JP3519805B2 - 熱磁気引外し装置 - Google Patents

熱磁気引外し装置

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JP3519805B2 JP28014594A JP28014594A JP3519805B2 JP 3519805 B2 JP3519805 B2 JP 3519805B2 JP 28014594 A JP28014594 A JP 28014594A JP 28014594 A JP28014594 A JP 28014594A JP 3519805 B2 JP3519805 B2 JP 3519805B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の背景】電子式引外し装置が開発されたことによ
り、共通の寸法を持つ工業規格の遮断器外被内にある遮
断器のアンペア定格を設定する為に電子式定格プラグを
使うことが出来る様になった。熱磁気引外し装置を用い
た初期の遮断器は、遮断器の部品及び遮断器の外被の寸
法を合せることにより、遮断器の種々のアンペア定格を
充たす様に設計されていたが、配電市場の需要に合う様
に、配電個所には非常に種々のこの様な遮断器を蓄えて
いた。発明の名称「成型ケース遮断器の定格プラグ」と
云う米国特許第４，６４９，４５５号には、遮断器のア
ンペア定格を設定する為に電子式定格プラグを使う１例
が記載されている。
【０００２】米国特許第４，６７９，０１６号には、自
動プロセスで経済的に組立てられる工業規格の遮断器の
設計が記載されている。この遮断器は、被保護回路内の
過電流状態で回路電流を遮断する為に、熱磁気引外し装
置を利用している。遮断器の種々のアンペア定格の条件
に合う様に、遮断器は何種類かの寸法を持つ。熱磁気引
外し装置を用いるこの様な遮断器では、熱磁気引外し装
置自体のコストを一層安くする為に、共通の寸法を持つ
外被を使うのが経済的に有利である。
【０００３】遮断器のアンペア定格は、遮断器が回路を
遮断せずに連続的に通すアンペア数で表した回路電流と
定義される。過電流遮断パラメータは、遮断器の外被内
に収容された熱磁気引外し装置によって定められる。所
謂「長期」及び「短期」過電流回路遮断は、熱磁気引外
し装置内にある熱応答素子によって決定されるが、「瞬
時」回路遮断はその中にある磁気部品によって決定され
る。機械的な定格プラグを持つ熱磁気遮断器を商品化し
ようとした従来の試みは、相異なるアンペア定格に対す
る瞬時回路遮断応答を維持することに伴う困難の為に妨
げられて来た。発明の名称「熱磁気遮断器の機械的な定
格プラグ」と云う係属中の米国特許出願（出願人控え番
号４１ＰＲ−７０８５）には、過電流状態が発生した時
に回路電流を遮断する、遮断器内にある熱応答素子の動
作と、機械的な定格プラグ及び熱応答素子のアンペア定
格を設定する相互作用とが記載されている。
【０００４】
【発明の目的】従って、この発明の１つの目的は、共通
の外被内に機械的な定格プラグを用いる遮断器に対する
熱磁気引外し装置として、相異なるアンペア定格に合う
様な寸法にした外被を持つ遮断器と過電流状態に対して
同じ熱応答及び磁気応答を持つ熱磁気引外し装置を提供
することである。
【０００５】
【発明の要約】成型ケース遮断器の熱磁気引外し装置
が、作動機構の引外し開始バー及び熱磁気引外し装置に
付設されたバイメタルの間の行程距離を設定する機械的
な定格プラグに応答する様になっている。この行程距離
を較正して、特定の遮断器の定常状態のアンペア定格に
対応する様にする。磁気部品は、瞬時過電流回路条件に
応答する様に調節される。
【０００６】
【好ましい実施例の説明】熱磁気引外し装置を利用した
工業規格の遮断器１０が図１に示されており、ケース１
１と、それに取付けたカバー１２とを有する。遮断器作
動把手１４が遮断器のカバー内に形成された溝孔を通り
抜け、遮断器をオン及びオフ状態に転ずる為に手作業で
作動される様になっている。遮断器は、遮断器の線路側
の端に配置された線路ラグ１３によって被保護回路に電
気的に接続される。図面に示してないが、遮断器の反対
側の負荷側の端には同様に負荷ラグが配置されている。
機械的な定格プラグ１５が１種類の遮断器の設計を広い
範囲のアンペア定格に使うことが出来る様にする。この
定格プラグが上側の矩形絶縁ブロック１８を持ち、１対
の相隔たる延長部又は脚１７が底から伸びている。後で
説明するが、脚１７を定める幅ｘは、遮断器ケース内に
収められる熱磁気引外し装置のアンペア定格を設定する
様に予め定められる。定格プラグをカバーに形成された
