JP3507811B2 - ゲート - Google Patents

ゲート

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JP3507811B2
JP3507811B2 JP2001112575A JP2001112575A JP3507811B2 JP 3507811 B2 JP3507811 B2 JP 3507811B2 JP 2001112575 A JP2001112575 A JP 2001112575A JP 2001112575 A JP2001112575 A JP 2001112575A JP 3507811 B2 JP3507811 B2 JP 3507811B2
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敬二 山本
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丸島産業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば雪国等にお
いて道路に積もった雪を水と共に流して下流側に運ぶ流
雪溝に設けられるゲートに関する。
【0002】
【従来の技術】上述した流雪溝は、雪国の町中を網の目
のように巡らされていて、Y字状に分岐されたY字状分
岐部や、T字状に分岐されたT字状分岐部などが存在す
る。そのような分岐部においては、下流側のどちらか一
方を優先して使用すべく切換えを必要とする場合があ
り、その必要箇所には、ゲートが設置されている。
【0003】そのゲートの従来のものは、流雪溝の2側
面に設けた凹溝に仕切板等を差し込んで閉状態にし、引
き抜いて開状態にするタイプであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
仕切板を使用するタイプの場合には、確実に水及び雪を
止めたり流したりすることができる反面、水及び雪を止
めた仕切板の下流側で雪を流す状況となっても水を流す
ことができず、流雪溝の使用パターンが狭く使い勝手が
悪いという不都合があった。
【0005】本発明は、このような従来技術の課題を解
決すべくなされたものであり、流雪溝での使用パターン
を多様化でき、使い勝手に優れたゲートを提供すること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のゲートは、水と
雪とを流す流雪溝が第1の分岐流雪溝と第2の分岐流雪
溝に分岐した分岐部に設けられるゲートであって、該分
岐部の流雪溝内に、上記第1の分岐流雪溝及び第2の分
岐流雪溝の少なくとも一方を開閉するように鉛直軸回り
に所定角度範囲で回転可能に設置され、かつ、閉状態の
分岐流雪溝の下流側に主として水を通流させる開閉手段
が設けられた扉体を有することを特徴とする。
【0007】本発明のゲートにあっては、片方の分岐流
雪溝を扉体にて閉じても、扉体には開閉手段が設けられ
ているので、扉体で閉じられた分岐流雪溝の下流側に開
閉手段にて水を流すことが可能となり、流雪溝での使用
パターンを多様化でき、使い勝手に優れたゲートを提供
することができる。なお、開閉手段は、通常状態で水面
に浮かぶ雪よりも下側となるような箇所に配設すること
で、雪を堰き止めた状態で水のみを下流側に流すように
することができる。
【0008】また、本発明のゲートにおいて、前記扉体
は、孔あき部を有する固定板と、孔あき部を有するスラ
イド可能な移動板とを有し、前記開閉手段は、固定板の
孔あき部と移動板の孔あき部が一致するときに水を通
し、不一致のときに遮断する構成とすることができる。
【0009】この構成にあっては、移動板をスライドさ
せ、固定板の孔あき部に移動板の孔あき部を一致させる
と水を通すことができ、不一致状態にすると遮断するこ
とができる。また、移動板のスライド量を調整すること
で、通水量の制御も可能である。なお、上記開閉手段
は、具体的には、固定板及び移動板の孔あき部と、固定
板及び移動板における相手側の孔あき部を遮断する部分
とを有するものである。
【0010】また、本発明のゲートにおいて、前記扉体
は、孔あき部を有する固定板と、スライド可能な移動板
とを有し、前記開閉手段は、固定板の孔あき部を移動板
が覆うときに水を遮断し、該孔あき部を移動板が覆わな
