JP3522757B6 - 接着性複合材料ドレッシング及びその製造方法 - Google Patents

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発明の分野
本発明は、一の側に感圧接着剤で被覆された薄膜バッキングを含む感圧接着性複合材料ドレッシングであって剥離可能なフレームで施用されるものに関する。本発明はそのような感圧接着性複合材料ドレッシングの製造方法にも関する。
発明の背景
透明フィルムドレッシングは、傷の上の保護層として広く使用されている。それが汚染性の液体及びバクテリアに対する障壁として作用する一方で湿った雰囲気中で治癒を促進するからである。これらフィルムは、障壁特性の故に外科用ドレープ(drapes)としても用いられる。上記説明にあてはまるドレッシング及びドレープは、多数の商標の下に入手可能である。そのような商標としては、TEGADERMTM(3M Company,St.Paul,MN),BIOCLUSIVETM(Johnson & Johnson Company,New Brunswick,NJ),OP−SITETM(T.J.Smith & Nephew,Hull,England),及びUNIFLEXTM(How Medica,Largo,FL)がある。
これらのドレッシング及びドレープ(以下ドレッシングという)において用いられるポリマーフィルムは順応性がある。即ち、このフィルムは非常に薄く、曲がりやすく、しなやかである。それらは典型的にはフィルムの接着剤で被覆された表面を覆う剥離性保護ライナーを備えている。このライナーが除かれると、接着剤で被覆されたフィルムは皺がより、それ自体に接着し易く、患者の皮膚への、このドレッシングの円滑な、無菌の適用を妨げる。この問題に対して、種々の施用システムが提案されている。
1つの公知の施用システムが米国特許No.4485809に記載されており、ここにはドレッシングとライナーとの間に接着剤を使用することによって、ドレッシングが剥離ライナーに取り付けられている。このライナー材料は、剥離ライナーの中心部が除かれた後ドレッシングの施用の間、支持を提供するフレームとして機能する。ドレッシングが貼られた後、このフレームは中心部付近に設けられたミシン目に沿ってフィルムを裂くことによってドレッシングから除かれる。しかしながら、中心区画はライナーとして機能するので、ドレッシングが患者に貼られるすぐ前までは剥がせない。更に、フレームはドレッシングの周辺から裂かれなければならないので、皮膚とドレッシングとの間の接着剤接合はしばしば乱され、このため、ベッドのリンネルや他の手段によってドレッシングの時期尚早の剥がれ落ちが起こりうる。
米国特許No.4600001も、一対の相対するストリップと、フィルムに熱積層された施用層とを含む施用システムを記載している。使用に当たっては、剥離ライナーはドレッシングから除かれ、ドレッシングは患者に貼り付けられ、次いで施用手段層はフィルムの付いた付属品から除かれる。このフィルムが患者に固定された後、相対するストリップ及びそれらに付着したフィルムは、このフィルム中のミシン目を用いて除かれる。このデバイス(device)において、施用手段層は、好ましくは透明又は半透明で貼り付けの間、ドレッシングを通して観察することを可能にする。上述のようなドレッシングのように、このフィルムを引き裂いて相対するストリップを除くことは皮膚とドレッシングとの間の接着剤接合を乱し、やはり時期尚早の剥落を生じる。
フレーム型施用システムは、順応性のある薄膜を用いる用途に代替の施用システムを提供する。患者に貼り付けた後フィルムを裂くことを必要としない。除去可能なフレームを使用すれば、上述の問題を避けることができる。更に、フレーム内に剥き出しになったフィルムを通して患者への取り付け部位を観察できるので、患者へのドレッシングの正確な配置を助ける。
EPO公開No.0 051 935は、薄いポリマーフィルムドレッシング用の剥離可能なフレーム施用システムを記載している。この施用システムにおいて、フレーム材料とフィルムの間の接合は、全く機械的なもので、フィルムがフレーム材料上に押し出されるとき形成される。この文献のドレッシングは、フレーム材料中に制御深さ打ち抜きされた中央窓を持って製造される。使用に当たっては、打ち抜かれた窓は最初にフレームの中心から除かれ、その後剥離ライナーが接着剤層から除かれ、ドレッシングが患者の上に貼られる。次いで、このフレームはフィルムから除かれ、ドレッシングが患者の所定の場所に残される。
EPO公開No.0 051 935によって製造されたドレッシングに付随する1つの欠点は、ドレッシングを患者に貼り付ける前に窓を除く余分なステップである。窓は、ドレッシングが患者に貼り付けられる前に剥がさなければならないものではないが、その除去をするとドレッシングを貼る人が、それが貼り付けられる領域を見ることができるので、そうすることが有利である。窓材料とバッキングとの間の接合は、ドレッシングを鋭い勿体の上を走行させて、窓がバッキングから剥がれるときそれを引っ張ることによって分離した。しかしながら、このプロセスは2つの問題を生じた。第1に、このプロセスが効果的に達成される最大速度は遅すぎた。第2に、ドレッシングへのフレームの接合は妥協させられ、フレーム施用システムの剥落の原因となっていた。
米国特許No.Re33727も薄いポリマーフィルム及びこのポリマーフィルムの1つの表面に被覆された感圧接着剤を有する複合体を含むフレーム型施用システムを記載している。剥離ライナーがフィルムの接着剤が被覆された表面に取り付けられ、接着剤が適用された表面と反対側のフィルムの剥き出しになった表面にフレームが取り付けられる。適用されるときは、剥離ライナーが最初に接着剤で被覆された表面から除かれ、次いで、フィルム及びフレームが患者に貼り付けられ、次いでフレームがフィルムから除かれ、このフィルムが皮膚上に残る。
米国特許No.Re33727は、フレームがフィルムに接合される機構を述べてなく、またフレーム及びフィルムの間の接合を乱すことなく中央の窓を除くことに付随する問題を述べていない。しかしながら、Re33727において、特許権者は複合材料の複数の層を相互に接合する感圧接着剤又は放射線硬化性フィルムを用いたラベルに頼っている。この点に関して、上述の文献によるそのようなフレームで施用されるドレッシングは、キャリヤー材料上に直接に薄膜を押し出し又は放射線硬化させることを予期している。
