JP3491733B2 - 投写用レンズ装置及びそれを用いたプロジェクションテレビジョン装置 - Google Patents
投写用レンズ装置及びそれを用いたプロジェクションテレビジョン装置Info
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- JP3491733B2 JP3491733B2 JP05404298A JP5404298A JP3491733B2 JP 3491733 B2 JP3491733 B2 JP 3491733B2 JP 05404298 A JP05404298 A JP 05404298A JP 5404298 A JP5404298 A JP 5404298A JP 3491733 B2 JP3491733 B2 JP 3491733B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プロジェクションテレ
ビジョン装置用として好適な投写用レンズ装置、それも
特にガラスレンズとプラスチックレンズの混在するハイ
ブリッド形の投写用レンズ装置に関するものである。
ビジョン装置用として好適な投写用レンズ装置、それも
特にガラスレンズとプラスチックレンズの混在するハイ
ブリッド形の投写用レンズ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ブラウン管蛍光面上の原画像を投写用レ
ンズ装置によりスクリーン上へ投写する、いわゆるプロ
ジェクションテレビジョン装置において、そのフォーカ
ス性能は、近年格段の進歩がみられており、キーデバイ
スである投写用レンズ装置に対する要求性能も年々高く
なっている。
ンズ装置によりスクリーン上へ投写する、いわゆるプロ
ジェクションテレビジョン装置において、そのフォーカ
ス性能は、近年格段の進歩がみられており、キーデバイ
スである投写用レンズ装置に対する要求性能も年々高く
なっている。
【0003】このような状況において、レンズ面の非球
面化が容易であることによって、収差補正の自由度が大
きく、大口径化が容易で、かつ、量産性に優れたプラス
チックレンズが投写用レンズ装置を構成するレンズとし
て主流となりつつある。当初は、プラスチックレンズの
みで構成した投写用レンズ装置が主体であったが、現在
ではガラスレンズ(球面レンズ)と非球面プラスチック
レンズを併用したハイブリッド方式のものが主流となっ
ている。
面化が容易であることによって、収差補正の自由度が大
きく、大口径化が容易で、かつ、量産性に優れたプラス
チックレンズが投写用レンズ装置を構成するレンズとし
て主流となりつつある。当初は、プラスチックレンズの
みで構成した投写用レンズ装置が主体であったが、現在
ではガラスレンズ(球面レンズ)と非球面プラスチック
レンズを併用したハイブリッド方式のものが主流となっ
ている。
【0004】この理由としては、プラスチックレンズの
みで投写用レンズ装置を構成すると、温度の変動によっ
て屈折率や形状が変化して焦点位置が変化し、フォーカ
ス性能を低下させるという問題点があるからである(以
下、かかるフォーカス性能低下をフォーカスの温度ドリ
フトと記す)。
みで投写用レンズ装置を構成すると、温度の変動によっ
て屈折率や形状が変化して焦点位置が変化し、フォーカ
ス性能を低下させるという問題点があるからである(以
下、かかるフォーカス性能低下をフォーカスの温度ドリ
フトと記す)。
【0005】この問題を解決する具体的な技術手段を開
示する文献として特開昭63−264716号公報が挙
げられる。ここに開示された従来技術は、5群構成の投
写用レンズ装置で、全レンズ系のもつ正屈折力のほと
んどを第3群レンズで負担しており、これをガラスレン
ズとすることでフォーカスの温度ドリフトは、かなり低
減される。第1群レンズを正レンズ、第2群レンズを
負レンズとすることで、温度ドリフトによって生じるレ
ンズの屈折力の変化(屈折率変化に起因)を相殺させて
いる。
示する文献として特開昭63−264716号公報が挙
げられる。ここに開示された従来技術は、5群構成の投
写用レンズ装置で、全レンズ系のもつ正屈折力のほと
んどを第3群レンズで負担しており、これをガラスレン
ズとすることでフォーカスの温度ドリフトは、かなり低
減される。第1群レンズを正レンズ、第2群レンズを
負レンズとすることで、温度ドリフトによって生じるレ
ンズの屈折力の変化(屈折率変化に起因)を相殺させて
いる。
【0006】以上述べたように、フォーカスの温度ドリ
フトをレンズ構成の最適設計により低減した優れた投写
用レンズ装置であると、上記文献に記載の従来の投写用
レンズ装置は云える。
フトをレンズ構成の最適設計により低減した優れた投写
用レンズ装置であると、上記文献に記載の従来の投写用
レンズ装置は云える。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来技術によ
