JP3523319B2 - コントラスト強調光学装置 - Google Patents

コントラスト強調光学装置

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JP3523319B2
JP3523319B2 JP04733894A JP4733894A JP3523319B2 JP 3523319 B2 JP3523319 B2 JP 3523319B2 JP 04733894 A JP04733894 A JP 04733894A JP 4733894 A JP4733894 A JP 4733894A JP 3523319 B2 JP3523319 B2 JP 3523319B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は画像のコントラストを光
学的に強調するコントラスト強調光学装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自ら光を射出している例えば液晶
表示パネルの輝度ムラを検出する際、従来は例えばCC
D等を用いてその液晶表示パネルの画像を直接取り込
み、その取り込まれた画像の濃淡(画像信号の値の大
小)に応じた色分け表示等を行ない、輝度ムラや傷や欠
陥等の検出が行なわれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】液晶表示パネルの画像
をCCD等で取り込む方法では、輝度ムラ等のある程度
の検出は可能ではあるが、微妙な濃淡の差異は検出でき
ず、通常、人間の目視検査の方が検出精度が高く、液晶
表示パネルの表示画面は人間が視ることを目的とするこ
とから、CCD等を用いた検出では精度が不充分である
という問題がある。
【0004】また自ら光を射出する被検体でなくても被
検体の表面状態によってはコヒーレント光を照射すると
スペックルパターンが生じ、これがノイズとして作用す
る場合がある。本発明は、上記事情に鑑み、例えば液晶
表示パネル、CRTディスプレイ等、自ら光を射出する
被検体、もしくはコヒーレント光の照射では良好な画像
を得ることができない被検体の画像のコントラストを光
学的に強調するコントラスト強調光学装置を提供するこ
とを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明のコントラスト強調光学装置は、 (1)コヒーレント光を射出するコヒーレント光源 (2)被検体から放射され、もしくは被検体で反射され
た光を入射してその光による被検体像を形成する結像光
学系と、上記コヒーレント光源から射出されたコヒーレ
ント光を入射して、そのコヒーレント光を、上記結像光
学系を経由して入射された被検体像を空間的な複素振幅
分布として担持するコヒーレントな物体光に変換する空
間光変調素子とを備えたインコヒーレント・コヒーレン
ト変換部 (3)上記コヒーレント光源から射出されたコヒーレン
ト光から空間的に所定の複素振幅分布を有するコヒーレ
ントな参照光を生成する参照光生成部 (4)上記インコヒーレント・コヒーレント変換部で得
られた物体光と参照光生成部から射出された参照光と
を、該物体光と該参照光の一様成分が相互にキャンセル
されるように相対的に位相調整して互いに重畳する光波
重畳部 を備えたことを特徴とする。
【0006】ここで、上記参照光生成部では、典型的に
は空間的に一様な複素振幅分布を有する参照光が生成さ
れる。また、本発明のコントラスト強調光学装置には、
上記物体光と参照光とを重畳する際に、もしくは重畳の
後において、被検体像に該被検体像のコントラストを光
学的に強調する空間周波数フィルタリング処理を施すフ
ィルタリング部を備えることが好ましい。
【0007】
【作用】本発明のコントラスト強調光学装置は、コヒー
レントな物体光と参照光とを重畳させることにより、物
体光の振幅分布から参照光の振幅分布(典型的には一様
分布)を減算することができ、これにより物体光のコン
トラストを強調するものであるが、液晶表示パネルやC
RTディスプレイ等の被検体から射出される光は、通
常、インコヒーレント光であり、もしくは十分なコヒー
レント性を有さず、したがってこの光をそのまま物体光
として用いても上記の差分演算を行なうことはできな
い。また、スペックルパターンを避けるために被検体に
インコヒーレント光を照射してその反射光を得、その反
射光をそのまま物体光として用いても上記の差分演算を
行なうことはできない。そこで本発明ではその被検体か
らの光をコヒーレント光に変換して、そのコヒーレント
光を物体光として用いるようにしたものである。これに
より、被検体の、コントラストが強調された画像を得る
ことができ、例えば液晶表示パネルの輝度ムラを強調す
