JP3515461B2 - 半導体発光装置 - Google Patents

半導体発光装置

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JP3515461B2 JP37305999A JP37305999A JP3515461B2 JP 3515461 B2 JP3515461 B2 JP 3515461B2 JP 37305999 A JP37305999 A JP 37305999A JP 37305999 A JP37305999 A JP 37305999A JP 3515461 B2 JP3515461 B2 JP 3515461B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、均一な電流注入が
可能となる半導体発光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】無機及び有機レーザ双方の、半導体によ
り構成される面発光レーザデバイス型構造が、V.G.Kozl
ov et al.,J.Appl.Phys.,84 8(1998)に開示されてい
る。しかしながら、過剰な熱の発生を防止するために均
一な電流注入を可能とする必要があるため、これらのす
べての構造は制限される。
【0003】図8は、従来の典型的な面発光型半導体レ
ーザダイオードの第1の例を示す図である。図中、41
はn型基板を示しており、このn型基板41の主表面に
はn型コンタクト領域42,n型DBR層43,n型ク
ラッド層44,活性層45,p型クラッド層46,p型
DBR層47,p型コンタクト層48が順次積層して形
成されている。p型コンタクト層48の上にはp型金属
コンタクト49が選択的に形成されている。また、n型
基板41の裏面には、n型金属コンタクト50が形成さ
れている。
【0004】n型DBR層43は2つの異なる半導体層
43a及び43bを交互に積層して形成されたDBRミ
ラー構造であり、p型DBR層47も同様に、2つの異
なる半導体層47a及び47bを交互に積層して形成さ
れたDBRミラー構造である。
【0005】この面発光型レーザダイオードにおいて、
活性層45の上側及び下側に形成されたDBR構造(p
型DBR層43及びn型DBR層47)はともに導電性
であり、p型コンタクト層48は、一般にDBR積層構
造の抵抗に比較して非常に低い比抵抗を有する。これに
より、活性層45に対して均一な電流が注入され、レー
ザ光の均一な面発光が得られる。しかしながら、レーザ
光の放出領域の円周が3μmよりも大きくなると、レー
ザ光が均一に放出されない問題が生じる。
【0006】また、この導電性DBR層43及び47を
構成する半導体層としては無機材料が考えられる。通常
DBR構造は、異なる半導体層を交互に重ねた積層構造
を必要とし、これら異なる半導体層同士はレーザを放出
するのに必要とされるレベルに達するために反射率を上
げて有効な光閉じこめを実現する必要があるが、そのた
めには屈折率の差の大きい材料の組み合わせからなる積
層構造が必要となる。しかしながら、屈折率の差を大き
くとる場合には、一方の材料は高い抵抗を有し、従って
装置内に過剰に熱が発生するという問題点を有する。従
って、それほど屈折率の差の大きくない組み合わせから
なる積層構造を多段重ねる必要がある。これを無機材料
で実現するためには、少なくとも30層程度の積層構造
を必要とする。このような積層構造を製造するために
は、MOCVDプロセス等複雑なプロセスと時間が必要
となる。また、このように少なくとも30層もの積層構
造を設けた場合、結果として電流注入に際して抵抗が高
くなり、熱の発生は抑制できない。
【0007】そこで、図9に示すような不導電性DBR
構造を用いたレーザダイオードが考案されている。図9
は従来の典型的な半導体レーザダイオードの第2の例を
示す図である。図中、41はn型基板を示しており、こ
のn型基板41の主表面にはn型コンタクト領域42,
n型DBR層43,n型クラッド層44,活性層45,
p型クラッド層46が順次積層して形成されている。そ
