JP3507801B2 - コイルドウェーブスプリングおよびその製造方法 - Google Patents
コイルドウェーブスプリングおよびその製造方法Info
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- JP3507801B2 JP3507801B2 JP2001040889A JP2001040889A JP3507801B2 JP 3507801 B2 JP3507801 B2 JP 3507801B2 JP 2001040889 A JP2001040889 A JP 2001040889A JP 2001040889 A JP2001040889 A JP 2001040889A JP 3507801 B2 JP3507801 B2 JP 3507801B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車エンジンの
冷却水ポンプの軸封装置や、エンジン出力の伝達媒体の
クラッチ付勢に用いられるコイルドウェーブスプリング
とその製造方法に関する。
冷却水ポンプの軸封装置や、エンジン出力の伝達媒体の
クラッチ付勢に用いられるコイルドウェーブスプリング
とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車エンジンの冷却水ポンプの軸封装
置やエンジン出力の伝達媒体のクラッチ装置で、装置の
小型化に適した薄型のコイルドウェーブスプリングを用
いることが知られている。(実開平5−54833号公
報、特開平11−44365号公報参照)
置やエンジン出力の伝達媒体のクラッチ装置で、装置の
小型化に適した薄型のコイルドウェーブスプリングを用
いることが知られている。(実開平5−54833号公
報、特開平11−44365号公報参照)
【0003】図7は、従来知られているコイルドウェー
ブスプリングの一例を示す図である。図中、1はコイル
ドウェーブスプリング(以下、コイルスプリングとい
う)、2は波の山部、3は波の谷部、4は山部と谷部の
接触部、5は巻始端、6は巻終端を示す。コイルスプリ
ング1は、細幅の帯状ばね線材を幅方向で螺旋状に巻回
し、巻回された線材が厚さ方向に所定のピッチで波型に
加工して、前の巻回の山部と次の巻回の谷部が重なるよ
うにして形成されている。
ブスプリングの一例を示す図である。図中、1はコイル
ドウェーブスプリング(以下、コイルスプリングとい
う)、2は波の山部、3は波の谷部、4は山部と谷部の
接触部、5は巻始端、6は巻終端を示す。コイルスプリ
ング1は、細幅の帯状ばね線材を幅方向で螺旋状に巻回
し、巻回された線材が厚さ方向に所定のピッチで波型に
加工して、前の巻回の山部と次の巻回の谷部が重なるよ
うにして形成されている。
【0004】コイルスプリング1の各巻回の山部2は、
次の巻回の谷部3と接触部4で互いに重なるように、1
巻回の波数は、例えば、3.5/巻、4.5/巻、・・
・n/巻(n=整数+0.5)というように設定されて
いる。なお、山部2と谷部3は対称形状で、巻回面のい
ずれの面側から見るかによって、山部と谷部が入れ替わ
る相対的なものである。また、巻始端5と巻終端6も同
様に相対的なものである。
次の巻回の谷部3と接触部4で互いに重なるように、1
巻回の波数は、例えば、3.5/巻、4.5/巻、・・
・n/巻(n=整数+0.5)というように設定されて
いる。なお、山部2と谷部3は対称形状で、巻回面のい
ずれの面側から見るかによって、山部と谷部が入れ替わ
る相対的なものである。また、巻始端5と巻終端6も同
様に相対的なものである。
【0005】図8は、図7のコイルスプリング1の第1
巻目を示す図で、図8(A)は、スプリング受け面7と
の接触状態を示し、図8(B)はスプリング受け面7と
の接触位置8を示す。図8は、巻始端5および巻終端6
を、波型加工面の途中の波面でカットしたもので、その
巻始端5は、スプリング受け部7に接触する。接触位置
8は、実質上は山部2の頂部と一致し、巻始端5または
巻終端6を加えた4点となる。
巻目を示す図で、図8(A)は、スプリング受け面7と
の接触状態を示し、図8(B)はスプリング受け面7と
の接触位置8を示す。図8は、巻始端5および巻終端6
を、波型加工面の途中の波面でカットしたもので、その
巻始端5は、スプリング受け部7に接触する。接触位置
8は、実質上は山部2の頂部と一致し、巻始端5または
巻終端6を加えた4点となる。
【0006】図8(A)に示すように、コイルスプリン
グ1に圧縮荷重Pを繰返し作用させると、負荷ごとに圧
縮応力が生じ、これに伴ってコイルスプリング1に圧縮
荷重Pとバランスする弾性変形が生じる。この弾性変形
は、巻始端5および巻終端6にスプリング受け面7に摺
接加圧力として伝達される。繰返しの摺接により、巻始
端5および巻終端6は摩損し、また、これによりスプリ
ング受け面7に傷を与え、スプリング1の作動不安定を
引き起こす可能性がある。また、これらの巻始端5およ
び巻終端6は、コイルスプリング同士での絡みを起こ
し、製造工程での扱いを悪くしている。
グ1に圧縮荷重Pを繰返し作用させると、負荷ごとに圧
縮応力が生じ、これに伴ってコイルスプリング1に圧縮
荷重Pとバランスする弾性変形が生じる。この弾性変形
は、巻始端5および巻終端6にスプリング受け面7に摺
接加圧力として伝達される。繰返しの摺接により、巻始
端5および巻終端6は摩損し、また、これによりスプリ
ング受け面7に傷を与え、スプリング1の作動不安定を
引き起こす可能性がある。また、これらの巻始端5およ
び巻終端6は、コイルスプリング同士での絡みを起こ
し、製造工程での扱いを悪くしている。
【0007】図9は、図8の上述した点を改善したもの
で、前記の実開平5−54833号公報で開示されてい
る。図9(A)は、スプリング受け面7との接触状態を
示し、図9(B)はスプリング受け面7との接触位置8
を示す。この図9では、コイルスプリング1の巻始端5
および巻終端6を、次の巻回の谷部3に向かって延びる
ように屈曲させ、かつ端部が谷部3の底部に至らない傾
斜面上に位置するように形成している。この結果、巻始
端5および巻終端6は、スプリング受け面7には接触せ
ず、圧縮荷重Pによる摺接は生じず、摩損を防止するこ
とができる。
で、前記の実開平5−54833号公報で開示されてい
る。図9(A)は、スプリング受け面7との接触状態を
示し、図9(B)はスプリング受け面7との接触位置8
を示す。この図9では、コイルスプリング1の巻始端5
および巻終端6を、次の巻回の谷部3に向かって延びる
ように屈曲させ、かつ端部が谷部3の底部に至らない傾
斜面上に位置するように形成している。この結果、巻始
端5および巻終端6は、スプリング受け面7には接触せ
ず、圧縮荷重Pによる摺接は生じず、摩損を防止するこ
とができる。
【0008】コイルスプリング1の山部2および谷部3
は等間隔に形成されるので、隣接する山部2間の波ピッ
チ角度θは2π/nとなる。山部2と谷部3間の角度
は、その1/2でπ/nとなる。したがって、波数nを
3.5とした場合、図9(B)に示すように、1巻目の
表面におけるスプリング受け面7との接触位置8(実質
は山部2の頂部と一致)は、3点の「1θ:1θ:1.
