JP3512720B2 - 圧延設備用表層改質ロール及び表層改質冷間圧延ロール並びに圧延設備用ロールの表面改質方法 - Google Patents

圧延設備用表層改質ロール及び表層改質冷間圧延ロール並びに圧延設備用ロールの表面改質方法

Info

Publication number
JP3512720B2
JP3512720B2 JP2000250359A JP2000250359A JP3512720B2 JP 3512720 B2 JP3512720 B2 JP 3512720B2 JP 2000250359 A JP2000250359 A JP 2000250359A JP 2000250359 A JP2000250359 A JP 2000250359A JP 3512720 B2 JP3512720 B2 JP 3512720B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
roll
layer
hardness
modified
modification
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000250359A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002066612A (ja
Inventor
貴宏 武田
民人 川東
修 下タ村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2000250359A priority Critical patent/JP3512720B2/ja
Publication of JP2002066612A publication Critical patent/JP2002066612A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3512720B2 publication Critical patent/JP3512720B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Reduction Rolling/Reduction Stand/Operation Of Reduction Machine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は冷間圧延ロール、レ
ベラー、矯正ローラー等の粗度保持性向上要求の高い圧
延設備用の表層改質ロール、特に表層改質冷間圧延ロー
ル及びそのロールの表面改質方法に係わり、特に、微細
粒子の高速衝突により表層部を改質し、改質前後のロー
ル表面粗度変化の少ない圧延設備用表層改質ロール及び
表層改質冷間圧延ロール並びに圧延設備用ロールの表面
改質方法に関する。
【0002】
【従来の技術】φ300以上の大径冷間口ールの従来の
改良技術として、合金成分の増加、熱処理法の改善(誘
導加熱焼き入れ(特許第2619447号公報)、サブ
ゼロ処理等)による高硬度化と高硬化深度化があり、こ
れにより仕上げ研磨粗度保持性の向上、利用径の増大が
図られてきた。更にバルク製法上から特開昭63−05
6305号公報に示されるような複合化も見られる。
【0003】一方、φ300以下の小径の冷間ロールで
は高合金化が進み、冷間ダイス、ハイス粉末ハイス、超
硬材等でロールを構成し、さらには特許第177216
6号公報によるセラミックロールの製品化が進められて
いる。これらの技術進歩は、全て仕上研磨後の粗度保持
が主な目的である。
【0004】また、冷間作業ロールはダル加工(放電ダ
ル、レーザーダル、電子ビームダル等)を施して表面粗
度、粗度形状を変化させ、板に圧延転写する例がある。
この場合更にクロムメッキを施すことにより長期粗度保
持を図ってきた。
【0005】また、多段ミルでの中間、補強ロールにお
いては作業ロールより硬さを低くして、作業ロールの摩
耗を抑制してきたが、反面、中間、補強ロール自身の耐
摩耗性向上、耐スポール性向上の相反する要求も少なく
ない。
【0006】一方、工具類、機械部品などの金属製品の
表面加工熱処理法として、特公平2−17607号公報
や特開平7−188738号公報に記載のように、微粒
子高速衝突により表面付近の温度をA3変態転移以上に
上昇させる方法がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】通常の冷間圧延用ロー
ルは円筒研削で粗度Raが1.0μm以下で使用され
る。この粗度が、圧延材、ロールの種類等により異なる
が50〜60%まで低下すると圧延条件が変動するた
め、組みおろし再研磨して使用しなければならない。再
研磨に要する時間やコストは圧延の効率という意味で非
常に大きな問題があった。そこでこの粗度Raを長期に
わたり保持させるため、上述したようなバルク組成、熱
処理法、それに伴うバルク製造法の進歩が見られてき