るレンズ構成においては、開口に依存する球面収差,非
点収差,コマ収差を低減する為に、凹レンズから成る第
2群レンズを第3群レンズのスクリーン側に近接させて
配置している。この為に、レンズ全系の入射瞳位置が第
3群レンズの中心から離れて像点であるスクリーン側に
移動し、前記従来技術の投写用レンズ装置で広画角(投
写距離の短縮)化を実現しようとすれば、歪曲収差,非
点収差の補正が非常に困難となる。
るレンズ構成においては、開口に依存する球面収差,非
点収差,コマ収差を低減する為に、凹レンズから成る第
2群レンズを第3群レンズのスクリーン側に近接させて
配置している。この為に、レンズ全系の入射瞳位置が第
3群レンズの中心から離れて像点であるスクリーン側に
移動し、前記従来技術の投写用レンズ装置で広画角(投
写距離の短縮)化を実現しようとすれば、歪曲収差,非
点収差の補正が非常に困難となる。
【0008】更に、大口径化と同時に、十分な周辺光量
比を得ようとすると、構成レンズの外径が大きくなり、
生産コストが増加する。以上述べた理由によって、従来
技術による投写用レンズ装置により、広画角化(短投写
距離化)を達成することは、非常に困難であった。
比を得ようとすると、構成レンズの外径が大きくなり、
生産コストが増加する。以上述べた理由によって、従来
技術による投写用レンズ装置により、広画角化(短投写
距離化)を達成することは、非常に困難であった。
【0009】さらに、上述の従来技術においては、それ
でもなお発生する温度変化による各レンズの膨張,収縮
によるレンズ形状の変形及びその解決策について何ら開
示されておらず、実用性に乏しいうらみがあった。
でもなお発生する温度変化による各レンズの膨張,収縮
によるレンズ形状の変形及びその解決策について何ら開
示されておらず、実用性に乏しいうらみがあった。
【0010】そこで本発明の目的は、フォーカス性能の
温度,湿度によるドリフトを十分に低減することがで
き、かつ広画角(投写距離の短縮)化を図ることのでき
る投写用レンズ装置を提供し、ひいてはかかる投写用レ
ンズ装置を用いたプロジェクションテレビジョン装置を
提供することにある。
温度,湿度によるドリフトを十分に低減することがで
き、かつ広画角(投写距離の短縮)化を図ることのでき
る投写用レンズ装置を提供し、ひいてはかかる投写用レ
ンズ装置を用いたプロジェクションテレビジョン装置を
提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的達成のため、本
発明では次のような手段をとる。すなわち近軸系での温
度,湿度変化に対するフォーカス性能の低下を軽減する
為に、投写用レンズ装置全系のもつ正の屈折力のほとん
どをガラスレンズ(以下、ガラスパワーレンズと記述)
により分担する。この時、ガラスパワーレンズの近傍に
は凹レンズを配置せず、光軸近傍で弱い正の屈折力を有
するプラスチック非球面レンズを配置する。
発明では次のような手段をとる。すなわち近軸系での温
度,湿度変化に対するフォーカス性能の低下を軽減する
為に、投写用レンズ装置全系のもつ正の屈折力のほとん
どをガラスレンズ(以下、ガラスパワーレンズと記述)
により分担する。この時、ガラスパワーレンズの近傍に
は凹レンズを配置せず、光軸近傍で弱い正の屈折力を有
するプラスチック非球面レンズを配置する。
【0012】これにより、入射瞳がガラスパワーレンズ
から離れてスクリーン側に移動しない為に、広画角な投
写用レンズ装置が実現できる。
から離れてスクリーン側に移動しない為に、広画角な投
写用レンズ装置が実現できる。
【0013】一方、開口に依存する収差の補正は、光軸
から隔たった部分(レンズの周辺部)の非球面形状によ
って補正する。次に、このレンズ周辺部の非球面形状の
温度,湿度による変化による局部的なレンズ面の屈折力
変化は、複数枚のプラスチック非球面レンズの組合せに
よって相殺する。以上述べた方法によって、フォーカス
性能の高精度な温度,湿度保償が実現できる。
から隔たった部分(レンズの周辺部)の非球面形状によ
って補正する。次に、このレンズ周辺部の非球面形状の
温度,湿度による変化による局部的なレンズ面の屈折力
変化は、複数枚のプラスチック非球面レンズの組合せに
よって相殺する。以上述べた方法によって、フォーカス
性能の高精度な温度,湿度保償が実現できる。
【0014】又、実装状態では、前記2種類のプラスチ
ック非球面レンズの温度,湿度による形状変化が自由に
発生しないように、もしくは発生しても相殺しやすいよ
うに、強制的にレンズ形状を変形させるような構造のレ
ンズ鏡筒及びレンズ構造とすることで上記した目的は、
達成できる。
ック非球面レンズの温度,湿度による形状変化が自由に
発生しないように、もしくは発生しても相殺しやすいよ
うに、強制的にレンズ形状を変形させるような構造のレ
ンズ鏡筒及びレンズ構造とすることで上記した目的は、
達成できる。
【0015】
【作用】本発明の課題解決のための技術的手段が、どの