5θ」という非等間隔な配置となる。
は等間隔に形成されるので、隣接する山部2間の波ピッ
チ角度θは2π/nとなる。山部2と谷部3間の角度
は、その1/2でπ/nとなる。したがって、波数nを
3.5とした場合、図9(B)に示すように、1巻目の
表面におけるスプリング受け面7との接触位置8(実質
は山部2の頂部と一致)は、3点の「1θ:1θ:1.
5θ」という非等間隔な配置となる。
【0009】図8(B)では、巻始端5および巻終端6
がスプリング受け面7との接触位置を形成して4点とす
ることができるのになる対し、図9(B)では、スプリ
ング受け面7との接触位置8が3点と少なくなる。さら
に、巻始端5および巻終端6側の接触位置間隔が1.5
θと他の側と比べて広くなるため、3つの各接触位置8
でのばね常数が異なり、荷重を受ける力がアンバランス
となる。
がスプリング受け面7との接触位置を形成して4点とす
ることができるのになる対し、図9(B)では、スプリ
ング受け面7との接触位置8が3点と少なくなる。さら
に、巻始端5および巻終端6側の接触位置間隔が1.5
θと他の側と比べて広くなるため、3つの各接触位置8
でのばね常数が異なり、荷重を受ける力がアンバランス
となる。
【0010】図9(B)のコイルスプリング1を、図6
に示すような荷重検査装置で偏荷重を測定すると、コイ
ルスプリング1の面荷重がバランスせず、偏荷重Qが生
じ、スプリング特性が低下するという問題が生じる。偏
荷重Qも波数nが多ければ、実質上は問題ないが、1巻
当たりの波数が少ない最小値ともいえる3.5/巻では
影響が顕著である。
に示すような荷重検査装置で偏荷重を測定すると、コイ
ルスプリング1の面荷重がバランスせず、偏荷重Qが生
じ、スプリング特性が低下するという問題が生じる。偏
荷重Qも波数nが多ければ、実質上は問題ないが、1巻
当たりの波数が少ない最小値ともいえる3.5/巻では
影響が顕著である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した事
情に鑑みてなされたもので、巻始端または巻終端の摩損
や絡みを防止するとともに、偏荷重が生じるのを抑制し
たコイルスプリングとその製造方法の提供を課題とす
る。
情に鑑みてなされたもので、巻始端または巻終端の摩損
や絡みを防止するとともに、偏荷重が生じるのを抑制し
たコイルスプリングとその製造方法の提供を課題とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明のコイルドウェー
ブスプリングは、細幅の帯状ばね板線材を幅方向で螺旋
状に巻回し、巻回された線材が厚さ方向に波型に加工さ
れて前の巻回の山部と次の巻回の谷部が重ねられ、巻回
の始端および終端を次の巻回の谷部に向かって湾曲また
は平行にして、取付け面に対して摺接が生じないように
端部処理したコイルドウェーブスプリングであって、1
巻の波数をn(整数+0.5)としたき、少なくともス
プリング両端の巻回分に対して、(n−1.5)波分の
1波ピッチ角度α(rad)を2π/n<α≦2π/
(n−0.5)とし、1.5波分の1波ピッチ角度β
(rad)を2π/n>β≧2π/1.5(n−0.
5)とし、 2π=(n−1.5)α+1.5β を満足させるように形成したことを特徴とする。
ブスプリングは、細幅の帯状ばね板線材を幅方向で螺旋
状に巻回し、巻回された線材が厚さ方向に波型に加工さ
れて前の巻回の山部と次の巻回の谷部が重ねられ、巻回
の始端および終端を次の巻回の谷部に向かって湾曲また
は平行にして、取付け面に対して摺接が生じないように
端部処理したコイルドウェーブスプリングであって、1
巻の波数をn(整数+0.5)としたき、少なくともス
プリング両端の巻回分に対して、(n−1.5)波分の
1波ピッチ角度α(rad)を2π/n<α≦2π/
(n−0.5)とし、1.5波分の1波ピッチ角度β
(rad)を2π/n>β≧2π/1.5(n−0.
