JP3499624B2 - コンピュータ断層撮影装置 - Google Patents

コンピュータ断層撮影装置

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JP3499624B2
JP3499624B2 JP00251295A JP251295A JP3499624B2 JP 3499624 B2 JP3499624 B2 JP 3499624B2 JP 00251295 A JP00251295 A JP 00251295A JP 251295 A JP251295 A JP 251295A JP 3499624 B2 JP3499624 B2 JP 3499624B2
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    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B6/00Apparatus for radiation diagnosis, e.g. combined with radiation therapy equipment
    • A61B6/02Devices for diagnosis sequentially in different planes; Stereoscopic radiation diagnosis
    • A61B6/027Devices for diagnosis sequentially in different planes; Stereoscopic radiation diagnosis characterised by the use of a particular data acquisition trajectory, e.g. helical or spiral

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  • Apparatus For Radiation Diagnosis (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヘリカルスキャン方式
のコンピュータ断層撮影装置(以下「CT」と略す)に
関する。
【0002】
【従来の技術】現在、被検体を透過したX線を検出する
検出器を1次元に配列した1次元検出器を持つCTが一
般的に普及している。そして、近年では、X線源(ソー
ス)と検出器を連続回転させながら寝台を移動させるこ
とで、寝台と共に移動する移動座標系においてX線源が
螺旋軌道を描いて移動するいわゆるヘリカルスキャン方
式が急速に普及し始めている。さらに、1次元検出器の
多列化や照射X線のコーンビーム化により、データの3
次元化の実現性が模索されている。
【0003】1次元検出器によるヘリカルスキャン方式
では、X線源が螺旋軌道を移動するため、再構成断面上
の投影データの大部分を線形補間処理等により近似的に
補間作成することが必要である。この作成したデータ
を、以下、近似投影データと称する。再構成は実質的に
1回転分のデータが必要になるので、例えば10cm分
の厚みを持つ領域を2mmスライスデータとして欲しけ
れば、50回転のスキャンが必要であった。
【0004】1次元検出器を2列設けたいわゆるデュア
ルスライス・ヘリカル方式は、データ収集速度が原理的
に上記方式の2倍になる。これを発展させて1次元検出
器を多列化することが考えられるが、列間でのX線パス
が平行とは見做せなくなる。仮にこれを平行とみなし
て、単純に列毎に画像をマルチスライスとして再構成し
たのではアーチファクトの多い実用に耐えない画像とな
ってしまう。これらの問題を克服する技術は現在提案さ
れておらず、従ってこの方式では精々2倍の高速化が限
度であると結論されている。
【0005】コーンビームスキャン方式では、被検体が
コーンビーム内に完全に含まれる場合には理論的に完全
な再構成が可能であるが、被検体がコーンビーム内に完
全に含まれない場合には、適当な再構成の解法が提案さ
れていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、2次元
アレイ検出器を用いたヘリカルスキャン方式のCTで、
簡易にしてアーチファクトの少ない再構成方法が存在し
ていない。本発明の目的は、2次元アレイ検出器を用い
たヘリカルスキャン方式のCTで、簡易な処理でアーチ
