子線照
射により分子中のCH3 基と主鎖との結合が切断された
ことを示している。
【0084】また、方法Aにより形成された絶縁膜は、
波数1050cm-1および1150cm-1の周辺で、S
i−O結合のピーク強度の分離が顕著であることが分か
る。これは、直鎖状のSi−O結合があることを示して
いる。それに対して、本実施形態の方法および方法Cに
より形成された絶縁膜は、Si−O結合のピーク強度の
分離はなだらかになっている。これは、直鎖状の結合が
崩され、複雑なSi−O結合が形成されたことを示して
いる。
【0085】さらに、方法Cにより形成された絶縁膜
は、波数3500cm-1付近のH2 O結合および波数9
80cm-1付近のSi−OH結合による大きなピークが
現れているが、本実施形態の方法および方法Aにより形
成された絶縁膜は、上記波数付近ではピークはほとんど
現れていない。
【0086】これらのことから、方法Cの場合、十分な
脱水反応が行われず、絶縁膜中に多くのSi−OH結合
およびH2 Oが残存すると考えられる。
【0087】つまり、方法Cでは、膜の表面近傍のCH
3 の切断は電子線照射により促進され、充分な脱水反応
が行われるものの、膜全体としては十分な脱水反応が行
われないため、低い誘電率が得られなかったと考えられ
る。一方、電子線照射による表面近傍の強固なネットワ
ークの形成により、耐クラック膜厚は向上したものと考
えられる。
【0088】一方、本実施形態の方法で形成された絶縁
膜は、波長3500cm-1の付近にH2 O結合および波
長980cm-1付近にSi−OH結合によるピークは見
られない。つまり、電子線照射時に熱処理を同時に行う
とともに、圧力を変動させることによって、分子中のC
3 基と主鎖の結合とが切断され、ダングリングボンド
が形成されるとともに、脱水反応が熱処理によって効果
的に起こることにより、ダングリングボンドはOH基と
結合せず、他の分子または基と結合する。これが、本実
施形態の方法により、低誘電率を有し、かつ強固なネッ
トワークが形成され、充分な耐クラック性を有する絶縁
膜が得られた理由だと考えられる。
【0089】本発明者等は、本実施形態の方法、方法A
および方法Cで形成された絶縁膜の各々をFT−IRに
より分析し、Si−O結合のスペクトル強度面積を1と
した場合の、該スペクトル強度面積に対する、Si−C
3 結合のスペクトル強度面積、Si−OH結合とH2
Oとをまとめたもののスペクトル強度面積のそれぞれの
比を調べた。その結果を表2に示す。
【0090】
【表2】
【0091】本発明の方法により得られた絶縁膜を備え
た半導体装置は、一般には、以下のように表現できる。
すなわち、本発明に係る半導体装置は、基板と、前記基
板上に設けられた有機シリコン酸化膜とを具備してな
り、前記有機シリコン酸化膜をフーリエ変換赤外分光法
により分析した場合に、Si−O結合のスペクトル強度
面積に対するSi−CH3 結合のスペクトル強度面積の
比が0.01以上0.03以下、Si−O結合のスペク
トル強度面積に対するH2 0およびSi−OH結合のス
ペクトル強度面積の比がそれぞれ0.001以下である
ことを特徴とする。
【0092】より具体的な構成は、前記絶縁膜の比誘電
率は3.5以下、前記絶縁膜の耐クラック膜厚は1.5
μm以上である。前記有機シリコン酸化膜は、ポリメチ
ルシロキサン膜である。前記絶縁膜の表面にCuを主成
分とする配線が埋め込まれている。
【0093】なお、架橋反応をさらに進めるために、電
子線照射量等を増やしてしまうと、Si−CH3 の結合
のスペクトル強度がさらに減少してしまい、単なる酸化
シリコン膜になってしまう。そのため、架橋反応をさら
に進めると、十分な耐クラック性があっても、低誘電率
の絶縁膜ではなくなってしまう可能性がある。本発明者
等の実験によれば、Si−CH3 の結合のスペクトル強
度面積比は、少なくとも0.01以上なくてはいけない
ことが分かった。
【0094】このように本実施形態のように方法Bと方
法Cをうまく組み合わせることにより、分子鎖の切断と
再架橋、および脱水縮合が効果的に行われ、その結果と
して機械的強度が高く、かつ比誘電率が低い絶縁膜を実
現することができるようになる。
【0095】さらに、CMPプロセスにより発生するス
クラッチとクラックの総数を調べた結果、本実施形態の
方法で形成された絶縁膜は、方法Aで形成された絶縁膜
に比べ、約1/10に低減されることが分かった。
【0096】加えて、ドライエッチング、ドライアッシ
ングによって形成されるダメージ層の厚さに関しても、
本実施形態で形成された絶縁膜は、方法Aで形成された
絶縁膜に比べ、約30%に低減されることが分かった。
【0097】本実施形態では、工程4において圧力と照
射量を変動させたが、どちらか一方だけを変動させて
も、機械的強度が高く、かつ比誘電率が低い絶縁膜を実
現することは可能である。
【0098】さらに、圧力、照射量以外のパラメータを
一つだけ変動させても、機械的強度が高く、かつ比誘電
率が低い絶縁膜を実現することは可能である。圧力、照
射量以外のパラメータとは、半導体基板1の温度、半導
体基板1が曝露されるガス種、前記反応容器内に導入さ
れる上記ガスの流量、半導体基板1の位置である。例え
ば、工程4において、温度を400℃から200℃に変
化、ガス種を窒素からアルゴンに変化、ガス流量を25
slmから3slmに変化、あるいは半導体基板1の位
置を50mmから120mmに変化させても同様の効果
が得られた。
【0099】ただし、この場合、要求される機械的強度
や比誘電率などによっては、実現できない場合もある。
したがって、一般には、複数のパラメータを変動させる
ことが好ましい。圧力と照射量以外の複数のパラメータ
を変動させても、あるいは圧力と照射量の一方と、圧力
と照射量以外の少なくとも一つ以上のパラメータを変動
させても、本実施形態と同様な効果を得ることは可能で
ある。
【0100】すなわち、反応容器内の圧力、半導体基板
の温度、半導体基板が曝露されるガス種、反応容器内に
導入される該ガスの流量、半導体基板の位置および照射
量のうちの少なくとも一つを変動させることにより、本
実施形態で示したような効果を得ることが可能となる。
【0101】また、工程4では圧力と照射量をそれぞれ
増加・減少させる方向に変動させたが、どちらか一方で
も反対の方向に変動させると、本実施形態で示した効果
は得られなくなる場合がある。一般に、複数のパラメー
タを変動させて、所望の効果を得るためには、パラメー
タの変動の方向(増加、減少)も重要となる。一般に、
その方向は、選択したパラメータや、要求される機械的