ドレッシングの上面上の低接着性皮膜は、ドレッシング上でテープや他のデバイス(devices)を適用する能力を提供し、これによって、これらテープや他のデバイスのための台(platform)として使用することを可能にする。この低接着性皮膜は、下に横たわっているドレッシングが剥がれたり乱れたり、また追加の汚染物質が傷に到達することなしに、テープや他のデバイスを剥がすことを可能にする。そのようなドレッシングの例は、3M company,St.Paul,MNから入手可能なTEGADERMTMNo.1620ドレッシングである。
発明の要約
本発明の接着性複合材料ドレッシング(及びその製造方法)は、上記種々の問題を解決しようとするもので、下面に感圧接着剤が被覆され、上面に任意の低接着性皮膜を有する順応性のあるバッキングであって、その上面に取り付けられた剥離可能なフレームによって支持されたものを有する,窓のないフレームで施用されるドレッシングを提供するものである。特に、本発明は、フレームをバッキングに、また必要があれば、前記バッキングの上面上のヒートシールになじむ低接着性皮膜を介して、ヒートシールすることにより上述の諸問題を克服する。さらに、本発明の方法と装置は、消費者によって使用される前に窓が除かれ、これによってドレッシングを適用するに必要なステップを最小にし、かつ消費者レベルでの廃棄物流(waste stream)を減らす、フレームで施用されるドレッシングを提供する。
1つの好ましい方法において、本発明は加工ステップの数の少ないという利点を提供し、これは、今度は、本発明のドレッシングの製造に付随するコストを更に減らす。更に、フレームとバッキングの間のヒートシール接合に適する(becompatible with)低接着性皮膜をバッキング上に適用すれば、使用において、ドレッシングの偶然の剥離を引き起こして、傷の汚染をもたらし、ドレッシングの貼り代えを必要とするドレッシングとベッドのリンネル又は他の表面との間の摩擦力を減らす製品を提供する。
本発明は次のものを含む接着性複合材料ドレッシングを提供する。
(a)上面及び下面を有する順応性のあるバッキング、
(b)前記バッキングの下面の少なくとも一部に被覆された感圧接着剤、
(c)前記感圧接着剤の前記バッキングと反対側に剥離可能に取り付けられたライナー、並びに
(d)前記バッキングの上面に取り付けられ且つこれを覆うキャリヤーであって、このキャリヤー中の切断部はこのバッキングの中心付近に実質的に窓を画定し、この窓が除かれたとき、このバッキングの上面の一部を剥き出しにし、このキャリヤーは更にバッキングよりも実質的に剛性のある材料から形成されていて前記接着性複合材料ドレッシングに剛性を与えているキャリヤー、
そしてこのドレッシングは前記キャリヤーが前記バッキングに剥離可能にヒートシールされていることを特徴とする。この接着性複合材料ドレッシングでは、低接着性皮膜が前記バッキングの上面の少なくとも一部に存在していてもよい。
本発明は、次のステップを含む接着性複合材料ドレッシングの製造方法も提供する。
(a)上面及び下面を有する順応性のあるバッキング、前記バッキングの下面の少なくとも一部に被覆された感圧接着剤及びこの感圧接着剤の前記バッキングと反対側に取り付けられたライナーを準備すること、
(b)キャリヤーをバッキングの上面に着け(このキャリヤーは前記バッキングの中央部付近に窓を画定する切断部を有するものである)、このキャリヤーをバッキングの上面に剥離可能にヒートシールして、このキャリヤーとバッキングの上面の間に接合を形成すること(この接合はライナーと感圧接着剤の間の接合よりも大きい)。
本発明を特徴付けるこれらの及び種々の他の利点及び新規な態様は請求の範囲に詳細に指摘されている。しかしながら、本発明、その利点及びその使用によって得られる事項のよりよい理解のために、添付図面及び説明事項を参照しなければならない。そこには本発明の好ましい具体例が記載されている。
図面の簡単な説明
本発明は添付の図面を参照して更に説明されうる。ここに、
図1は、本発明のドレッシングの1つの好ましい具体例の上面透視図(topperspective view)であり;
図2Aは、本発明のドレッシングの他の好ましい具体例の上面透視図であり;
図2Bは、ライナーを除いた図2Aのドレッシングの底面透視図(bottom perspective view)であり;
図3は、本発明によって製造されたドレッシングの他の好ましい具体例の部分断面図の上面透視図であり;
図4は、本発明によりドレッシングを製造する1つの好ましい方法のフローチャートであり;
図5A及び5Bは、本発明の好ましい製造プロセスの間のバッキング/感圧接着剤/ライナー複合材料を提供する代替できる好ましい複数の方法の複数のフローチャートであり;
図6は、本発明のドレッシングの1つの好ましい製造方法の概略透視図であり;
図7は、本発明のドレッシングの他の好ましい製造方法の概略透視図であり;そして
図8は、本発明のドレッシングの他の好ましい製造方法の概略透視図である。
発明の具体例の詳細な説明
図1〜3は、本発明によって製造されるドレッシングの好ましい具体例を描いている。本発明の接着性複合材料ドレッシングの構成は、その上に感圧接着剤を有する順応性のあるバッキングであれば何であれそれと関連して(in connection with)有用である。代表的なバッキングは、不織繊維ウェブ、織られた繊維ウェブ、編み物、及び他の普通のバッキング材料を含む。他の好ましいバッキング材料は、半透明な又は透明なポリマーフィルムである。
本発明は、高水蒸気透過性フィルムバッキングを有する感圧接着剤複合材料の分野で特に有用である。発行された米国特許No.3645835及び4595001は、そのようなフィルムの製造方法及びそれらの透過性を試験するための方法を記載している。好ましくは、前記フィルム/接着剤複合材料は、人間の皮膚と等しいかこれより大きな速度で水蒸気を透過しなければならない。好ましくは、前記接着剤で被覆されたフィルムは、米国特許No.4595001に記載されている逆カップ法(inverted cup method)を用いて測定した速度にして、少なくとも300g/m2/24時間/37℃/100〜10%RH、より好ましくは、少なくとも700g/m2/24時間/37℃/100〜10%RH、最も好ましくは、少なくとも2000g/m2/24時間/37℃/100〜10%RHで水蒸気を透過させる。
