JP3510944B2 - セラミックスと金属との接合構造 - Google Patents

セラミックスと金属との接合構造

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セラミックス製円
筒体の内側に金属製円柱体または円筒体を圧入によって
強固に締結するための接合構造に関する。
【0002】
【従来技術】セラミックスは、電気絶縁性、耐薬品性、
耐摩耗性などに優れる為、電子機器、化学装置、電子機
器等に用いられているが、一般的に脆性的性質を強く持
ち、引っ張り応力の発生により、致命的破壊を発生する
場合があり、部材の設計に当たっては発生する応力を正
しく予測し、十分な安全率を確保する事が重要である。
その中でも、セラミックス製円筒体と金属製円柱体また
は円筒体を接続する技術は、例えば、セラミックス製の
軸部材の駆動力を金属製軸部材に伝達させるための必要
不可欠の技術である。
【0003】一般に、これまで、セラミックスと金属部
材とを接合する方法としては、セラミック製円柱体また
は円筒体を金属製円筒体の内側に、ロー材や高分子接着
剤等により接着して接合する方法や、ねじ切り、締まり
ばめ、冷やしばめ、焼きばめなどの機械的手段による方
法等が知られている。
【0004】一方、上記とは逆にセラミックス製円筒体
の内側に金属製円筒体または円柱体を上記と同様な方法
により接合する方法もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の接合方法におい
て、後者のようにセラミックス製円筒体の内側に金属製
円筒体または円柱体を接合する方法、特に嵌合締結(焼
きばめ、圧入)では、セラミックス側に引っ張り応力が
発生しセラミックスが破壊してしまうため、厳密な寸法
公差の管理が必要となるなど、実用的には難しいもので
あるため、通常は締結部においてセラミックスを内側、
金属を外側とする前者の方法が採用されていた。
【0006】しかしながら、セラミックス製円筒体また
は円柱体を金属製円筒体の内側に接合する前者の方法で
は、外側が金属部材となるために、例えばセラミックス
の高い耐摩耗性を生かした回転軸受を作製するには、摺
動部ではセラミックスを外側に配置する必要があり、そ
のためには、形状が複雑になる等の問題があった。つま
り、金属製円筒体の内側にセラミック製円筒体または円
柱体を配置した場合、セラミックスの電気絶縁性、耐薬
品性、耐摩耗性等を利用することができず、接合体が使
用される用途によっては、設計が大きく制限されてい
た。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者は、セ
ラミックス製円筒体の内側に金属製円柱体または円筒体
を圧入により接合するに際して、前記の課題を考慮し、
十分な接合強度を保ちながらセラミックス製円筒体の破
壊を招くことがないような接合構造について検討を重ね
た結果、前記金属製円柱体または円筒体の、前記セラミ
ックス製円筒体の端部と接触する箇所付近を、前記金属
製円柱体または円筒体の本体よりも低いヤング率の金属
から構成するか、あるいは前記金属製円筒体の、前記セ
ラミックス製円筒体の端部と接触する箇所付近の外周に
複数の溝またはスリットを設けると金属製円柱体または
円筒体の周方向の剛性を弱めることができるために、接
合時の応力集中を回避でき、セラミックス製円筒体の破
壊を防止できる事を見いだした。
【0008】
【作用】焼きばめ或いは圧入による接合においては、焼
きばめ代、圧入代と発生する応力の関係は下記数1で与
えられる。
【0009】
【数1】
【0010】ところが、有限要素法による詳細な応力解
析の結果によれば、締結部のセラミックス製円筒体端部
の内周面には、応力集中が発生し、上記数1で与えられ
る応力よりも高い応力が発生していることを突き止め、
これによりセラミックス製円筒体が破壊してしまうこと
がわかった。
【0011】そこで、本発明によれば、金属製円柱体ま
たは円筒体のセラミックス製円筒体の端部と接触する箇
所付近を、前記金属製円柱体または円筒体よりも低いヤ
ング率の金属により構成するか、あるいは金属製円柱体
または円筒体の、セラミックス製円筒体の端部と接触す
る箇所付近に複数の溝またはスリットを設けることによ
り、金属製円柱体または円筒体の周方向の剛性が弱めら
れ、前記セラミックスにおける応力集中を回避すること
ができ、高い接合強度を得る事ができる。
【0012】また、セラミックス製円筒体の内側の応力
