JP3515143B2 - パターン追加登録装置 - Google Patents

パターン追加登録装置

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JP3515143B2
JP3515143B2 JP22724793A JP22724793A JP3515143B2 JP 3515143 B2 JP3515143 B2 JP 3515143B2 JP 22724793 A JP22724793 A JP 22724793A JP 22724793 A JP22724793 A JP 22724793A JP 3515143 B2 JP3515143 B2 JP 3515143B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マイクロフォン等の入
力部から入力された音声を識別し、識別結果により様々
な機器の制御を行う音声認識装置において、あらかじめ
使用者が自分の音声を登録する特定話者認識方式におけ
る参照パターンの追加登録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】人間が発声する音声をコンピュータによ
り識別し、その結果に基づいて機器の制御を行う音声認
識が試みられており、既に電話機、カーオーディオなど
で実用化されている。
【0003】斯かる音声認識の方式としては、認識可能
な話者の違いにより、使用者があらかじめ自分の音声を
登録する特定話者方式と、あらかじめ登録の必要がなく
誰でも自由に使用できる不特定話者方式があるが、不特
定話者方式においては、不特定多数の人の音声を認識す
ることが可能である反面、認識性能が特定話者方式より
劣るため、実用化においては特定話者方式が採用される
場合が多い。
【0004】斯かる特定話者音声認識の代表的な応用例
としては、使用者が単音節の登録を行い、その単音節の
認識をもとに文章などの入力を行う音声認識ワードプロ
セッサ(例えば、特開昭61−41199号公報など)
が発表されている。
【0005】このような音声認識ワードプロセッサにお
いては、通常音声を1回登録し、その参照パターンに基
づいて音声認識を行うことが一般的である。例えば、使
用者があらかじめキー操作により登録モードに入り、自
分の音声をメモリに登録しておき、全ての単音節につい
て登録が終了すると、認識モードとなり、音声認識によ
る文章入力が可能となる。
【0006】ところが、単音節は母音部が同じものが沢
山あり、1回の登録による1音節につき1つの参照パタ
ーンでは、高い認識性能を得ることが難しい場合が多
い。このような場合には、参照パターンの数を1音節に
つき2つ登録することで、参照パターンの確からしさを
増やすことにより対応することが一般的であり、この種
の音声認識装置の構成図を図4に示す。
【0007】図4における1は音声を電気信号に変換す
るマイクロフォンからなる入力部、2は入力部1から入
力された音声を一定時間毎に周波数分析を行い、特徴パ
ラメータを抽出する音声分析部、3は音声分析部2で分
析された特徴パラメータを基に音声区間の始端及び終端
を検出する音声区間検出部、4は音声区間検出部3で検
出された特徴パラメータの列から音声パターンを作成す
るパターン作成部、5は登録モードにおいてパターン作
成部4で作成された音声パターンを第1の参照パターン
として格納する第1の音声メモリ、6は登録モードにお
いてパターン作成部4で作成された音声パターンを追加
用参照パターンとして格納する第2の音声メモリ、7は
登録/認識モードの切り替え、登録モードにおいて登録
すべき参照パターンの番号など指定する操作部、8は操
作部7において認識モードが指定された場合には、第1
の音声メモリ5、及び第2の音声メモリ6に格納されて
いる少なくとも2つ以上の参照パターン、及び追加用参
照パターンと入力部1から入力された音声を基にパター
ン作成部4で作成された音声パターンとの間で類似度計
算を行い、最も類似している参照パターンの番号を出力
する識別部である。
【0008】図5は、第1の音声メモリ5の内容を示し
ており、0、1、2、・・・・・、n(但し、nは整数)は
参照パターンの番号、枠内”あ”、”い”、・・・・・、”
ん”は発声内容を示しており、第2の音声メモリ6に格
納されている発声内容は、第1の音声メモリ5の内容と
同一である。
【0009】以下、図5の参照パターン、及びこの参照
パターンに対応する追加用参照パターンを第1の音声メ
モリ5、及び第2の音声メモリ6に登録する場合につい
て図4を参照しながら説明する。
【0010】はじめに、第1の音声メモリ5への参照パ