いときに水を通す構成とすることができる。
【0011】この構成にあっては、固定板の孔あき部と
移動板の孔あき部との位置を一致させたりずらせたりす
る必要がないため、固定板の孔あき部を密に配置するこ
とが可能になり、それ故にゲートの下流側へ流す水量を
増大できる利点がある。また、移動板のスライド量を調
整することで、通水量の制御も可能である。なお、上記
開閉手段は、具体的には、固定板の孔あき部と、移動板
における固定板の孔あき部を遮断する部分とを有するも
のである。
【0012】また、本発明のゲートにおいて、前記扉体
は、前記鉛直軸回りに所定角度範囲で回転可能に設けら
れた扉体本体と、該扉体本体に前記固定板を着脱可能に
取付ける着脱手段とを有する構成とすることができる。
【0013】この構成にあっては、着脱手段により少な
くとも固定板を扉体本体から外すことができるので、扉
体自体及び開閉手段の清掃及び保守点検を容易に行い得
るようにすることが可能になる。
【0014】また、本発明のゲートにおいて、前記扉体
は、前記移動板の両側に一対の前記固定板を備える構成
とすることができる。
【0015】この構成にあっては、移動板の両側を一対
の固定板が挟むので、移動板を堅牢に保持することが可
能になる。また、移動板の外側に固定板が存在するの
で、その固定板の孔あき部に雪が堆積しても、移動板を
安定してスライドさせ得るようにすることができる。
【0016】また、本発明のゲートにおいて、前記開閉
手段は、前記移動板を上下方向にスライドさせる駆動手
段を備える構成とすることができる。
【0017】この構成にあっては、移動板を上下方向に
スライドさせる故に、孔あき部を設ける箇所の幅寸法
を、例えば固定板や移動板の幅寸法一杯にまで広くする
ことができるので、通水量の増大化を図ることが可能に
なる。
【0018】また、本発明のゲートにおいて、前記駆動
手段は、回転運動を直線運動に変換するねじ機構を有す
る構成とすることができる。
【0019】この構成にあっては、ねじ機構である故
に、移動板を吊り下げて保持できる機能と、移動板を上
下動させる機能とを兼用できるので、水平方向に移動板
をスライドさせる場合に必要とする移動板を保持する手
段を別途必要とせず、コンパクト化できるメリットがあ
る。また、ねじ機構である故に移動板の高さを微調整し
易いので、ゲートの下流側に流す通水量の制御性が向上
する。
【0020】また、本発明のゲートにおいて、前記ねじ
機構は、前記扉体の上部に設けられた回転操作部を有す
る構成とすることができる。
【0021】この構成にあっては、回転操作部が鉛直軸
の回りを回転する扉体の上部に設けられているので、移
動板の昇降操作をし易くでき便利である。
【0022】また、本発明のゲートにおいて、前記扉体
は、前記扉体本体を鉛直軸回りに回転させる回転操作部
を有し、その回転操作部と前記ねじ機構の回転操作部と
は同一のハンドルにより操作される構成とすることがで
きる。
【0023】この構成にあっては、扉体の回転操作と移
動板のスライド操作を、同一のハンドルを使用すること
ができるので、操作性が向上すると共に、1つのハンド
ルを用意しておけばよく便利である。
【0024】また、本発明のゲートにおいて、前記扉体
は、第1の分岐流雪溝および第2の分岐流雪溝の一方を
閉状態にすると共に他方を開状態にするように設けられ
ている構成とすることができる。
【0025】この構成にあっては、第1の分岐流雪溝及
び第2の分岐流雪溝の一方を閉状態にすると共に他方を
開状態にする、いわゆる分岐用ゲートとして使用するこ
とができる。
【0026】また、本発明のゲートにおいて、前記扉体
は、第1の分岐流雪溝および第2の分岐流雪溝の一方を
閉または開状態にするように設けられている構成とする
ことができる。
【0027】この構成にあっては、第1の分岐流雪溝及
び第2の分岐流雪溝の一方を閉または開状態にする、い
わゆる制水ゲートとして使用することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を具体的
に説明する。
【0029】(第1実施形態)図1は、流雪溝のY字状
分岐部に適用した、本発明の第1実施形態に係るゲート
を示す平面図であり、図2は図1の正面図、図3は図2
の右側面図、図4は図2のC−C線による断面図、図5
