JP3523751B2 - 加圧型下方注入式オゾン接触槽とその制御方法 - Google Patents

加圧型下方注入式オゾン接触槽とその制御方法

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JP3523751B2 JP09578396A JP9578396A JP3523751B2 JP 3523751 B2 JP3523751 B2 JP 3523751B2 JP 09578396 A JP09578396 A JP 09578396A JP 9578396 A JP9578396 A JP 9578396A JP 3523751 B2 JP3523751 B2 JP 3523751B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は上下水道の処理方法
としてのオゾン処理装置に適用して有用な加圧型下方注
入式オゾン接触槽とその制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年における都市部での水環境の悪化に
伴って河川とか湖沼の水質汚濁が進んでおり、従来の凝
集沈澱とか砂濾過処理及び塩素処理との組み合わせだけ
では、水道用原水中の色度,臭気の除去作用に限界点が
生じている現状にある。特に我国の水道水として利用さ
れる水源の約70%は、地表水と呼ばれる湖沼水,ダム
水及び河川水に依存しており、これら湖沼水とかダムに
は富栄養化に伴う生物活動が活発化することによるカビ
臭とか藻臭の発生があり、他方の河川水には各種排水に
含まれている有機物とかアンモニア性窒素が流入され、
河川の自然浄化作用によってこれらの流入物を完全に浄
化することは期待できない状況にある。
【0003】このような高度経済成長に伴う水源の水質
悪化に対処するため、前塩素処理が一般的に採用されて
いるが、前塩素処理を採用した浄水過程で発生する有機
塩素化合物であるトリハロメタン(THM)が発ガン性
を有していることが知られている。このような水源のカ
ビ臭とか藻臭の消去、及びトリハロメタン等発ガン物質
対策として、浄水の操作工程中にオゾン処理、又は該オ
ゾン処理と活性炭処理との複合処理を導入する高度浄水
システムが検討されている。
【0004】オゾンガスはそれ自身の持つ強力な酸化力
で水中に溶解している溶存性の有害物質を酸化除去する
作用があり、近時は上水のみならず下水処理にも採用さ
れている。しかしオゾン処理は塩素処理に比して約2倍
のコスト増となるため、オゾンガスの処理効果をより一
層高めることが要求され、そのため無数の微細なオゾン
ガスの気泡を作ることによって水とオゾンガスとの接触
効率を上げて、効率良くオゾンガスを水中に溶解吸収さ
せることが必須の要件となっている。
【0005】従来からオゾンガスの接触効率及び吸収効
率を上げるための手段として、散気管型オゾン接触槽と
か下方注入式オゾン接触槽(Uチューブ型オゾン接触
槽)が知られている。上記散気管型オゾン接触槽の一例
として、例えば「オゾン利用水処理技術」(宗宮 功,
公害対策技術同好会,1989年5月)には、図12に
示したように上下対向流式のオゾン接触槽の例が開示さ
れている。
【0006】即ち、この例ではオゾン接触槽1の内部に
底面から立ち上がる隔壁2,2と、上面から垂下された
隔壁3,3が配設されていて、この隔壁2,3によって
気相部が分離されているとともに液相部が相互に連通さ
れた越流式の複数の反応室が構成されている。
【0007】そして各室の内方底面近傍に数十μmの微
細孔を持つセラミック等の散気管4,4が配置されてい
て、図外のオゾン発生装置から得られるオゾンガスが該
散気管4,4に送り込まれ、流入口5から流入する被処
理水とオゾンガスとが矢印A,Aに示すように対向流と
して接触することによって該オゾンガスの接触効率が高
められ、オゾン処理水10として流出する。
【0008】他方の下方注入式オゾン反応槽(Uチュー
ブ型オゾン反応槽)は別名インジェクター型オゾン接触
槽とも呼称され、図13に示したように縦長のオゾン接
触槽1の内方に内管6が配置されていて、オゾン発生装
置7で得られるオゾンガスがガス放出管8を介して内管
6の上部から送り込まれる。そしてオゾンガス接触槽1
の側方の流入口5から流入する被処理水とオゾンガスと
が内管6内で下降流として継続的に接触して所望のオゾ
ン処理が行われ、そのまま内管6の外壁面に沿って上昇
してオゾン接触槽1の上方部からオゾン処理水10とし
て流出する。未反応のオゾンガスは排オゾン処理装置9
に送り込まれて清浄化処理される。
【0009】上記オゾン接触槽1の縦方向の長さは20
〜30メートルと可成長くなっていて、これによって内
管6内の水圧が2.0〜2.5(kgf/cm2)のレベ
ルに保持される。
【0010】このUチューブ型オゾン接触槽は、内管6
で発生する乱流によってオゾンガスと被処理水との気液
接触効果が高められ、オゾンガスが内管6内を流下する
につれて増大する水圧によって該オゾンガスの水中への
溶解が促進されるので、散気管方式に較べてオゾン溶解
効率で5〜10%向上しており、オゾンガスと被処理水
との接触時間を約5倍以上取ることができるとともに反
応槽内での滞留時間は1/5以下に短縮することができ
るという特徴を有している。又、オゾン接触槽が縦長で
あるため、オゾン処理施設の設置スペースが散気管方式
の1/5ですむという利点を有している。
【0011】かかるオゾン反応槽を用いることにより、
塩素よりもはるかに酸化力の強力なオゾンガスによって
被処理水の異臭味とか色度除去、有害物質の酸化除去が
行われる(上記Uチューブ型オゾン処理装置に関して
は、第2回日本オゾン協会年次研究講演会講演集の第7
6頁〜第77頁,鳥山ら「Uチューブ型オゾン接触槽の
有機物除去特性」を参照)。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記した
高度浄水システム等に採用されるオゾン接触槽は、被処
理水に対するオゾンガスの吸収効率を上げるための制御
