JP3519128B2 - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

磁気共鳴イメージング装置

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JP3519128B2
JP3519128B2 JP20236194A JP20236194A JP3519128B2 JP 3519128 B2 JP3519128 B2 JP 3519128B2 JP 20236194 A JP20236194 A JP 20236194A JP 20236194 A JP20236194 A JP 20236194A JP 3519128 B2 JP3519128 B2 JP 3519128B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気共鳴イメージング
装置に係り、特に、撮影用のスキャンの前にプリパルス
を印加する手順を含むシーケンスや被検体内の水のみを
選択的に励起するシーケンスを使って脂肪からのMR信
号抑制の効果を改善した磁気共鳴イメージング装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】MR撮像において、いわゆるMTC(M
agnetization Transfer Con
trast)効果を得ることが臨床上重要な意義をもつ
場合がある。
【0003】図17は、水、脂肪および高分子に含まれ
るプロトンのスペクトルを描いたものである。同図でわ
かるように、水に含まれるプロトンは、例えば1.5テ
スラの磁場下では約64MHzの共鳴周波数を持つが、
脂肪に含まれるプロトンは、よく知られているようにケ
ミカルシフトによって3.5PPMだけ低周波側(同図
中の右側)にずれ、上述の磁場下では約224Hzだけ
シフトする。一方、高分子に含まれるプロトンは非常に
周波数幅の広い特性を持っている。
【0004】ここで、通常の撮影シーケンスを実行する
前に水のプロトンの共鳴周波数から例えば500Hzず
れた周波数を選択的に励起してやると、高分子のプロト
ンからの信号レベルは破線のように低下するが、さらに
水に含まれるプロトンからのMR信号レベルも破線のよ
うに低下する。これは、水のプロトンが高分子のプロト
ンと交差緩和または交換しているためであると考えら
れ、MTC(Magnetization Trans
fer Contrast)効果としてすでに知られて
いる。
【0005】このようなMTC効果を利用すると、高分
子が存在する割合に応じて従来とは異なったコントラス
トの画像を得ることができる。また、血管部の信号レベ
ルに比べて実質部の信号レベルを大幅に低減させるとい
う効果もあるため、細い血管描出を行うアンギオグラフ
ィーにも応用されている。
【0006】図18は、高分子のプロトンを選択励起す
るためのパルスの一例を示したものである。同図に示し
たパルスは、パルス長が2項分布で表される比率であっ
て極性が交互に反転する複数のパルス群で構成されたい
わゆるバイノミアルパルスであり、特に、パルス長を
1:2:1(このようなバイノミアルパルスを以下1
1パルスのように表記する)、全体の時間を上述の周波
数を考慮して約1msecになるように、パルス間の時
間τを短く設定してある。
【0007】図19は、11パルスの磁化特性を表し
た曲線であり、縦軸には磁化Mzを横軸には中心周波数
からのシフト量をとってある。この曲線は、中心周
波数付近にスペクトル値をもつプロトンは結果的に励起
されず、バイノミアルパルスに続いて行う撮影シーケン
スに何等影響が残らないが、中心周波数から500Hz
以上離れたところにスペクトル値を持つプロトンはバイ
ノミアルパルスで励起されて磁化が残らず、後の撮影シ
ーケンスで得られるMR信号のレベルが小さくなること
を示している。すなわち、後の撮影シーケンスで信号を
抽出することができる周波数範囲は同図のカーブの山部
分に相当し、信号が抽出されない周波数範囲は同図のカ
ーブの谷部分に相当する。
【0008】したがって、このようなバイノミアルパル
スの中心周波数fを水のプロトンの共鳴周波数に一致
させて印加すると、水のプロトンは励起されないが、高
分子のプロトンは500Hz以上の谷の部分で励起され
ることになり、引き続き行う撮影シーケンスにおいては
高分子からのMR信号のレベルを低下させることができ
る。このように、バイノミアルパルスを用いて高分子の
プロトンを予め選択的に励起することにより、上述のM
TC効果を得ることができる。
【0009】一方、MR撮像では、臨床上の意義が小さ
いといわれる脂肪が画像に現れないように、いわゆる脂
肪抑制可能な撮影手法がとられることが多い。脂肪を抑
制する撮影手法には多数あるが、その一つとして周波数
選択的にプロトンを励起可能なバイノミアルパルスを利
用する方法が知られている。
【0010】上述したように、バイノミアルパルスの磁
化Mzの谷部分については後の撮影シーケンスで出てく
る信号レベルが低下するため、脂肪に含まれるプロトン
の共鳴周波数が谷部分にくるようにバイノミアルパルス
を設定する。
【0011】図20は、このように設定された1
パルスを示したものである。ここで、水に含まれるプロ
トンの共鳴周波数が中心周波数fにくるようにかつ脂
肪に含まれるプロトンの共鳴周波数がfから220H
z程度低周波側にずれた谷部分にくるように、時間軸t
上ではパルスとパルスの間の時間τを2.3msec程
度に長めに設定してある。
【0012】このようなバイノミアルパルスを印加し、
次いで、通常の撮影シーケンスを実行すれば、自由水の