ような働きをしているかを図3,図4及び図5を用いて
説明する。
ような働きをしているかを図3,図4及び図5を用いて
説明する。
【0016】図3は、本発明にかかる投写用レンズ装置
の温度,湿度に対するフォーカスドリフトを軽減する手
段を説明する為の縦断面図である。同図において1は第
1群レンズ、2は第2群レンズ、3は第3群レンズ(但
し第3群レンズ3は、3aなるレンズと3bなるレンズ
の張り合わせにより形成されたガラスレンズである)、
4は第4群レンズ、5はスクリーン側に凹面を向けた第
5群レンズを構成する単レンズ、6は冷却液、13はス
クリーン、である。
の温度,湿度に対するフォーカスドリフトを軽減する手
段を説明する為の縦断面図である。同図において1は第
1群レンズ、2は第2群レンズ、3は第3群レンズ(但
し第3群レンズ3は、3aなるレンズと3bなるレンズ
の張り合わせにより形成されたガラスレンズである)、
4は第4群レンズ、5はスクリーン側に凹面を向けた第
5群レンズを構成する単レンズ、6は冷却液、13はス
クリーン、である。
【0017】図3を参照する。ブラウン管蛍光面P1 の
中心点Aからの光線の内で結像に有効(スクリーン13
に到達する)な光線の上限光線をRAY1,下限光線を
RAY2とする。又、画面周辺部の物点Bからの光線の
内で結像に有効な光線の上限光をRAY3,下限光をR
AY4とする。
中心点Aからの光線の内で結像に有効(スクリーン13
に到達する)な光線の上限光線をRAY1,下限光線を
RAY2とする。又、画面周辺部の物点Bからの光線の
内で結像に有効な光線の上限光をRAY3,下限光をR
AY4とする。
【0018】説明の都合上、6枚構成の投写用レンズ装
置とし、3a,3bは、ガラスレンズとし他はプラスチ
ックレンズとしたハイブリッド方式とする。
置とし、3a,3bは、ガラスレンズとし他はプラスチ
ックレンズとしたハイブリッド方式とする。
【0019】まず画面中心の温度に対するフォーカスド
リフトの軽減手段について説明する。プラスチック非球
面レンズである第1群レンズ1と第2群レンズ2の光軸
近傍の形状を、両者共に弱い正屈折力を持つ形状とす
る。この結果、前記2枚のレンズの屈折力の温度による
変化が、投写レンズ全系の屈折力(ほとんどをガラスレ
ンズで分担)に与える影響を軽減できる。
リフトの軽減手段について説明する。プラスチック非球
面レンズである第1群レンズ1と第2群レンズ2の光軸
近傍の形状を、両者共に弱い正屈折力を持つ形状とす
る。この結果、前記2枚のレンズの屈折力の温度による
変化が、投写レンズ全系の屈折力(ほとんどをガラスレ
ンズで分担)に与える影響を軽減できる。
【0020】次に図3のA部の拡大図である図4に示す
ように、レンズ周辺部の形状を第1群レンズ1では凹レ
ンズ形状(局部的なレンズの屈折力を−ψ1 とする)と
し、反対に第2群レンズ2では凸レンズ形状(局部的な
レンズの屈折力をψ4 とする)として、両者の局部的な
屈折力をほぼ等しくする。すなわち、ψ1 ≒ψ4 とす
る。
ように、レンズ周辺部の形状を第1群レンズ1では凹レ
ンズ形状(局部的なレンズの屈折力を−ψ1 とする)と
し、反対に第2群レンズ2では凸レンズ形状(局部的な
レンズの屈折力をψ4 とする)として、両者の局部的な
屈折力をほぼ等しくする。すなわち、ψ1 ≒ψ4 とす
る。
【0021】次に、画面周辺部における温度に対するフ
ォーカスドリフトの軽減手段について説明する。図3に
戻り、軸外物点Bからの映像光の内,上限光RAY3と
下限光RAY4は、図3A部の拡大図である図5に見ら
れるように、プラスチック非球面レンズである第1群レ
ンズ1においては、光軸より上側を通過する。
ォーカスドリフトの軽減手段について説明する。図3に
戻り、軸外物点Bからの映像光の内,上限光RAY3と
下限光RAY4は、図3A部の拡大図である図5に見ら
れるように、プラスチック非球面レンズである第1群レ
ンズ1においては、光軸より上側を通過する。
【0022】この通過領域の形状は、主光線が通過した
位置をほぼ中心とした凹レンズ形状となっている。一
方、第2群レンズ2の光線通過領域の形状は、光軸近傍
において弱い凸レンズ形状となっている。第1群レンズ
1の主光線と上限光RAY3に挟まれた領域の局部的な
凹レンズの屈折力(−ψ5 )と第2群レンズ2の局部的
な凸レンズの屈折力ψ7 をほぼ等しくする。
位置をほぼ中心とした凹レンズ形状となっている。一
方、第2群レンズ2の光線通過領域の形状は、光軸近傍
において弱い凸レンズ形状となっている。第1群レンズ
1の主光線と上限光RAY3に挟まれた領域の局部的な
凹レンズの屈折力(−ψ5 )と第2群レンズ2の局部的
な凸レンズの屈折力ψ7 をほぼ等しくする。
【0023】同様に、第1群レンズ1の主光線と下限光
RAY4に挟まれた領域の局部的な凹レンズの屈折力
(−ψ6 )と第2群レンズ2の局部的な凸レンズの屈折
力ψ8をほぼ等しくする。
RAY4に挟まれた領域の局部的な凹レンズの屈折力
