JP3518326B2 - デコイ装置 - Google Patents

デコイ装置

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JP3518326B2
JP3518326B2 JP10098698A JP10098698A JP3518326B2 JP 3518326 B2 JP3518326 B2 JP 3518326B2 JP 10098698 A JP10098698 A JP 10098698A JP 10098698 A JP10098698 A JP 10098698A JP 3518326 B2 JP3518326 B2 JP 3518326B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ミサイル等の追
尾レーダを妨害するとともに、地上に設置された対空捜
索用のレーダ装置や地上監視用のレーダ装置の捜索レー
ダをも妨害するデコイ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図15は、従来のデコイ装置の構成図で
ある。図中、901はデコイ装置である。902は筐体
であり、内部にパラシュート903、空中線904、送
受信機905、電池906を有している。パラシュート
903は、通常は折りたたまれて筐体902の上部の水
平の棚902a上に設置されており、デコイ装置901
が空中に放出され降下する時に、筐体902の上面から
外部に放出されて展開し、降下時の降下速度の減速およ
び姿勢制御を行っている。空中線904は、筐体902
内部の水平の棚902b上に設置されており、相手のレ
ーダ装置からのレーダ電波を、空中線904の電波送受
信部904aで受信し、信号にして送受信機905に送
るとともに、送受信機905から送られた信号を電波に
変えて、電波送受信部904aより妨害電波として相手
に送信している。送受信機905は、空中線903から
送られた信号を変調・増幅した後に、空中線904に送
り返している。電池906は、空中線904および送受
信機905への電気の供給を行っている。
【0003】なお、パラシュートを使用して落下時の減
速および姿勢制御を行うデコイ装置は特開平7―151
500号公報にも記載されている。
【0004】次に動作について、図16の動作概念図を
用いて説明する。図16(a)はデコイ装置の降下開
始、図16(b)は電波妨害動作中を示す概要図であ
る。図中、903aは展開したデコイ装置のパラシュー
ト、921は艦船攻撃用のミサイル、922はミサイル
921から送信されるレーダ電波、910はデコイ装置
からミサイル921に発せられる妨害電波である。ミサ
イル921の攻撃目標とされた艦船から、発射機等を用
いて空中に打ち上げられたデコイ装置901は、降下時
に、パラシュート903aを展開し、減速および姿勢を
安定させながら降下してくる。
【0005】この降下時に、デコイ装置901は、ミサ
イル921から送信されるレーダ電波922を空中線9
04の電波送受信部904aで受信し、送受信機905
で変調・増幅された後に、妨害電波910として送信す
る。ミサイル921は、この妨害電波910を受信し、
デコイ装置901を攻撃目標と認識してデコイ装置90
1を追尾する。このように、相手ミサイルの追尾をデコ
イ装置901に引きつけておくことにより、デコイ装置
901の近くにある自艦をミサイル等の攻撃から守るこ
とができる。なお、デコイ装置901は、ミサイル92
1と衝突して破壊されるか、又はそのまま海面に着水
し、自重により海中に没してしまう。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来のデ
コイ装置は、空中でミサイルのシーカに搭載された追尾
レーダを妨害することを目的としていたので、降下開始
から着水までの短期間にのみ動作し、降下後は海中に没
するか、または地上に降下しても姿勢を安定できず動作
できない構成となっていた。従って、ミサイルの様に妨
害時間が短くてすむものはよいが、地上に設置された捜
索レーダ等を長期間妨害することはできないという問題
があった。また、従来のデコイ装置は地上では動作しな
い為、味方の部隊の展開に呼応して相手の陣地周辺に迅
