JP3500931B2 - 医療用管状物、その製造方法およびその製造装置 - Google Patents

医療用管状物、その製造方法およびその製造装置

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JP3500931B2 JP26428297A JP26428297A JP3500931B2 JP 3500931 B2 JP3500931 B2 JP 3500931B2 JP 26428297 A JP26428297 A JP 26428297A JP 26428297 A JP26428297 A JP 26428297A JP 3500931 B2 JP3500931 B2 JP 3500931B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面が塗膜で被覆
された側孔(側壁に形成された孔)を有する医療用管状
物、詳細には、救急透析などの際、できるだけ多くの血
流路を確保するために用いられる側孔の開いた医療用管
状物とその製造方法、並びにその医療用管状物の製造装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】救急透析などの際、できるだけ多くの血
流路を確保するために側孔の開いた医療用管状物が用い
られるが、それには管状物の内外面だけでなく側孔部分
部にも抗血栓性が求められる。
【0003】従来、側孔のない医療用管状物について、
その内面または外面に塗布膜を形成する方法が、特開昭
57−211355号公報、特開昭57−211356
号公報および特開昭57−211357号公報などで提
案されているが、側孔のある医療用管状物に塗膜を形成
する方法は開示されていない。
【0004】側孔のある医療用管状物の内外面に塗膜を
形成する方法としては、側孔のない医療用管状物の内外
面に塗膜を形成した後に側孔を開ける方法、または側孔
のある医療用管状物全体を塗布液に浸漬しその後塗布液
から引き上げる等の方法が考えられる。しかしながら、
前者の塗膜形成後に側孔を開ける方法では、側孔切断面
すなわち側孔壁面に塗膜が形成されないという欠点があ
り、また、後者の側孔のある医療用管状物全体を単に塗
布液に浸漬し引き上げる方法では、側孔が詰まったり液
だまりなどができ、塗布むらが生じ、表面の平滑性が失
われるという欠点があった。このように従来の技術で
は、側孔切断面に塗布膜が形成されなかったり、側孔が
詰まったり液だまりなどができ、塗布むらが生じ、表面
の平滑性が失われるという点で問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記課
題を解決すべく、側孔を有する医療用管状物の内外面に
塗膜を形成させる方法について鋭意検討した結果、本発
明に到達した。
【0006】本発明の目的は、側孔を有する管状物の内
外面だけでなく、側孔が詰まることなく側孔壁面(側孔
切断面)にもきっちり一様な塗膜が形成された医療用管
状物を提供することにある。
【0007】本発明の他の目的は、上記医療用管状物を
効率よく簡単に製造する方法と装置を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するものであって、本発明の医療用管状物は、側孔を有
する医療用管状物であって、該医療用管状物の内外面お
よび側孔壁面が共に塗膜で被覆されてなることを特徴と
するもので、本発明においては、その塗膜に抗血栓性材
料が含有されていること、およびその医療用管状物がカ
テーテルであることが好ましい実施態様として含まれ
る。ここに側孔を有する医療用管状物とは、管状物の側
面に1個以上の孔をもつ医療用に用いられる管状物を意
味する。
【0009】また、本発明の医療用管状物の製造方法
は、好ましくは側孔を有する管状物を塗布液に浸し、該
管状物内部を陰圧にして管状物内に塗布液を流入せし
め、次いで好ましくはその管状物を塗布液容器から取り
出してからその管状物内部を陽圧にして管状物内部の塗
布液を外部に流出させることを特徴とするもので、本発
明においては、塗布液の流入または/および流出の際
に、側孔を通過せしめるものであり、また、管状物内部
の塗布液を外部に流出させる際には塗布液を吸引するこ
とが好ましい実施態様として包含される。
【0010】さらに、本発明の医療用管状物の製造装置
は、管状物の固定部材と、管状物を塗布液中に浸漬する
ための塗布液容器と、管状物内部を陰圧・陽圧に切り替
え可能な圧力調整ノズルと、その塗布液を吸引除去する
ための吸引ノズルとからなることを特徴とするもので、
本発明の装置においては、上記吸引ノズルの内径が管状