ることや傷や欠陥・欠落等を画面上に浮き上がらせるこ
とができる。
【0008】また、本発明において、上記のフィルタリ
ング部を備えると、空間フィルタリング処理により、例
えば輝度ムラ,欠陥・欠落等を一層強調することができ
る。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。図
1は、本発明の一実施例のコントラスト強調光学装置の
構成図である。液晶表示パネル11が、ここではできる
だけ一様の輝度で表示されており、結像レンズ12によ
り、その液晶表示パネル11の画像が、空間光変調素子
の1つであるLCLV(Liquid Crystal
Light Valve)13の上に形成される。ま
た、レーザ光源14から射出されたレーザ光15は、レ
ンズ16、ピンホール17、レンズ18からなるコリメ
ータを経由して平行光束15aに変換され、その平行光
束15aはミラー19で反射し、さらにハーフミラー2
0を透過した後偏光板21により所定の直線偏光光15
bに変換され、その直線偏光光15bがハーフミラー2
2で反射されてLCLV13を照射する。LCLV13
は、液晶表示パネル11の画像の光量分布に応じて、空
間的に、直線偏光光15bの偏光方向を異ならしめる作
用を有する。このため、このLCLV13で反射した光
束は空間的に偏光状態が異なった光束となる。LCLV
13で反射した光束は、ハーフミラー22を通過した後
偏光板23を通過する。これにより、この偏光板23を
通過した物体光15cは、液晶表示パネル11の輝度分
布に応じた光量分布を有する光束となる。すなわち、こ
れにより、インコヒーレント−コヒーレント変換が現実
したことになる。この偏光板23を通過した物体光15
cは、NDフィルタ24で光量調整された後、本発明に
いう光波重畳部に相当する差分演算光学系50に入射す
る。ここでは、この物体光15c、即ち液晶表示パネル
11の輝度分布に応じた振幅分布を有するコヒーレント
光束を物体光と称する。
【0010】一方、ハーフミラー20で反射した参照光
15dは、空間的に一様な振幅分布を有するコヒーレン
ト光束であり、NDフィルタ25により、光量調整され
た後、参照光として差分演算光学系50に入射する。差
分演算光学系50の構成については後述するが、この差
分演算光学系50では、物体と参照光とが重畳され、物
体光の二次元的な振幅分布をg1 (x,y),参照光の
二次元的な振幅分布をg2 (x,y)としたとき、差分
演算光学系50では、 g1 (x,y)−g2 (x,y)=g1 (x,y)−A2 …(1) ただし、A2 は複素定数(一様成分)を表わす なる演算が光学的に実行される。この差分演算光学系3
0で(1)式の演算が行われた後の光束15eはCCD
等の二次元的な光量分布を検出する光電センサ90に入
射し、光学的に検出される。この光電センサ90では、
上記(1)式の二乗、即ち、 |g1 (x,y)−A22 …(2) が検出される。ここで、物体光の振幅分布g1 (x,
y)が、一様成分(複素定数)A1 と変動成分B1
(x,y)との和、即ち g1 (x,y)=A1 +B1 (x,y) …(3) で与えられるとすると、上記(1)式は、 g1 (x,y)−A2 =A1 −A2 +B1 (x,y) …(4) となり、物体光の一様成分A1 に対し、参照光A2 を適
切に設定することにより、一様成分が減少し、相対的に
変動成分B1 (x,y)が強調されることとなり、これ
によりコントラスト強調が実現する。
【0011】光電センサ90で検出された画像信号は、
ホストコンピュータ91で制御される画像処理装置92
に入力されて適切な画像処理が施され、その結果が、C
RTディスプレイ93に表示される。図2は、本発明の
コントラスト強調光学装置の他の実施例の構成図であ
る。図1に示す実施例の各構成要素と対応する構成要素
には、図1に付した番号と同一の番号を付して示し、相
違点のみについて説明する。
【0012】図2に示す実施例では、一様な振幅分布を
もつ参照光を生成するにあたり、偏光板23を通過した
物体光15cの一部をハーフミラー26で反射させ、N
Dフィルタ27により光量調節を行い、ミラー28で反
射させた後、レンズ29で絞り、ピンホール30を通過
させ、レンズ31で再度平行光束15に変換し、この
平行光束15が参照光として用いられる。この平行光
束15は、ピンホール30を通過しているため、物体
光15cの中の一様成分のみが抽出された光束である。
【0013】液晶表示パネル11の平均輝度が変化する
と物体光15cの平均光量が変化するが、図1に示す実
施例の場合、液晶表示パネル11の平均輝度の変化は物
体光15cの平均光量のみに影響を与え、参照光15d
の平均輝度には影響を与えない。したがって、液晶表示