ターンの登録時の処理の流れについて説明する。
【0011】使用者は、操作部7の登録キー(図示せ
ず)を押し、登録モードに設定すると共に、これから登
録しようとする参照パターンの番号を指定する。操作部
7は、登録キ−(図示せず)が押下されたことを検出す
ると、音声分析部2に音声分析の開始を伝達する。例え
ば、”あ”を登録する場合には、使用者はマイクロフォ
ン1に向かって、”あ”と発声する。
【0012】音声分析部2は、マイクロフォン1から入
力された音声を一定時間(例えば、10msec)毎
に、分析を行い、分析結果である特徴パラメータを音声
区間検出部3に伝達する。音声分析部2における音声分
析方式としては、例えばADコンバータ(図示せず)に
よりディジタル値に変換した後に、ディジタル・バンド
・パス・フィルタによる分析などが用いられる。
【0013】音声区間検出部3は、音声分析部2から一
定期間間隔毎に送られてくる特徴パラメータを基にし
て、最初に音声区間の始端の検出を行い、この後続いて
音声区間の終端の検出を行う。
【0014】音声区間検出部3は音声区間の検出を終了
すると、始端から終端までの特徴パラメータをパターン
作成部4に伝達し、パターン作成部4は操作部7からの
信号により、現在音声登録の状態であることを判定し、
作成した音声パターンを第1の音声メモリ5に伝達す
る。第1の音声メモリ5では、操作部7からの情報(発
声内容”あ”の1回目)に従って、パターン作成部4か
ら伝達された第1の音声メモリ5の「0」のエリアに格
納する。
【0015】続いて、使用者は”あ”の1回目の登録が
終了したことを表示部(図示せず)により確認すると2
回目の発声を行う。音声分析部2からパターン作成部4
における処理の流れは、1回目の登録と同じであるので
説明は割愛する。2回目の登録が1回目と異なるのは、
パターン作成部4で作成された参照パターンに対応する
追加用参照パターンを第2の音声メモリ6に格納するこ
とであり、この第2の音声メモリ6においては、操作部
7からの情報(発声内容”あ”の2回目)に従って、パ
ターン作成部4から伝達された第2の音声メモリ6の
「0」のエリアに格納する。
【0016】以下同様に”い”の1回目から”ん”の2
回目まで順次登録作業を繰り返す。
【0017】一方、認識時の処理の流れについて説明す
る。
【0018】音声分析からパターン作成の処理の流れ
は、音声登録時の処理の流れと同じであるので説明は省
略する。認識時の処理が登録時と異なるのは、パターン
作成部4で作成された音声パターンを基に識別部8にお
いて、識別処理を行うことである。
【0019】この識別部8は、操作部7からの認識処理
を示す信号を受け、識別の処理を行う。識別処理の代表
的な方法としては、DPマッチング(特開昭45−53
896号公報参照)などがある。識別部8においては、
パターン作成部4において作成された音声パターンと第
1の音声メモリ5に格納されている参照パターン、及び
第2の音声メモリ6に格納されている追加用参照パター
ンと逐次DPマッチングを夫々行うことにより、最も類
似している参照パターン、又は追加用参照パターンを検
索し、それを認識結果として出力する。
【0020】使用者は認識すべき音声(例えば”あ”)
を入力部1に向かって発声する。パターン作成部4にお
いて作成された”あ”の音声パターンは、識別部8にお
いて、第1の音声メモリ5の参照パターンとDPマッチ
ングを行い、表1の結果を得る。
【0021】
【表1】
【0022】続いて、第2の音声メモリ6の追加用参照
パターンとDPマッチングを行い、表2の結果を得る。
【0023】
【表2】
【0024】識別部8は、表1、及び表2の結果から最
も類似しているもの、即ち第2の音声メモリ6の追加用
参照パターン「0」を認識結果と判定し、認識結果とし
て”あ”を出力する。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、音声認
識装置においては、認識性能を確保するために、1つの
認識対象語に対して、2つ以上の参照パターン、及び追
加用参照パターンを格納しておき、格納されているすべ
ての参照パターン、及び追加用参照パターンと識別処理
を行い、最も類似している参照パターン、又は追加用参
照パターンを認識結果として出力していた。
【0026】このような方法の場合には、1つの認識対
象語に対して2つ以上の参照パターン、及び追加用参照
パターンを準備するため、多量の音声メモリを必要とす
るばかりでなく、多くの参照パターンと識別処理を行う
ため、認識処理に多くの時間を要し、応答時間の高速化
を妨げていた。
【0027】そこで、本発明は上述の問題点に鑑み為さ