物の外径より大きいことが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明で用いられる医療用管状物
は、カテーテル等の医療用部材として好適に用いられる
もので、その形状は管状物として任意であり、1本に1
つ以上の流路をもつ中空体である。単数流路の場合、管
状物の断面は通常は円形であり、複数流路の場合は内部
が壁で仕切られている。また、通常、管状物の長さは、
10〜40cm、太さは1〜8mm、肉厚は0.1〜1
mmの範囲である。
【0012】本発明の管状物は、その側壁に内部に貫通
した側孔を有するものである。通常、側孔の数は1〜1
0個、その大きさは直径(長径)0.5〜5mmの円ま
たは楕円形である。
【0013】本発明の管状物を構成するの素材として
は、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリアミドエラス
トマーまたはそれらの混合物等、医療用基材に用いられ
ているものが用いられる。また、本発明の側孔を有する
管状物は、押出成形等により管状物を成形した後、側孔
を開け製造することができる。
【0014】本発明の管状物上に形成される塗膜は、膜
厚が好ましくは1〜100ミクロン、より好ましくは5
〜20ミクロンである。膜が厚すぎると、コーティング
厚の調整が困難になりさらに流路が狭まるという課題が
あり、膜が薄すぎるとコーティングの機能発現の課題が
残るので好ましくない。
【0015】本発明の塗膜を構成する塗膜素材として
は、抗血栓性材料、易滑性材料、抗菌性材料等が挙げら
れるが、本発明では抗血栓性材料が好ましい。
【0016】抗血栓性材料としては、ヘパリン、ウロキ
ナーゼなどの生理活性物質やポリアルキレングリコール
などの親水性物質を化学的に結合した高分子物質が挙げ
られるが、ヘパリンを固定化した物質が特に好ましい。
【0017】本発明の実施おいて、塗膜素材はそれを溶
媒に溶解した塗布液として用いられる。溶媒としては、
塗膜素材を溶解するもので、作業性の点から揮発性の高
いものが好ましい。また、塗膜の管状物への接着性を強
固ならしめるため、管状物素材の溶媒であることが望ま
しい。このような溶媒としては、テトラヒドロフラン、
メチルアルコール、アセトン、メチルイソブチルケト
ン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ク
ロロホルム等が挙げられ、好ましくはテトラヒドロフラ
ン、メチルイソブチルケトンが使用される。
【0018】次に、本発明の医療用管状物の製造方法に
ついて説明する。
【0019】本発明の好ましい態様においては、側孔を
有する管状物を塗布液に浸し、その管状物内部を陰圧に
して管状物内に塗布液を流入せしめ、次いでその管状物
を浸漬液から取り出してから管状物内部を陽圧にして管
状物内部の塗布液を外部に流出させ、その流出塗布液を
吸引除去するもので、その際、塗布液の流入出は、管状
物が本来もっている流路でもなされるが、上記圧力の調
整によって、側孔からも流入または/および流出され
る。本発明の実施においては、管状物の内圧変化で塗布
液が流入出される際、少なくともいずれかのときに塗布
液が側孔を通過するようにさせることが側孔壁面に塗膜
を形成する上で重要であり、したがって、塗布液流入時
には管状物を塗布液中に浸漬した上で陰圧とし、また塗
布液流出時には管状物を塗布液から取り出して陽圧をか
けることが好ましい。
【0020】本発明で用いられる塗布液濃度は3〜20
%が好ましく、より好ましくは5〜10%である。また
粘度は1〜150cpが好ましく、より好ましくは3〜
20cpである。
【0021】本発明の内外面に塗布膜を形成された側孔
を有する医療用管状物の製造方法において、管状物を塗
布液に浸漬する時間は、塗布液に漬ける時間は長すぎる
と管状物基材が変形あるいは溶解してしまうため30秒
以下が好ましく、とりわけ5秒から30秒が好ましい。
【0022】次に本発明では、管状物の内部を陰圧にし
て管状物内部に塗布液を吸い上げるが、その吸い上げ速
度は、0.1ml/minから200ml/minが好
ましく、より好ましくは1ml/minから20ml/
minである。吸い上げ速度が速すぎると塗布液にきた
いを巻き込む恐れがあり、さらに塗布液の吸い込み量を
制御することが難しく、遅すぎると管状物基材が塗布液
に接触する時間が増加して管状物基材が侵され、ときに
は溶解することがあるので好ましくない。陰圧は吸い上
げ速度で制御される。
【0023】また、管状物を浸漬液から取り出す速度
は、管状物外面の塗布膜厚を決定し、速すぎると塗布膜
が厚くなり、塗りむらが大きくなり、遅すぎると管状物
基材が塗布液にさらされる時間が増加して基材が侵さ
れ、ときには溶解するため、10cm/minから15