パネル11の平均輝度が変化することにより物体光15
cの平均光量が変化すると、上述した(4)の一様成分
どうしの差A1 −A2を適切に満足させるためには、そ
の都度、参照光15dの光量を調節する必要がある。こ
れに対し、図2に示す実施例では、液晶表示パネル11
の輝度変化は物体光15cと参照光15dとの双方に同
一のレベルの影響を与え、液晶表示パネル11の輝度変
化によっては、(4)式の一様成分どうしの差A1 −A
2 を適切に満足させるという点に関しては調整不要であ
る。
【0014】ただし、図2に示す実施例では、レーザ光
源14から射出されたレーザ光15から参照光15dが
生成されるまでの間に2つのピンホール17,30を経
由しており、参照光15dが暗くなりすぎる恐れがあ
る。図3は、本発明のコントラスト強調光学装置のもう
1つの実施例の構成図である。
【0015】図1,図2に示す実施例との相違点につい
て説明する。レーザ光源14から射出されたレーザ光1
5は、ハーフミラー32により物体光側のレーザ光と参
照光側のレーザ光に分割される。ハーフミラー32で反
射された物体光側のレーザ光のその後の光路は、図1,
図2の実施例の場合と同様である。
【0016】ハーフミラー32を透過したレーザ光は、
ミラー33で反射した後、偏光板34、カー効果を生じ
させるカーセル35、偏光板36を経由する。カー効果
とは、印加する電圧に応じて入射光の偏光方向が変化す
るという効果をいう。したがって、ミラー33で反射し
たレーザ光は、偏光板34で直線偏光光に変換され、カ
ーセル35により、そのカーセル35に印加された電圧
に応じて偏光方向が変化した後偏光板36を通過するこ
とになり、カーセル35に印加する電圧に応じて偏光板
36を通過する光束の光量を調整することができる。
【0017】偏光板36を通過した光束は、ハーフミラ
ー37で一部が反射されるが、ほとんどの光量分はその
ハーフミラー37を通過し、ミラー38で反射し、レン
ズ39,ピンホール40,レンズ41により一様成分が
抽出された平行光束に変換され、参照光15dとして差
分演算光学系50に入射する。ハーフミラー37で反射
した光は、フォトディテクタ42で検出されて電気信号
に変換されアンプ43で適宜増幅されて差分演算器44
に入力される。
【0018】また物体光側についても、偏光板23を通
過した物体光15cの一部がハーフミラー45で反射さ
れ、レンズ46,ピンホール47により、物体光の一様
成分のみが抽出されてフォトディテクタ48に入射す
る。フォトディテクタ48では、その入射した光が電気
信号に変換されアンプ49で適宜増幅されて差分演算器
44に入力される。差分演算器44は、物体光側のフォ
トディテクタ48で検出された光量と参照光側のフォト
ディテクタ42で検出された光量との差分演算が行わ
れ、差分演算光学系50において、上述した(4)式の
一様成分どうしの差分演算A1 −A2 が適切に行われる
ように、物体光の一様成分A1 の光量変化に合わせて参
照光の光量が調整される。
【0019】この図3に示す例の場合、物体光、参照光
とも経由するピンホールはそれぞれ1つ(物体光はピン
ホール17,参照光はピンホール40)であるため、図
2に示す実施例の、参照光が暗くなりすぎる恐れがある
という欠点が解決され、しかも物体光の光量変化に合わ
せて参照光の光量が調整される。図4は、光束分割用光
学系の各種の例を示した図である。
【0020】図4(A)は、図の左方から右方に向けて
進行してきた光束がハーフミラー100で分割され、そ
のハーフミラー100の反射光束と透過光束を各NDフ
ィルタ101,102で光量調整する方式の光学系であ
る。図1〜図3に示す実施例では、この図(A)に示す
ような光学系により光束分割が行われているが、これは
解り易さのために図4(A)に示すような光学系を採用
したものであり、このような光学系を用いるとNDフィ
ルタ101,102による光量損失が大きく、実際に
は、以下に説明するような光学系が用いられる。
【0021】図4(B)は、左方から進行してきた光束
が1/2波長板103によりその偏光方向が回転され、
偏光ビームスプリッタ104により互いに直交する偏光
成分が反射光と透過光として分離され、その透過光が再
度1/2波長板105を経由し反射光と透過光の偏光方
向が揃えられる。反射光と透過光の偏光方向を揃えるた
めの1/2波長板105は、図4(C)に示すように、
反射光側に配置してもよい。
【0022】図4(B),(C)に示す光学系を用いる
と、入射光束が反射光束と透過光束との2つに分割され
るとともに、入射側の1/2波長板103を回転させる
ことにより、光量損失なしに反射光束と透過光束の光量
比を調整することができる。次に、図1〜図3に1つの
ブロックで示した差分演算光学系50について説明す