は図2のD−D線による断面図である。
【0030】このゲート10は、流雪溝1の途中から第
1分岐流雪溝2及び第2分岐流雪溝3の2つに分岐した
分岐部4に設置され、両分岐流雪溝2、3の一方(図示
例では分岐流雪溝3)を閉状態に、他方(図示例では分
岐流雪溝2)を開状態にすべく、一定角度範囲で鉛直軸
回りに回転可能に設けられている。つまり、このゲート
10は、いわゆる分岐ゲートとして機能する。
【0031】流雪溝1は、図1の左側を上流側、右側を
下流側として設けられ、その流雪溝1にて運ばれてきた
水及び雪は、ゲート10の開状態となった第1分岐流雪
溝2または第2分岐流雪溝3の下流側に運ばれる。
【0032】上記ゲート10は、図1及び図2に示すよ
うに、概略矩形板状をした扉体11と、鉛直軸17とを
備える。その扉体11は扉体本体12を有し、扉体本体
12は、鉛直軸17にて支持された枠材20aと(図4
参照)、図2に示すようにその枠材20aにて水平方向
に支持された3つの骨材20b、20c、20dと、枠
材20aの下端部にて支持されたL字状をした枠材20
eと、その枠材20eの上端と枠材20aの上端に両端
部が固定された枠材20fとを有する。
【0033】上記枠材20a、20e及び20fは扉体
11の矩形の外枠を構成し、水平方向に支持された3つ
の骨材20b、20c及び20dは補強部材として機能
する。なお、流雪溝1、第1分岐流雪溝2及び第2分岐
流雪溝3の大きさの程度によっては、骨材20b〜20
dは、それらのうちの少なくとも1以上を省略すること
がある。
【0034】かかる扉体本体12の両側には、固定板1
4と15が締結具、例えばボルト・ナット13により着
脱自在に固着されている。なお、図2においては、ボル
ト・ナット13は扉体11の左側と下側とに表している
が、実際には扉体11の中央部や他の部分にも取付けて
あり、固定板14、15を確実に扉体本体12に固定す
るようにしてある。
【0035】また、扉体本体12は、図2に示すように
上辺の枠材20fと下側の骨材20dとで上下端部が支
持された鉛直方向に長い案内枠20g、20hを有す
る。これら案内枠20gと20hの間には、固定板14
と15で挟まれた状態で移動板16が設けられている
(図4参照)。
【0036】固定板14と15の下部には、それぞれ水
平方向に長い複数の孔あき部、例えば図2に実線にて示
される4本のスリット孔14aと15aが形成されてい
る。固定板14の各スリット孔14aと固定板15の各
スリット孔15aのそれぞれは、共に長さ寸法を同一と
し、かつ高さ位置も固定板14と15間で同一となって
いる。
【0037】一方、移動板16の下部にも、同様に水平
方向に長い複数の孔あき部、例えば図2に破線にて示さ
れる4本のスリット孔16aが形成されている。この移
動板16は、その上部に設けられた駆動手段22により
上下方向にスライド駆動される。これら固定板14、1
5のスリット孔14a、15a及びそれら周辺部であっ
て移動板16のスリット孔16aを遮断する部分と、移
動板16のスリット孔16a及びその周辺部であって固
定板14、15のスリット孔14a、15aを遮断する
部分は、開閉手段を構成する。
【0038】なお、移動板16が骨材20b、20c及
び20dの存在に拘わらずスライドできるように、骨材
20b、20c及び20dの長さ方向のほぼ中央部に移
動板16を通す図示しない凹部が形成され、一方の移動
板16は中間高さ位置に設けられた骨材20cよりも少
し下側から上端までが、前記凹部の深さ寸法よりも厚み
寸法が小さい薄肉に形成されている(図3及び図5参
照)。これら図3及び図5中の16bが薄肉部で、16
cが厚肉部である。
【0039】駆動手段22は、図6(a)、(b)に示
すように外周面に螺状フィン23aが形成された回転軸
23と、その螺状フィン23aを上下方向に挟む一対の
挟持片24a、24bを有する支持部材24とを備え
る。支持部材24は、移動板16の上端部に固定され、
回転軸23は固定板15の上端部にL型固定片23cを
介して固定されており、回転軸23の上端部に設けら
れ、断面正方形の回転操作部23bに、ハンドル25
(図2参照)の下端部25aに設けられた正方形の凹状
内部空間を入れ、ハンドル25を所定方向(図示例では
反時計方向)に回転させると、支持部材24が下方向に