0cm/minが好ましく、より好ましくは40cm/
minから90cm/minである。また、管状物内部
を陽圧にしたときの塗布液の排出速度は、管状物内面の
塗布膜厚を決定し、速すぎると塗布膜が薄くなり塗布の
効果が得られず、遅すぎると側孔に液が残ってしまうた
め、0.1l/minから20l/minが好ましく、
より好ましくは、2l/minから8l/minであ
る。
【0024】さらに、塗布液の吸引速度は、速すぎると
外面の塗布膜が薄くなり塗布の効果が得られず、遅すぎ
ると側孔から流れ出た塗布液を吸引しきれないため30
0l/minから1500l/minが好ましく、より
好ましくは500l/minから1000l/minで
ある。
【0025】前記排出時間と吸引時間は、短すぎると内
部の塗布液が十分排出できないので30秒以上が好まし
く、とりわけ30秒から90秒が好ましい。
【0026】次に、本発明の医療用管状物の製造装置を
図面に基づいて説明する。
【0027】第1図〜第3図は、いずれも本発明の側孔
を有する医療用管状物の製造方法と装置を説明するため
のもので、図1は本発明の側孔を有する管状物の内外面
に塗膜を形成させる装置を説明するための概略側面図、
図2は本発明の塗膜を形成させる方法において、管状物
を塗布液に浸漬した後、管状物に連結した圧力調整ノズ
ルを陰圧にして管状物内部に塗布液を吸い上げている状
態を示す概略側面図、そして図3は本発明の管状物を塗
布液容器から取り出した後、管状物内を陽圧にしてさら
に管状物下方のノズルから塗布液を吸引している状態を
示す概略側面図である。
【0028】図1において、管状物1は管状物の固定部
材2によって固定されており、この管状物上方には圧力
調整ノズル5が配置されていて、この圧力調整ノズル5
は陰圧ライン6と陽圧ライン8に接続されていて、それ
ぞれ陰圧ラインのコック7および陽圧ラインのコック9
により、圧力調整ノズル5への排出量が調整されるよう
になっている。また、管状物下方には塗布液4を貯留し
た塗布液容器3が配されていて、上下動により管状物1
が塗布液に浸漬されるようになっている。さらに、管状
物下方には別に陰圧ライン11が連結された吸引ノズル
10が配置されていて、塗布液を吸引除去できるように
なっている。
【0029】また図2、3は、本発明の一例を説明する
ための図面であって、図番は図1と同じものである。
【0030】本発明の側孔を有する管状物に塗膜を形成
させる装置は、上述のように管状物1を好適には鉛直に
固定する部材2と、塗布液4を貯留する塗布液容器3
と、その管状物1のための陰圧・陽圧に切り替え可能な
圧力調整ノズル5と、その管状物1から流出した塗布液
4の吸引ノズル10とで基本的に構成されている。
【0031】本発明の管状物の固定部材2は、管状物1
を簡単に取付、取外しできる着脱自在なものがよく、具
体的には管状物1を挟持するものやはめ込む(嵌合)形
式のものが好ましい。また管状物1の固定方向は任意で
よいが、塗布液の塗りむらを少なくするため縦方向が好
ましく、さらには鉛直方向にすることが好ましい。
【0032】塗布液容器3は、管状物1を塗布液中に浸
漬し管状物全体に塗布液を塗布できるように管状物1よ
り長く大きいものが好ましい。また、貯蔵容器4の入口
部は、塗布液の揮発を抑えるためできる限り管状物の径
に近い方が好ましい。なお、貯蔵容器4の材質としては
塗布液溶媒によって変化を受けないものなら何でもよ
く、例えば、ガラス、ステンレス、ポリエチレン、ポリ
プロピレンおよびフッ素樹脂が好適に用いられる。
【0033】管状物の固定部材2と塗布液容器4は、上
下動可能に構成することが好ましく、鉛直に固定した管
状物1を移動させて塗布液容器4の中に浸漬してもよ
く、塗布液容器4を移動させて管状物1を塗布液中に浸
漬するようにしてもよいが、できれば塗布液容器4の方
を上下動させることが管状物が揺れない等の点で好まし
い。
【0034】本発明において、管状物1に連結し陰圧・
陽圧に切り替え可能な圧力調整ノズル5の位置は、管状
物1の固定方向で決まり、管状物1を鉛直に固定した場
合には管状物1の上方から連結・脱着が可能なものが好
ましい。管状物1内部の陰圧・陽圧の切り替えは、陰圧
ライン6と陽圧のライン8を電磁弁等の装置によって、
瞬時に切り替えができるものが好ましい。図1では、陰
圧ラインのコック7と陽圧ラインのコック9が用いられ
ている。
【0035】本発明の製造装置では、各部材、装置等の
材質は特に限定しないが、塗布液の溶媒の影響を受けに
くいものが好ましく用いられる。
【0036】本発明で用いられる管状物から流出する塗
布液を吸引する吸引ノズル10は、管状物1の下方から
管状物に被せる形状、方式のものが好ましく、吸引ノズ
ル10には陰圧ライン11が接続されている。また、吸