(−ψ6 )と第2群レンズ2の局部的な凸レンズの屈折
力ψ8をほぼ等しくする。
【0024】以上は説明の都合上、子午的(メリディオ
ナル)平面について述べたが、球欠的(サジタル)平面
についても同様の作用を持つことは、言うまでもない。
以上述べたように温度変化に対するフォーカスドリフト
を低減するには、第1群レンズ1と第2群レンズ2の局
部的なレンズ形状の屈折力をほぼ等しくなるように設計
すればよい。
ナル)平面について述べたが、球欠的(サジタル)平面
についても同様の作用を持つことは、言うまでもない。
以上述べたように温度変化に対するフォーカスドリフト
を低減するには、第1群レンズ1と第2群レンズ2の局
部的なレンズ形状の屈折力をほぼ等しくなるように設計
すればよい。
【0025】更に、湿度変化により生じるレンズの膨
張,収縮によって発生するフォーカス性能の低下を低減
する為には、上述したように、第1レンズ群1と第2レ
ンズ群2の局部的なレンズ形状の屈折力をほぼ等しくし
て相殺するようにするとよい。又、上記した第1群レン
ズ1又は第2群レンズ2もしくは、その両方のレンズ有
効径以外の部分に径方向から拘束する手段を設け、前記
レンズが膨張した際には強制的に変形させて局部的なレ
ンズの屈折力を強くして相殺効果を高めるとさらに良
い。
張,収縮によって発生するフォーカス性能の低下を低減
する為には、上述したように、第1レンズ群1と第2レ
ンズ群2の局部的なレンズ形状の屈折力をほぼ等しくし
て相殺するようにするとよい。又、上記した第1群レン
ズ1又は第2群レンズ2もしくは、その両方のレンズ有
効径以外の部分に径方向から拘束する手段を設け、前記
レンズが膨張した際には強制的に変形させて局部的なレ
ンズの屈折力を強くして相殺効果を高めるとさらに良
い。
【0026】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。図
1,図2は、それぞれ本発明の一実施例としての投写用
レンズ装置のレンズ主要部を示す断面図である。
1,図2は、それぞれ本発明の一実施例としての投写用
レンズ装置のレンズ主要部を示す断面図である。
【0027】これらの図において、P1 はブラウン管蛍
光面、7はブラウン管パネル、6は冷却液、5はスクリ
ーン側に凹面を向けた単レンズである。第5群レンズ
は、ブラウン管パネル7と冷却液6と単レンズ5によっ
て構成されており、4は第4群レンズ、3は第3群レン
ズ、2は第2群レンズ、1は第1群レンズである。
光面、7はブラウン管パネル、6は冷却液、5はスクリ
ーン側に凹面を向けた単レンズである。第5群レンズ
は、ブラウン管パネル7と冷却液6と単レンズ5によっ
て構成されており、4は第4群レンズ、3は第3群レン
ズ、2は第2群レンズ、1は第1群レンズである。
【0028】第1群レンズ1〜第4群レンズ4までを内
鏡筒8に組込み、固定ネジ11で外鏡筒9と位置決め固
定する。さらに外鏡筒9により固定板12を介してブラ
ケット10へネジ止め固定する。
鏡筒8に組込み、固定ネジ11で外鏡筒9と位置決め固
定する。さらに外鏡筒9により固定板12を介してブラ
ケット10へネジ止め固定する。
【0029】本実施例の光学系は、ブラウン管蛍光面P
1 上で5.4インチのラスターをスクリーン上へ拡大投
写した場合に最良性能が得られるように構成してある。
拡大投写の際の倍率は、表1 (A), (B) 及び、表2
(A), (B) にそれぞれ示したレンズデータにより構成
される光学系では、8.4倍であり、表3 (A), (B)
ないし表5 (A), (B) にそれぞれ示したレンズデータ
により構成される光学系では、9.3倍である。
1 上で5.4インチのラスターをスクリーン上へ拡大投
写した場合に最良性能が得られるように構成してある。
拡大投写の際の倍率は、表1 (A), (B) 及び、表2
(A), (B) にそれぞれ示したレンズデータにより構成
される光学系では、8.4倍であり、表3 (A), (B)
ないし表5 (A), (B) にそれぞれ示したレンズデータ
により構成される光学系では、9.3倍である。
【0030】又、レンズの画角は、表1 (A), (B) 及
び表2 (A), (B) にそれぞれ示したレンズデータによ
り構成される光学系では、72度、表3 (A), (B) な
いし表5 (A), (B) にそれぞれ示したレンズデータに
より構成される光学系では、78度であり、高画角を実
現しており折返しミラーが一枚でも十分コンパクトなセ
ットが実現できる。
び表2 (A), (B) にそれぞれ示したレンズデータによ
り構成される光学系では、72度、表3 (A), (B) な
いし表5 (A), (B) にそれぞれ示したレンズデータに
より構成される光学系では、78度であり、高画角を実
現しており折返しミラーが一枚でも十分コンパクトなセ
ットが実現できる。
【0031】第1群レンズ1は、口径に基づく球面収差
を除く為、非球面形状となっている。第2群レンズ2