れたものであり、第2の音声メモリ6の容量を限定して
使用し、認識処理に有効な追加用参照パターンを第2の
音声メモリに格納することにより、少ないメモリ容量で
も、認識性能の低下を防止することを可能とするパター
ン追加登録装置を提供することを目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】前記問題点を解決するた
めに、本発明のパターン追加登録装置は第2の音声メモ
リに登録されたそれぞれの追加用参照パターンの登録語
情報(第1の音声メモリにおける参照パターンの登録番
号、及び該登録番号に対応する追加用参照パターンと参
照パターンとの類似度)を格納する登録語情報格納部、
第1の音声メモリに参照パターンが登録されているか否
かによって追加用参照パターンの追加登録の判定を行う
追加登録判定部、及び追加登録判定部の情報に従って追
加登録を行う追加登録演算部を備えたことである。
【0029】
【作用】上述の手段によれば、追加登録判定部におい
て、追加登録と判定された場合には、登録語情報格納部
に格納されている登録語情報に基づいて参照パターン、
又は追加用参照パターンの追加登録の処理を行う。
【0030】
【実施例】本発明の実施例を図1乃至図3に基づいて説
明する。
【0031】図1は本発明のパターン追加登録装置の概
略構成図を示しており、図1において従来例に示す図4
と同一機能を有するものについては、同一番号を付し、
その説明は省略する。
【0032】本発明が従来例と異なる点は、第2の音声
メモリ6に登録されたそれぞれの追加用参照パターンの
登録語情報(第1の音声メモリ5における参照パターン
の登録番号、及び該登録番号に対応する追加用参照パタ
ーンと参照パターンとの類似度)を格納する登録語情報
格納部9、第1の音声メモリ5に参照パターンが登録さ
れているか否かによって追加用参照パターンの追加登録
の判定を行う追加登録判定部10、及び追加登録判定部
10の情報に従って追加登録を行う追加登録演算部11
を備えたことである。
【0033】本発明の第1の特徴は、第1の音声メモリ
5に参照パターンが登録されているものの認識率が劣る
場合に、その参照パターンに対応する追加用参照パター
ンの追加登録を第2の音声メモリ6に行うに際して、そ
の追加用参照パターンが第2の音声メモリ6に登録され
ておらず、且つ第2の音声メモリ6に空きエリアがある
場合に、その空きエリアに追加用参照パターンを登録す
ることにある。
【0034】また、第2の特徴は、参照パターンに対応
する追加用参照パターンが第2の音声メモリ6に登録さ
れておらず、且つ第2の音声メモリ6に空きエリアがな
い場合には、その第2の音声メモリ6の中で最大類似度
の追加用参照パターンを削除し、そのエリアに新たに追
加用参照パターンを登録することにある。
【0035】更に、第3の特徴は、参照パターン、およ
びその参照パターンに対応する追加用参照パターンが共
に登録してある場合に、それらのパターンとこれから入
力する入力パターンとの中で類似度を比較し、最も類似
度の低いパターン以外の2つのパターンを第1の音声メ
モリ5、及び第2の音声メモリ6に登録し直すことにあ
る。
【0036】図2は、上述の特徴を追加登録演算部11
の処理の流れにしたがってまとめたフローチャートであ
る。
【0037】図2のS1においては、操作部7において
登録モード、及び登録される参照パターンの番号が指定
された場合には、参照パターンの番号を操作部7から読
み込む。S2では、S1において読み込まれた参照パタ
ーンの番号に対応して第1の音声メモリ5、及び第2の
音声メモリ6に同一の認識対象語の参照パターン、及び
追加用参照パターンが既に存在するか否かの判定を行
い、既に2つの参照パターンが存在する場合にはS5
へ、存在しない場合にはS3へ移行する。S3において
は、第2の音声メモリ6に空きエリアがあるか否かの判
定を行い、空きエリアがある場合にはS6に進み、空き
エリアがない場合にはS4に進む。
【0038】S4においては、登録語情報格納部9に格
納されている類似度の中から最大の類似度の参照パター
ンを検索し、その参照パターンのエリアを新たな空きエ
リアとする。このとき類似度が最大の参照パターンを選
択するのは、登録語情報格納部9に格納されている類似
度は、同一登録番号に対応する追加用参照パターンと参
照パターンとの類似度を表しており、類似度が高ければ
追加用参照パターンをたとえ削除したとしても、認識に
際して影響がないと考えられるからである。
【0039】S5においては、第1の音声メモリ5、及
び第2の音声メモリ6に同一の認識対象語の参照パター
ン、及び追加用参照パターンが既に存在する場合であ