た。
【0008】また、冷間作業ロールではダル加工(特に
放電ダル、レーザーダル等)が行われ、表面粗度、粗度
形状を変化させる例があるが、ダル加工はロール表層部
を溶融させ、一部、オーステナイト組織になっている。
オーステナイト組織は硬さも低く、ダル粗度保持性(耐
摩耗性)を著しく劣化させる。
【0009】また、これらの材質に多くの表面改質法
(CVD,PVD等)が提案され、これらの中でクロム
メッキが実用化されている。しかしクロムメッキ法は剥
離しやすく、低仕上粗度では不可等の制約もあり、更
に、近年の環境対策上の問題も大きい。また、ダル加工
してからクロムメッキしなければならず、工程の煩雑さ
が増すばかりでなく、大幅なコストアップを招くという
大きな欠点があった。
【0010】更に、冷間作業ロール材は焼き入れ、焼戻
しによりマルテンサイト組織にしているが、10%以上
のオーステナイトが残留して、バルクの硬さ向上をはば
んでいる。一方、この残留オーステナイトは耐クラック
性に有効である。すなわち、ロールバルクから見れば、
ある程度の残留オーステナイトは耐クラック性に有効で
あるのに対し、粗度保持の面からは有害となる相反する
特性を有している。
【0011】また、多くの冷間作業ロールは溶製材(溶
解−鋳造−鍛造−加工−熱処理−研磨)であり、鋳造凝
固時に生じるデンドライト組織(樹枝−樹間組織)が見
られる。このデンドライト組織の樹枝−樹間ミクロ偏析
が、熱処理後でもミクロ硬さ変化となり、圧延中の粗度
変化差(摩耗差)になり圧延板に転写し有害となる場合
がある。またこのミクロ硬さ変化がロールの研磨ムラの
原因ともなっている。今まで多くの製造対策が行われて
きたが、技術的、価格的にも不十分であった。
【0012】多段ミルには直接板に接触しない中間、補
強ロールがあるが、これらは作業ロールにキズをつけな
いよう、できるだけ硬さが低い方が良い。しかしあまり
硬さが低いと転動疲労強度や耐摩耗性が劣化し問題とな
る。すなわち、強度と摩耗の相反する問題を抱えている
場合が多い。
【0013】更に、通常のロールで板の通過する板耳部
は局部強圧、幅広がりとなり、粗度変化(摩耗)が著し
い。すなわち、ロールは軸方向に荷重変動があり、それ
による局部粗度変化、摩耗差が発生し、早期に組み替え
を必要とする場合が多い。従来はバルク特性を変えるこ
とによりその問題を克服してきたが、圧延用ロールには
多くの相反する特性が求められているため、これらの方
法には限界があった。またこの圧延ロールと類似のレベ
ラー、矯正ローラー等の圧延設備用ロールも同じような
問題に遭遇している。
【0014】一方、工具類、機械部品などの金属製品の
表面処理方法として、上述した特公平2−17607号
公報や特開平7−188738号公報に記載の微粒子高
速衝突による方法がある。しかし、この方法は一種のシ
ョットブラストであるので、ある程度、表面粗度の変化
をもたらすのは避けられない。通常の冷間圧延用ロール
は、上記のように円筒研削で粗度Raが1.0μm以下
の高度の平滑面で使用される。このため、微粒子高速衝
突により圧延ロールの表面改質を行う場合は仕上精度に
影響を与えることが懸念され、圧延ロールには適用され
ていなかった。
【0015】本発明の目的は、微細粒子の高速衝突によ
り表層部を改質することで、改質前後のロール表面粗度
変化が少なく、かつ耐摩耗性あるいは粗度保持性あるい
は耐デンドライト性を向上させた圧延設備用表層改質ロ
ール及び表層改質冷間圧延ロール並びに圧延設備用ロー
ルの表面改質方法を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】(1)上記目的を達成す
るために、本発明は微細粒子の高速衝突により表層部を
改質したものであって、次のような構成を採用したもの
である。つまり、まず、本発明の圧延設備用表面改質ロ
ールは、仕上げ研磨をした圧延設備用ロール材のロール
表面に100μm以下の微粒子を噴射速度100m/秒
以上で均一に吹きつけて形成した表面改質層を有し、こ
の表面改質層の改質前に対するロール表面粗度の変化は
2倍以内であり、表面改質層のロール表面の硬さはロー
ルのバルク硬さより50HV以上大きいものとする。
【0017】(2)上記(1)において、好ましくは、
前記表面改質層の厚さは50μm以内である。
【0018】(3)また、上記目的を達成するために、
本発明の表面改質冷間圧延ロールは、レーザーダル、放
電ダル、あるいは電子ビームダルのダル加工を施した冷
間作業ロール材のロール表面に100μm以下の微粒子
を噴射速度100m/秒以上で均一に吹きつけて形成し
た表面改質層を有し、この表面改質層のロール表面粗度
は処理前とほぼ同じであり、かつこの表面改質層におい
て、前記ダル加工による溶融ダル部のオーステナイト部
がマルテンサイトに改質されており、表面改質層のロー
ル表面の硬さはロールのバルク硬さより50HV以上大
きいものとする。