5)とし、 2π=(n−1.5)α+1.5β を満足させるように形成したことを特徴とする。
【0013】また、本発明のコイルドウェーブスプリン
グの製造方法は、細幅の帯状ばね板線材を幅方向で螺旋
状に巻回し、巻回された線材を厚さ方向に波型に加工し
て前の巻回の山部と次の巻回の谷部を重ね、巻回の始端
および終端を次の巻回の谷部に向かって湾曲または平行
にして、取付け面に対して摺接が生じないように端部処
理したコイルドウェーブスプリングの製造方法であっ
て、1巻の波数をn(整数+0.5)としたき、少なく
ともスプリング両端の巻回分に対して、(n−1.5)
波分の1波ピッチ角度α(rad)を2π/n<α≦2
π/(n−0.5)」とし、1.5波分の1波ピッチ角
度β(rad)を2π/n>β≧2π/1.5(n−
0.5)とし、 2π=(n−1.5)α+1.5β を満足させ、巻回の半径をrとしたとき、(n−1.
5)αrと1.5βrの波パターンを交互に繰返して波
型に加工することを特徴とする。
グの製造方法は、細幅の帯状ばね板線材を幅方向で螺旋
状に巻回し、巻回された線材を厚さ方向に波型に加工し
て前の巻回の山部と次の巻回の谷部を重ね、巻回の始端
および終端を次の巻回の谷部に向かって湾曲または平行
にして、取付け面に対して摺接が生じないように端部処
理したコイルドウェーブスプリングの製造方法であっ
て、1巻の波数をn(整数+0.5)としたき、少なく
ともスプリング両端の巻回分に対して、(n−1.5)
波分の1波ピッチ角度α(rad)を2π/n<α≦2
π/(n−0.5)」とし、1.5波分の1波ピッチ角
度β(rad)を2π/n>β≧2π/1.5(n−
0.5)とし、 2π=(n−1.5)α+1.5β を満足させ、巻回の半径をrとしたとき、(n−1.
5)αrと1.5βrの波パターンを交互に繰返して波
型に加工することを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】図により、本発明の実施の形態を
説明する。図1は、本発明による波数が3.5/巻のコ
イルスプリングの例を示し、図1(A)はコイルスプリ
ング全体の側面を示し、図2(B)は巻始端部の詳細を
示し、図1(C)は1巻目の上面を示す図である。図
中、11はコイルドウェーブスプリング(以下、コイル
スプリングという)、12は山部、2aおよび12aは
山の頂部、13は谷部、3aおよび13aは谷の底部、
14は山部と谷部の接触部、15は巻始端、16は巻終
端、17はスプリング受け面、θは等間隔の波ピッチ角
度、αは拡大された波ピッチ角度、βは縮小された波ピ
ッチ角度を示す。
説明する。図1は、本発明による波数が3.5/巻のコ
イルスプリングの例を示し、図1(A)はコイルスプリ
ング全体の側面を示し、図2(B)は巻始端部の詳細を
示し、図1(C)は1巻目の上面を示す図である。図
中、11はコイルドウェーブスプリング(以下、コイル
スプリングという)、12は山部、2aおよび12aは
山の頂部、13は谷部、3aおよび13aは谷の底部、
14は山部と谷部の接触部、15は巻始端、16は巻終
端、17はスプリング受け面、θは等間隔の波ピッチ角
度、αは拡大された波ピッチ角度、βは縮小された波ピ
ッチ角度を示す。
【0015】コイルスプリング11は、右ねじ方向に巻
回するものとし、説明を容易にするため図1(C)に
は、1番目の山の頂部位置を、2番目の山の頂部位置
を、3番目の山の頂部位置を、4番目の山の頂部位
置(第2巻目の1番目の山の頂部位置となる)をとし
て、山の頂部12aを太書きの○印で示す。また、谷の
底部13aは、それぞれの山の頂部12a間を等分した
中間位置にあり、太書きの△印で示す。なお、細書きの
○印および△印は、等間隔の波ピッチ角度θで形成され
た場合の山の頂部2aおよび谷の底部3aを示す。
回するものとし、説明を容易にするため図1(C)に
は、1番目の山の頂部位置を、2番目の山の頂部位置
を、3番目の山の頂部位置を、4番目の山の頂部位
置(第2巻目の1番目の山の頂部位置となる)をとし
て、山の頂部12aを太書きの○印で示す。また、谷の
底部13aは、それぞれの山の頂部12a間を等分した
中間位置にあり、太書きの△印で示す。なお、細書きの
○印および△印は、等間隔の波ピッチ角度θで形成され
た場合の山の頂部2aおよび谷の底部3aを示す。
【0016】本発明によるコイルスプリング11は、従
来の図9で説明したものと同様に、巻始端15および巻
終端16を、次の巻回の谷部13に向かって延びるよう
に屈曲または平行にして、取付け面に対して摺接圧接力
が生じないように端部処理する。また、等間隔の波ピッ
チ角度θで形成される場合の山の頂部2aおよび谷の底
部3aは、従来の図9の位置と同じにしてある。そし
て、本発明では、コイルスプリング11のの山の頂部
2aと12aの位置を同じとした場合、との山の頂
部12aの位置を頂部2aから移動角yだけ側に移動
させる。谷の底部13aも山の頂部12aの移動に連動
させて、底部3aの位置から側に移動させる。
来の図9で説明したものと同様に、巻始端15および巻
終端16を、次の巻回の谷部13に向かって延びるよう
に屈曲または平行にして、取付け面に対して摺接圧接力
が生じないように端部処理する。また、等間隔の波ピッ
チ角度θで形成される場合の山の頂部2aおよび谷の底
部3aは、従来の図9の位置と同じにしてある。そし
て、本発明では、コイルスプリング11のの山の頂部
2aと12aの位置を同じとした場合、との山の頂
部12aの位置を頂部2aから移動角yだけ側に移動
させる。谷の底部13aも山の頂部12aの移動に連動
させて、底部3aの位置から側に移動させる。
【0017】波数3.5/巻、等間隔の波ピッチ角度θ
=2π/n=2π/3.5(rad)とすると、従来技
術で説明したように、巻表面の−−−に至る山