方法が確立されていないため、経時的な吸収効率低下現
象が発生する惧れがある外、装置の大型化等に起因する
コストアップを招来してしまうという課題がある。
【0013】例えば図12に示した散気管型オゾン接触
槽は、処理が進むにつれて散気管4の表面にオゾンガス
によって酸化された鉄とかマンガンが付着して、散気管
4の目詰まりに起因する経時的なオゾン吸収効率低下現
象を引き起こす惧れがあり、これに対処して散気管自体
の交換が必要になるという問題がある。更にオゾンガス
による反応時間を充分に取るためには、接触槽を大型化
しなければならないので、設備費等に要するコストアッ
プを招来するとともに、装置を設置するための大きな敷
地面積を要することになり、都市部における浄水場のよ
うに用地確保が困難な地区での採用が難しい。
【0014】他方の図13に示したUチューブ型オゾン
接触槽は、散気管型オゾン接触槽に比較してオゾン溶解
効率で5〜10%程度向上しており、且つオゾンガスと
被処理水との接触時間も5倍以上長く取ることができる
とともに接触槽内での滞留時間は1/5以下に短縮する
ことができるという利点があるが、前記したようにオゾ
ン接触槽の水深が20〜30メートルと可成長くなって
いるので、散気管方式よりも施設の建設工事が複雑にな
るという問題があり、更に接触槽内に貯留される堆積物
の除去とか槽内の清掃が簡便に行えない上、接触槽の底
部近傍で何等かの障害が発生しても直ちに処置すること
ができないという難点を有している。
【0015】ここで別の観点からオゾンの反応過程を考
察してみると、このオゾン反応過程はオゾンの拡散が律
速する初期段階と、オゾン反応が律速する後期段階とに
大別することができる。従って気液反応接触槽もこれら
の特性を踏まえた装置であることが理想的であり、例え
ばオゾン反応の初期時には拡散効率を高めるための大き
な接触面積と強力な撹拌機構を備え、オゾン反応の後期
時には十分な反応を得るための滞留時間が確保される装
置であることが望ましい。
【0016】前記2種類のオゾン接触槽の反応過程を考
慮すると、オゾン反応の初期時にはUチューブ型オゾン
接触槽が適しており、オゾン反応の後期時には散気管型
オゾン接触槽が適しているものといえる。
【0017】更に近時はオゾンの酸化力を高めるため
に、促進酸化処理法(AOP法と略称される)が開発さ
れている。この促進酸化処理法を大別すると、「オゾン
・過酸化水素処理」,「オゾン・紫外線処理」が挙げら
れる。このような併用処理の特徴は処理時間の短縮とか
処理装置の小型化をはかる点にあり、特に「オゾン・過
酸化水素処理」方法は欧米で実用化されている。
【0018】上記のオゾン・過酸化水素及びオゾン・紫
外線併用処理は、何れもオゾンからOHラジカル(間接
反応)を生成することで酸化を促進することが動作原理
となっている。しかしながら有機物質群の中ではOHラ
ジカルよりもオゾンとの境膜反応(直接反応)の方が反
応性に富む有機物質群,たとえばフルボ酸があると言わ
れている。従ってオゾン併用処理を適用する場合には、
直接反応を利用するのか間接反応を利用するのかを意識
して処理過程を明確に設定する必要があり、又、オゾン
と過酸化水素等が過剰注入にならないように留意して水
質基準に適合した処理水を得ることが要求される。
【0019】そこで本発明は上記に鑑みてなされたもの
であり、装置の大型化を伴わずに被処理水に対するオゾ
ンガスの吸収効率を高め、コストの低廉化がはかれる
上、経時的な吸収効率低下現象が生じることがなく、且
つ促進酸化処理を適用した際のオゾンと過酸化水素が過
剰注入にならないようにした加圧型下方注入式オゾン接
触槽とその制御方法を提供することを目的とするもので
ある。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するために、請求項1に記載されたように、先ず、
下段から上段に向けて複数段に分割されているとともに
被処理水が滞留しながら流通可能なブロック型接触槽の
重合体で成るオゾン接触槽と、上記オゾン接触槽に送り
込まれる被処理水の流入部に配備され、オゾン注入管か
ら被処理水中に注入されたオゾンガスとを気液混合する
加圧渦流ポンプと、オゾン接触槽内に挿入配置され、前
記気液混合された被処理水が下降流として落下する下方
注入管と、オゾン接触槽の底壁に対向する部位に形成さ
れた下方注入管の先端開口部近傍に形成された管内圧力
調整用の急縮部と、該急縮部の上流側に接続された流入
管から過酸化水素を送り込む過酸化水素添加装置と、上
記オゾン接触槽に併設され、溶存オゾンと過酸化水素か
らOHラジカルを生成する反応槽とを備えてなる加圧型
下方注入式オゾン接触槽の構成にしてある。
【0021】また、請求項2に記載されたように、上記
被処理水の流入管に圧力計と流量計を配備し、更に前記
加圧型下方注入式のブロック型接触槽の重合体からなる
オゾン接触槽に過酸化水素・オゾン注入率比コントロー
ラ、オゾン注入率コントローラ、過酸化水素注入率コン
トローラ、注入オゾン濃度コントローラ、バルブ開度コ
ントローラを配備して、予め設定した過酸化水素・オゾ
ン注入率比設定値から過酸化水素・オゾン注入率比コン
トローラがオゾン注入率目標値と過酸化水素注入率目標
値を算定してそれぞれオゾン注入率コントローラと過酸
化水素注入率コントローラに出力し、オゾン注入率コン
トローラは被処理水の流量信号と上記オゾン注入率目標
値とから注入オゾン濃度目標値を算定して注入オゾン濃
度コントローラに出力する一方、過酸化水素注入率コン
トローラは過酸化水素注入率目標値から過酸化水素注入
量目標値を求めてバルブ開度コントローラに出力し、各
オゾン発生装置の駆動と過酸化水素の注入率を調整する
ようにするとよい。
【0022】さらに、請求項3に記載されたように、前
記加圧型下方注入式のブロック型接触槽の重合体からな
オゾン接触槽に過酸化水素注入率コントローラ、バル
ブ開度コントローラを配備するとともに反応槽から処理
水が流出する管路に溶存オゾン濃度計を配備して、この
溶存オゾン濃度計によって測定された溶存オゾン濃度値
から過酸化水素注入率コントローラが溶存オゾン濃度目