【0019】(4)更に、上記目的を達成するために、
本発明の表面改質冷間圧延ロールは、オーステナイトが
残留している冷間圧延ロール材のロール表面に100μ
m以下の微粒子を噴射速度100m/秒以上で均一に吹
きつけて形成した表面改質層を有し、この表面改質層の
改質前に対するロール表面粗度の変化は2倍以内であ
り、表面改質層の残留オーステナイト量は5%以下であ
りかつロールのバルク特性は表面改質前と同じであり、
表面改質層のロール表面の硬さはロールのバルク硬さよ
り50HV以上大きいものとする。
【0020】(5)また、上記目的を達成するために、
本発明の表面改質冷間圧延ロールは、通常の熱処理、仕
上げ研磨をしたハイス鋼、ダイス鋼からなる多段ミル用
冷間作業ロール材のロール表面に100μm以下の微粒
子を噴射速度100m/秒以上で均一に吹きつけて形成
した表面改質層を有し、この表面改質層の改質前に対す
るロール表面粗度の変化は2倍以内であり、ロールのバ
ルク特性は表面改質前と同じであり、表面改質層のロー
ル表面の硬さはロールのバルク硬さより50HV以上大
きいものとする。
【0021】(6)また、上記目的を達成するために、
本発明の表面改質冷間圧延ロールは、通常の熱処理、仕
上げ研磨をした通常の溶製材からなる粗いデンドライト
を有する冷間作業ロール材のロール表面に100μm以
下の微粒子を噴射速度100m/秒以上で均一に吹きつ
けて形成した表面改質層を有し、この表面改質層の改質
前に対するロール表面粗度の変化は2倍以内であり、ロ
ールのバルク特性は表面改質前と同じであり、表面改質
層のロール表面の硬さはロールのバルク硬さより50H
V以上大きいものとする。
【0022】(7)また、上記目的を達成するために、
本発明の表層改質冷間圧延ロールは、通常の熱処理、仕
上げ研磨をした多段ミル用中間ロール材あるいは補強ロ
ール材のロール表面に100μm以下の微粒子を噴射速
度100m/秒以上で均一に吹きつけて形成した表面改
質層を有し、この表面改質層の改質前に対するロール表
面粗度の変化は2倍以内であり、ロールのバルク特性は
表面改質前と同じであり、表面改質層のロール表面の硬
さはロールのバルク硬さより50HV以上大きいものと
する。
【0023】(8)更に、上記目的を達成するために、
本発明の表面改質冷間圧延ロールは、通常の熱処理、仕
上げ研磨をした冷間圧延ロールのロール胴長方向のロー
ル表面局所に100μm以下の微粒子を噴射速度100
m/秒以上で均一に吹きつけて形成した局部表面改質層
を有し、この局部表面改質層の改質前に対するロール表
面粗度の変化は2倍以内であり、局部表面改質層のロー
ル表面の硬さはロールのバルク硬さより50HV以上大
きいものとする。
【0024】(9)上記(3)〜(8)において、好ま
しくは、前記表面改質層の厚さは50μm以内である。
【0025】(10)また、上記目的を達成するため
に、本発明の圧延設備用ロールの表面改質方法は、仕上
げ研磨をした圧延設備用ロール材のロール表面に、改質
前に対するロール表面粗度の変化が2倍以内となるよ
う、100μm以下の微粒子を噴射速度100m/秒以
上で均一に吹きつけて表面改質し、表面改質後のロール
表面の硬さをロールのバルク硬さより50HV以上大き
くしたものとする。
【0026】(11)上記(10)において、好ましく
は、前記ロール表面の改質層の厚さを50μm以内とす
る。
【0027】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係わる冷間圧延用
ミルとそのロールの配列例を示す。ミルの形式は、図1
に示すように、代表的には4段(図1(a))、6段
(図1(b))、20段(図1(c))、一機のレバー
スミル(図1(a)及び(b))、3〜5機のタンデム
ミル(図1(d))に分類される。ストリップ1は作業
ロール2と圧延油とで接触しながら圧延される。このと
き、中間ロール3及び補強ロール4は直接ストリップ1
に接触しないが、作業ロール2の曲げ撓みを抑え、転動
疲労を受ける。
【0028】直接ストリップ1に接触する作業ロール2
はその表面粗度、粗度形状がストリップ1に転写し、ス
トリップ1の品質を左右する。作業ロール2の表面が荒
れてくると抜き取り、再円筒研磨で粗度、形状を調整し
て再使用を繰り返す。
【0029】また、中間ロール3及び補強ロール4は摩
耗と転動疲労で使用期間が限定され、疲労層を除去し、
形状を調整して再使用される。
【0030】本発明は主としてこれらのロールを表層改
質し、製品ストリップの表面品質を向上し、かつロール
寿命を向上するものである。以下、本発明の表面改質ロ
ールをその作用原理と共に説明する。
【0031】まず、本発明の表層改質ロールの基本は、
上記課題手段の(1)及び(10)で述べたように、ロ
ール材のロール表面に100μm以下の微粒子を噴射速
度100m/秒以上で均一に吹きつけて形成した表面改
質層を有し、この表面改質層の改質前に対するロール表