プロトンだけを画像化し、脂肪に含まれるプロトンから
の信号レベルを抑制することができる。
【0013】ところで、磁気共鳴イメージング(MR
I)装置では、静磁場の均一性はスペクトルの質(SN
比と分解能)を決める上で重要なファクタになるから、
MRI装置には通常、磁場均一性を調整するためのシム
コイルによる調整手段が設けられている。この調整手段
としては、医用MRIの場合、患者の長時間の拘束を回
避することなどの観点から、x,y,zの1次シム(グ
ラジェント・シム)が使われ、水と脂肪のスペクトル上
での分離が行われている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、脂肪か
らのMR信号を抑制するために加える1パルス
は、プリパルスであり、パルス全体の長さが約7mse
cにもなるため、繰返し時間TRが長くなることから、
この繰返し時間TRを短くして使用するウルトラファー
ストスキャンやアンギオグラフィーには使用しにくいと
いう問題があった。これに対して、繰返し時間TRを短
かくするためにτを短くすると、磁化Mz特性のグラフ
でいうところの山部分が拡がって脂肪も画像化されてし
まい、脂肪抑制の効果が小さくなってしまうという相反
する問題を生じていた。さらに、プリパルスはあくまで
パルスであるから、静磁場の不均一の影響を受け易く、
画質が低下することもあった。さらにまた、水の共振点
から外れた周波数域を励起する(off−resona
nce)ため、MTC効果も併せて発生してしまい、そ
の分S/N比が低下する。
【0015】さらに、前述した従来の1次シムによる静
磁場均一性の確保の問題について考察してみる。このよ
うに1次シムによるシミングを行っても、静磁場の高次
(2次以上)の磁界成分の乱れは依然として残ってお
り、この高次成分の不均一性によって水の共鳴曲線がプ
リパルス(例えば1バイノミアルパルス)の中心
周波数fからずれてしまうという状態が頻発してい
る。
【0016】図21には、スライス方向を縦軸に、周波
数fを横軸にとったときの、高次の磁界成分の不均一性
に因る、スライス位置毎の周波数変化の一例を示す。ス
ライス面の位置がスライス方向の中心から離れるに従っ
て、同一周波数f=fのずれが顕著になっている。
【0017】この結果、特にマルチスライス撮影のとき
に前述したような脂肪抑制などを狙ったプリパルスを起
動させた場合、アイソセンターの位置に合わせられるス
ライス方向の中心のスライス面はかかる1次シムの効果
に拠って、例えば図22(a)に示すように水の共鳴曲
線が中心周波数fに一致するものの、スライス方向の
中心からずれたスライス面では前述した高次の磁界成分
の乱れに因って、例えば同図(b)に示すように水の共
鳴曲線が中心周波数fからずれてしまい、水及び脂肪
の共鳴曲線がプリパルスの山及び谷部分から逸脱する。
したがって、マルチスライス撮影を行ったとき、スライ
ス方向の中心付近のスライス面では脂肪抑制の効果を発
揮できるが、中心付近からずれるにつれて、脂肪抑制の
効果が小さくなってしまい、スライス位置に応じて画像
の品質が低下するという未解決の問題点があった。
【0018】本発明は上述した種々の事情を考慮してな
されたもので、とくに、脂肪からのMR信号の抑制を、
プリパルスを用いたシーケンスでマルチスライス撮影を
行う場合、静磁場の高次の成分の乱れに起因した脂肪か
らの信号抑制効果の低減を確実に防止し、複数のスライ
ス面全体にわたって一定した高画質のMR画像を得るこ
とを、その目的とする。
【0019】
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1〜8記載の発明に係る磁気共鳴イメージン
グ装置は、静磁場中に置かれた被検体に当該被検体の脂
肪からのMR信号を抑制するためのプリパルスを印加し
た後、画像データ収集のためのRFパルスを含むパルス
列を前記被検体に印加して当該複数のスライス面からM
R信号を収集するようにしたもので、前記静磁場を均一
化させるシミングを前記スライス面毎に行なうシミング
手段と、前記静磁場の磁場成分の乱れに起因したスペク
トル分布の前記スライス面毎のずれを検出する検出手段
と、この検出手段により検出された前記スペクトル分布
のずれ検出値に応じて前記プリパルスの周波数帯域を前
記スライス面毎に補正する補正手段を備えたことを要部
とする。好適には、前記シミング手段は1次のシミング
を行うシミング手段である。また前記補正手段は、例え
ば、前記プリパルスの中心周波数を前記ずれ検出値に応
じて補正する手段であったり、前記RFパルスの周波数
を前記ずれ検出値に応じて補正する手段である。
【0021】
【0022】
【0023】
【作用】請求項1〜8記載の発明では、例えば、静磁場
を分離させる1次のシミングが行われ、それでも残るこ
とがある静磁場の高次成分の乱れに起因した水や脂肪の
共鳴周波数のスライス面毎のずれが検出される。このス
ライス面毎のずれ検出値に応じてプリパルスやRFパル
スの中心周波数がスライス面毎に補正される。これによ
り、プリパルスの磁化特性はスライス面毎に水及び脂肪
の共鳴曲線に合致し、脂肪からのMR信号のレベルが確
実に抑制される。また、これにより、シミング手段とし
ては、1次のグラジェントのみで間に合う。
【0024】
【0025】
【0026】
【実施例】以下、この発明の第1実施例を、図1〜図4
を参照して説明する。
【0027】この実施例に係る磁気共鳴イメージング装
置の概略構成を図1に示す。この磁気共鳴イメージング
装置は、静磁場発生用の磁石部と、静磁場に位置情報を
