JP3507645B2 - 圧延用モータ内蔵ロール装置及びこのロール装置を用いた圧延装置 - Google Patents

圧延用モータ内蔵ロール装置及びこのロール装置を用いた圧延装置

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JP3507645B2
JP3507645B2 JP04223497A JP4223497A JP3507645B2 JP 3507645 B2 JP3507645 B2 JP 3507645B2 JP 04223497 A JP04223497 A JP 04223497A JP 4223497 A JP4223497 A JP 4223497A JP 3507645 B2 JP3507645 B2 JP 3507645B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧延用モータ内蔵
ロール装置及びこのロール装置を用いた圧延装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、鉄鋼等の熱間圧延用ミルや冷間圧
延用ミル等の圧延装置としては、例えば図6に示すよう
な構成のものがある。図6に示す圧延装置は、圧延スタ
ンド21のほぼ中央部に被圧延材料27を圧延する上下
一対のワークロール22が回転自在に支持されると共
に、その上下段部に一対のバックアップロール23が回
転自在に支持され、また圧延スタンド21の上部及び下
部間に跨がって上下一対のワークロール22をバックア
ップロール23を介して油圧系統により加圧するロール
加圧装置24が設けられている。
【0003】一方、圧延装置の外部に設置された基台2
5上には、各ワークロール22に対応させて駆動用モー
タ26が取付けられ、これら駆動用モータ26の回転軸
はスピンドルシャフト27を介してワークロール22の
回転軸に連結され、各駆動用モータ26の回転がそれぞ
れ対応するワークロール22に伝達されるようになって
いる。
【0004】しかし、このような構成の圧延装置におい
ては、外部に設置されたロール駆動モータ26よりスピ
ンドルシャフト27を介してワークロール22に回転力
を伝達する構成のため、圧延装置全体の設備に多大なス
ペースが必要であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】最近、ロールを駆動す
るモータを内蔵したロール装置として、例えば実願昭6
0−24012号のマイクロフイルム(実開昭61−1
39912号)に示すような金属間圧延設備のホットラ
ンテーブル等に使用される電動機内蔵搬送用ローラ装置
がある。
【0006】この電動機内蔵搬送用ローラ装置は、一対
の支持台に電動機の固定子を取付けた固定軸の両端部を
固定し、この固定軸の一端側に固定子に対応させて回転
子を取付けた回転子フレームを軸受を介して回転自在に
支持し、この回転子フレームに中空のローラの一端部を
固着すると共に、他端側に形成されたボス部を固定軸の
他端側に軸受を介して回転自在に支持する構成としたも
のである。
【0007】しかし、かかる電動機内蔵搬送用ローラ装
置は、圧延材の搬送経路に設けられ、ローラの回転によ
り圧延材を搬送するものではあるが、ローラ内部に固定
軸に取付けられた固定子に対応させて回転子をフレーム
に取付ける通常のモータと同様の構造としてあるため、
部品点数が多く、しかも発熱量も多い。
【0008】従って、上記電動機内蔵搬送用ローラ装置
を圧延装置に使用すると、圧延用のロールが圧延荷重の
ため100℃以上の温度になることがあるため、ロール
内に種々の電気部品を設けることは冷却が困難になると
いう問題がある。
【0009】また、圧延用のロールは圧延力を発生させ
るため、強大な力を伝える必要があり、そのためには機
械的強度に十分耐えられるものでなければならない。さ
らに、ロールは表面のメンテナンス等により、一定期間
毎に交換する必要があり、ロールの交換及びセットアッ
プ中は設備の操業が停止となるため、交換及びセットア
ップを短時間で行なう必要がある。
【0010】一方、ロールは上下方向の加圧力を変えて
圧延材料の厚さを調整しているが、上下方向の加圧は圧
延装置のスタンド上部に設置された加圧装置を油圧装置