り、このとき参照パターン、追加用参照パターン、及び
入力パターン間の類似度を計算し、入力パターン自身以
外の他の2つのパターンと類似していないパターンを検
索する。S6においては、互いに類似度の高い新たな2
つの参照パターンを第1の音声メモリ5、及び第2の音
声メモリ6に転送する。
【0040】図3は登録情報格納部9の格納状態を模式
的に示したものであり、図3(a)は第2の音声メモリ
6が未追加登録状態、図3(b)は1語追加登録済みの
状態、図3(c)は第2の音声メモリ6の全てのエリア
に追加登録された状態、図3(d)は図3(c)から既
に追加登録されている参照パターン”あ”が再度追加登
録された状態、図3(e)は図3(c)から第2の音声
メモリ6に存在しない参照パターンの番号を新たに追加
登録した状態を示している。
【0041】本発明のパターン追加登録装置の動作につ
いて、図1、図2、及び図3を参照しながら説明する。
尚、第1の音声メモリ5には”あ”から”ん”が従来例
に示す処理の流れに従って既に登録されているものとす
る。また、第2の音声メモリ6に格納可能な追加用参照
パターンの数は10として説明する。
【0042】図3(a)は、第2の音声メモリ6が未追
加登録状態の場合であり、登録語情報格納部9の追加用
参照パターン番号の領域には0FFh、類似度の領域に
は、それぞれ7FFFhが格納されている状態を示して
いる。
【0043】この状態において、使用者が追加用参照パ
ターン”あ”を追加登録するために、使用者は操作部7
の登録キー(図示せず)により登録モードに設定すると
ともに、参照パターン”あ”の登録状態に設定する。
【0044】入力部1から入力された音声は、従来例と
同様に、音声分析部2、音声区間検出部3、パターン作
成部4により音声パターン化される。パターン作成部4
においてパターン作成が終了すると、追加登録判定部1
0は、第1の音声メモリ5の参照パターン「0」に既
に”あ”が登録されていることを検出し、追加登録であ
ることを追加登録演算部11に伝達する。追加登録演算
部11は、登録語情報格納部9の参照パターンの番号を
逐次検索し、登録される追加用参照パターンの番号
「0」が第2の音声メモリ6に存在するか否かを検索す
る(S1)。この検索結果として、登録語情報格納部9
の参照パターンの番号には、登録される参照パターンの
番号「0」(”あ”)が存在しないためS2へ進む。
【0045】追加登録演算部11においては、さらに第
2の音声メモリ6に空きエリアが存在するか否かを検索
する。ここでは空きエリアが存在するため、第1の音声
メモリ5の内容が第2の音声メモリ6に、また新しく入
力された音声パターンであるパターン作成部4で作成さ
れた音声パターンが第1の音声メモリ5にそれぞれ転送
される(S6)。
【0046】一方、追加登録演算部11においては、転
送された第1の音声メモリ5の参照パターンと第2の音
声メモリ6の追加用参照パターンとの類似度を従来例に
示すようなDPマッチングにより計算し、その結果であ
る類似度<80>を参照パターンの番号と共に登録語情
報格納部9に格納する。この結果、登録語情報格納部9
の内容は、図3(b)のように変わる。
【0047】続いて、追加用参照パターン”い”、”
う”、・・・・・、”こ”を追加登録する。この追加登録
は、参照パターン”あ”の追加登録と同じであるので、
ここでは説明は省略する。追加用参照パターン”
い”、”う”、・・・・・、”こ”の追加登録が終了する
と、登録語情報格納部9の内容は、図3(c)に示す如
く変更される。
【0048】次に登録語情報格納部9の内容が図3
(c)に示す状態である場合に、”あ”を第2の音声メ
モリ6に追加登録する場合について説明する。
【0049】この状態において、使用者が追加用参照パ
ターン”あ”を追加登録するために、使用者は操作部7
の登録キー(図示せず)により登録モードに設定すると
ともに、追加用参照パターン”あ”の登録状態に設定す
る。
【0050】入力部1から入力された音声は、従来例と
同様に、音声分析部2、音声区間検出部3、パターン作
成部4により音声パターン化される。パターン作成部4
においてパターン作成が終了すると、追加登録判定部1
0は、本実施例で既に示すごとく、第1の音声メモリ5
の参照パターンの番号「0」に既に”あ”が登録されて
いることを検出し、追加登録であることを追加登録演算
部11に伝達する。追加登録演算部11は、登録語情報
格納部9の参照パターンの番号を逐次検索し、登録され
る参照パターンの番号「0」(”あ”)が存在するか否
かを検索する(S1)。”あ”は第1の音声メモリ5、
及び第2の音声メモリ6にも既に存在することを判定し