強度や比誘電率などによって異なる。したがって、パラ
メータの変動の方向は適宜選択することになる。
【0102】上記各パラメータの変動域は、具体的には
以下の通りである。上記圧力の変動域は0Torrより
も大きく400Torr以下、上記温度の変動域は20
0℃以上500℃以下、上記ガス種の変動域は酸素濃度
100ppm以下の窒素ガス、希ガス、還元ガス(例え
ばH2 )およびこれらのうちの少なくとも2つ以上のガ
スからなる混合ガスのうちで行われ、上記流量の変動域
は0slmよりも大きく25slm以下、上記位置の変
動域は電子線を発生する電子線発生部の下端から50m
m以上120mm以下だけ離れた位置、上記照射量の変
動域は4μC/cm2 ・sec以上10μC/cm2
sec以下である。
【0103】また、工程2および工程3の熱処理工程
は、工程4と異なる反応容器内で行っても良く、もちろ
ん、工程4と同じ反応容器内で行っても構わない。
【0104】また、本実施形態では、本発明を多層配線
構造における最下層の層間絶縁膜の形成に適用したが、
その他各層における層間絶縁膜の形成にも同様な方法で
適用できる。
【0105】(第2の実施形態)次に、本発明の第2の
実施形態に係る半導体装置の製造方法について説明す
る。本実施形態が第1の実施形態と異なる点は層間絶縁
膜3の形成方法にあり、その概要は以下の通りである
(工程1−5)。
【0106】工程1:スピンコート法にてワニスを半導
体基板1上に塗布する。 工程2:半導体基板1に80℃、1分間の熱処理を施
す。 工程3:半導体基板1に200℃、1分間の熱処理を施
す。 工程4:減圧された窒素雰囲気中で、半導体基板1を加
熱しつつ、電子線照射処理を行い、層間絶縁膜3を形成
する。 工程5:半導体基板1に400℃、約2分間の熱処理を
施す。
【0107】上記形成方法についてより詳細に説明す
る。まず、第1の実施形態と同様に、工程1−3を行
う。
【0108】その後、反応容器内に窒素約20slmを
導入し、減圧された窒素雰囲気中で半導体基板1を40
0℃に保持されたホットプレート上に載置した状態で、
塗布膜に電子線を照射し、層間絶縁膜3(ポリメチルシ
ロキサン膜)を形成する(工程4)。
【0109】工程4における電子線照射の際、本実施形
態では、反応容器内の圧力を10Torrと60Tor
rの2段階に変動させた。すなわち、電子線照射開始か
ら約180秒間は、反応容器内の圧力を10Torrと
し、照射量を約5μC/cm 2 ・secとして電子線照
射を行い、それ以降から電子線照射終了までの約30秒
間は、反応容器内の圧力を60Torrとし、照射量を
約4μC/cm2 ・secとして電子線照射を行った。
【0110】また、上記条件のもとで電子線照射の均一
性を保持するために、本実施形態では電子線発生部の下
端から75mmの位置にホットプレートを設置し、電子
線照射を行った。
【0111】さらに、半導体基板1を工程4と同一反応
容器内の400℃に保持したホットプレート上に載置し
約2分間の熱処理を行う(工程5)。工程5において
は、処理開始から約30秒間は、電子線発生部の下端か
ら75mm離れた位置に半導体基板1が載置されたホッ
トプレートを設置し処理を行い、それ以降の約1.5分
間は電子線発生部の下端から約120mmの位置に半導
体基板1が載置されたホットプレートを設置し、熱処理
を行った。
【0112】第1の実施形態の工程4の場合と同様の理
由により、工程4の熱処理において、基板温度を200
℃以上500℃以下に設定することが望ましい。
【0113】また、工程5における熱処理温度は、工程
4における加熱温度と同じか、もしくはより高温である
場合が有効であった。さらに工程5における処理時間は
工程4における処理時間と同程度かそれより長い場合が
効果的であった。
【0114】第1の実施形態の工程4の場合と同様の理
由により、本実施形態の工程4および工程5は、酸素濃
度を100ppm以下に抑えた減圧雰囲気下で行うこと
が望ましい。
【0115】上記の形成方法によって形成したポリメチ
ルシロキサン膜の特性としては、第1の実施形態で示し
たものと同様の効果が得られた。
【0116】さらに工程5の熱処理工程により、電子線
照射によって半導体素子のゲート絶縁膜に入ったダメー
ジを回復でき、半導体装置のリーク電流や閾値電圧等の
特性が改善されることを確認した。
【0117】工程5において、被処理基板が曝露される
ガス種がN2 、Ar、フォーミングガス(N2 とH2
混合ガス)のいずれの場合でも上記のような効果が見ら
れたが、フォーミングガスの場合はN2 、Arに比べ、
約1.5倍の効果が得られた。
【0118】本実施形態では、工程5(後工程)の熱処
理工程において、半導体基板1の位置(ギャップ)を変
動させたが、他のパラメータを少なくとも1つ以上変動
させても良い。他のパラメータとは、反応容器内の圧
力、半導体基板1の温度、半導体基板1が曝露されるガ
ス種、および反応容器内に導入される上記ガスの流量で
ある。さらに、半導体基板1の位置を含む少なくとも2
つ以上のパラメータを変動させても良い。これらの工程
5におけるパラメータの変動域は具体的には上記工程4
におけるそれらと同じである。前工程の熱処理は、後工
程の熱処理と同様に、上記電子線照射処理を行う反応容
器内で行われ、かつ上記電子線照射処理と連続して行わ
れる。
【0119】パラメータの変動方向は、温度に関しては
増加する方向、圧力、流量およびギャップに関しては増
加および減少する方向が考えられる。ガス種は、アルゴ
ンまたは窒素から、これらの混合ガスへの変動が現実的
である。
【0120】本実施形態では、後工程の熱処理において
パラメータを変動させたが、電子線照射処理と連続して
行われる前工程の熱処理においてパラメータを変動させ
ても良い。前工程の熱処理とは工程3の熱処理を示して
いる。この場合、工程2の熱処理を工程3の熱処理に吸
収させることができ、工程2を省くことができる。この
場合、パラメータの変動方向は、温度、圧力、流量およ
びギャップに関しては後工程のそれらと同じである。ガ
ス種は、窒素からアルゴン、またはアルゴンから窒素へ
の変動である。さらに、前工程および後工程の熱処理に
おいてパラメータを変動させて良い。
【0121】(第3の実施形態)次に、本発明の第3の
実施形態に係る半導体装置の製造方法について説明す
る。本実施形態が第1の実施形態と異なる点は層間絶縁
膜3の形成方法にあり、その概要は以下の通りである
(工程1−2)。
【0122】工程1:スピンコート法にてワニスを半導
体基板1上に塗布する。
【0123】工程2:減圧下の窒素雰囲気中で、半導体