面粗度の変化は2倍以内であり、表面改質層のロール表
面の硬さはロールのバルク硬さより50HV以上大きい
ものとする。また、上記解決手段の(2)、(9)、
(11)で述べたように、好ましくは、表面改質層の厚
さは50μm以内である。
【0032】同じような表層改質手段に従来のショット
ブラスト、サンドブラストが考えられる。従来のショッ
トブラスト、サンドブラストでは粗度変化が大きく、バ
ルク特性や仕上精度にも影響を与え、また再円筒研磨し
て粗度調整するとその表層改質効果は薄れ、再研磨加工
費も莫大であるため実用化されていない。また、特公平
2−17607号公報や特開平7−188738号公報
に記載の微粒子高速衝突による方法も、一種のショット
ブラストであるため同様の問題が懸念され、圧延ロール
の表層改質には適用されていない。
【0033】本発明者らは微細粒子の高速衝突により圧
延設備用ロールの表層部を改質する実験を種々積み重ね
た結果、上記のように圧延設備用ロール材に微粒子を高
速衝突させると仕上精度はほとんど変化せず、仕上研磨
粗度もほぼそのままであり、かつ得られる改質層は50
μm以内、特に20μm程度であるためバルク特性は変
わらず、工業的に極めて有効なものであることを見いだ
した。本発明はこの知見に基づくものである。
【0034】以下、その概略を図2〜図4により説明す
る。
【0035】図2は表層改質ロールにおける微粒子の粒
径の影響を示す図である。この図に示すように粒径が小
さくなるなるにつれ、高速粒子衝突による粗度の変化が
少なくなり、理想的な直線に近づく。粒径が100μm
を超えると、改質前と改質後の粗度変化量が通常の冷間
圧延ロールで使用される粗度範囲で2倍以上となる。粗
度変化量が2倍以上になると再研磨が必要となり、再研
磨に要する時間やコストを勘案すると非効率である。こ
のため、本発明では、ロール表面粗度の変化は2倍以内
とし、微粒子の大きさは100μm以下とする。
【0036】図3(a)及び(b)に表面改質による硬
さの変化とそれにともなう摩耗量の変化を示す。本発明
において、表層改質したロール表面の硬度は図3(a)
のようになっており、このときの硬度上昇量ΔHVはお
よそ50HV以上である。また、摩耗量(耐摩耗性)
は、図3(b)に示すように、ロール表面の硬さが上昇
するに従って低減しかつ同じ硬さでも微粒子の噴射速度
を速くするにともない摩耗量は減少する。これは耐摩耗
性に影響する因子がロール表面の硬さだけでないことを
意味する。つまり、ロール表面の硬さの上昇は高速粒子
の衝突により内部組織が変化したこと(オーステナイト
の一部がマルテンサイトに変化し、マルテンサイト量が
増大したこと)によるものと考えられる。それ以外の因
子としては、微粒子の衝突によりロール表面に付与され
る圧縮残留応力が考えられる。つまり、微粒子の噴射速
度が速くなるにしたがい、ロール表面の硬さが上昇する
(マルテンサイト量が増える)ばかりでなく、ロール表
面の圧縮残留応力も増大し、両者の相乗効果により耐摩
耗性が向上する。
【0037】また、図3(b)に示すように、ΔHVが
およそ50HV以上になると微粒子の噴射速度により耐
摩耗性に著しい変化を示し、その臨界の速度は、図3
(b)に示されるように約100m/秒である。これ
は、微粒子の噴射速度が100m/秒より遅いと、耐摩
耗性の向上に関してロール表面の硬さ上昇が支配的であ
り、その硬さ上昇分しか耐摩耗性の向上は期待できない
のに対して、微粒子の噴射速度が100m/秒以上にな
ると上記の圧縮残留応力の増大が顕著となり、その分の
効果が加わるためであると考えられる。つまり、図3
(a)のような硬さ分布で顕著な耐摩耗性の向上を得る
ためには、ロールバルクに対する硬さの上昇量を50H
V以上とし、微粒子の噴射速度を100m/秒以上にす
る必要がある。
【0038】以上の知見から、本発明では、上記のよう
にロール表面粗度の変化を2倍以内とし微粒子の大きさ
を100μm以下とした上で、ロールバルクに対する硬
さの上昇量を50HV以上とし、噴射速度を100m/
秒以上にするものである。
【0039】図4(a)及び(b)に表層改質ロールに
対する深さの因子を示す。図4(a)のごとく、粒子の
大きさを大きくすれば、改質層の深さは深くなる。被投
射材や粒子の材質・硬さにも依存するが、一般に粒子の
大きさの影響が大きい。しかしながら、図4(b)のよ
うにロール軸長と直径の比(L/D)に対するロール軸
心の振れは改質層の深さが大きく影響を及ぼし、改質深
さが深くなるほど振れが大きくなる。即ち、加工度を増
せば増すほど振れが大きくなり、加工精度や圧延精度に
甚大なる弊害をもたらす。これはロールにとって致命的
な問題である。
【0040】よって、本発明では、上記のように粒子の
大きさは100μm以下とし、ロールバルクに対する硬
さの上昇量を50HV以上とし、噴射速度を100m/
秒以上にした上、好ましくは、改質層の深さは、ロール