(S2)、S5へ進む。
【0051】S5において、追加登録演算部11は、第
1の音声メモリ5の参照パターン、第2の音声メモリ6
の追加用参照パターン、及びパターン作成部4で作成さ
れた音声パターン間の類似度を計算する。第1の音声メ
モリ5に格納されている参照パターンと第2の音声メモ
リ6の追加用参照パターンの間の類似度は、既に登録語
情報格納部9に格納されている<80>であり(図3
(c)参照)、これ以外に第1の音声メモリ5に格納さ
れている参照パターンとパターン作成部4で作成された
音声パターンの間の類似度を計算し、その結果である類
似度<90>を保存する。
【0052】さらに、第2の音声メモリ6に格納されて
いる追加用参照パターンとパターン作成部4で作成され
た音声パターンの間の類似度を計算し、その結果である
類似度<95>を保存する。これら3つの類似度に基づ
いて、どの組のパターンが最も他の組のパターンと類似
度が低いかの判定を行う。ここでは、第1の音声メモリ
5に格納されている参照パターンが、他の2つのパター
ンに類似していないと判定される(S5)。この判定結
果に従って、第1の音声メモリ5に格納されている参照
パターンの他の2つのパターンが第1の音声メモリ5、
及び第2の音声メモリ6へ転送され(S6)、この状態
における登録情報格納部9の内容を図3(d)に示す。
【0053】最後に、登録語情報格納部9の内容が図3
(c)に示す状態である場合に、”さ”を追加登録する
場合について説明する。
【0054】この状態において、使用者が追加用参照パ
ターン”さ”を追加登録するために、使用者は操作部7
の登録キー(図示せず)により登録モードに設定すると
ともに、追加用参照パターン”さ”の登録状態に設定す
る。
【0055】入力部1から入力された音声は、従来例と
同様に、音声分析部2、音声区間検出部3、パターン作
成部4により音声パターン化される。パターン作成部4
においてパターン作成が終了すると、追加登録判定部1
0は、第1の音声メモリ5の参照パターンに”さ”が登
録されていることを検出し、追加登録であることを追加
登録演算部11に伝達する。追加登録演算部11は、”
さ”が未追加登録の参照パターンであることを検出する
と、登録語情報格納部9に格納されている類似度に基づ
いて、最も類似度が大きい参照パターンを検索する。こ
こでは、図3(c)の状態における参照パターン”お”
の類似度が最も大きいため、参照パターン”お”を最も
類似度が大きい参照パターンとしてを検索する(S
4)。この結果にしたがって第1の音声メモリ5の内容
が第2の音声メモリ6に、新しく入力された音声パター
ンであるパターン作成部4の音声パターンを第1の音声
メモリ5へそれぞれ転送する(S6)。この状態におけ
る登録語情報格納部9の内容を図3(e)に示す。
【0056】尚、本実施例におけるS5の処理としては
最も他のパターンと類似していないパターンを削除する
パターンとしたが、登録操作が確実に行われる場合に
は、これとは反対に最も類似しているパターンを削除す
ることも可能である。
【0057】また、本実施例の登録語情報格納部9に
は、第2の音声メモリ6の追加用参照パターンにおける
第1の音声メモリ5の参照パターンとの類似度を格納し
ていたが、認識時に正誤判定が行われる場合には、第1
の音声メモリ5、又は第2の音声メモリ6の各参照パタ
ーン、又は追加用参照パターン毎に貢献度を計算(例え
ば、正解の場合には+1、不正解の場合には−1をそれ
ぞれカウント)し、その貢献度に応じて参照パターン、
又は追加用参照パターンの追加登録を行うことも可能で
ある。
【0058】
【発明の効果】本発明は以上の説明から明らかなよう
に、第2の音声メモリの追加用参照パターン数を限定
し、追加登録時に各参照パターンの類似度などに応じ
て、適切な参照パターンを選択することが可能となる。
【0059】従って、認識性能の劣る認識対象語のみ参
照パターンの他に追加用参照パターンを用意することに
より、少ないメモリ容量で効率的な音声パターンを格納
することが可能となるため、認識速度を向上させること
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のパターン追加登録装置を備えた音声認
識装置の概略構成図である。
【図2】本発明のパターン追加登録時の処理のフローチ
ャートである。
【図3】本発明の登録語情報格納部の内容の一例を示す
図である。
【図4】従来例の音声認識装置の概略構成図である。
【図5】従来例の第1の音声メモリの内容の一例を示す
図である。
【符号の説明】