により駆動して得ているため、応答速度が遅いという問
題がある。
【0011】本発明は上記のような事情に鑑みなされた
もので、スペース効率が高く、保守が容易で応答性の良
い圧延用モータ内蔵ロール装置及びこのロール装置を用
いた圧延装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するため、次のような手段により圧延用モータ内蔵ロ
ール装置及びこのロール装置を用いた圧延装置を構成す
るものである。請求項1に対応する発明は、支持台に固
定子鉄心の両端軸部が固定され、且つ前記固定子鉄心に
電機子巻線が巻装された固定子と、この固定子を中心に
その外側を包囲するように設けられると共にその両端部
を前記固定子側に軸受を介して回転自在に支持され、且
つ前記固定子鉄心との対応面に複数極の界磁発生用の永
久磁石を設けて回転子を構成したロールとを備えたもの
である。
【0013】従って、このような構成の圧延用モータ内
蔵ロール装置とすれば、ロール内に駆動用モータを内蔵
しているので、圧延スタンド外部に駆動用モータを設置
する必要がなく、圧延設備全体のスペースを小さくする
ことができる。また、回転子側が永久磁石なので、冷却
が不要であり、さらに絶縁物を使用していないので、高
温にさらすことが可能となる。
【0014】請求項2に対応する発明は、請求項1に対
応する発明の圧延用モータ内蔵ロール装置において、前
記固定子側の電機子巻線に超電導線を用い、この超電導
線を冷媒により冷却するようにしたものである。
【0015】従って、このような構成の圧延用モータ内
蔵ロール装置とすれば、固定子側の電機子巻線に超電導
線を使用しているので、発熱がなく高い電流密度が得ら
れるので、高効率、高出力のモータを構成することがで
きる。
【0016】請求項3に対応する発明は、請求項1に対
応する発明の圧延用モータ内蔵ロール装置において、前
記固定子側の電機子巻線に超電導線を用い、且つ前記固
定子鉄心内に中空孔を有し、この中空孔の周面に冷媒が
循環する冷媒配管を接触させた状態で配設して前記電機
子巻線を間接冷却方式により冷却するようにしたもので
ある。
【0017】従って、このような構成の圧延用モータ内
蔵ロール装置とすれば、断熱容器に液体窒素等の冷媒を
充填する層と別に真空断熱層を設ける必要がなく、また
コイル等の発熱及び熱侵入による冷媒の蒸発ガスを回収
する設備を設ける必要もないので、回転子の断熱構造を
簡易な構造とすることができる。
【0018】請求項4に対応する発明は、請求項2又は
請求項3に対応する発明の圧延用モータ内蔵ロール装置
において、前記固定子を断熱容器内に収めて冷却するよ
うにしたものである。
【0019】従って、このような構成の圧延用モータ内
蔵ロール装置とすれば、ロールの熱に影響されることな
く、固定子の冷却を行うことができる。さらに容積の少
ない固定子の電機子巻線の冷却のみを行うため、モータ
全体を冷却することに比べて断熱容器の大きさを小さく
することができ、また冷却する質量及び冷却に要するパ
ワーも少なくすることができる。
【0020】請求項5に対応する発明は、請求項1に対
応する発明の圧延用モータ内蔵ロール装置において、前
記回転子を構成するロールを支持する軸受を、界磁コイ
ルと反磁性反発リングの磁気作用により回転子を浮上さ
せる磁気軸受とし、この磁気軸受の磁場を変化させるこ
とによりロールの上下方向の圧延荷重を発生及び制御す
るようにしたものである。
【0021】従って、このような構成の圧延用モータ内
蔵ロール装置とすれば、油圧による加圧に対し、より速
い制御が可能となり、微妙な板厚のコントロールが可能
となる。また、モータ軸受と上下方向の加圧装置を兼ね
ているので、ロールの外部に加圧用の動力装置及び油圧
系統を設置する必要がなく、圧延装置に組込んでも全体
の大きさを小さくできる。
【0022】請求項6に対応する発明は、請求項5に対
応する発明の圧延用モータ内蔵ロール装置において、前
記磁気軸受より発生する磁場を超電導磁気シールドによ
りシールドする構成としたものである。
【0023】従って、このような構成の圧延用モータ内
蔵ロール装置とすれば、磁気軸受の周囲に超電導材料か
らなる磁気シールドを設けることにより、磁気軸受の周
囲に生じる漏れ磁束をシールドし、磁気軸受の周囲にあ