このバッキングは、好ましくは、解剖組織上(anatomical)の表面に順応性である。そのようなものとして、このバッキングが動物の解剖組織上の表面に適用されるとき、それはその表面が動いてもその表面に順応する。好ましいバッキングは、動物の解剖組織上の関節にも順応性である。関節が曲げられ、またその曲げられていない位置に返ったとき、バッキングは伸びて関節の屈曲に適応するが、充分に弾力性があって、関節がその曲がっていない状態に返ったとき、その関節に順応し続ける。
本発明に用いるのに好ましいバッキングのこの特性の記載は、発行された米国特許No.5088483及び5160315に見いだされる。既に述べたように、特に好ましいバッキングは、弾性ポリウレタン、ポリエステル、又はポリエーテルブロックアミドフィルムである。これらのフィルムは、好ましいバッキングに見られる弾力性、高水蒸気透過性、及び透明性といった望ましい性質を兼ね備えている。
本発明の接着性複合材料ドレッシングに用いられ得る好ましい感圧接着剤は、皮膚に適用される標準的な接着剤、例えば米国特許No.Re24906に記載されたアクリレートコポリマー、特に97:3イソオクチルアクリレート:アクリルアミドコポリマーである。やはり好ましいものは、米国特許No.4737410(例31)に記載されているような70:15:15イソオクチルアクリレート:エチレンオクチルアクリレート:アクリル酸ターポリマーである。他の有用な接着剤は、米国特許No.3389827,4112213、4310509及び4323557に記載されている。米国特許No.4310509及び4323557に記載されているように、接着剤中に薬剤又は殺菌剤を添加することも予想される。
上述の好ましい感圧接着剤は、好ましくは、水蒸気透過速度が、人間の皮膚のそれに等しいか又はより大きい。そのような特性は、適当な接着剤を選択することによって達成できるが、本発明においては、米国特許No.4595001に記載されているような、水蒸気透過の高い相対速度を達成する他の方法、例えばバッキング上に接着剤を模様塗りすることも、予想されている。
本発明の接着性複合材料ドレッシングに用いるに適したライナーは、クラフト紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル又はこれらのいずれかの複合材料から作られうる。これらのライナーは、好ましくは剥離剤、例えばフッ素化合物又はシリコーンで被覆されている。例えば、米国特許No.4472480は低表面エネルギーペルフルオロ化合物ライナーを記載している。これらの好ましいライナーは、シリコーン剥離材料で被覆された紙、ポリオレフィンフィルム又はポリエステルフィルムである。商業的に入手可能なシリコーンで被覆された剥離紙の例は、James River Co.,H.P.Smith Division(Bedford Park,Ill.)から入手可能なPOLYSLIKTMシリコーン剥離紙及びDaubert Chemical Co.(Dixon,Ill.)の供給するシリコーン剥離紙である。最も好ましいライナーは、Daubertから入手可能な1−60BKG−157紙ライナーで、これは水ベースのシリコーン剥離剤表面を有するスーパーカレンダー掛けしたクラフト紙である。
接着剤とライナーの他の組み合わせは、本発明の具体例で用いることが予期される。当業者は、種々のライナーに対して新しい接着剤を、又は種々の接着剤に対して新しいライナーを試験して、最終製品において望まれる品質の組み合わせに到達する方法に習熟しているであろう。シリコーン剥離ライナーの選択に関連する考察は、Handbook of Pressure Sensitive Adhesive Technology,Van Nostrand−Reinhold,1982,pp.384−403の第3章に見いだすことができる。米国特許No.4472480もペルフルオロポリエーテル剥離ライナーの選択に関する考察を述べている。
本発明の好ましい具体例において、接着剤の選択は人の皮膚に使用するのに安全で、好ましくは「低刺激性のもの(hypoallergenic)」として知られている種類のものに限られる。好ましいアクリレートコポリマーは、この種類の接着剤である。ライナーは種々の製造業者から、広範な種々の特許配合物を入手可能である。当業者は、望みの剥離特性を持った製品に到達するために、ある選択した接着剤に対して疑似使用条件下にこれらのライナーを通常は試験するであろう。本発明に従って製造されたドレッシングに対してフレームを提供するために使用されるキャリヤー材料は、好ましくは、適用の間にバッキングがしわの寄らないように比較的剛性である。好ましいドレッシングを製造するために、キャリヤー材料は以下に述べる低接着性皮膜の付いた又は付いていないバッキングにヒートシール可能でなければならない。一般に、好ましいキャリヤー材料の例としては、ポリエチレン/酢酸ビニルコポリマーで被覆された紙及びポリエステルフィルムであるが、これらに限られない。好ましいキャリヤー材料の1つの例は、ポリエチレン/酢酸ビニルコポリマ−で被覆されたスーパーカレンダー掛けされたクラフト紙(1−80BKG−157 PE; Daubert Chemical Co.,)である。
本発明の接着性複合材料ドレッシングは、好ましくはバッキングの上面上の低接着性皮膜を含み、これは、以下に例1と共に記載するポリビニル−N−オクテデシルカルバメート及びシリコーン樹脂ブレンドの溶液として被覆される。好ましい低接着性皮膜は、フレームとバッキングとの間のヒートシール接合になじみ、且つヒートシールの後にもその低接着性を保持する。本発明の接着性複合材料ドレッシングの上面は低接着性皮膜を含むことが好ましいが、そのような皮膜がなく、それにヒートシールされたフレーム状キャリヤー材料を有する接着性複合材料ドレッシングも、本発明の範囲に属すると考えられる。