付加するための傾斜磁場部と、選択励起用及びMR信号
受信用の送受信部と、システムコントロール及び画像再
構成を担う制御・演算部とを備えている。
【0028】磁石部は、例えば超電導方式の磁石1と、
この磁石1に電流を供給する静磁場電源2とを備え、被
検体Pが挿入される円筒状の診断空間のZ軸方向に静磁
場Hを発生させる。なお、この磁石部には、1次のシ
ミング用のシムコイル14が設けられ、このシムコイル
14に供給する電流を調整することで、1次のシミング
が行えるようになっている。
【0029】傾斜磁場部は、磁石1に組み込まれたX,
Y,Z軸方向の3組の傾斜磁場コイル3x〜3zと、こ
の傾斜磁場コイル3x〜3zに電流を供給する傾斜磁場
電源4と、この電源4を制御するシーケンサ5内の傾斜
磁場シーケンサ5aとを備える。このシーケンサ5aは
コンピュータを備え、装置全体のコントローラ6(コン
ピュータを搭載)からFE法、高速SE法などに係る収
集シーケンスを指令する信号を受ける。これにより、傾
斜磁場シーケンサ5aは、指令されたシーケンスにした
がってX,Y,Z軸方向の各傾斜磁場の印加及びその強
度を制御し、それらの傾斜磁場が静磁場Hに重畳可能
になっている。この実施例では、互いに直交する3軸の
内のZ軸方向の傾斜磁場をスライス用傾斜磁場G
し、X軸方向のそれを読出し用傾斜磁場Gとし、さら
にY軸方向のそれを位相エンコード用傾斜磁場Gとす
る。
【0030】送受信部は、磁石1内の撮影空間にて被検
体Pの近傍に配設される高周波コイル7と、このコイル
7に接続された送信機8T及び受信機8Rと、この送信
機8T及び受信機8Rの動作タイミングを制御するRF
シーケンサ5b(コンピュータを搭載)とを備える。こ
の送信機8T及び受信機8Rは、RFシーケンサ5bの
制御のもと、核磁気共鳴(NMR)を励起させるための
プリパルスやラーモア周波数のRF電流パルスを高周波
コイル7に供給する一方、高周波コイル7が受信したM
R信号(高周波信号)を受信し、各種の信号処理を施し
て、対応するデジタル信号を形成するようになってい
る。
【0031】さらに、制御・演算部は、上述したコント
ローラ6のほか、受信機8Rで形成されたMR信号のデ
ジタルデータを入力し、画像データを演算する演算ユニ
ット10と、演算した画像データを保管する記憶ユニッ
ト11と、画像を表示する表示器12と、入力器13と
を備えている。演算ユニット10は、具体的には、メモ
リ空間である2次元フーリエ空間への実測データの配
置、画像再構成のためのフーリエ変換などの処理を行
う。コントローラ6は傾斜磁場シーケンサ5a及びRF
シーケンサ5bの同期をとりながら、両者の動作内容及
び動作タイミングを制御する。
【0032】図2は、シーケンサ5(傾斜磁場シーケン
サ5a及びRFシーケンサ5b)が実行するパルスシー
ケンスを示したものである。
【0033】同図でわかるように、シーケンサ5は、バ
イノミアルパルスを印加する第1のシーケンスと、MR
画像データを収集する第2のシーケンスとを実行するよ
うになっている。第2のシーケンスは、同図に示したよ
うに例えばFE法で行うのがよい。
【0034】第1のシーケンスは、11パルスP
121 の中心周波数を所定のオフセット量だけ高周波
側にオフセットさせて印加するようになっている(*記
号は、必要に応じてオフセット可能なパルスであること
を示す)。このときの、オフセット量は、予めプリスキ
ャンなどにより決定してあり、1.0ppm乃至4.0
ppmとするのがよく、さらに、1.5ppm乃至3.
0ppmとするのがよい。この場合、例えば1.5テス
ラの磁場下ではそれぞれ50Hz乃至250Hz、10
0Hz乃至200Hzとなる。
【0035】本実施例の磁気共鳴イメージング装置を用
いてMR撮像を行うには、まず、バイノミアルパルスP
121 を含む第1のシーケンスを実行する。このとき
のバイノミアルパルスP121 のオフセットにより、
脂肪に含まれるプロトンおよび高分子に含まれるプロト
ンが励起される。
【0036】図3は、バイノミアルパルスP121
高周波側に例えば150Hzだけオフセットさせた場合
の磁化Mz曲線を示したグラフである。
【0037】同図でわかるように、水の共鳴周波数付近
は山の部分であるので励起されないが、脂肪に含まれる
プロトンの共鳴周波数すなわち−220Hzあたりでは
谷部分にさしかかるところであり所定量だけ励起され
る。また、高分子に含まれるプロトンは、谷部分で励起
される。
【0038】次に、第2のシーケンスを実行し、MR画
像データを収集する。この収集時には、脂肪および高分
子は第1のシーケンスですでに励起されているので、第
2のシーケンスで得られる脂肪の信号レベルは小さくな
る。高分子についても同様に信号レベルは小さくなる。
これに対し、水に含まれるプロトンは、第1のシーケン
スで励起されていないため、第2のシーケンスで強い信
号が得られる。
【0039】以上説明したように、本実施例の磁気共鳴
イメージング方法および磁気共鳴イメージング装置は、
脂肪に含まれるプロトンおよび高分子に含まれるプロト
ンが励起されるように、バイノミアルパルスの中心周波
数を水に含まれるプロトンの共鳴周波数に対して所定の
オフセット量だけ高周波側にオフセットさせてバイノミ
アルパルスを印加するようにしたので、脂肪の信号レベ
ルを大幅に低減させることができる。したがって、脂肪
の中に隠れて見えなかった細い血管を画像化することが
できる。
【0040】図4は、水と脂肪から出てくる信号強度を
測定した実験データであり、オフセット量を横軸として
示したものである。
【0041】同図でわかるように、オフセット量を1.