ファクトの少ない再構成画像を作成可能なCTを提供す
ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、2次元アレイ
検出器を用いてヘリカルスキャンにより投影データを収
集するコンピュータ断層撮影装置において、任意に設定
された再構成面の画像を再構成するのに必要な前記再構
成面に含まれる理想的なX線パスに近似するX線源の実
軌道上からのX線パス上の近似投影データを、実際に前
記2次元アレイ検出器で収集された実在投影データから
作成し、この近似投影データを用いて再構成像を再構成
する。
【0008】
【作用】本発明によれば、2次元アレイ検出器を用いて
ヘリカルスキャンにより得られた2次元状の投影データ
から、設定された再構成面に近似するX線パスの近似投
影データを抽出し、この近似投影データを用いて再構成
像を再構成するので、2次元アレイ検出器を用いたヘリ
カルスキャン方式のCTで、簡易な処理でアーチファク
トの少ない再構成画像を作成することができる。
【0009】
【実施例】以下、本発明によるコンピュータ断層撮影装
置(以下、「CT」と略す)の一実施例を説明する。図
1は本実施例に係るCTの構成図であり、図2は図1の
データ前処理装置のブロック図である。CTは、大きく
架台1、寝台2、コンソール3から構成される。架台1
の中心部には、円筒形の開口部が開けられ、スキャン時
には被検体Pが寝台2に載置された状態で挿入される。
なお、被検体Pの体軸方向に平行な水平軸をZ軸、鉛直
軸をY軸、Z軸に直交する水平軸をX軸と定義する。寝
台2は寝台駆動装置20に駆動されて被検体Pを載置し
たままで移動可能に構成される。X線源10は、高電圧
発生装置4から高電圧を受けて、扇状のX線ビームFX
をばく射する。この扇状のX線ビームFXの広がり角度
をファン角度といい、中心軸を挟んで左右に±A°、合
計2A°とする。典型的な例としては、ファン角度は5
0°に設定されている。2次元アレイ検出器12は、被
検体Pを透過したX線を電気信号として検出する検出器
を2次元状に配列してなる。X線源10と2次元アレイ
検出器12とは、図示しない回転機構及びスリップリン
グ機構によって、対向した状態のままで被検体Pの周囲
を連続回転可能に支持されている。この回転は架台駆動
装置13によって駆動される。2次元アレイ検出器12
の出力は2次元データ収集装置12で時間的に積分さ
れ、ディジタル化されて投影データとして収集される。
高電圧発生装置4は高電圧制御装置5に、架台駆動装置
13は架台制御装置33に、寝台駆動装置20は寝台制
御装置34にそれぞれ制御される。
【0010】2次元データ収集装置12からの投影デー
タは、データ前処理装置31に送られ、まずデータ前処
理部311で Log変換(対数変換)等の一般的な前処理
を施された後、前処理後2次元投影データ記憶部312
に記憶される。斜断面近似投影データ作成部313は、
前処理後の投影データを使って斜断面に関する画像を再
構成するのに必要な近似投影データを作成する。画像再
構成装置32は、斜断面近似投影データ作成部313で
作成された近似投影データから画像(斜断面像)を再構
成する。この再構成処理には、180°分の投影データ
から画像を再構成することが可能ないわゆるハーフ再構
成処理法が採用される。この断層像データは主制御部3
6を介して画像表示装置37に送られ表示され、また画
像データ記憶装置35に送られ記憶される。主制御部3
6は、高電圧制御装置5、架台制御装置33、寝台制御
装置34を制御してヘリカルスキャンを実行する。
【0011】次に本実施例の作用について説明する。な
お、説明の便宜上、被検体Pと共に移動する移動座標系
を規定する。この移動座標系において、ヘリカルスキャ
ンではX線源10は図3(a)に示すように螺旋軌道を
移動することになる。実際の動きでは、X線源10及び
2次元アレイ検出器11が連続回転しながら、寝台2に
より被検体Pが一方向に移動する。ここで、以下の説明
で扱う特殊用語について定義する。 ・実在投影データ;実際に2次元アレイ検出器11の各
検出器で収集された実在の投影データ ・仮想投影データ;再構成面(ここでは斜断面として定
義される)の画像を再構成するために必要とされる理想
的、つまり当該再構成面に含まれるX線パス(仮想パス
という)上の投影データ。ヘリカルスキャンでは、この
ような仮想投影データは、一部の例外を除いて、実在し
