JP3502293B2 - 高級化粧原料の新規な製造方法 - Google Patents

高級化粧原料の新規な製造方法

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヒト又は動物臍帯
の特殊抽出物を含有する高級化粧原料の新規な製造方法
に関する。更に詳しくは、本発明は、可及的に温和な条
件で新鮮な臍帯から抽出した不純物等を含まない高品質
の有効物質を含有する化粧料を、有害微生物等を排除し
つつ製造するための生産方法であり、ヒト又は動物由来
の臍帯を洗浄して脱血し、乾燥し、アルコ−ルに浸漬
し、再度乾燥し、次いで、得られた乾燥臍帯を水に浸漬
し、有効成分を抽出する高級化粧原料の新規な製造方
法、である。
【0002】
【従来の技術】ヒト又は動物臍帯からの抽出物の製造方
法に関しては、従来、種々の方法が報告されている。例
えば、臍帯を機械的に破砕し、プロテア−ゼ等の酵素に
より処理し、次いで、濾過して抽出エキスを得る方法
(特開昭58−113114号公報及び特開昭59−1
10623号公報)が提案されており、この抽出エキス
からはコラ−ゲン、エラスチン、フィブロネクチン、ム
コ多糖類等の多様な生体物質が得られている。また、臍
帯を予めアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩を含有
する含水有機溶媒により洗浄し、原料中に存在する血液
成分及び結合組織中の可溶性成分を除去し、夾雑蛋白質
含量の少ないヒアルロン酸を有機溶媒により沈殿させて
分別する方法(特公開昭58−84801号公報)が知
られている。更に、特殊な方法として、出産時に臍帯を
速やかに採取し、これを清水により洗浄し、植物性複合
酵素で処理し、滅菌カプセルに充填し、生命刺激素が最
高に濃縮された時点で−40℃乃至−70℃に瞬間冷凍
し、1乃至3か月間凍結保存し、次いで、細断し、砂糖
漬けにして酵素発酵したエキスを得る方法(特公昭56
−10115号公報)も知られている。
【0003】更に、臍帯から抽出される物質の分離調製
方法としては、例えば、ヒトの臍帯の酸エタノ−ル抽出
物を出発物質として使用し、ゲル濾過、逆相高速液体ク
ロマトグラフィーにより精製し、組織由来腫瘍増殖阻害
物質を回収する方法(特公平7−88397号公報)が
提案されている。近年、臍帯等を生きたままの細胞とし
て培養して有効物質を生産させる方法も報告されてい
る。この方法は、具体的には、臍帯等をずり応力を付与
しながら培養することによりトロンボモジュリン等の本
来臍帯等の細胞に微量に存在する物質を大量に産生さ
せ、抽出する方法(特開平7−274994号公報)で
ある。その他、凍結保存された臍帯を解凍し、脱血処理
し、細切、粉砕し、アルコール類を含む水に浸漬する方
法(特開昭55−66515号公報)、臍帯を水い洗浄
し、粉砕し、2倍容量の水とともにミキサーに入れ、得
られた水性マッシュを擂潰し、得られた懸濁液を瀘過
し、瀘液を低温減圧下で濃縮する方法(特開昭61−1
29106号公報)等も知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、前記従来
技術に鑑みて、臍帯から可及的に温和な条件で自然に有
効物質を抽出し、この有効物質を含有する高級化粧原料
を調製することを企図し、その新しい生産手段として、
天然物から有効成分を抽出する方法において、従来技術
に見られるような、専ら物質の抽出効率を追い、また、
専ら大量生産向けの工程を構築するのみでは、たとえヒ
トの臍帯のような貴重な材料を使用しても、機械的破壊
による組織由来物質の大量な混入、及び使用した組織分
解酵素の混入の問題は避け難く、真に良好な品質の化粧
品を製造することは不可能であることを知見し、新たな
観点から、そのような問題のない優れた品質の化粧原料
を生産する方法について鋭意研究を進めてきた。その結
果、本発明者は、臍帯を用いた化粧品の調製において
は、化粧品として有効な成分以外の成分、及び有効成分