0ppm乃至3.8ppmとすると、水の信号強度は1
00%乃至50%程度になり、脂肪の信号強度は90%
乃至45%になる。オフセット量を1.5ppm乃至
3.0ppmとすると、水の信号強度を96%乃至84
%程度に確保できる一方で、脂肪の信号強度を84%乃
至63%に低減させることができる。
【0042】また、本実施例の磁気共鳴イメージング方
法および磁気共鳴イメージング装置は、脂肪の信号レベ
ルを低減させるのみならず、高分子の信号レベルを低減
させることができ、MTC効果を得ることができる。特
に本実施例ではバイノミアルパルスをオフセットさせた
ので、高分子が励起される周波数帯が水の共鳴周波数に
近くなり、かかるオフセットをさせなかった従来シーケ
ンスよりも高いMTC効果を得ることができる。
【0043】このような脂肪抑制効果およびMTC効果
は、第1のシーケンスを通常の撮影シーケンスに先立っ
て行うことによって容易に得ることができ、繰り返し時
間(TR)をほとんど延ばす必要もない。
【0044】したがって、本実施例の磁気共鳴イメージ
ング方法および磁気共鳴イメージング装置は、TRを短
くして使用するパルスシーケンス、例えばウルトラファ
ーストスキャンやアンギオグラフィーにきわめて有効な
手段となる。
【0045】また、アンギオ以外においても、脂肪を抑
制しつつMTC効果を得ることが可能となる。
【0046】また、本実施例の磁気共鳴イメージング方
法および磁気共鳴イメージング装置は、静脈からのMR
信号を抑制し動脈からの信号を強調することができると
いう別の効果もある。
【0047】上述の実施例では、バイノミアルパルスを
1パルスとしたが、これに限定されるものではな
く、必要に応じて1あるいは11パルス等
としてもよい。かかる構成により、水と脂肪との分離の
程度がさらに向上する。
【0048】続いて、本発明の第2実施例を図5〜図9
に基づいて説明する。ここで、第1実施例と同一又は同
等の構成要素又は処理については同一の符号を用い、説
明を簡単化又は省略する(後述の第3,4実施例でも同
様にする)。
【0049】この第2実施例に係る磁気共鳴イメージン
グ装置は、マルチスライス撮影における脂肪からのMR
信号抑制効果の劣化防止に関する。
【0050】この目的を達成するため、第2実施例にお
ける磁気共鳴イメージング装置は第1実施例と同一のハ
ード構成を採用する一方で、コントローラ6、シーケン
サ5、及び演算ユニット10は共働して、図5(a),
(b)のシーケンスに従う図6の処理を行うようになっ
ている。
【0051】すなわち、図6の最初のステップ30では
X,Y,Z軸方向について1次のシミング(ボリューム
シミング)を例えば図5(a)に示すシミング用パルス
シーケンスを用いて行い、静磁場Hの均一化を図ると
ともに、各スライス面のプリパルス(ここでは1
のバイノミアルパルスP1331 を用いる:図5
(b)参照)の周波数オフセット量Δfを求める。
【0052】具体的には、3次元のスライス領域を構成
する複数のスライス面のうち、最初のスライス面(例え
ばアイソセンターに対応するスライス方向中心の面)に
ついて90°パルスで励起しMR信号(エコー信号又は
FID信号)を得る(ステップ30,30参照)。
次いで、このMR信号がフーリエ変換されて、例えば図
7に示すような、水及び脂肪の共鳴周波数(中心周波
数)fWAT,fFATを含むスペクトルが得られる
(ステップ30参照)。そこで、これら水及び脂肪の
共鳴曲線CWAT,CFATの半値幅WWAT,W
FATが各々演算され、この半値幅WWAT,WFAT
が最小になるようにシムコイル14(図1参照)に流す
電流が調整される(ステップ30〜30参照)。こ
の結果、水及び脂肪の共鳴曲線CWAT,CFATが互
いに良好に分離される。
【0053】このように診断対象のボリューム部位につ
いて1次シミングが終ると、ステップ30〜3010
の処理を順次実行する。この内、ステップ30〜30
では、ステップ30〜30と同様に、スライス面
毎にスキャンを行ってMR信号を収集し、この収集した
MR信号をフーリエ変換する。この結果、スライス面毎
に水と脂肪の共鳴曲線CWAT,CFATを含むスペク
トル分布が得られる(図7参照)。
【0054】さらに、ステップ3010では、1
のプリパルスP1331 を脂肪抑制効果が最も高くな
る周波数位置に設定したときのプリパルスP1331
の中心周波数f(=fd0)と水の共鳴周波数f
WATとのずれを、周波数オフセット量Δf(=fd0
−fWAT)として演算し、記憶する。但し、この実施
例では中心のスライス面(アイソセンター位置に一致)
を基準にするので、中心スライス面の周波数オフセット
量Δf=0となる。
【0055】かかるオフセット量の演算は全スライス面
について個別に実施される(ステップ3011参照)。
この結果、図8に一例を示す如く、複数のスライス面S
〜Sそれぞれについて1プリパルスP
1331 に対する周波数オフセット量Δf=(Δ
,…,Δf)が求められる。
【0056】続いて、1のプリパルスP1331