して、このp型クラッド層46の上には不導電性DBR
層51が選択的に形成され、p型クラッド層46の両端
部表面は露出している。p型クラッド層46の露出した
表面にはクラッド層コンタクト52が形成されている。
【0008】n型DBR層43は2つの異なる半導体層
43a及び43bを交互に積層して形成されたDBRミ
ラー構造であり、不導電性DBR層51も同様に、2つ
の異なる半導体層51a及び51bを交互に積層して形
成されたDBRミラー構造である。この図9に示す不導
電性DBR構造を用いることにより、導電性DBR構造
の場合よりも熱の発生を抑制できる。また、DBR構造
を構成する半導体層の積層構造は、不導電性の酸化物を
用いて実現できるため、その積層構造は5あるいは6層
程度で充分に有効な光閉じこめの効果を奏する。
【0009】しかしながら、この不導電性DBR構造の
欠点は、均一な電流注入を困難にする構造にある。導電
性DBR構造の場合は、そのDBR構造を介して電流注
入が可能であるが、不導電性DBR構造は、そのDBR
構造を介して電流を注入できない。従って、電流注入の
ためのコンタクトをクラッド層表面であって装置側部に
設ける必要がある。このような構造は、均一な電流注入
を妨げる。
【0010】この不均一な電流注入は図10により説明
される。図10は、活性層へのクラッド層からの電流注
入動作を示す図であり、簡単のため、上下DBR構造と
もに不導電性の場合で説明する。クラッド層へ電流を供
給するコンタクト7及び9は、クラッド層4については
同図左側に、クラッド層6については同図右側に配置さ
れる。
【0011】図10に示すように、活性層5とクラッド
層4及び6の界面に対して平行な方向と垂直な方向に関
してクラッド層4及び6中の導電率が等しい場合、ある
位置に電流注入が集中してしまう。図10に示す場合
は、上層クラッド層6に比較して下層クラッド層4の抵
抗が高い場合を示しており、電流集中領域は活性層5の
中心よりも同図左側に寄る。これは、クラッド層4とク
ラッド層6からみてその両者間の電流経路を考えた場
合、最も抵抗の低い部分を電流が流れようとするためで
ある。このように電流注入が不均一になると、ライフタ
イムが短くなったり、高いしきい電流密度を引き起こし
て過剰な熱が発生する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上述したように従来の
面発光型のDBR構造を用いた発光装置の場合、DBR
構造として導電性のものを用いた場合には、異なる屈折
率を有する積層構造を多段重ねる必要がある。一方、積
層構造の段数を少なくするために考案された不導電性D
BR構造を用いた場合には、均一な電流注入が困難であ
る。
【0013】本発明は上記課題を解決するためになされ
たもので、その目的とするところは、均一な電流注入を
可能とする半導体発光装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明に係る半導体発光
装置は、活性層と、この活性層の下面に形成され、該活
性層にキャリアを供給する下部キャリア拡散層と、前記
活性層の上面に形成され、前記下部キャリア拡散層とは
逆導電型のキャリアを該活性層に供給する上部キャリア
拡散層と、を具備してなり、前記下部キャリア拡散層と
前記上部キャリア拡散層の間で電流を流すことにより前
記活性層中で光を発生させ、前記下部キャリア拡散層と
前記上部キャリア拡散層は、それぞれ前記活性層との界
面に平行に配向した導電性ポリマーからなることを特徴
とする。
【0015】望ましくは、上部キャリア拡散層の上面に
は不導電性DBR構造が形成されてなり、下部キャリア
拡散層の下面には不導電性DBR構造が形成されてな
る。
【0016】また望ましくは、活性層は、有機材料によ
り構成されてなる。
【0017】(作用)本発明では、活性層を挟むキャリ
ア拡散層に導電性ポリマーを用いる。また、この導電性
ポリマーを構成する鎖状構造を、活性層との界面に平行
に配向させる。このようにポリマーを配向させた場合、
キャリア拡散層を支配する導電性メカニズムは、主とし
て活性層との界面に平行な方向の導電メカニズムと活性
