JP3526847B2 - マイクロ波電源システムの制御装置及びマイクロ波電源システム - Google Patents
マイクロ波電源システムの制御装置及びマイクロ波電源システムInfo
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Description
ステムの制御装置、及びマイクロ波電源システムに関す
る。
チング装置やアッシング装置、プラズマCVD装置等に
安定なマイクロ波プラズマを発生させるため、マイクロ
波電源システムが使用される。このマイクロ波電源シス
テムの構成の一例を、図5に示す。
図である。同図によれば、マイクロ波電源システム2
は、高圧電源部70、発振部20、アイソレータ30、
センサ40、チューナ50、及び制御回路80により構
成される。また、高圧電源部70は、整流器71、平滑
コンデンサ13、インバータ72、トランス15、ダイ
オード16、及びフィルタ17により構成される。
交流電力(50Hz若しくは60Hz)を整流し、直流
電力を生成するものであり、ダイオードにより形成され
る3相ブリッジ整流回路である。また、平滑コンデンサ
13は、整流器71により整流された直流電力に含まれ
る電圧リプル(脈動成分)を平滑化するフィルタ回路で
ある。
機能する電圧形インバータ(より具体的には、並列共振
形インバータである。)であり、この電圧形インバータ
の主回路を構成するスイッチング素子は、自己消弧形デ
バイスと呼ばれるパワーデバイス、例えばGTO、IG
BT等により実現されている。そして、インバータ72
は、PWM方式により、整流器71、及び平滑コンデン
サ13を経て生成される一定電圧の直流電力を、制御回
路80からの制御信号(具体的には、上記スイッチング
素子への駆動信号)に応じて、所定電圧及び周波数の交
流電力に変換・出力する。
される所定電圧の交流電力を、所定レベル(詳細には、
発振部20を構成するマグネトロンがマイクロ波電力を
発生するのに必要な電圧レベル)まで昇圧変換するとと
ともに、インバータ72の出力側(1次側)と発振部2
0側(2次側)とを絶縁する役割を持つ。
圧された交流電力を整流し、直流電力に変換する。ま
た、フィルタ17は、直流リアクトル、及び直流コンデ
ンサにより構成され、ダイオード16により整流された
直流電力に含まれる電流リプル、及び電圧リプルを平滑
化する。
れる。この発振部20即ちマグネトロン(以下、単に
「マグネトロン」という。)の陰極(フィラメント)に
は、フィラメント電源(図示略)が接続されるととも
に、陽極に所定レベル以上の高圧電圧が印加されること
で、例えば2.45GHzのマイクロ波を発生する。マ
グネトロン20より発生・出力されるマイクロ波は、導
波管を伝送線路として、アイソレータ30、センサ4
0、チューナ50を経て、負荷100に供給される。
100からの反射波(マイクロ波)を減衰させ、マグネ
トロン20から出力されるマイクロ波を1方向、即ちマ
グネトロン20から負荷100方向へのみ通過させる。
されるマイクロ波の出力電力を検出するセンサであり、
検出した電力レベルに応じた電力信号を、制御回路80
へ出力する。
ダンス整合を取り、マグネトロン20にて発生されるマ
イクロ波の出力電力を最大効率で負荷100に供給する
ための整合器であり、具体的にはスタブチューナにより
構成される。
生・出力されるマイクロ波電力の供給対象となるもので
あり、例えば上記エッチング装置やアッシング装置、プ
ラズマCVD装置等である。
ン20のマイクロ波出力電力を目標値に追従させるべ
く、フィードバック制御を行うものである。具体的に
は、センサ40から出力される、マイクロ波出力電力に
応じた電力信号に基づき、高圧電源部70への電圧指令
信号(詳細には、インバータ72が出力する交流電力の
電圧及び周波数を制御するため、上記スイッチング素子
のスイッチング間隔を制御するPWM制御信号等)を生
成・出力する。
電源システム2の制御系は、図6のようになる。図6
は、マイクロ波電源システム2の制御系を示すブロック