集中はその端部近傍に限られており、締結力発生の原因
である締め付け圧力は接合部の大部分でほとんど変化し
ないため、上記端部近傍の応力集中を回避することによ
り、締結力が低下する事なく高い接合強度が得られる。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施例を説明す
るための接合構造の一部切欠き断面図である。図1にお
いて、図中、1はセラミックス製円筒体、2は金属製円
柱体(本体)である。図1の接合構造によれば、セラミ
ックス製円筒体1の内側に金属製円柱体2を圧入したも
のであり、セラミックス製円筒体1の内径d1に対し
て、金属製円柱体の外径d2は、締め代を持って形成さ
れ、d1<d2となる様に設計される。特に、d2−d
1は0.01mm以上である事が望ましい。また、圧入
時のセラミックス製円筒体1の欠け等を防止する為、セ
ラミックス製円筒体1の内側の端部5はある曲率を持っ
たR面または平面を持ったC面加工を施す事が望まし
い。
【0014】本発明によれば、金属製円柱体2のセラミ
ックス製円筒体1との締結部におけるセラミックス製円
筒体1の端部3と接触する箇所付近に、前記金属製円柱
体本体よりも低ヤング率の金属部4が形成されている。
この金属部4は、セラミックス製円筒体との接合構造に
おいて応力の集中を抑制するためのものであり、セラミ
ックス製円筒体の端部3との接触箇所において、金属製
円柱体の半径方向における厚みが0.5mm以上であれ
ば効果が期待できる。従って、この金属部4は、図1に
示される様に金属製円柱体本体2と、本体2よりも低ヤ
ング率の金属からなる円柱体を金属接合することによっ
て形成するか、あるいは図2に示すように金属製円柱体
2の外周に層状に形成してもよい。なお、上記金属部4
のヤング率は、金属製円柱体2本体のヤング率よりの5
0%以下程度が望ましい。
【0015】次に、図3に、本発明の他の実施例を説明
するための接合構造の断面図を示した。図中、1はセラ
ミックス製円筒体、2は金属製円柱体であり、接合方法
および円柱体の基本的な形状は図1と同様である。
【0016】本発明によれば、金属製円柱体2のセラミ
ックス製円筒体1との締結部におけるセラミックス製円
筒体1の端部3と接触する付近の外周に複数の溝5が形
成されている。この溝5は金属製円柱体が中心部に外周
と同軸の貫通孔を持つ円筒体である場合には、金属壁を
貫通するスリットとなる。
【0017】また、溝5は、溝5における応力集中を抑
制する為、金属製円柱体の長手方向に長い楕円または長
円形であり、複数の溝を同一間隔をもって周囲に形成す
ることが望ましい。また、溝5の形成は、金属製円柱体
の強度を部分的に弱めてしまう可能性がある為、その数
は、6〜100個程度、全周長に対して、溝形成部が5
0%以下となる比率で形成することが望ましい。
【0018】なお、本発明において、上述の図1〜図3
においては、金属製円柱体を用いた場合を説明したが、
金属部材としては金属製円筒体であってもその効果を同
様に奏するものであり、図1乃至図3で説明したのと同
様にして金属製円筒体のセラミックス製円筒体1の端部
3と接触する付近を低ヤング率の金属により構成した
り、溝を形成すればよい。
【0019】
【実施例】次に、本発明の効果を、有限要素法による応
力解析を用いて確認した。まず、比較例として、窒化珪
素質セラミックス製円筒体(全長100mm、内直径2
0mm、外直径24mm、ヤング率30000kgf/
mm2 、ポアソン比0.28)に鉄製円柱体(全長15
0mm、外直径20mm、ヤング率21000kgf/
mm2 、ポアソン比0.29)を圧入代(d2−d1)
0.048mm(直径)で圧入した時のセラミックス製
円筒体に発生する応力を計算し、周方向応力の分布を図
4に示した。なお、圧入後の状態は、円筒の長さ方向の
中央で対称となる形状とした。また、窒化珪素製円筒の
内周側入り口には、0.05mmのC面を施した。
【0020】これに対して、本発明に基づき、図1に示
すようにセラミックス製円筒体1の端部3の近傍を長さ
4mm、深さ2mmにわたってアルミニウム(ヤング率
7000kgf/mm2 )により構成した場合を上記と
同様に解析し、図5に示した。
【0021】図4および図5の結果によれば、比較品の
接合構造の図4ではセラミックス製円筒体の端部内面に
65.1kgf/mm2 とほかの部分と比較して高い応
力が発生しているのに対して、図5の本発明の接合構造
によれば図6の応力集中箇所と同じ箇所の応力は61.