標値に合うように過酸化水素注入量目標値を求めてバル
ブ開度コントローラに出力し、該バルブ開度コントロー
ラは溶存オゾン濃度が一定になるようにバルブ開度目標
値を求めて流量調整バルブの開度を調整するようにして
もよい。
【0023】また、請求項4記載のように、上記溶存オ
ゾン濃度計に代えて過酸化水素濃度計を配備した制御方
法にしてあり、さらに、請求項5記載のように、加圧渦
流ポンプに被処理水の流入水量を調整する可変速器を配
備するとともにオゾン接触槽に処理水量コントローラ、
急縮部開度コントローラ、過酸化水素注入量コントロー
ラを配備して、処理水量設定値と被処理水の流量信号に
基づいて処理水量コントローラが処理水量目標値を算定
して可変速器に出力し、この可変速器の出力信号により
加圧渦流ポンプの回転数を変えて被処理水の流入量を変
化させると同時に、圧力計による被処理水の圧力信号
と、予め決定された圧力設定値から急縮部開度コントロ
ーラが求めた急縮部開度目標値に基づいて前記急縮部の
開度を調整するようにしてもよい。
【0024】
【0025】かかる請求項1記載の加圧型下方注入式オ
ゾン接触槽と請求項2記載の制御方法によれば、被処理
水内にオゾン注入管を介してオゾンガスを送り込み、加
圧渦流ポンプを起動することによってオゾンガスと被処
理水とが加圧渦流ポンプによって混合・微細気泡化され
て高溶存オゾン水となり、下方注入管内を気液が接触し
ながら下降する際に急縮部によって管内圧力が所定値に
調整される。そして下方注入管に形成された急縮部を通
過してから接触槽底壁に当たって乱流状態となり、オゾ
ンガスと被処理水との接触効率が高められ、オゾン処理
水として反応槽に流入する。反応槽では過酸化水素と溶
存オゾンからOHラジカルが生成して、このOHラジカ
ルによってオゾン単独処理と比較して除去対象物質が効
率的に処理され、反応槽から導出された排出口から処理
水して排出される。
【0026】このような動作時に、過酸化水素・オゾン
注入率比設定値に基づいて過酸化水素・オゾン注入率比
コントローラがオゾン注入率目標値と過酸化水素注入率
目標値を算定して、オゾン注入率コントローラと過酸化
水素注入率コントローラに出力することにより、オゾン
発生装置の駆動状態と過酸化水素注入用バルブの開度が
最適に制御されてオゾン注入率・過酸化水素注入率が一
定となる。
【0027】請求項3記載の制御方法によれば、反応槽
から処理水が流出する管路に配備された溶存オゾン濃度
計によって測定された溶存オゾン濃度値が過酸化水素注
入率コントローラに入力され、溶存オゾン濃度目標値に
合うように過酸化水素注入量目標値を求めてバルブ開度
コントローラに出力し、このバルブ開度コントローラは
溶存オゾン濃度が一定になるようにバルブ開度目標値を
求めて流量調整バルブの開度ず調整される。
【0028】請求項4記載の制御方法によれば、上記溶
存オゾン濃度計に代えて過酸化水素濃度計を配備し、こ
の過酸化水素濃度計によって測定された過酸化水素濃度
値から過酸化水素注入率コントローラが過酸化水素濃度
目標値に合うように注入量目標値を求めてバルブ開度コ
ントローラに出力し、前記の制御例と同様にバルブ開度
コントローラが過酸化水素濃度が一定になるようにバル
ブ開度目標値を求めて流量調整バルブの開度が調整され
る。
【0029】請求項5記載の制御方法によれば、処理水
量設定値が処理水量コントローラに入力されると、該処
理水量コントローラ被処理水の流量と処理水量設定値と
から処理水量目標値を算定して可変速器に出力し、この
可変速器により流入水量が調整されて流入管内を圧送さ
れ、更に下方注入管内の圧力を変化させるために圧力設
定値が急縮部開度コントローラに入力されると、この急
縮部開度コントローラ圧力計による流量信号と圧力設定
値とから急縮部開度目標値を求めて急縮部に出力し、こ
の急縮部の開度によって管内圧力が最適に設定される。
【0030】
【0031】
【発明の実施の形態】以下図面に基づいて本発明にかか
る加圧型下方注入式オゾン接触槽の基本構成とその各種
制御方法を説明する。図1は本実施例にかかる加圧型下
方注入式オゾン接触槽の基本的構成を示す概略図であ
り、図中の11は本実施例を適用したオゾン接触槽、1
4は該オゾン接触槽11に併設された反応槽であり、オ
ゾン接触槽11は最下段から上段に向けて複数段に分割
されているとともに被処理水が流通可能なブロック型の
接触槽11a,11b,11c,11dの重合体で構成
されており、最上段の接触槽11dに配備された処理水
タンク12からオゾン処理水10が流出して反応槽14
に流入する。13,13aは排オゾンガスの排出管であ
り、10aは反応槽14の下側部から導出された処理水
20aの排出口である。
【0032】15はオゾン接触槽11に送り込まれる被
処理水20の流入管であり、この流入管15に対する被
処理水20の流入部には加圧渦流ポンプ16が配備され
ている。更に該加圧渦流ポンプ16の前段には、被処理
水20中に図外のオゾン発生装置からオゾンガスを送り
込むためのオゾン注入管17が連結されている。加圧渦
流ポンプ16内にはインペラー部が構成されていて、オ
ゾンガスと被処理水20とを「混合・微細気泡化・圧
送」するという三つの機能を有している。
【0033】上記加圧渦流ポンプ16の下流側に位置す
る流入管15には、圧力計18と流量計19が配置され
ている。この流入管15はオゾン接触槽11内に挿入配
置された下方注入管21に連結されており、この下方注
入管21の先端開口部はオゾン接触槽11内の前記最下
段の接触槽11aの底壁に対向する近傍位置にまで延長
されている。この先端開口部の近傍部位には、下方注入
管21の管内圧力を調整するための急縮部22が形成さ
れている。
【0034】一方、23は過酸化水素添加装置であり、
この過酸化水素添加装置23により過酸化水素(H
22)が流入管24から流量調整バルブ25及び流量計
26を介して前記急縮部22の上流側に導入されてい
る。図2は急縮部22と過酸化水素の流入管24との関
係を示す部分的拡大図であって、急縮部22は下方注入