層との界面に垂直な方向の導電メカニズムに大別され
る。キャリア拡散層に注入される電流は、活性層との界
面に平行な方向には上記鎖状構造に沿って大きく流れる
のに対して、界面に垂直な方向の電流量は非常に小さく
なる。従って、この鎖状構造が活性層との界面に垂直な
方向に対して電流注入バリア層として機能し、キャリア
拡散層における電流注入の面内均一性が確保される。従
って、活性層から均一な発光が得られる。また、得られ
る半導体発光装置としての出力特性は、従来装置よりも
発光効率が非常に高く、かつ光放出を得るための低いし
きい値電流密度が得られ、駆動電圧も低下する。
【0018】特に、不導電性DBR構造を採用する場合
にはより大きな効果を奏する。すなわち、不導電性DB
R構造の発光装置では、電流注入用コンタクトは装置側
部に設けてDBR構造を介さずに電流注入を行う必要が
あるが、このような場合でも充分均一な電流注入が確保
される。
【0019】また、活性層上下のキャリア拡散層のポリ
マー内の長鎖状構造の配向方向を互いに45°乃至13
5°に設定することにより、長鎖状構造の両端部のみな
らず長鎖状構造が交差する部位においても大きく電流が
注入され、電流注入の均一性をさらに高めることができ
る。
【0020】さらに、活性層の材料として有機材料を用
いることにより、設計上の制約が非常に少なくなる。す
なわち、半導体材料によりこの活性層を構成する場合に
は、格子整合等の条件の制約により活性層に用いること
のできる材料はクラッド層の構成等により制限されてい
た。また、装置全体としても別の材料系が必要であっ
た。これに対して有機材料を用いた場合には、格子整合
等の条件の制約が非常に少なく、また例えば赤色レーザ
から青色レーザにシフトする場合にも活性層のみを別の
材料に変えることにより簡便に対応可能である。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施形態を説明する。
【0022】(第1実施形態)図1は本発明の第1実施
形態に係る半導体発光装置の全体構成を示す図である。
図中、1は例えばガラスあるいはサファイヤ等からなる
基板を示しており、この基板1の主表面にはバッファ層
2,不導電性DBR層3が順次積層して形成されてい
る。不導電性DBR層3上には、後述する種々の方法に
より配向した長鎖状ポリマーからなる下部キャリア拡散
層としてのn型クラッド層4が形成されている。そし
て、このn型クラッド層4の上には活性層5及び上部キ
ャリア拡散層としてのp型クラッド層6が選択的に形成
され、n型クラッド層4の片端部表面は露出している。
n型クラッド層4の露出した表面にはn型クラッド層コ
ンタクト7が形成されている。また、p型クラッド層6
の上には不導電性DBR層8が選択的に形成されp型ク
ラッド層6の片端部表面は露出している。p型クラッド
層6の露出した表面にはp型クラッド層コンタクト7が
形成されている。なお、バッファ層2は不要な場合には
省略してもよい。
【0023】不導電性DBR層3は2つの異なる半導体
層3a及び3bを交互に積層して形成されたDBRミラ
ー構造であり、不導電性DBR層8も同様に、2つの異
なる半導体層8a及び8bを交互に積層して形成された
DBRミラー構造である。
【0024】本実施形態の特徴点は、電流注入層として
設けられたクラッド層4及び6に導電率に関して異方性
の物質を用いる点にある。このような構成をとることに
より、活性層5に対して均一な注入が装置の側部に設け
られた注入コンタクト7及び9を介して得られる。
【0025】このような特徴点を備えるべく、各構成は
以下のような物質種、製造方法が用いられる。
【0026】クラッド層4及び6には、導電率に関して
異方性を有する物質として、長鎖状のポリマー物質が用
いられる。このような導電性のポリマー物質としては、
例えばポリアセチレン(PA)、ポリ(p−フェニリン
スルフィド(PPP)、ポリ(p−フェニリン)(PP
S)、ポリピロール(PPY)、ポリチオフェン(Pt
h)等が用いられ、I3 -、AsF6 -、BF4 -、K+等の
材料を用いたドープにより、これらポリマー内で鎖は一