る部品との影響をなくし、またシールドを超電導材料と
することにより、高磁束密度のシールドを薄い材料で構
成することができ、よって磁気軸受の性能が周囲の環境
によって影響を受けることなく磁気軸受の効率が良く、
装置の小形化が可能である。
【0024】即ち、磁気軸受の周囲に磁性材料が存在し
た場合、軸受の性能に影響を及し、更に他の部品にも無
用な吸引力を生じるため、磁気軸受の発生する磁場を有
効に利用し、他の部品に影響を与えないようにできるだ
け磁気軸受の磁気回路は閉磁路系を構成する必要があ
り、また常磁性磁気シールドを用いると、シールド内の
磁束密度に2テラス程度の最高磁場制限があるため、シ
ールド自身が厚くなってしまうという問題があるが、シ
ールドを超電導材料(反磁性体)とすることにより、高
磁束密度のシールドを薄い材料で構成することが可能と
なる。従って、磁気軸受の周囲に生じる漏れ磁束による
影響を磁気シールドを超電導材料を使用することによ
り、磁気軸受の性能が周囲の環境によって影響を受ける
可能性がなく、装置の大きさを小さくすることができ
る。
【0025】請求項7に対応する発明は、圧延スタンド
に被圧延材を圧延する上下一対のワークロールとその上
下段部に一対のバックアップロールとを備えた圧延装置
において、支持台に中空孔を有する固定子鉄心の両端軸
部が固定され、且つ前記固定子鉄心に超電導線からなる
電機子巻線が巻装された固定子と、この固定子を中心に
その外側を包囲するように設けられると共にその両端部
を前記固定子側に軸受を介して回転自在に支持され、且
つ前記固定子鉄心との対応面に複数極の界磁発生用の永
久磁石を設けて回転子を構成したロールとを備えた圧延
用モータ内蔵ロール装置を前記バックアップロールとし
て用いたものである。
【0026】従って、このような構成の圧延装置とすれ
ば、通常ワークロールはバックアップロールに比べて交
換期間が短く、またワークロールはバックアップロール
に比べ、圧延により受ける力が大きく、熱的にもワーク
ロールの受ける熱がバックアップロールに比べて大きい
ことから、圧延用モータ内蔵ロール装置をバックアップ
ロールとして用いることにより、モータ内蔵ロール装置
の機械的強度、冷却構造を簡易にすることができ、装置
全体を簡略化、小形化することができる。
【0027】請求項8に対応する発明は、請求項7に対
応する発明の圧延装置において、圧延用モータ内蔵ロー
ル装置毎に冷凍機を具備し、この冷凍機より前記固定子
側に冷媒を供給すると共に、循環させて前記固定鉄心の
中空部を通して電機子巻線を冷却するようにしたもので
ある。
【0028】従って、このような構成の圧延装置とすれ
ば、通常超電導巻線を超電導状態に移行するまで低温に
して冷却するには長時間を要するが、ロールの交換時に
モータの冷却系統を分解、再組立する必要がなく、さら
にロールのメンテナンス中も継続して低温状態を保つ、
もしくは圧延装置にロールを据え付ける以前に冷却を開
始することが可能となるので、ロールの交換に際し、圧
延装置の操業停止時間を短縮することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面を
参照して説明する。図1は本発明による圧延用モータ内
蔵ロール装置の実施の形態を軸方向の中央部を破断して
示す縦断面図であり、図2は図1のA−A線に沿う矢視
拡大断面図である。
【0030】図1及び図2において、1は図示しない圧
延装置に取付けられ、且つ中心部に貫通孔を有する一対
の支持台で、これら各支持台1に中空孔を有する固定子
鉄心2の両端軸部が固定されている。この固定子鉄心2
の外周部には複数の軸方向のスロットが等間隔を存して
設けられ、これら各スロットに超電導線からなる電機子
巻線3が挿入され、これらは同期モータの固定子を構成
している。
【0031】また、固定子鉄心2の中空孔の周面には複
数の冷媒配管4が軸方向に往路と復路を形成するように
接触させて配設されている。さらに、固定子鉄心2の一
端側の軸部を固定する支持台1の貫通孔を通して固定子
鉄心2の中空孔に超電導ケーブル5が挿入されて電機子
巻線3に電気的に接続され、固定子鉄心2の他端側の軸
部を固定する支持台1には冷凍機6が取付けられ、この
冷凍機6に往路及び復路の冷媒配管4が接続されてい