管21の管径を部分的に小径に絞ったオリフィス22a
により構成されている。尚、上記オリフィス22aの開
度は適宜に調整可能となっている。
【0035】上記オゾン接触槽11の縦方向の長さは約
5〜6メートルであり、従来のUチューブ型オゾン接触
槽の同部分の20〜30メートルという長さが大幅に短
縮されていて、謂わば通常の散気管型オゾン接触の水深
レベルと略同等でしかもUチューブ型オゾン接触槽の水
圧(2.0〜2.5kgf/cm2)を確保し、且つ生成
した高溶存オゾン水に過酸化水素を注入することによっ
てOHラジカルを生成して間接反応を促進することが本
実施例の構造上の特徴ともなっている。
【0036】かかる本実施例におけるオゾン接触槽11
の運転時の操作と動作原理を以下に説明する。先ず基本
的な操作としてオゾン処理すべき被処理水20内にオゾ
ン注入管17を介してオゾンガスを送り込み、加圧渦流
ポンプ16を起動することによってオゾンガスと被処理
水20とがこの加圧渦流ポンプ16のインペラー部によ
って混合・微細気泡化され、高溶存オゾン水となって流
入管15内を圧送され、圧力計18と流量計19によっ
て圧力と流量が計測されてから下方注入管21内を気液
が接触しながら下降する。この時に、ポンプの特性上か
ら被処理水流量/オゾンガス流量の比(L/G比と略
称)を10以上とし、又、急縮部22を構成するオリフ
ィス22aの開度を調整することによって管内圧力は0
〜4.0(kgf/cm2)に調整される。
【0037】下方注入管21内は大きな乱流状態(レイ
ノルズ数20000以上)であるので、撹拌作用はきわ
めて大きくなる。特に急縮部22の内径と下方注入管2
1の内径の比、即ち急縮比は0.2〜0.6が適当であ
る。
【0038】同時に過酸化水素添加装置23から発生す
る過酸化水素が流入管24から流量調整バルブ25及び
流量計26を介して急縮部22の上流側に導入され、図
2に示した急縮部22を構成するオリフィス22aから
被処理水20内に送り込まれる。過酸化水素の注入口先
端はオリフィス22aに近づけてあり、この注入口先端
とオリフィス22aの内径比は0.1〜0.3が適当であ
る。
【0039】この地点で過酸化水素を注入する理由は、
急縮部22が溶存オゾン濃度が最も上昇する地点である
という実験事実に基づいており、過酸化水素の注入に伴
って高溶存オゾン水と過酸化水素とが混合撹拌されて間
接反応が促進され、OHラジカルが多量に生成する。
又、下方注入管21内が加圧状態であっても急縮部22
では吸引作用が働いており、特別な加圧を行わなくても
容易に過酸化水素を吸引する作用がある。過酸化水素の
添加量は、過酸化水素・オゾンモル比で0.5〜2が適
当である。
【0040】そして下方注入管21に形成された急縮部
22を通過してから最下段の接触槽11aの底壁に当た
って乱流状態となり、これによって被処理水20とオゾ
ンガス及び過酸化水素の接触効率が高められる。
【0041】上記の動作時に、加圧渦流ポンプ16で送
り込まれる被処理水20の流速と圧力は、両方とも高い
方が望ましい。その理由はヘンリーの法則によって高圧
の方がオゾンガス接触後のオゾンの水中への溶解を容易
にするためと、流速が大きいと乱流状態が激しくなって
除去対象物質との反応が早く進行する点にある。又、被
処理水20の流速と圧力が高い方が急縮部22のオリフ
ィス部分で発生する圧力損失を補うことができる。
【0042】このようにしてオゾンガスと過酸化水素と
が混合された被処理水20は、オゾン接触槽11を構成
するブロック単位の各接触槽11a,11b,11c,
11dの外管部の最下段から上段に向けて流れるが、こ
こでは内管部での圧力が急激に解放され、径長50μm
程度の多量の微細な気泡が生成する。この径長は通常の
散気管方式における気泡径が1〜2mmであるのに対し
て1/20〜1/40となっている。
【0043】オゾンが気相から液相へ移動する際に影響
を及ぼすパラメータKLaは、気液接触面積が気泡径に
比例して小さくなるため、気泡径が半分になると気液接
触面積は2倍になる。その結果、オゾンが気相から液相
へ移動する際に影響を及ぼすパラメータKLaは20倍
から40倍になる。そのために非常に短時間でオゾン反
応が進行する。そして最上段の処理水タンク12からオ
ゾン処理水10として流出して反応槽14に流入する。
【0044】反応槽14では過酸化水素と溶存オゾンか
らOHラジカルが生成して、このOHラジカルによって
オゾン単独処理と比較して除去対象物質が効率的に処理
される。そして反応槽14の下側部から導出された排出
口10aから処理水20aとして排出される。
【0045】尚、前記オゾン接触槽11における各単位
に分割されたブロック型接触槽11a,11b,11
c,11dの側部に夫々サンプリングポートを配備して
おくことにより、任意のサンプリングポートの開閉制御
を実施して被処理水20を流出させることが可能であ
り、オゾンガス及び過酸化水素との接触時間を容易に変
更することが可能である。
【0046】又、未反応のオゾンガスは排出管13及び
13aから図外の排オゾン処理装置に送り込まれ、周知
の熱分解,触媒を用いた分解,土壌分解,薬液洗浄処理
又は活性炭処理によって無害なガスに分解されて大気中
に放出される。即ち、オゾンガスはフッ素につぐ強力な
酸化力を有していて人体にも有害な物質であるため、排
オゾン処理装置での分解処理が不可欠である。
【0047】このようなオゾンガスと被処理水20との
接触により、脱臭,脱色,鉄マンガン,多環状化合物と
か有機物の酸化除去及び殺菌,殺藻及び異臭味の除去が
行われる。
【0048】上記のようなオゾン−過酸化水素併用処理
では、溶存オゾンに対する過酸化水素の添加量が重要な
要素となる。図3は水中での溶存オゾン、過酸化水素そ
れぞれの濃度と過酸化水素・オゾンモル比との関係を示
すグラフであり、図示したように過酸化水素を添加する
ことによって溶存オゾンは減少し、且つ過酸化水素を過
剰に添加すると水中に残留する。そこで最終的な溶存オ
ゾン濃度を一定に保ちつつ、過酸化水素を過剰に注入し
ないように制御する必要がある。