移動して移動板16が降下し、移動板16の各スリット
孔16aが、固定板14の各スリット孔14aと固定板
15の各スリット孔15aに一致する状態になる。一
方、上記所定方向とは逆方向にハンドル25を回転させ
ると、支持部材24が上方向に移動して移動板16が上
昇し、移動板16の各スリット孔16aが、固定板14
の各スリット孔14aと固定板15の各スリット孔15
aに不一致な状態になる。
【0040】上述したハンドル25の前記下端部25a
は、鉛直軸17の上端部に設けられた、断面正方形の回
転操作部17aにも取付けられるようになっている(図
2参照)。つまり、扉体11の回転に用いられる鉛直軸
17の回転操作部17aと、移動板16の昇降に用いら
れる回転軸23の回転操作部23bとは、同一構成とな
っている。そして、回転操作部17aに取付けたハンド
ル25により鉛直軸17を所定方向に回転させると、図
1に示すように扉体11は分岐流雪溝3を閉状態にし、
分岐流雪溝2を開状態にするように一定角度範囲で回転
する。この状態をA回転位置という。逆に前記所定方向
とは逆方向にハンドル25を回転させると、扉体11は
分岐流雪溝3を開状態にし、分岐流雪溝2を閉状態にす
るように一定角度範囲で回転する。この状態をB回転位
置という。
【0041】上記鉛直軸17は、図4に示すように扉体
本体12の枠材20aの内部に設けた円孔に一体化され
た取付けられ、その上端部と下端部が両分岐流雪溝2と
3の境界部分4aの上下にそれぞれ設けられた軸受部材
26、27に回転可能に支持されている(図2参照)。
なお、ハンドル25が取付けられる鉛直軸17の上端部
に設けられた回転操作部17aは、上側の軸受部材26
よりも上側に突出している。
【0042】流雪溝1の一方の側面、図1に示すB回転
位置の扉体11の鉛直軸17とは反対側端部が当接する
上側の側面1aと、分岐流雪溝3の一方の側面、図1に
示すA回転位置の扉体11の鉛直軸17とは反対側端部
が当接する左側の側面3aとに、扉受け28、29が取
付けられている。また、分岐部4の底面には、A回転位
置とB回転位置との間にわたって、例えばゴムからなる
水密板30が取付けられている(図1、図3及び図5参
照)。なお、図1中のハッチング部分は、コンクリート
構造部を示す。
【0043】固定板14、15の鉛直軸17近傍には、
図4に示すように固定板14の外側と固定板15の外側
に、例えばゴムからなる水密部材28a、28bが、固
定板14、15の高さ方向の全長にわたりねじ31にて
取付けられており、これら水密部材28a、28bは固
定板14、15の鉛直軸17近傍での水密機能を有す
る。また、前記L字状をした枠材20eは、図4及び図
5に示すように例えばゴムからなると共に外表部が円弧
状に形成されたもので、扉受け29(又は28)と水密
板30に対して水密機能を有する。
【0044】したがって、本実施形態のゲート10にあ
っては、扉体11を構成する固定板14、15及びスラ
イド可能な移動板16に、開閉手段(つまり固定板1
4、15の孔あき部14a、15a及び移動板16の孔
あき部16aと、固定板14、15における移動板16
の孔あき部16aを遮断する部分及び移動板16におけ
る固定板14、15の孔あき部14a、15aを遮断す
る部分)が設けられているので、移動板16をスライド
させてその孔あき部16aを固定板14、15の孔あき
部14a、15aに一致させると水を通すことができ、
不一致状態にすると遮断することができる。よって、分
岐流雪溝2又は3を扉体11にて閉じても、上記開閉手
段にて水を扉体11で閉じられた分岐流雪溝2又は3の
下流側に流すことが可能となり、流雪溝での使用パター
ンを多様化でき、使い勝手に優れたゲートを提供するこ
とができる。また、開閉手段が扉体11の下部に、つま
り通常状態で水面に浮かぶ雪よりも下側となるような箇
所に配設しているので、雪を堰き止めた状態で水のみを
下流側に流すようにすることができる。
【0045】また、本実施形態のゲート10において
は、移動板16の両側を一対の固定板14、15が挟む
ので、移動板16を堅牢に保持することが可能になり、
また移動板16の外側に固定板14、15が存在するの
で、その固定板14、15の孔あき部14a、15aに
雪が堆積しても、移動板16を安定してスライドさせ得