線図であり、主に制御回路80と高圧電源部70との関
係を示している。
が発生するマイクロ波の出力電力の目標値に対応する信
号(電力指令信号)である。また、Pfは、マグネトロ
ン20が実際に発生するマイクロ波出力電力である。即
ち、当該制御系は、マグネトロン20の出力電力Pfを
上記目標値に一致させるよう、フィードバック制御を行
うものである。
を経てフィードバックされたマグネトロン20の出力電
力信号Pfbとの差分を算出し、電力の制御偏差ε2と
して出力する加え合わせ点(サミング点)である。
圧電源部70に対する電流指令信号I4を生成する際の
伝達関数であり、比例特性及び積分特性をもつ。
信号I4と、伝達関数Γを経てフィードバックされた、
マグネトロン20に印加する陽極電流Ibに相当する陽
極電流信号Ifbとの差分を算出し、電流の制御偏差ε
xとして出力する加え合わせ点(サミング点)である。
圧電源部70に対する電圧指令信号Vxを生成する際の
伝達関数であり、伝達関数G4と同様に、比例特性及び
積分特性をもつ。
Vxに応じて、マグネトロン20に印加する陽極電圧V
bを出力する際の伝達関数である。即ち、制御回路80
からの電圧指令信号Vxに応じた一定レベルの交流電圧
をインバータ72が生成し、これをトランス15が高圧
変圧した後、フィルタ17を介してマグネトロンに印加
するまでの特性である。つまり、伝達関数G6は、電圧
指令信号Vxと陽極電圧Vbとの関係に相当する。
とともに、陽極電流Ibをマグネトロン20に印加する
際の伝達関数である。即ち、伝達関数G7は、陽極電圧
Vbと、この陽極電圧Vbとともに印加される陽極電流
Ibとの関係に相当する。そして、陽極電流Ibは、マ
グネトロン20に印加されるとともに、伝達関数Γを経
て、加え合わせ点S4までフィードバックされる。
流Ibを、加え合わせ点S4までフィードバックする際
の伝達関数であり、電流Ibを検出する電流センサ(図
示略)に相当する。つまり、伝達関数Γは、マグネトロ
ン20に印加する陽極電流Ibを、これに対応する出力
電流信号Ifbに変換するものである。
陽極電流Ibに応じて、出力電力Pfを出力する際の伝
達関数である。つまり、伝達関数Gpは、マグネトロン
20に印加する陽極電流Ibと、その時マグネトロン2
0が発生するマイクロ波の出力電力Pfとの関係を示す
ものであり、図7に示す実線の関係に該当する。そし
て、出力電力Pfは、負荷100に供給されるととも
に、伝達関数βを経て、加え合わせ点S3までフィード
バックされる。
を、加え合わせ点S3までフィードバックする際の伝達
関数であり、出力電力Pfを検出するセンサ40に相当
する。つまり、伝達関数βは、マグネトロン20の出力
電力Pfを、これに対応する出力電力信号Pfbに変換
するものである。
マイクロ波電源システム2においては、以下のような問
題があった。
示す図である。同図において、横軸を出力電力Pf、縦
軸を陽極電圧Vb及び陽極電流Ibとして、陽極電流I
bと出力電力Pfとの関係を実線で、陽極電圧Vbと出
力電力Pfとの関係を一点鎖線で、それぞれ示してい
る。
ロン20の出力電力Pfに関係なくほぼ一定である。即
ち、陽極電圧Vbの変動に対する出力電力Pfの変動が
大きく、陽極電圧Vbによる出力電力Pfの制御は、不
安定になり易い。一方、陽極電流Ibは、若干の変動幅
を持ちながらも、マグネトロン20の出力電力Pfにほ
ぼ比例する。従って、マグネトロン20の出力電力Pf
の制御は、陽極電流Ibにより行うことが望ましい。
構成するインバータ72は、電圧形インバータにより構
成されている。即ち、高圧電源部70に対する指令は、
電圧指令信号である必要がある。このため、マイクロ波
電源システム2の制御系には、マグネトロン20の出力
電力Pfの制御を行うための電力制御ループ(伝達関数
βに該当)に加えて、高圧電源部70による出力電流即
ちマグネトロン20に印加する陽極電流Ibを制御する
ための電流制御ループ(伝達関数Γに該当)が設けられ