ない。 ・近似投影データ;仮想パスに最も近似するX線ビーム
FX内のX線パス(近似パスという)上の投影データ。
なお、この近似投影データは実在投影データとして実在
する場合もあるし、実在しない場合もあり得る。実在し
ない場合、近似パスに近い実在投影データから補間(距
離補間)により作成する。近似投影データは、X線源1
0の回転角度各々について、X線源10からのX線の放
射方向(ファン内角度として定義する)毎に、1つずつ
作成される。
【0012】なお、ヘリカルスキャンでは、再構成に必
要な複数のX線パスにより1枚の平面を定義できない。
本実施例の特徴の1つは、X線源10の半回転分のX線
パス群に対して、Z軸に対して傾斜する斜断面(再構成
面)を設定し、この半回転分の投影データを使って画像
を再構成することにある(図3(b)参照)。これによ
り、半回転分のX線パス群により描かれる湾曲面と再構
成面とのずれは少なく、アーチファクトの少ない画像を
再構成することができる。さらに本実施例の特徴は、半
回転分のX線パス群に対して、アーチファクトが最小
に、つまり上記ずれ量を最小にする斜断面を設定し、且
つ近似パスを設定することである。近似パスは、X線源
10の回転角度、ファン内角度、Z位置により特定され
る。
【0013】3次元のボリュームデータは、斜断面をX
線源10の螺旋軌道に沿って少しずつずらしながら、再
構成処理を繰り返すことにより得られる。この斜断面の
移動ピッチに応じて空間分解能が変化する。例えば、図
4に90°ずつずらした斜断面の変化を示す。この方法
によれば、例えば1回転で、これまで実用化されている
シングルスライスあるいはデュアルスライスのヘリカル
CTの数倍分(移動ピッチに応じて変化する)の画像を
再構成することができる。
【0014】以下に詳細に説明する。 ・再構成すべき仮想平面(斜断面)の設定について X線源10が180°回転する間に移動するX線パス群
により、斜断面が近似的に規定されることを上述した
が、最も近似する上記ずれ量の最小となる仮想平面を特
定する必要がある。図6にX線源10(ソース)の螺旋
軌道を横軸をX線源10の回転角、縦軸をZ座標として
表現している。X線源10の螺旋軌道はこのグラフ上で
は原点を通る1次の直線fsourceで示される。一方、仮
想平面は、このグラフ上ではサインカーブfplane とし
て示される。ここでは、0°を中心に180°+ファン
角度2A、つまり±(90°+A)分がハーフ再構成に
必要なビューとして与えられる。fsourceとfplane の
差の積分が小さい程、仮想平面と、X線源10の螺旋軌
道の半回転分のX線パス群で描かれる湾曲面とのずれ量
が小さいことは容易に理解されるであろう。
【0015】例えば、ファン角度2A=50°とする
と、90°+A=115°となるが、このとき仮想平面
の傾斜角(グラフ上はサインカーブfplane の0度での
傾きに相当)と、ヘリカルスキャン時のX線源10の回
転に対する寝台2の相対移動速度に応じたfsourceの傾
きの比が1.095×(π/2)=1.720であるとき、両関数の差
分d1,d2がほぼ一致する。すなわち両関数の差の絶
対値の最大値(|d1−d2|)が、最小になるよう
に、仮想平面を設定することにより、最もアーチファク
トの少ない最適な仮想平面を特定することが可能であ
る。このように両関数の差の絶対値の最大値に基づく方
法の他に、両関数の差分の2乗平均が最小となるように
仮想平面を設定する方法を採用してもよい。勿論、この
ような2つの方法に限定されるものではない。
【0016】・近似パスの設定について 図6を参照して理解されるように、仮想平面内に含まれ
る仮想パスは希少であり、したがって仮想投影データは
実在投影データとしてはほとんど存在しない。したがっ
て、一定の厚みを持った扇状のX線ビーム内における、
仮想パスとに最も近い近似パスを設定する。ここで、フ
ァン内角度0°について考えると、図7のようにFOV
(Field of View)の中心(X線源10の
回転中心に同じ)を通る仮想平面上のパスが仮想パスで
ある。一方、近似パスは、X線源10からFOV中心を
通るパスとして与えられる。この近似パスを通る実在投
影データがファン内角度0°に関する近似投影データと
される。この近似パスを通る実在投影データ存在しなけ
れば、当該近似パスと検出器面との交点に最も近いチャ
ンネルA,Bの2つの実在投影データから補間により近
似投影データを作成する。図5に、回転角度の変化に対