は、非点収差及びコマ収差を除く為に非球面形状となっ
ている。第3群レンズ3は、温度変化によるフォーカス
ドリフトを低減する為に、ガラスレンズとし、かつパワ
ーを出来るだけ大きくしている。
を除く為、非球面形状となっている。第2群レンズ2
は、非点収差及びコマ収差を除く為に非球面形状となっ
ている。第3群レンズ3は、温度変化によるフォーカス
ドリフトを低減する為に、ガラスレンズとし、かつパワ
ーを出来るだけ大きくしている。
【0032】第4群レンズ4は、高次のコマ収差を除く
為に非球面形状としパワーは出来るだけ小さくしてい
る。第5群レンズは、像面湾曲補正用のレンズでスクリ
ーン側に凹面を向けた単レンズ5と、ブラウン管パネル
7と冷却液6によって構成されている。
為に非球面形状としパワーは出来るだけ小さくしてい
る。第5群レンズは、像面湾曲補正用のレンズでスクリ
ーン側に凹面を向けた単レンズ5と、ブラウン管パネル
7と冷却液6によって構成されている。
【0033】さらに、軸外のサジタル収差を補正するた
め、単レンズ5の空気側(スクリーン側)界面を非球面
としている。又、ブラウン管蛍光面P1 は、像面湾曲を
補正する為に曲率を持たしている。特に、高次の像面湾
曲を補正する為に非球面とすれば、さらに優れた補正が
可能となる。
め、単レンズ5の空気側(スクリーン側)界面を非球面
としている。又、ブラウン管蛍光面P1 は、像面湾曲を
補正する為に曲率を持たしている。特に、高次の像面湾
曲を補正する為に非球面とすれば、さらに優れた補正が
可能となる。
【0034】一般に、ブラウン管パネル7の蛍光面P1
は、プレス成形により製作し、後加工はしない。それゆ
え、成形形状が、球面であっても、非球面であっても、
製法自体は変化しない。
は、プレス成形により製作し、後加工はしない。それゆ
え、成形形状が、球面であっても、非球面であっても、
製法自体は変化しない。
【0035】一方、本レンズ系のレンズは、プラスチッ
クレンズのパワーを極力抑えた設計とすることにより薄
肉で、かつ、中心部と周辺部の肉厚差を小さくすること
により、成形性の向上を図っている。
クレンズのパワーを極力抑えた設計とすることにより薄
肉で、かつ、中心部と周辺部の肉厚差を小さくすること
により、成形性の向上を図っている。
【0036】本発明の実施例は、表6に示すようなデー
タをもつ光学系として、投写レンズ全系の焦点距離を8
0mm程度と短焦点化して色収差の低減を実現してい
る。又、図1に示すように、第3群のレンズ3は、3
a,3bの2枚のレンズの貼り合せレンズとしている
(実施例では表1(A),表2(A),表4(A)に対
応)。レンズ3bは、高分散材から成る凹レンズであ
り、レンズ3aは低分散材から成る凸レンズで、両者を
貼り合せることによって色収差を低減している。
タをもつ光学系として、投写レンズ全系の焦点距離を8
0mm程度と短焦点化して色収差の低減を実現してい
る。又、図1に示すように、第3群のレンズ3は、3
a,3bの2枚のレンズの貼り合せレンズとしている
(実施例では表1(A),表2(A),表4(A)に対
応)。レンズ3bは、高分散材から成る凹レンズであ
り、レンズ3aは低分散材から成る凸レンズで、両者を
貼り合せることによって色収差を低減している。
【0037】以上述べた本発明にかかる投写用レンズ装
置の取り得る具体的なレンズデータを表1ないし表5に
示したわけであるから参照されたい。
置の取り得る具体的なレンズデータを表1ないし表5に
示したわけであるから参照されたい。
【0038】次に、このレンズデータの読み方を表1を
基に説明しておく。表1は、主に光軸近傍のレンズ領域
を扱う球面系(表1(A))とその外周部についての非
球面系(表1(B))とにデータを分けて示してある。
先ずスクリーンは曲率半径が∞(すなわち平面)であ
り、スクリーンから第1群レンズ1の面S1 までの光軸
上の距離(面間隔)が786.09mm、その間の媒質
の(空気の)屈折率が1.0であることが示されてい
る。
基に説明しておく。表1は、主に光軸近傍のレンズ領域
を扱う球面系(表1(A))とその外周部についての非
球面系(表1(B))とにデータを分けて示してある。
先ずスクリーンは曲率半径が∞(すなわち平面)であ
り、スクリーンから第1群レンズ1の面S1 までの光軸
上の距離(面間隔)が786.09mm、その間の媒質
の(空気の)屈折率が1.0であることが示されてい
る。
【0039】又、第1群レンズ1のS1 面の曲率半径
は、97.898mm(曲率中心が蛍光面側)であり、
レンズ面S1 とS2 の光軸上の間隔(面間隔)が8.8
74mmであり、その間の媒質の屈折率が1.4933
4であることが示されている。以下同様にして最後はブ
ラウン管パネル7の蛍光面P1 の曲率半径が341.2
8mm,ブラウン管パネル7の光軸上の厚みが13.4
mm,屈折率が1.56232であることが示されてい
る。
は、97.898mm(曲率中心が蛍光面側)であり、