【0049】次に図4に基づいて本実施例における制御
例1を説明する。図中の11は前記オゾン接触槽、14
は反応槽、15は被処理水20の流入管、16は加圧渦
流ポンプ、17はオゾン注入管、19は被処理水20の
流量計であり、オゾン注入管17にオゾン発生装置7で
得られるオゾンガスが供給されている。28は注入オゾ
ン濃度コントローラ、29はオゾン注入率コントロー
ラ、30は過酸化水素・オゾン注入率比コントローラ、
31は過酸化水素注入率コントローラ、32はバルブ開
度コントローラである。尚、過酸化水素はポンプ27の
作用により流入管24から流量調整バルブ25及び流量
計26を介してオゾン接触槽11内に送り込まれてお
り、前記オゾン接触槽11と加圧渦流ポンプ16等の構
成は図1により説明した通りである。
【0050】かかる制御例1によれば、過酸化水素・オ
ゾン注入率比コントローラ30に予め設定した過酸化水
素・オゾン注入率比設定値33が入力されると、この過
酸化水素・オゾン注入率比コントローラ30がオゾン注
入率目標値34を算定してオゾン注入率コントローラ2
9に出力し、同時に過酸化水素注入率目標値35を算定
して過酸化水素注入率コントローラ31に出力する。
【0051】オゾン注入率コントローラ29には流量計
19で測定された被処理水20の流量信号36が入力さ
れており、オゾン注入率コントローラ29は上記オゾン
注入率目標値34と流量信号36とから注入オゾン濃度
目標値38を算定して注入オゾン濃度コントローラ28
に出力する。注入オゾン濃度コントローラ28は上記入
力データからオゾン発生装置7に対する制御信号40を
発して該オゾン発生装置7の駆動状態が制御される。通
常制御信号40は電力値としてオゾン発生装置7に入力
され、このオゾン発生装置7からオゾンガスが一定の注
入率でオゾン注入管17に供給される。このオゾン発生
量は流量計41により計測されて注入オゾン濃度コント
ローラ28にフィードバックされている。
【0052】他方の過酸化水素注入率コントローラ31
は、前記過酸化水素注入率目標値35から過酸化水素注
入量目標値39を求めてバルブ開度コントローラ32に
出力する。このバルブ開度コントローラ32には流量計
26によって測定された過酸化水素の流量が入力されて
おり、これらの入力データからバルブ開度コントローラ
32はバルブ開度目標値42を求めて流量調整バルブ2
5に出力して過酸化水素の注入率を一定に制御する。従
って本制御例1はオゾン注入率・過酸化水素注入率一定
制御が基本となっている。
【0053】次に本実施例における制御例2を説明す
る。前記したようにオゾン・過酸化水素併用処理でも通
常のオゾン処理と同様に最終的な処理水の溶存オゾン濃
度が大きくならないことが肝要である。そこで水中の溶
存オゾン濃度が一定となるように過酸化水素注入量を変
化させる制御例を構築した。
【0054】これにより図5に示す制御例2を実現し
た。制御例2におけるオゾン接触槽11と反応槽14へ
のオゾン並びに過酸化水素の供給機構は制御例1と一致
しているため、同一の構成部分に同一の符号を付してあ
り、説明の重複を避ける。
【0055】即ち、この制御例2の場合には、反応槽1
4から処理水20aが流出する管路に溶存オゾン濃度計
44を配備し、この溶存オゾン濃度計44によって測定
された溶存オゾン濃度値45が過酸化水素注入率コント
ローラ31に入力されている。このような制御によれ
ば、過酸化水素注入率コントローラ31は、溶存オゾン
濃度目標値,例えば0.1(mg/l)に合うように過
酸化水素注入量目標値39を求めてバルブ開度コントロ
ーラ32に出力する。バルブ開度コントローラ32には
前記例と同様に流量計26によって測定された過酸化水
素の流量が入力されており、これらの入力データからバ
ルブ開度コントローラ32は溶存オゾン濃度が一定にな
るようにバルブ開度目標値42を求めて流量調整バルブ
25に出力する。従って本制御例2は溶存オゾン濃度一
定制御が基本となっている。
【0056】次に本実施例における制御例3を説明す
る。オゾン・過酸化水素併用処理では処理水20aの過
酸化水素濃度を極力抑えることが肝要である。何故なら
ば過酸化水素の濃度が大きくなると人体に悪影響を及ぼ
す惧れがあり、フランスの水道水質基準では過酸化水素
濃度は0.5(mg/l)以下と定められている。そこ
で水中の過酸化水素濃度が一定となるように過酸化水素
注入量を変化させる制御例を構築した。
【0057】そこで図5に示す制御例2における反応槽
14から処理水20aが流出する管路に配備した溶存オ
ゾン濃度計44に代えて、過酸化水素濃度計を配備し
て、この過酸化水素濃度計によって測定された過酸化水
素濃度値を過酸化水素注入率コントローラ31に入力
し、この過酸化水素注入率コントローラ31が過酸化水
素濃度目標値,例えば0.5(mg/l)に合うように
過酸化水素注入量目標値39を求めてバルブ開度コント
ローラ32に出力し、前記の制御例と同様にバルブ開度
コントローラ32は過酸化水素濃度が一定になるように
バルブ開度目標値42を求めて流量調整バルブ25の開
度を調整する。
【0058】次に本実施例における制御例4を説明す
る。前記したように加圧型下方注入式オゾン接触槽では
被処理水流量/オゾンガス流量の比,即ち、L/G比と
か加圧値が変化するとオゾン吸収特性が変化し、オゾン
処理特性も変化する。図6はオゾン吸収効率η(%)と
L/G比の関係を示すグラフであり、図7はオゾン吸収
効率η(%)と管内圧力(kgf/cm2)の関係を示
すグラフである。図6,図7によれば、オゾン吸収効率
が90%以上であることを目標とした場合、オゾンガス
流量が一定条件下では、L/G比が10以上で且つ管内
圧力が1.5(kgf/cm2)以上となる。従ってL/
G比と管内圧力の両条件を満たす操作が必要である。
【0059】又、オゾンガスの溶解度はヘンリーの法則
に従っており、その溶解度は分圧に比例する。このヘン
リーの法則を前記加圧型下方注入式オゾン接触槽で検証
すると図8の結果が得られる。図8は前記L/G比とオ
ゾン注入率を一定として、管内圧力を各4.0,2.0,