する近似パスの検出面の交点群の変化を太線で概念的に
示す。近似パスの設定方法について、2種類の具体例を
提供する。
【0017】(1)第1の近似パスの設定方法(図8
(a)参照) この方法では、X線源10の或る回転角について見る
と、近似パスの検出面上への交点がファン内角度の変化
に伴って「直線」で描かれることになる。上述したよう
にファン内角度0°の近似パスはFOV中心で仮想平面
と交差するように設定される。他のファン内角度の近似
パスと仮想平面との交点が、X線源10を中心としてX
線源10からFOV中心までを半径とした仮想平面の僅
かに扁平な楕円を描くように、近似パス群が設定され
る。この方法の利点は、実際の計算の煩雑度が小さいこ
とが挙げられる。図9に、この方法による1枚の断層像
を再構成するのに必要な全ての近似パスを示している。
なお、図9では、X線源10の回転角度ζは絶対角度で
はなく、X線源10が再構成に用いる半回転の中心を0
°として表し、またZ位置ρはX線源10が半回転する
間に寝台2が移動する移動範囲の中心位置を原点とし
て、原点からの距離(mm)で表して、X線源10の回転角
度及び検出器のZ位置の移動の変化に対して汎用化して
示している。図9ではX線源10が半回転する間に寝台
2が40mm移動するように示している。図9の見方は、例
えばX線源10の回転角度ζが0°で、ファン内角度α
が0°のときの近似パスは、Z位置ρが0の投影データ
であり、これは通常、実在するであろう。勿論、このZ
位置ρの実在パスが実在しなければ、近似投影データは
当該近似パスに最も近い2つのパス上の実在投影データ
から補間により作成される。
【0018】(2)第2の近似パスの設定方法(図8
(b)参照)。 この方法は、近似パスの中心で仮想平面と交わるように
近似パスを設定する。このような近似パスと仮想平面と
の交点は、X線源10とFOV中心との距離を直径とす
るXY面上の円周をZ軸方向に延長した円筒と、仮想平
面である斜断面とが交差する僅かな楕円を描く。勿論、
この近似パスの実在投影データが存在しなければ、上述
したように補間により作成する。
【0019】以上、近似パスの設定、換言すると近似投
影データの作成例を2つ挙げたが、他にも変形例が考え
られ、ここであげた2つの例に制約されるものではな
い。なお、補間に関して、回転角度とファン内角度の組
み合わせ毎に、補間係数をあらかじめ求めておくこと
は、近似投影データの作成に当たって、補間係数の計算
工程が不要とされ、計算量の軽減という観点から有効と
いえる。さらに、仮想平面の設定、近似パスの取り方に
ついても、運用上は上記補間係数にすべて織り込むこと
ができる。
【0020】次に具体例を挙げて説明する。ここでは、
X線源10の回転半径を600mm、X線源10から2
次元アレイ検出器11までの距離を1.1m、ファン角
度を50度と仮定する。このときFOV(再構成領域)
は600×sin(50°/2) で、約250mmになる。ま
た、2次元アレイ検出器11は、Z方向(スライス方
向)に9チャンネル、換言すると1次元アレイ検出器が
Z方向に9列設けられたものであると仮定する。また、
1次元アレイ検出器は、FOV中心においては1.4m
m間隔に相当する列ピッチ(このとき列ピッチは2.5
7mmとなる)で配列されていると仮定する。また、X
線源10が1回転する間に寝台2の移動量は15mmで
あると仮定する。このときのFOV内での近似パスと仮
想平面のZ方向のずれは、計算によりプラス方向もマイ
ナス方向も0.41mm程度と見積もれる。記憶部31
2からの近似投影データの取り出しは、図9にしたがっ
て行われる。補間処理は、線形距離補間でもよいし、r
isen cosine関数を用いた補間のいずれでも
よい。2次元アレイ検出器11上でのデータの必要範囲
はプラスマイナス10.18mmと見積もれ、検出器1
1の存在範囲2.57mm×4=10.28mmの中に
入る。近似投影データ作成時に補間処理が入るため、F
OV中心でのチャンネルの幅1.4mmに対して実行ス
ライス厚はもっと厚く2mm程度になるであろう。この
とき先のZ方向のエラー0.41mmは適当に小さいエ
ラーであり、画質的に大きなアーチファクトを発生させ
るに至らないと理解される。
【0021】次に画像再構成について説明する。近似投
影データから2次元のハーフ画像再構成を行えば画像が
得られる。実際の処理としては、上述のようにして得ら