ていた。即ち、当該制御系は2重の制御ループで構成さ
れていた。この2重制御ループは、1重制御ループと比
較し、おくれ要素やむだ時間要素が多い。従って、制御
応答を高速化しようとする場合、その改善には限度があ
り、マイクロ波出力の立ち上がりを高速化させることが
困難であった。
出力の立ち上がりが遅いことに起因して、例えば次のよ
うな問題が発生していた。即ち、半導体製造のある工程
において、プラズマが瞬時に着火しないと、半導体ウェ
ハが多大なマイクロ波電力を受けて損傷してしまう。ま
た、プロセス時間が数秒で終わる工程については、プロ
セス時間全体に占めるマイクロ波出力の立ち上がり時間
を無視できないため、成膜のレート管理が難しいといっ
た問題が発生していた。
1におけるマイクロ波出力の立ち上がりの高速化を実現
することであり、ひいては、マイクロ波出力の応答速度
を高速化することである。
に、請求項1記載の発明は、供給される電源出力に応じ
てマイクロ波電力を発生する発振部(例えば、図1の発
振部20)と、電流指令信号に応じた電流を発生する電
流形インバータを有し、この電流形インバータが発生す
る電流を高圧電源出力として前記発振部へ供給する電源
部(例えば、図1の高圧電源部1)と、を具備するマイ
クロ波電源システムの制御装置(例えば、図1の制御回
路60)であって、入力される電力指令値に応じた第1
電流指令値を所定の比例演算により演算して出力する第
1演算回路(例えば、図2の伝達関数G1を持つ要素)
と、前記電力指令値と前記発振部の現出力値との差分値
を演算して出力する差分演算回路(例えば、図2の加え
合わせ点S1)と、前記差分値に応じた第2電流指令値
を所定の比例積分演算により演算して出力する第2演算
回路(例えば、図2の伝達関数G3を持つ要素)と、前
記第1電流指令値と前記第2電流指令値とを加算し、加
算結果を前記電流指令信号として出力する加算回路(例
えば、図2の加え合わせ点S2)と、を備え、前記電力
指令値に応じて前記電流指令信号を演算制御し、且つ前
記発振部の現出力値により前記電流指令値を帰還制御す
ることで前記電流形インバータが発生する電流を変化さ
せて、前記発振部で発生するマイクロ波電力を前記電力
指令値が示す目標値に追従制御させることを特徴として
いる。
令値に応じて電流指令信号を演算制御し、且つ発振部の
現出力値により電流指令値を帰還制御することで電流形
インバータが発生する電流を変化させて、発振部で発生
するマイクロ波電力を電力指令値が示す目標値に追従制
御させることができる。ところで、マグネトロンには、
陽極電流は発生電力に対してほぼ比例する一方、陽極電
圧は発生電力に関わらずほぼ一定という特性がある。つ
まり、マグネトロンに対する発生電力の制御は陽極電流
で行うことが望ましい。従って、発振部がマグネトロン
で構成される場合、制御ループを電力制御のための制御
ループひとつで実現できるため、電源部が電圧形インバ
ータを備えて構成されていたために二重の制御ループ
(発振部の発生電力に対する制御ループ及び陽極電流に
対する制御ループ)が必要であった従来と比較して、発
振部の出力の応答特性を格段に高速化できる。また、電
力指令信号に比例する信号を電源部に対する電流指令信
号として与えることができる。即ち、電力指令信号に比
例する信号を即時に生成することができるため、マイク
ロ波電源システム全体の応答性を高めることができる。
更に、電力指令値と発振部の現出力値との差分値を比例
積分して得られる第2電流指令信号を第1電流指令信号
に加算することで、電源部に出力する電流指令信号の高
速化を確保しつつ、発振部の現出力値(発生電力値)と
電力指令値とのずれを補正し、より正確な制御を実現で
きる。
項1記載の制御装置において、前記第2演算回路は、前
記第2電流指令値の上限値及び/又は下限値を設定する
限度値設定回路(例えば、図2の関数f(x)を持つ要
素)を有し、限度値を超えた場合には、当該限度値を第
2電流指令値として出力するように構成してもよい。
の現出力値に対する制御が外れ、出力指令値と発振部の