る。
【0023】コヒーレント光学系による画像(複素振
幅)どうしの差分演算は、実際には、位相差π(もしく
はその奇数倍)を有する2つの複素振幅の加算により達
成される。この差分演算そのものについては種々の具体
的手法が提案されている(例えば、「辻内純平、一岡芳
樹、峯本 工共著「光情報処理」オーム社1989年2
8−29頁、及びそこに掲げられた参考文献を参照)。
【0024】図5は、差分演算光学系50の一例を示す
図である。図の左方から入射した参照光15dは、斜め
に配置されたガラス板51を経由し、ミラー52で反射
され、ハーフミラー53で反射する。一方、図の左方か
ら入射した物体光15cは、ハーフミラー53に入射し
てそのハーフミラー53を透過し、これにより物体光1
5cと参照光15dが重畳される。
【0025】ここで、ガラス板51の傾きの角度を調整
すると、参照光15dの光路に沿ったガラス板51の厚
さが変化し、ガラス板51を透過した参照光15dの位
相が調整される。ハーフミラー53を経由して重畳され
る物体光と参照光の位相差がπとなるように適切に位相
調整を行うことにより、ハーフミラー53を経由して重
畳された物体光15cと参照光15dとの間で、上述し
た(4)式の一様成分どうしの差分演算A1 −A2 が行
われることになる。なお、図5に示す例ではガラス板5
1は参照光15dの光路に配置されているが物体光15
cの光路に配置し、物体光15cの位相を調整してもよ
い。
【0026】図6は、ソレイユ補正器を示した図であ
る。斜面どうしが向き合わされた2枚の楔状のガラス板
54a,54bが、図1に示すガラス板51に代えて、
参照光15dないし物体光15cの光路上に配置され
る。ガラス板54a,54bを図の上下方向かつ互いに
反対の方向に移動させると、光路に沿った方向の、ガラ
ス板54a,54bの厚さが変化し、それらのガラス板
54a,54bを通過する光束の位相が調整される。
【0027】図7は、圧力可変気体セルを示した図であ
る。ガラス容器55内に所定の気体を充満させ、その気
体の圧力を変化させるとその気体の屈折率が変化し、し
たがってそこを通過する光束の位相が調整される。尚、
図5〜図7に示す例は、差分演算を行うことの概念の理
解には都合の良い例であるが、ガラス板51、ガラス板
54a,54b、ガラス容器55が参照光15dのビー
ム幅方向全域に亘って光学的な意味において厳密に平坦
である必要があり、具体的な実現は難しい。
【0028】図8は、サニアック干渉計型の差分演算光
学系の一例を示した図である。図の左方から参照光15
dと物体光15cが互いに平行に入射される。ここで
は、図示の繁雑さを避けるため、入射した参照光15
d、物体光15cそれぞれについて、各一本の実線,破
線で示す。入射した参照光15dは、ハーフミラー56
を透過し、ミラー57で反射し、さらにミラー58で反
射し、ハーフミラー56を透過して射出される。また入
射した物体光15cは、ハーフミラー56で反射し、参
照光15dの進行方向とは逆向きに進み、ミラー58、
ミラー57で反射し、さらにハーフミラー56で反射し
て参照光15dと重畳されて射出される。ここでミラー
57,58を図示の矢印方向に回動すると、参照光15
dと物体光15cの光路長が、互いに逆方向に変化す
る。これを利用し、物体光15cと参照光15dが位相
差πとなるようにミラー57,58の回動量が調整され
る。
【0029】図9は、回折格子を利用した差分演算光学
系の例を示した図である。参照光15d,物体光15c
の各光路の中心線と、レンズ59,60の光軸61との
間の距離が同一の距離aとなるように、参照光15dと
物体光15cが、光軸61を挟み、光軸61と平行に入
射される。レンズ59の前側焦点はLCLV13(図1
参照)の出力面に置かれ、後側焦点の位置には、物体光
15cと参照光15dとが並ぶ方向(図9の上下方向)
に周期pで繰り返す格子62が配置される。
【0030】また、レンズ60の前側焦点が格子62の
位置に置かれるようにレンズ60が配置され、レンズ6
0の後側焦点の位置に光電センサ90(図1参照)が配
置される。図9に示す光学系を、 p=λ・f1 /a …(5) ただし、λは、光の波長、f1 はレンズ59の焦点距離
を表わす を満足するように構成し、格子62を図9の上下方向に
微小に移動させることにより、参照光15dと物体光1
5cの複素振幅どうしの間にπ(ないしその奇数倍)の
位相差を与えることができる(原理的には、”Opti
cal Image Synthesis(Compl
ex Amplitude Addition and
Subtraction)in Real Time
by aDiffraction−Grating
InterferometricMethod” S.