凹部１６に挿入することにより、脚が対応する溝孔２
０、２１内を下向きに伸びる。
【０００７】熱磁気引外し装置６７が遮断器作動機構４
５と相互作用して、図２に示す遮断器の可動接点及び固
定接点４６、４７を分離する。作動機構は、発明の名称
「成型ケース遮断器作動機構」と云う米国特許第４，７
３６，１７４号に記載されるものと同様である。可動接
点４６が、絶縁クロスバー集成体３２から作動される対
応する可動接点アーム３３の端に設けられている。５１
に示す係止装置が、枢軸３０の周りに回転自在である掛
金２９を含む。この掛金は、強力な作動ばね５０の弾力
によって、揺台３１を回転しない様に拘束し、可動接点
アーム３３及び可動接点４６を固定接点４７と回路接続
されない様に駆動する。引外しバー２４が「引外し」位
置に示されており、引外しバーの頂部から伸びる係止板
２７は掛金２９の下から外に出ており、可動接点アーム
３３が開路位置に回転している。カバー１２に挿入され
た定格プラグ１５が引外しバー２４と相互作用するが、
その詳細は前に引用した係属中の米国特許出願（出願人
控え番号４１ＰＲ−７０８５）に記載されている。作動
機構４５のリンク動作を行なわせる様に相互作用する熱
磁気引外し装置６７の組立て方は、図３−図５について
以下逐次的に説明する所から最もよく理解されよう。
【０００８】図３の図Ａでは、下側に折返し端６２を持
ち、５３に示す様に上部がバイメタル３４に溶接された
負荷ストラップ３９で構成されるバイメタル集成体６８
が、溶接した端５３を支持片４９の間に挿入し、ねじ押
さえ５９を折返し端の中に挿入することにより、支持板
４８に取付けられる。折返し端にある開口６９がねじ押
さえにある開口６０と整合し、この為、これらの開口の
中に後で負荷端子ねじ６１（図６）を挿入した時、支持
板がバイメタル集成体に固着される。熱引外し集成体６
５が図３の図Ｂに示されており、バイメタル３４の上部
が支持片４９の間に配置され、支持板４８は、折返し端
６２の中にねじ押さえ５９を挿入することによって、負
荷ストラップ３９にぴったりと押し付けられている。
【０００９】図４の図Ａに示す熱引外し集成体６５が磁
石４０の上に位置ぎめされ、バイメタル３４を磁石の前
側に、そして支持板４８を磁石の後側に位置ぎめするこ
とにより、磁石の上に組立てられる。バイメタルは、負
荷ストラップ３９の縁３９Ａを磁石の上部にある突起７
０と接触させると共に、負荷ストラップの上部の内面３
９Ｂを磁石の上部の上縁７１の上に配置することによっ
て、横アーム４０Ａ、４０Ｂの間に精密に整合させられ
る。その時、支持板の上部から直立の支持片４９が、磁
石の上部から直立の支持片４３の間に位置ぎめされる。
バイメタル３４が横アーム４０Ａ、４０Ｂの間で磁石４
０の前側に位置ぎめされること、並びに支持片４３の内
側に於ける支持片４９の位置が、図４の図Ｂの完成され
た磁気引外し集成体６６に示されている。
【００１０】熱磁気引外し装置６７の最終的な組立て
は、図５の図Ａ、Ｂを参照すると一番判り易い。接極子
４２が磁気引外し集成体６６の上に位置ぎめされ、接極
子の上部の両端から伸びる突片７２を、磁石４０の上部
にある支持片７２Ａに形成された溝孔７３の中にはめ込
むことにより、磁気引外し集成体の上部の上に組立てら
れる。その時、接極子の縁４２Ａ、４２Ｂが、図５の図
Ｂに示す様に、横アーム４０Ａ、４０Ｂの縁と整合す
る。伸出し偏圧ばね５４が、ばねの上部を接極子の上部
にある直立片６４内に形成されたばね溝孔６３の中には
め込むことにより、接極子４２の上部の上に位置ぎめさ
れる。較正ねじ５６が、接極子の上部に形成されたアン
グル形引外し突片５７内の開口５５にねじ係合で挿入さ
れる。開口に挿入した時、ねじの端が引外し突片５７と
接触して、磁気引外しの較正を行なうが、これは図６に
示したプログラム可能な遮断器１０について後で詳しく
述べる。揺台３１がＵ字形掛金２９の下に捕捉された状
態が示されている。この掛金は、係止板２７を係止溝孔
２８の下に位置ぎめすることにより、枢軸３０の周りに
回転しない様に拘束される。係止板を矢印Ａで示す方向
に並進させると、揺台３１が矢印Ｂで示す方向に回転し
て、前に述べた様に、可動接点アーム３３及び関連する
クロスバー３２が回転出来る様になる。バイメタル３４
と可動接点アーム３３の間の電気回路が、図示の様に編
紐導体３５によって構成される。係止板２７が固着され
た引外しバー２４の移動が、引外しバーの底から伸びて
いて、バイメタル３４に挿入された較正ねじ３６の端３
７によって叩かれる様に配置された脚３８によって制御
される。バイメタルを通る電流がバイメタルを引外しバ
ー２４の脚３８に当てつけるのに十分である時、引外し