を、SE法に拠るシーケンス前に図5(b)に示す如
く印加することにより、マルチスキャン撮影が実施され
る(ステップ31,32参照)。この一連のシーケンス
を実行する中で、脂肪抑制のための1パルスP
1331 に、前記ステップ3010で演算した周波数
オフセット量Δfが加算され、この加算結果に対応した
パルスP1331 が求められる(ステップ3
,32参照)。この補正されたパルスP1331
がRFコイル7から印加されると、スライス面毎にプ
リパルスP1331 による磁化の周波数域全体が周波
数軸上で水の共鳴曲線CWAT側に移動する。この結
果、例えば図9に示すスライス面S〜S(図8に対
応する)のスペクトルの各々において、静磁場Hの磁
界成分の高次の乱れに因って、各スライス面のスペクト
ル曲線CWAT,CFATが周波数軸上で移動する(ず
れる)ような場合であっても、スライス面毎に、1
パルスP1331 の中心周波数fが水の共鳴曲線
WATの中心に一致するように制御される。このと
き、RFパルスによる励起範囲はスライス面が変わって
も固定である。
【0057】したがって、スライス面がスライス方向の
中心位置から離れるに従ってスペクトルとプリパルスが
ずれるといった従来の問題点は確実に排除され、どのス
ライス面をとっても、プリパルスP1331 の磁化特
性の山及び谷部分が水及び脂肪の共鳴曲線CWAT,C
FATに良好に合致する。このため、何れのスライス面
でも脂肪抑制の効果が確実に発揮され、高画質であっ
て、脂肪抑制効果の面でスライス面毎のバラツキの極め
て少ない均一で安定した画像となり、装置の信頼性も向
上する。しかも、本実施例のシムコイル14は1次のシ
ミング用のもののみで済むから、シムコイルのハード構
成が格別に大形化することもない。さらに、高次のシミ
ングを行うときのような長時間のスキャン準備時間も不
要である。
【0058】続いて、本発明の第3実施例図10〜図1
3に基づいて説明する。
【0059】この第3実施例の磁気共鳴イメージング装
置も前記第2実施例と同様に、マルチスライス撮影にお
ける脂肪からのMR信号の抑制効果の劣化防止に関す
る。この第2実施例および第3実施例は共に、プリパル
スを用いた脂肪からのMR信号抑制の手法を採用してい
るが、第2実施例では前述の如くプリパルスの周波数帯
域をスライス面毎に調整することにより脂肪からのMR
信号抑制を行っているのに対し、この第3実施例ではス
ライス面毎にRFパルスの高周波信号の周波数自体を調
整するものである。
【0060】この第3実施例に係る磁気共鳴イメージン
グ装置は第1実施例と同一のハード構成を採用するとと
もに、コントローラ6,シーケンサ5,および演算ユニ
ット10は共働して、図10(a),(b)のシーケン
スに従う図11の処理を行うようになっている。
【0061】図11の最初のステップ40では、X,
Y,Z軸について1次のシミング(ボリュームシミン
グ)を図10(a)に示すシミング用パルスシーケンス
を用いて行い、静磁場Hの均一化を図るとともに、ス
ライス面に印加するRFパルスの周波数に対するオフセ
ット量Δfをスライス面毎に演算する。
【0062】この内、ステップ40〜40は1次の
シミングに対する処理の概要を示しており、前述した図
6のステップ30〜30と同一の処理内容である。
なお、シミングとしては高次のシミングも可能である。
【0063】このシミングが終わると、ステップ40
〜40の処理(スキャン,MR信号収集、フーリエ変
換)を順次行って、水と脂肪の共鳴曲線CWAT,C
FATを含むスライス面毎のスペクトル分布を得る(図
12参照)。この後、ステップ4010に移行して、1
のプリパルスP1331を脂肪抑制効果が最も高
くなる周波数位置に設定したときのプリパルスP
1331の中心周波数f(=fdo)と基準ピークと
しての水の共鳴周波数fWATとの周波数ずれを、周波
数オフセット量Δf(=fdo−fWAT)として演算
し、記憶する。この実施例では図12に示すように、上
記プリパルスP1331の周波数位置は中心スライス面
(アイソセンター位置を含むスライス面)を基準に設定
するようにしているので、中心スライス面の周波数オフ
セット量はΔf=0になる。このオフセット量Δfの演
算は全スライス面について個別に実施される(ステップ
4011)。この結果、診断対象のボリューム部位(例
えば腹部)の複数のスライス面の夫々について、RFパ
ルスの周波数に対する周波数オフセット量Δf(=Δf
,…,Δf)が求められる。
【0064】この後、ステップ41,42にて、脂肪か
らのMR信号を抑制するための1のプリパルスP
1331を用いたSE法のシーケンスを図10(b)に
示す如く実行し、マルチスキャン撮影を行う。このシー
ケンスを行う中で、励起用のRFパルスの周波数はスラ
イス面S(…S)毎に補正される。
【0065】具体的には、ステップ42にて、ステッ
プ4010で予め演算/記憶していた周波数オフセット
量Δf=Δf(…Δf)をメモリから呼び出した
後、ステップ42において、基準値として予め設定し
た周波数(例えば64MHz:1.5T時)に周波数オ