基板1を加熱しつつ、電子線照射処理を行い、層間絶縁
膜3を形成する。
【0124】上記形成方法についてより詳細に説明す
る。まず、第1の実施形態と同様に、工程1を行い、塗
布膜を形成する。
【0125】次に、減圧下の窒素雰囲気中で、上記半導
体基板を400℃に保持されたホットプレートに載置
し、塗布膜に電子線を照射し、層間絶縁膜3を形成する
(工程2)。上記電子線照射は、電子線エネルギー:6
kev、全照射量:500μC/cm2 の条件で行っ
た。
【0126】ここで、第1の実施形態の工程4の場合と
同様の理由により、工程2は、酸素濃度が100ppm
以下に抑えられた減圧の雰囲気が望ましい。
【0127】さらに、第1の実施形態の工程4の場合と
同様の理由により、工程2の加熱処理において、基板温
度を200℃以上500℃以下に設定することが望まし
い。
【0128】本実施形態の方法で形成されたポリメチル
シロキサン膜は、第1の実施形態と同様の効果が得られ
た。また、本実施形態は、第1の実施形態よりも工程数
が二つ少ないので、生産効率の点では、第1の実施形態
よりも優れている。なお、本実施形態において、第1の
実施形態と同様に少なくとも1つ以上のパラメータを変
動させることが、第1の実施形態と同様の効果が得られ
る。例えば、基板温度を200℃から400℃に変動さ
せることができる。
【0129】(第4の実施形態)次に、本発明の第4の
実施形態に係る半導体装置の製造方法について説明す
る。本実施形態が第1の実施形態と異なる点は層間絶縁
膜3の形成方法にあり、その概要は以下の通りである
(工程1−3)。
【0130】工程1:スピンコート法にてワニスを半導
体基板1上に塗布する。 工程2:大気圧(780Torr)下の窒素雰囲気中
で、半導体基板1を加熱しつつ、電子線照射処理を行
い、層間絶縁膜3を形成する。 工程3:半導体基板1に400℃、約2分間の熱処理を
施す。
【0131】上記形成方法についてより詳細に説明す
る。まず、第1の実施形態と同様に、工程1を行い、塗
布膜を形成する。(工程1)。
【0132】次に、大気圧下の窒素雰囲気中で、半導体
基板1を200℃に保持されたホットプレート上に載置
し、上記塗布膜に電子線を照射し、層間絶縁膜を形成す
る(工程2)。上記電子線照射は、電子線エネルギー:
6keV、照射量:500μC/cm2 の条件で行っ
た。
【0133】第1の実施形態の工程4の場合と同様の理
由により、工程2における加熱は、基板温度が200℃
以上500℃以下であることが望ましい。また、第1の
実施形態の工程4の場合と同様の理由により、工程2
は、酸素濃度が100ppm以下に抑えられた雰囲気中
で行うことが望ましい。
【0134】また、本発明者等の実験によれば、工程3
の熱処理の温度は、工程2の熱処理の温度と同じか、も
しくはより高温であるほうが有効であることが分かっ
た。また、工程3の熱処理の時間は、工程2の熱処理の
時間と同程度か、もしくはそれより長いほうが効果的で
あることが分かった。また、第1の実施形態の工程4の
場合と同様の理由により、工程3は、酸素濃度が100
ppm以下に抑えられた大気圧雰囲気または減圧雰囲気
中で行うことが望ましい。
【0135】本実施形態の方法で形成されたポリメチル
シロキサン膜の特性としては、第1の実施形態と同様の
効果が得られた。
【0136】さらに、第2の実施形態と同様に工程3の
熱処理により、電子線照射により生じた素子等のダメー
ジを回復でき、これにより例えばMOS型素子のリーク
電流や閾値電圧等の特性を改善できる。また、本実施形
態は、第2の実施形態よりも工程数が二つ少ないので、
生産効率の点では、第2の実施形態よりも優れている。
なお、本実施形態において、第1の実施形態と同様に少
なくとも1つ以上のパラメータを変動させることで、第
1の実施形態と同様の効果が得られる。例えば、基板温
度を200℃から400℃に変動させることができる。
【0137】(第5の実施形態)図4は、本発明の第5
の実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図で
ある。
【0138】まず、図4(a)に示すように、半導体基
板101の表面上に、下地絶縁膜102を形成する。こ
こでは、下地絶縁膜102としてTEOS膜を用いる。
続けて、下地絶縁膜102の表面側の所定の箇所に、所
望する大きさおよび形状の配線溝を形成し、その後、周
知のCMPプロセスにより、配線溝の内部にバリアメタ
ル103およびCuを主成分とするCu配線104を形
成するとともに、下地絶縁膜102、バリアメタル10
3およびCu配線104の表面を平坦にする。
【0139】次に、図4(b)に示すように、平坦化さ
れた下地絶縁膜102、バリアメタル103およびCu
配線104の表面上に、バリア絶縁膜としてのシリコン
窒化膜105を形成する。
【0140】次に、図4(c)に示すように、シリコン
窒化膜105上に、低誘電率の層間絶縁膜106を設け
る。ここでは、低誘電率の層間絶縁膜106として、ポ
リメチルシロキサン膜を使用する。
【0141】以下、上記ポリメチルシロキサン膜を形成
する工程を、工程1−4に分けて詳細に説明する。
【0142】以下の説明では、図4(b)に示すよう
に、半導体基板101上にSiN層105までを形成し
たものを、第1層半導体基板108と称することとす
る。この第1層半導体基板108に、以下に説明する各
工程1−4を順次行うことにより、所望する半導体装置
109を得ることができる。
【0143】工程1:ポリメチルシロキサン膜の膜材
料、もしくはその前駆体としてのポリメチルシロキサン
を、溶媒に溶解させたワニスと呼ばれる図示しない液状
原料を、シリコン窒化膜105の表面上に供給する。ワ
ニスを供給する方法としては、本実施形態においては、
良質なポリメチルシロキサン膜が成膜されるように、ワ
ニスを略均一な厚さでむらなく供給することができる塗
布法を採用する。このワニスの塗布作業は、具体的に
は、塗布装置として、例えば図示しないコーターを用い
て、塗布法の一種であるスピンコート法によってワニス
をシリコン窒化膜105の表面上に塗布するものであ
る。
【0144】工程2:第1層半導体基板108を、図4
(c)に示すように、そのワニスが塗布されたシリコン
窒化膜5を上向きにした姿勢で、温度調節装置としての
ホットプレート107(加熱装置)上に載置する。その
後、ワニスの温度が約80℃に保持されるようにホット
プレート107の温度を調節して、ワニスを第1層半導
体基板108ごと加熱するとともに、この状態を約1分
間保持する。これによりワニスに1回目の加熱処理を施
