JP3525528B2 - 塩化第二鉄液の再生装置 - Google Patents

塩化第二鉄液の再生装置

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JP3525528B2
JP3525528B2 JP32204494A JP32204494A JP3525528B2 JP 3525528 B2 JP3525528 B2 JP 3525528B2 JP 32204494 A JP32204494 A JP 32204494A JP 32204494 A JP32204494 A JP 32204494A JP 3525528 B2 JP3525528 B2 JP 3525528B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は塩化第二鉄液の再生装置
に関し、更に詳細には塩化第一鉄塩を含む塩化第二鉄液
に電解を施して再生する塩化第二鉄液の再生装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、ニッケル−鉄合金、銅、又は銅合
金等の金属製品にエッチング加工を施し、金属製品に微
細加工を施すことが行われている。このエッチング加工
には、エッチング液として塩化第二鉄塩を有効成分とす
る塩化第二鉄液が用いられている。かかるエッチング加
工においては、エッチング液中のFe+3がFe+2に変化する
と共に、金属製品の金属イオンがエッチング液中に蓄積
し、エッチング能力が次第に低下する。このため、特公
昭63−40868号公報等においては、Fe+2等が蓄積
してエッチング能力が低下した塩化第二鉄液を、陰イオ
ン交換膜によって陽極電極を含む陽極室と陰極電極を含
む陰極室とに区画された電解槽に流し、陽極室を流れる
陽極流中のFe+2をFe+3とすると共に、蓄積した金属イオ
ンを除去することによって、塩化第二鉄液の再生を図っ
ている。かかる従来の塩化第二鉄液の再生の際に、電解
槽には、陰極室を流れる陰極流と陽極室を流れる陽極流
とが並流となるように、塩化第二鉄液を各室に供給して
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記公報に掲載された
塩化第二鉄液の再生装置によれば、電解によってエッチ
ング能力が低下した塩化第二鉄液を再生することがで
き、エッチング液として再使用することができる。しか
し、電解槽の陽極室を流れる陽極流と陰極室を流れる陰
極流とが並流であるため、塩化第二鉄液の再生効率が低
い欠点がある。特に、陽極室と陰極室とを区画する隔膜
として、通電液抵抗を低くし得る多孔性隔膜を採用した
ところ、隔膜を通してFe+2とFe+3とが混合され易く塩化
第二鉄液の再生効率が著しく低下することが判明した。
そこで、本発明の目的は、塩化第二鉄液の再生効率を高
くし得る塩化第二鉄液の再生装置を提供することにあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記目的
を達成すべく検討を重ねた結果、陽極室と陰極室とを区
画する隔膜として多孔性隔膜を採用した場合であって
も、陽極室に流す陽極流と陰極室に流す陰極流とを向流
とすることにより、塩化第二鉄液の再生効率を向上でき
ることを知って本発明に到達した。すなわち、本発明
は、塩化第一鉄塩を含む塩化第二鉄液に電解を施して再
生する塩化第二鉄液の再生装置において、該塩化第一鉄
塩を含む塩化第二鉄液に電解を施す電解槽が多孔性隔膜
又はイオン交換膜から成る隔膜によって陽極電極を含む
陽極室と陰極電極を含む陰極室とに区画されており
記陽極室の容積が陰極室の容積よりも大であると共に、
前記陽極電極の面積が陰極電極の面積よりも大であっ
て、且つ前記陽極室を流れて再生される塩化第一鉄塩を
含む塩化第二鉄液の陽極流と、前記陰極室を流れる塩化
第一鉄塩を含む塩化第二鉄液の陰極流とが、前記隔膜を
介して向流接触するように、陽極室と陰極室との各々に
塩化第二鉄液の流入口及び流出口が設けられていること