好ましい低接着性皮膜であるポリビニル−N−オクタデシルカルバメートは米国特許No.2532011に詳細に記載されている。その文献に記載されているように、本発明に有用な性質を示すポリビニルカルバメートポリマーは、炭素原子数長さ5より大きいアルキル基で未端停止されたカルバメート側鎖を有する。それらはポリビニルアルコールと未端アルキル基を有する適当なイソシアネートとを反応させることにより作り得る。この点に関して、好ましいポリビニル−N−オクタデシルカルバメートは、ポリビニルアルコールと窒素に結合した側鎖のアルキル基中に18個の炭素原子を有するオクタデシルイソシアネートとを反応させることにより作られる。ここで用いている用語「イソシアネート」とは単一の−N=C=O基を有する一官能性化合物をいい、ジイソシアネートを含まない。
好ましい皮膜の低接着性皮膜を与える他の皮膜で置き換えられることも理解されよう。本発明の低接着性皮膜を選ぶにあたって第一に考慮されることは、それらの剥離特性及びそれらの、フレームとバッキングの間のヒートシール接合への適合性である。
バッキング上の低接着性皮膜は非常に薄いので、ヒートシール接合部はキャリヤー材料、低接着性皮膜及びバッキングの3つの全ての層からの物質を含む。その結果、キャリヤー材料、低接着性皮膜及びバッキングは適当なヒートシール特性を提供する組み合わせとして選択しなければならない。適当なヒートシール接合を与える組み合わせの例を以下の例に示すが、多数の他の組み合わせも本発明の装置と方法の要請を満たすであろう。
好ましいドレッシング
図1を参照して、接着性複合材料ドレッシング10の好ましい1つの態様は、上述のように好ましくは順応性のあるバッキング(backing)14;バッキング14の上面にある低接着性皮膜13;低接着性皮膜13の上でバッキング14の上面に取り付けられたフレーム(frame)12;バッキング14の下面上の接着剤16;及び接着剤16の剥き出しになった表面に取り付けられたライナー18を含む。
好ましい具体例において、フレーム12はバッキング14に(低接着性皮膜13の上に)ヒートシール接合により取り付けられる。フレーム12はライナー18が除かれた後バッキング14に剛性を与え、好ましくはそのほぼ中央に開孔を有し、これは窓15を形成し、これはバッキング14の上面の一部を剥き出しにする。上述のように、低接着性皮膜13はフレーム12及びバッキング14の間のヒートシール接合に適する。
ライナー18及びフレーム12は、両方とも好ましくはタブ(tab)17及び19を有し、これらはバッキング14の周辺部を超えて伸びており、接着剤16に触れることなくバッキング/フレーム/接着剤複合材料を適用する手段を与えている。
好ましい態様において、フレーム12とバッキング14の間のヒートシール接合は、接着剤16とライナー18の間の接合よりも強い。この差異は、ライナー18が接着性複合材料ドレッシング10から除かれるとき、バッキング14がフレーム12に接合されて残っていることを確実にする。
ドレッシング10はフレーム12を持っているところが示され、このフレームは開孔20を有し、このためフレーム12がバッキング14の周囲を完全には取り囲んでいないようになっている。この態様は、ドレッシング10がカテーテル等の装置に被さって置かれることを許容し、なおフレーム12にくっついてバッキング14の取扱いを一層容易にする。
使用において、ライナー18は、フレーム12/バッキング14/粘着剤16をそのままにして、接着性複合材料ドレッシング10から最初に除かれる。次いで、使用者は、好ましいバッキング14が透明又は半透明なので、ドレッシング10が取り付けられるべき領域を窓15を通して見ながら、フレーム12上のタブ17を用いて接着性複合材料ドレッシング10を手際よく扱うことができる。
通常は窓15を覆っているキャリヤー(carrier)材料を製造の間に取り除くことは、本発明によって製造されたドレッシング10に重要な利益を与える。それは、公知の窓型ドレッシングの施用過程(delivery process)における1つのステップ(即ち、ドレッシング10の残りからライナー18を除くに先立って窓15からキャリヤー材料を除くステップ)を除き、また消費者レベルでの廃棄物流(waste stream)も減らす。
好ましい態様において、バッキング14の上の低接着性皮膜13は、他のテープ又は装置がドレッシング10の上に置かれ、除かれたとき、望ましくないドレッシングの剥離によるドレッシング変化(dressing chnges)を減らす。低接着性皮膜13はまた、リンネル又は他の布とのドレッシング10の表面摩擦をも減らし、これによってドレッシング10の偶然の剥離に対する追加の保護を与える。この点に関して、バッキング14上にあり、キャリヤー材料のフレーム12の下にヒートシールされた低接着性皮膜によって提供される特異な態様が、未端ユーザーによって使用される前に窓15からキャリヤー材料を除く必要性を無くすことは評価されるべきであろう。しかしながら、製造中にそのようなキャリヤー材料を除いて窓15を剥き出しにすることは、本発明の接着性複合材料ドレッシングを作る好ましい手段である。
図2A及び2Bを参照して、本発明のドレッシング21の代替の具体例を描いている。図示のように、ドレッシング21は、フレーム22、バッキング24、接着剤26及びライナー28を含む接着性複合材料である。ライナー28は、好ましくは、取扱いのための相対するタブ29を有し、フレーム22も取扱いのためのタブ27を有している。
図1のドレッシング10と同様に、ドレッシング21も開いた領域又は窓25をフレーム22中に持ち、これはバッキング24の上表面の一部を剥き出しにしている。フレーム22は、好ましくはバッキング24の全周辺の周りに伸び、好ましくは制御深さ打ち抜き(control depth die cut)23を含み、ドレッシング21が患者に適用された後、バッキング24からのフレーム22の剥離を便利にする。
図2Bは、ライナー28を除いて接着剤層26及びドレッシング21の中央付近に配置された吸着性パッド29を剥き出しにしたドレッシング20の底面図である。吸着性パッド29は織られた又は編まれた綿又はレーヨン、親水コロイド、発泡体、及び不織パッドを含むがこれらに限られない多数の材料から製造されうる。吸着性パッド29は、殺菌剤、経皮薬剤投与用の医薬品、患者等におけるホルモン又は他の物質を監視するための指示薬等を含む多数の物資を含むのに有用である。更に、吸着性パッド29はドレッシング21の中心に来るように示されているが、それはどんな適当な形状を取ることもでき及び/又は望みに応じてドレッシング21上の中心を外れて存在しうる。