れた近似投影データに対して従来通りの2次元ハーフ再
構成を施すのみでよい。このとき、180度+ファン角
度分のデータを使うと、対向ビームが若干得られるが、
この両者を加算平均してもよいし、一方を選択してもよ
い。もちろん、もう少し広い角度範囲でデータを取得
し、対向ビームを「滑らかに重み付けて繋ぐ」ようにし
てもよい。
【0022】ところで、再構成の座標系はZ方向に垂直
なX,Y軸について再構成を行えばよく、これにより再
構成面はわずかに傾きを持つが、これをZ方向から眺め
た画像として得られる。仮想平面内の2次元座標を取り
直すなどする必要性はない。もともとのデータはX,Y
座標で収集されているということもあるし、また上述し
たように連続する再構成面が非平行であるので、かえっ
てX,Y座標のままの方が3次元データとしての扱いが
容易であると考えられる。
【0023】ボリュームデータの収集について 以上の説明では、単一スライスの取得を中心に述べてき
た。ボリュームデータを得るには、1枚の画像を再構成
するのに必要な半回転範囲を、少しずらしてやればよい
(図3(a)参照)。例えばX線源10の1回転の間に
8枚の画像が欲しい場合には、360度/8=45度の
ピッチで半回転範囲をずらして仮想平面を設定すればよ
い。
【0024】さて、X線源10の螺旋軌道に沿ってたと
えば45度ピッチで順次画像を作成したとしても、得ら
れる画像は非平行である。このためZ方向の空間分解能
が一定ではなく変化するが、これは元々のX線源10の
螺旋軌道の空間的な非対称性を反映したものと考えられ
その意味でごく自然なものであるといえる。
【0025】得られた一連の画像は非平行なので、互い
に平行な断面や、曲断面変換像を含む断面変換像など、
任意の2次元像を切り出す必要がある。各面は後述する
P(ζ)の式によってその位置が与えられているのでこ
れに従って、算出すればよい。また、表面表示や投影像
作成などの3次元画像処理を行う場合、互いに平行な断
面を一旦作成してから、これを用いて処理を行うのが実
際の運用上は最も便利であるが、精度を上げたい場合に
は得られた一連の非平行画像から直接処理を行うのがよ
い。
【0026】ヘリカルCT,及び2スライスのマルチス
ライスを行うデュアルスライスヘリカルCTに関して従
来法と比較する。まず撮像のスピード・収集時間の効率
について。先に示した例では、ヘリカルCTでは、例え
ば10cm分の厚みを持つ領域を2mmスライスデータ
として欲しければ、1回転あたり寝台を2mm移動さ
せ、50回転の撮影が必要であった。デュアルスライス
のものでは、1回転あたり4mm移動させ25回転が必
要である。本法を用いれば、上記の具体的計算例では、
1回転あたり寝台を15mm移動させるので、7回転程
度で済む事になる。次に再構成時のFOV内の投影ビー
ムの存在位置のエラーについて考えよう。本法は近似手
法であり、エラーは存在するが、上記具体的な計算例で
示した例のように、適切な条件下では、十分な精度を持
たせることができる。従来のヘリカルCTにおいても、
隣接データとの補間処理は行っており、本法を用いて
も、従来法と同程度のエラーにて実行できるといえる。
【0027】図10はデータ収集から再構成までの一連
の処理の流れを示すフローチャートであり、図11に或
る斜断面を示す。1回転あたりの寝台移動量をh[m
m]、仮想平面の傾きをκとするとき、ζradian
回転した位置、すなわち(ζh/2π)[mm]の位置
を中心とした斜断面P(ζ)は P(ζ)={(x,y,z) z=(ζh/ 2π) +[(x、y)・(-sinζ,co
sζ)]×tanκ} で与えられる。ただし、「・」は内積を表す。
【0028】ここで、X線源10の回転角度β、ファン
内角度α、Z方向の位置ρとすると、この近似投影デー
タをR(β,α,ρ)と表すものとする。実際には、投
影データは離散的に得られるので、R(l(△β),m
(△α),n(△ρ))として表現される。なお、m=
−M/2〜+M/2、n=−N/2〜+L/2である。
【0029】ヘリカルスキャンによりX線源10は数回
転するので、βは広範囲となる。この範囲Iを、I=L
L1〜LL2とする。また、ハーフ再構成に必要な範囲
である実角度で−(π/2+A)〜(π/2+A)に対
応した範囲を−L/2〜+L/2と記述する。
【0030】さて、X線源10がζだけ回転した位置に
おける斜断面の再構成について考えよう。この斜断面の
