JP3496919B2 - 上路式吊床版橋 - Google Patents

上路式吊床版橋

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JP3496919B2 JP4902098A JP4902098A JP3496919B2 JP 3496919 B2 JP3496919 B2 JP 3496919B2 JP 4902098 A JP4902098 A JP 4902098A JP 4902098 A JP4902098 A JP 4902098A JP 3496919 B2 JP3496919 B2 JP 3496919B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼材を内包した薄
いコンクリートの板状部材(吊床版)をたわみ(サグ)
が生じた状態で張架し、その引張力によって荷重を支持
する吊床版橋に係り、特に上記吊床版上に支柱を立設し
て、その上に平坦な路面を形成するための上路桁を支持
する上路式吊床版橋に関する。
【0002】
【従来の技術】上路式吊床版橋は、図12に示すよう
に、地盤または岩盤上に固定支持された橋台101又は
橋脚間に、高張力の鋼材を内包したコンクリートの吊床
版102を張架し、その上にほぼ鉛直な支柱103を立
設して上路桁104を支持する構造形式であり、この上
路桁104の上側が橋面となるものである。上記吊床版
102は、支間長に比べて極めて厚さが薄い部材であ
り、橋の軸線方向に埋め込まれた鋼材の引張抵抗力によ
って橋台又は橋脚の間にたわみ(サグ)を生じた状態で
吊支持される。
【0003】吊床版橋は、橋台または橋脚間に張架され
た吊床版の上面を橋面とするものが一般的であるが、こ
のような構造では吊床版のサグによって橋の軸線方向に
大きな勾配ができ、車輌等の走行には適さない。このた
め、このような吊床版橋は主に歩道橋に採用されてい
る。これに対し、上路式吊床版橋は上路桁を有するので
縦断勾配を任意に設定することができるとともに、サグ
を大きくすることができるので吊床版に作用する張力を
小さく抑えることができ、吊床版内に配置する鋼材及び
吊床版を支持する橋台のアンカー等を低減して橋全体の
構築費用を少なくすることが可能となる。
【0004】また、このような構造形式は、一般的な桁
橋等を比べても、断面が小さい部材で構築することがで
き、支保工、ケーブルクレーン、大型の重機などを使用
せずに急速施工ができるため、積雪量の多い寒冷地にお
ける渓谷等の施工条件が極めて劣悪な場合にも合理的な
構築ができるという特徴を有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような上路式吊床版橋では、荷重を支持する吊床版は吊
支持された可撓性を有する部材であるため、容易に変形
し、橋全体の剛性が小さいという問題点がある。このた
め、橋面上を大きな重量の車輌等が走行すると大きなた
わみを生じる。また、地震時や強風時には振動が生じや
すく、供用性・振動特性・耐風安定性等について詳細な
検討が必要となる。
【0006】一方、橋全体の剛性を増加させる方法とし
て、吊床版の支間(スパン)とたわみ(サグ)との比を
20程度以上とすることや、吊床版の厚さを大きくする
ことが考えられる。しかし、スパンとサグとの比を大き
くしたり、吊床版の厚さを大きくすると、吊床版に生じ
る引張力が著しく大きくなり、構築するための費用が多
大となる。
【0007】本発明は上記のような問題点に鑑みてなさ
れたものであり、その目的は、少ない費用で構築するこ
とができるとともに、全体の剛性が大きく、たわみ特性
及び振動特性に優れた上路式吊床版橋を提供することで
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、請求項1に記載の発明は、 軸線方向に配置さ
れた鋼材を内包し、可撓性を有する程度に部材厚が小さ
いコンクリート部材であって、固定支持された二つの橋
台又は橋脚間に張架されるコンクリートの吊床版と、
前記コンクリートの吊床版上にほぼ鉛直に立設される複
数の支柱と、この支柱上に支持され、上側に橋面が形成
される上路桁とを有する上路式吊床版橋であって、 前
記支柱の上部と前記コンクリートの吊床版とを、該吊床