るようにすることができる。また、本実施形態のゲート
10においては、扉体11は、扉体本体12と、扉体本
体12に固定板14、15を着脱可能に取付ける着脱手
段(ボルト・ナット13)とを有し、その着脱手段によ
り固定板14、15を扉体本体12から外すことがで
き、また支持部材24を螺状フィン23aから外すこと
により移動板16も外すことができるので、扉体11自
体及び開閉手段の清掃及び保守点検を容易に行い得るよ
うにすることが可能になる。また、本実施形態のゲート
10においては、駆動手段22により移動板16を上下
方向にスライドさせる故に、孔あき部14a、15a、
16aを設ける箇所の幅寸法を、例えば固定板14、1
5や移動板16の幅寸法一杯にまで広くすることができ
るので、通水量の増大化を図ることが可能になる。ま
た、駆動手段22が回転運動を直線運動に変換するねじ
機構、具体的には回転軸23及び支持部材24を備える
ので、移動板16を吊り下げて保持できる機能と、移動
板16を上下動させる機能とを兼用できるので、仮に水
平方向に移動板をスライドさせる場合に必要とする移動
板を保持する手段を別途必要とせず、コンパクト化でき
るメリットがある。また、ねじ機構である故に移動板1
6の高さを微調整し易いので、ゲートの下流側に流す通
水量の制御性を向上させ得る。また、前記回転操作部2
3bが扉体11の上部に設けられているので、移動板1
6の昇降操作をし易くでき便利である。また、扉体11
を鉛直軸17の回りに回転させる回転操作部17aと、
移動板16を昇降させるための回転操作部23bが同一
であるので、扉体11の回転操作と移動板16のスライ
ド操作を、同一のハンドル25を使用することができる
ので、操作性が向上すると共に、1つのハンドルを用意
しておけばよく便利である。
【0046】(第2実施形態)図7は、本発明の第2実
施形態に係るゲートを示す正面図、図8はその側面断面
図である。なお、第1実施形態と同一部分には、同一の
番号を付している。
【0047】このゲート10Aにあっては、扉体11A
の扉体本体12にボルト・ナット13にて固定板34、
35が取付けられ、それら固定板34、35の高さ方向
中央部から下部にわたる部分には、それぞれ複数の円孔
の孔あき部34a、35aが形成されており、両固定板
34、35の間には、孔あき部が省略されている移動板
36が設けられている。また、移動板36を昇降させる
駆動手段32は、ハンドル25が取付けされる断面正方
形の回転操作部33aを有し、外周面に螺旋溝が形成さ
れた回転軸33と、その回転軸33が内部に挿入され、
回転軸33の回転により上下動する支持部材34とを有
するものである。上記回転軸33は、固定板34に取付
けた保持部材37を介して所定高さ位置に回転可能に保
持され、上記支持部材34は移動板36に取付けられて
いる。
【0048】つまり、この第2実施形態にあっては、扉
体11Aは、孔あき部34a、35aを有する固定板3
4、35と、スライド可能な移動板36とを有する。ま
た、開閉手段は、固定板34、35の孔あき部34a、
35aと、移動板36における孔あき部34a、35a
を遮断する部分とを備え、固定板34、35の孔あき部
34a、35aを移動板36が覆うときに水を遮断し、
該孔あき部34a、35aを移動板36が覆わないとき
に水を通す構成となっている。
【0049】したがって、この第2実施形態による場合
には、第1実施形態のように固定板の孔あき部と移動板
の孔あき部との位置を合わせたりずらせたりする必要が
ないため、固定板34、35の孔あき部34a、35a
を密に配置することが可能になり、それ故に閉状態のゲ
ートの下流側へ流す水量を増大できるという特有の利点
がある。なお、第2実施形態では、回転軸33は長く形
成してあり、固定板34、35に形成された孔あき部3
4a、35aの最下部から最上部までを移動板36の下
端が移動できるようにしている。それ故に、孔あき部3
4a、35aの開口面積を微調整することが可能になる
ため、閉状態のゲートの下流側に流す通水量の調節も容
易にすることが可能となる。
【0050】(第3実施形態)図9は、上述した第1実
施形態に係るゲート10を、T字状分岐部の片方の分岐
流雪溝の入口に設けた場合を示す平面図である。
【0051】この第3実施形態においては、2つの分岐