の寸法的な観点から50μm以下にするものである。
【0041】図5に本発明による放電ダル加工後の表層
改質ロールの硬さ分布例を示す。上記解決手段の(3)
によれば、レーザーダル、放電ダルのように表層部を溶
融せしめて、粗度、粗度形状を調整して被圧延材に転写
せしめる冷間圧延用ロールの場合、オーステナイトとな
った局部溶融部に微粒子を高速衝突させることにより、
粗度、粗度形状はほとんど変わらず、しかも図5に示す
ように当該溶融部の金属組織がマルテンサイト化して高
硬度化され、著しく粗度保持性と寿命が向上する。
【0042】上記解決手段の(4)及び(5)に関し、
一般の大径冷間ロールは焼き入れ、低温度焼戻しで高硬
度としており、一方多段ミル用小径ロールはダイス、ハ
イス鋼の焼き入れ、高温度焼戻しでの高合金成分による
高硬度となっているが、いずれも10%内外の残留オー
ステナイトがバルク内に存在している。残留オーステナ
イトは上述したように耐クラック性に有効であるが、残
留オーステナイト量が増すと耐摩耗性には不利になる。
残留オーステナイト量はサブゼロ処理などでできるだけ
少なくすることがバルクにとって有利であることは一般
に知られており、そのその値は約5%であるといわれて
いる。ロール表面に微粒子の高速衝突で改質したロール
はバルク特性をそのままにした粗度保持性(耐摩耗性)
を有する。
【0043】図6に本発明による表面改質後のデンドラ
イト硬さ分布例を示す。上記解決手段の(6)に関し、
デンドライト面は図6に示すようにミクロ硬度差が見ら
れ、これがミクロ的な摩耗差となり、デンドライト模様
が現出して圧延品質に影響を及ぼす。これらのデンドラ
イト面に微粒子の高速衝突で改質したロールは図6に示
すようにミクロ硬さ変動が少なく、デンドライト模様が
発生せず、極めて安定した表面改質ロールの提供が可能
となる。
【0044】図7は本発明による表層改質をした中間ロ
ールの摩耗改善例を示す。上記解決手段の(7)に関
し、多段ミルの中間ロール、補強ロールは相反する材料
特性が要求さている。即ち、ロールバルクは出来るだけ
硬さが低めに抑えられる反面、耐摩耗の要求が高い。こ
の要求に対して微粒子の高速衝突で改質した中間、補強
ロールはバルクの特性は変えず、耐摩耗性が著しく改善
される。
【0045】図8に本発明による表面改質ロールの局部
摩耗(板耳部等)の対策例を示す。上記解決手段の
(8)に関し、作業ロールは通板端部(板耳部)の摩耗
が多くなるが、このロール板耳部に微粒子の高速衝突で
改質することにより、図8に示すように通板部が均一に
摩耗し、圧延量の増大が可能なロールの提供が可能とな
る。
【0046】以下、本発明の実施例について記載する。
【0047】
【実施例1】0.9%C−5%Cr−0.5%Mo成分
で溶解(エレクトロスラグ溶解)−鍛造−焼鈍−荒加工
−熱処理−仕上げでロール径500mm、胴長1500
mm、全長3800mmの標準の冷間作業ロールを製造
した。
【0048】表1に表層改質状況と圧延結果を示す。表
1中、「改質条件」には使用した微粒子の仕様(材質、
硬さ、粒径)とその噴射速度を示し、「被投射体」には
改質前と改質後のそれぞれの硬さ及び粗さ(Ra)と改質
後の改質層深さを示し、「圧延結果」には改質前に対す
る改質後の圧延量の増大量を倍率で示す。圧延量の増大
は耐摩耗性向上によるものである。以下の表においても
これらの点は同様である。
【0049】表1から分かるように、実施例1では改質
硬さは1100HVで粗度変化はなく、タンデムミル最
終スタンドで圧延に供した結果、粗度保持性(寿命)は
従来の2倍以上になった。
【0050】
【表1】
【0051】
【実施例2】1.5%C−12%Cr−1.0%Mo−
0.5%V成分の20段レバースミル用で、ロール径6
0mm、胴長1450mmの作業ロールをエレクトロス
ラグ溶解−鍛造−焼鈍−荒加工−焼き入れ・焼戻し−仕
上げ加工製造し、納入後において圧延前円筒研磨−微粒
子高速衝突の表層変質処理をした。
【0052】表2に表層改質状況と圧延結果を示す。表
層改質後、圧延に供した結果、粗度保持性(寿命)が5
倍となった。
【0053】
【表2】
【0054】
【実施例3】特に光輝性の要求される板生産にはレーザ
ーダルを施した冷間作業ロールが使用される。レーザー
ダルは文献(古川九州男、角山浩三、今中誠、岸田朗、
山田恭祐、恒川裕志:川崎製鉄技報、20(198
8)、203頁)に見られるように、ロール表面の局部
溶融によるもので、一部残留オーステナイトがあり、こ
れがロール粗度保持寿命を著しく短くする。このダル面
に微粒子−高速衝突処理を施すことにより、この残留オ
ーステナイトがマルテンサイト組織に分解して図5に示
したように硬度上昇をもたらした。
【0055】表3に表層改質状況と圧延結果を示す。表
層改質ロールを図1(b)に示した6段レバースミルで
圧延に供したところ、従来の3倍以上の圧延が可能とな
った。
【0056】
【表3】
【0057】