現出力値との差分値が大きくなった場合、第1の電流指
令値に付加する補正信号である第2の電流指令値に限度
値を設けることができるので、制御が回復するまでの時
間を短縮することができる。
項1又は2記載の制御装置において、前記第2演算回路
は、圧縮度を設定する圧縮度設定回路(例えば、図2の
圧縮度αを持つ要素)を有し、前記比例積分演算した値
に前記圧縮度を乗算することにより第2電流指令値を算
出するように構成してもよい。
の現出力値のオーバーシュート量及びアンダーシュート
量を、一定値以下に抑えることができる。
応じてマイクロ波電力を発生する発振部(例えば、図1
の発振部20)と、前記発振部の現出力値を検出する検
出部(例えば、図1のセンサ40)と、入力される前記
マイクロ波電力の出力指令値及び前記現出力値に基づい
て、電流指令信号を演算して出力する制御部(例えば、
図1の制御回路60)と、前記電流指令信号に応じた電
流を発生させ、発生させた電流を前記発振部へ前記電源
として供給する電流源(例えば、図1の高圧電源部1
0)と、を具備し、前記出力指令値に応じて前記電流指
令信号を演算制御し、且つ前記発振部の現出力値により
前記電流指令値を帰還制御することで前記電流源の発生
する電流を変化させて、前記発振部で発生するマイクロ
波電力を前記出力指令値が示す目標値に追従制御させる
ことを特徴とするマイクロ波電源システム(例えば、図
1のマイクロ波電源システム1)である。
指令値に応じて電流指令信号を演算制御し、且つ発振部
の現出力値により電流指令値を帰還制御することで電流
源の発生する電流を変化させて、発振部で発生するマイ
クロ波電力を出力指令値が示す目標値に追従制御させる
ことができる。従って、発振部がマグネトロンで構成さ
れる場合、電源部が電圧形インバータを備えて構成され
ていたために二重の制御ループ(発振部の発生電力に対
する制御ループ及び陽極電流に対する制御ループ)が必
要であった従来と比較して、制御ループを電力制御のた
めの制御ループひとつで実現できるため、発振部の出力
の応答特性を格段に向上させることが可能となる。
項4記載のマイクロ波電源システムにおいて、前記制御
部に代えて、請求項3記載の制御装置を具備するように
構成しても良い。
好適な実施の形態を詳細に説明する。尚、図6と同一要
素については同一符号を付し、その説明を省略する。
電源システム1の構成図である。同図によれば、このマ
イクロ波電源システム1の構成は、図5のマイクロ波電
源システム2の構成とほぼ同様の構成である。
タ14は、従来の電圧形インバータに換えて、電流形イ
ンバータ(より具体的には、直列共振形インバータであ
る。)により構成される。また、この電流形インバータ
は、スイッチング素子としてサイリスタが採用されてい
る、いわゆるサイリスタインバータである。そして、イ
ンバータ14は、整流器11、及び直流リアクトル12
を経て供給される一定電流の直流電力を周波数制御し、
任意の周波数の交流電力を出力する。
り構成される整流器71に換えて、サイリスタにより形
成される整流器11を備えて構成される。この整流器1
1は、直流リアクトル12とともに、インバータ14に
対して可変直流電圧源として機能する。即ち、整流器1
1は、位相制御により出力電圧の大きさを制御し、直流
リアクトルに流れる電流の向き及び方向を一定に保つこ
とで、一定電流の直流電力をインバータ14に供給す
る。
る、マイクロ波出力電力に応じた電力信号に基づき、高
圧電源部10への電流指令信号を生成・出力する。詳細
には、インバータ14の出力する交流電力を一定電流に
保つために、整流器11の出力電圧を制御するための位
相制御信号を生成するとともに、この交流電力の周波数
を制御するために、上記スイッチング素子(サイリス
タ)のスイッチング間隔を制御する駆動信号を生成す
る。
電源システム1の制御系は、図2のようになる。図2
は、マイクロ波電源システム1の制御系を示すブロック
線図である。
に応じた電流指令信号Icを生成する際の伝達関数であ
り、比例特性をもつ。