パッド29がドレッシング21の上に置かれたとき、フレーム材料がまだ存在すれば、パッド29はバッキング24を変形し窓25におけるフレーム材料22の間に剥離を引き起こす傾向があるので、本発明のこの具体例においては、ドレッシング21の窓領域25からフレーム材料22を取り除くことは特に有利であることに注意すべきである。
図3を参照して、ドレッシング30の他の代替の好ましい具体例で、本発明に従って製造されたものが描かれている。そこに示されているように、ドレッシング30はフレーム32、バッキング材料34、接着剤36及びライナー38を含む。上述の具体例に関して言えば、フレーム32はバッキング34の周辺の周りに位置し、ドレッシング30の中心35から除かれて窓を形成し、ドレッシング30のバッキング34の上表面の一部を剥き出しにしている。
本発明のこの特別な具体例は、貼付試験としてアレルギー試験をするために特に有用である。この場合、孔37は患者の皮膚にアレルゲンを乗せるのに用い、その特定のアレルゲンに対するアレルギー反応が起こったかどうか監視し測定する。
比較的大きなドレッシング、例えば図3に示されたものについては、各窓(図示していない)の間の中にキャリヤー材料の支持領域を利用して、患者の皮膚へのよりしっかりした(例えば、硬い)施用手段を提供できる。キャリヤー材料のこれらの支持領域は、施用の間にドレッシングが折れ込んでそれら自体に接着することのないように保証するのを助ける。加えて、本発明ドレッシングのいずれも、米国特許No.5160315に記載されているような装置(例えば、チューブ、カテーテル等)を患者に固定するのに有用な追加のテープストリップ(tape strips)又は他の構造体を含んでいてもよいことが理解されよう。これらの固定ストリップを付加することは、本発明の低接着性皮膜を含むドレッシングと共同して特に有用である。特に、バッキングの上面上の低接着性皮膜は、そのようなストリップの貼り付け及び剥がしを可能にし、こうして他の固定形態(secural configuration)が望まれるときは、このドレッシングの置き換えを不要にする。
好ましい製造方法
さて、本発明のドレッシングの好ましい種々の製造方法に目を向けよう。好ましい基礎的方法は図4のフローチャートに示されている。ここに示されているように、ステップ40は、好ましくはバッキング/バッキング(感圧)接着剤/ライナーから形成された接着性複合体を準備することを含む。その複合体における各成分についての好ましい材料は上に述べられている。
この好ましい方法におけるステップ42は、バッキングの上面に低接着性皮膜を設けて、テープ−オーバー態様(tape−over feature)を提供し、同時にリンネルによる表面摩擦を最小にする(これはドレッシングの望ましくない剥離をも減らす)。
この好ましい方法において、キャリヤー材料は打ち抜かれて(44)窓を形成する。この窓は好ましいドレッシングの上のフレームの中央に存在する。好ましい具体例においては、この打ち抜きは、当業者に周知のロータリー打ち抜き装置を用いて達成される。キャリヤー材料中に窓が打ち抜かれた後、それら窓はステップ46で除かれる。窓を除くと、好ましいドレッシングの各々の周辺の周りに位置するキャリヤー材料のフレームの内部端を画定する。
キャリヤー材料中に打ち抜かれた窓は当業者に公知の多数の方法を用いて除くことができる。これらの方法は、真空、空気圧、重力、及び窓がフレームの形成されたキャリヤー材料から除かれるように作用する小さな直径を有するニップロールの使用を含みうる。
上に述べたように、窓(これは除かれる)を形成するキャリヤー材料は、各ドレッシングのフレームを作っているキャリヤー材料の残りであり、好ましくはバッキングにヒートシールされない。
低接着性皮膜被覆ステップ42、打ち抜きステップ44及び窓除去ステップ46を完了した後、キャリヤー材料(窓を除いたもの)をバッキングの上面に、低接着性皮膜の上にヒートシール48される。
ステップ42、44及び46は図4において、連続的に描かれているが、これらは同時に行うことができ、便宜上連続的に示されているに過ぎないことは理解されよう。
代替の好ましい方法は、打ち抜き及び窓除去ステップ44及び46の前にヒートシールステップ48を行うことを含む。この方法においては、ヒートシール領域は、窓材料をバッキングにヒートシールして、窓の除去を困難にすることを避けるためにバッキング上の窓領域にまで伸びることはない。加えて、この打ち抜きステップ44は、窓がキャリヤー材料から切り出される時にバッキングを通してカットすることを避けるために制御深さ打ち抜きを含む。
ヒートシールプロセスの制御は多数の方法で達成することができる。それはヒートシールに用いる加熱されたロールに窪みをつけること又は接着性複合ウェブを加工の間加熱ロールに押しつけるニップロールを粗面にする(texture)ような他の手段を含みうる。これらの方法を以下に更に詳しく述べる。
ステップ44及び46にて窓が除かれ、ヒートシールステップ48が行われた後、唯一残ったステップ50は、接着性複合ウェブを最終製品に変えることである。好ましい方法において、ウェブは、いまやバッキングにヒートシール接着されたフレーム材料からなり、このバッキングは接着剤とライナーとをその反対側に有する。加えて、各ドレッシングの中央を画定する窓はキャリヤー材料から除かれている。このウェブは、好ましくはロータリーダイシーティングステイション(rotary die sheeting station)中に送られ、これは前記ウェブからドレッシングを切り出し、残り物(weed)又は不用になった材料を押し退け廃棄する。好ましくは、個々のドレッシングは直接に包装部署に送られ、この部署は殺菌及び消費者への配送のためにドレッシングを包装する。