る。この場合、冷凍機6と冷媒配管4との間には図示し
ない圧送ポンプが設置され、この圧送ポンプにより冷却
配管4と冷凍機6との間を冷媒、例えば液体窒素LN2
が循環するようになっている。
【0032】また、冷媒LN2 が冷媒配管4の中で加熱
されるとその一部が気化し、気体と液体の2層状態とな
って循環するが、このような場合には冷媒配管4内を超
臨界圧に高めておくことにより、冷媒が気化するような
ことがない状態とすることができる。
【0033】一方、7は例えばクロム鍛鋼からなる磁性
材料のロールで、このロール7はその内周面側に界磁を
発生する例えば4極の永久磁石8を保持し、且つロール
7の両端部を詳細を後述する磁気軸受9により磁気的に
回転自在に支承させた同期モータの回転子を構成してい
る。
【0034】また、10は固定子鉄心2を収納するよう
に固定子鉄心2とロール7との間隙に同心円状に設けら
れたクライオスタットと呼ばれる断熱容器で、この断熱
容器10は磁気軸受9を介して支持台1側の超電導ケー
ブル5の導入部となる電気端子及び冷凍機6と冷媒配管
4との接続経路を覆っている。
【0035】図3は冷却機側の磁気軸受9部分を拡大し
て示す縦断面図である。図3において、磁気軸受9はロ
ール7側に90度間隔で4個の断熱容器11とその外側
に超電導磁気シールド12との2層構成とし、断熱容器
11内に軸方向に2個の界磁コイル13を周方向に2列
にして設け、またこれら界磁コイル13に対応する固定
子鉄心2の端部軸の外周面に超電導材料からなる反磁性
反発リング14を取付けたものである。この場合、回転
軸方向に配置された2つの界磁コイル13はお互いにN
極、S極を構成し、また固定子側に取付けられた反磁性
反発リング14は界磁コイル13より発生する磁場に対
して反発力を発生するようになっている。
【0036】ここで、磁気軸受9による回転子の浮上及
び圧延力の発生原理について図4(a),(b)により
説明する。図4(a),(b)に示すように界磁コイル
13は隣合ったコイル同志で磁気回路を形成するが、反
磁性反発リング14が磁場を排除しようとするため、回
転子は浮上力を受ける。
【0037】従って、上下の磁気軸受部の界磁コイル1
3aと13cの電流を変えることにより上下方向の浮上
力15aと15cに差をつけ、浮上力15cを大きくす
ることにより、ロールとしての上下方向の加圧力Fを得
ることができる。また、モータの回転軸方向の力、所謂
スラスト力は反磁性反発リング14に使用する超電導材
料のピンニング力(磁束変化をさせない力)によって支
えられている。
【0038】なお、上記では磁気軸受の構成として回転
子側に界磁コイル、固定子側に反磁性反発リングを配し
た例を示したが、これとは逆に回転子側に反磁性反発リ
ング、固定子側に界磁コイルを配置する構成のものであ
ってもよい。
【0039】このような構成のモータ内蔵のロール装置
において、固定子鉄心2の中空部及び断熱容器10内を
真空状態にすると共に、冷凍機6より例えば液体窒素を
冷媒配管4を通して循環させる。このような状態で電気
端子より超電導ケーブル5を介して固定子鉄心2に巻装
された電機子巻線3に電力を供給すると、ロール7は永
久磁石8より発生する界磁との作用により回転力を受け
て回転する外側回転子構造の4極の同期モータとして駆
動することになる。
【0040】図5は上記ような構成の圧延用モータ内蔵
ロール装置を圧延装置に使用した場合の構成例を示すも
のである。図5に示す圧延装置は、圧延スタンド16の
ほぼ中央部に被圧延材料19を圧延する上下一対のワー
クロール17と、その上下段部に一対のバックアップロ
ール18とがそれぞれ回転自在に支持されたもので、本
例では前述したモータ内蔵ロール装置を一対のバックア
ップロール18として使用する構成とするものである。
【0041】上記のような構成のモータ内蔵のロール装
置にあっては、ロール7が磁気回路を形成し、固定子鉄
心との間に発生する磁場を高めているので、モータの出
力、効率を高めることができ、また電機子巻線3には超
電導線を用いているので、電気抵抗がなく発熱を微少に
抑えることができ、更に常電導導体を使用するのに比べ
て高い電流密度が得られるので、モータとして高い出力
を発生することができる。
【0042】また、固定子は断熱容器に収納されている