の方向に配向する。
【0027】長鎖状のポリマー物質をクラッド層4及び
6に用いる理由を図2を用いて説明する。図2は通常の
方法により成長させた長鎖状ポリマーの導電モードを示
す図である。長鎖状ポリマーは、図2に示す複数の結晶
体21からなる。この結晶体21は、単量体が重合する
ことにより形成される複数の長鎖状構造22を有する。
このような長鎖状ポリマーでは、主に3つの導電モード
23a〜23cが得られる。これら3つの導電モード2
3a〜23cは、配向に関係なく長鎖状ポリマー内にほ
ぼ均一に分布しており、方向に無関係に測定されるもの
である。
【0028】導電モード23aは、結晶体21内に生
じ、長鎖状構造22の鎖の伸長方向に沿った方向を持つ
モードであり、3つのモード中最も重要且つ導電性の高
いモードである。導電モード23bはモード23aと同
様結晶体23b内に生じ、長鎖状構造22同士の間の導
電率を定めるものである。このように、物質の完全な結
晶体21内には導電モード23a及び23bのみが存在
する。また、結晶体21内ではすべての長鎖状構造22
が同一の方向に沿って配向しているため、導電率は高い
異方性を有する。
【0029】また、多結晶物質において、結晶体21同
士の間にはボイドが存在し、このボイドにより導電モー
ド23cが生じる。従って、導電モード23cは結晶体
21同士の間に生じる。このように、通常の製法により
成長させた長鎖状ポリマーには3つの導電モードの組み
合わせにより導電性が定まり、全体としてその物質本来
の値よりも導電性が高くなる。また、長鎖状構造22
は、その構造22が包含される結晶体21ごとにその配
向が異なる。
【0030】そこで、本実施形態のクラッド層4及び6
では、例えば長鎖状ポリマーを挟んで対向する2つの位
置から固化する際のポリマーを延伸することにより、結
晶体21を延伸方向に沿って配向させて結晶体21内の
長鎖状構造22をすべて延伸方向に配向させる。これに
より、図2(b)に示すような導電モード23aが単一
の方向に配向した薄膜が得られる。この導電モード23
aは、対象とするポリマーによって異なるが、導電モー
ド23bに比較して数百倍大きな導電率を有する。これ
により、クラッド層4及び6は非常に高い異方性を有す
る物質となる。また、2方向からポリマーを延伸させる
方法のみならず、他の方法でも異方性を有するクラッド
層4及び6を製造可能である。例えば、静電荷を有しな
い布状物質を用いて固体の鎖状構造表面に摩擦を生じさ
せてもよい。この場合、摩擦の度合いに応じてその摩擦
を生じさせる方向に沿って長鎖状構造が配向していく。
また、電気的に極性を有するポリマーでは、液体状のポ
リマーを挟持し、2つの対向する位置からポリマーに対
して電圧を印加しても良い。この場合、電圧を印加する
ことによりポリマー中の長鎖状構造が配向し、その配向
状態で乾燥させることにより、導電率に関して長鎖状構
造が配向したポリマーを得ることができる。なお、この
長鎖状構造の鎖長は、10nm〜2μmであることが好
ましい。
【0031】また、活性層5の候補としては、必要とさ
れる放出波長に応じて種々存在するが、例えばDCM
(や他の染料)がドープされたAlq3(トリス-(8−
ヒドロキシキノリンアルミニウム)、couramin47(や
他の染料)がドープされた4,4’−ジ(N−カルバゾ
ール)ビフェノール、PPV(ポリ(p−フェニリンビ
ニレン))がドープされ、又はPBD(2−(4−ビフ
ェニル)−5−(4−t-ブチルフェニル)−1,3,
4−オキサジアゾール)がドープされたポリウレタン等
がある。なお、これら列挙したものに限定される者では
なく、他の有機導電物質や無機物質でも充分に高い光ゲ
インが得られる。クラッド層コンタクト6及び7は、I
TO、Au/Zn等により得られる。
【0032】以上のように構成された半導体発光装置に
おいて、n型クラッド層コンタクト7及びp型クラッド
層コンタクト9との間に電圧を印加すると、p型クラッ
ド層6からはホールが、n型クラッド層4からは正孔が
活性層5に供給される。活性層5では、これらホール及
び正孔が再結合することにより光が発生する。この光