を特徴とする塩化第二鉄液の再生装置にある。
【0005】かかる構成を有する本発明において、電
槽を構成する陽極室及び陰極室の各室に、屈曲した流路
を形成することにより、塩化第二鉄液の均一な流れを作
りだすことができる。更に、電解槽を構成する陽極室及
び陰極室に設けられた各電極を複数個に分割することに
よって、分割された各電極に導通する電流を調整して各
電極の電流密度を最適値に調整できる。
【0006】特に、電解槽の陽極室に設ける陽極電極を
複数個の小陽極電極に分割すると共に、前記小陽極電極
の各々が塩化第二鉄液の流入口から流出口方向に電極面
積が次第に小さくなるように配列し、且つ陰極室に設け
る陰極電極を複数個の小陰極電極に分割すると共に、前
記小陽極電極に対向して配設する小陰極電極の面積を対
向する小陽極電極の面積以下とすることによって、小陽
極電極と小陰極電極との各々の電流密度を容易に最適値
とすることができる。この様に、陽極電極の面積を陰極
電極の面積よりも大とする塩化第二鉄液の再生装置とし
ては、電解槽を円筒状とし、中心近傍に設けられた陰極
を囲むように円筒状の隔膜を設けると共に、この円筒状
の隔膜を囲むように円筒状の陽極を設けた再生装置が好
適である。かかる電解槽を多段に設けると、第1段目の
電解槽でFe+2からFe+3への酸化反応を主として行った
後、第2段目以降の電解槽で塩化第二鉄液中に溶解され
ている金属の析出反応を効率的に行うことができる。
【0007】
【作用】従来の並流式再生装置においては、陽極流と陰
極流とのFe+3濃度差が流体の出口方向に向かって次第に
大きくなり、出口近傍でFe+3濃度差が最大となる。一
方、流体中のFe+2濃度差も、流体の出口方向に向かって
次第に大きくなり、出口近傍でFe+2濃度差が最大とな
る。ところで、多孔性隔膜又はイオン交換膜から成る隔
膜を通過するイオン透過量は、イオン濃度差に比例す
る。このため、出口近傍において、Fe+3の陽極流から陰
極流への透過量、及びFe+2の陰極流から陽極流への透過
量が最大となるため、塩化第二鉄液の再生効率を低下さ
せる。かかる塩化第二鉄液の再生効率の低下を向上させ
るべく、電解電圧を上昇させると、液温が上昇すると共
に、陽極室で塩素ガス等が発生するため、電解電圧の上
昇にも限界がある。この点、本発明においては、塩化第
二鉄液の陽極流と陰極流とを隔膜を介して向流に流す向
流式再生装置であるため、並流式再生装置に比較して、
陽極流と陰極流とのFe+3濃度差及びFe+2濃度差を小さく
することができ、隔膜を透過するFe+3及びFe+2の透過量
を可及的に少なくできる。このため、塩化第二鉄液の再
生効率を向上することができる結果、塩化第二鉄液の再
生を、液温が上昇し且つ陽極室で塩素ガス等が発生する
ような電解電圧よりも低電圧の電解電圧で行うことがで
きる。更に、本発明では、電解槽を構成する陽極室の容
積を陰極室の容積よりも大とし、陽極電極の面積を陰極
電極の面積よりも大とすることによって、陰極電流密度
を高くすることができ、陰極電極に金属イオンの析出を
促進できる。
【0008】
【発明の構成】本発明を図面によって更に詳細に説明す
る。図1は、本発明に係る塩化第二鉄液の再生装置の一
実施例を示す略線図である。図1において、塩化第一鉄
塩を含む塩化第二鉄液に電解を施す電解槽10は、多孔
性隔膜又はイオン交換膜から成る隔膜12によって陽極
室14と陰極室16とに区画されている。かかる陽極室
14を形成する電解槽10の内壁面近傍には陽極電極1
8が設けられており、陰極室16の陽極電極18と対向
する電解槽10の内壁面近傍には陰極電極20が設けら
れている。この陽極室14には、貯留タンク22から再
生用塩化第二鉄液が供給され、陽極室14を通過した再
生済塩化第二鉄液は再生貯留タンク24に貯留された
後、エッチング液として再使用される。一方、陰極室1
6には、陰極液貯留タンク26から陰極室用塩化第二鉄
液が供給される。この陰極室用塩化第二鉄液は、循環使
用される。
【0009】この様な、電解槽10において、隔膜12