レンズ面S1 とS2 の光軸上の間隔(面間隔)が8.8
74mmであり、その間の媒質の屈折率が1.4933
4であることが示されている。以下同様にして最後はブ
ラウン管パネル7の蛍光面P1 の曲率半径が341.2
8mm,ブラウン管パネル7の光軸上の厚みが13.4
mm,屈折率が1.56232であることが示されてい
る。
【0040】次に表1(B)には、第1群レンズ1の面
S1 ,S2 、第2群レンズ2の面S3 ,S4 及び第4群
レンズ4の面S7 ,S8 と第5群レンズ5の面S10と蛍
光面P1 について非球面係数が示されている。ここで、
非球面係数とは、面形状を次式で表現した時の係数であ
る。
S1 ,S2 、第2群レンズ2の面S3 ,S4 及び第4群
レンズ4の面S7 ,S8 と第5群レンズ5の面S10と蛍
光面P1 について非球面係数が示されている。ここで、
非球面係数とは、面形状を次式で表現した時の係数であ
る。
【0041】
【数1】
【0042】但し、Zはレンズ形状の定義説明図である
図7及び図8に見られる如く、光軸方向をZ軸にとり、
レンズの半径方向をr軸にとった時のレンズ面の高さ
(rの関数)を表し、rは半径方向の距離を示し、RD
は曲率半径を示している。
図7及び図8に見られる如く、光軸方向をZ軸にとり、
レンズの半径方向をr軸にとった時のレンズ面の高さ
(rの関数)を表し、rは半径方向の距離を示し、RD
は曲率半径を示している。
【0043】従って、CC,AE,AF,AG,AHの
各係数が与えられれば、上記式に従ってレンズ面の高
さ、つまり形状が定まるわけである。
各係数が与えられれば、上記式に従ってレンズ面の高
さ、つまり形状が定まるわけである。
【0044】図8は非球面の説明図で、上記非球面の項
にそれぞれの値を代入すれば、球面系のみのレンズ面か
らSS(r)−AS(r)だけ、ずれたレンズ面が得られる。
又、表1(B)において第5群レンズ5の面S11は、非
球面係数が全て零であり球面であることを示している。
にそれぞれの値を代入すれば、球面系のみのレンズ面か
らSS(r)−AS(r)だけ、ずれたレンズ面が得られる。
又、表1(B)において第5群レンズ5の面S11は、非
球面係数が全て零であり球面であることを示している。
【0045】以上が表1 (A), (B) に示したデータの
読み方である。表2から表5までは、他の実施例のレン
ズデータの具体例を示したものであり、読み方は同様で
ある。
読み方である。表2から表5までは、他の実施例のレン
ズデータの具体例を示したものであり、読み方は同様で
ある。
【0046】図1は、表1 (A), (B) のレンズデータ
に対応した投写用レンズ装置の側断面図であり、図2
は、表4 (A), (B) のレンズデータに対応した投写用
レンズ装置の側断面図である。
に対応した投写用レンズ装置の側断面図であり、図2
は、表4 (A), (B) のレンズデータに対応した投写用
レンズ装置の側断面図である。
【0047】次に、以上説明した本発明にかかる投写用
レンズ装置を用いて、蛍光面上の5.4インチの画像を
スクリーン上に、拡大して投写した時のMTF(Modul
ation Transfer Function )によるフォーカス特性の
評価結果を図9から図13に示す。この時の蛍光体発光
スペクトルは、図6に示すものを用いた。
レンズ装置を用いて、蛍光面上の5.4インチの画像を
スクリーン上に、拡大して投写した時のMTF(Modul
ation Transfer Function )によるフォーカス特性の
評価結果を図9から図13に示す。この時の蛍光体発光
スペクトルは、図6に示すものを用いた。
【0048】ここで図9は、表1 (A), (B) に対応し
た特性図、図10は表2 (A), (B) に対応した特性
図、図11は表3 (A), (B) に、図12は表4 (A),
(B)に、図13は表5 (A),(B)に、それぞれ対応
した特性図である。尚、スクリーン上での白,黒の縞信
号として300TV本を取った場合について示してい
る。
た特性図、図10は表2 (A), (B) に対応した特性
図、図11は表3 (A), (B) に、図12は表4 (A),
(B)に、図13は表5 (A),(B)に、それぞれ対応
した特性図である。尚、スクリーン上での白,黒の縞信
号として300TV本を取った場合について示してい
る。
【0049】図9から図13まで良好なMTF特性を示
していることが判る。表1から表5に示すレンズデータ
により構成される実施例について、全レンズ系の焦点距
離をf0 、第1群レンズ1,第2群レンズ2,第3群レ
ンズ3の各焦点距離をf1 ,f2 ,f3 とした時、表6
に示した関係が成立している。すなわち、
していることが判る。表1から表5に示すレンズデータ
により構成される実施例について、全レンズ系の焦点距
離をf0 、第1群レンズ1,第2群レンズ2,第3群レ
ンズ3の各焦点距離をf1 ,f2 ,f3 とした時、表6