の頂部2aの配置は、(1θ:1θ:1.5θ)とな
る。これに対し、本発明では、−間および−間
の波ピッチ角度αは、(θ+y)と拡大され、−間
の全波ピッチ角度(1.5β)は、(1.5θ−2y)
と狭められる。これにより、表面での頂部12aの配置
は、 (θ+y):(θ+y):(1.5θ−2y) となり、等間隔に近づけることができる。例えば、移動
角y=θ・1/10とすると、表面での頂部12aの配
置は、(1.1θ:1.1θ:1.3θ)となり、偏荷
重の度合いを改善することができる。
=2π/n=2π/3.5(rad)とすると、従来技
術で説明したように、巻表面の−−−に至る山
の頂部2aの配置は、(1θ:1θ:1.5θ)とな
る。これに対し、本発明では、−間および−間
の波ピッチ角度αは、(θ+y)と拡大され、−間
の全波ピッチ角度(1.5β)は、(1.5θ−2y)
と狭められる。これにより、表面での頂部12aの配置
は、 (θ+y):(θ+y):(1.5θ−2y) となり、等間隔に近づけることができる。例えば、移動
角y=θ・1/10とすると、表面での頂部12aの配
置は、(1.1θ:1.1θ:1.3θ)となり、偏荷
重の度合いを改善することができる。
【0018】なお、山の頂部および谷の底部の等間隔位
置からの移動は、コイルスプリング11の少なくともス
プリング受け面17と接する両端面の巻回部分(それぞ
れの端面側から見て1巻目)で形成されていればよい。
コイルスプリング11が複数の巻回で形成されている場
合、偏荷重が生じるのは、スプリング受け面17と接す
る巻回部分であり、中間の巻回部分は偏荷重が順次緩和
されるからである。しかし、製造上の理由から全ての巻
回部分を同じ波パターンで形成してもよい。
置からの移動は、コイルスプリング11の少なくともス
プリング受け面17と接する両端面の巻回部分(それぞ
れの端面側から見て1巻目)で形成されていればよい。
コイルスプリング11が複数の巻回で形成されている場
合、偏荷重が生じるのは、スプリング受け面17と接す
る巻回部分であり、中間の巻回部分は偏荷重が順次緩和
されるからである。しかし、製造上の理由から全ての巻
回部分を同じ波パターンで形成してもよい。
【0019】さらに、これらの関係について、図2によ
り詳述する。図2(A)はコイルスプリング11(波数
n:3.5/巻)の第1巻目を示し、図2(B)はその
第2巻目を示す図である。なお、図1(C)で説明した
のと同様に、本発明による山の頂部12aは太書きの○
印、谷の底部13aを太書きの△印で示し、等間隔の波
ピッチθで配置した山の頂部2aは細書きの○印、谷の
底部3aを細書きの△印で示し、詳細説明を省略する。
基点Xは説明の便宜上設定したもので巻始端15に相当
するが、この基点Xからπ角だけずらした位置X´に
の山の頂部2aおよび12aがあるものとする。
り詳述する。図2(A)はコイルスプリング11(波数
n:3.5/巻)の第1巻目を示し、図2(B)はその
第2巻目を示す図である。なお、図1(C)で説明した
のと同様に、本発明による山の頂部12aは太書きの○
印、谷の底部13aを太書きの△印で示し、等間隔の波
ピッチθで配置した山の頂部2aは細書きの○印、谷の
底部3aを細書きの△印で示し、詳細説明を省略する。
基点Xは説明の便宜上設定したもので巻始端15に相当
するが、この基点Xからπ角だけずらした位置X´に
の山の頂部2aおよび12aがあるものとする。
【0020】図2(A)では、の位置から反時計方向
のの位置と時計方向のの位置は、基点X−X´に対
して対称の位置関係となる。本発明では、上述したよう
に等間隔の波ピッチ角度θで設定した山の頂部2aを、
およびでは、移動角yだけ基点X側に移動させて、
新たに山の頂部12aとし、拡大された波ピッチ角度α
と縮小された波ピッチ角度βを設定する。これと連動し
て、−間の中間位置および−間の中間位置にあ
る谷の底部3aも同様に、基点X側に移動させる。
のの位置と時計方向のの位置は、基点X−X´に対
して対称の位置関係となる。本発明では、上述したよう
に等間隔の波ピッチ角度θで設定した山の頂部2aを、
およびでは、移動角yだけ基点X側に移動させて、
新たに山の頂部12aとし、拡大された波ピッチ角度α
と縮小された波ピッチ角度βを設定する。これと連動し
て、−間の中間位置および−間の中間位置にあ
る谷の底部3aも同様に、基点X側に移動させる。
【0021】谷の底部3aから13aへの移動角zは、
山の頂部の移動角yの1/2として、−間および
−間で均等に割振ってよいが、この移動角zは、1/
2y以上としてもよい。山の底部13aの移動角zを多
目にすることにより、偏荷重の生じる基点X側に荷重モ
ーメントを移すことになり、移動角yにより偏荷重の不
足を補完することができる。ただし、この場合、2巻目
の山の頂部12aの移動角z´もこれに連動させること
となる。
山の頂部の移動角yの1/2として、−間および
−間で均等に割振ってよいが、この移動角zは、1/
2y以上としてもよい。山の底部13aの移動角zを多
目にすることにより、偏荷重の生じる基点X側に荷重モ
ーメントを移すことになり、移動角yにより偏荷重の不
足を補完することができる。ただし、この場合、2巻目
の山の頂部12aの移動角z´もこれに連動させること
となる。
【0022】基点X側の−間の角度は、全波ピッチ
角度(1.5θ)から移動角2y分だけ狭くなる。新た
なとの山の頂部12a間の角度を3等分し、全波ピ
ッチ角度(1.5β)とする。この結果、基点Xとの
中間位置の谷の底部3aは基点X側の移動角yの1/3
移動し、また基点Xとの中間にあるの山の頂部12
a(第2巻目の第1山部となる)も、基点X側に移動角
yの1/3移動する。すなわち、基点X側の山の頂部1
2aと谷の底部13aは、等間隔の波ピッチ角度(0.