として、ポリ塩化ビニリデン合成繊維布帛(サラン繊維
布帛)やメンブレン等の多孔性隔膜を使用することによ
って、通電液抵抗を低くすることができる。また、イオ
ン交換膜としては、市販されている陰イオン交換膜等を
使用できる。更に、陽極電極18と陰極電極20との電
極面積は、同面積とすることによって通電液抵抗を低く
することができる。
【0010】ところで、本発明において使用する多孔性
隔膜又はイオン交換膜から成る隔膜12は、陽極室14
と陰極室16とを通過する各流体中のイオンが透過する
ものである。従って、陽極室14を流れる陽極流中のイ
オンの一部が隔膜12を透過して陰極室16を流れる陰
極流中に混入し、陰極流中のイオンの一部も隔膜12を
透過して陽極流中に混入する。このため、同一組成の再
生用塩化第二鉄液を、図1に示す陽極室14と陰極室1
6とに並流として流したとき、陽極流と陰極流とのFe+3
濃度を図2に示す。図2は、各室の入口から出口への距
離に対するFe+3濃度を示したものであり、陽極流と陰極
流とのFe+3濃度差が流体の出口方向に向かって次第に大
きくなり、出口近傍でFe+3濃度差が最大となる。また、
図示しなかったが、陽極流と陰極流とのFe+2濃度差も、
流体の出口方向に向かって次第に大きくなり、出口近傍
でFe+2濃度差が最大となる。
【0011】一方、隔膜12を通過するイオン透過量
は、通常、隔膜12によって区画されている流体間のイ
オン濃度差に比例する。従って、図2に示す如く、陽極
流と陰極流とが並流である場合、出口近傍において、Fe
+3の陽極流から陰極流への透過量、及びFe+2の陰極流か
ら陽極流への透過量が共に最大となるため、塩化第二鉄
液の再生効率を低下させる。かかる塩化第二鉄液の再生
効率の低下を向上させるべく、電解電圧を上昇させる
と、液温が上昇すると共に、陽極室で塩素ガス等が発生
するため、電解電圧の上昇にも限界がある。
【0012】この点、陽極流と陰極流とを向流とした場
合、図3に示す様に、陽極流と陰極流とのFe +3 濃度差
は、図2に比較して小さくすることができ、隔膜12を
透過するFe +3 及びFe +2 の透過量を可及的に少なくでき
る。このため、塩化第二鉄液の再生効率を向上すること
ができる結果、塩化第二鉄液の再生を、液温が上昇し且
つ陽極室で塩素ガス等が発生する電解電圧よりも低電圧
の電解電圧で行うことができる。
【0013】図1に示す再生装置において、電解槽10
を構成する陽極室14の容積を、陰極室16の容積より
も大とし、陽極電極18の面積を陰極電極20の面積よ
りも大とすることによって、陽極電極18の電流密度を
低く保ちつつ陰極電極20の電流密度を高くすることが
できる。このため、陽極室14では、Fe+2からFe+3への
酸化反応を主として行わせると共に、陰極室16では
鉄、ニッケル、或いは銅等の金属の析出を行わせること
が可能となる。ここで、陽極室14でFe+2からFe+3への
酸化反応を主として行わせるためには、陽極電極18の
電流密度を3.0A/dm2 以下とすることが好ましい。
この場合、陽極室14と陰極室16との容積比(陽極室
14の容積/陰極室16の容積)を3以上とすることが
好ましい。また、陽極室14でFe+2からFe+3への酸化反
応を主として行わせつつ陰極室16で金属の析出を効率
良く行うためには、陽極電極18の電流密度を3.0A
/dm2 以下とすると共に、陰極電極20の電流密度を5
〜8A/dm2 とすることが好ましい。この様に、電極間
で電流密度差がある場合、陽極室14と陰極室16との
容積比(陽極室14の容積/陰極室16の容積)を12
5〜280とすることが好ましい。かかる容積比で電解
を行うことによって、陰極室16内で陰極流中のFe+3
速やかにFe+2に還元することができ、陰極電極20の表
面に析出した金属に対するFe+3のアタックを防止でき
る。
【0014】この様に、陽極室14と陰極室16との容
積比が大きい場合には、図4に示す電解槽10を使用す
ることが好ましい。この図4に示す電解槽10は、断面