す。
【0145】工程3:第1層半導体基板108をホット
プレート107上に載置した状態のまま、ワニスの温度
が約200℃に保持されるようにホットプレート107
の温度を調節して、ワニスを第1層半導体基板108ご
と加熱するとともに、この状態を約1分間保持する。こ
れによりワニスに2回目の加熱処理を施す。
【0146】上記第2および第3の工程の加熱処理によ
って、ワニスに含まれる溶媒は蒸発によって除去され、
シリコン窒化膜105上にワニス(塗布膜)は固定(固
着)される。
【0147】本発明者等が行った実験によれば、工程
2,3のように、ワニスの温度を段階的に昇温させると
いう加熱方法を採用することにより、ワニス中のポリメ
チルシロキサン膜の主要成分であるポリメチルシロキサ
ン以外の成分(例えば溶媒)を効率よく略完全に揮発さ
せることができ、塗布膜を効果的に固定できることが明
らかになった。
【0148】工程4:第1層半導体基板108をホット
プレート107上に載置した状態のまま、ワニスおよび
このワニスを基に成膜されるポリメチルシロキサン膜が
酸化されないように、約10Torrまで減圧した減圧
雰囲気下に配置する。それとともに、第1層半導体基板
108が配置される雰囲気を、還元性を有するH2 ガス
を主成分とするガスで満たす。上記H2 ガスは、後述す
る電子線照射作業を行うときに、Cu配線104の表面
をクリーニングし、該表面の酸化を抑制する。
【0149】この状態において、ワニスの温度が約40
0℃に保持されるようにホットプレート107の温度を
調節して、ワニスを第1層半導体基板108ごと加熱す
るとともに、図4(c)中の矢印で示すように、図示し
ない電子線照射装置からワニスに向けて、照射(加速)
エネルギーが約10keV、全照射量が約500μC/
cm2 の電子線を照射する。
【0150】このとき、加熱状態と電子線照射状態を約
5分間保持する。これにより、シリコン窒化膜105の
表面上に、言い換えれば第1層半導体基板108の最上
層の上にポリメチルシロキサン膜が形成される。
【0151】以上説明したように、工程2−4のうち、
それらの最終工程である工程4においてのみワニスに加
熱処理を施しつつ、ワニスに向けて電子線を照射する。
【0152】その理由は、シリコン窒化膜105上に固
定されていない状態のワニスに電子線を照射することに
より、ワニス中に含まれる溶媒などのポリメチルシロキ
サン以外の成分までもが変質し、この変質した成分によ
り所望外の特性を有する低誘電率の層間絶縁膜が形成さ
れるのを未然に防ぐためである。すなわち、所望の特性
を有する低誘電率の層間絶縁膜106としてのポリメチ
ルシロキサン膜を得るためである。
【0153】本発明者等が行った実験によれば、工程4
においてワニスに電子線を照射する際に、ワニスの温度
が200℃以上500℃以下、好ましくは約380−4
00℃程度の範囲内で略一定の温度、特に約400℃と
なるように加熱処理を行うことにより、半導体装置10
9が、実用上適正な動作性能を発揮できる良質なポリメ
チルシロキサン膜を形成できることが明らかになった。
【0154】また、本発明者等が行った実験によれば、
工程4においてワニスへ照射する電子線の全照射量を、
約500μC/cm2 以上で略一定の値、好ましくは約
500μC/cm2 となるように設定して電子線照射を
行うことにより、半導体装置109が、実用上適正な動
作性能を発揮できる良質なポリメチルシロキサン膜を形
成できることが明らかになった。
【0155】同様に、本発明者等が行った実験によれ
ば、工程4においてワニスに照射する電子線の加速エネ
ルギーを、1keV−15keV程度の範囲内で略一定
の値、好ましくは約10keVとなるように設定して電
子線照射を行うことにより、半導体装置109が、実用
上適正な動作性能を発揮できる良質なポリメチルシロキ
サン膜を形成できることが明らかになった。
【0156】さらに、本発明者等が行った実験によれ
ば、工程4においてワニスに加熱処理を施しつつ電子線
を照射する際に、ワニスを所定の還元性を有するガス中
において、所定の範囲内の減圧雰囲気下に配置すること
により、半導体装置109が、実用上適正な動作性能を
発揮できる良質なポリメチルシロキサン膜を形成できる
ことが明らかになった。
【0157】特に、上記H2 ガス中において、約0.1
Torrという減圧値に設定された雰囲気下にワニスを
配置することにより、半導体装置109が、実用上極め
て良好な動作性能を発揮できる、極めて良質なポリメチ
ルシロキサン膜を形成できることが明らかになった。
【0158】以上説明した工程4までが終了した後、得
られた半導体装置109を図示しない光学顕微鏡を用い
て観察したところ、Cu配線104の表面の酸化は認め
られなかった。
【0159】また、工程1−4を行っている間、および
これらの工程が終了した後において、下地絶縁膜10
2、バリアメタル103、Cu配線104、シリコン窒
化膜105、および層間絶縁膜106(ポリメチルシロ
キサン膜)の剥がれは一切観察されなかった。
【0160】また、Cu配線104の抵抗率を測定した
ところ、その大きさは層間絶縁膜106としてのポリメ
チルシロキサン膜を形成する前と後で略同じ大きさであ
った。
【0161】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、加熱作業と電子線照射作業とを併用することによ
り、工程1−4を合計僅か7分程度の短時間で終了する
ことができる。
【0162】すなわち、本実施形態によれば、従来の技
術に係るホットプレートを使った加熱処理のみによる絶
縁膜の成膜工程において、30分−1時間程度要してい
た溶媒の揮発や前駆体の架橋反応が伴う成膜工程を大幅
に短縮できる。
【0163】また、本実施形態によれば、加熱作業と電
子線照射作業とを併用することにより、工程1−4にお
ける膜焼成温度を、例えば前述したように400℃、あ
るいは高くてもその上限を500℃以下に抑えることが
できる。
【0164】すなわち、本実施形態によれば、従来の技
術に係るホットプレートを使った加熱処理のみによる絶
縁膜の成膜工程において、500℃以上の極めて高い膜
焼成温度を必要としていた膜焼成の最終工程の膜焼成温
度を低温化できる。
【0165】したがって、本実施形態によれば、加熱作
業と電子線照射作業とを併用することにより、層間絶縁
膜106や、あるいはCu配線104などへ、必要以上
の刺激を殆ど与えることなく、層間絶縁膜106を成膜
できる。これにより、成膜工程におけるCu配線104
におけるCuの粒成長が抑制され、Cu配線104とシ