引ノズル10の外径は管状物1の内径より大きいことが
好ましい。吸引ノズル10の外径が小さすぎると管状物
1が吸引ノズル10に触れる恐れがあり、大きすぎると
吸引効果が減少するので、例えば5mmから20mm大
きい吸引ノズルが好ましく用いられる。
【0037】本発明においては、このように塗布液への
浸漬時間、塗布液貯留容器内の塗布液への浸漬・取り出
し速度、管状物上方に連結する圧力調整装置の排出量等
を変えることにより塗布膜厚を任意にコントロールする
ことが可能である。
【0038】本発明の側孔を有する医療用管状物の用途
としては、例えば、緊急時のブラッドアクセス用カテー
テル、体内埋め込みカテーテル、体液ドレーンチュー
ブ、ステントなど、が挙げられ、特に抗血栓性の要求さ
れる医療用部材に好適である。
【0039】
【実施例】以下の実施例によって本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
【0040】[実施例1]図1に示した装置を用い、長
径4mm短径2mmの楕円形の側孔を5箇所に設けた
外径3.5mmφ、長さ25cm、先端孔1mmのポリ
ウレタンチューブに、塗布液としてポリ塩化ビニルとメ
トキシポリエチレングリコールメタクリレートとジメチ
ルアミノエチルメタクリレートの共重合体のテトラヒド
ロフランとメチルイソブチルケトンの混合物からなる溶
液(ポリマ濃度5%、粘度7cp)を用い、塗布液の浸
漬時間5秒、吸引速度10ml/min、塗布液容器の
下降速度60cm/min、チューブ上方に連結した圧
力調整ノズルの排出量を5l/min、チューブより1
5mm径が大きい下方に配置した吸引ノズルからの吸引
量1000l/minの条件で吸引し、塗布液を塗布
し、3分間風乾した。先端孔、側孔とも詰まることがな
く、外面10μm、内面8μm、側孔壁面8μmの塗膜
を形成することができた。
【0041】[比較例1]図1に示した装置を用いて、
長径4mm短径2mmの楕円形の側孔を5箇有する、外
径3.5mmφ、長さ25cm、先端孔1mmのポリウ
レタンチューブ上方に圧力調整ノズルを接続し、ポリ塩
化ビニルとメトキシポリエチレングリコールメタクリレ
ートとジメチルアミノエチルメタクリレートの共重合体
のテトラヒドロフランとメチルイソブチルケトンの混合
物からなる塗布液(ポリマ濃度5%、粘度7cp)に、
5秒間浸漬後、そのまま塗布液容器を下降速度60cm
/minで移動し、吸引ノズルを陰圧にして管内部の塗
布液を吸引したところ、外面10μm、内面8μmの塗
膜を形成することができたが、側孔1個と先端孔内に塗
布液が詰まった。
【0042】[比較例2]図1に示した装置を用い、長
径4mm短径2mmの楕円形の側孔を5箇所に設けた、
外径3.5mmφ、長さ25cm、先端孔1mm、ポリ
ウレタンチューブに、塗布液としてポリ塩化ビニルとメ
トキシポリエチレングリコールメタクリレートとジメチ
ルアミノエチルメタクリレートの共重合体のテトラヒド
ロフランとメチルイソブチルケトンの混合物の溶液(ポ
リマ濃度5%、粘度7cp)を用い、塗布液の浸漬時間
5秒、塗布液容器の下降速度60cm/min、チュー
ブ上方に連結したノズルの排出量を5l/minの条件
で、ただし吸引チューブ下方からの吸引を行わなかった
ところ、外面10μm、内面8μmの塗布膜を形成する
ことができ先端孔、側孔とも詰まることはなかったが、
チューブ先端外側に塗布液のたまりが生じた。
【0043】[実施例2]図1に示した装置を用い、直
径1mmの円形の側孔を7箇所に設けた、外径3mm
φ、長さ15cm、先端孔1mmのポリウレタンチュー
ブに、塗布液としてポリ塩化ビニルとメトキシポリエチ
レングリコールメタクリレートとジメチルアミノエチル
メタクリレートの共重合体のテトラヒドロフランとメチ
ルイソブチルケトンの混合物の溶液(ポリマ濃度5%、
粘度7cp)を用い、塗布液の浸漬時間5秒、吸引速度
10ml/min、塗布液容器の下降速度60cm/m
in、ポリウレタンチューブ上方に連結したノズルの排
出量を5l/min、の条件で塗布液を塗布し、先端
孔、側孔とも詰まることがなく、外面8μm、内面2μ
m、側孔壁面5μmの塗膜を形成することができた。
【0044】[実施例3]図1に示した装置を用い、直
径1.7mmの側孔を10箇所に設けた、外径3mm
φ、長さ40cm、先端孔2.3mmのポリウレタンチ
ューブに、塗布液としてポリ塩化ビニルとメトキシポリ
エチレングリコールメタクリレートとジメチルアミノエ
チルメタクリレートの共重合体のテトラヒドロフランの
溶液(ポリマ濃度5%、粘度7cp)を用い、塗布液の
浸漬時間5秒、吸引速度10ml/min、塗布液容器
の下降速度60cm/min、管状物上方に連結した圧
力調整ノズルの排出量を5l/minの条件で塗布液を