の分解物等を可及的に排除することが重要であることを
認識した。この観点は、これまでの、組織中の有効成分
を余すところ無く、可及的に抽出するという工業的観点
とは矛盾している。
【0005】臍帯から抽出される物質の中で、化粧原料
の有効成分となる主要な成分は、高分子の蛋白質、糖等
よりなる膠様質(産婦人科の世界、‘85春期増刊号、
「新産科データブック」、第227ページ、1985
年)であり、従来、その抽出には、機械的な組織の破
壊、プロテアーゼによる蛋白質の分解が望ましいとされ
ており、従来の技術においては、いずれもそれらの手法
の幾つかを組み合わせた加工工程が構築されていた。前
記のとおり、ヒトの臍帯のような、貴重な材料を使用す
る場合には、これまで、工業的に製品の生産効率を高め
ることに重点が置かれていたために、不純物等の含量が
増大し、品質上の欠点が生じる場合があり、これを補う
ために、これを補完する性質を有する他の物質を更に添
加することにより、目的とする性質を有する製品により
近い組成物を調製するのが、従来技術の常法であった。
前記のとおり、従来技術における多くの化粧品では添加
される化学物質等が、おびただしい数に達しているのが
実情であり、現在では、これらに由来する化粧品アレル
ギ−等の弊害も日常的であることが報告されている(十
字文子著、「新アトピ−治療法」、第53〜128ペ−
ジ、リバティ書房、1998年)。
【0006】このような状況の中で、本発明者は、これ
まで、前記のような生産効率第一の観点を一切放棄し、
合成化学物質、添加酵素、人為的な酵素分解物等を一切
使用せず、天然由来の素材から、可及的に温和な条件に
より抽出した有効物質を含有する高品質の化粧原料を調
製する方法について、鋭意研究を積み重ねてきたが、更
に、本発明者は、ヒト又は動物等の生体物質由来の材料
を加熱せずに使用する場合の、有害ウイルス、細菌等の
除去又は無害化の問題をも考慮し、種々検討した結果、
温和な条件で処理を行うとともに、これらの有害微生物
を実質的に排除する新しい方法を確立することに成功
し、本発明を完成した。すなわち、本発明の目的は、現
代の科学技術の範囲において最も温和な条件で臍帯から
抽出した有効物質を含有する高級化粧原料を、有害微生
物等を排除して製造するための方法を提供することであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する本発
明は、ヒト又は動物由来の新鮮な臍帯を洗浄して脱血
し、風乾により約2週間以上約2カ月間まで乾燥し、
燥した臍帯を臍帯容量(乾燥前の湿容量)の1/4倍容
量以上の少なくとも95%(容量)の濃度のエタノール
に浸漬して冷暗所に保存した後、品温が40℃を超えな
い範囲で乾燥し、次いで、得られた乾燥臍帯を臍帯容量
の10倍容量以上40倍容量以下の水に浸漬し、10℃
以下の水温下で有効成分を抽出することにより臍帯抽出
物を得ることを特徴とする化粧品原料用臍帯抽出物の製
造方法であり、更に、エタノールへの浸漬が、少なくと
も1か月行われること、及び水への浸漬が、1〜3か月
間行われることを望ましい態様としてもいる。
【0008】
【発明の実施の形態】次に、本発明について詳細に説明
する。最初に、本発明の主要原料である臍帯抽出液の製
造について説明する。本発明の高級化粧原料を取得する
ための材料としては、ヒト、牛、馬、豚等の哺乳類の正
常、かつ新鮮な臍帯であればすべて利用可能であるが、
その中でも、化粧原料として用いるので、異種性が無
く、アレルギ−等の副作用が無いものとして、特に、母
体の検査において肝炎ウイルス、HTLVウイルス、H
IVウイルス等の有害ウイルスが検出されていない、健
常なヒト臍帯を使用することが望ましい。前記ヒト又は
動物由来の臍帯導管を摘出し、刃物で2本の動脈及び1
本の静脈の血管3本を切開し、水道水、次に、脱イオン
水又は蒸留水により洗浄し、臍帯の血液による赤色の色
調が、肉眼的に確認できなくなるまで脱血する。次い
で、臍帯を乾燥するが、臍帯は乾燥しやすく、湿潤な夏