形状が長方形をしており、その略中央部に隔膜12に囲
まれた断面形状が略楕円形で且つ陰極電極20が設けら
れた陰極室16が形成されている。また、陽極室14、
14は、隔膜12によって区画された電解槽10の部分
であり、各陽極室14には陰極電極20と対向する位置
に陽極電極18、18が設けられている。かかる陽極室
14、14には、陽極室流入管28、28を経由して再
生用塩化第二鉄液が供給され、陽極室流出管30、30
から再生済塩化第二鉄液が流出される。一方、陰極室1
6には、陽極室14、14を流れる陽極流に対して向流
となるように、陽極室流出管30、30側に設けられた
陰極室流入管32を経由して陰極用塩化第二鉄液が流入
し、陽極室流入管28、28側に設けられた陰極室流出
管34から陰極用塩化第二鉄液が流出する。図4に示す
再生装置によれば、陽極電極18、18の合計面積を、
陰極電極20の面積よりも著しく大とすることができる
ため、陰極電極20の電流密度に比較して、陽極電極1
8、18の電流密度を著しく低くできる。尚、隔膜12
をサラン繊維布帛等の剛性を有しない材料で形成する場
合には、隔膜12のサポート用として、ポリ塩化ビニル
等の合成樹脂製の多孔板を使用することが好ましい。
【0015】図4に示す電解槽10において、陽極室1
4、14又は陰極室16内には、何等の堰もないため、
陽極室14又は陰極室16内に均一な流れを形成するこ
とは困難である。このため、各室内に流れが滞留する滞
留部分ができ易く、部分的に液温が60℃を越える高温
となる場合がある。この点、図5に示す様に、陽極室1
4及び陰極室16内を複数枚の堰34、38と沈埋堰3
6、40とに区画することによって、図6に示す様に、
陽極室14及び陰極室16内に屈曲した流路を形成する
ことができ、均一な流れを各室内に形成できるため、液
温も均一温度とすることができる。尚、図6に示す様
に、図5に示す堰34、38は、堰の下方に流体が通過
する隙間が形成されており、沈埋堰36、40は、流体
が沈埋堰の上方を溢流するように設けられている。
【0016】図5に示す電解槽10では、図7に示す様
に、陽極室14は、堰34、沈埋堰36、及び隔膜12
によって等分に分割された小陽極室15、15・・に区
画され、且つ陰極室16も、堰38、沈埋堰40、及び
隔膜12によって等分に分割された小陰極室17、17
・・に区画されている。これら小陽極室15、15・・
と小陰極室17、17・・との各々の数は同数であり、
且つ隔膜12を介して隣接する一対の小陽極室15と小
陰極室17との各々には、略同一面積の小陽極電極1
8′と小陰極電極20′とが互いに対向する位置に設け
られている。この様に、陽極電極18及び陰極電極20
の各々を、複数個の小陽極電極18′、18′・・と小
陰極電極20′、20′・・とに分割して設けることに
よって、一枚の小陽極電極18′と小陰極電極20′と
から成る一対の電極に加える電解電圧を調整できる。こ
のため、流体の流路に沿って最適電解電圧とすることが
でき、電解効率等の向上を図ることができる。
【0017】図7に示す電解槽10では、小陽極室1
5、15・・と小陰極室17、17・・との各々は、等
分に分割されているため、小陽極電極18′と小陰極電
極20′とは略同一面積である。このため、陰極電極に
金属を析出させようとする場合、前述した様に、小陽極
電極18′と小陰極電極20′との電流密度差を大きく
することが必要である。特に、Fe+2濃度が高くなる陰極
流の出口近傍における小陰極電極20′の電流密度を高
くすることが必要である。一方、陰極流の出口近傍に相
当する部分は、陽極流の入口近傍であるため、この部分
に配設された小陽極電極18′の電流密度は低くする必
要がある。この様に、陰極流の出口近傍と陽極流の入口
近傍とにおいては、小陽極電極18′と小陰極電極2
0′との電流密度差は拡大する。
【0018】かかる場合には、図8に示す電解槽10を
使用することが好ましい。この電解槽10では、小陰極
室17、17・・は堰38、沈埋堰40、及び隔膜12