フセット量Δfを加え、RFパルス:RF(…R
)の中心周波数を補正演算する。これにより、例え
ばスライス面S…SのRFパルス:RF…RF
の中心周波数f…fは(但し、1.5T時)
【外1】 のように調整される。
【0066】この補正されたRFパルスRF…RF
がRFコイル7から印加されると、図13に示すよう
に、その励起範囲Rf自体が周波数軸上で移動し、これ
に伴って脂肪からのMR信号抑制用の1パルスの
磁化特性も周波数軸上を移動する。つまり、各スライス
面で、励起範囲Rfと磁化特性は一体となって周波数軸
上を動く。この動く距離(周波数値)は、前述したオフ
セット量Δf(=Δf,…,Δf)に一致し、この
オフセット量Δfは各スライス面S…Sの水共鳴曲
線の周波数軸上における移動に応じて決めてあるので、
各スライス面において、図13に示す如く、1
ルスP1331の中心周波数fが水の共鳴曲線C
WATの中心周波数に良好に一致する。
【0067】つまり、シミングを行った後も例えば高次
の静磁界成分の乱れが残っており、これが原因でスライ
ス面毎の水や脂肪のスペクトル分布が移動してしまう場
合であっても、どのスライス面をとっても、プリパルス
1331の磁化特性の山および谷部分が水および脂肪
の共鳴曲線CWAT,CFATに良好に合致する。
【0068】この結果、何れのスライス面においても常
に、CHESS(ChemicalSelec−tiv
e Suppression)法に依る脂肪からのMR
信号抑制の効果が遺憾なく発揮され、スライス面毎の脂
肪からの信号に依るむらが著しく減り、前述した第2実
施例と同等の効果を得ることができる。
【0069】特に、あるスライス面のスペクトル分布の
シフトが水と脂肪のケミカルシフトより大きい場合で
も、本実施例の周波数補正は有効に機能する。つまり、
従来のように、脂肪抑制のためのプリパルスの磁化特性
が周波数軸上で固定の場合、あるスライス面では脂肪抑
制の効果が有効であるが、別のスライス面では脂肪抑制
の効果が減少あるいは殆ど無いという事態も起こる。し
かし、本実施例によれば、そのような事態を防止して、
各スライス面で脂肪からのMR信号を著しく且つ均一に
抑制できる。
【0070】なお、上記第2,第3実施例におけるプリ
パルスは1のバイノミアルパルスに限定されるこ
となく11パルスなど、他のバイノミアルパルスであ
ってもよいし、シンク関数、ガウシャン関数のパルスで
あってもよい。また、プリパルスに続いて行われる画像
データ収集シーケンスも上述したSE法に限定されるこ
となく、FE法、FastSE法などのシーケンスを採
用してもよい。
【0071】またなお、上記第2,第3実施例では、周
波数オフセット量Δfを求める際、スペクトル分布上の
基準ピークとして水の共鳴曲線を参照する構成を示した
が、この基準ピークのその他の例としては、脂肪の共鳴
曲線であってもよい。また、水や脂肪を殆ど含んでいな
い部位を診断対象とすることもあるので、そのような場
合には、操作者が診断部位の外部に参照用の試薬(例え
ばTMS:テトラメチルサイレン)を用いて、この試薬
の共鳴曲線を参照してオフセット量を求めるようにして
もよい。
【0072】続いて、本発明の第4実施例を図14〜図
16に基づいて説明する。
【0073】この第4実施例にかかる磁気共鳴イメージ
ング装置は、前述した第1〜第3実施例で説明したプリ
パルスを用いないで、繰返し時間TRを増大させず且つ
脂肪からのMR信号を抑制したマルチスライス撮影を行
うことができるようにしたものである。
【0074】具体的には、本実施例の磁気共鳴イメージ
ング装置のシーケンサ5は図14に示すシーケンスでマ
ルチスライス撮影を行うように構成してある。同図に示
すシーケンスは、高速SE(FastSE)法を応用し
たもので、被検体のスライス面選択とその面内の水のみ
を選択的に励起させる(脂肪は励起させない)シーケン
スである。以下、このシーケンスを用いた撮影法を“
ater Chemicelective
xcitation(Water−CHASE)”法と
呼ぶことにする。
【0075】このWater−CHASE法は、まず図
14に示すように、スライス選択用のZ軸方向の傾斜磁
場G=強度GS1を印加しながら。励起RFパルスと
しての90°パルスを印加する。この90°パルスは、
シンク(sinc)関数のπ数を(−4、+1)πだけ
増やして片方(図中左側)のサイドロブを長くとって,
20msec程度のパルス長さに設定してある。なお、
もう一方の側(図中右側)のサイドロブはエコー時間T
Eを短かくするため、この実施例ではカットされてい
る。このπ数については、必要に応じて、(−1、+
1)π〜(−10、+10)π程度に設定しても効果が
ある。
【0076】この従来よりも時間的に長い90°パルス
により、その励起周波数範囲Rfは図15に示す如く狭
帯域となる。この励起周波数範囲Rfは、マルチスライ
ス撮影の基準となる面、例えば中心のスライス面で水の
共鳴スペクトル曲線CWATのみを含み、ケミカルシフ
トに因る脂肪の共鳴曲線CFATは入らないように調整