は、不導電性DBR層3及び8の間で反射を繰り返し、
増幅されて不導電性DBR層8の上面からレーザ光とし
て放出される。
【0033】次に、導電率に関して異方性を有する上記
薄膜により構成されるクラッド層4及び6から活性層5
への電流注入動作を図3を用いて説明する。
【0034】光放出領域となる活性層5が、前述した異
方性の高い物質からなるクラッド層4及び6で挟まれ
る。この際、結晶体21内の長鎖状構造22が配向する
方向が、活性層5とクラッド層4及び6の境界面に平行
になる。このように配向面を設定した場合のクラッド層
4の境界面に平行な方向の導電率をμ1、境界面に平行
な方向の導電率をμ2とする。また、クラッド層6の境
界面に平行な方向の導電率をμ3、境界面に垂直な方向
の導電率をμ4とする。図3から分かるように、境界面
に平行な方向の各層の導電率μ1及びμ3は境界面に垂直
な導電率μ2及びμ4よりも非常に高くなっているのが分
かる。このように、これら活性層5とクラッド層4及び
6の境界面の方向に沿った導電率が最も高くなる。換言
すれば、境界面に垂直な方向には、導電性は相対的に低
くなる。従って、クラッド層4又は6の側部に設けられ
たコンタクト7又は9から注入された電流は、クラッド
層4又は6を前記境界面に沿って流れるのに対して、そ
の境界面に垂直な方向にはあまり流れない。従って、境
界面に平行な方向に充分均一に電流が流れた後に、境界
面に垂直な方向に均一に活性層5に電流が注入されるこ
ととなる。従って、活性層5から均一な光放出が得られ
る。
【0035】このように本実施形態によれば、クラッド
層4及び6を、活性層5との界面に沿って平行に配向し
た長鎖状ポリマーにより構成することにより、活性層5
との界面に平行な方向に垂直な方向よりも導電率が高ま
る。従って、クラッド層4及び6からの活性層5への均
一な電流が得られ、さらには活性層5からの均一な光放
出が得られる。
【0036】特に、本実施形態のように不導電性DBR
構造の発光装置では、電流注入用コンタクトは装置側部
に設けてDBR構造を介さずに電流注入を行う必要があ
るが、このような場合でも充分均一な電流注入が確保さ
れる。また、導電性DBR構造を用いた場合には、多段
積層構造が必要となり、その多段積層構造を介して電流
注入経路が設けられることにより抵抗が高くなる。これ
に対して本実施形態ではDBR構造を介さずに電流注入
を行うため、電流注入経路の抵抗が低く抑えられ、装置
内の熱の過剰な発生を抑制することができる。
【0037】また、活性層5の材料として有機材料を用
いることにより、設計上の制約が非常に少なくなる。す
なわち、半導体材料によりこの活性層を構成する場合に
は、格子整合等の条件の制約により活性層に用いること
のできる材料はクラッド層の構成等により制限されてい
た。また、装置全体としても別の材料系が必要であっ
た。これに対して有機材料を用いた場合には、格子整合
等の条件の制約が非常に少なく、また例えば赤色レーザ
から青色レーザにシフトする場合にも活性層のみを別の
材料にすることにより簡便に対応可能である。
【0038】(第2実施形態)図4は本発明の第2実施
形態に係る半導体発光装置の全体構成を示す図である。
図4(a)は上面図、(b)はA−A’断面図、(c)
はB−B’断面図である。第1実施形態と共通する部分
には同一符号を付し、詳細な説明は省略する。本実施形
態の特徴点は、活性層5の下側に形成されたクラッド層
4と上側に形成されたクラッド層6の配向の方向を垂直
にした点である。
【0039】本実施形態と第1実施形態が異なるのは、
クラッド層4及び6の配向方向の相互関係と、クラッド
層コンタクト7及び9の配置である。
【0040】図4(b)及び(c)の断面図に示すよう
に、第1実施形態の半導体発光装置とほぼ同じ構成であ
るが、クラッド層コンタクト7及び9の配置が異なる。
第1実施形態の場合、クラッド層コンタクト7及び9
は、例えば装置上面から見て方形であり、略円筒形状あ
るいは錐体状のDBR層8の中心軸に対して対称の位置
に配置され、あるいは、そのDBR層8の周縁部を囲む