再構成画像H(ζ)を再構成するために必要な全近似投
影データの近似パスの検出器上のZ位置ρは、βとαの
関数としてρ(β,α)として与えられる。
【0031】H(ζ)は、次のように得られる。 (STEP1)斜断面の近似投影データR(ζ,β,
α)は、 R(ζ,β,α)=R(ζ+β,α,ρ(β,α)) で作成される。このとき、 ζ+β=(I(ζ))・(△ζ) α=(m(ζ))・(△α) (n−1)・(△ρ)≦ρ(β,α)<n・(△ρ)と
すると、実際には、 R(I(ζ)・(△ζ),m(ζ)・(△α),α,
(n−1)・(△ρ)) R(I(ζ)・(△ζ),m(ζ)・(△α),α,n
・(△ρ)) の2つの実在投影データから補間処理により近似投影デ
ータが作成される。 (STEP2)近似投影データR(ζ,β,α)を用い
て所定のハーフ再構成アルゴリズムにより、ζだけ回転
した方向に画像H(ζ)を再構成する。
【0032】なお、近似投影データRはヘリカルスキャ
ンの実行中に順次必要な画像の再構成が終了次第、順
次、消去してよいし、記憶部312の記憶容量が十分大
きければ、ヘリカルスキャン終了後、再構成処理を実行
するようにしてもよい。
【0033】本発明は上述した実施例に限定されず種々
変形して実施可能である。以下に変形例を順次説明す
る。 (1)シフト機構の併用 本発明とシフト機構を併用することによって、分解能を
向上させる事ができる。例えばX線源10の回転半径を
上述の例の600mmを2/3の400mmになるよう
に「シフト」させたとしよう。本法においては、これに
連動してX線源101回転あたりの寝台の移動量も15
mmから2/3の10mmに、スライス厚みも2/3と
させる。必ずしも連動させる必要はないが、スライス方
向含めて全体的に分解能を向上させるのが最も効率がよ
い。
【0034】(2)部分角再構成法の利用 本発明の基本的アイデアは、X線源10の螺旋軌道の1
80°回転分程度は1つの平面に近似的に含まれること
に着目し、このヘリカル斜断面に近いプロジェクション
データを抜き出し集めて、通常の2次元のハーフ再構成
を行おうと言うものであった。螺旋軌道を一部分に限局
すれば、その分近似はよくなる。本法の変形例として、
部分角再構成法を併用する。この方式を用いればX線源
10の螺旋軌道と仮想平面の位置的な近似はきわめてよ
くなるので、仮想平面が更に傾斜角度を持っていても画
像を得ることができる。従って「スライス方向のファン
角度」も大きくすることが可能であり、撮影の効率は更
に向上する。
【0035】(3)逆回転(寝台逆方向移動)への対応 実際の装置では、寝台の移動方向は、CT架台に挿入す
る方向、引き出す方向の双方向で使用する可能性があ
る。またX線源10の回転方向自体も逆回転含めて2通
りが考えられる。この場合、被検体に対するX線源10
の相対的な螺旋運動は鏡像対称であるので、上記のデー
タ処理(近似投影データの作成、逆投影演算の座標な
ど)すべて鏡像対称とする。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、簡易な処理でアーチフ
ァクトの少ない再構成画像を作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係るCTの構成図。
【図2】図1のデータ前処理装置のブロック図。
【図3】ヘリカルスキャンにおけるX線源の螺旋軌道を
示す図。
【図4】90°ずつずらした斜断面の変化を示す図。
【図5】回転角度の変化に対する近似パスの検出面の交
点群の変化を示す概念図。
【図6】X線源の螺旋軌道と仮想平面の装置を示す図。
【図7】ファン内角度0°の仮想パスと近似パスを示す
図。
【図8】近似パスの設定方法の説明図。
【図9】1枚の断層像を再構成するのに必要な全ての近
似パスのZ位置を示す図。
【図10】データ収集から再構成までの一連の処理の流
れを示すフローチャート。
【図11】図10に対応する斜断面を示す図。
【符号の説明】
1…架台、 2…寝台、3…コンソ
ール、 4…高電圧発生装置、5…高電圧
制御装置、 10…X線源、11…2次元アレ
イ検出器、 3…架台駆動装置、20…寝台駆動装
置、 31…データ前処理装置、32…画像再
構成装置、 33…架台制御装置、34…寝台制
御装置、 35…画像データ記憶装置、36…
主制御装置、 37…画像表示装置。

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2次元アレイ検出器を用いてヘリカルス