速に展開し、妨害を開始することができないという問題
があった。
【0007】なお、デコイ装置に設置されるパラシュー
トの大きさは、敵から発見されることを考慮した場合
に、無制限に大きくすることはできず、パラシュートに
より降下速度を減速させることは困難である。
【0008】また、従来のデコイ装置は、地上に降下し
た場合はそのまま放置されてしまう為、敵に回収されて
しまい機密が漏洩してしまうという問題があった。
【0009】なお、従来例として特開平8―29099
号公報に記載されたデコイ装置も有る。このデコイ装置
は、上部に気球を接続し、下部にフロートを接続させ、
このフロートを海面に浮遊させることによって、海上に
長期間デコイ装置を位置ずける事を可能にするととも
に、時限装置を用いて所要時間経過後に気球を破壊する
構成にしたものである。
【0010】しかし、この様なデコイ装置にあっては、
地上の捜索レーダは妨害することができない。
【0011】また、従来例として特開平4―35198
4号公報に記載されたデコイ装置もある。このデコイ装
置は気球により上空に浮遊させ、またケーブルを接続し
て、その一端を地上に接地させることによって空中の定
位置で妨害活動ができることを可能としたものである。
【0012】しかし、この様なデコイ装置であったとし
ても、地上に接地させる必要があることから、相手の陣
地周辺に実際に行って接地行為を行わなければならず、
味方の部隊の展開に呼応して、事前に相手の陣地周辺に
迅速に展開することはできないという問題があった。
【0013】この発明は、上述のような課題を解決する
為になされたものであり、第一の目的は、空中および地
上で、長期間妨害活動が可能なデコイ装置を得ることで
ある。
【0014】第二の目的は、妨害動作終了後に自爆し、
敵に回収され機密が漏洩してしまうことを防止できるデ
コイ装置を得ることである。
【0015】
【課題を解決するための手段】この発明に係るデコイ装
置は、筐体と、降下時に前記筐体の上部から外部に展開
されるパラシュートと、前記筐体に設けられて電波の送
信及び受信を行う空中線と、前記空中線に接続し、受信
した電波を変調増幅する送受信機と、前記送受信機およ
び前記空中線に電気を供給する電池と、前記筐体の下面
に設けられ、前記筐体の重量よりも重くなるように構成
されて着地時に地上に突き刺さる地上固定装置と、着地
後の地面に対する傾斜に応じて、前記空中線の電波送受
信方向角度を補正する姿勢補正装置を備えたものであ
る。
【0016】また、この発明に係るデコイ装置は、筐体
の下部に、地上固定装置に圧力が加わったことを探知し
て動作する着地緩衝装置を備えたものである。
【0017】また、この発明に係るデコイ装置は、筐体
の下面より鉛直方向に延び、先端部に向かって徐々に鋭
くなるように形成された地上固定装置を備えたものであ
る。
【0018】
【発明の実施の形態】実施の形態1. 図1は、この発明の実施の形態1におけるデコイ装置の
構成図である。図中、1はデコイ装置である。2はデコ
イ装置の筐体であり、内部にパラシュート3、空中線
4、送受信機5、電池6を有している。パラシュート3
は、通常は折りたたまれて筐体2の上部の水平の棚2a
上に設置されているが、デコイ装置1が空中に放出され
降下する時に、筐体2の上面から外部に放出されて展開
し、降下時の減速および姿勢制御を行っている。
【0019】空中線4は、筐体2の内部の棚2b上に設
置されており、相手のレーダ装置からのレーダ電波を空
中線4の電波送受信部4aで受信し、信号にして送受信
機5に送るとともに、送受信機5から送られた信号を電
波に変えて、電波送受信部4aより妨害電波として相手
に送信している。
【0020】送受信機5は、空中線4から送られた信号
を変調・増幅した後に、空中線4に送り返している。電
池6は、空中線4および送受信機5への電気の供給を行
っている。7は、地上固定装置であり、真っ直ぐな棒状
をし、根元の部分に棒状部分の半径の2倍の円盤を有
し、先端部分は徐々に鋭くなっている。この円盤部分
は、ボルトにより筐体2の下面中央に固定されており、
従って、地上固定装置7は、筐体2の下面から真っ直ぐ
に鉛直方向に延びる様になっている。
【0021】なお、地上落下の際の衝撃に絶える必要性
から、地上固定装置7はスチール系、または、それ以上