1.0(kgf/cm2)とした場合の本オゾン接触槽に
おける滞留時間(min)と溶存オゾン濃度(mg/
l)の関係を示しており、横軸の滞留時間は前記オゾン
接触槽11の高さ方向の長さを滞留時間に換算した値
(min)である。図8からL/G比とオゾン注入率が
一定の条件下では、管内圧力を高くすると溶存オゾン濃
度も高くなる。従ってL/G比,オゾン注入率,過酸化
水素注入率が一定の条件下では圧力を高くすると溶存オ
ゾン濃度も高くなることが分かる。
【0060】そこで図6,図7に示すオゾン吸収効率を
目標値として、L/G比と加圧値及び過酸化水素注入量
を変化させる制御として、図9に示す制御例4を構築し
た。ここで47は処理水量コントローラ、48は加圧渦
流ポンプ16による被処理水20の量を変化させるため
の可変速器、49は急縮部開度コントローラ、50は過
酸化水素注入量コントローラである。他の構成は制御例
2,3と基本的に一致している。
【0061】制御例4の場合には、処理水量設定値51
が処理水量コントローラ47に入力されると、該処理水
量コントローラ47は流量計19により計測された流量
信号52と処理水量設定値51から処理水量目標値53
を算定して可変速器48に出力し、この可変速器48の
出力信号54により加圧渦流ポンプ16の回転数を変え
て被処理水20の流入量を変化させる。更に下方注入管
21内の圧力を変化させるために圧力設定値55が急縮
部開度コントローラ49に入力されると、この急縮部開
度コントローラ49は圧力計18により計測された流量
信号56と圧力設定値55とから急縮部開度目標値57
を求めて急縮部22に出力する。この急縮部22の開度
によって管内圧力は前記した通り1.5(kgf/c
2)以上に設定される。
【0062】ここで被処理水20の流量低減は可変速器
48による流入水量調整と急縮部22のオリフィス径調
整で達成することができるが、一般のオゾン発生装置は
ガス流量の制御は行っていないため、前記L/G比の目
標値を満たすことができないという問題がある。従って
可変速器48による回転数制御によって可変速範囲を制
限する必要がある。
【0063】又、管内圧力と被処理水20の水量をコン
トロールすると相互干渉を受けることがあるため、圧力
の設定値は1.5(kgf/cm2)を閾値として判断条
件を設定し、この閾値以上であれば開度調整は実施しな
い方法が適当である。
【0064】上記の制御によってオゾン吸収効率が安定
しても前記図8に示したように加圧値が変化すると溶存
オゾン濃度が変化し、除去対象物質の濃度が変化すると
溶存オゾン濃度も変化する。そこで反応槽14から処理
水20aが流出する管路に配備した溶存オゾン濃度計4
4によって測定された溶存オゾン濃度値58が過酸化水
素注入量コントローラ50に入力されると、この過酸化
水素注入量コントローラ50は過酸化水素注入率制限値
59と溶存オゾン濃度値58とから過酸化水素注入率目
標値60を求めてバルブ開度コントローラ32に出力
し、バルブ開度コントローラ32は過酸化水素注入率が
一定になるようにバルブ開度目標値42を求めて流量調
整バルブ25の開度を調整する。
【0065】ここでは溶存オゾン濃度が高い時に過酸化
水素注入率を増加させ、溶存オゾン濃度が低い場合には
過酸化水素注入率を減少させるように制御する。尚、過
酸化水素注入率には最大値を決めておき、その値以上に
はならないようにする必要がある。
【0066】本制御例4では管内圧力を1.5〜4.0
(kgf/cm2)の範囲で可変することで溶存オゾン
濃度を一定に保つことが特徴となっている。但し加圧値
が加圧範囲内でも目標とする溶存オゾン濃度値に到達し
ない場合には、過酸化水素注入率を可変とすることが特
徴となっている。
【0067】次に本実施例における制御例5を説明す
る。オゾン・過酸化水素併用処理の目標の一つにトリハ
ロメタン生成能と相関性が大きいE260(波長260
nmにおける紫外線吸光度,通常有機物量の指標として
用いられる)成分の除去がある。図10はE260除去
率とオゾン注入率の関係を示すグラフであり、E260
除去率はL/G比が10〜20、加圧値Pが3〜4(k
gf/cm2)の範囲ではオゾン注入率に対して同じ除
去特性が得られていることが分かる。又、L/G比とオ
ゾン注入率が一定の条件下では加圧による有機物除去変
化が確認できることが判明した。従って加圧値を操作因
子とすると、UV値一定制御も可能となる。
【0068】そこでE260成分を水質の指標として処
理水中のE260濃度と溶存オゾン濃度を一定にするた
めの制御を構築した。図11において61はUV値コン
トローラ、28は注入オゾン濃度コントローラ、50は
過酸化水素注入量コントローラ、32はバルブ開度コン
トローラであり、反応槽14から処理水20aが流出す
る管路にUV計62と溶存オゾン濃度計44とが配備さ
れている。
【0069】かかる制御例5によれば、UV計62によ
って計測されたUV値信号63がUV値コントローラ6
1に入力され、UV値コントローラ61はUV設定値6
4とUV値信号63により注入オゾン濃度目標値65を
求めて注入オゾン濃度コントローラ28に出力する。注
入オゾン濃度コントローラ28はオゾン発生装置7に対
する制御信号40を発して該オゾン発生装置7の駆動状
態が制御されて、オゾン発生装置7からオゾンガスが一
定の注入率でオゾン注入管17に供給される。オゾン発
生量は流量計41により計測されて注入オゾン濃度コン
トローラ28にフィードバックされる。同時に処理水2
0aが流出する管路に配備した溶存オゾン濃度計44に
よって測定された溶存オゾン濃度値58が過酸化水素注
入量コントローラ50に入力され、この過酸化水素注入
量コントローラ50は溶存オゾン濃度値58から過酸化
水素注入量目標値66を求めてバルブ開度コントローラ
32に出力し、バルブ開度コントローラ32は過酸化水
素注入量が一定になるようにバルブ開度目標値42を求
めて流量調整バルブ25の開度を調整する。
【0070】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明にか