1 入力部 2 音声分析部 3 音声区間検出部 4 パターン作成部 5 第1の音声メモリ 6 第2の音声メモリ 7 操作部 8 識別部 9 登録語情報格納部 10 追加登録判定部 11 追加登録演算部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村尾 浩也 大阪府守口市京阪本通2丁目18番地 三 洋電機株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−89099(JP,A) 特開 昭61−41199(JP,A) 特開 昭60−8899(JP,A) 特開 昭60−200597(JP,A) 特開 昭59−125799(JP,A) 特開 昭63−32597(JP,A) 特開 昭64−65600(JP,A) 特開 昭60−118894(JP,A) 特開 昭58−171093(JP,A) 特開 平2−28700(JP,A) 特公 昭50−18750(JP,B1)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 音声の入力を行う入力部と、該入力部か
    ら入力された音声の分析を行う音声分析部と、該音声分
    析部で分析された特徴パラメータから音声区間の検出を
    行う音声区間検出部と、該音声区間検出部で検出された
    特徴パラメータ列を音声パターン化するパターン作成部
    と、登録時に認識対象語の参照パターンを格納する第1
    の音声メモリと、該第1の音声メモリに既格納された認
    識対象語に対応する追加用参照パターンを格納する第2
    の音声メモリと、前記第1の音声メモリ、及び前記第2
    の音声メモリに格納されている参照パターン、及び追加
    用参照パターンに関する登録情報を格納する登録語情報
    格納部と、前記第1の音声メモリの内容に従って、追加
    用参照パターンの追加登録を行うか否かを判定する追加
    登録判定部と、該追加登録判定部において追加用参照パ
    ターンの追加登録と判定された場合には、前記登録語情
    報格納部に格納されている登録語情報に基づいて参照パ
    ターン、又は追加用参照パターンの追加登録の処理を行
    う追加登録演算部と、を具備するパターン追加登録装置
    において、 前記登録語情報格納部に格納されている登録情報は、前
    記第1の音声メモリに格納されている参照パターンに対
    する追加用参照パターンの類似度、及び追加用参照パタ
    ーンの登録アドレスであることを特徴とする請求項1記
    載のパターン追加登録装置。
  2. 【請求項2】 前記第2の音声メモリに空きエリアがな
    い場合には、前記登録語情報格納部に格納されている参
    照パターンと追加用参照パターンとの間で最大類似度の
    追加用参照パターンを削除し、前記第2の音声メモリに
    参照パターンに対応する新たな追加用参照パターンを追
    加登録することを特徴とする請求項1記載のパターン追
    加登録装置。
  3. 【請求項3】 前記第2の音声メモリに空きエリアがな
    い場合には、前記登録語情報格納部に格納されている参
    照パターン、又は追加用参照パターンの貢献度に応じ
    て、参照パターン、又は追加用参照パターンを削除し、
    追加登録を行うことを特徴とする請求項1記載のパター
    ン追加登録装置。
  4. 【請求項4】 前記第2の音声メモリに既に追加用参照
    パターンが存在する場合には、前記パターン作成部で作
    成された音声パターンと、前記第1の音声メ モリに格納
    されている参照パターンと、前記第2の音声メモリに格
    納されている追加用参照パターンとの間で類似度を比較
    し、他の2つのパターンと最も類似していない参照パタ
    ーン、又は追加用参照パターンを前記第1の音声メモ
    リ、又は第2の音声メモリからから削除することを特徴
    とする請求項1記載のパターン追加登録装置。
  5. 【請求項5】 前記第2の音声メモリに既に追加用参照
    パターンが存在する場合には、前記登録語情報格納部に
    格納されている前記第1の音声メモリの参照パターン
    と、前記登録語情報格納部に格納されている前記第2の
    音声メモリの追加用参照パターンとの貢献度を比較し、
    貢献度の低い参照パターン、又は追加用参照パターンを
    前記第1の音声メモリ、又は第2の音声メモリから削除
    することを特徴とする請求項1記載のパターン追加登録
    装置。
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