5θ)から波ピッチ角度(0.5β=θ・1/2−y・
2/3)に縮小されることとなる。
角度(1.5θ)から移動角2y分だけ狭くなる。新た
なとの山の頂部12a間の角度を3等分し、全波ピ
ッチ角度(1.5β)とする。この結果、基点Xとの
中間位置の谷の底部3aは基点X側の移動角yの1/3
移動し、また基点Xとの中間にあるの山の頂部12
a(第2巻目の第1山部となる)も、基点X側に移動角
yの1/3移動する。すなわち、基点X側の山の頂部1
2aと谷の底部13aは、等間隔の波ピッチ角度(0.
5θ)から波ピッチ角度(0.5β=θ・1/2−y・
2/3)に縮小されることとなる。
【0023】第2巻目の図2(B)では、の山の頂部
12aが第1番目の位置となる。第1巻目のの山の頂
部12aとなる位置に、第2巻目の谷の底部13aが一
致するように重なり、の山の頂部位置には、−間
の谷の底部3aおよび13aが一致する。第2巻目の山
の頂部位置となる、、は、第1巻目の谷の底部3
aおよび13aと一致する。第2巻目では、第1巻目の
移動角yの移動量は、山の頂部2aと12aが谷の底部
3aと13aに置き換わるだけで、基点Xからの相対位
置関係は、全く同じになる。
12aが第1番目の位置となる。第1巻目のの山の頂
部12aとなる位置に、第2巻目の谷の底部13aが一
致するように重なり、の山の頂部位置には、−間
の谷の底部3aおよび13aが一致する。第2巻目の山
の頂部位置となる、、は、第1巻目の谷の底部3
aおよび13aと一致する。第2巻目では、第1巻目の
移動角yの移動量は、山の頂部2aと12aが谷の底部
3aと13aに置き換わるだけで、基点Xからの相対位
置関係は、全く同じになる。
【0024】したがって、第2巻目では、−間およ
び−間の谷の底部3aを、基点X側にそれぞれ移動
角yだけ移動させ、新たに谷の底部13aとし、拡大さ
れた波ピッチ角度αと縮小された波ピッチ角度βを設定
する。これと連動して、との山の頂部2aも同様に
基点X側に移動させて谷の底部13aと山の頂部12a
の間隔を均等にする。との山の頂部2aから12a
への移動量は、谷の底部の移動角yの1/2となる。な
お、第3巻目(図示せず)では、8番目のの山の頂部
がに一致し、9番目のの山の頂部がに一致して、
図2(A)のパターンと同じになる。
び−間の谷の底部3aを、基点X側にそれぞれ移動
角yだけ移動させ、新たに谷の底部13aとし、拡大さ
れた波ピッチ角度αと縮小された波ピッチ角度βを設定
する。これと連動して、との山の頂部2aも同様に
基点X側に移動させて谷の底部13aと山の頂部12a
の間隔を均等にする。との山の頂部2aから12a
への移動量は、谷の底部の移動角yの1/2となる。な
お、第3巻目(図示せず)では、8番目のの山の頂部
がに一致し、9番目のの山の頂部がに一致して、
図2(A)のパターンと同じになる。
【0025】図3は、波数nを4.5/巻とした場合の
例を示す。なお、図3では、基点Xからπ角ずらせたX
´に−間の谷の底部3aおよび13a一致させて示
し、説明を簡略にするために他の谷の底部は単に位置示
すだけにしてある。基点X−X´に対して、−およ
び−は対称の位置関係となる。また、の山の頂部
2aおよび12aは、第2巻目の1番目の山の頂部とな
る。
例を示す。なお、図3では、基点Xからπ角ずらせたX
´に−間の谷の底部3aおよび13a一致させて示
し、説明を簡略にするために他の谷の底部は単に位置示
すだけにしてある。基点X−X´に対して、−およ
び−は対称の位置関係となる。また、の山の頂部
2aおよび12aは、第2巻目の1番目の山の頂部とな
る。
【0026】この図3の場合も、図1(C)および図2
で説明したのと同様に考えることができる。等角度の波
ピッチ角度θ=2π/n=2π/4.5(rad)とす
ると、コイルスプリング表面での−−−−に
至る山の頂部2aの配置は、(1θ:1θ:1θ:1.