の強度のある材質で構成され、さらに地上固定装置7を
地表面に対して垂直に落下させる必要から、重心が地上
固定装置側となる様に、地上固定装置7の重量が筐体2
部分よりも重くなる様に構成されている。
【0022】次に動作について、図2の動作概念図を用
いて説明する。図2(a)は降下中の電波妨害動作中、
図2(b)は地上着地後の電波妨害動作中を示す概要図
である。
【0023】図中、3aは展開したデコイ装置1のパラ
シュート、8は地上に設置された相手側のレーダ装置、
10はレーダ装置8から送信されたレーダ電波、20は
デコイ装置1からレーダ装置8に発せられる妨害電波で
ある。
【0024】地上に設置された発射機等を用いて空中に
打ち上げられたデコイ装置1は、図2(a)に示すよう
に、展開したパラシュート3aにより減速し、姿勢を安
定させながら降下してくる。この降下時に、デコイ装置
1は、地上のレーダ装置8のレーダ電波10を空中線4
の電波送受信部4aで受信し、受信したレーダ電波10
を送受信機5で変調・増幅して、妨害電波20として空
中線4の電波送受信部4aからレーダ装置8に送信す
る。
【0025】また、地上着地時には、図2(b)に示す
ように、落下速度と自重により地上固定装置7が地面に
突き刺さる為、デコイ装置1は、地面に固定される。従
って、降下時と同様に地上着地後も地上のレーダ装置8
に対して妨害電波20を送信し続けることができる。
【0026】このように、デコイ装置1は地上に着地し
た後も姿勢を固定できるので、降下中のみならず地上着
地後も、地上のレーダ装置を使用したレーダ探索を長時
間妨害することができる。
【0027】なお、この実施の形態1では、地上固定装
置は筐体の下面中央から延びる棒状物体1個のみとした
が、1個である必要は必ずしもなく、例えば棒状物体4
個をそれぞれ筐体の下面の四隅に設置した地上固定装置
としてもよい。但し、この場合には着地時のエネルギー
が1本の場合に比較して分散されてしまうので、固定装
置の重量はさらに重くする必要はある。
【0028】実施の形態2. 図3は、この発明の実施の形態2におけるデコイ装置の
構成図であり、図1の実施の形態1におけるデコイ装置
において、着地時に内部に空気が挿入されて、筐体下部
から外部に向かって膨張する着地緩衝装置を備えたもの
である。図中、101は、着地緩衝装置である。101
aは、着地緩衝装置の筐体2内部の部分であり、圧縮空
気をつめたボンベと着地時に筐体2の下面から外部に放
出される強化ビニールが、通常は折りたたまれたて設置
されている。101bは、地上固定装置7の先端が地面
に衝突した衝撃により、ボンベの口から圧縮空気が送ら
れ急激に膨張した強化ビニールの袋である。なお、袋1
01bは、膨張時に筐体2の下面から地上固定装置1の
約3分の1を覆う程度までの大きさになる。
【0029】このような構成においては、デコイ装置1
は、着地時に筐体2の下面から袋101bが外部に向か
って急激に膨張する為、例えば地面が柔らかい為に地上
固定装置7が地中深くまで突き刺さったとしても、地面
と筐体2とが直接接触することはなく、筐体2が地面と
衝突した衝撃により筐体2および筐体2内部の精密機器
が破壊されてしまうことを防止できる。
【0030】実施の形態3. 図4は、この発明の実施の形態3におけるデコイ装置の
構成図であり、図1の実施の形態1におけるデコイ装置
において、空中線の基部に姿勢補正装置を備えたもので
ある。図5は、地上着地時のデコイ装置1の動作概念図
である。図中、201は姿勢補正装置であり、棚2bと
空中線4の基部との間に備えられている。姿勢補正装置
201は、内部にジャイロを有し、この上に空中線4の
基部が設置されている構成となっている。従って、常に
空中線4の電波送受信部4aを重力に対して水平方向に
保つことができ、同時に、水平方向で360度任意の方
向に指向させることができる。但し、上下方向には指向
することができない。
【0031】このような構成においては、デコイ装置1
が降下中に受ける強い風等の外力や、着地地点の地形の
影響により、図5に示すように着地後のデコイ装置1が
地面に対して傾斜する場合があっても、姿勢補正装置2
01により空中線4の電波送受信部4aは常に水平に保
たれるので、傾くことにより相手目標に対して妨害電波