リコン窒化膜105との界面における剥がれは抑制され
る。
【0166】また、ワニスへの電子線の照射を、減圧さ
れた還元性を有するH2 ガスの雰囲気中で行うことによ
り、層間絶縁膜106を形成する際のCu配線104の
表面の酸化を抑制して、Cu配線4の抵抗値を低い良好
な状態に維持できる。還元性を有するガスはH2 ガス以
外のガスでも使用可能である。一般には、配線(ここで
はCu配線4)の酸化を防止でき、かつ成膜される膜
(ここでは層間絶縁膜106)の品質を劣化させないも
のであれば使用可能である。
【0167】したがって、本実施形態によれば、半導体
装置109の配線間容量などの電気的性能(品質)を向
上させることができるとともに、短時間で製造できる。
その結果、半導体装置109の歩留まりが向上し、半導
体装置109の生産効率は高くなる。
【0168】また、本実施形態によれば、層間絶縁膜1
06として、低誘電率の絶縁膜であるポリメチルシロキ
サン膜を用いても、その性能を損なわず、かつ良好な状
態に保持できるように短時間で形成できるので、半導体
装置109の比誘電率を低い良好な状態に維持すること
ができる。
【0169】すなわち、本実施形態によれば、半導体装
置109の配線容量を低減させて、配線抵抗と線間容量
との積を小さくできる。これにより、半導体装置10
9、ひいてはこの半導体装置109を用いた各種半導体
デバイスの動作速度を向上できる。
【0170】また、複数の配線層が積層された半導体装
置を所望する場合には、第1層半導体基板108上に、
下地絶縁膜102を介してバリアメタル103、Cu配
線104、シリコン窒化膜105、層間絶縁膜106等
の各層を前述した方法と同様の方法で繰り返して形成す
れば良い。
【0171】このように、複数の配線層を形成しても、
配線間容量などの電気的性能を劣化させるおそれは殆ど
ない。したがって、処理能力の高い半導体装置、ひいて
はこの半導体装置を用いた処理能力の高い各種半導体デ
バイスを生産できる。
【0172】(第6の実施形態)図5は、本発明の第6
の実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図で
ある。本実施形態が第5の実施形態と異なる点は、下地
絶縁膜102としてポリメチルシロキサン膜を用いるこ
とにある。
【0173】まず、図5(a)に示すように、半導体基
板101の表面上に、下地絶縁膜102を形成する。こ
こでは、下地絶縁膜102としてポリメチルシロキサン
膜を用いる。
【0174】以下、このポリメチルシロキサン膜を形成
する工程を、工程1−4に細分化して詳細に説明する。
【0175】工程1:ポリメチルシロキサン膜の膜材
料、もしくはその前駆体としてのポリメチルシロキサン
を溶媒に溶解させたワニスを、半導体基板1の表面上に
塗布する。ワニスの塗布の仕方は、例えば第5の実施形
態の工程1と同じである。
【0176】工程2:半導体基板1を、図5(a)に示
すように、そのワニスが塗布された表面を上向きにした
姿勢でホットプレート107上に載置する。その後、ワ
ニスの温度が約80℃に保持されるようにホットプレー
ト107の温度を調節して、ワニスを半導体基板1ごと
加熱するとともに、この状態を約1分間保持する。これ
によりワニスに1回目の加熱処理を施す。
【0177】工程3:半導体基板101をホットプレー
ト107上に載置した状態のまま、ワニスの温度が約2
00℃に保持されるようにホットプレート107の温度
を調節して、ワニスを半導体基板101ごと加熱すると
ともに、この状態を約1分間保持する。これによりワニ
スに2回目の加熱処理を施す。
【0178】工程4:半導体基板101をホットプレー
ト107上に載置した状態のまま、ワニスの温度が約4
00℃に保持されるようにホットプレート107の温度
を調節して、ワニスを半導体基板101ごと加熱すると
ともに、この状態を約30分間保持する。これによりワ
ニスに3回目の加熱処理を行う。
【0179】以上説明した工程2−4の加熱処理によっ
て、工程1において半導体基板1上に塗布されたワニス
に含まれる溶媒は揮発(蒸発)され、除去される。これ
により、ワニス(塗布膜)は半導体基板101上に固定
される。
【0180】以上説明した工程1−4の後、第5の実施
形態と同様に、下地絶縁膜102の表面に配線溝を形成
し、その内部にバリアメタル103およびCu配線10
4を形成し、図5(a)に示した構造が得られる。
【0181】次に、図5(b)に示すように、下地絶縁
膜102、バリアメタル103、およびCu配線104
の表面上にシリコン窒化膜105を形成し、第1層半導
体基板108を形成する。
【0182】その後、図5(c)に示すように、層間絶
縁膜106(ポリメチルシロキサン膜)を、第5の実施
形態と同様に加熱作業と電子線照射作業を併用して、シ
リコン窒化膜105の表面上に形成し、半導体装置10
9を形成する。
【0183】このようにして得られた半導体装置109
を光学顕微鏡を用いて観察したところ、Cu配線104
の表面の酸化は認められなかった。
【0184】また、工程2−4を行っている間、これら
の工程に続く層間絶縁膜106の形成までの各工程を行
っている間、ならびにそれらの工程が終了した後におい
て、下地絶縁膜102(ポリメチルシロキサン膜)、バ
リアメタル103、Cu配線104、シリコン窒化膜1
05、および層間絶縁膜106(ポリメチルシロキサン
膜)の剥がれは一切観察されなかった。
【0185】また、Cu配線104の抵抗値を測定した
ところ、その大きさは層間絶縁膜106を形成する前と
後で略同じ大きさであった。さらに、層間絶縁膜106
に対して、CMPプロセスを施したところ、層間絶縁膜
106の剥がれは生じなかった。
【0186】本実施形態でも第5の実施形態と同様の効
果が得られる。さらに、本実施形態によれば、下地絶縁
膜102としてポリメチルシロキサン膜を用いているの
で、半導体装置109の比誘電率をより低下させること
ができる。すなわち、半導体装置109の配線容量をよ
り低減させて、配線抵抗と線間容量との積をより小さく
できる。これにより、半導体装置109、ひいては半導
体装置109を用いた各種デバイスの動作速度をより向
上できる。
【0187】(第7の実施形態)次に、本発明の第7の
実施形態に係る半導体装置の製造方法について説明す
る。本実施形態の製造工程を示す断面図は、第6の実施
形態のそれと同じなので、図5を参照して本実施形態の
製造方法を説明する。本実施形態が第5の実施形態と異
なる点は、下地絶縁膜102としてポリメチルシロキサ
ン膜を用い、かつ該ポリメチルシロキサン膜を加熱作業