ようにそれぞれ配置されている。これに対して本実施形
態では、DBR層8の中心軸に対して90°をなす位置
にクラッド層コンタクト7及び9がそれぞれ配置されて
いる。
【0041】また、第1実施形態では、クラッド層4及
び6のポリマーの調査状構造はそれぞれ活性層5との界
面に平行に配向しており、かつ装置上面から見ても平行
に配向している場合を示した。これに対して本実施形態
では、クラッド層4及び6がそれぞれ活性層5との界面
に平行に配向している点は第1実施形態と同様である
が、装置上面から見ると両者は垂直に配向している。具
体的には、図4(a)のようにクラッド層コンタクト7
及び9が配置されており、クラッド層4はX軸方向に、
クラッド層6はY軸方向に配向している。
【0042】図5は上記クラッド層4及び6から活性層
5への電流注入動作を示す図である。光放出領域となる
活性層5が、前述した異方性の高い物質からなるクラッ
ド層4及び6で挟まれる。この際、結晶体21内の長鎖
状構造22が配向する方向が、活性層5とクラッド層4
及び6の境界面に平行になる。このように配向面を設定
した場合のクラッド層4の境界面に平行な方向の導電率
をμ1、境界面に平行な方向の導電率をμ2とする。ま
た、クラッド層6の境界面に平行な方向の導電率を
μ3、境界面に垂直な方向の導電率をμ4とする。
【0043】図5から分かるように、境界面に平行な方
向の各層の導電率μ1及びμ3は境界面に垂直な導電率μ
2及びμ4よりも非常に高くなっているのが分かる。この
ように、これら活性層5とクラッド層4及び6の境界面
の方向に沿った導電率が最も高くなる。換言すれば、境
界面に垂直な方向には、導電性は相対的に低くなる。従
って、クラッド層4又は6の側部に設けられたコンタク
ト7又は9から注入された電流は、クラッド層4又は6
を前記境界面に沿って流れるのに対して、その境界面に
垂直な方向にはあまり流れない。この点は第1実施形態
と同じである。
【0044】本実施形態では、活性層5との境界面に平
行であっても同図に示す断面では、クラッド層4に関し
ては非常に高い導電率μ1を示しているのに対して、ク
ラッド層6は導電率は低く、紙面の手前側から奥方向に
導電率が非常に高くなっている。
【0045】このようにクラッド層4及び6を構成する
ポリマーの配向方向を垂直に配置することの利点を図6
(a)及び(b)、図6を用いて説明する。
【0046】図6(a)及び(b)は、本発明の半導体
発光装置のポリマーを上面から見た模式図であり、61
はクラッド層4のポリマーの長鎖状構造、62はクラッ
ド層6のポリマーの長鎖状構造であり、(a)は長鎖状
構造61及び62ともに平行に配向している場合で、第
1実施形態に対応し、(b)は長鎖状構造61及び62
がほぼ垂直をなして配向している場合で、本実施形態に
対応する。長鎖状構造を有するポリマーを用いる場合、
電流注入にはミクロ的に不均一性を有し、長鎖状構造の
両端部(同図に円で示す)が電流注入が最も高くなる電
流ピーク点となる。また、長鎖状構造の両端部以外に
も、両者長鎖状構造が装置上面から見て交差する部分で
も電流ピーク点が生じる。従って、これら図6(a)及
び(b)を比較しても分かるように、電流ピーク点が
(a)よりも(b)の方が面内に均一に分布する。従っ
て、互いに配向方向を異ならしめることにより、電流注
入の面内均一性がさらに向上する。結果として、発光の
均一性がさらに向上する。
【0047】図7は、略円筒形状の活性層5の中心軸近
傍のクラッド層4及び6の配向方向のなす角度と発光効
率との関係を示す図である。図7に示すように、配向方
向が互いに90°をなす場合、活性層5の中心軸近傍に
おける発光効率は最も高くなっている。なお、発光効率
は、90°の場合を1とした相対値を示している。
【0048】なお、本実施形態ではクラッド層4及び6
の配向方向のなす角度を90°としたがこれに限定され
ない。配向方向のなす角度は45°〜135°の範囲で
あるのが好ましい。また、クラッド層4及び6の配向方
向に応じてコンタクト7及び9の位置を変更させるのが
望ましい。具体的には、クラッド層中のポリマーの配向
方向に平行で活性層5の中心軸を通る直線上に対応する