の送信を行えなくなることを防止できる。
【0032】なお、この発明の実施の形態3において
は、姿勢補正装置としてジャイロを使用したが、例えば
内部に常に鉛直方向を向く振り子を設け、空中線4の基
部にサーボ機構を設けて、振り子が固定された時点で鉛
直方向を割り出し、サーボ機構を駆動して空中線4の電
波送受信部4aを地面に対して常に水平に保つような構
成としてもよい。
【0033】実施の形態4. 図6は、この発明の実施の形態4におけるデコイ装置の
構成図であり、図1の実施の形態1におけるデコイ装置
において、地上との相対高度を測定する電波高度計と、
相対高度がしきい値以下となった時にパラシュートを分
離するパラシュート分離装置を備えたものである。図6
において、301はパラシュート分離装置であり、棚2
a上にパラシュート3と接するように配置されている。
また、パラシュート分離装置301は、展開時にパラシ
ュート3と筐体2が接続する場所の近傍に、バーナーを
有しており、このバーナーを燃焼させることによってパ
ラシュート3と筐体2との接続部分を瞬時に焼き切るこ
とができるように構成されている。302は電波高度計
であり、筐体2内部の下部に設置している。
【0034】電波高度計302は、空中線部、送信部・
受信部、信号処理部から構成されており、空中線部は筐
体底部の開口部302aより電波送受信部が下方向を向
くように設置されている。電波高度計302では、送信
部から出力された信号を空中線部の電波送受信部から電
波として地上に対して送信する。この電波は、地上面で
反射して再び空中線部の電波送受信部に届き、信号にさ
れて受信部に送られる。この時、電波を送信した時間
と、地上に反射した反射波が受信されるまでの時間が測
定され、信号処理部にて高度に変換される。この高度
が、予め定めたしきい値以下となった場合には、パラシ
ュート分離装置301にパラシュート分離信号が送信さ
れ、パラシュート分離装置301はバーナーを使用して
パラシュート3を筐体2より分離する。また、電波高度
計302は、しきい値入力用のキーボードを有し、事前
にしきい値を入力できるようになっている。
【0035】このような構成においては、パラシュート
分離装置302のしきい値を小さく設定することによっ
て、地上への着地直前にパラシュートを分離でき、着地
後にパラシュート3がデコイ装置1にかぶさり送受信の
電波が減衰したり、突風等によりパラシュート3が引か
れてデコイ装置1が転倒してしまう事態の発生を防止す
ることができる。
【0036】なお、この発明の実施の形態ではバーナー
でパラシュート3と筐体2との接続部を焼き切る構成と
したが、刃物を使用して切断する構成としてもよく、ま
たパラシュート3と筐体2がフックで接続されており、
このフックをはずす様に構成してもよい。
【0037】実施の形態5. 図7は、この発明の実施の形態5におけるデコイ装置の
構成図であり、図1の実施の形態1におけるデコイ装置
において、筐体の下面にさらに降下時に地上へ向かって
推力を発生させる減速装置を備えたものである。図7に
おいて、401は減速装置である。減速装置401は円
筒状をしており、上面中央から下面中央に通じて、固定
装置7を通す為の穴が開いている。なお、減速装置40
1は、空中で2部分に分離できる様に、対象となる右部
と左部を組み合わせたようになっている。
【0038】また、減速装置401は、内部にロケット
燃料で動作するロケットモータを有し、このロケットモ
ータを使用して減速装置401の下面に配置されている
複数のロータ401aを回転させ、地上に向かって推力
を発生させる。
【0039】次に動作について、図8の動作概念図を用
いて説明する。図8(a)は空中に放出されて妨害活動
実施中の図、図8(b)は減速装置401の燃料使用後
の図である。デコイ装置1は、発射装置等より上空に放
出された後、降下時には、図8(a)のように、パラシ
ュート3が展開されると同時に減速装置401が稼動
し、一斉にロケットモータが点火されてロータ401a
から下方向に向かって推力を発生させる。これにより、
落下速度が減速される。
【0040】なお、燃料を使い切った後は、図8(b)
のように、減速装置401は左部401aと右部401
bに分離し、筐体2の下部より切り離されて落下する。