される。この従来よりも長いパルス長の90°パルスを
印加している間のスライス用傾斜磁場Gは所定強度G
S1に設定される。
【0077】この後、読出し傾斜磁場Gとともに、位
相エンコード用傾斜磁場Gが印加される。
【0078】この後、TE/2時間の経過に合わせて、
反転RFパルスとしての180°パルス(π数が90°
パルスより短い)がスライス用傾斜磁場G=強度G
S2と共に印加される。このときの傾斜磁場GS2の強
度は90°パルス印加時のそれよりも大きく(GS2
S1)設定してある。このように、2つのスライス用
傾斜磁場GS1、GS2及び90°RFパルス、180
°RFパルスの周波数帯域が異なるので、180°パル
ス印加時にスライスされる面は90°パルス印加時のス
ライス面とはスライス厚程度異なる。
【0079】さらに、その後、TE/2時間経過する
と、読出し用傾斜磁場Gを印加しながら、エコー信号
が受信される。
【0080】以下、決められたエコー数の分だけ同様の
180°パルスが印加され(その時のスライス用傾斜磁
場強度はG=強度GS2)、高速SE法によって画像
データが収集される。
【0081】このように、Water−CHASE法で
は、最初にスライス用傾斜磁場G(GS1)と共に時
間軸上で長い90°パルスが印加されるので、所望のス
ライス面が選択され、且つ、そのスライス面内の水のみ
に含まれるプロトンのスピンが図15(90°パルスに
よる励起範囲Rfに水の共鳴曲線CWATのみが入って
いる)に示すように選択的に励起される。つまり、この
水のプロトンに関しては常に狭帯域の90°パルスで励
起される(On−resonance)。その後、18
0°パルス印加のときはスライス用傾斜磁場G(=強
度GS2)の強度及び周波数帯域が異なるので、スライ
ス励起位置がスライス厚程度異なるため、90°パルス
でもし脂肪が励起された面があっても、次の180°パ
ルスでは異なる面が励起されるので、脂肪のMR信号は
集まらない。
【0082】この結果、90°パルスでXY面に倒され
た水のスピンはその後、180°パルスによってリフォ
ーカスされ、MR信号として収集される。しかし、脂肪
のスピンは90°パルスで励起されないので、180°
パルスで、その広い励起範囲Rf′(図16参照)によ
って励起されても−Z軸方向に倒されるのみであり、脂
肪スピンのMR信号は収集されない。これにより、脂肪
はMR信号の収集に関与せず、結果として脂肪からのM
R信号を大幅に抑制することができるとともに、マルチ
スライス撮影が可能となり、良好な画質を得ることがで
きる。
【0083】このように、スライスと同時に水のプロト
ンのみを選択的に励起できるから、プリパルスを使わな
くても済み、プリパルスを使った場合に比べて繰返し時
間TRを短縮させることもできる。また、水を選択的に
励起させるのはバイノミアルパルスのようなパルスでは
ないので、バイノミアルパルスを使ったときよりも静磁
場の不均一性に強くなる。さらに、水のプロトンの共鳴
周波数からずれた周波数を励起させる方法とは異なり、
MTC効果は発生しないので、水のMR信号値の低下は
無い。したがって、S/N比をT強調像のコントラス
ト相当のものに良好に維持できる。一方、脂肪分子の中
には隣接し合っているプロトン間でスピンのJ−カップ
リングがあり、信号値が低下するが、Fast SE法
に関しては、J−モジュレーション(J−modula
tion)に因って、脂肪からの信号が上がるという問
題がある。しかし、このWater−CHASE法では
脂肪を殆ど励起しないで済むので、J−モジュレーショ
ンの問題は殆ど生じない。よって、Water−CHA
SE法はFast SE法にも応用可能である。
【0084】なお、このWater−CHASE法に適
用するシーケンスはSE法であればよく、高速SE(F
astSE)法であってもよい。
【0085】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1〜8記載の
発明に係る磁気共鳴イメージング装置では、例えば1次
のシミングが行われるとともに、それでもなお残る静磁
界の高次成分の乱れに起因した水及び脂肪の共鳴周波数
のスライス面毎のずれに応じてプリパルスやRFパルス
の中心周波数が補正されるので、プリパルスの磁化特性
はスライス面毎に水及び脂肪の共鳴曲線に良好に合致
し、脂肪からのMR信号のレベルが確実に抑制される。
この結果、静磁界の高次成分の乱れに起因した脂肪から
の信号抑制効果の劣化を確実に防止できるとともに、複
数のスライス面全体にわたって一定した高画質のMR画
像を得ることができる一方で、シミング手段としては、
1次のグラジェントのみで間に合うから、シミングのハ
ード構成を大形化、複雑化させることもない。
【0086】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に共通する磁気共鳴イメージング装置の
全体ブロック図。
【図2】第1実施例のMR撮像のシーケンスを示すパル
スシーケンス。
【図3】バイノミアルパルスを高周波側に150Hzだ