期であっても風乾により容易に乾燥することが可能であ
り、日陰で数時間以内に乾燥状態となるが、本発明にお
いては、例えば、約2週間以上約2か月間そのまま乾燥
を継続するのが望ましい。乾燥方法は、通常の方法が使
用される。乾燥した臍帯は、乾燥前の湿容量の約1/1
0となる。
【0009】乾燥した臍帯を臍帯容量(乾燥前の湿容
量。以下、同じ。)の1/4倍容量以上のエタノール
(95%以上の濃度でエタノールを含有する。以下、ア
ルコールと記載することがある。)を注入した密封可能
な清潔なガラス容器等に入れ、臍帯をアルコ−ルに浸漬
させ、冷暗所に少なくとも1か月密封保存する。この
間、アルコールが混濁することはほとんど無いが、アル
コールを攪拌し、アルコールに濁りが生じた場合は、全
量の容器内アルコールを廃棄し、新しいアルコールと交
換する。臍帯は、アルコールに浸漬した状態で、長期間
冷暗所に保存することも可能である。前記臍帯のアルコ
ール浸漬により、殺菌、ウイルスの失活、脱脂及び脱水
を行うことが可能である。次に、臍帯を無菌的に容器か
ら取出し、清潔な場所で1時間以上乾燥する。乾燥は、
例えば、クリ−ンベンチ内で清浄な空気の送風下におい
て自然乾燥するのが望ましい。乾燥方法は、適宜の方法
が使用される。乾燥機等を使用する場合は、品温が40
℃を超えない範囲で行い、いずれの場合も臍帯からアル
コ−ルの臭気が感じられなくなるまで乾燥を継続する。
【0010】乾燥臍帯は、直ちに、次の水抽出工程に移
行するのが望ましく、保存を要する場合は、前記アルコ
ール浸漬状態で行うのが望ましい。次に、乾燥した臍帯
を滅菌容器に入れ、臍帯容量の10倍容量以上40倍容
量以下、望ましくは15倍容量以上30倍容量以下の注
射用蒸留水を注入し、10℃以下の水温下で1か月以上
3か月以内浸漬させ、有効成分を抽出する。これによ
り、夾雑物等を含まない高品質の臍帯抽出物が得られ
る。得られた抽出液は、これを無菌的に任意の容量の容
器に分注し、冷蔵保存し、3か月以内に高級化粧原料と
して使用する。尚、比較的濃厚な抽出液を製造し、注射
用蒸留水により希釈することも可能である。また、得ら
れた抽出液を滅菌フィルターにより濾過し、無菌容器に
保存することも可能であり、この場合は最大約1年間冷
蔵保存が可能である。以上のとおりの方法により、本発
明の高級化粧原料は製造されるが、得られた高級化粧原
料は、夾雑物を含まない高品質の臍帯抽出物として、そ
のまま高級化粧水として使用することが可能であり、ま
た、これを、クリーム類、乳液類、パック類、洗顔料
類、頭髪化粧品類等の化粧品の一成分として配合使用す
ることも適宜可能である。
【0011】次に、試験例を示して本発明を詳細に説明
する。 試験例1 この試験は、臍帯抽出液の保湿効果を調べるために行っ
た。 1)試料の調製 後記する実施例1と同一の方法により調製した化粧原料
(本発明の試料)、ヒアルロン酸カリウム(和光純薬工
業社製)の1%(重量)溶液(対照1)、及び精製水
(対照2)を用いた。 2)試験方法 SD系ラット(日本チャールス・リバー社から入手)か
ら採取した上皮(2cm2 、厚さ0.3mm)を、試料
及び各対照液に4時間間浸漬し、次に、23℃の温度に
おいて恒量になるまでデシケータ内で上皮を乾燥し、次
いで、恒温恒湿器(三洋電機メディカルシステム社製。
MTH2200型)を用いて温度23℃、湿度30〜7
0%の条件下に3日間保持し、上皮に取り込まれた水分
の量を測定し、結合水分量(mg/100mg乾燥上皮
重量)を算出して試験した。
【0012】3)試験結果 この試験の結果は表1に示すとおりである。表1から明
らかなとおり、本発明の試料は、30%の相対湿度にお
いても対照1の約2倍、対照2の約3倍の保湿効果があ
り、50%の相対湿度においては対照1の約1.5倍、
対照2の約3倍、70%の相対湿度においては対照1の
約1.5倍、対照2の約2倍の保湿効果が認められた。
この試験結果から、本発明の化粧原料は、保湿効果があ
るとされるヒアルロン酸以上の保湿効果があることが判
明した。
【0013】