5θ)となる。したがって、との山の頂部2a間
は、他の部分の1.5倍の角度間隔があり、偏荷重を生
じる。
で説明したのと同様に考えることができる。等角度の波
ピッチ角度θ=2π/n=2π/4.5(rad)とす
ると、コイルスプリング表面での−−−−に
至る山の頂部2aの配置は、(1θ:1θ:1θ:1.
5θ)となる。したがって、との山の頂部2a間
は、他の部分の1.5倍の角度間隔があり、偏荷重を生
じる。
【0027】これに対し、本発明では、との山の頂
部2aを基点X側にy・1/2移動させて新たな頂部1
2aとして、−間の波ピッチ角度αを「θ+y」と
拡大する。これに連動させて、との山の頂部2aを
基点X側にy・3/2づつ移動させて新たな頂部12a
として、−間および−間の角度αも同様に「θ
+y」と拡大する。
部2aを基点X側にy・1/2移動させて新たな頂部1
2aとして、−間の波ピッチ角度αを「θ+y」と
拡大する。これに連動させて、との山の頂部2aを
基点X側にy・3/2づつ移動させて新たな頂部12a
として、−間および−間の角度αも同様に「θ
+y」と拡大する。
【0028】−間、−間および−間の波ピ
ッチ角度αは、「θ+y」と拡大された結果、−間
の全波ピッチ角度(1.5β)は、「1.5θ−3y」
と縮小される。これにより、表面での頂部12aの配置
は、 (θ+y):(θ+y):(θ+y):(1.5θ−3
y) となり、等間隔に近づけることができる。例えば、移動
角y=θ・1/10とすると、表面での頂部12aの配
置は、(1.1θ:1.1θ:1.1θ:1.2θ)と
なり、偏荷重の度合いを改善することができる。
ッチ角度αは、「θ+y」と拡大された結果、−間
の全波ピッチ角度(1.5β)は、「1.5θ−3y」
と縮小される。これにより、表面での頂部12aの配置
は、 (θ+y):(θ+y):(θ+y):(1.5θ−3
y) となり、等間隔に近づけることができる。例えば、移動
角y=θ・1/10とすると、表面での頂部12aの配
置は、(1.1θ:1.1θ:1.1θ:1.2θ)と
なり、偏荷重の度合いを改善することができる。
【0029】以上の関係を整理すると、以下の一般式が
成り立つ。 等間隔の波ピッチ角度 :θ=2π/n(rad) ・・・・・・(1) 拡大される波ピッチ角度:α=θ+y ・・・・・・(2) 縮小される波ピッチ角度:β=θ−y(n−1.5)/1.5 ・・・・(3) ( 参考:1.5β=1.5θ−(n−1.5)y ) 但し、n:波数/巻(整数+0.5)、y:1波ピッチ
分の移動角とする。
成り立つ。 等間隔の波ピッチ角度 :θ=2π/n(rad) ・・・・・・(1) 拡大される波ピッチ角度:α=θ+y ・・・・・・(2) 縮小される波ピッチ角度:β=θ−y(n−1.5)/1.5 ・・・・(3) ( 参考:1.5β=1.5θ−(n−1.5)y ) 但し、n:波数/巻(整数+0.5)、y:1波ピッチ
分の移動角とする。
【0030】縮小される全波ピッチ角度(1.5β)
は、拡大される波ピッチ角度αより小さくする必要がな
い。したがって、次の式が生じる。 α≦1.5β ・・・・・・(4) (2)および(3)式より、 θ+y≦1.5θ−y(n−1.5) y≦θ・0.5/(n−0.5) (1)式より、次の式が成り立つ。 y(rad)≦π/n(n−0.5)・・・・・・(5) また、(1)〜(3),(5)式およびθ<α,β>θ
であることから、以下の結果が得られる。 2π/n<α(rad)≦2π/(n−0.5) ・・・・・・(6) 2π/n>β(rad)≧2π/1.5(n−0.5)・・・・・・(7)
は、拡大される波ピッチ角度αより小さくする必要がな
い。したがって、次の式が生じる。 α≦1.5β ・・・・・・(4) (2)および(3)式より、 θ+y≦1.5θ−y(n−1.5) y≦θ・0.5/(n−0.5) (1)式より、次の式が成り立つ。 y(rad)≦π/n(n−0.5)・・・・・・(5) また、(1)〜(3),(5)式およびθ<α,β>θ
であることから、以下の結果が得られる。 2π/n<α(rad)≦2π/(n−0.5) ・・・・・・(6) 2π/n>β(rad)≧2π/1.5(n−0.5)・・・・・・(7)
【0031】したがって、移動角yは、波数nの関数と
なり波数が少なければ移動角を大きくし、波数が多けれ
ば小さくてよいといえる。この関係をグラフに示すと、
図5のようになり、曲線の下側が移動角yの範囲という
ことになる。移動角yの下限としては、ゼロでない限り
偏荷重は改善されるが、製造効率上の問題もあり、y≧
0.035π(rad)に設定するのが望ましい。
なり波数が少なければ移動角を大きくし、波数が多けれ
ば小さくてよいといえる。この関係をグラフに示すと、
図5のようになり、曲線の下側が移動角yの範囲という
ことになる。移動角yの下限としては、ゼロでない限り
偏荷重は改善されるが、製造効率上の問題もあり、y≧
0.035π(rad)に設定するのが望ましい。
【0032】図4は、図2に示す波数nを3.5とした
本発明によるコイルスプリング11を帯状に延ばした図
である。帯状に延ばした場合、波ピッチ角度αまたはβ
で示す間隔は、コイルスプリング11の巻回半径をrと
すると、実際はrαおよびrβの長さとなるが、図およ
び説明を簡略にするために、半径rの記載を省略してあ
る。また、と間およびと間の谷の底部13aを
1/2yを超えてΔzだけ矢印方向に移動させてもよ
い。この場合、2巻目のとの山の頂部もΔzだけ矢
印方向に移動させる。
本発明によるコイルスプリング11を帯状に延ばした図
である。帯状に延ばした場合、波ピッチ角度αまたはβ
で示す間隔は、コイルスプリング11の巻回半径をrと
すると、実際はrαおよびrβの長さとなるが、図およ
び説明を簡略にするために、半径rの記載を省略してあ
る。また、と間およびと間の谷の底部13aを
1/2yを超えてΔzだけ矢印方向に移動させてもよ
い。この場合、2巻目のとの山の頂部もΔzだけ矢
印方向に移動させる。