【実施例4】図1(c)に示す20段レバースミルで仕
上パス用作業ロールは通常ハイス材が使用される。ロー
ル径60mm、胴長1650mmのハイス材を熱処理仕
上げ加工後、放電ダルで表面を荒らし、圧延に供する場
合があるが、粗度低下が著しく、1コイル圧延が出来な
いこともある。この放電ダル後に微粒子−高速衝突によ
り高粗度を保持したまま表層改質をすることにより、5
倍以上の圧延長さが可能となった。この理由は、表4に
示すように放電ダル後の残留オーステナイト組織が表層
改質処理でマルテンサイト組織に変質し、硬度上昇をも
たらし、粗度保持性を増したためである。
【0058】
【表4】
【0059】
【実施例5】図1(c)に示す多段ミル用中間ロールに
表層改質処理をし使用した結果、従来の1/2の摩耗と
なった。材質はSKD61の熱間ダイス鋼で最終熱処理
硬さは80HS(680HV)である。ロール寸法は胴
径160mm、胴長2000mmである。表5に表層改
質処理状況と使用結果を示。
【0060】
【表5】
【0061】
【発明の効果】本発明によれば、冷間圧延ロール、レベ
ラー、矯正ローラー等の圧延設備用ロールにおいて、耐
摩耗性を向上し、ロール原単位の向上、研削加工効率に
多大の貢献が可能となった。
【0062】また、バルク材の特性を変えるのではな
く、バルクの表層部を改質することによりロール特性を
変えるので、特に従来の特殊な目的である耐デンドライ
ト性、低硬度で耐摩耗、局部強圧部の耐摩耗等のロール
特性であっても、標準ロールで対応が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が係わる代表的な冷間圧延用ミルとその
ミル配列例を示す図である。
【図2】表層改質ロールにおける微粒子の粒径の影響を
示す図である。
【図3】表面改質による硬さの変化とそれにともなう摩
耗量の変化を示す図である。
【図4】表層改質ロールに対する深さの因子を示す図で
ある。
【図5】本発明による放電ダル加工後の表層改質ロール
の硬さ分布例を示す図である。
【図6】本発明による表面改質後のデンドライト硬さ分
布例を示す。
【図7】本発明による表層改質をした中間ロールの摩耗
改善例を示す図である。
【図8】本発明による表面改質ロールの局部摩耗(板耳
部等)の対策例を示す図である。
【符号の説明】
1 ストリップ 2 作業ロール(WR) 3 中間ロール(IMR) 4 補強ロール(BR)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C21D 7/06 C21D 7/06 A (56)参考文献 特開 平9−267105(JP,A) 特開 平7−188738(JP,A) 特開2000−73156(JP,A) 特公 平2−17607(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 27/00 B21B 27/02 B21B 28/02 B24C 1/10 C21D 7/06

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】仕上げ研磨をした圧延設備用ロール材のロ
    ール表面に100μm以下の微粒子を噴射速度100m
    /秒以上で均一に吹きつけて形成した表面改質層を有
    し、この表面改質層の改質前に対するロール表面粗度の
    変化は2倍以内であり、表面改質層のロール表面の硬さ
    はロールのバルク硬さより50HV以上大きいことを特
    徴とする圧延設備用表層改質ロール。
  2. 【請求項2】請求項1記載の圧延設備用表層改質ロール
    において、前記表面改質層の厚さは50μm以内である
    ことを特徴とする圧延設備用表層改質ロール。
  3. 【請求項3】レーザーダル、放電ダル、あるいは電子ビ
    ームダルのダル加工を施した冷間作業ロール材のロール
    表面に100μm以下の微粒子を噴射速度100m/秒
    以上で均一に吹きつけて形成した表面改質層を有し、こ
    の表面改質層のロール表面粗度は処理前とほぼ同じであ
    り、かつこの表面改質層において、前記ダル加工による
    溶融ダル部のオーステナイト部がマルテンサイトに改質
    されており、表面改質層のロール表面の硬さはロールの
    バルク硬さより50HV以上大きいことことを特徴とす
    る表層改質冷間圧延ロール。
  4. 【請求項4】オーステナイトが残留している冷間圧延ロ
    ール材のロール表面に100μm以下の微粒子を噴射速
    度100m/秒以上で均一に吹きつけて形成した表面改
    質層を有し、この表面改質層の改質前に対するロール表
    面粗度の変化は2倍以内であり、表面改質層の残留オー
    ステナイト量は5%以下でありかつロールのバルク特性
    は表面改質前と同じであり、表面改質層のロール表面の
    硬さはロールのバルク硬さより50HV以上大きいこと