【表1】
【0014】試験例2 この試験は、本発明の化粧原料の作用効果を調べるため
に行った。 1)試料の調製及び被験者 後記する実施例2と同一の方法により調製した本発明の
化粧原料、及び対照として精製水を用いた。また、文書
により承諾を得た健康な乾燥肌の20代の女性10名の
ボランティアを被験者とした。 2)試験方法 10名を無作為に5名ずつ2群に分け、1群には本発明
の化粧原料を、2群には精製水を、毎日朝と夜の2回手
を洗浄した後、2週間にわたり両手に塗布した。試験期
間終了後、「手の肌がしっとりしているように感じられ
た」、及び「手の肌荒れが気にならなくなった」の2項
目について「有効」、「やや有効」及び「無効」の基準
により両手の状態を評価し、その有効性を判定した。
【0015】3)試験結果 この試験の結果は表2に示すとおりである。表2から明
らかなとおり、本発明の試料は、両手の肌のしっとり感
及び肌荒れ防止に顕著な効果を有することが認められ
た。この結果から、本発明の化粧原料は、肌の保全及び
肌荒れ防止に有効であることが判明した。
【0016】
【表2】
【0017】試験例3 この試験は、本発明の化粧原料の細菌等の汚染を検査す
るために行った。 1)試料の調製 後記する実施例1及び実施例2と同一の方法により調製
した化粧原料を試料として用いた。 2)試験方法 日本薬局方の微生物限度試験法(日本薬局方解説書編集
委員会編、「第13改正日本薬局方」、第121〜13
5ページ、廣川書店、1996年)に基づき、試料1m
l当たりの一般細菌数、大腸菌数、酵母数及びかび数を
測定した。 3)試験結果 この試験の結果は表3に示すとおりである。表3から明
らかなとおり、各試料とも大腸菌数が陰性であり、1m
l当たりの一般細菌数、酵母数及びかび数も低値を示し
た。
【0018】
【表3】
【0019】
【実施例】次に、実施例を示して本発明を更に詳細に説
明するが、以下の実施例は本発明の好適な例を示したも
のであり、本発明は以下の実施例に限定されるものでは
ない。 実施例1 滅菌ゴム手袋を着用し、ヒトの新鮮な臍帯(長さ約50
cm、直径約1cm)を、手術用メスを用いて動脈2本
及び静脈1本を切開し、水道水により血液の色が肉眼で
確認できなくなるまで水洗し、注射用蒸留水(大塚製薬
社製)により十分洗浄し、滅菌したステンレス製クリッ
プにより臍帯の末端を挟み、吊り下げて約20℃のクリ
ーンルーム内で40日間乾燥した。同様の処理を新たな
臍帯が得られるごとに実施し、最初の臍帯の乾燥開始日
から25日後に合計30本の臍帯を処理し、最初の臍帯
の乾燥開始日から40日後には、全ての臍帯は14日間
以上乾燥された。
【0020】得られた乾燥臍帯を、予め1lの局方エタ
ノール(ワコーケミカル社製)を注入した密閉ガラス容
器に入れて臍帯を浸漬し、2か月間室温で暗所に保存
し、2か月後、この中から5本の臍帯を取り出し、滅菌
したステンレス製クリップにより臍帯の末端を挟み、吊
り下げて約20℃のクリーンベンチ内で清浄な通風下で
再度1時間乾燥した。1時間後にはほとんどアルコール
の臭気が感じられなくなったので、これを5lのオート
クレーブ滅菌済みガラス容器に入れ、注射用蒸留水(大
塚製薬社製)5lを注入し、臍帯を浸漬し、家庭用冷蔵
庫内で2か月間有効成分を抽出した。得られた抽出液を
無菌的に100ml容の滅菌済み化粧瓶に分注し、高級
化粧水49本を得た。得られた高級化粧原料を冷蔵保存
し、1か月以内に随時使用した。
【0021】実施例2 前記実施例1で調製した残りのアルコール浸漬臍帯25
本を6か月後に取り出し、実施例1と同一の方法により
アルコール臭が感じられなくなるまで約20℃のクリー
ルーム内で再度2時間乾燥した。次いで、乾燥臍帯を滅
菌プラスチック容器に入れ、20lの注射用蒸留水(大
塚製薬社製)に浸漬し、冷蔵庫内で3か月間有効成分を
抽出した。得られた約19.5lの抽出液からピンセッ
トにより臍帯を除去し、除菌フィルター(ミリポア社
製。ミリパック40、ポアサイズ0.22μm)を用い