H.LEE, S.K. YAO, AND A.G.
MILINES ”JOURNAL OF THE O
PTICAL SOCIETY OF AMERIC
A” VOLUME 60, NUMBER 8AUG
UST 1970 参照)。
【0031】この図9に示す差分演算光学系の場合、格
子62に重ねて空間フィルタ63を配置することがで
き、不要な高周波成分を除去したり、所定の空間周波数
成分を強調することができ、コントラストやムラ成分の
一層の強調を行なうこともできる。尚、この図9に示す
光学系において格子62を図9の上下方向に移動させる
ことに代え、参照光15dもしくは物体光15cの光路
(図9では参照光15dの光路)に位相調整用の光学素
子、例えばガラス板51(図5参照)を配置して回動す
ることにより、参照光15dと物体光15cの複素振幅
どうしの間にπ(ないしその奇数倍)の位相差を与えて
もよい。
【0032】図10は、ホログラムを用いた差分演算光
学系の例を示した図である。先ず、図10(A)に示す
ように、写真乾板や写真フィルム等の感光体64に、互
いに異なる方向から入射された3本の平面波状の光束6
5a,65b,65cを重ねることにより露光を行な
い、ホログラムを作成する。次に、図10(B)に示す
ように、そのホログラム64’に、図10(A)の光束
65aの方向から参照光15dを照射し、これとともに
図10(A)の光束65cの方向から物体光15cを照
射する。このようにすると、ホログラム64’からは、
図10(A)に示す光束65bの方向に進む、物体光1
5cと参照光15dが重畳された光束を得ることができ
る。そこで、参照光15dもしくは物体光15cの光路
(図10(B)では参照光15dの光路)に位相調整用
の光学素子、例えばガラス板51(図5参照)を配置
し、位相調整を行うことにより、物体光15cと参照光
15dとの差分演算が行なわれる(”AN EXPER
IMENT OF IMAGE−SUBTRACTIO
N USING HOLOGRAPHIC BEAM
SPLITTER” K.MATSUDA, N.TA
KEYA, J.TSUJIUCHI and M.S
HINODA ”OPTICS COMMUNICAT
IONS” Vol.2 No.2 Feb. 197
1 参照)。尚、物体光15cと参照光15dとの位相
調整は、ガラス板51等の位相調整用の光学素子を配置
して行なうことに代え、ホログラム64’を図示の矢印
A方向に微小移動させることにより行なってもよい。
【0033】図11は、本発明のコントラスト強調光学
装置のもう1つの実施例の一部分のみを示した図であ
る。この実施例には、液晶表示パネル11と結像レンズ
12との間に分光器70が配置されている。このように
分光器70を配置すると、液晶表示パネル11から発せ
られた光の、各波長毎のムラ、即ち色ムラを検出するこ
とができる。
【0034】図12は、本発明のコントラスト強調光学
装置の、さらに異なる実施例のブロック図、図13は空
間フィルタ光学系の一例を示した図である。この実施例
には、図1〜図3に示すような、物体光15cと参照光
15dを生成する光学系10と、その後段に配置され
た、図5〜図10に示すような差分演算光学系50の他
に、その差分演算光学系50の後段に空間フィルタ光学
系80が配置されている。この空間フィルタ光学系80
は、図13に示すように、図9に示す差分演算光学系と
同様な構成を備えており、物体光と参照光が重畳された
光束が図の左方から入射し、フーリエ変換レンズ81に
よりその焦点面にフーリエ変換像が形成され、その焦点
面に空間フィルタ82が配置され、その空間フィルタ8
2を通過した光が、もう1つのフーリエ変換レンズ83
により再度フーリエ変換されて光電センサ90に入射す
る。この空間フィルタ82に応じて、図9の説明と同様
に、不要な高周波数成分や特定のスペクトル成分が除去
され、もしくは、所定の空間周波数成分を強調すること
ができる。
【0035】本発明において空間フィルタリング処理を
施す光学系を配置することは必ずしも必要ではないが、
図9に示すように参照光を物体光との重畳と共に、ある
いは、図12に示すように差分演算光学系50の後段側
で空間フィルタリング処理を施すことにより、コントラ
ストの一層の強調を行なうことが可能である。尚、上記