流雪溝2、3の片方3の入口を開状態または閉状態に開
閉できる。つまり、第3実施形態の場合には、第1実施
形態のゲート10は、いわゆる制水ゲートとして用いら
れている。図9中の37は、扉体11を閉状態に保持す
るストッパである。
【0052】なお、この第3実施形態においては、分岐
流雪溝3を閉状態にした場合に、固定板14と15のう
ちの上流側固定板、この図示例では固定板14側のみ孔
あき部14aを残しておき、下流側に位置する固定板1
5側は、図10に示すように固定板14側の孔あき部1
4a全体が内側に入るような広い孔あき部15cを形成
してもよい。その理由は、上流側の固定板14は上流側
から運ばれてくる雪の堆積が起こり易く、その雪堆積に
より移動板16がスライドし難くなるが、下流側の固定
板15ではそのような虞れが少ないからである。また、
孔あき部15cとしては、移動板16の左右の両縁部を
少なくとも保持できる範囲で、更に広く形成してもよ
い。
【0053】また、第3実施形態においても、第2実施
形態に係るゲートを同様にして適用できることは勿論で
ある。
【0054】また、上述した第1実施形態では孔あき部
として水平方向に長いスリットを4本設けているが、本
発明はこれに限らず、同様のスリットを1本乃至3本ま
たは5本以上設けてもよい。また、第2実施形態のよう
な円形や他の形状の孔を1又は2以上設けるようにして
もよい。
【0055】また、上述した第2実施形態では孔あき部
として円孔を複数設けているが、本発明はこれに限ら
ず、第1実施形態のようなスリット状の孔(スリットの
方向は問わない)や他の形状の孔を1又は2以上設けた
り、1つの大きな孔を設けるようにしてもよい。
【0056】また、本発明は、扉体に着脱可能に取付け
られた一対の固定板の間に、孔あき部を有する固定板と
孔の無い移動板とを設けた構成とすることもできる。そ
の具体例を、第2実施形態の扉体を例に挙げて説明す
る。
【0057】図11は、その具体例の扉体を示す正面
図、図12はその縦断面図である。この扉体11Bは、
扉体本体12にボルト・ナット13により着脱可能に取
付けられた一対の固定板44、45の間に、孔あき部4
6aを有する固定板46と孔の無い移動板47とが設け
られ、移動板47が駆動手段32により上下動できるよ
うになっている。
【0058】なお、固定板46は、固定板44の内側
に、扉体本体12にボルト・ナット13により着脱可能
に取付けておくことができる。また、固定板44と45
には、図11に示すような孔あき部46aの全体が内側
に入るような大きさの孔あき部44c、45cを形成し
たり、或いは更に大きい孔を形成してもよい。
【0059】このようにしても、閉状態の扉体11Bの
下流側に水を流すことが可能となり、流雪溝での使用パ
ターンを多様化でき、使い勝手に優れたゲートを提供す
ることができる。
【0060】また、本発明は、図示を省略するが、扉体
本体に着脱可能に取付けられた一対の固定板の間に、扉
体本体に着脱可能に取付けられた孔あき部を有する固定
板と、孔あき部を有するスライド可能な移動板とを設け
た構成とすることもできる。
【0061】また、上述した第1〜第3実施形態では移
動板が孔あき部の形成領域よりも十分に広い大きさに形
成されているが、本発明はこれに限らず、孔あき部の形
成領域全体を開閉状態にできる程度で小さく形成しても
よい。このようにした場合には、移動板の軽量化が図れ
る利点がある。
【0062】
【発明の効果】以上詳述したように本発明による場合に
は、第1の分岐流雪溝及び第2の分岐流雪溝の片方の分
岐流雪溝を扉体にて閉じても、扉体には開閉手段が設け
られているので、扉体で閉じられた分岐流雪溝の下流側
に開閉手段にて水を流すことが可能となり、流雪溝での
使用パターンを多様化でき、使い勝手に優れたゲートを
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】Y字状分岐部の流雪溝に適用した、本発明の第
1実施形態に係るゲートを示す平面図である。
【図2】図1の正面図である。
【図3】図2の右側面図である。
【図4】図2のC−C線による断面図である。
【図5】図2のD−D線による断面図である。
【図6】第1実施形態に係るゲートに備わった駆動手段
を示し、(a)はその平面図、(b)はその正面図であ
る。