と電子線照射作業を併用して形成することにある。
【0188】図5(a)に示すように、半導体基板10
1の表面上に下地絶縁膜102を形成する。本実施形態
では、下地絶縁膜102としてポリメチルシロキサン膜
を形成する。上記ポリメチルシロキサン膜の形成方法
は、第5の実施形態において説明した、層間絶縁膜10
5としてのポリメチルシロキサン膜の形成方法と同様
に、加熱作業と電子線照射作業を併用して形成される。
【0189】続いて、下地絶縁膜102の表面側の所定
の箇所に、所望する大きさおよび形状の配線溝を形成
し、その後、周知のCMPプロセスにより、上記配線溝
の内部をバリアメタル103およびCu配線104で埋
めるともに、下地絶縁膜102(ポリメチルシロキサン
膜)、バリアメタル103、およびCu配線104の表
面を平坦にする。
【0190】次に、図5(b)に示すように、下地絶縁
膜102、バリアメタル103およびCu配線104の
表面上にシリコン窒化膜105を形成し、第1層半導体
基板108を形成する。
【0191】次に、図5(c)に示すように、低誘電率
の層間絶縁膜106としてのポリメチルシロキサン膜
を、前述した第5の実施形態と同様に加熱作業と電子線
照射作業を併用して、シリコン窒化膜105の表面上に
形成し、半導体装置109を形成する。
【0192】以上説明した層間絶縁膜106としてのポ
リメチルシロキサン膜の形成までが終了した後、得られ
た半導体装置109を光学顕微鏡を用いて観察したとこ
ろ、Cu配線104の表面の酸化は認められなかった。
【0193】また、前記各工程を行っている間、および
前記各工程が終了した後において、下地絶縁膜102
(ポリメチルシロキサン膜)、バリアメタル103、C
u配線104、シリコン窒化膜105、および層間絶縁
膜106(ポリメチルシロキサン膜)の剥がれは一切観
察されなかった。また、Cu配線104の抵抗値を測定
したところ、その大きさは層間絶縁膜106を形成する
前と後で略同じ大きさであった。さらに、ポリメチルシ
ロキサン膜に対して、CMP法を行ったところ、その剥
がれは生じなかった。
【0194】本実施形態によれば、下地絶縁膜102と
してのポリメチルシロキサン膜を加熱作業と電子線照射
とを併用して形成することにより、第6の実施形態より
も比誘電率が低いポリメチルシロキサン膜を形成でき
る。これにより、半導体装置109の配線容量をさらに
低減でき、配線抵抗と線間容量との積をより小さくでき
る。その結果、半導体装置109、ひいてはこの半導体
装置109を用いた各種デバイスの動作速度をより向上
できる。
【0195】また、本実施形態によれば、下地絶縁膜1
02としてのポリメチルシロキサン膜を加熱作業と電子
線照射とを併用して形成することにより、上記ポリメチ
ルシロキサン膜、ひいてはこのポリメチルシロキサン膜
を含む半導体装置109を短時間で形成できる。したが
って、半導体装置109、ひいてはこの半導体装置10
9を用いた各種デバイスの生産効率を向上できる。
【0196】以上説明したように、第5−7の実施形態
の半導体装置の製造方法は、Cu配線を有する半導体装
置の製造方法に関し、特に、電子線照射を行う低誘電率
の層間絶縁膜の形成工程を含むものである。そのため、
第5−7の実施形態の半導体装置の製造方法は、EBキ
ュアSOG膜によるCuインテグレーションと称するこ
とができる。
【0197】なお、第5−7の実施形態においても、第
1の実施形態と同様に、少なくとも1つ以上のパラメー
タを変動させることで、第1の実施形態と同様の効果が
得られる。
【0198】(第8の実施形態)本発明者等の研究によ
れば、上記実施形態のように加熱と電子線照射を使って
形成されたポリメチルシロキサン膜は、外部から光を与
えると、蛍光を発することが分かった。その理由は、加
熱作業と電子線照射作業とを同時に行うことによって、
ポリメチルシロキサン膜中に、有機樹脂膜の構造で見ら
れるようなC−C結合が形成されたからだと考えられ
る。
【0199】本実施形態では、このようなポリメチルシ
ロキサン膜の性質を利用して、ポリメチルシロキサン膜
の面内のキュアの均一性を評価する方法について説明す
る。
【0200】まず、第1の実施形態の工程1−4を行
い、厚さ1μmのポリメチルシロキサン膜を形成する。
工程4における電子線エネルギーが6keVであること
を除いて成膜条件は同じである。
【0201】次に、ポリメチルシロキサン膜上の94個
の箇所に、514.5nmのAr+レーザーを照射す
る。このとき、ポリメチルシロキサン膜の上記94の箇
所から発せられる蛍光の強度を計測する。図6にその測
定結果を示す。そして、これらの蛍光の強度のばらつき
から、ポリメチルシロキサン膜の面内のキュアの均一性
を評価する。蛍光の強度のばらつきが小さいほど均一性
は高く、逆に蛍光の強度のばらつきが大きいほど均一性
は低いことになる。
【0202】(第9の実施形態)本実施形態が第8の実
施形態と異なる点は、ポリメチルシロキサン膜から発せ
られる蛍光の強度分布から、ポリメチルシロキサン膜の
膜厚分布を評価することにある。
【0203】まず、第1の実施形態の工程1−4を行
い、厚さ1μmのポリメチルシロキサン膜を形成する。
工程4における電子線エネルギーは第8の実施形態のそ
れと同じである。
【0204】次に、ポリメチルシロキサン膜上の94個
の箇所に、514.5nmのAr+レーザーを照射し、
ポリメチルシロキサン膜の上記94の箇所から発せられ
る蛍光の強度を計測する。
【0205】ポリメチルシロキサン膜から発せられる蛍
光の強度とポリメチルシロキサン膜のシュリンク率との
間には関係があるので、予めその関係を求めておく。そ
の一例を図7に示す。蛍光を発した部分の実際の膜厚
は、ポリメチルシロキサン膜の設計膜厚(ここでは1μ
m)と、その部分での蛍光の強度に対応したシュリンク
率との積になる。
【0206】したがって、上記94の箇所のそれぞれに
ついて、設計膜厚と蛍光の強度に対応したシュリンク率
との積を計算することにより、ポリメチルシロキサン膜
の膜厚分布を評価することができるようになる。
【0207】(第10の実施形態)本実施形態が第9の
実施形態と異なる点は、ポリメチルシロキサン膜の成膜
中に、ポリメチルシロキサン膜の膜厚分布を評価するこ
とにある。
【0208】まず、第1の実施形態の工程1−3を行
う。
【0209】次に、第1の実施形態の工程4を行うとと
もに、成膜途中のポリメチルシロキサン膜上の94個の
箇所に、514.5nmのAr+ レーザーを照射する。
そして、第9の実施形態で述べた方法により、成膜途中