バーが前に述べた矢印Ａの方向に並進し、係止板２７を
係止溝孔２８の下から外へ変位させ、作動機構のリンク
動作を行なわせる。前に引用した米国特許出願に記載さ
れている様に、定格プラグ１５（図１）が較正ねじの端
３７と引外しバー２４の脚３８の間の隔たりの距離ｘを
設定して、遮断器のアンペア定格を定める。この定格が
高くなればなる程、隔たりの距離が一層大きくなること
に対応するが、この距離は、製造業者によって予め決定
され、調節ねじ３６により、ユーザの仕様によって較正
される。この発明の熱磁気引外し装置６７が遮断器ケー
ス１１及びカバー１２内に挿入され、負荷端子ねじ６１
によって負荷ラグ２６に固定される。支持板４８の上部
にある支持片４９が、カバーの下面との干渉によって押
し下げられ、熱磁気引外し装置６７内に許容公差の蓄積
があっても、それを自動的に補正する。負荷ストラップ
３９及び支持板４８にあるねじ押さえ５９にある開口６
９、６０が、負荷ラグ２６の下にある開口（図に示して
ない）と整合して、負荷端子ねじ６１を受入れる。バイ
メタル３４が磁石４０の中を伸びて、磁石に対して１タ
ーンの変圧器となり、関連する発生された磁力を４１に
示す様に、磁石の横アームの縁に集中する。接極子４２
が、磁石の上部で支持片４３に枢着され、磁力に応答し
て、実線で示す定位置から鎖線で示す様に磁石に接する
引外し位置へと移動する。接極子の上部に対する偏圧ば
ね５４が、接極子を引外しバー２４の上部にある突片７
５から遠ざかる様に保持する。短絡電流が発生した時、
接極子４２は急速に磁石４０に向かって駆動され、接極
子の上部から切起こした引外し突片５７を突片７５と接
触させ、引外しバーを枢軸４４の周りに回転させ、係止
板２７を係止溝孔２８の外へ移動して、揺台３１が係止
装置５１から離れる向きに回転することが出来る様にし
て、作動機構が可動接点アーム３３を作動することが出
来る様にする。磁石４０の短絡応答を較正する為、較正
突片５５を通り抜ける磁気較正ねじ５６が鎖線で示す位
置まで、引外し突片５７に当てゝ押し下げられ、試験状
態にあるバイメタルに定格電流の予定の倍数が設定され
た時、係止板２７を解放する。較正した時のことごとく
のアンペア定格に対して一定の磁気引外しの力を保証す
る為、引外し突片７５の内面は予定の半径Ｒに形成され
ている。係止装置５１に対して共通の引外しの力を維持
することがこの発明の重要な特徴である。これは、こう
することによって、作動機構４５（図２）を変更せず
に、広い範囲の遮断器定格にわたって、共通の熱磁気引
外し装置６７を使うことが出来るからである。
【００１１】
【発明の効果】従って、この発明は、機械的な定格プラ
グと熱磁気引外し装置の集成体により、共通の作動部品
を持つ共通の遮断器外被内に工業定格の遮断器の色々な
アンペア定格を持たせることが出来る。種々のアンペア
定格の各々に対する寸法の相異なる遮断器外被の代わり
に、多数の共通の外被が、対応する定格プラグと共に配
電個所に蓄えられる。
【図面の簡単な説明】
【図１】機械的な定格プラグを持つ熱磁気引外し装置を
利用した成型ケース遮断器の上側から見た斜視図で、機
械的な定格プラグを見取図で示してある。
【図２】図１の成型ケース遮断器を上側から見た斜視図
で、カバーを部分的に取り去って、遮断器の作動機構、
引外しバー集成体及び関連する接点アームを示してあ
る。
【図３】図Ａは、熱引外し装置を形成する様に支持板に
取付ける前のバイメタル集成体を上側から見た斜視図。
図Ｂは、図Ａの熱引外し装置を上側から見た斜視図。
【図４】図Ａは、磁気引外し装置を形成する様に磁石に
取付ける前の図３Ａの熱引外し装置を上側から見た斜視
図。図Ｂは、図Ａの磁気引外し装置を上側から見た斜視
図。
【図５】図Ａは、完全な熱磁気引外し装置を形成する様
に接極子に取付ける前の熱引外し装置を上側から見た斜
視図。図Ｂは、図Ａの完全な熱磁気引外し装置を上側か
ら見た斜視図。
【図６】プログラム可能な遮断器の簡略動作機構を示す
図。
【符号の説明】
１１ ケース ３４ バイメタル ３９ 負荷ストラップ ４０ 磁石 ４２ 接極子 ４３ 支持片 ５４ 偏圧ばね ５９ ねじ押さえ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平４−39833（ＪＰ，Ａ) 特開 平５−190075（ＪＰ，Ａ) 実開 平４−40451（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭52−62471（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭49−111771（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭62−70337（ＪＰ，Ｕ) 実公 昭36−16126（ＪＰ，Ｙ１) 米国特許4679016（ＵＳ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) H01H 71/74 H01H 73/50