かる加圧型下方注入式オゾン接触槽とその制御方法によ
れば、被処理水内にオゾン注入管を介してオゾンガスを
送り込んでから加圧渦流ポンプによって混合・微細気泡
化されて高溶存オゾン水となり、且つ可変速器により流
入水量が調整されてから急縮部によって管内圧力が所定
値に調整された下方注入管内を気液が接触しながら下降
して接触槽底壁に当たることによってオゾンガスと被処
理水との接触効率を高めることができるので、従来の散
気管方式のオゾン接触槽の滞留時間よりも短い滞留時間
で同等の処理特性が得られる。
【0071】上記の作用時に、被処理水に対するオゾン
反応の初期時には下方注入方式に基づいて拡散効率を充
分に高めて反応性の高い物質の除去が行われ、これによ
りオゾンガスの拡散が律速する初期段階の反応過程が促
進されるとともにオゾン反応の後期時には接触槽による
反応と滞留時間の確保により反応性の低い物質の除去が
行われて、オゾン反応が律速する後期段階の反応が促進
されるという効果が得られる。更に「オゾン・過酸化水
素処理」,「オゾン・紫外線処理」に基づく促進酸化処
理法(AOP法)を併用したことにより、処理時間の短
縮と処理装置の小型化がはかれるとともに反応槽により
オゾンからOHラジカルを生成することで酸化が促進さ
れるという効果が得られる。
【0072】更に本発明によれば、装置の大型化を伴わ
ずに被処理水に対するオゾンガスの吸収効率を高め、コ
ストの低廉化がはかれる上、経時的な吸収効率低下現象
が生じることがなくなり、オゾンと過酸化水素が過剰注
入にならないようにした加圧型下方注入式オゾン接触槽
とその制御方法を提供することができる。
【0073】又、従来の深いUチューブ型オゾン接触槽
の場合には、通水量が変動すると処理特性がばらついて
しまうのに対して、本実施例の各制御例の場合には、L
/G比管内圧力を適宜調整することにより安定した処理
特性が得られ、特に水量が著しく変動した場合でも管内
圧力に閾値を設定することによって水量変動に対応した
最適なオゾン注入率制御が可能となる。更に制御例2,
3,4,5によれば、溶存オゾン濃度一定制御及びUV
濃度一定制御が可能となり、散気管方式に比べて目標と
する溶存オゾン濃度への到達及び処理に要する時間が短
縮される。
【0074】本実施例にかかるオゾン接触槽は従来のU
チューブ反応槽のように20〜30メートルの長さに形
成しなくてもよいので、装置の大型化を伴わずに被処理
水に対するオゾンガスの吸収効率を高めることができ
る。更にオゾンガスによって酸化された鉄とかマンガン
の付着による目詰まり等に伴う経時的な吸収効率低下現
象を防止することができる。更にUチューブ型オゾン反
応槽のように施設の建設工事が複雑になるという問題も
なく、建設コストの低廉化がはかれるとともに、反応槽
内に貯留される堆積物の除去とか槽内の清掃を簡便に行
うことが可能となり、しかも反応槽の底部近傍で障害が
発生しても直ちに処置することができるという効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる加圧型下方注入式オゾン接触槽
の一実施例を全体的に示す概略図。
【図2】図1の要部を部分的に示す拡大図。
【図3】オゾン−過酸化水素併用処理における水中での
溶存オゾン、過酸化水素それぞれの濃度と過酸化水素・
オゾンモル比との関係を示すグラフ。
【図4】本実施例における制御例1を説明するための概
要図。
【図5】本実施例における制御例2を説明するための概
要図。
【図6】オゾン吸収効率η(%)とL/G比の関係を示
すグラフ。
【図7】オゾン吸収効率η(%)と管内圧力(kgf/
cm2)の関係を示すグラフ。
【図8】本オゾン接触槽における滞留時間と溶存オゾン
濃度の関係を示すグラフ。
【図9】本実施例における制御例4を説明するための概
要図。
【図10】E260除去率とオゾン注入率の関係を示す
グラフ。
【図11】本実施例における制御例5を説明するための
概要図。
【図12】通常の散気管型オゾン反応槽の一例を示す要
部断面図。
【図13】通常のUチューブ型オゾン接触槽の構造を示
す概略図。
【符号の説明】
7…オゾン発生装置 11…オゾン接触槽 11a,11b,11c,11d…ブロック型接触槽 12…処理水タンク 15…流入管 16…加圧渦流ポンプ 17…オゾン注入管 18…圧力計 19,26…流量計 20…被処理水 21…下方注入管 22…急縮部 23…過酸化水素添加装置 25…流量調整バルブ 27…オゾン発生装置 28…注入オゾン濃度コントローラ 29…オゾン注入率コントローラ 30…過酸化水素・オゾン注入率比コントローラ 31…過酸化水素注入率コントローラ 32…バルブ開度コントローラ 44…溶存オゾン濃度計 47…処理水量コントローラ 48…可変速器 49…急縮部開度コントローラ 50…過酸化水素注入量コントローラ 61…UV値コントローラ 62…UV計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−275873(JP,A) 特開 平4−281893(JP,A) 特開 昭56−5183(JP,A) 特公 平4−74049(JP,B2) 特許3491371(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C02F 1/78 B01F 1/00 C02F 1/72

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 最下段から上段に向けて複数段に分割さ
    れているとともに被処理水が滞留しながら流通可能なブ
    ロック型接触槽の重合体で成るオゾン接触槽と、上記オ
    ゾン接触槽に送り込まれる被処理水の流入部に配備さ
    れ、オゾン注入管から被処理水中に注入されたオゾンガ
    スとを気液混合する加圧渦流ポンプと、オゾン接触槽内
    に挿入配置され、前記気液混合された被処理水が下降流
    として落下する下方注入管と、オゾン接触槽の底壁に対
    向する部位に形成された下方注入管の先端開口部近傍に