によって等分に区画されているが、堰34、沈埋堰3
6、及び隔膜12によって区画された小陽極室15a、
15b、15c、15dの容積は、陽極流の入口から出
口方向に小陽極室15a>15b>15c=15dの順
序に次第に小さくなり、各小陽極室の横幅も容積と同様
の順序で狭くなる。このため、各小陽極室に配設された
小陽極電極の面積は、陽極流の入口から出口方向に、小
陽極電極18a、18b、18c、18dの順序で次第
に狭くなる。一方、各小陰極室に配設された小陰極電極
20a〜20hは、同一面積に形成されており、小陽極
電極18c、18dに対し、小陰極電極20a、20b
が一対一で対応する。また、小陽極電極18aに対し、
四枚の小陰極電極20e〜20hが対応し、且つ小陽極
電極18bに対し、二枚の小陰極電極20c、20dが
対応する。従って、図8に示す電解槽10によれば、陽
極流の入口近傍に位置する小陽極電極18aの電流密度
を低く保持しつつ、陰極流の出口近傍に位置する小陰極
電極20hの電流密度を高くすることができるため、陽
極流ではFe+2からFe+3への酸化反応を支配的に起こさせ
つつ、陰極流の出口近傍では金属の析出を行わせること
ができる。
【0019】本発明の再生装置を構成する電解槽10
は、図4に示す様に、陰極室容積を陽極室容積に対して
可及的に小容積とすることが好ましい。この様に、陰極
室容積と陽極室容積とが極端に異なる場合には、図9に
示す様に、円筒形状の電解槽10を採用することが好ま
しい。図9に示す電解槽10では、円筒形の電解槽本体
44の中心に棒状の陰極電極20が設けられ、この陰極
電極20を中心として隔膜12が円筒状に形成されてい
る。かかる隔膜12は、塩化ビニール管に多数の孔(図
示せず)が穿設された多孔管42によって保持されてい
る。更に、電解槽本体44の内壁面の近傍に、内壁面に
沿って円筒状に陽極電極18が設けられている。このた
め、円筒状の隔膜12と円筒状の陽極電極18との間が
陽極室14に形成され、且つ陰極電極20と円筒状の隔
膜12との間が陰極室16に形成される。この陽極室1
4には、電解槽10の上面に形成された陽極室流入管2
8を経由して再生用塩化第二鉄液が供給され、電解槽1
0の底面に形成された陽極室流出管30から再生済塩化
第二鉄液が流出される。一方、陰極室16には、電解槽
10の底面に形成された陰極室流入管32を経由して陰
極用塩化第二鉄液が流入し、電解槽10の上面に形成さ
れた陰極室流出管34から陰極用塩化第二鉄液が流出す
る。この様に、円筒形の電解槽本体44の中心近傍に設
けられた陰極室16は、電解槽本体44の内壁面近傍に
設けられた陽極室14に比較して、容易に小容積にで
き、且つ陰極電極20の面積も陽極電極18の面積より
も容易に小面積とすることができる。
【0020】図9に示す電解槽10を、図10に示す様
に、多段とすることによって、第1段目の電解槽10A
では、主としてFe+2からFe+3への酸化反応を支配的に起
こさせる電解条件を採用し、第2段目の電解槽10Bで
は、金属を析出させる電解条件を採用することができ
る。このため、再生用塩化第二鉄液の再生と溶解した金
属の析出とを効率的に行うことができる。図10に示す
電解槽10Aと電解槽10Bとは、図9に示す電解槽1
0と同一構造であるため、ここでは各電解槽の詳細な説
明を省略する。但し、電解槽10Aの陽極室流出管30
Aから流出した再生済塩化第二鉄液は、電解槽10Bの
上面から陽極室14Bに供給され、電解槽10Bの底面
に形成された陽極室流出管30Bから流出される。ま
た、電解槽10Aの陰極室流出管34Aから流出した陰
極用塩化第二鉄液は、電解槽10Bの底面から陰極室1
6Bに供給され、電解槽10Bの上面に形成された陰極
室流出管34Bから流出される。
【0021】以上、述べてきた電解槽に用いた陽極電極
及び陰極電極としては、白金めっき等が施されたプレー
ト状の電極を使用したが、白金めっき等が施されたラス
編み状の電極を使用してもよい。
【0022】
【実施例】以下、実施例によって更に本発明を詳細に説