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】成型ケース遮断器の熱磁気引外し装置に於
    て、 １端に遮断器の負荷端子に取付ける手段を持つと共に、
    反対側の端でバイメタル素子に結合される負荷ストラッ
    プと、 前記バイメタル及び前記取付け手段の中間で前記負荷ス
    トラップに設けられた支持板と、 上部から支持片が伸び出していると共に、前側からは前
    方向に磁力を集中する磁気手段が伸出している磁石と、 前記支持片上にあって、前記バイメタルに過電流が通る
    時に前記磁気手段に向かって回転する様に配置された接
    極子と、前記接極子の上部から伸びる溝孔つき突片に設けられた
    ばねで構成され、 該接極子にあって、静止電流がバイメ
    タルを通る間は、前記接極子を前記磁気手段から遠ざけ
    る向きに偏圧する手段と、前記接極子から突出すると共に、遮断器の引外しバーに
    接触する様に配置された引外し突片と、 前記接極子の上部から伸びる較正突片と、 該較正突片の中を通り抜ける較正ねじであって、該ねじ
    の端が前記引外し突片の一部分と接触して、前記接極子
    に対する過電流応答を設定する較正ねじと、 を有する熱磁気引外し装置。
  2. 【請求項２】熱磁気引外し装置を有する成型ケース遮断
    器に於て、 成型プラスチック・ケース及びカバーと、 該ケース内にあって、被保護回路内に過電流状態が発生
    した時に、可動接点アームを開路位置へ回転させる様に
    配置された作動機構と、 該作動機構内にあって、被保護回路の静止電流状態では
    前記作動機構を拘束する様に、係止溝孔を含み、前記引
    外しバーが該係止溝孔の下に配置された上向きに伸びる
    係止板を含む掛金と係合する揺台と、 前記ケース内にあって、被保護回路と電気的に接続され
    る様に配置され、過電流状態に応答し、第１の大きさを
    持つ過電流状態に応答するバイメタルと、前記第１の大
    きさより大きい大きさを持つ第２の過電流状態に応答す
    る接極子と、前記接極子から外向きに切起こされてい
    て、前記遮断器の引外しバーに接触する様に配置された
    引外し突片と、前記接極子の上部から伸びる較正突片
    と、該較正突片の中を通り抜ける較正ねじであって、該
    ねじの端が前記引外し突片の一部分と接触して、前記接
    極子に対する過電流応答を設定する較正ねじとを含む熱
    磁気引外し装置と、 該引外し装置及び前記掛金の間で相互作用し、前記バイ
    メタル又は接極子と接触した時に前記掛金を前記揺台か
    ら解放する様に作用し、前記接極子と相互作用する上側
    延長部及び前記バイメタルと相互作用する下側延長部を
    含む引外しバーとを有する成型ケース遮断器。
  3. 【請求項３】前記引外し装置が、１端に遮断器の負荷端
    子に取付ける手段を持つと共に他端でバイメタル素子に
    結合されている負荷ストラップを有する請求項２記載の
    成型ケース遮断器。
  4. 【請求項４】前記引外し装置が前記バイメタル及び取付
    け手段の中間で前記負荷ストラップに設けられた支持板
    を含む請求項３記載の成型ケース遮断器。
  5. 【請求項５】前記引外し装置が、上部から伸びる支持片
    及び前部から伸びて磁力を前方向に集中する磁石手段を
    持つ磁石を含む請求項３記載の成型ケース遮断器。
  6. 【請求項６】前記引外し装置が、静止電流がバイメタル
    を通る間、前記接極子を前記磁気手段から遠ざける向き
    に偏圧する、接極子に設けられた手段を含む請求項３記
    載の成型ケース遮断器。
  7. 【請求項７】前記接極子から突出していて、遮断器の引
    外しバーに接触する様に配置された引外し突片を有する
    請求項３記載の成型ケース遮断器。
  8. 【請求項８】前記偏圧手段が前記接極子の上部から伸び
    る溝孔つき突片に設けられたばねで構成される請求項３
    記載の成型ケース遮断器。
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