けオフセットさせた場合の磁化Mz曲線を示したグラ
フ。
【図4】水と脂肪から出てくる信号強度を測定した実験
データ。
【図5】同図(a)は第2実施例に係るシミング用パル
スシーケンス、同図(b)は第2実施例のMR撮像のパ
ルスシーケンス。
【図6】第2実施例のシーケンスを実行するための概略
フローチャート。
【図7】1次のシミングによる水と脂肪の共鳴スペクト
ルの分離を示す図。
【図8】スライス面毎のオフセット量の演算を説明する
図。
【図9】第2実施例に係るスライス面毎のプリパルスの
オフセットを説明する図。
【図10】同図(a)は第3実施例に係るシミング用パ
ルスシーケンス、同図(b)は第3実施例のMR撮像の
パルスシーケンス。
【図11】第3実施例のシーケンスを実行するための概
略フローチャート。
【図12】スライス面毎のオフセット量の演算を説明す
る図。
【図13】第3実施例に係るスライス面毎のRFパルス
のオフセットを説明する図。
【図14】第4実施例のMR撮像のシーケンスを示すパ
ルスシーケンス。
【図15】90パルスによる励起範囲に水のみの共鳴曲
線が入っている状態を示す図。
【図16】180°パルスによる励起範囲と水及び脂肪
の共鳴曲線との関係を示す図。
【図17】水、脂肪および高分子に含まれるプロトンの
スペクトル図。
【図18】高分子のプロトンを選択励起するためのプリ
パルスを示した図。
【図19】11パルスの磁化特性を表した曲線。
【図20】1パルスを示した図。
【図21】スライス方向における、静磁場の高次の成分
の乱れに起因した周波数のずれを示す図。
【図22】同図(a)はプリパルスと水、脂肪の共鳴曲
線が合っている状態、同図(b)はプリパルスと水、脂
肪の共鳴曲線がずれている状態を夫々示す図。
【符号の説明】
1 磁石 2 静磁場電源 3x〜3y 傾斜磁場コイル 4 傾斜磁場電源 5 シーケンサ 6 コントローラ 7 高周波コイル 8T 送信機 8R 受信機 10 演算ユニット 11 記憶ユニット 12 表示器 13 入力器 14 シムコイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−90131(JP,A) 特開 平4−246329(JP,A) 特開 平3−60639(JP,A) 特開 平4−227232(JP,A) 特開 平3−39138(JP,A) 特開 昭60−168041(JP,A) 特開 昭62−246356(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 5/055

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 静磁場中に置かれた被検体に当該被検体
    の脂肪からのMR信号を抑制するためのプリパルスを印
    加した後、画像データ収集のためのRFパルスを含むパ
    ルス列を前記被検体に印加して当該被検体の複数のスラ
    イス面からMR信号を収集するようにした磁気共鳴イメ
    ージング装置において、前記静磁場を均一化させるシミングを前記スライス面毎
    に行なうシミング手段と、 前記静磁場の磁場成分の乱れに起因したスペクトル分布
    の前記スライス面毎のずれを検出する検出手段と、 この検出手段により検出された前記スペクトル分布のず
    れ検出値に応じて 前記プリパルスの周波数帯域を前記ス
    ライス面毎に補正する補正手段を備えたことを特徴とす
    る磁気共鳴イメージング装置。
  2. 【請求項2】 前記シミング手段は1次のシミングを行
    うシミング手段である請求項1記載の磁気共鳴イメージ
    ング装置。
  3. 【請求項3】 前記補正手段は、前記プリパルスの中心
    周波数を前記ずれ検出値に応じて補正する手段である
    求項2記載の磁気共鳴イメージング装置。
  4. 【請求項4】 前記補正手段は、前記RFパルスの周波
    数を前記ずれ検出値に応じて補正する手段である請求項
    記載の磁気共鳴イメージング装置。
  5. 【請求項5】 前記プリパルスは、バイノミアルパル
    ス、シンク関数、ガウシャン関数の内のいずれか一つで
    あることを特徴とする請求項3又は4記載の磁気共鳴イ
    メージング装置。
  6. 【請求項6】 前記検出手段は、前記複数のスライス面
    におけるスライス方向の中心に位置するスライス面のス
    ペクトル分布上の基準ピークに基づいて上記スライス面
    毎の周波数のずれをオフセット量として演算する演算手
    段を含む請求項3又は4記載のMRI装置。
  7. 【請求項7】 前記基準ピークは前記水又は脂肪の共鳴
    曲線である請求項6記載の磁気共鳴イメージング装置。
  8. 【請求項8】 前記基準ピークは前記被検体の体外に当
    該被検体と共に置かれた参照用の試薬の共鳴曲線である
    請求項6記載の磁気共鳴イメージング装置。
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