コンタクトを設けるのが望ましい。
【0049】本発明は上記実施形態に限定されるもので
はない。例えば活性層5として有機材料を用いたが、こ
れに限定されるものではなく、無機材料も適用可能であ
る。また、活性層5の上層及び下層に設けられたDBR
層3及び8はいずれも不導電性としたが、これに限定さ
れるものではない。上層あるいは下層の一方あるいは双
方が導電性DBR層であった場合でも本発明を適用可能
である。
【0050】例えば上層及び下層ともに導電性DBR構
造を採用する場合、図4に示すクラッド層44及び46
として本実施形態のクラッド層を同様に配置すればよ
い。また、下層側が導電性DBR構造、上層側が不導電
性DBR構造の場合には、図5に示すクラッド層44及
び46に本実施形態のクラッド層を同様に配置すればよ
い。
【0051】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、光
放出領域からの均一な放出を得ることのできるデバイス
を製造することであり、これは異方性の導電性物質を用
いてなされる。従って、高効率の面発光デバイスが形成
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る半導体発光装置の
全体構成を示す縦断面図。
【図2】同実施形態における長鎖状ポリマーの構成を示
す顕微鏡写真の模式図。
【図3】同実施形態におけるクラッド層から活性層への
電流注入動作を説明するための図。
【図4】本発明の第2実施形態に係る半導体発光装置の
全体構成を示す図。
【図5】同実施形態におけるクラッド層から活性層への
電流注入動作を説明するための図。
【図6】同実施形態における拡散層の上下のクラッド層
それぞれのポリマーの配向を垂直にする利点を説明する
ための図。
【図7】同実施形態における活性層上下のクラッド層同
士の配向方向のなす角度と電流注入密度との関係を示す
図。
【図8】従来の導電性DBR構造を有する面発光型レー
ザの全体構成を示す縦断面図。
【図9】従来の導電性DBR構造と不導電性DBR構造
を併せ持つ面発光型レーザの全体構成を示す縦断面図。
【図10】従来の面発光型レーザにおける電流注入の問
題点を説明するための図。
【符号の説明】
1…基板 2…バッファ層 3,8…不導電性DBR層 4…n型クラッド層 5…活性層 6…p型クラッド層 7…n型クラッド層コンタクト 9…p型クラッド層コンタクト 21…結晶体 22…長鎖状構造 23a〜23c…導電モード 61…クラッド層4の長鎖状構造 62…クラッド層6の長鎖状構造
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01S 5/00 - 5/50 H05B 33/00 - 33/28

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活性層と、 この活性層の下面に形成され、該活性層にキャリアを供
    給する下部キャリア拡散層と、 前記活性層の上面に形成され、前記下部キャリア拡散層
    とは逆導電型のキャリアを該活性層に供給する上部キャ
    リア拡散層と を具備してなり、 前記下部キャリア拡散層と前記上部キャリア拡散層の間
    で電流を流すことにより前記活性層中で光を発生させ、 前記下部キャリア拡散層と前記上部キャリア拡散層は、
    それぞれ前記活性層との界面に平行に配向した導電性ポ
    リマーからなることを特徴とする半導体発光装置。
  2. 【請求項2】 前記上部キャリア拡散層の上面及び前記
    下部キャリア拡散層の下面には不導電性DBR構造が形
    成されてなることを特徴とする請求項1に記載の半導体
    発光装置。
  3. 【請求項3】 前記下部キャリア拡散層の導電性ポリマ
    ーは、前記上部キャリア拡散層の導電性ポリマーと45
    °乃至135°の角度をなして配向されてなることを特
    徴とする請求項1に記載の半導体発光装置。
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