て除菌し、約19lの高級化粧原料を得た。
【0022】実施例3 滅菌プラスチック手袋を着用し、ウシの新鮮な臍帯(長
さ約30cm、直径約1.5cm)3本をそれぞれ解剖
鋏を用いて動脈2本及び静脈1本を切開し、水道水によ
り血液の色が確認できなくなるまで水洗し、注射用蒸留
水(大塚製薬社製)により十分洗浄し、ステンレス製網
の上に載せ、約20℃のクリ−ンル−ム内で清浄な通風
下で15日間乾燥した。乾燥開始1日後、3日後、及び
8日後に、プラスチック手袋を着用して臍帯を反転し、
乾燥を促進した。
【0023】得られた乾燥臍帯を密閉ガラス容器に入
れ、100mlの局方エタノール(ワコーケミカル社
製)を注入し、臍帯を浸漬し、6か月間室温で暗所に保
存した。次いで、3本の臍帯全てを取り出し、ステンレ
ス製網の上に載せて約20℃のクリ−ンベンチ内で清浄
な通風下で再度2時間乾燥した。2時間後にはほとんど
アルコールの臭気が感じられなかった。乾燥臍帯を1l
のオートクレーブ滅菌済みガラス容器に入れ、注射用蒸
留水(大塚製薬社製)1lを注入し、臍帯を浸漬し、家
庭用冷蔵庫内で2か月間有効成分を抽出した。得られた
抽出液のうち900mlを除菌フィルター(ミリポア社
製。ステリベクス−GS、ベル付き、ポアサイズ0.2
2μm)を用いて除菌し、2l容の滅菌プラスチックボ
トルに回収し、注射用蒸留水(大塚製薬社製)900m
lを無菌的に添加して2倍に希釈し、高級化粧原料約
1.8lを得た。
【0024】実施例4 実施例3において調製した高級化粧原料の残り100m
lを除菌フィルター(アドバンテック社製。ミスミック
−25CS、ポアサイズ0.45μm)を用いて除菌
し、500ml容の滅菌プラスチックボトルに回収し、
注射用蒸留水(大塚製薬社製)150mlを無菌的に添
加して希釈し、希釈液を100ml容のプラスチック滅
菌瓶に分注し、高級化粧水2本を得た。
【0025】
【発明の効果】以上詳記したとおり、本発明は、ヒト又
は動物由来の新鮮な臍帯を洗浄して脱血し、アルコ−ル
に浸漬し、乾燥し、次いで、得られた乾燥物を水により
抽出し、抽出液を有効成分として含有する高級化粧原料
の新規な製造方法であり、本発明により奏せられる効果
は、次のとおりである。得られた製品は、新鮮な純天然
素材を使用し、可能な限り温和な加工工程により得られ
る化粧原料であり、一般の化粧品でしばしば生ずる一種
の薬害である化粧焼け、アレルギ−等の心配が無く、み
ずみずしい肌を長期間保つ効果を有する。また、上記製
品は、成分として含有する臍帯抽出物、特に膠様質は、
哺乳類の成育の出発点である胎児の生命を守る役割を担
う物質であり、機械的ストレス、母体からの化学的スト
レスのいずれにも耐え得る優れた性質を有するので、成
人の化粧品として、また、不純化学物質等を含まない極
めて高品質の化粧原料として有用である。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒト又は動物由来の新鮮な臍帯を洗浄し
    て脱血し、風乾により約2週間以上約2カ月間まで乾燥
    し、乾燥した臍帯を臍帯容量(乾燥前の湿容量)の1/
    4倍容量以上の少なくとも95%(容量)の濃度のエタ
    ノールに浸漬して冷暗所に保存した後、品温が40℃を
    超えない範囲で乾燥し、次いで、得られた乾燥臍帯を
    帯容量の10倍容量以上40倍容量以下の水に浸漬し、
    10℃以下の水温下で有効成分を抽出することにより臍
    帯抽出物を得ることを特徴とする化粧品原料用臍帯抽出
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 エタノールへの浸漬が、少なくとも1か
    月行われる請求項1に記載の化粧品原料用臍帯抽出物
    製造方法。
  3. 【請求項3】 水への浸漬が、1〜3か月間行われる請
    求項1に記載の化粧品原料用臍帯抽出物の製造方法。
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