従って、以降はパラシュート3のみにより減速され、落
下していくことになる。
【0041】このように、デコイ装置1は、降下中に減
速装置401によりパラシュート3のみの場合に比較し
て降下速度を遅くすることができ、長時間空中に浮遊す
ることができるので、空中で長時間妨害活動をすること
ができる。また、燃料が使い切られた後は、減速装置4
01は筐体2の下部より切り離されて落下するので、デ
コイ装置1自体の重量を軽くすることができ落下速度が
軽減される。
【0042】実施の形態6. 図9は、この発明の実施の形態6におけるデコイ装置の
外観図であり、図1の実施の形態1におけるデコイ装置
において、パラシュートの代わりに筐体の側面に制動板
を備えたものである。図中、501は上面、下面と4つ
の側面を有する直方体形状のデコイ装置1の筐体であ
る。また、筐体501の各側面では、上部3分の1より
下は各側面の両横10センチ程度を残して、真ん中が内
部に30センチ程度へこんだ形状となっている。502
は、制動板であり、各側面のへこんだ部分にはまり込む
様に構成され、上部の展開装置を介して筐体501に固
定されている。なお、制動板502は、強度が有りかつ
軽くする必要性からアルミ系の材料で構成されている。
【0043】次に動作について、図10の動作概念図を
用いて説明する。図10(a)は、上空に放出された状
態、図10(b)は、降下しながら妨害動作中であり、
図10(c)は地上に着地した後に妨害動作中の概念図
である。まず、図10(a)のように、デコイ装置1は
制動板502が筐体501に収納された状態で発射機等
により上空に放出される。この場合、デコイ装置1は重
力に引かれてついに上方へ向かう速度がゼロとなり降下
を開始する。降下中は、図10(b)のように、制動板
502は上部の展開装置により、上部を支点として約6
0度展開し、減速および姿勢を制御しながら降下する。
なお、降下中は妨害電波を送信し、妨害行為を行う。地
上着地後は、図10(c)のように、地上固定装置7が
地上に突き刺さり、デコイ装置1は固定され妨害電波を
送信して妨害行為を行うことができる。
【0044】このように、デコイ装置1は、筐体2の側
面に付けられた制動板502を展開して減速し、姿勢制
御しながら降下するので、パラシュート3を展開した場
合に比較して全体的に小さくでき、相手から発見され攻
撃されにくくなり、デコイ装置の耐被弾性能を向上する
ことができる。
【0045】なお、実施の形態6では、筐体を直方体状
としたが、円柱状であってもよい。
【0046】また、実施の形態6では制動板のみで減速
および姿勢制御をする様に構成したが、さらに、制動板
502の展開時に地上と対向する面に複数のノズルを備
え、降下時にノズルより推力を発生させることによっ
て、更に減速および姿勢制御の効果を上げるようにして
もよい。
【0047】実施の形態7. 図11は、この発明の実施の形態7におけるデコイ装置
の構成図であり、図1における実施の形態1のデコイ装
置において、パラシュートの代わりに気球を使用して浮
力を得るようにしたものである。
【0048】図中、301は電波高度計である。601
は気球であり、降下時以外は折りたたまれて棚2a上に
設置されており、また棚2aとは複数本のロープにより
接続されている。602は、気球601内に注入するヘ
リウム等の軽量ガスを有するボンベであり、棚2a上に
設置されている。603は、電波高度計301より送ら
れてくる相対高度を受け、気球601内のガス圧を制御
するガス圧制御装置であり、棚2a上に設置されてい
る。604aは、ボンベ602とガス圧制御装置603
とを接続するチューブ、604bはガス圧制御装置60
3と気球604を接続するチューブである。なお、軽量
ガスは、ボンベ602よりチューブ604a、ガス圧制
御装置603、チューブ604bを経由して気球604
内に送られる。
【0049】次に動作について、図12の動作概念図を
用いて説明する。発射機等により上空に放出されたデコ
イ装置1は、引力により徐々に速度が減少し、ついには
降下を開始する。この時、筐体2の上面が開いて、気球
601は外部に放出されるとともに、ガス圧制御装置6
03がガスボンベ602のバルブを開き、気球601内
に軽量ガスを注入し膨張させる。なお、ガスボンベ60
2のバルブについては、そのまま開きっぱなしであり、