図5A及び5Bは、ステップ40を達成する、即ち、上述のステップ40で用いられるバッキング/バッキング(感圧)接着剤/ライナー複合体を提供するための2つの異なった好ましい方法を描いている。図5Aは、廃棄(waste)キャリヤー材料上にバッキングの押し出し又は被覆を含むステップ52を含む1つの方法を描いている。ステップ54はバッキング接着剤をライナーに被覆してバッキング接着剤/ライナー複合材料を形成することを含む。このバッキング接着剤/ライナー複合材料は、ステップ56において前記バッキング/廃棄キャリヤー複合材料に積層されて、廃棄キャリヤー/バッキング/バッキング接着剤/ライナー複合材料を形成する。最後に、前記廃棄キャリヤーをバッキングから除いて、バッキング/バッキング(感圧)接着剤/ライナー複合材料が生成し、次いでこれを図4の方法に記載されているように加工することができる。
図5Bを参照して、代替の具体例において、バッキング接着剤をステップ60においてライナーに被覆し、ステップ62において、バッキング材料を感圧接着剤上に直接に押し出し又は被覆して、バッキング/バッキング(感圧)接着剤/ライナー複合材料を生成する。図5Bに記載された方法は、廃棄キャリヤーの使用を避け、製品コストと加工ステップとを減らすから、図5Aに記載されたものよりも幾分有利である。しかしながら、両方とも本発明による方法に使用されると予想される。
図6〜8は、本発明の好ましい方法に従ってドレッシングを製造するために回転式加工装置に供給されるウェブの種々の概略図を描いている。そのような装置を設計する詳細は、当業者に公知であろう。本発明の方法を実施するために有用な制御深さ打ち抜き装置(control depth die cut systems)を含む商業的に入手可能な回転式ウェブ加工装置は、例えば、Mark Andy Company(St.Louis,MO)及びBernal Rotary Systems(Troy,MI)から得られる。
図6を参照して、ロール72は、上述のようなヒートシール性キャリヤー材料(これも72で示す)を、好ましくは含んでおり、ヒートシール側73を図示のように通す。このキャリヤー材料72は、図示のように加熱されたロール82の周りに巻き付けられる。第2の入力ロール70は、本発明の低接着性皮膜/バッキング/バッキング(感圧)接着剤/ライナー複合材料(やはり70)を含む。図示のように、前記低接着性皮膜/バッキング部分74は内側に巻かれ、ライナー78は外側に巻かれる。入力ローカル70からのウェブはニップロール80と加熱されたロール82の間に形成されるニップ81の間に通される。図示のような好ましい態様において、加熱されたロール82はその周辺に配置された窪み83を有し、これら窪みは加熱されたロールのニップ81を出るときウェブ中のヒートシール領域84を避けるために設けられている。
下流において、打ち抜きロール86及び金敷ロール87は制御された深さにキャリヤー材料72を打ち抜いてウェブ中に窓を形成する。この窓88は次いで上に述べたように種々の手段を用いて除かれる。引っ張りロール90は、一定の張力ゾーンを確立し、シーティングロール(sheeting roll)92はウェブから最終製品10を取り出す。残り物94はロール96に巻かれ、次いで廃棄される。
図7に示される他の具体例において、キャリヤー材料ロール102はそのヒートシール側103が外側に巻かれて、提供されている。このキャリヤー材料(これも102)は打ち抜きロール116及び金敷ロール114の間に形成されたニップ105を通過させられる。この部署でキャリヤー材料102のウェブから窓118が切り出され、除かれる。
キャリヤー材料102は、図示のように、加熱されたロール112及びニップロール110によって形成される積層ニップ111を通される。この積層部署に、本発明の低接着性皮膜/バッキング/バッキング(感圧)接着剤/ライナー複合材料が供給ロール100から引き出されて通される。この際、図示のように、低接着性皮膜/バッキング部分104は外側に巻かれ、ライナー108は内側に巻かれている。図7に示された具体例において、加熱されたロール112は、図6における加熱されたロール82に関して述べられたような窪みは必要でない。それは熱積層ステップの前にキャリヤー102中の窓材料は除かれるからである。引っ張りロール120はシーティングダイ(sheeting dies)122のための一定の張力ゾーンを確立し、このダイはドレッシング10及び残り物124を生成し、この残り物はロール126に巻き取られる。
他の代替方法を示す図8を参照して、キャリヤー材料132はヒートシール側133が図示のように通過するように供給される。このプロセスにおいて、制御深さ打ち抜きは熱積層と同じ部署で行われる。ロール142は加熱されたロールであり、ロール146は、キャリヤー材料132から除かれる窓材料148を生ずる打ち抜きロールである。
低接着性皮膜/バッキング/バッキング(感圧)接着剤/ライナー複合材料130は、ロール140及び加熱されたロール142の間に形成されるニップ141に巻き込まれる。複合材料130は、好ましくは低接着性皮膜/バッキング部分134を外側に巻かれ、ライナー138は内側に巻かれている。キャリヤー132及び複合材料130が相互に積層された後、これらは引っ張りロール150に供給され、このロールは一定の引っ張り張力ゾーンをシーティングダイ(sheeting dies)152に提供する。このダイはドレッシング10及び廃棄物又は残り物154を生じ、これはロール156に巻き取られる。
図6〜8に含まれる概略図は可能な装置の形状のみを表し、本発明の方法を制限するものと解釈されるべきでないことは当業者に理解されるであろう。
本発明方法のヒートシール部分は注意深く調整されなければならない。それは、患者の皮膚とバッキング接着剤の間の結合に対するバッキングとフレーム材料との間のヒートシール接合(低接着性皮膜を介しての)の相対的な強度が重要であるからである。上に述べたように、フレームとバッキングとの間のヒートシール接合はバッキング接着剤とライナーとの間の接合よりも強くなければならない。この関係は、ドレッシングを患者に適用する前にライナーを除くときバッキングからフレームが剥がれるのを防ぐ。
また、前記プロセス中のいずれかの点で除かれねばならない窓中のキャリヤー材料は、バッキングにヒートシールされていないのが好ましい。それは、もしそれがバッキングにヒートシールされていれば窓を除くのが困難になるからである。これに代えて、もし窓材料がバッキングにヒートシールされているときは、フレームとバッキングとの間の接合に悪影響を与えないで窓の取り除きを便ならしめるために、そのヒートシール接合の強度は、フレームとバッキングとの間のヒートシール接合の強度より小さいことが好ましい。