を経てフィードバックされたマグネトロン20の出力電
力信号Pfbとの差分を算出し、電力の制御偏差ε1と
して出力する加え合わせ点(サミング点)である。
流指令信号I1を生成する際の伝達関数であり、比例特
性及び積分特性をもつ。
及び下限値を設定するための関数である。また、この要
素は、入力信号のレベルが所定レベルを超えた(入力信
号レベルが正/零の場合)、或いは下回った(入力信号
レベルが負の場合)場合には、出力信号のレベルをこの
所定レベルとする、いわゆるリミット回路により実現さ
れる。
縮するための変数である。また、この要素は、入力信号
のレベルにこのαを乗じたレベルを出力信号とする比例
要素である。但し、0<α≦1、である。
号I3とを加算し、高圧電源部10に対する電流指令信
号Ixとして出力する加え合わせ点(サミング点)であ
る。
Ixに応じて、マグネトロン20に印加する陽極電流I
bを出力する際の伝達関数である。即ち、制御回路60
からの電流指令信号Ixに応じた一定電流の交流電力を
インバータ14が生成し、これをトランス15が高圧変
圧した後、フィルタ10を介してマグネトロンに印加す
るまでの特性である。つまり、伝達関数G2は、電流指
令信号Ixと陽極電流Ibとの関係に相当する。
陽極電流Ibに応じて、出力電力Pfを出力する際の伝
達関数である。つまり、伝達関数Gpは、マグネトロン
20に印加する陽極電流Ibと、その時マグネトロン2
0が発生するマイクロ波の出力電力Pfとの関係を示す
ものである。そして、出力電力Pfは、負荷100に供
給されるとともに、伝達関数βを経て、加え合わせ点S
1までフィードバックされる。
を、加え合わせ点S3までフィードバックする際の伝達
関数であり、出力電力Pfを検出するセンサ40に相当
する。つまり、伝達関数βは、マグネトロン20の出力
電力Pfを、これに対応する出力電力信号Pfbに変換
するものである。
る電流指令信号Ixと、マグネトロン20の出力電力P
fとの関係を示す図である。同図によれば、横軸をマグ
ネトロン20の出力電力Pf、縦軸を高圧電源部10へ
の電流指令信号Ixとして、出力電力Pfと電流指令信
号Ixとの関係を実線で示している。また、2点鎖線
は、電力指令信号Pcに比例する電流指令信号Icを、
1点鎖線は、Ic±I3即ち電流指令信号Ixの上限値
を示している。
0の陽極電流Ibと出力電力Pfとはほぼ比例関係にあ
る。上述のように、高圧電源部10を構成するインバー
タ14を電流形インバータで実現しているため、高圧電
源部10は電流源となる。従って、電力指令信号Pcに
比例する信号を、高圧電源部10に対する電流指令信号
として与えることができる。即ち、電力指令信号Pcに
比例する電流指令信号Icを即時に生成することができ
るため、マイクロ波電源システム1全体の応答性を高め
ることができる。
電流Ibは、図7に示すように若干の変動幅を持ってい
る。この変動幅を補正するために、電流指令信号Icに
電流指令信号I3を付加することで、高圧電源部10に
対する電流指令信号Ixを生成する。即ち、電力指令信
号Pcに比例する電流指令信号Icに、電力の制御偏差
ε1に応じた電流指令信号I3を付加することで、従来
の電力の制御偏差ε2に応じた制御と比較し、より正確
な、より精度の高い制御を行うことができる。
生成される、電力の制御偏差ε1に応じた電流指令信号
I1即ちI3を付加することで、補正することができ
る。即ち、制御系の制御ループを、出力電力Pfのため
の制御ループひとつで実現できる。
いた従来と比較し、マイクロ波出力の応答特性を格段に
高速化できる。
の制御偏差ε1が大きくなった場合、f(x)により、
電流指令信号Icに付加する補正信号である電流指令信
号I3に限度値を設けることができるので、制御が回復
するまでの時間を短縮することができる。例えばマイク
ロ波電源装置の出力立ち上がり直後等、マイクロ波出力
の立ち上がり時には、フィードバックされる出力電力信
号Pfbはほぼ“ゼロ”であるため、過渡現象により電
流指令信号I1が急激に立ち上がることがある。しか