ボンベ内のガスを完全に放出させる。601aは外部に
放出され、軽量ガスにより膨張した気球である。この場
合、筐体2は当初は落下を続けるが、ある一定時間で上
昇に転じる。この間、一定時間間隔にて高度電波計30
1より相対高度を測定し、上昇に転じた時点で、ガス圧
制御装置603は、気球601a内部のガスを徐々に外
部に放出させ、気球を一定高度に保持させる。
【0050】このように、パラシュートの代わりに気球
601を使用し、またガス圧制御装置603により気球
601内のガス圧を制御することで、デコイ装置1を一
定の相対高度の位置に保つことができるようになるの
で、敵のレーダ電波を長期間妨害することが可能とな
る。
【0051】実施の形態8. 図13は、この発明の実施の形態8のデコイ装置の構成
図であり、図1の実施の形態1におけるデコイ装置にお
いて、電池からの電流を測定する電流検出計と、その電
流量がしきい値以下となった場合に爆発する破壊装置を
備えたものである。
【0052】図中、701は、爆薬と起爆装置からなる
破壊装置であり、筐体2の中央部に設置されている。な
お、爆薬は、デコイ装置1自体を内部から破壊するのに
十分の量である。702は、電池6の電極に接続し電池
6からの電流値を常時検出して、しきい値以下でないか
を計測している電流検出装置である。また、電流検出装
置702は、破壊装置701に接続し、電池6の電流が
しきい値以下となった場合には、破壊装置701の起爆
装置に爆破信号を送信し、破壊装置701の起爆装置を
稼動させて爆薬を爆発させる構成になっている。また、
電流検出装置702はしきい値入力用のキーボードを有
し、事前にしきい値を入力できるようになっている。
【0053】このような構成においては、電池6から流
れる電流値は空中線4および送受信機5が駆動するの従
って減少していくので、電流検出装置702に予め電池
6が使い切れる直前の小さい値をしきい値として設定し
ておけば、デコイ装置1が駆動不能となる直前にデコイ
装置1を破壊することができ、デコイ装置1が相手に捕
獲され機密が漏洩してしまうことを防止できる。
【0054】実施の形態9. 図14は、この発明の実施の形態9のデコイ装置の構成
図であり、図1の実施の形態1におけるデコイ装置にお
いて、地上との相対高度を測定する電波高度計と、相対
高度がしきい値以下となった時に爆発する爆破装置を備
えたものである。
【0055】図中、801は爆薬と起爆装置からなる破
壊装置であり、筐体2の中央部に設置されている。な
お、爆薬はデコイ装置1自体を内部から破壊するのに十
分の量である。802は、電波高度計であり、筐体1内
の下部に位置し、地上への電波送受信部802aが筐体
2の下面から外部に露出する形状になっている。電波送
受信部802aは、地上に向かって電波を送信し、地上
からの反射波を受信しており、電波高度計802は送信
と受信の時間差より相対高度を測定する。また、この相
対高度がしきい値以下となった場合には、破壊装置70
1に爆破信号を送信し、破壊装置701の起爆装置を稼
動させて爆薬を爆発させる構成になっている。なお、電
波高度計802は、しきい値入力用のキーボードを有
し、事前にしきい値を入力できるようになっている。
【0056】このような構成においては、電波高度計8
02にしきい値として予め小さい値、例えば筐体2の長
さと地上固定装置7の長さの和の値を設定しておけば、
着地直前にデコイ装置1を内部から破壊することができ
るので、地上でデコイ装置1が相手に捕獲され機密が漏
洩してしまうことを防止することができる。
【0057】
【発明の効果】この発明に係るデコイ装置は、筐体と、
降下時に前記筐体の上部から外部に展開されるパラシュ
ートと、前記筐体に設けられて電波の送信及び受信を行
う空中線と、前記空中線に接続し、受信した電波を変調
増幅する送受信機と、前記送受信機および前記空中線に
電気を供給する電池と、前記筐体の下面に設けられ、前
記筐体の重量よりも重くなるように構成されて着地時に
地上に突き刺さる地上固定装置と、着地後の地面に対す
る傾斜に応じて、前記空中線の電波送受信方向角度を補
正する姿勢補正装置を備えたので、デコイ装置が降下中
に受ける強い風等の外力や着地地点の地形の影響によ
り、着地後のデコイ装置本体が地面に対して傾斜する場