版橋の軸線方向に傾斜して連結する斜材を有する上路式
吊床版橋を提供するものである。
【0009】上記構造において、吊床版は軸線方向に配
置された鋼材の張力により、たわみ(サグ)を生じた状
態で吊支持されるものである。そして、部材の曲げ剛性
で荷重に抵抗するものではなく、軸線方向の引張力で荷
重を支持するものであり、容易に変形を生じる。しか
し、部材の長さに対して部材厚が小さくなっているの
で、吊床版全体として大きな変形を生じてもコンクリー
トの断面には大きな応力やひび割れが生じない構造とな
っている。
【0010】上記吊床版が張架される橋台または橋脚
は、吊床版から伝達される大きな水平力に耐え得る構造
を有するものであり、一般に単支間の橋では二つの橋台
が地盤または岩盤に固定されたものとなる。また、複数
の支間の橋では二つの橋台間に一または二以上の橋脚が
設けられ、吊床版は上記橋台と橋脚または二つの橋脚間
に張架される。このとき、橋脚は両側に接合された吊床
版の張力によってバランスを保ちながら双方の吊床版を
支持する構造とすることができる。
【0011】上記支柱及び上路桁は、維持管理等を容易
とするためにコンクリート部材とするのが望ましいが鋼
部材とすることもできる。また、支柱と吊床版との接合
部、支柱と上路桁との接合部は、上下方向の力、水平方
向の力及び曲げモーメントを伝達する構造や、上下方向
及び水平方向の力のみを伝達させる構造等を採用するこ
とができるが、全体として構造系が安定するように選択
される。
【0012】上記斜材としては、コンクリート部材、鋼
部材又はFRP(繊維補強されたプラスチック)とコン
クリートとの合成部材等を採用することができ、少なく
とも軸方向力を伝達し得るものである。また、鋼部材の
場合にはワイヤのように軸方向引張力のみを伝達し得る
ものでもよいが、軸方向引張力と軸方向圧縮力との双方
を伝達することができる部材とするのが望ましい。な
お、上記斜材の下端は、吊床版と直接に連結されてもよ
いし、支柱の下部を介して吊床版と連結されてもよい。
【0013】このような構成の上路式吊床版橋では、変
動荷重が偏載荷された場合等には、上記斜材が吊床版の
変形を拘束するように作用し、たわみが低減される。つ
まり、構造系全体としての剛性が高められ変形が生じに
くい状態となる。また、橋面上を車輌が走行することに
よる振動、地震・風による振動に対しても変位が低減さ
れる。
【0014】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の上路式吊床版橋において、前記斜材は、一端が一つの
支柱の頂部付近と連結され、他端がこの支柱と隣り合う
他の支柱の下端付近で前記吊床版と連結されるものとす
る。
【0015】上記構成において、上記斜材は支柱の頂部
と直接に連続されるものに限らず、上路桁と支柱の頂部
との相対変位が拘束される構造では、上記斜材を上路桁
に連結し、この上路桁を介して支柱の頂部と連結される
ものでもよい。また、他方の端部も直接吊床版と連結さ
れるものに限らず、支柱の下端部を介して吊床版と連結
されるものでもよい。このような上路式吊床版では、斜
材の軸力は支柱と吊床版と又は支柱と上路桁との接合部
付近に伝達され、各部材に生じる曲げ変形が低減され、
全体の変形を抑制する効果も大きくなる。
【0016】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の上路式吊床版橋において、 前記斜材は、前記吊床版
の支間中央より一方の橋台又は橋脚側にあって隣り合う
二つの支柱の間に設けられ、支間中央より他の橋台又は
橋脚側にも、対称に斜材が設けられているものとする。
【0017】一般に吊床版橋では、支間の中央より片側
のみに活荷重等が偏載荷されたときに大きな変形を生じ
るが、支間の中央に関して対称に少なくとも二か所にお
いて、支柱間に斜材を設けることにより、上記偏載荷に
よる変形を有効に抑制することができる。また、地震時
や風荷重作用時においても、生じやすい低次のモードの
振動を有効に抑制することができる。
【0018】請求項4に記載の発明は、 請求項1、請
求項2又は請求項3に記載の上路式吊床版橋において、
前記斜材は、持続荷重のみが作用するときに、ほとん