し、f(x)により、電流指令信号I1に限度値(上限
値及び下限値)を設けることで、このような電流指令信
号の急激な立ち上がりを回避できる。
することで、出力電力Pfのオーバーシュート量及びア
ンダーシュート量を、一定値以下に抑えることができ
る。このαは、陽極電流に対する出力電力の変動幅の大
きさに応じて決定することができる。
るものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜
変更可能である。
ばよく、例えば図4に示すような電流形インバータによ
り、高圧電源部10を実現することとしてもよい。即
ち、インバータ14がPWMインバータである場合、イ
ンバータの出力電流の大きさと周波数とはほぼ比例関係
にある。このため、制御回路60からの電流指令信号I
xを、比例する周波数信号Fに変換する(I/F変換
部)。そして、インバータ(電流型インバータ)13
は、この周波数信号Fに応じた周波数の交流電力、即ち
電流指令信号Ixに応じた電流の交流電力を出力する。
現することとしてもよいし、デジタル回路で実現するこ
ととしてもよい。
ムにおける制御応答性を高速化することができるととも
に、マイクロ波出力の立ち上がりの高速化を実現でき
る。
ブロック線図である。
特性を示す図である。
る。
ブロック線図である。
Claims (5)
- 【請求項1】供給される電源出力に応じてマイクロ波電
力を発生する発振部と、電流指令信号に応じた電流を発
生する電流形インバータを有し、この電流形インバータ
が発生する電流を高圧電源出力として前記発振部へ供給
する電源部と、を具備するマイクロ波電源システムの制
御装置であって、 入力される電力指令値に応じた第1電流指令値を所定の
比例演算により演算して出力する第1演算回路と、 前記電力指令値と前記発振部の現出力値との差分値を演
算して出力する差分演算回路と、 前記差分値に応じた第2電流指令値を所定の比例積分演
算により演算して出力する第2演算回路と、 前記第1電流指令値と前記第2電流指令値とを加算し、
加算結果を前記電流指令信号として出力する加算回路
と、 を備え、前記電力指令値に応じて前記電流指令信号を演
算制御し、且つ前記発振部の現出力値により前記電流指
令値を帰還制御することで前記電流形インバータが発生
する電流を変化させて、前記発振部で発生するマイクロ
波電力を前記電力指令値が示す目標値に追従制御させる
ことを特徴とする制御装置。 - 【請求項2】請求項1記載の制御装置であって、 前記第2演算回路は、前記第2電流指令値の上限値及び
/又は下限値を設定する限度値設定回路を有し、限度値
を超えた場合には、当該限度値を第2電流指令値として
出力することを特徴とする制御装置。 - 【請求項3】請求項1又は2記載の制御装置であって、 前記第2演算回路は、圧縮度を設定する圧縮度設定回路
を有し、前記比例積分演算した値に前記圧縮度を乗算す
ることにより第2電流指令値を算出することを特徴とす
る制御回路。 - 【請求項4】供給される電源に応じてマイクロ波電力を
発生する発振部と、 前記発振部の現出力値を検出する検出部と、 入力される前記マイクロ波電力の出力指令値及び前記現
出力値に基づいて、電流指令信号を演算して出力する制
御部と、 前記電流指令信号に応じた電流を発生させ、発生させた
電流を前記発振部へ前記電源として供給する電流源と、 を具備し、前記出力指令値に応じて前記電流指令信号を
演算制御し、且つ前記発振部の現出力値により前記電流
指令値を帰還制御することで前記電流源の発生する電流
を変化させて、前記発振部で発生するマイクロ波電力を
前記出力指令値が示す目標値に追従制御させることを特
徴とするマイクロ波電源システム。 - 【請求項5】請求項4記載のマイクロ波電源システムで
あって、 前記制御部に代えて、請求項3記載の制御装置を具備す
ることを特徴とするマイクロ波電源システム。
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