合があっても、姿勢補正装置により空中線の電波送受信
部は常に水平に保たれるので、常に水平方向に妨害電波
を送信することができ、妨害効果が上昇する。
【0058】さらに、筐体の下部に、地上固定装置に圧
力が加わったことを探知して動作する着地緩衝装置を備
えたものとしたので、例えば地面が柔らかい為に地上固
定装置が地中深くまで突き刺さったとしても、着地緩衝
装置により地面と筐体とが直接接触することはなく、筐
体が地面と衝突し筐体および筐体内部の精密機器が破壊
されることが防止できる。
【0059】また、筐体の下面より鉛直方向に延び、先
端部に向かって徐々に鋭くなるように形成された地上固
定装置を備えたので、デコイ装置は地上に着地した時に
地上固定装置が地上に突き刺さり姿勢を固定できるの
で、その後も妨害電波を送信させることができ、降下中
のみならず地上着地後も地上のレーダ装置によるレーダ
探索を長時間妨害できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係るデコイ装置の
構成図である。
【図2】 この発明の実施の形態1に係るデコイ装置の
動作概念図である。
【図3】 この発明の実施の形態2に係るデコイ装置の
構成図である。
【図4】 この発明の実施の形態3に係るデコイ装置の
構成図である。
【図5】 この発明の実施の形態3に係るデコイ装置の
動作概念図である。
【図6】 この発明の実施の形態4に係るデコイ装置の
構成図である。
【図7】 この発明の実施の形態5に係るデコイ装置の
構成図である。
【図8】 この発明の実施の形態5に係るデコイ装置の
動作概念図である。
【図9】 この発明の実施の形態6に係るデコイ装置の
外観図である。
【図10】 この発明の実施の形態6に係るデコイ装置
の動作概念図である。
【図11】 この発明の実施の形態7に係るデコイ装置
の構成図である。
【図12】 この発明の実施の形態7に係るデコイ装置
の動作概念図である。
【図13】 この発明の実施の形態8に係るデコイ装置
の構成図である。
【図14】 この発明の実施の形態9に係るデコイ装置
の構成図である。
【図15】 従来のデコイ装置の構成図である。
【図16】 従来のデコイ装置の動作概念図である。
【符号の説明】
1 デコイ装置、2 筐体、3 パラシュート、4 空
中線、5 送受信機、6 電池、7 地上固定装置、8
レーダ装置、10 電波、20 妨害電波、101
着地緩衝装置、201 姿勢補正装置、301 パラシ
ュート分離装置、302 電波高度計(高度計)、50
1 筐体、502 制動板、601 気球、602 ボ
ンベ、603 ガス圧制御装置、701 破壊装置、7
02 電流検出装置、801 破壊装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F41H 11/02 F42B 5/15,12/70 G01S 7/38

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筐体と、降下時に前記筐体の上部から外
    部に展開されるパラシュートと、前記筐体に設けられて
    電波の送信及び受信を行う空中線と、前記空中線に接続
    し、受信した電波を変調増幅する送受信機と、前記送受
    信機および前記空中線に電気を供給する電池と、前記筐
    体の下面に設けられ、前記筐体の重量よりも重くなるよ
    うに構成されて着地時に地上に突き刺さる地上固定装置
    と、着地後の地面に対する傾斜に応じて、前記空中線の
    電波送受信方向角度を補正する姿勢補正装置を備えたこ
    とを特徴とするデコイ装置。
  2. 【請求項2】 筐体の下部に、地上固定装置に圧力が加
    わったことを探知して動作する着地緩衝装置を備えたこ
    とを特徴とする請求項1に記載のデコイ装置。
  3. 【請求項3】 地上固定装置は、筐体の下面より鉛直方
    向に延び、先端部に向かって徐々に鋭くなるように形成
    されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載
    のデコイ装置。
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