製造におけるヒートシール部分の間に生じる接合への調節は、ヒートシールされる材料、加熱されたロールの温度、ウェブの速度及び加熱されたロールとニップロールとの間の圧力を含む多数の変数によって影響されることは理解されよう。
更に、得られた製品の殺菌も接合強度に影響することが理解されよう。特に、好ましいバッキング接着剤と患者の皮膚の間の接合強度はガンマ線殺菌によって影響されることは知られている。ガンマ線殺菌は、本発明を用いて製造されるヒートシール接合を強化するのにいくらかの効果を有することも見いだされたが、この効果はバッキング接着剤/皮膚接合強度に対する影響よりも顕著でない。
上に述べたヒートシールプロセスによって接合される領域を調節するために加熱されたロールにおいて変化させることは、加熱されたロール又はニップロールにおいて、窪みを形成し、ヒートシール接合が殆ど又は全く形成されない領域を生じさせることを含む(例えば、図6、窪み83を有するロール82及びウェブ中の接合されていない領域84を参照のこと)。図7及び8は、窓領域におけるヒートシールの調節の問題を避けるためにヒートシールの前に窓材料が除かれるプロセスを描いている(図7、窓118、及び図8、窓148)。
バッキングへのフレームのヒートシールを調節する他の方法は、上述のように加熱されたロールと共に粗面ニップロール(textured nip roll)を用いることである。粗面化はニップロール及び加熱されたロールの間の圧縮された面積を調節するのに有用であり、また、両ロールの間の全体的な圧縮力に影響を与える。この粗面化は、ロールの全表面を覆うか、又は接合強度が比較的強いか又は弱いことが好ましいウェブの領域に対応するロールの領域に限定されうる。
この粗面化は、ロール中に形成された、ウェブの中心線に関してどんな角度であれ適当な角度で、平行なもしくは交差した溝、又はぎざぎざの模様(knurled pattern)を含む多数の形を取りうるが、これらに限られない。第一に考えるべきことは、ニップロール及び加熱されたロールの間の接触面積を減らすか又は調節し、これによって接合強度を調節することである。
好ましい粗面化されたニップロールはジュロメーターの約85のショアA硬度を有するシリコーン被覆されたロールの中に彫られた交差した溝の模様を有する。この溝は、ロールの表面に沿った機械方向から約45゜の角度に設定されている。押しつけられていないときは、この溝はニップロールの接触表面を約50%減らす。
一方、加熱されたロールを粗面化して、ヒートシールプロセスに追加の調節を提供することができることが理解されよう。
ヒートシール接合に対する調節を提供する他の変形は、種々のジュロメーター強度を有する材料で形成された弾性ニップロールを用いて、ニップ領域を横断して異なった圧縮比を与え、これによってヒートシール接合強度に影響を与えることである。この特別な変形は圧縮力を変化させて接合強度を調節し、場合によっては、粗面化と共に使用できよう。
以下の例は、本発明の物品及び方法を更に説明するが、本発明はこれらによって制限されるものではない。全ての部及びパーセントは特に断らない限り、重量を基準としたものである。
(例1)
96%のイソオクチルアクリレート単位及び4%のアクリルアミド単位を含み、米国特許No.Re24906に従って調製された感圧接着剤を25g/m2で、標準の水平ナイフコーターを用いて78ポンドの漂白した剥離ライナー、即ち片面被覆されたポリエチレン及びシリコーン紙(POLYSLIK S−8053,H.P.Smith,Chicago,IL)に塗った。
ESTANE 58309NAT022ポリウレタン樹脂(B.F.Goodrich,Cleveland,OH)の1.1ミル(28μm)フィルムを、上記接着剤表面に積層して、ドレッシング用バッキングを形成した。この時点で、バッキング/バッキング(感圧)接着剤/ライナー複合材料は完成した。
次のステップは上記バッキング上に低接着性層を被覆して、本発明のテープ−オーバー態様(tape−over feature)を提供することであった。グラビア部署(Gravure station)を用いて、6%の固体溶液(20部のシリコーン及び80部のポリビニル−N−オクタデシルカルバメート)を、前記複合材料のポリウレタン(非接着剤)側に、200ラインのピラミッド状のギザギザを用いて被覆し、乾燥した。この溶液は次のものを含んでいた:
1)SS4300を95%単位で、SR−0545を5%単位で含むシリコーン樹脂ブレンドで、この両方の成分はGeneral Electric(Waterford,NY)から90%(重量基準)のトルエン溶液として提供されたもの;及び
2)米国特許No.2532011のバックサイジング溶液で、ポリビニル−N−オクタデシルカルバメートの5%固体のキシレン−トルエン(22−78wt%)溶液。
次いで、低接着性皮膜/バッキング/バッキング(感圧)接着剤/ライナー複合材料ウェブを適当な幅にスリットして望みのサイズのドレッシングを作った。
次いで、キャリヤー材料(1−80BKG−157 & PE; Daubert Chemical Co.)を打ち抜いて窓を形成し、次いでこれを除いた。
キャリヤー材料のPE側を上記の複合材料のバッキング(低接着性皮膜を介して)に熱積層した。前記POLYSLIK S−8053を除き、より広いライナー(2−60BKG−157−99AM;Daubert Chemical Co.)で置き換え、Mark Andy (St.Louis,MO)によって製造された打ち抜き/印刷機に類似の回転式装置を用いて適当なドレッシングのサイズのシートにした。ヒートシールのために変形した部署は、とくでん(株)(京都、日本)によって製造された加熱されたロールを用いた。
(例2)
キャリヤー材料(1−80BKG−157及びPE)に窓を打ち抜き、次いでヒートシール及びライナー交換の後、抜き屑を除いた。この場合、とくでんの加熱されたロールは研磨機にかけて窓部をシールしない窪みを形成した。
(例3)
低接着性皮膜をバッキングに貼るのを止めた他は例1の過程を行い、これによって本発明の接着性複合材料ドレッシングは、低接着性皮膜がバッキングの上面になくても作れることを示す。この点に関して、以下の手順を用いて、低接着性皮膜で被覆された例1の複合材料と被覆されていない例3の複合材料との間で、キャリヤー材料とフィルムバッキングの間の接合の剥離力を比較した。