    を特徴とする表層改質冷間圧延ロール。
  5. 【請求項5】通常の熱処理、仕上げ研磨をしたハイス
    鋼、ダイス鋼からなる多段ミル用冷間作業ロール材のロ
    ール表面に100μm以下の微粒子を噴射速度100m
    /秒以上で均一に吹きつけて形成した表面改質層を有
    し、この表面改質層の改質前に対するロール表面粗度の
    変化は2倍以内であり、ロールのバルク特性は表面改質
    前と同じであり、表面改質層のロール表面の硬さはロー
    ルのバルク硬さより50HV以上大きいことを特徴とす
    る表層改質冷間圧延ロール。
  6. 【請求項6】通常の熱処理、仕上げ研磨をした通常の溶
    製材からなる粗いデンドライトを有する冷間作業ロール
    材のロール表面に100μm以下の微粒子を噴射速度1
    00m/秒以上で均一に吹きつけて形成した表面改質層
    を有し、この表面改質層の改質前に対するロール表面粗
    度の変化は2倍以内であり、ロールのバルク特性は表面
    改質前と同じであり、表面改質層のロール表面の硬さは
    ロールのバルク硬さより50HV以上大きいことを特徴
    とする表層改質冷間圧延ロール。
  7. 【請求項7】通常の熱処理、仕上げ研磨をした多段ミル
    用中間ロール材あるいは補強ロール材のロール表面に1
    00μm以下の微粒子を噴射速度100m/秒以上で均
    一に吹きつけて形成した表面改質層を有し、この表面改
    質層の改質前に対するロール表面粗度の変化は2倍以内
    であり、ロールのバルク特性は表面改質前と同じであ
    り、表面改質層のロール表面の硬さはロールのバルク硬
    さより50HV以上大きいことを特徴とする表層改質冷
    間圧延ロール。
  8. 【請求項8】通常の熱処理、仕上げ研磨をした冷間圧延
    ロールのロール胴長方向のロール表面局所に100μm
    以下の微粒子を噴射速度100m/秒以上で均一に吹き
    つけて形成した局部表面改質層を有し、この局部表面改
    質層の改質前に対するロール表面粗度の変化は2倍以内
    であり、局部表面改質層のロール表面の硬さはロールの
    バルク硬さより50HV以上大きいことを特徴とする表
    層改質冷間圧延ロール。
  9. 【請求項9】請求項3〜8のいずれか1項記載の表層改
    質冷間圧延ロールにおいて、前記表面改質層の厚さは5
    0μm以内であることを特徴とする表層改質冷間圧延ロ
    ール。
  10. 【請求項10】仕上げ研磨をした圧延設備用ロール材の
    ロール表面に、改質前に対するロール表面粗度の変化が
    2倍以内となるよう、100μm以下の微粒子を噴射速
    度100m/秒以上で均一に吹きつけて表面改質し、表
    面改質後のロール表面の硬さをロールのバルク硬さより
    50HV以上大きくしたことを特徴とする圧延設備用ロ
    ールの表面改質方法。
  11. 【請求項11】請求項10記載の圧延設備用ロールの表
    面改質方法において、前記ロール表面の改質層の厚さを
    50μm以内としたことを特徴とする圧延設備用ロール
    の表面改質方法。
JP2000250359A 2000-08-21 2000-08-21 圧延設備用表層改質ロール及び表層改質冷間圧延ロール並びに圧延設備用ロールの表面改質方法 Expired - Fee Related JP3512720B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000250359A JP3512720B2 (ja) 2000-08-21 2000-08-21 圧延設備用表層改質ロール及び表層改質冷間圧延ロール並びに圧延設備用ロールの表面改質方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000250359A JP3512720B2 (ja) 2000-08-21 2000-08-21 圧延設備用表層改質ロール及び表層改質冷間圧延ロール並びに圧延設備用ロールの表面改質方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002066612A JP2002066612A (ja) 2002-03-05
JP3512720B2 true JP3512720B2 (ja) 2004-03-31

Family

ID=18739947