のポリメチルシロキサン膜の膜厚分布を評価する。すな
わち、膜厚をモニターしながら、ポリメチルシロキサン
膜の成膜を行う。モニターの結果、膜厚分布が所定通り
にならないようであれば、例えば、成膜途中で成膜条件
を変更するか、あるいは成膜を中止する。
【0210】(第11の実施形態)本実施形態では、ポ
リメチルシロキサン膜からの発光を位置合わせに利用す
る方法について説明する。
【0211】まず、第1の実施形態の工程1−3を行
う。
【0212】次に、減圧雰囲気下で、半導体基板を40
0℃のホットプレートにより30分間加熱する。このと
き、図8に示すように、電子線遮光用マスク26を半導
体基板1の上方に配置し、半導体基板1の最上層に形成
されているポリメチルシロキサン膜27の周縁部のアラ
イメントマーク部のみに電子線24を照射する。このと
きの照射条件は、例えば、電子線エネルギー:6ke
V、全照射量:500μC/cm2 である。なお、第1
の実施形態と同様に、加熱処理しながら電子線照射処理
を行うときに、少なくとも1つ以上のパラメータを変動
させても良い。
【0213】次に、ポリメチルシロキサン膜の成膜工程
後の、半導体基板1(ウェハ)の位置合わせ方法につい
て説明する。図8に示したように、ポリメチルシロキサ
ン膜の周縁部に沿って、514.5nmのAr+ レーザ
ーを照射する。このとき、Ar+レーザーがアライメン
トマーク部に照射されると、ポリメチルシロキサン膜は
蛍光を発する。したがって、蛍光が発せられた箇所を測
定することによって、半導体基板1(ウェハ)の位置が
求まり、位置合わせが可能となる。
【0214】以上、本発明の実施形態について説明した
が、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではな
い。例えば、上記実施形態では、絶縁膜の例としてポリ
メチルシロキサン膜をあげたが、本発明はその他の絶縁
膜の成膜にも適用できる。例えば、膜中にSi−C結合
(一般的にはSi−CH3 結合)を持つ塗布有機シリコ
ン酸化膜(SOG)、有機膜、または塗布した溶液を熱
等により硬化し、絶縁化されるものがあげられる。別の
観点からは、加熱作業と電子線照射作業との併用によっ
て、短時間で成膜反応が進行し、かつ、品質が劣化しな
い材料を主成分とする絶縁膜であれば、使用可能であ
る。
【0215】また、上記実施形態では、ワニスの塗布法
として、スピンコート法を用いたが、ノズルスキャン塗
布法等の他の塗布方法を用いても構わない。塗布法を用
いて絶縁膜を形成する際に、ワニスの温度を段階的に上
げて溶媒を揮発させる代わりに、ワニスを所定の減圧雰
囲気下に配置して溶媒を揮発させることにより、上記絶
縁膜を基板に固着させても構わない。
【0216】さらに、上記実施形態では、絶縁膜の例と
して低誘電率の層間絶縁膜をとりあげたが、本発明は、
ゲート絶縁膜等の他の絶縁膜にも可能である。
【0217】さらにまた、塗布膜の形成方法のシークエ
ンスは上記実施形態で示したものには限定されず、塗布
膜の種類や用途に応じて、熱処理+電子線照射処理の工
程を行う順番、熱処理および電子線照射処理を行う回
数、熱処理および電子線照射処理の条件は適宜変更する
ことが可能である。電子線照射の条件としては、例えば
電子線のエネルギー、照射線量、雰囲気、照射時の基板
温度があげられる。
【0218】その他、ワニスの加熱温度および加熱時
間、雰囲気の減圧値など、諸々の設定値についても、同
様に、適宜変更することが可能である。すなわち、上記
諸々の設定値は、半導体装置の性能を、所望する水準に
到達させることができるものであれば、製造環境に応じ
て、種々様々な組み合わせに設定して構わない。
【0219】また、配線に用いられる材料は、Cu以外
でも構わない。配線の抵抗率が、半導体装置の動作速度
を妨げない程度に十分に低ければ良い。
【0220】さらに、上記実施形態には種々の段階の発
明が含まれており、開示される複数の構成要件における
適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例
えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成
要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄
で述べた課題を解決できる場合には、この構成要件が削
除された構成が発明として抽出され得る。
【0221】その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲
で、種々変形して実施できる。
【0222】
【発明の効果】以上詳説したように本発明によれば、誘
電率が低く、かつ十分な機械的強度を有する絶縁膜を備
えた半導体装置の製造方法を実現できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製
造工程を示す断面図
【図2】本発明の実施形態で使用される電子線照射装置
を示す模式図
【図3】本発明の実施形態および比較例(方法A−C)
により形成された各絶縁膜のFT−IRスペクトルを示
す図
【図4】本発明の第5の実施形態に係る半導体装置の製
造工程を示す断面図
【図5】本発明の第6および第7の実施形態に係る半導
体装置の製造工程を示す断面図
【図6】ポリメチルシロキサン膜のAr+ レーザーが照
射された箇所から発せられた蛍光の強度の計測結果を示
す図
【図7】ポリメチルシロキサン膜から発せられる蛍光の
強度とポリメチルシロキサン膜のシュリンク率との間の
関係の一例を示す図
【図8】本発明の第11の実施形態で使用される電子線
照射装置を示す模式図
【符号の説明】
1…半導体基板 2…下地絶縁膜 3…層間絶縁膜 4…バリアメタル 5…金属配線 21…処理室 22…電子線発生部 23…隔壁 24…電子線 25…ホットプレート 26…電子線遮光用マスク 27…ポリメチルシロキサン膜 101…半導体基板 102…下地絶縁膜 103…バリアメタル 104…Cu配線 105…シリコン窒化膜 106…層間絶縁膜 107…ホットプレート 108…第1層半導体基板 109…半導体装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 蓮沼 正彦 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 宮島 秀史 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 奥村 勝弥 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝マイクロエレクトロニクス センター内 (72)発明者 早坂 伸夫 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株式会社東芝横浜事業所内 (56)参考文献 特開 平9−175810(JP,A) 特開 平10−107026(JP,A) 特開2001−286821(JP,A) 特開2002−329719(JP,A) 特表 平11−505670(JP,A) 特表 平11−506872(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/312 H01L 21/316 H01L 21/768