の各実施例では液晶表示パネルを被検体の例として説明
したが、本発明は液晶表示パネルのみを対象とするもの
ではなく、CRTディスプレイやその他自ら光を発する
被測定体一般を対象とすることができる。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のコントラ
スト強調光学装置は、自ら光を発する被検体から発せら
れた光をコヒーレント光に変換して、複素振幅どうしの
差分演算を行うものであり、一様成分が減少し、変動成
分(ムラ成分)が強調される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のコントラスト強調光学装置
の構成図である。
【図2】本発明のコントラスト強調光学装置の他の実施
例の構成図である。
【図3】本発明のコントラスト強調光学装置のもう1つ
の実施例の構成図である。
【図4】光束分割用光学系の各種の例を示した図であ
る。
【図5】差分演算光学系の一例を示す図である。
【図6】ソレイユ補正器を示した図である。
【図7】圧力可変気体セルを示した図である。
【図8】サニアック干渉計型の差分演算光学系の一例を
示した図である。
【図9】回折格子を利用した差分演算光学系の例を示し
た図である。
【図10】ホログラムを用いた差分演算光学系の例を示
した図である。
【図11】本発明のコントラスト強調光学装置のもう1
つの実施例の一部分のみを示した図である。
【図12】本発明のコントラスト強調光学装置の、さら
に異なる実施例のブロック図である。
【図13】空間フィルタ光学系の一例を示した図であ
る。
【符号の説明】
10 物体光、参照光生成光学系 11 液晶表示パネル 13 LCLV(空間光変調素子) 14 レーザ光源 15c 物体光 15d 参照光 21,23,34,36 偏光板 35 カーセル 50 差分演算光学系 63 空間フィルタ 64’ ホログラム 80 空間フィルタ光学系 82 空間フィルタ 90 光電センサ 103,105 1/2波長板 104 偏光ビームスプリッタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 近藤 健一 神奈川県横浜市緑区白山1丁目16番1号 株式会社小野測器テクニカルセンター 内 (56)参考文献 特開 平2−72336(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 27/46

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コヒーレント光を射出するコヒーレント
    光源、 被検体から放射され、もしくは被検体で反射された光を
    入射して該光による被検体像を形成する結像光学系と、
    前記コヒーレント光源から射出されたコヒーレント光を
    入射して、該コヒーレント光を、前記結像光学系を経由
    して入射された被検体像を空間的な複素振幅分布として
    担持するコヒーレントな物体光に変換する空間光変調素
    子とを備えたインコヒーレント・コヒーレント変換部、 前記コヒーレント光源から射出されたコヒーレント光か
    ら空間的に所定の複素振幅分布を有するコヒーレントな
    参照光を生成する参照光生成部、および前記インコヒー
    レント・コヒーレント変換部で得られた前記物体光と前
    記参照光生成部で得られた前記参照光とを、該物体光と
    該参照光の一様成分が相互にキャンセルされるように
    対的に位相調整して互いに重畳する光波重畳部を備えた
    ことを特徴とするコントラスト強調光学装置。
  2. 【請求項2】 前記参照光生成部が、空間的に一様な複
    素振幅分布を有する前記参照光を生成するものであるこ
    とを特徴とする請求項1記載のコントラスト強調光学装
    置。
  3. 【請求項3】 前記物体光と前記参照光とを重畳する際
    に、もしくは重畳の後において、前記被検体像に該被検
    体像のコントラストを光学的に強調する空間周波数フィ
    ルタリング処理を施すフィルタリング部を備えたことを
    特徴とする請求項1又は2記載のコントラスト強調光学
    装置。
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