    形成された管内圧力調整用の急縮部と、該急縮部の上流
    側に接続された流入管から過酸化水素を送り込む過酸化
    水素添加装置と、上記オゾン接触槽に併設され、溶存オ
    ゾンと過酸化水素からOHラジカルを生成する反応槽と
    を備えてなることを特徴とする加圧型下方注入式オゾン
    接触槽。
  2. 【請求項2】 被処理水の流入部に被処理水とオゾンガ
    スとを気液混合する加圧渦流ポンプを配備するととも
    に、オゾン接触槽内に挿入配置された下方注入管の先端
    開口部近傍でオゾン接触槽の底壁に対向する部位に形成
    された急縮部と、該急縮部の上流側に接続された流入管
    から過酸化水素を送り込む過酸化水素添加装置を備えた
    加圧型下方注入式のブロック型接触槽の重合体からなる
    オゾン接触槽において、被処理水の流入管に圧力計と流
    量計を配備し、更に該オゾン接触槽に過酸化水素・オゾ
    ン注入率比コントローラ、オゾン注入率コントローラ、
    過酸化水素注入率コントローラ、注入オゾン濃度コント
    ローラ、バルブ開度コントローラを配備して、予め設定
    した過酸化水素・オゾン注入率比設定値から過酸化水素
    ・オゾン注入率比コントローラがオゾン注入率目標値と
    過酸化水素注入率目標値を算定してそれぞれオゾン注入
    率コントローラと過酸化水素注入率コントローラに出力
    し、オゾン注入率コントローラは被処理水の流量信号と
    上記オゾン注入率目標値とから注入オゾン濃度目標値を
    算定して注入オゾン濃度コントローラに出力する一方、
    過酸化水素注入率コントローラは過酸化水素注入率目標
    値から過酸化水素注入量目標値を求めてバルブ開度コン
    トローラに出力し、各オゾン発生装置の駆動と過酸化水
    素の注入率を制御することを特徴とする加圧型下方注入
    式オゾン接触槽の制御方法。
  3. 【請求項3】 被処理水の流入部に被処理水とオゾンガ
    スとを気液混合する加圧渦流ポンプを配備するととも
    に、オゾン接触槽内に挿入配置された下方注入管の先端
    開口部近傍でオゾン接触槽の底壁に対向する部位に形成
    された急縮部と、該急縮部の上流側に接続された流入管
    から過酸化水素を送り込む過酸化水素添加装置と、オゾ
    ン接触槽に併設され、溶存オゾンと過酸化水素からOH
    ラジカルを生成する反応槽とを備えた加圧型下方注入式
    のブロック型接触槽の重合体からなるオゾン接触槽にお
    いて、 該オゾン接触槽に過酸化水素注入率コントローラ、バル
    ブ開度コントローラを配備するとともに反応槽から処理
    水が流出する管路に溶存オゾン濃度計を配備して、この
    溶存オゾン濃度計によって測定された溶存オゾン濃度値
    から過酸化水素注入率コントローラが溶存オゾン濃度目
    標値に合うように過酸化水素注入量目標値を求めてバル
    ブ開度コントローラに出力し、該バルブ開度コントロー
    ラは溶存オゾン濃度が一定になるようにバルブ開度目標
    値を求めて流量調整バルブの開度を調整することを特徴
    とする加圧型下方注入式オゾン接触槽の制御方法。
  4. 【請求項4】 被処理水の流入部に被処理水とオゾンガ
    スとを気液混合する加圧渦流ポンプを配備するととも
    に、オゾン接触槽内に挿入配置された下方注入管の先端
    開口部近傍でオゾン接触槽の底壁に対向する部位に形成
    された急縮部と、該急縮部の上流側に接続された流入管
    から過酸化水素を送り込む過酸化水素添加装置と、オゾ
    ン接触槽に併設され、溶存オゾンと過酸化水素からOH
    ラジカルを生成する反応槽とを備えた加圧型下方注入式
    のブロック型接触槽の重合体からなるオゾン接触槽にお
    いて、 該オゾン接触槽に過酸化水素注入率コントローラ、バル
    ブ開度コントローラを配備するとともに反応槽から処理
    水が流出する管路に過酸化水素濃度計を配備し、この過
    酸化水素濃度計によって測定された過酸化水素濃度値か
    ら過酸化水素注入率コントローラが過酸化水素濃度目標
    値を求めてバルブ開度コントローラに出力し、該バルブ
    開度コントローラは過酸化水素濃度が一定になるように
    バルブ開度目標値を求めて流量調整バルブの開度を調整
    するようにした加圧型下方注入式オゾン接触槽の制御方
    法。
  5. 【請求項5】 被処理水の流入部に被処理水とオゾンガ
    スとを気液混合する加圧渦流ポンプを配備するととも
    に、オゾン接触槽内に挿入配置された下方注入管の先端
    開口部近傍でオゾン接触槽の底壁に対向する部位に形成
    された急縮部と、該急縮部の上流側に接続された流入管
    から過酸化水素を送り込む過酸化水素添加装置と、オゾ
    ン接触槽に併設され、溶存オゾンと過酸化水素からOH
    ラジカルを生成する反応槽とを備えた加圧型下方注入式
    のブロック型接触槽の重合体からなるオゾン接触槽にお
    いて、 前記加圧渦流ポンプに被処理水の流入水量を調整する可
    変速器を配備するとともにオゾン接触槽に処理水量コン
    トローラ、急縮部開度コントローラ、過酸化水素注入量
    コントローラを配備して、処理水量設定値と被処理水の
    流量信号に基づいて処理水量コントローラが処理水量目
    標値を算定して可変速器に出力し、この可変速器の出力
    信号により加圧渦流ポンプの回転数を変えて被処理水の
    流入量を変化させると同時に、圧力計による被処理水の
    圧力信号と、予め決定された圧力設定値から急縮部開度
    コントローラが求めた急縮部開度目標値に基づいて前記
    急縮部の開度を調整するようにしたことを特徴とする加
    圧型下方注入式オゾン接触槽の制御方法。
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