ので、回転子側で発生する熱に左右されず、固定子を冷
却することができ、しかも固定子のみの周囲を断熱構造
とすることによりモータ全体を冷却するのに比べて冷却
質量を減らすことができ、さらに回転子からの熱がしゃ
断されるので、効率良く電機子巻線3である超電導線を
低温状態に保つことができる。
【0043】さらに、断熱容器10の内部は真空状態に
保たれ、電機子巻線3は冷却配管4が固定子鉄心2に接
触することにより、冷却配管4の冷熱が固定子鉄心2を
介して伝達され、冷却される間接冷却方式をとっている
ので、通常行なわれている冷媒容器内にLN2 などの冷
媒を充填する方式に比べて冷媒の使用量を少なくするこ
とができる。また、冷媒を充填する方式の場合には断熱
容器とは別に液体の冷媒を収容する冷媒容器が必要とな
るが、上述した間接冷却方式を採用することにより、こ
の冷媒容器を省略することができる。さらに、冷媒容器
に冷媒を充填する方式では、加熱蒸発した冷媒ガスが上
部に溜まり、電機子巻線3の超電導線の温度が場所によ
り不均一になるが、上述した間接冷却方式の場合にはこ
のような不具合を発生することはない。さらに、蒸発ガ
スを回収する必要がないので、その回収スペース、回収
装置及び配管系統が不要となる。
【0044】一方、上述したモータ内蔵ロール装置を図
5に示すように圧延装置にバックアップロールとして用
いる場合、冷凍機6をモータ毎に設置することにより、
別に設置した冷凍系に接続して使用するのに比べ、冷凍
系との分離、再取付の必要がなく、ロール交換の際の保
守が容易で、圧延装置に設置されていない間も冷却を実
施することができるので、ロールの交換及び立ち上げ時
間を短縮することができる。
【0045】また、磁気軸受9は図4(a),(b)で
述べた浮上及び圧延力の発生原理により回転子を浮上さ
せた状態で磁気的に支えてモータの軸受とロールを上下
方向に加圧する加圧装置を兼用させているので、従来の
ように圧延スタンド上部に設けられた加圧装置を油圧に
より作動させてロール全体を上下方向に加圧する方式に
比べ、省スペースで小形化を図ることができる。また、
磁気軸受9は電気的に上下方向の加圧力をコントロール
できるので、油圧に比べて圧延材料の板厚を迅速にコン
トロールできる。
【0046】さらに、上述したモータ内蔵ロール装置を
図5に示すようにバックアップロール18として使用し
ているので、ワークロールのように圧延材料と直接接触
するものとは異なり、高温及び高荷重にさらされること
がなく、また保守のために交換する時間間隔を少なくす
ることができる。
【0047】なお、上記説明では圧延用モータ内蔵ロー
ル装置を圧延装置のバックアップロールとして用いる場
合を述べたが、耐熱性に優れ、且つ機械的強度に十分耐
えられるものであれば、ワークロールとして用いること
もできる。
【0048】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、スペ
ース効率が高く、保守が容易で応答性の高い圧延用モー
タ内蔵ロール装置及びこのロール装置を用いた圧延装置
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による圧延用モータ内蔵ロール装置の実
施の形態を軸方向の中央部を破断して示す縦断面図。
【図2】図1のA−A線に沿う矢視拡大断面図。
【図3】同実施の形態における冷却機側の磁気軸受部分
を拡大して示す縦断面図。
【図4】(a),(b)は同実施の形態における磁気軸
受による回転子の浮上及び圧延力の発生原理の説明図。
【図5】本発明の圧延用モータ内蔵ロール装置を組込ん
だ圧延装置の実施の形態を示す構成図。
【図6】従来の圧延装置を含む設備機器の全体の一例を
示す構成図。
【符号の説明】
1……支持台 2……固定子鉄心 3……電機子巻線 4……冷媒配管 5……超電導ケーブル 6……冷凍機 7……ロール 8……永久磁石 9……磁気軸受 10,11……断熱容器 12……超電導磁気シールド 13……界磁コイル 14……反磁性反発リング 16……圧延スタンド 17……ワークロール 18……バックアップロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−49313(JP,A) 特開 昭64−18514(JP,A) 特開 昭64−44206(JP,A) 特開 平3−117716(JP,A) 特開 平1−234614(JP,A) 特開 昭64−18515(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 35/00 B21B 27/02 B21B 27/08