明する。 実施例1 図1に示す再生装置を使用して塩化第二鉄液の再生を行
った。再生装置の電解槽10は、下記表1に示す仕様で
あった。
【表1】 また、下記表2に示す組成の塩化第二鉄液を、貯留タン
ク22と陰極液貯留タンク26とに貯留させ、貯留タン
ク22から陽極室14に1.81リットル/hrの流速
で再生用塩化第二鉄液(原液)を連続供給し、陽極室1
4から流出した再生塩化第二鉄液(再生液)を再生貯留
タンク24に貯留した。一方、陰極液貯留タンク26に
貯留した塩化第二鉄液は、循環使用する陰極用塩化第二
鉄液(循環液)として使用し、陰極液貯留タンク26か
ら循環液を陰極室16に0.61リットル/hrの流速
で連続供給しつつ、陰極室16から流出した循環液を再
び陰極液貯留タンク26に戻して循環使用した。この際
の電解条件は、液温度50℃に保持しつつ電解電流40
Aを流した。
【表2】 陽極室14の出口の再生液は、新液と同程度のエッチン
グ能力を有するものであり、この再生液と陰極室16の
出口の循環液とを分析した分析結果を下記表3に示す。
【表3】 表2と表3とから明らかな様に、再生液は、原液に比較
して、Fe+2濃度が減少しFe+3濃度は増加している。一
方、陰極室16から流出した循環は、原液に比較して、
Fe +2濃度が増加しFe+3濃度は減少している。また、Ni+2
は、再生液及び循環液ともに、原液と殆ど変わらず、陰
極電極20に析出していないことを示す。
【0023】実施例2 図1に示す再生装置において、電解槽10を図8に示す
電解槽に代えて塩化第二鉄液の再生を行った。図8に示
す電解槽10の仕様を下記表4に示す。
【表4】 次いで、図8に示す電解槽10を使用した再生装置によ
って、実施例1と同組成の原液と循環液とを使用し、原
液の再生を行った。その際の電解条件を下記表5に示
す。
【表5】 表5において、小陰極電極20e〜20f、小陰極電極
20g、小極電極20hの電流密度が異なっているが、
各小陰極電極毎に別々の電源から電流を供給するか、或
いは各小陰極電極毎に異なる値の抵抗を挿入することに
よって各小陰極電極に流す電流を変えることができる。
本実施例においては、表5に示す様に、小陽極室15a
〜15dにおける各小陽極電極18a〜18dの電流密
度を3A/dm2 以下とすることができ、Fe+2からFe+3
への酸化反応をスムーズに行うことができ、得られた再
生液は、新液と同程度のエッチング能力を有するもので
あった。また、陰極流の出口近傍の小陰極電極20e〜
20h、特に小陰極電極20g、20hにおいては、3
A/dm2 を越える電流密度とすることができ、原液中
に溶解されたFe、Ni金属を析出させることができた。
【0024】実施例3 図1に示す再生装置の電解槽10を、図10に示す様
に、円筒形状の電解槽10Aと電解槽10Bとを直列に
連結したものに代えた。この電解槽10Aと電解槽10
Bとの仕様を下記表6に示す。
【表6】 次いで、図10に示す電解槽10Aと電解槽10Bとを
使用した再生装置によって、実施例1と同組成の原液と
循環液とを使用し、原液の再生を行った。その際の電解
条件を下記表7に示す。
【表7】 電解槽10Bの陽極室14Bから流出する再生液は、新
液と同程度のエッチング能力を有するものであった。ま
た、電解槽10Aの陰極室16Aから流出した循環液、
及び電解槽10Bの陰極室16Bから流出した循環液を
分析した結果を下記表8に示す。
【表8】 表8から明らかなように、電解槽10AではFe、Ni金属
が析出しておらず、陽極室14Aにおいて、Fe+2からFe
+3への酸化反応が主として行われている。一方、電解槽
10Bでは、陰極室16Bにおいて、Fe、Ni金属が析出
しており、その析出速度は16.9g/hrであった。
また、その組成は、Fe金属が95.6重量%であり、Ni
金属が4.4重量%であった。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、エッチング等に使用し
た塩化第二鉄液を効率良く再生することができ、塩化第