【図7】流雪溝のY字状分岐部に適用した、本発明の第
2実施形態に係るゲートを示す正面図である。
【図8】図7のゲートの側面断面図(縦断面図)であ
る。
【図9】流雪溝のT字状分岐部に適用した、本発明の第
3実施形態に係るゲートを示す平面図である。
【図10】本発明の他の扉体を構成する固定板を示す正
面図である。
【図11】本発明の他のゲートを示す正面図である。
【図12】図11のゲートの縦断面図である。
【符号の説明】
1 流雪溝 2 第1分岐流雪溝 3 第2分岐流雪溝 4 分岐部 10、10A ゲート 11、11B 扉体 12 扉体本体 13 ボルト・ナット(締結具) 14、15、34、35、44、45 固定板 14a、15a、34a、35a スリット孔(孔あき
部) 16、36 移動板 16a スリット孔(孔あき部) 17 鉛直軸 22、32 駆動手段 23 回転軸 24 支持部材 46a 孔あき部 47 移動板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E03F 5/04 E02B 7/20 E02B 7/40 - 7/44 E01H 5/00

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水と雪とを流す流雪溝が第1の分岐流雪
    溝と第2の分岐流雪溝に分岐した分岐部に設けられるゲ
    ートであって、 該分岐部の流雪溝内に、上記第1の分岐流雪溝及び第2
    の分岐流雪溝の少なくとも一方を開閉するように鉛直軸
    回りに所定角度範囲で回転可能に設置され、かつ、閉状
    態の分岐流雪溝の下流側に主として水を通流させる開閉
    手段が設けられた扉体を有することを特徴とするゲー
    ト。
  2. 【請求項2】 前記扉体は、孔あき部を有する固定板
    と、孔あき部を有するスライド可能な移動板とを有し、
    前記開閉手段は、固定板の孔あき部と移動板の孔あき部
    が一致するときに水を通し、不一致のときに遮断する構
    成となっていることを特徴とする請求項1に記載のゲー
    ト。
  3. 【請求項3】 前記扉体は、孔あき部を有する固定板
    と、スライド可能な移動板とを有し、前記開閉手段は、
    固定板の孔あき部を移動板が覆うときに水を遮断し、該
    孔あき部を移動板が覆わないときに水を通す構成となっ
    ていることを特徴とする請求項1に記載のゲート。
  4. 【請求項4】 前記扉体は、前記鉛直軸回りに所定角度
    範囲で回転可能に設けられた扉体本体と、該扉体本体に
    前記固定板を着脱可能に取付ける着脱手段とを有するこ
    とを特徴とする請求項2または3に記載のゲート。
  5. 【請求項5】 前記扉体は、前記移動板の両側に一対の
    前記固定板を備えることを特徴とする請求項2乃至4の
    いずれかに記載のゲート。
  6. 【請求項6】 前記開閉手段は、前記移動板を上下方向
    にスライドさせる駆動手段を備えることを特徴とする請
    求項2乃至5のいずれかに記載のゲート。
  7. 【請求項7】 前記駆動手段は、回転運動を直線運動に
    変換するねじ機構を有することを特徴とする請求項6に
    記載のゲート。
  8. 【請求項8】 前記ねじ機構は、前記扉体の上部に設け
    られた回転操作部を有することを特徴とする請求項7に
    記載のゲート。
  9. 【請求項9】 前記扉体は、前記扉体本体を鉛直軸回り
    に回転させる回転操作部を有し、その回転操作部と前記
    ねじ機構の回転操作部とは同一のハンドルにより操作さ
    れることを特徴とする請求項8に記載のゲート。
  10. 【請求項10】 前記扉体は、第1の分岐流雪溝および
    第2の分岐流雪溝の一方を閉状態にすると共に他方を開
    状態にするように設けられていることを特徴とする請求
    項1乃至9のいずれかに記載のゲート。
  11. 【請求項11】 前記扉体は、第1の分岐流雪溝および
    第2の分岐流雪溝の一方を閉または開状態にするように
    設けられていることを特徴とする請求項1乃至9のいず
    れかに記載のゲート。
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