【0033】図4から明らかなように波のパターンは、
2α→1.5β→2α→1.5βの繰返しで、1.5β
のところで、山の頂部12aと谷の底部13aが入れ替
わる。図3に示す波数nを4.5とした場合も、図には
示していないが同様に考えることができ、3α→1.5
β→3α→1.5βの繰返しで、1.5βのところで、
山の頂部12aと谷の底部13aが入れ替わる。
2α→1.5β→2α→1.5βの繰返しで、1.5β
のところで、山の頂部12aと谷の底部13aが入れ替
わる。図3に示す波数nを4.5とした場合も、図には
示していないが同様に考えることができ、3α→1.5
β→3α→1.5βの繰返しで、1.5βのところで、
山の頂部12aと谷の底部13aが入れ替わる。
【0034】これを一般的なパターンに置き換えると、
(n−1.5)αと1.5βの繰返しパターンで形成す
ることができる。加工を施す帯状ばね板線材の長手方向
に対しては、コイルスプリング11の巻回半径をrとす
ると、(n−1.5)αrと1.5βrの繰返しで、こ
れに基づいて波型加工を行なえばよい。
(n−1.5)αと1.5βの繰返しパターンで形成す
ることができる。加工を施す帯状ばね板線材の長手方向
に対しては、コイルスプリング11の巻回半径をrとす
ると、(n−1.5)αrと1.5βrの繰返しで、こ
れに基づいて波型加工を行なえばよい。
【0035】次に、図1に戻って、本発明の具体例につ
いて説明する。コイルスプリング11の線材には、板厚
0.28mmの幅1.7mmのステンレス等のばね材か
らなる長尺線材を用いた。コイルスプリング11は、外
径dを22.6mm、スプリングの自由長eを4.9〜
5.2mm、巻数を4、波数/巻を3.5、移動角yを
8°とした。また、巻始端15および巻終端16は谷の
底部から1波の1/8〜2/8の長さで切断し、次の巻
目の山の傾斜面に沿うように屈曲させ、端部処理を行な
った。
いて説明する。コイルスプリング11の線材には、板厚
0.28mmの幅1.7mmのステンレス等のばね材か
らなる長尺線材を用いた。コイルスプリング11は、外
径dを22.6mm、スプリングの自由長eを4.9〜
5.2mm、巻数を4、波数/巻を3.5、移動角yを
8°とした。また、巻始端15および巻終端16は谷の
底部から1波の1/8〜2/8の長さで切断し、次の巻
目の山の傾斜面に沿うように屈曲させ、端部処理を行な
った。
【0036】波付け加工には、ウェーブツールの駆動制
御を従来の油圧サーボ制御やカム方式に代えて、電気サ
ーボモータ制御を用いた。本発明では、コイルスプリン
グの波の山部と谷部のピッチが等間隔でないため、電気
サーボモータ制御を用いることにより、精細でかつ高速
な加工を可能とした。
御を従来の油圧サーボ制御やカム方式に代えて、電気サ
ーボモータ制御を用いた。本発明では、コイルスプリン
グの波の山部と谷部のピッチが等間隔でないため、電気
サーボモータ制御を用いることにより、精細でかつ高速
な加工を可能とした。
【0037】上述した本発明により作成されたコイルス
プリングを、図7に示す測定方法で偏荷重Qを測定した
結果、0°.53′〜1°.24′の範囲で、実用上問
題のないスプリング特性を得ることができた。これに対
し、従来の同じ寸法のコイルスプリングでは、偏荷重Q
は1°30′〜1°50′であり、本発明により偏荷重
を改善することができた。
プリングを、図7に示す測定方法で偏荷重Qを測定した
結果、0°.53′〜1°.24′の範囲で、実用上問
題のないスプリング特性を得ることができた。これに対
し、従来の同じ寸法のコイルスプリングでは、偏荷重Q
は1°30′〜1°50′であり、本発明により偏荷重
を改善することができた。
【0038】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、コイルドウェーブスプリングの巻始端および
巻終端の摩損処理を行なうことにより生じるスプリング
受け面とのアンバランスな接触位置を修正できる。これ
により、コイルドウェーブスプリングの偏荷重を小さく
してスプリング特性の低下を防止することができる。
によれば、コイルドウェーブスプリングの巻始端および
巻終端の摩損処理を行なうことにより生じるスプリング
受け面とのアンバランスな接触位置を修正できる。これ
により、コイルドウェーブスプリングの偏荷重を小さく
してスプリング特性の低下を防止することができる。
【図1】本発明による波数が3.5/巻のコイルスプリ
ングの概略を示す図である。
ングの概略を示す図である。
【図2】本発明による波数が3.5/巻のコイルスプリ
ングの詳細を示す図である。
ングの詳細を示す図である。
【図3】本発明による波数が4.5/巻のコイルスプリ
ングの詳細を示す図である。
ングの詳細を示す図である。
【図4】本発明によるコイルスプリングを帯状に延ばし
た図である。
た図である。
【図5】本発明による移動角と波数との相関関係を示す
図である。
図である。
【図6】コイルスプリングの偏荷重の測定方法を示す図
である。
である。
【図7】従来のコイルスプリングの一例を示す図であ
る。
る。
【図8】従来のコイルスプリングの1巻目を示す図であ
る。
る。
【図9】従来のコイルスプリングの他の例の1巻目を示
す図である。
す図である。
11…コイルドウェーブスプリング(コイルスプリン
グ)、12…山部、2a,12a…山の頂部、13…谷
部、3a,13a…谷の底部、14…山部と谷部の接触
部、15…巻始端、16…巻終端、17…スプリング受
け面、θ…等間隔の波ピッチ角度、α…拡大される波ピ
ッチ角度、β…縮小される波ピッチ角度、y…移動角。
グ)、12…山部、2a,12a…山の頂部、13…谷
部、3a,13a…谷の底部、14…山部と谷部の接触
部、15…巻始端、16…巻終端、17…スプリング受
け面、θ…等間隔の波ピッチ角度、α…拡大される波ピ
ッチ角度、β…縮小される波ピッチ角度、y…移動角。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