二鉄液を循環使用することができる。このため、塩化第
二鉄液の廃液処理量を著しく抑制でき、資源の有効利用
を図ることができると共に、環境汚染の改善も図ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す略線図である。
【図2】電解槽に陰極流と陽極流とを並流とした場合の
Fe +3 濃度差を説明するためのグラフである。
【図3】電解槽に陰極流と陽極流とを向流とした場合の
Fe +3 濃度差を説明するためのグラフである。
【図4】電解槽の一実施例を示す斜視図である。
【図5】電解槽の他の実施例を示す斜視図である。
【図6】図5に示す電解槽の断面図である。
【図7】図5に示す電解槽の平面図である。
【図8】電解槽の他の実施例を示す平面図である。
【図9】電解槽の他の実施例を示す斜視図である。
【図10】図9に示す電解槽を多段に使用した状態を示
す斜視図である。
【符号の説明】
10 電解槽 12 隔膜 14 陽極室 16 陰極室 18 陽極電極 20 陰極電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荒井 亮治 長野県長野市大字鶴賀緑町1401番地 信 光工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭51−136594(JP,A) 特開 平5−125564(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23F 1/00 - 4/04 C25F 7/02

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化第一鉄塩を含む塩化第二鉄液に電解
    を施して再生する塩化第二鉄液の再生装置において、 該塩化第一鉄塩を含む塩化第二鉄液に電解を施す電解槽
    が多孔性隔膜又はイオン交換膜から成る隔膜によって陽
    極電極を含む陽極室と陰極電極を含む陰極室とに区画さ
    ており前記陽極室の容積が陰極室の容積よりも大であると共
    に、前記陽極電極の面積が陰極電極の面積よりも大であ
    って、 且つ前記陽極室を流れて再生される塩化第一鉄塩を含む
    塩化第二鉄液の陽極流と、前記陰極室を流れる塩化第一
    鉄塩を含む塩化第二鉄液の陰極流とが、前記隔膜を介し
    て向流接触するように、陽極室と陰極室との各々に塩化
    第二鉄液の流入口及び流出口が設けられていることを特
    徴とする塩化第二鉄液の再生装置。
  2. 【請求項2】 電解槽を構成する陽極室及び陰極室の各
    室に、屈曲された流路が形成されている請求項1記載の
    塩化第二鉄液の再生装置。
  3. 【請求項3】 電解槽を構成する陽極室及び陰極室に設
    けられた各電極が複数個に分割されている請求項1又は
    請求項2記載の塩化第二鉄液の再生装置。
  4. 【請求項4】 電解槽の陽極室に設けられる陽極電極が
    複数個の小陽極電極に分割されていると共に、前記小陽
    極電極の各々が塩化第二鉄液の流入口から流出口方向に
    電極面積が次第に小さくなるように配列され、 且つ陰極室に設けられる陰極電極が複数個の小陰極電極
    に分割されていると共に、前記小陽極電極に対向して配
    設された小陰極電極の面積が対向する小陽極電極の面積
    以下である 請求項1〜3記載のいずれか一項記載の塩化
    第二鉄液の再生装置。
  5. 【請求項5】 電解槽が円筒状であり、中心近傍に設け
    られた陰極電極を囲むように円筒状の隔膜が設けられて
    いると共に、前記円筒状の隔膜を囲むように円筒状の陽
    極電極が設けられている請求項1記載の塩化第二鉄液の
    再生装置。
  6. 【請求項6】 電解槽が多段に設けられている請求項1
    〜5のいずれか一項記載の塩化第二鉄液の再生装置。
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