1kgf/mm2 に低減しており、本発明の効果が現れ
ている。
【0022】なお、図3に基づき、金属製円柱体に溝を
形成した場合では、有限要素法の実行が困難な為、確認
できていないが、その構造上、上記の解析結果と同様な
効果を示すと考えられる。
【0023】上記の解析結果に基づき、実体物で実験を
行った。まず上記の解析モデルと同じ材質、構造の窒化
珪素セラミックス製円筒体と、鉄製円柱体(ヤング率2
1000kgf/mm2 )を準備した。鉄製円柱体とし
ては、何ら処理を施さない比較品と、図2に示すように
鉄製円柱体のセラミックス製円筒体の端部と接触する箇
所付近に厚み2mmのアルミニウム製のリングをはめ込
んだ後、外周研磨を施した本発明における金属製円柱体
Aと、鉄製円柱体のセラミックス製円筒体の端部の接触
する箇所に、長径4mm、短径1mm、深さ2mmの楕
円形の溝を周囲に24個等間隔で形成した本発明におけ
る金属製円柱体Bとを作製した。
【0024】そして、上記窒化珪素セラミックス製円筒
体内に上述の3種の金属製円柱体を圧入した後、セラミ
ックス製円筒体と金属製円柱体とを万能試験機により軸
方向に引っ張り、破損または抜け落ちる時の最大荷重を
測定した。
【0025】測定の結果、比較品では2200kgfで
セラミックスが破壊したのに対して、本発明の金属製円
柱体Aを用いた場合では、2500kgf、また、金属
製円柱体Bを用いた場合では2400kgfですべりが
発生するものの、セラミックスが破壊することはなく、
高い接合強度を示した。
【0026】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の接合構造に
よれば、セラミックス製円筒体の内側に金属製円柱体ま
たは円筒体を圧入により接合する場合、セラミックス製
円筒体の金属製円柱体または円筒体の周方向の剛性が弱
められ、前記セラミックスにおける応力集中を回避する
ことができ、高い接合強度を得る事ができる。これによ
り、外側がセラミックスにより構成できるために、セラ
ミックスの優れた特性を活かすことのできる接合構造を
提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の発明に係わる一実施例を示す断
面図である。
【図2】本発明の第1の発明に係わる他の実施例を示す
断面図である。
【図3】本発明の第2の発明に係わる一実施例を示す断
面図である。
【図4】比較例に基づく接合構造において、セラミック
ス製円筒体の周方向応力を有限要素法により求めた応力
分布図である。
【図5】図1の実施例に基づく接合構造において、セラ
ミックス製円筒体の周方向応力を有限要素法により求め
た応力分布図である。
【符号の説明】
1 セラミックス製円筒体 2 金属製円柱体 3 端部 4 金属部 5 溝

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラミックス製円筒体に、該円筒体の内径
    に対して締め代を持って外径を仕上げられた金属製円柱
    体または円筒体を圧入によって同軸状に締結したセラミ
    ックと金属の接合構造において、前記金属製円柱体また
    は円筒体の、前記セラミックス製円筒体の端部と接触す
    る箇所付近が、前記金属製円柱体または円筒体よりも低
    いヤング率の金属からなることを特徴とするセラミック
    スと金属との接合構造。
  2. 【請求項2】セラミックス製円筒体に、該円筒体の内径
    に対して締め代を持って外径を仕上げられた金属製円柱
    体または円筒体を圧入によって同軸状に締結したセラミ
    ックと金属の接合構造において、前記金属製円柱体また
    は円筒体の、前記セラミックス製円筒体の端部と接触す
    る箇所付近の外周部に複数の溝またはスリットを設けた
    ことを特徴とするセラミックスと金属との接合構造。
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