に示した関係が成立している。すなわち、
【0050】0.14<f0 /f1 <0.24
0.02<f0 /f2 <0.25
0.63<f0 /f3 <0.83
である。本実施例では、レンズ全系の正の屈折力の大部
分をガラスレンズである第3群レンズによって分担する
ことで、フォーカスの温度ドリフトを低減している。
分をガラスレンズである第3群レンズによって分担する
ことで、フォーカスの温度ドリフトを低減している。
【0051】次にレンズ面の形状について説明する。第
1群レンズ1のスクリーン側レンズ面S1 、第2群側レ
ンズ面S2 、第2群レンズ2の第1群側レンズ面S3 、
第2群レンズ2の第3群側レンズ面S4 の非球面形状に
ついて次のことがいえる。以下図8を用いて説明する。
1群レンズ1のスクリーン側レンズ面S1 、第2群側レ
ンズ面S2 、第2群レンズ2の第1群側レンズ面S3 、
第2群レンズ2の第3群側レンズ面S4 の非球面形状に
ついて次のことがいえる。以下図8を用いて説明する。
【0052】図8は、すでに述べたように、非球面レン
ズ形状を示す説明図である。光軸方向をZ軸にとり、レ
ンズの半径方向に取った時のレンズ面の高さが球面系す
なわちRD のみの場合をSS(r),CC,AE,AF,A
G,AHの各非球面係数を前記(1)式に代入した場合
をAS(r)とすると、rにクラップ半径を代入すれば、第
1群レンズ1のスクリーン側レンズ面S1 の上記AS(r)
とSS(r)の比率は、表8に示すように
ズ形状を示す説明図である。光軸方向をZ軸にとり、レ
ンズの半径方向に取った時のレンズ面の高さが球面系す
なわちRD のみの場合をSS(r),CC,AE,AF,A
G,AHの各非球面係数を前記(1)式に代入した場合
をAS(r)とすると、rにクラップ半径を代入すれば、第
1群レンズ1のスクリーン側レンズ面S1 の上記AS(r)
とSS(r)の比率は、表8に示すように
【0053】−0.08<AS /SS <0.05
の関係が成り立っており、同様に第1群レンズ1の第2
群側レンズ面S2 においては、 0.20<AS /SS <0.52 の関係が成り立っている。
群側レンズ面S2 においては、 0.20<AS /SS <0.52 の関係が成り立っている。
【0054】第2群レンズ2の第1群側レンズ面S3 に
おいては、表9に示すように −1.26<AS /SS <0.06 の関係が成り立っている。同様に、第2群レンズ2の第
3群側レンズ面S4 においては、 −0.11<AS /SS <0.75 の関係が成り立っている。
おいては、表9に示すように −1.26<AS /SS <0.06 の関係が成り立っている。同様に、第2群レンズ2の第
3群側レンズ面S4 においては、 −0.11<AS /SS <0.75 の関係が成り立っている。
【0055】第1群レンズ1と第2群レンズ2との間の
面間隔をI23とすると、I23と投写レンズ全系の焦点距
離f0 の比率は、表7に示すように、 0.15<(I23/f0 )<0.25 の関係が成り立っている。
面間隔をI23とすると、I23と投写レンズ全系の焦点距
離f0 の比率は、表7に示すように、 0.15<(I23/f0 )<0.25 の関係が成り立っている。
【0056】フォース性能を保って、周辺光量比を確保
するには、 0.15<(I23/f0 ) とする必要がある。
するには、 0.15<(I23/f0 ) とする必要がある。
【0057】一方この比率が大きくなるほど、画面中域
の光量は減る方向にあるため望ましくは、 (I23/f0 )<0.25 とする。
の光量は減る方向にあるため望ましくは、 (I23/f0 )<0.25 とする。
【0058】又、第1群レンズ1と第2群レンズ2との
間の面間隔I23と、第2群レンズ2と第3群レンズ3と
の間の面間隔I45の比率は表7に示すように、 23.0<(I23/I45)<40.0 の関係が成り立っている。
間の面間隔I23と、第2群レンズ2と第3群レンズ3と
の間の面間隔I45の比率は表7に示すように、 23.0<(I23/I45)<40.0 の関係が成り立っている。
【0059】第2群レンズ2の第1群側レンズ面S3 の
サグ量を押えてレンズのコバ厚を確保する為に望ましく
は、 (I23/I45)<40.0 とする必要がある。
サグ量を押えてレンズのコバ厚を確保する為に望ましく
は、 (I23/I45)<40.0 とする必要がある。
【0060】一方、画面中心の明るさを確保して、上記
値を小さくすると、第2群レンズ2の有効径を広げる必
要がある。この為、望ましくは 23.0<(I23/I45) とするとよい。
値を小さくすると、第2群レンズ2の有効径を広げる必
要がある。この為、望ましくは 23.0<(I23/I45) とするとよい。
【0061】次に蛍光面形状については、表1から表5
に示したように非球面形状であり、その曲率中心は、ス
クリーン側に存在し中心部より周辺部に行くにしたがっ
て曲率半径が大となる面形状である。