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持台に固定子鉄心の両端軸部が固定さ
    れ、且つ前記固定子鉄心に電機子巻線が巻装された固定
    子と、この固定子を中心にその外側を包囲するように設
    けられると共にその両端部を前記固定子側に軸受を介し
    て回転自在に支持され、且つ前記固定子鉄心との対応面
    に複数極の界磁発生用の永久磁石を設けて回転子を構成
    したロールとを備えたことを特徴とする圧延用モータ内
    蔵ロール装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の圧延用モータ内蔵ロール
    装置において、前記固定子側の電機子巻線に超電導線を
    用い、この超電導線を冷媒により冷却するようにしたこ
    とを特徴とする圧延用モータ内蔵ロール装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の圧延用モータ内蔵ロール
    装置において、前記固定子側の電機子巻線に超電導線を
    用い、且つ前記固定子鉄心内に中空孔を有し、この中空
    孔の周面に冷媒が循環する冷媒配管を接触させた状態で
    配設して前記電機子巻線を間接冷却方式により冷却する
    ようにしたことを特徴とする圧延用モータ内蔵ロール装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項2又は請求項3記載の圧延用モー
    タ内蔵ロール装置において、前記固定子を断熱容器内に
    収めて冷却するようにしたことを特徴とする圧延用モー
    タ内蔵ロール装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の圧延用モータ内蔵ロール
    装置において、前記回転子を構成するロールを支持する
    軸受を、界磁コイルと反磁性反発リングの磁気的作用に
    より回転子を浮上させる磁気軸受とし、この磁気軸受の
    磁場を変化させることによりロールの上下方向の圧延荷
    重を発生及び制御するようにしたことを特徴とする圧延
    用モータ内蔵ロール装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の圧延用モータ内蔵ロール
    装置において、前記磁気軸受より発生する磁場を超電導
    磁気シールドによりシールドする構成としたことを特徴
    とする圧延用モータ内蔵ロール装置。
  7. 【請求項7】 圧延スタンドに被圧延材を圧延する上下
    一対のワークロールとその上下段部に一対のバックアッ
    プロールとを備えた圧延装置において、支持台に中空孔
    を有する固定子鉄心の両端軸部が固定され、且つ前記固
    定子鉄心に超電導線からなる電機子巻線が巻装された固
    定子と、この固定子を中心にその外側を包囲するように
    設けられると共にその両端部を前記固定子側に軸受を介
    して回転自在に支持され、且つ前記固定子鉄心との対応
    面に複数極の界磁発生用の永久磁石を設けて回転子を構
    成したロールとを備えた圧延用モータ内蔵ロール装置を
    前記バックアップロールとして用いたことを特徴とする
    圧延装置。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の圧延装置において、圧延
    用モータ内蔵ロール装置毎に冷凍機を具備し、この冷凍
    機より前記固定子側に冷媒を供給すると共に、循環させ
    て前記固定鉄心の中空部を通して電機子巻線を冷却する
    ようにしたことを特徴とする圧延装置。
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