    キャンにより投影データを収集するコンピュータ断層撮
    影装置において、任意に設定された再構成面の画像を再構成するのに必要
    な前記再構成面に含まれる理想的なX線パスに近似する
    X線源の実軌道上からのX線パス上の近似投影データ
    を、実際に前記2次元アレイ検出器で収集された実在投
    影データから作成し、 この近似投影データを用いて再構
    成像を再構成することを特徴とするコンピュータ断層撮
    影装置。
  2. 【請求項2】 前記近似投影データを同時に収集された
    スライス方向に隣接する少なくとも2つの実際に得られ
    た投影データの補間により求めることを特徴とする請求
    項1記載のコンピュータ断層撮影装置。
  3. 【請求項3】 前記再構成面は前記ヘリカルスキャンの
    中心軸に対して傾斜する斜断面として設定されることを
    特徴とする請求項1記載のコンピュータ断層撮影装置。
  4. 【請求項4】 前記再構成面を空間的に連続するように
    複数設定し、各再構成面について再構成像を再構成する
    ことによりボリュームデータを得ることを特徴とする請
    求項1記載のコンピュータ断層撮影装置。
  5. 【請求項5】 前記ヘリカルスキャンは、前記X線源が
    被検体に対して相対的に螺旋軌道上を移動することによ
    り実行され、前記再構成面は、前記X線源が略180度
    回転する間に回転中心を通るX線パスにより描かれる湾
    曲面に近似する面として設定されることを特徴とする請
    求項1記載のコンピュータ断層撮影装置。
  6. 【請求項6】 前記再構成面を、半螺旋の各回転角にお
    ける前記X線源のZ座標と、前記X線源の螺旋軌道によ
    り規定される円筒と前記再構成面とが交差する楕円のZ
    座標との差の絶対値の最大値が、最小になるように設定
    することを特徴とする請求項5記載のコンピュータ断層
    撮影装置。
  7. 【請求項7】 前記再構成面を、半螺旋の各回転角にお
    ける前記X線源のZ座標と、前記X線源の螺旋軌道によ
    り規定される円筒と前記再構成面とが交差する楕円のZ
    座標との差の二乗平均誤差が、最小になるように設定す
    ることを特徴とする請求項5記載のコンピュータ断層撮
    影装置。
  8. 【請求項8】 前記近似投影データは、前記X線源とF
    OV中心との距離を直径とする円筒と、前記再構成面の
    交差する楕円上を通過するX線パス上のデータであるこ
    とを特徴とする請求項5記載のコンピュータ断層撮影装
    置。
  9. 【請求項9】 前記近似投影データは、前記X線源を中
    心にしてFOV中心を通る円筒と前記再構成面の交わる
    楕円を通過するX線パス上のデータであることを特徴と
    する請求項5記載のコンピュータ断層撮影装置。
  10. 【請求項10】 前記2次元アレイ検出器のスライス方
    向の幅から換算したFOV中心でスライス方向の再構成
    厚みをcとしたとき、前記X線源の1回転での被検体の
    相対的移動距離を略1.5cに設定することを特徴とす
    る請求項5記載のコンピュータ断層撮影装置。
  11. 【請求項11】 前記再構成は部分角再構成法を利用し
    たものであることを特徴とする請求項1記載のコンピュ
    ータ断層撮影装置。
  12. 【請求項12】 前記近似するX線パスは、X線源の回
    転角度に応じて決められることを特徴とする請求項1記
    載のコンピュータ断層撮影装置。
  13. 【請求項13】 X線を曝射するX線源と、 被検体を透過したX線を検出する検出器が2次元状に配
    列された2次元検出器と、 前記2次元検出器の信号から前記被検体の投影データを
    収集するデータ収集装置と、 このデータ収集装置からの投影データを用いて、設定さ
    れた再構成面の画像を再構成するのに必要な前記再構成
    面に近似するX線パスの近似投影データを作成するデー
    タ作成部と、 前記近似投影データを用いて前記再構成面の画像を再構
    成する再構成装置と、を備えたことを特徴とするコンピ
    ュータ断層撮影装置。
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