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被処理基板を用意する工程と、 前記被処理基板上に絶縁膜を形成する工程とを有し、 前記絶縁膜を形成する工程は、前記被処理基板上に前記
    絶縁膜を構成する物質の前駆体もしくは該物質を含む絶
    縁膜原料を塗布する工程と、反応容器内で前記被処理基
    板を加熱しながら、前記絶縁膜原料に電子線を照射し、
    前記絶縁膜原料を硬化する工程であって、前記絶縁膜原
    料に前記電子線が照射されているときに、前記反応容器
    内の圧力、前記被処理基板の温度、前記被処理基板が曝
    露されるガス種、前記反応容器内に導入されるガスの流
    量、前記被処理基板の位置、および前記被処理基板に単
    位時間当たりに入射する電子の量のうちの少なくとも一
    つを変動させる工程とを含むことを特徴とする半導体装
    置の製造方法。
  2. 【請求項2】前記反応容器内の圧力を0Torrより大
    きく400Torr以下の範囲で変動させることを特徴
    とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 【請求項3】前記被処理基板の温度を200℃以上50
    0℃以下の範囲で変動させることを特徴とする請求項1
    に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 【請求項4】前記被処理基板が曝露されるガス種の変動
    を、酸素濃度が100ppm以下の窒素ガス、希ガス、
    還元ガス、およびこれらの混合ガスのうちで変動させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方
    法。
  5. 【請求項5】前記反応容器内に導入される、前記被処理
    基板が曝露されるガスの流量を、0slmよりも大きく
    25slm以下の範囲で変動させることを特徴とする請
    求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  6. 【請求項6】前記被処理基板の位置を、前記電子線を発
    生する電子線発生部からの距離が50mm以上120m
    m以下の範囲で変動させることを特徴とする請求項1に
    記載の半導体装置の製造方法。
  7. 【請求項7】前記被処理基板に単位時間あたりに入射す
    る電子の量を、4μC/cm2 ・sec以上10μC/
    cm2 ・sec以下の範囲で変動させることを特徴とす
    る請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  8. 【請求項8】前記絶縁膜原料を硬化する工程の前に前記
    反応容器内で行われる前熱処理および前記絶縁膜原料を
    硬化する工程の後に前記反応容器内で行われる後熱処理
    の少なくとも一方をさらに含み、かつ前記前熱処理およ
    び前記後熱処理の少なくとも一方が行われているとき
    に、前記反応容器内の圧力、前記被処理基板の温度、前
    記被処理基板が曝露されるガス種、前記反応容器内に導
    入されるガスの流量、および前記被処理基板の位置のう
    ちの少なくとも一つを変動させることを特徴とする請求
    項1に記載の半導体装置の製造方法。
  9. 【請求項9】前記前熱処理および前記後熱処理の少なく
    とも一方が行われているときの、前記反応容器内の圧力
    を、0Torrより大きく400Torr以下の範囲で
    変動させることを特徴とする請求項8に記載の半導体装
    置の製造方法。
  10. 【請求項10】前記前処理工程および後熱処理工程の少
    なくとも一方が行われているときの、前記被処理基板の
    温度を、200℃以上500℃以下の範囲で変動させる
    ことを特徴とする請求項8に記載の半導体装置の製造方
    法。
  11. 【請求項11】前記前熱処理および前記後熱処理の少な
    くとも一方が行われているときの、前記被処理基板が曝
    露されるガス種の変動を、酸素濃度が100ppm以下
    の窒素ガス、希ガス、還元ガスおよびこれらの混合ガス
    のうちで変動させることを特徴とする請求項8に記載の
    半導体装置の製造方法。
  12. 【請求項12】前記前熱処理および前記後熱処理の少な
    くとも一方が行われているときの、前記反応容器内に導
    入される、前記被処理基板が曝露されるガスの流量を、
    0slmよりも大きく25slm以下の範囲で変動させ
    ることを特徴とする請求項8に記載の半導体装置の製造
    方法。
  13. 【請求項13】前記前熱処理および前記後熱処理の少な
    くとも一方が行われているときの、前記被処理基板の位
    置を、前記電子線を発生する電子線発生部からの距離が
    50mm以上120mm以下の範囲で変動させることを
    特徴とする請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
  14. 【請求項14】前記絶縁膜は、有機シリコン酸化膜であ
    ることを特徴とする請求項1または8に記載の半導体装
    置の製造方法。
  15. 【請求項15】前記絶縁膜は、ポリメチルシロキサン膜
    であることを特徴とする請求項1または8に記載の半導
    体装置の製造方法。
  16. 【請求項16】前記絶縁膜の表面にCuを主成分とする
    配線を埋め込む工程をさらに有することを特徴とする請
    求項1または8に記載の半導体装置の製造方法。
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