各複合材料の剥離力を、90度回転剥離接着試験について、インストロン試験機(モデルNo.1122;Instron Corp.,Canton,MA)で測定した。1.54cmの広さの二重被覆されたテープを、インストロン機の下顎に乗せた回転性金属ホイールの全外周に接着した。2.54cmの広さのポリエステルシリコーン接着テープ(No.8402テープ、3M Company,St.Paul,MN)を接着剤側を外にして二重被覆テープに接着した。サンプル複合材料ドレッシングは2.54cm×10.2cmのストリップに打ち抜き、それぞれを、キャリヤー材料がホイールに向き、感圧接着剤表面が作業者に向くようにしてホイールを覆うシリコーンテープ上に置いた。試験の前に、サンプルストリップのフィルム/接着剤部分を持ち上げて取り去り、タブを形成し、このタブをインストロン機の上顎に固定した。次いで、フィルム/接着剤複合材料をキャリヤー材料から90゜の角度で、クロスヘッド速度300mm/分で剥ぎ取った。剥離力を巾2.54cmあたりの重量グラムで記録した。
例1及び例3の複合材料の両方のサンプルを上記の過程を用いて試験した。当業者はラインの速度、ニップの温度及び材料の選択が材料を積層するときに考えるべき3つの主な変数であることを認めるであろう。調べた他の変数は、ウェブの張力、ニップの圧力、及び加熱された積層部署で用いられたゴムロールのジュロメーター硬度を含む。これらの変数の効果は重要であることが明らかとなった。この点に関して、製造ライン速度(m/分)及びヒートシール温度(℃)の、例1及び3のドレッシング複合材料のキャリヤー材料とフィルムバッキングの間の剥離力(g/2.54cm幅)に対する影響を以下の表1に示す。
Figure 0003522757
驚くべきことに、例1の複合材料のバッキングはヒートシールに先立って低接着性皮膜で被覆されていたにも拘わらず、例1の複合材料ドレッシングのキャリヤー材料とフィルムバッキングの間のヒートシール接合力は、例3の複合材料についての接合力と似ていた。実際、高いライン速度と低いヒートシール温度では、これらの低接着剤性皮膜を有する複合材料は、バッキングとキャリヤー材料の間に低接着性皮膜を含まない例3の複合材料よりも、高い接着力を示した。
(例4)
PE−44ポリウレタン樹脂(Morten International,Seabrook,NH)を、厚さ1.1ミル(28μm)で、好ましいライナー(2−60BKG−157−99AM;Daubert Chemical Co.,)の高剥離側(即ち、99AM側)に被覆された感圧接着剤に、直接に押し出した。この被覆溶液は、70%のイソオクチルアクリレートのモノマー単位、15%のエチレンオクチルアクリレートのモノマー単位及び15%のアクリル酸のモノマー単位からなるコポリマーを含んでおり、1平方メートル当たり30gの被覆重量で被覆されていた。
(例5)
例4のフィルムバッキング及び接着剤構造体をキャリヤー材料SCOTCHPAK(R) 1220フィルム−透明な、ヒートシール性のポリエステルフィルム積層体(3M Company,St.Paul,MN)と共に用い、例1で用いたのと同じ手順及び装置を用いて形成した。
上述の記載に鑑みて、本発明の方法と複合材料ドレッシングは、説明のために述べた特別な詳細に限られるのではなく、種々の他の変形は、上に述べ、説明した機能と、本発明の精神及び請求の範囲に定義した本発明の範囲から離れることなく均等である。

Claims (6)

  1. 次のものを含む接着性複合材料ドレッシング(10):
    (a)上面及び下面を有する順応性のあるバッキング(14);
    (b)前記バッキング(14)の下面の少なくとも一部に被覆された感圧接着剤(16);
    (c)前記感圧接着剤(16)の前記バッキング(14)と反対側に剥離可能に取り付けられたライナー(18);並びに
    (d)前記バッキング(14)の上面に取り付けられ且つこれを覆うキャリヤー(12)であって、このキャリヤー(12)中の切断部はこのバッキング(14)の中心付近に実質的に窓(15)を画定し、この窓(15)が除かれたとき、このバッキング(14)の上面の一部を剥き出しにし、このキャリヤー(12)は更にバッキング(14)よりも実質的に剛性のある材料から形成されていて前記接着性複合材料ドレッシングに剛性を与えているキャリヤー、そしてこのドレッシングは前記キャリヤーが前記バッキング(14)に剥離可能にヒートシールされていることを特徴とする。
  2. 低接着性皮膜が前記バッキングの上面の少なくとも一部に存在する、請求の範囲1の接着性複合材料ドレッシング。
  3. 前記キャリヤーと低接着性皮膜及びバッキングの間のヒートシール接合が、感圧接着剤とライナーの間の接合よりも強い、請求の範囲1の接着性複合材料ドレッシング。
  4. 次のステップを含む接着性複合材料ドレッシング(10)を製造する方法:
    (a)上面及び下面を有する順応性のあるバッキング(14)、前記バッキング(14)の下面の少なくとも一部に被覆された感圧接着剤(16)及びこの感圧接着剤(16)の前記バッキング(14)と反対側に取り付けられたライナー(18)を準備し;
    (b)キャリヤー(12)をバッキング(14)の上面に着け、このキャリヤー(12)は前記バッキング(14)の中央部付近に窓(15)を画定する切断部を有するものである方法であって、このキャリヤー(12)をバッキング(14)の上面に剥離可能にヒートシールして、このキャリヤー(12)とバッキング(14)の上面の間に接合を形成し、この接合はライナー(18)と感圧接着剤(16)の間の接合よりも大きいことを特徴とする方法。
  5. 前記窓を画定する切断部内でキャリヤーの部分がバッキングにヒートシールされていない請求の範囲4の方法。
  6. 前記キャリヤーを前記バッキングの上面にヒートシールするステップの前にバッキングの上面を低接着性皮膜で被覆するステップを更に含み、ここに前記キャリヤーとバッキングの間のヒートシール接合が更に前記低接着性皮膜を含む、請求の範囲4の方法。
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