塗布した。先端孔、側孔とも詰まることがなく、外面1
0μm、内面10μm、側孔壁面10μmの塗膜を形成
することができた。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、側孔を有する管状物の
内外面と側孔断面およびその周辺にきれいに塗膜を形成
させることができ、内外面および側孔断面とその周辺に
塗布膜が形成された医療用管状物を製造することができ
る。さらに管状物の塗布液への浸漬時間、塗布液容器の
下降速度、管状物上方に連結する圧力調整ノズルの排出
量を変えることにより塗膜厚を任意にコントロールする
ことが可能である。
【0046】本発明によると、このように側孔のある管
状物の内外面に容易に塗膜を形成して医療用管状物を製
造することが可能となるため、塗布液として抗血栓性材
料を用いることにより、医療用管状物に優れた抗血栓性
を付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の側孔を有する管状物の内外面に塗膜
を形成させる装置を説明するための概略側面図。
【図2】 本発明の管状物内部を陰圧にして管状物内に
塗布液を吸い上げている状態を示す概略側面図。
【図3】 本発明の管状物内部を陽圧にするとともに吸
引ノズルで塗布液を吸い上げた状態を示す概略側面図。
【符号の説明】
1: 管状物 2: 管状物の固定部材 3: 塗布液容器 4: 塗布液 5: 圧力調整ノズル 6: 陰圧ライン 7: 陰圧ラインのコック 8: 陽圧ライン 9: 陽圧ラインのコック 10: 吸引ノズル 11: 陰圧ライン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−266618(JP,A) 特開 昭57−211355(JP,A) 特開 昭54−98090(JP,A) 特開 昭57−211356(JP,A) 特開 昭57−211357(JP,A) 特開 昭49−10224(JP,A) 特開 昭48−832(JP,A) 特開 昭64−62165(JP,A) 特開 昭61−268261(JP,A) 特開 平10−277147(JP,A) 特開 昭61−199867(JP,A) 特公 昭46−5956(JP,B1) 実公 昭36−10866(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61L 33/10 A61L 29/00 A61M 25/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 側孔を有する医療用管状物であって、該
    医療用管状物の内外面および側孔壁面が共に塗膜で被覆
    されてなることを特徴とする医療用管状物。
  2. 【請求項2】 前記塗膜に抗血栓性材料が含有されてい
    ることを特徴とする請求項1記載の医療用管状物。
  3. 【請求項3】 前記医療用管状物がカテーテルであるこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の医療用管状物。
  4. 【請求項4】 側孔を有する管状物を塗布液に浸し、該
    管状物内部を陰圧にして管状物内に塗布液を流入せし
    め、次いで該管状物内部を陽圧にして管状物内部の塗布
    液を外部に流出させることを特徴とする医療用管状物の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 前記管状物内部の塗布液を外部に流出さ
    せる際に、塗布液を吸引することを特徴とする請求項4
    記載の医療用管状物の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記塗布液の流入または/および流出の
    際に、該側孔を通過せしめることを特徴とする請求項4
    または5記載の医療用管状物の製造方法。
  7. 【請求項7】 管状物の固定部材と、該管状物を塗布液
    中に浸漬するための塗布液容器と、該管状物内部を陰圧
    ・陽圧に切り替え可能な圧力調整ノズルと、該塗布液を
    吸引除去する吸引ノズルとからなることを特徴とする医
    療用管状物の製造装置。
  8. 【請求項8】 前記吸引ノズルの内径が該管状物の外径
    より大きいことを特徴とする請求項7記載の医療用管状
    物の製造装置。
JP26428297A 1997-09-29 1997-09-29 医療用管状物、その製造方法およびその製造装置 Expired - Fee Related JP3500931B2 (ja)

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