ど断面力が作用しないように取り付けられているものと
する。
【0019】上記のように、持続荷重のみが作用すると
きには、上記斜材にほとんど断面力が作用しないように
するには、吊床版を張架し、支柱及び上路桁を構築して
ほぼ全部の持続荷重を載荷した状態で上記斜材の両端部
を所定の位置に連結する。このように斜材が取り付けら
れていると、持続荷重に加えて活荷重等が載荷され、構
造系に変形が生じようとしたときに、これを拘束するよ
うに上記斜材が作用し、断面力が発生する。したがって
斜材に作用する断面力をわずかに抑えることができ、断
面積の小さい軽量部材で構造系全体の剛性を高め、変形
及び振動を有効に抑制することができる。
【0020】請求項5に記載の発明は、 請求項1から
請求項4までのいずれかに記載の上路式吊床版橋におい
て、 前記斜材は、該斜材の両端の軸線方向の相対変位
によって運動エネルギーを吸収する減衰装置を有するも
のとする。
【0021】上記減衰装置は、例えば斜材を分断し、こ
れらの間に介挿して双方が軸線方向に相対移動するとき
に、運動エネルギーを吸収するものを採用することがで
き、運動エネルギーは粘弾性体の変形や粘性流体の流動
によって吸収されるものである。また、鉛等の塑性変形
によって運動エネルギーを吸収するものでもよい。この
ような減衰装置が上記斜材に介挿されていることによ
り、地震荷重・活荷重・風荷重等による振動が早期に減
衰され、過大な振動の発生が抑止される。
【0022】請求項6に記載の発明は、 請求項1から
請求項5までのいずれかに記載の上路式吊床版橋におい
て、 前記斜材は、一端が該上路式吊床版橋の一方の側
面付近で吊床版又は支柱下部と連結され、他端は該上路
式吊床版橋の他方の側面付近で支柱上部と連結されてい
るものとする。
【0023】上記のような構造の上路式吊床版橋では、
上路桁と吊床版とがねじれるように変形するのを斜材が
有効に抑止することになり、構造系全体のねじり変形及
びねじれ振動を抑制することができる。なお、上記斜材
と支柱上部とは直接に連結されるものでもよいし、上路
桁を介して連結されるものでもよい。
【0024】請求項7に記載の発明は、 請求項1から
請求項6までのいずれかに記載の上路式吊床版橋におい
て、 前記上路桁は、すべての前記支柱上で連続してお
り、この上路桁の両端部は、弾性部材又は粘弾性部材を
介して、前記橋台又は橋脚とほぼ水平方向に連結されて
おり、 該上路桁と前記支柱の頂部とは、上下方向及び
水平方向の相対変位を拘束するように連結されているも
のとする。
【0025】上記上路桁と橋台又は橋脚とを連結する構
造は、例えばPC鋼材等で双方を連結するとともに、弾
性体等をこれらの間に介挿する構造を採用することがで
きる。このような上路式吊床版橋では、上路桁を介し
て、これと接合された支柱頂部の変位が拘束される。し
たがって、上記斜材の作用とともに吊床版の変形を有効
に抑制することができる。また、この上路桁は橋台また
は橋脚と弾性部材または粘弾性部材を介して連結されて
いるので地震時に橋台または橋脚から上路桁に伝達され
る地震動が低減され、構造系全体の振動を抑制すること
ができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本願に係る発明の実施の形
態を図に基づいて説明する。図1は、請求項1〜4又は
請求項7に記載の発明の一実施形態である上路式吊床版
橋を示す概略側面図である。また、図2は、図1中に示
すA−A線での断面図であり、図3は、この上路式吊床
版橋の概略斜視図である。この上路式吊床版橋は、アン
カー6によって岩盤に固定された二つの橋台1a,1b
と、これらの橋台間に張架された吊床版2と、この吊床
版から鉛直に立ち上げられた複数の支柱3と、この支柱
3上に支持された上路桁4と、左岸側から第2番目の支
柱3b(第2支柱)と第3番目の支柱3c(第3支柱)
との間、及び第4番目の支柱3d(第4支柱)と第5番
目の支柱3e(第5支柱)との間に設けられた斜材5
a,5bとで主要部が構成されている。
【0027】上記橋台1a,1bは鉄筋コンクリートか
らなるものであり、岩盤上に構築され、上記吊床版2か
ら伝達される水平力に対して転倒又は滑動しないように
アンカー6で岩盤に強固に固着されている。なお、アン
カー6は岩盤に削孔を行い、この孔内にPC鋼材を挿入
した後グラウトを施したものであり、このPC鋼材に緊
張力を導入することによって橋台を岩盤に押し付けるこ
とができるものである。
【0028】上記吊床版2は、橋台1a,1bと連続
し、一体となるように形成されたコンクリートの版であ
り、図2に示すように、軸線方向に複数のPC鋼材7が
配置されている。このPC鋼材7は、吊床版2のコンク
リートと一体化されており、このPC鋼材7によって引
張力に抵抗し、橋台間に該吊床版2が張架される。上記
支柱3は、工場又は架橋現場近くのコンクリート部材製
作ヤードで製作されたプレキャストコンクリートからな
るものであるが、吊床版2上で自立するように吊床版2
と一体に連結されている。
【0029】上記上路桁4は、一方の橋台1a上から他
方の橋台1b上まで連続した鉄筋コンクリート部材であ
り、上記支柱3の頂部とは一体に連結され、上下方向、
水平方向の力及び曲げモーメントを伝達し得る状態とな
っている。また、橋台上では、図4(a)に示すよう
に、ゴム支承8によって鉛直方向に支持されるととも
に、橋台1とPC鋼棒9によって連結され、上路桁4の
端面と橋台1の鉛直面との間に積層ゴムからなる水平支
承10が介挿されている。このような構造は、上路桁4
が水平方向に大きく変位するのを有効に抑制するととも
に、上路桁4のコンクリートの温度変化による伸縮及び
乾燥収縮等は許容するものである。なお、上路桁4と橋
台1との接合は、図4(b)に示すように、上路桁の端
部をゴム支承8により単純に支持する構造とすることも
できる。
【0030】上記斜材5a,5bは、図3に示すよう
に、第2支柱3bと第3支柱3cとの間(第3サブスパ
ン)及び第4支柱3dと第5支柱3eとの間(第5サブ
スパン)の両側面付近に設けられており、第3サブスパ
ンでは、斜材5aの一端が第2支柱3bの立設位置近く
の吊床版2に連結され、他端は第3支柱3cの頂部付近
に連結されている。また、第5サブスパンでは、一端が
第5支柱3eの立設位置近くの吊床版2に連結され、他
端が第4支柱3dの頂部付近に連結されている。この斜
材5a,5bは、図5に示すように、鋼管51からなる
ものであり、端部に接合用鋼部材52が溶接で取り付け
られ、コンクリート部材にアンカー53で固定されたプ
レート54及びこのプレートから立ち上げられた接合用
突起55と接合ピン56によって回動可能に接合されて
いる。
【0031】この斜材5a,5bの取り付けは、吊床版
2の張架、支柱3の立設、上路桁4の架設等が完了した
後に、長さを調節して組み込むことによって行われたも
のである。したがって斜材5a、5bを組み込んだ直
後、すなわち固定荷重のほぼすべてが作用し、変動荷重
(活荷重)が作用していない状態では、軸方向に力が作
用しておらず、その後に載荷される変動荷重等によって
両端位置に相対変位が生じたときに断面力が生じるよう
になっている。なお、上記斜材を配置する位置および配
置する本数は、支柱の数や配置間隔等に応じて決定する
ことができるものであり、上記のように第3サブスパン
と第5サブスパンとに限定されるものではない。
【0032】このような上路式の吊床版橋では、上路桁
4上を通過する車輌等の活荷重が載荷されたときや、地
震時の震動が伝達されたときに、上記斜材5a,5bが
両端位置の相対変位を拘束し、構造系全体の変形及び各
部の変位が低減される。
【0033】次に、上記上路式吊床版橋における斜材の
機能を調べるために行った数値解析の結果について説明
する。この解析は、斜材がない上路式吊床版橋と斜材を
備えるものとについて、路面を走行する車輌に相当する
荷重を図7(a)に示すパターンで載荷し、最大のたわ
み量を計算して比較したものである。解析を行った構造
モデルは、図6に示す8つのタイプであり、これらの構
造モデルは斜材の数又は配置する位置が異なるだけでそ
の他の部材の形状・寸法・剛性・部材の接合条件等はま
ったく同じである。
【0034】解析の結果は図7(b)に示すとおりであ
り、斜材を少なくとも二か所に備えることによってたわ
みが著しく低減されることを示している。また、第3サ
ブスパンと第5サブスパンとに左右対称に斜材を設けた
ときに、たわみが大きく低減されており、第3サブスパ
ンの斜材と第5サブスパンの斜材が最も大きな効果を有
していることが分る。
【0035】次に、請求項6に記載の発明の一実施形態
である上路式吊床版橋を、図8に基づいて説明する。こ
の上路式吊床版橋は、橋台21、吊床版22、支柱23
及び上路桁24が図1〜3に示すものと同じであるが、
斜材25が第2サブスパンと第6サブスパンとにそれぞ
れ2本づつ交叉するように配置されている。つまり、斜
材25の両端が、該上路式吊床版橋の反対側の側面近く
で吊床版22又は支柱23に連結されている。この斜材
25を構成する部材及び両端の接合構造は図5に示すも
のと同じである。このような構成の上路式吊床版橋で
は、橋の面内方向の変形及びたわみだけでなくねじり変
形が斜材によって拘束される。
【0036】図1及び図8に示す上路式吊床版橋では、
斜材は両端部が回動可能となるように、それぞれ吊床版
又は支柱に連結されたものであるが、この斜材に減衰装
置を介挿することもできる。なお、この上路式吊床版橋
は請求項5に記載の発明の一実施形態である。減衰装置
は、例えば図9に示すような構造とすることができる。
この減衰装置30は鋼管31からなる斜材の端部に組み
込まれたものであり、鋼管31の内径より小さい外径の
内管32が鋼管31内に挿入され、この内管32と鋼管
との間に高減衰ゴム33を介挿したものである。上記内
管32は鋼でできており、鋼管31から突き出した端部
は、接合ピン36によってコンクリート部材34に固定
された取り付け金具と回動が可能に連結されている。な
お、上記高減衰ゴム33に代えて、粘性変形を生じる他
の材料を用いてもよいし、鋼管31と内管32との間隙
を密閉して粘性流体を充填してもよい。なお、図9中の
符号35は、高減衰ゴム33を保護するとともに、鋼管
31と内管32との相対変位を許容するカバー部材を示
すものである。
【0037】このような減衰装置30が斜材に組み込ま
れた上路式吊床版橋では、高減衰ゴム33を介して力が
伝達され、たわみを低減する効果を有するとともに、こ
の高減衰ゴム33が粘性変形によって運動エネルギーを
吸収するので、震動が早期に低減される。このため、地
震時に構造全体に過大な震動が生じるのを抑止すること
ができる。
【0038】図10及び図11は、斜材に上記のような
減衰装置を介挿したときの効果を調べるために行った数
値解析の結果を示すものである。この数値解析は、図1
0に示すように、第2サブスパンから第6サブスパンま
でに左右対称となるように斜材を設けた上路式吊床版橋
について、斜材の配置及び減衰装置を介挿する斜材を変
え、一時の振動モード及び二次の振動モードについて減
衰率及び固有周期を演算したものである。この数値解析
の結果は図11に示すとおりであり、第2サブスパンか
ら第6サブスパンまでのすべてに斜材を配置し、これら
のすべてに減衰装置を用いた場合の他、TYPE 1−
2、TYPE 2−3−1が一次のモード及び二次のモ
ードの双方について大きな減衰率が得られる。すなわ
ち、第3サブスパンと第5サブスパンとに斜材を配置
し、これらに減衰装置を介挿するとともに、支間の中央
にあたる第4サブスパンには斜材を設けない場合に良好
な結果が得られる。なお、減衰装置を介挿する斜材を変
えても固有振動数は大きく変化しない。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本願に係る発明の
上路式吊床版橋では、斜材を付加することによって構造
系全体の剛性を大きくし、たわみ及び振動を著しく抑制
することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1〜4又は請求項7に記載の発明の一実
施形態である上路式吊床版橋を示す概略側面図である。
【図2】図1中に示すA−A線での断面図である。
【図3】図1に示す上路式吊床版橋の概略斜視図であ
る。
【図4】図1に示す上路式吊床版橋の上路桁と橋台との
接合部を示す断面図である。
【図5】図1の上路式吊床版橋における斜材の連結部を
示す図である。
【図6】図1の上路式吊床版橋における斜材の機能を調
べるために行った数値解析の構造モデルを示す図であ
る。
【図7】図1の上路式吊床版橋における斜材の機能を調
べるために行った数値解析の結果を示す図である。
【図8】請求項6に記載の発明の一実施形態である上路
式吊床版橋の概略斜視図である。
【図9】上路式吊床版橋の斜材に組み込むことができる
減衰装置の例を示す断面図である。
【図10】斜材に組み込まれた減衰装置の効果を調べる
ために行った数値解析の構造モデルを示す図である。
【図11】斜材に組み込まれた減衰装置の効果を調べる
ために行った数値解析の結果を示す図である。
【図12】従来の上路式吊床版橋を示す概略側面図であ
る。
【符号の説明】
1,21 橋台 2,22 吊床版 3,23 支柱 4,24 上路桁 5,25 斜材 6 アンカー 7 PC鋼材 8 ゴム支承 9 PC鋼棒 10 水平支承 30 減衰装置 31 鋼管 32 内管 33 高減衰ゴム 34 コンクリート部材 35 カバー部材 36 接合ピン 51 鋼管 52 接合用鋼部材 53 アンカー 54 プレート 55 接合用突起 56 接合ピン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水野 克彦 東京都新宿区荒木町13番地の4 住友建 設株式会社内 (56)参考文献 特開 昭54−160027(JP,A) 特開 平7−217066(JP,A) 特開 平2−217504(JP,A) 特開 昭61−294006(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E01D 11/00 - 11/02 E01D 6/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸線方向に配置された鋼材を内包し、
    可撓性を有する程度に部材厚が小さいコンクリート部材
    であって、固定支持された二つの橋台又は橋脚間に張架
    されるコンクリートの吊床版と、 前記コンクリートの吊床版上にほぼ鉛直に立設される複
    数の支柱と、 この支柱上に支持され、上側に橋面が形成される上路桁
    とを有する上路式吊床版橋であって、 前記支柱の上部と前記コンクリートの吊床版とを、該吊
    床版橋の軸線方向に傾斜して連結する斜材を有すること
    を特徴とする上路式吊床版橋。
  2. 【請求項2】 前記斜材は、一端が一つの支柱の頂部
    付近と連結され、他端が前記支柱と隣り合う他の支柱の
    下端付近で前記吊床版と連結されるものであることを特
    徴とする請求項1に記載の上路式吊床版橋。
  3. 【請求項3】 前記斜材は、前記吊床版の支間中央よ
    り一方の橋台又は橋脚側にあって隣り合う二つの支柱の
    間に設けられ、支間中央より他の橋台又は橋脚側にも、
    対称に斜材が設けられていることを特徴とする請求項2
    に記載の上路式吊床版橋。
  4. 【請求項4】 請求項1、請求項2又は請求項3に記
    載の上路式吊床版橋において、 前記斜材は、持続荷重のみが作用するときに、ほとんど
    断面力が作用しないように取り付けられていることを特
    徴とする上路式吊床版橋。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項4までのいずれか
    に記載の上路式吊床版橋において、 前記斜材は、該斜材の両端の軸線方向の相対変位によっ
    て運動エネルギーを吸収する減衰装置を有することを特
    徴とする上路式吊床版橋。
  6. 【請求項6】 請求項1から請求項5までのいずれか
    に記載の上路式吊床版橋において、 前記斜材は、一端が該上路式吊床版橋の一方の側面付近
    で吊床版又は支柱下部と連結され、他端は該上路式吊床
    版橋の他方の側面付近で支柱上部と連結されていること
    を特徴とする上路式吊床版橋。
  7. 【請求項7】 請求項1から請求項6までのいずれか
    に記載の上路式吊床版橋において、 前記上路桁は、すべての前記支柱上で連続しており、 この上路桁の両端部は、弾性部材又は粘弾性部材を介し
    て、前記橋台又は橋脚とほぼ水平方向に連結されてお
    り、 該上路桁と前記支柱の頂部とは、上下方向及び水平方向
    の相対変位を拘束するように連結されていることを特徴
    とする上路式吊床版橋。
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