F16F 1/06
B21F 35/00
B21D 11/07
B21D 13/00
B21D 53/00
Claims (5)
- 【請求項1】 細幅の帯状ばね板線材を幅方向で螺旋状
に巻回し、巻回された線材が厚さ方向に波型に加工され
て前の巻回の山部と次の巻回の谷部が重ねられ、巻回の
始端および終端を次の巻回の谷部に向かって湾曲または
平行にして、取付け面に対して摺接が生じないように端
部処理したコイルドウェーブスプリングであって、 1巻の波数をn=(整数+0.5)としたき、少なくと
もスプリング両端の巻回分に対して、(n−1.5)波
分の1波ピッチ角度α(rad)を2π/n<α≦2π
/(n−0.5)とし、 1.5波分の1波ピッチ角度β(rad)を2π/n>
β≧2π/1.5(n−0.5)とし、 2π=(n−1.5)α+1.5β を満足させるように形成したことを特徴とするコイルド
ウェーブスプリング。 - 【請求項2】 等間隔の1波ピッチ角度をθ=2π/n
(rad)とし、移動角をy(rad)としたとき、前
記波ピッチ角度α(rad)は、θ+yであり、前記波
ピッチ角度β(rad)は、θ−y(n−1.5)/
1.5であり、前記移動角yは、π/n(n−0.5)
以下であることを特徴とする請求項1に記載にコイルド
ウェーブスプリング。 - 【請求項3】 前記巻回の波数をnが、3.5または
4.5または5.5であることを特徴とする請求項1ま
たは2に記載のコイルドウェーブスプリング。 - 【請求項4】 細幅の帯状ばね板線材を幅方向で螺旋状
に巻回し、巻回された線材を厚さ方向に波型に加工して
前の巻回の山部と次の巻回の谷部を重ね、巻回の始端お
よび終端を次の巻回の谷部に向かって湾曲または平行に
して、取付け面に対して摺接が生じないように端部処理
したコイルドウェーブスプリングの製造方法であって、 1巻の波数をn=(整数+0.5)とし、少なくともス
プリング両端の巻回分に対して、(n−1.5)波分の
1波ピッチ角度α(rad)を2π/n<α≦2π/
(n−0.5)とし、 1.5波分の1波ピッチ角度β(rad)を2π/n>
β≧2π/1.5(n−0.5)とし、 2π=(n−1.5)α+1.5β を満足させ、巻回の半径をrとしたとき、(n−1.
5)αrと1.5βrの波パターンを交互に繰返して波
型に加工することを特徴とするコイルドウェーブスプリ
ングの製造方法。 - 【請求項5】 前記波型の加工に電気サーボモータ制御
を用いることを特徴とする請求項4に記載のコイルドウ
ェーブスプリングの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001040889A JP3507801B2 (ja) | 2001-02-16 | 2001-02-16 | コイルドウェーブスプリングおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001040889A JP3507801B2 (ja) | 2001-02-16 | 2001-02-16 | コイルドウェーブスプリングおよびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002242969A JP2002242969A (ja) | 2002-08-28 |
JP3507801B2 true JP3507801B2 (ja) | 2004-03-15 |
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ID=18903403
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JP4611244B2 (ja) | 2006-05-31 | 2011-01-12 | 株式会社パイオラックス | 波形コイルばね |
DE102009011388B3 (de) * | 2009-03-03 | 2010-08-05 | Harting Electronics Gmbh & Co. Kg | Steckverbinder für Lichtwellenleiter |
AU2010230180B2 (en) | 2009-03-31 | 2014-11-13 | Sanofi-Aventis Deutschland Gmbh | Medical device having a mechanism with a spring and use of a wave spring or wave washer within a medical device |
CN106964732A (zh) * | 2017-05-22 | 2017-07-21 | 乐清市力升弹簧有限公司 | 一种波形弹簧的波峰波谷成型方法及装置 |
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US11867247B2 (en) * | 2021-09-13 | 2024-01-09 | Rotor Clip Company, Inc. | Multiple variable turn wave springs, methods of pre-loading components with said springs, and methods of manufacturing said springs |
CN114060441A (zh) * | 2021-12-22 | 2022-02-18 | 深圳市优必选科技股份有限公司 | 一种波形弹簧 |
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2001
- 2001-02-16 JP JP2001040889A patent/JP3507801B2/ja not_active Expired - Fee Related
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