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000250359A Expired - Fee Related JP3512720B2 (ja) 2000-08-21 2000-08-21 圧延設備用表層改質ロール及び表層改質冷間圧延ロール並びに圧延設備用ロールの表面改質方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3512720B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009291825A (ja) * 2008-06-06 2009-12-17 Panasonic Corp エンボスローラのメンテナンス方法およびメンテナンス装置
CN114517295A (zh) * 2022-01-28 2022-05-20 营口裕隆光电科技有限公司 一种60CrMoV冷轧辊表面修复用SiC增强激光熔覆粉末

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002066612A (ja) 2002-03-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7722697B2 (en) Sreading knives, doctor blades and crepe scrapers and powder metallurgical method for producing the same
KR101998952B1 (ko) 재질편차가 적고 표면품질이 우수한 초고강도 열연강판 및 그 제조방법
RU2572269C2 (ru) Кованый валок, соответствующий требованиям производства холоднокатаных изделий и способ получения такого валка
JP4737606B2 (ja) 変寸抑制特性および耐カジリ性に優れた冷間ダイス鋼
EP2682490A1 (en) Metal plate for laser processing and method for producing stainless steel plate for laser processing
EP1010477B1 (en) Plug and mandrel bar for rolling of seamless steel pipe and method of manufacturing seamless steel pipe
EP2334456B1 (en) Free-machining powder metallurgy lead-free steel articles and method of making same
KR100338572B1 (ko) 박냉연강대압연용복합롤및그제조방법
EP2495340B1 (en) A forged roll meeting the requirements of the cold rolling industry and a method for production of such a roll
JP3512720B2 (ja) 圧延設備用表層改質ロール及び表層改質冷間圧延ロール並びに圧延設備用ロールの表面改質方法
CN112795916A (zh) 轧辊阶梯垫的激光熔覆合金粉末及激光熔覆方法
CN115846405A (zh) 一种制备低表面白线类缺陷高强钢的方法及高强钢
Mesquita et al. High speed steel produced through conventional casting, spray forming and powder metallurgy
CN113862662B (zh) 一种高温自硬化复合侧导板衬板及其加工方法
JP2002241843A (ja) 表面光沢および加工性に優れたフェライト系ステンレス鋼板の製造方法
JPH089045B2 (ja) 冷間管圧延機用孔型ロール及びその製造方法
JP2001214238A (ja) 耐ヒートクラック性、耐摩耗性に優れる粉末熱間工具鋼および熱間金型
JP2002143909A (ja) 耐スポーリング性の高い高速度工具鋼製ロールとその製造方法
JP2000160283A (ja) 耐摩耗性と耐熱亀裂性に優れた圧延用ロール
KR0174784B1 (ko) 분무주조법에 의한 고속도공구강 제조방법
KR100466772B1 (ko) 열연공장의와인딩설비의롤
JPS61165212A (ja) 耐焼き付き性の優れた熱間圧延用作動ロ−ル
JP2862607B2 (ja) 穴開け加工性に優れた鋼材の製造方法
JPS6012211A (ja) 圧延機用ロ−ルとその製造法および圧延機
KR100376495B1 (ko) 코발트를함유하지않은내마모성이우수한고속도공구강의제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040106

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040107

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees