JP3507801B2 - コイルドウェーブスプリングおよびその製造方法 - Google Patents

コイルドウェーブスプリングおよびその製造方法

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JP3507801B2
JP3507801B2 JP2001040889A JP2001040889A JP3507801B2 JP 3507801 B2 JP3507801 B2 JP 3507801B2 JP 2001040889 A JP2001040889 A JP 2001040889A JP 2001040889 A JP2001040889 A JP 2001040889A JP 3507801 B2 JP3507801 B2 JP 3507801B2
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貢一 高山
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日本ステンレススプリング株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車エンジンの
冷却水ポンプの軸封装置や、エンジン出力の伝達媒体の
クラッチ付勢に用いられるコイルドウェーブスプリング
とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車エンジンの冷却水ポンプの軸封装
置やエンジン出力の伝達媒体のクラッチ装置で、装置の
小型化に適した薄型のコイルドウェーブスプリングを用
いることが知られている。(実開平5−54833号公
報、特開平11−44365号公報参照)
【0003】図7は、従来知られているコイルドウェー
ブスプリングの一例を示す図である。図中、1はコイル
ドウェーブスプリング(以下、コイルスプリングとい
う)、2は波の山部、3は波の谷部、4は山部と谷部の
接触部、5は巻始端、6は巻終端を示す。コイルスプリ
ング1は、細幅の帯状ばね線材を幅方向で螺旋状に巻回
し、巻回された線材が厚さ方向に所定のピッチで波型に
加工して、前の巻回の山部と次の巻回の谷部が重なるよ
うにして形成されている。
【0004】コイルスプリング1の各巻回の山部2は、
次の巻回の谷部3と接触部4で互いに重なるように、1
巻回の波数は、例えば、3.5/巻、4.5/巻、・・
・n/巻(n=整数+0.5)というように設定されて
いる。なお、山部2と谷部3は対称形状で、巻回面のい
ずれの面側から見るかによって、山部と谷部が入れ替わ
る相対的なものである。また、巻始端5と巻終端6も同
様に相対的なものである。
【0005】図8は、図7のコイルスプリング1の第1
巻目を示す図で、図8(A)は、スプリング受け面7と
の接触状態を示し、図8(B)はスプリング受け面7と
の接触位置8を示す。図8は、巻始端5および巻終端6
を、波型加工面の途中の波面でカットしたもので、その
巻始端5は、スプリング受け部7に接触する。接触位置
8は、実質上は山部2の頂部と一致し、巻始端5または
巻終端6を加えた4点となる。
【0006】図8(A)に示すように、コイルスプリン
グ1に圧縮荷重Pを繰返し作用させると、負荷ごとに圧
縮応力が生じ、これに伴ってコイルスプリング1に圧縮
荷重Pとバランスする弾性変形が生じる。この弾性変形
は、巻始端5および巻終端6にスプリング受け面7に摺
接加圧力として伝達される。繰返しの摺接により、巻始
端5および巻終端6は摩損し、また、これによりスプリ
ング受け面7に傷を与え、スプリング1の作動不安定を
引き起こす可能性がある。また、これらの巻始端5およ
び巻終端6は、コイルスプリング同士での絡みを起こ
し、製造工程での扱いを悪くしている。
【0007】図9は、図8の上述した点を改善したもの
で、前記の実開平5−54833号公報で開示されてい
る。図9(A)は、スプリング受け面7との接触状態を
示し、図9(B)はスプリング受け面7との接触位置8
を示す。この図9では、コイルスプリング1の巻始端5
および巻終端6を、次の巻回の谷部3に向かって延びる
ように屈曲させ、かつ端部が谷部3の底部に至らない傾
斜面上に位置するように形成している。この結果、巻始
端5および巻終端6は、スプリング受け面7には接触せ
ず、圧縮荷重Pによる摺接は生じず、摩損を防止するこ
とができる。
【0008】コイルスプリング1の山部2および谷部3
は等間隔に形成されるので、隣接する山部2間の波ピッ
チ角度θは2π/nとなる。山部2と谷部3間の角度
は、その1/2でπ/nとなる。したがって、波数nを
3.5とした場合、図9(B)に示すように、1巻目の
表面におけるスプリング受け面7との接触位置8(実質
は山部2の頂部と一致)は、3点の「1θ:1θ:1.
5θ」という非等間隔な配置となる。
【0009】図8(B)では、巻始端5および巻終端6
がスプリング受け面7との接触位置を形成して4点とす
ることができるのになる対し、図9(B)では、スプリ
ング受け面7との接触位置8が3点と少なくなる。さら
に、巻始端5および巻終端6側の接触位置間隔が1.5
θと他の側と比べて広くなるため、3つの各接触位置8
でのばね常数が異なり、荷重を受ける力がアンバランス
となる。
【0010】図9(B)のコイルスプリング1を、図6
に示すような荷重検査装置で偏荷重を測定すると、コイ
ルスプリング1の面荷重がバランスせず、偏荷重Qが生
じ、スプリング特性が低下するという問題が生じる。偏
荷重Qも波数nが多ければ、実質上は問題ないが、1巻
当たりの波数が少ない最小値ともいえる3.5/巻では
影響が顕著である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した事
情に鑑みてなされたもので、巻始端または巻終端の摩損
や絡みを防止するとともに、偏荷重が生じるのを抑制し
たコイルスプリングとその製造方法の提供を課題とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明のコイルドウェー
ブスプリングは、細幅の帯状ばね板線材を幅方向で螺旋
状に巻回し、巻回された線材が厚さ方向に波型に加工さ
れて前の巻回の山部と次の巻回の谷部が重ねられ、巻回
の始端および終端を次の巻回の谷部に向かって湾曲また
は平行にして、取付け面に対して摺接が生じないように
端部処理したコイルドウェーブスプリングであって、1
巻の波数をn(整数+0.5)としたき、少なくともス
プリング両端の巻回分に対して、(n−1.5)波分の
1波ピッチ角度α(rad)を2π/n<α≦2π/
(n−0.5)とし、1.5波分の1波ピッチ角度β
(rad)を2π/n>β≧2π/1.5(n−0.
5)とし、 2π=(n−1.5)α+1.5β を満足させるように形成したことを特徴とする。
【0013】また、本発明のコイルドウェーブスプリン
グの製造方法は、細幅の帯状ばね板線材を幅方向で螺旋
状に巻回し、巻回された線材を厚さ方向に波型に加工し
て前の巻回の山部と次の巻回の谷部を重ね、巻回の始端
および終端を次の巻回の谷部に向かって湾曲または平行
にして、取付け面に対して摺接が生じないように端部処
理したコイルドウェーブスプリングの製造方法であっ
て、1巻の波数をn(整数+0.5)としたき、少なく
ともスプリング両端の巻回分に対して、(n−1.5)
波分の1波ピッチ角度α(rad)を2π/n<α≦2
π/(n−0.5)」とし、1.5波分の1波ピッチ角
度β(rad)を2π/n>β≧2π/1.5(n−
0.5)とし、 2π=(n−1.5)α+1.5β を満足させ、巻回の半径をrとしたとき、(n−1.
5)αrと1.5βrの波パターンを交互に繰返して波
型に加工することを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】図により、本発明の実施の形態を
説明する。図1は、本発明による波数が3.5/巻のコ
イルスプリングの例を示し、図1(A)はコイルスプリ
ング全体の側面を示し、図2(B)は巻始端部の詳細を
示し、図1(C)は1巻目の上面を示す図である。図
中、11はコイルドウェーブスプリング(以下、コイル
スプリングという)、12は山部、2aおよび12aは
山の頂部、13は谷部、3aおよび13aは谷の底部、
14は山部と谷部の接触部、15は巻始端、16は巻終
端、17はスプリング受け面、θは等間隔の波ピッチ角
度、αは拡大された波ピッチ角度、βは縮小された波ピ
ッチ角度を示す。
【0015】コイルスプリング11は、右ねじ方向に巻
回するものとし、説明を容易にするため図1(C)に
は、1番目の山の頂部位置を、2番目の山の頂部位置
を、3番目の山の頂部位置を、4番目の山の頂部位
置(第2巻目の1番目の山の頂部位置となる)をとし
て、山の頂部12aを太書きの○印で示す。また、谷の
底部13aは、それぞれの山の頂部12a間を等分した
中間位置にあり、太書きの△印で示す。なお、細書きの
○印および△印は、等間隔の波ピッチ角度θで形成され
た場合の山の頂部2aおよび谷の底部3aを示す。
【0016】本発明によるコイルスプリング11は、従
来の図9で説明したものと同様に、巻始端15および巻
終端16を、次の巻回の谷部13に向かって延びるよう
に屈曲または平行にして、取付け面に対して摺接圧接力
が生じないように端部処理する。また、等間隔の波ピッ
チ角度θで形成される場合の山の頂部2aおよび谷の底
部3aは、従来の図9の位置と同じにしてある。そし
て、本発明では、コイルスプリング11のの山の頂部
2aと12aの位置を同じとした場合、との山の頂
部12aの位置を頂部2aから移動角yだけ側に移動
させる。谷の底部13aも山の頂部12aの移動に連動
させて、底部3aの位置から側に移動させる。
【0017】波数3.5/巻、等間隔の波ピッチ角度θ
=2π/n=2π/3.5(rad)とすると、従来技
術で説明したように、巻表面の−−−に至る山
の頂部2aの配置は、(1θ:1θ:1.5θ)とな
る。これに対し、本発明では、−間および−間
の波ピッチ角度αは、(θ+y)と拡大され、−間
の全波ピッチ角度(1.5β)は、(1.5θ−2y)
と狭められる。これにより、表面での頂部12aの配置
は、 (θ+y):(θ+y):(1.5θ−2y) となり、等間隔に近づけることができる。例えば、移動
角y=θ・1/10とすると、表面での頂部12aの配
置は、(1.1θ:1.1θ:1.3θ)となり、偏荷
重の度合いを改善することができる。
【0018】なお、山の頂部および谷の底部の等間隔位
置からの移動は、コイルスプリング11の少なくともス
プリング受け面17と接する両端面の巻回部分(それぞ
れの端面側から見て1巻目)で形成されていればよい。
コイルスプリング11が複数の巻回で形成されている場
合、偏荷重が生じるのは、スプリング受け面17と接す
る巻回部分であり、中間の巻回部分は偏荷重が順次緩和
されるからである。しかし、製造上の理由から全ての巻
回部分を同じ波パターンで形成してもよい。
【0019】さらに、これらの関係について、図2によ
り詳述する。図2(A)はコイルスプリング11(波数
n:3.5/巻)の第1巻目を示し、図2(B)はその
第2巻目を示す図である。なお、図1(C)で説明した
のと同様に、本発明による山の頂部12aは太書きの○
印、谷の底部13aを太書きの△印で示し、等間隔の波
ピッチθで配置した山の頂部2aは細書きの○印、谷の
底部3aを細書きの△印で示し、詳細説明を省略する。
基点Xは説明の便宜上設定したもので巻始端15に相当
するが、この基点Xからπ角だけずらした位置X´に
の山の頂部2aおよび12aがあるものとする。
【0020】図2(A)では、の位置から反時計方向
のの位置と時計方向のの位置は、基点X−X´に対
して対称の位置関係となる。本発明では、上述したよう
に等間隔の波ピッチ角度θで設定した山の頂部2aを、
およびでは、移動角yだけ基点X側に移動させて、
新たに山の頂部12aとし、拡大された波ピッチ角度α
と縮小された波ピッチ角度βを設定する。これと連動し
て、−間の中間位置および−間の中間位置にあ
る谷の底部3aも同様に、基点X側に移動させる。
【0021】谷の底部3aから13aへの移動角zは、
山の頂部の移動角yの1/2として、−間および
−間で均等に割振ってよいが、この移動角zは、1/
2y以上としてもよい。山の底部13aの移動角zを多
目にすることにより、偏荷重の生じる基点X側に荷重モ
ーメントを移すことになり、移動角yにより偏荷重の不
足を補完することができる。ただし、この場合、2巻目
の山の頂部12aの移動角z´もこれに連動させること
となる。
【0022】基点X側の−間の角度は、全波ピッチ
角度(1.5θ)から移動角2y分だけ狭くなる。新た
なとの山の頂部12a間の角度を3等分し、全波ピ
ッチ角度(1.5β)とする。この結果、基点Xとの
中間位置の谷の底部3aは基点X側の移動角yの1/3
移動し、また基点Xとの中間にあるの山の頂部12
a(第2巻目の第1山部となる)も、基点X側に移動角
yの1/3移動する。すなわち、基点X側の山の頂部1
2aと谷の底部13aは、等間隔の波ピッチ角度(0.
5θ)から波ピッチ角度(0.5β=θ・1/2−y・
2/3)に縮小されることとなる。
【0023】第2巻目の図2(B)では、の山の頂部
12aが第1番目の位置となる。第1巻目のの山の頂
部12aとなる位置に、第2巻目の谷の底部13aが一
致するように重なり、の山の頂部位置には、−間
の谷の底部3aおよび13aが一致する。第2巻目の山
の頂部位置となる、、は、第1巻目の谷の底部3
aおよび13aと一致する。第2巻目では、第1巻目の
移動角yの移動量は、山の頂部2aと12aが谷の底部
3aと13aに置き換わるだけで、基点Xからの相対位
置関係は、全く同じになる。
【0024】したがって、第2巻目では、−間およ
び−間の谷の底部3aを、基点X側にそれぞれ移動
角yだけ移動させ、新たに谷の底部13aとし、拡大さ
れた波ピッチ角度αと縮小された波ピッチ角度βを設定
する。これと連動して、との山の頂部2aも同様に
基点X側に移動させて谷の底部13aと山の頂部12a
の間隔を均等にする。との山の頂部2aから12a
への移動量は、谷の底部の移動角yの1/2となる。な
お、第3巻目(図示せず)では、8番目のの山の頂部
がに一致し、9番目のの山の頂部がに一致して、
図2(A)のパターンと同じになる。
【0025】図3は、波数nを4.5/巻とした場合の
例を示す。なお、図3では、基点Xからπ角ずらせたX
´に−間の谷の底部3aおよび13a一致させて示
し、説明を簡略にするために他の谷の底部は単に位置示
すだけにしてある。基点X−X´に対して、−およ
び−は対称の位置関係となる。また、の山の頂部
2aおよび12aは、第2巻目の1番目の山の頂部とな
る。
【0026】この図3の場合も、図1(C)および図2
で説明したのと同様に考えることができる。等角度の波
ピッチ角度θ=2π/n=2π/4.5(rad)とす
ると、コイルスプリング表面での−−−−に
至る山の頂部2aの配置は、(1θ:1θ:1θ:1.
5θ)となる。したがって、との山の頂部2a間
は、他の部分の1.5倍の角度間隔があり、偏荷重を生
じる。
【0027】これに対し、本発明では、との山の頂
部2aを基点X側にy・1/2移動させて新たな頂部1
2aとして、−間の波ピッチ角度αを「θ+y」と
拡大する。これに連動させて、との山の頂部2aを
基点X側にy・3/2づつ移動させて新たな頂部12a
として、−間および−間の角度αも同様に「θ
+y」と拡大する。
【0028】−間、−間および−間の波ピ
ッチ角度αは、「θ+y」と拡大された結果、−間
の全波ピッチ角度(1.5β)は、「1.5θ−3y」
と縮小される。これにより、表面での頂部12aの配置
は、 (θ+y):(θ+y):(θ+y):(1.5θ−3
y) となり、等間隔に近づけることができる。例えば、移動
角y=θ・1/10とすると、表面での頂部12aの配
置は、(1.1θ:1.1θ:1.1θ:1.2θ)と
なり、偏荷重の度合いを改善することができる。
【0029】以上の関係を整理すると、以下の一般式が
成り立つ。 等間隔の波ピッチ角度 :θ=2π/n(rad) ・・・・・・(1) 拡大される波ピッチ角度:α=θ+y ・・・・・・(2) 縮小される波ピッチ角度:β=θ−y(n−1.5)/1.5 ・・・・(3) ( 参考:1.5β=1.5θ−(n−1.5)y ) 但し、n:波数/巻(整数+0.5)、y:1波ピッチ
分の移動角とする。
【0030】縮小される全波ピッチ角度(1.5β)
は、拡大される波ピッチ角度αより小さくする必要がな
い。したがって、次の式が生じる。 α≦1.5β ・・・・・・(4) (2)および(3)式より、 θ+y≦1.5θ−y(n−1.5) y≦θ・0.5/(n−0.5) (1)式より、次の式が成り立つ。 y(rad)≦π/n(n−0.5)・・・・・・(5) また、(1)〜(3),(5)式およびθ<α,β>θ
であることから、以下の結果が得られる。 2π/n<α(rad)≦2π/(n−0.5) ・・・・・・(6) 2π/n>β(rad)≧2π/1.5(n−0.5)・・・・・・(7)
【0031】したがって、移動角yは、波数nの関数と
なり波数が少なければ移動角を大きくし、波数が多けれ
ば小さくてよいといえる。この関係をグラフに示すと、
図5のようになり、曲線の下側が移動角yの範囲という
ことになる。移動角yの下限としては、ゼロでない限り
偏荷重は改善されるが、製造効率上の問題もあり、y≧
0.035π(rad)に設定するのが望ましい。
【0032】図4は、図2に示す波数nを3.5とした
本発明によるコイルスプリング11を帯状に延ばした図
である。帯状に延ばした場合、波ピッチ角度αまたはβ
で示す間隔は、コイルスプリング11の巻回半径をrと
すると、実際はrαおよびrβの長さとなるが、図およ
び説明を簡略にするために、半径rの記載を省略してあ
る。また、と間およびと間の谷の底部13aを
1/2yを超えてΔzだけ矢印方向に移動させてもよ
い。この場合、2巻目のとの山の頂部もΔzだけ矢
印方向に移動させる。
【0033】図4から明らかなように波のパターンは、
2α→1.5β→2α→1.5βの繰返しで、1.5β
のところで、山の頂部12aと谷の底部13aが入れ替
わる。図3に示す波数nを4.5とした場合も、図には
示していないが同様に考えることができ、3α→1.5
β→3α→1.5βの繰返しで、1.5βのところで、
山の頂部12aと谷の底部13aが入れ替わる。
【0034】これを一般的なパターンに置き換えると、
(n−1.5)αと1.5βの繰返しパターンで形成す
ることができる。加工を施す帯状ばね板線材の長手方向
に対しては、コイルスプリング11の巻回半径をrとす
ると、(n−1.5)αrと1.5βrの繰返しで、こ
れに基づいて波型加工を行なえばよい。
【0035】次に、図1に戻って、本発明の具体例につ
いて説明する。コイルスプリング11の線材には、板厚
0.28mmの幅1.7mmのステンレス等のばね材か
らなる長尺線材を用いた。コイルスプリング11は、外
径dを22.6mm、スプリングの自由長eを4.9〜
5.2mm、巻数を4、波数/巻を3.5、移動角yを
8°とした。また、巻始端15および巻終端16は谷の
底部から1波の1/8〜2/8の長さで切断し、次の巻
目の山の傾斜面に沿うように屈曲させ、端部処理を行な
った。
【0036】波付け加工には、ウェーブツールの駆動制
御を従来の油圧サーボ制御やカム方式に代えて、電気サ
ーボモータ制御を用いた。本発明では、コイルスプリン
グの波の山部と谷部のピッチが等間隔でないため、電気
サーボモータ制御を用いることにより、精細でかつ高速
な加工を可能とした。
【0037】上述した本発明により作成されたコイルス
プリングを、図7に示す測定方法で偏荷重Qを測定した
結果、0°.53′〜1°.24′の範囲で、実用上問
題のないスプリング特性を得ることができた。これに対
し、従来の同じ寸法のコイルスプリングでは、偏荷重Q
は1°30′〜1°50′であり、本発明により偏荷重
を改善することができた。
【0038】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、コイルドウェーブスプリングの巻始端および
巻終端の摩損処理を行なうことにより生じるスプリング
受け面とのアンバランスな接触位置を修正できる。これ
により、コイルドウェーブスプリングの偏荷重を小さく
してスプリング特性の低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による波数が3.5/巻のコイルスプリ
ングの概略を示す図である。
【図2】本発明による波数が3.5/巻のコイルスプリ
ングの詳細を示す図である。
【図3】本発明による波数が4.5/巻のコイルスプリ
ングの詳細を示す図である。
【図4】本発明によるコイルスプリングを帯状に延ばし
た図である。
【図5】本発明による移動角と波数との相関関係を示す
図である。
【図6】コイルスプリングの偏荷重の測定方法を示す図
である。
【図7】従来のコイルスプリングの一例を示す図であ
る。
【図8】従来のコイルスプリングの1巻目を示す図であ
る。
【図9】従来のコイルスプリングの他の例の1巻目を示
す図である。
【符号の説明】
11…コイルドウェーブスプリング(コイルスプリン
グ)、12…山部、2a,12a…山の頂部、13…谷
部、3a,13a…谷の底部、14…山部と谷部の接触
部、15…巻始端、16…巻終端、17…スプリング受
け面、θ…等間隔の波ピッチ角度、α…拡大される波ピ
ッチ角度、β…縮小される波ピッチ角度、y…移動角。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16F 1/06 B21F 35/00 B21D 11/07 B21D 13/00 B21D 53/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 細幅の帯状ばね板線材を幅方向で螺旋状
    に巻回し、巻回された線材が厚さ方向に波型に加工され
    て前の巻回の山部と次の巻回の谷部が重ねられ、巻回の
    始端および終端を次の巻回の谷部に向かって湾曲または
    平行にして、取付け面に対して摺接が生じないように端
    部処理したコイルドウェーブスプリングであって、 1巻の波数をn=(整数+0.5)としたき、少なくと
    もスプリング両端の巻回分に対して、(n−1.5)波
    分の1波ピッチ角度α(rad)を2π/n<α≦2π
    /(n−0.5)とし、 1.5波分の1波ピッチ角度β(rad)を2π/n>
    β≧2π/1.5(n−0.5)とし、 2π=(n−1.5)α+1.5β を満足させるように形成したことを特徴とするコイルド
    ウェーブスプリング。
  2. 【請求項2】 等間隔の1波ピッチ角度をθ=2π/n
    (rad)とし、移動角をy(rad)としたとき、前
    記波ピッチ角度α(rad)は、θ+yであり、前記波
    ピッチ角度β(rad)は、θ−y(n−1.5)/
    1.5であり、前記移動角yは、π/n(n−0.5)
    以下であることを特徴とする請求項1に記載にコイルド
    ウェーブスプリング。
  3. 【請求項3】 前記巻回の波数をnが、3.5または
    4.5または5.5であることを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載のコイルドウェーブスプリング。
  4. 【請求項4】 細幅の帯状ばね板線材を幅方向で螺旋状
    に巻回し、巻回された線材を厚さ方向に波型に加工して
    前の巻回の山部と次の巻回の谷部を重ね、巻回の始端お
    よび終端を次の巻回の谷部に向かって湾曲または平行に
    して、取付け面に対して摺接が生じないように端部処理
    したコイルドウェーブスプリングの製造方法であって、 1巻の波数をn=(整数+0.5)とし、少なくともス
    プリング両端の巻回分に対して、(n−1.5)波分の
    1波ピッチ角度α(rad)を2π/n<α≦2π/
    (n−0.5)とし、 1.5波分の1波ピッチ角度β(rad)を2π/n>
    β≧2π/1.5(n−0.5)とし、 2π=(n−1.5)α+1.5β を満足させ、巻回の半径をrとしたとき、(n−1.
    5)αrと1.5βrの波パターンを交互に繰返して波
    型に加工することを特徴とするコイルドウェーブスプリ
    ングの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記波型の加工に電気サーボモータ制御
    を用いることを特徴とする請求項4に記載のコイルドウ
    ェーブスプリングの製造方法。
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