に示したように非球面形状であり、その曲率中心は、ス
クリーン側に存在し中心部より周辺部に行くにしたがっ
て曲率半径が大となる面形状である。
【0062】本発明にかかる投写用レンズ装置は、45
インチ投写で投写距離が787.6mm及び50インチ
投写で投写距離が790.0mmと十分短く折り返しミ
ラーが1枚ですむため、セットのコンパクト化が達成で
きる。
インチ投写で投写距離が787.6mm及び50インチ
投写で投写距離が790.0mmと十分短く折り返しミ
ラーが1枚ですむため、セットのコンパクト化が達成で
きる。
【0063】以上、本発明の実施例としての投写用レン
ズ装置を構成するレンズデータをもとに、その特徴を述
べた。次に具体的に本実施例の効果について述べる。
ズ装置を構成するレンズデータをもとに、その特徴を述
べた。次に具体的に本実施例の効果について述べる。
【0064】図14及び図15は、図1に示す本発明の
一実施例としての投写用レンズ装置(表1(A), (B)
にレンズデータを記載)における第1群レンズ1を単
独,第2群レンズ2を単独及び、第1群レンズ1と第2
群レンズ2を同時に0.1%膨張ならびに0.1%収縮
させてレンズ形状を変化させた場合の300TV本のM
TF特性の変化を示した特性図である。
一実施例としての投写用レンズ装置(表1(A), (B)
にレンズデータを記載)における第1群レンズ1を単
独,第2群レンズ2を単独及び、第1群レンズ1と第2
群レンズ2を同時に0.1%膨張ならびに0.1%収縮
させてレンズ形状を変化させた場合の300TV本のM
TF特性の変化を示した特性図である。
【0065】両図においては、メリディオナル,サジタ
ルのMTFの平均をそれぞれの像高において算出しプロ
ットしてある。又、両図中の条件1は、第1群レンズ1
のみ単独の場合を示し、条件2は第2群レンズ2のみ単
独の場合を示す。さらに条件3は第1群レンズ1と第2
群レンズ2を同時に膨張又は、収縮させた場合を示す。
ルのMTFの平均をそれぞれの像高において算出しプロ
ットしてある。又、両図中の条件1は、第1群レンズ1
のみ単独の場合を示し、条件2は第2群レンズ2のみ単
独の場合を示す。さらに条件3は第1群レンズ1と第2
群レンズ2を同時に膨張又は、収縮させた場合を示す。
【0066】両図より、本実施例においては、膨張又は
収縮により生じるレンズ面形状の変化によって起こるフ
ォーカス性能の低下を、第1群レンズ1と第2群レンズ
2の形状変化によって相殺している事が判る。
収縮により生じるレンズ面形状の変化によって起こるフ
ォーカス性能の低下を、第1群レンズ1と第2群レンズ
2の形状変化によって相殺している事が判る。
【0067】次に、図16及び図17は、前述した実施
例と同一の実施例において、温度変化により生じるレン
ズの屈折率変化に対する300TVのMTF特性の変化
を示した特性図である。同図においては、メリディオナ
ル,サジタルのMTFの平均をそれぞれの像高において
算出しプロットしてある。
例と同一の実施例において、温度変化により生じるレン
ズの屈折率変化に対する300TVのMTF特性の変化
を示した特性図である。同図においては、メリディオナ
ル,サジタルのMTFの平均をそれぞれの像高において
算出しプロットしてある。
【0068】図16は、レンズ温度が40℃の場合につ
いての特性図である。又、図17は、レンズ温度が65
℃の場合についての特性図である。
いての特性図である。又、図17は、レンズ温度が65
℃の場合についての特性図である。
【0069】両図中の条件1は、第1群レンズ1のみ単
独の場合を示し、条件2は第2群レンズ2のみ単独の場
合を示す。さらに条件3は、第1群レンズ1と第2群レ
ンズ2の屈折率を同時に変更した場合を示す。
独の場合を示し、条件2は第2群レンズ2のみ単独の場
合を示す。さらに条件3は、第1群レンズ1と第2群レ
ンズ2の屈折率を同時に変更した場合を示す。
【0070】両図とも条件2の場合、すなわち第2群レ
ンズ2のみ単独で屈折率が変化した場合のフォーカス性
能の低下が最も大きい。又、前述したレンズの膨張,収
縮によるフォーカス低下と同様に、条件3の場合すなわ
ち、第1群レンズ1と第2群レンズ2の屈折率変化が同
時に発生した場合には、フォーカス性能の低下を相殺す
ることが判る。
ンズ2のみ単独で屈折率が変化した場合のフォーカス性
能の低下が最も大きい。又、前述したレンズの膨張,収
縮によるフォーカス低下と同様に、条件3の場合すなわ
ち、第1群レンズ1と第2群レンズ2の屈折率変化が同
時に発生した場合には、フォーカス性能の低下を相殺す
ることが判る。
【0071】以上述べたように、本実施例の投写用レン
ズ装置は、温度,湿度によるフォーカス性能の低下を、
構成レンズ中の少なくとも2枚のプラスチック非球面レ
ンズのレンズ面形状で相殺することが出来る。
ズ装置は、温度,湿度によるフォーカス性能の低下を、
構成レンズ中の少なくとも2枚のプラスチック非球面レ
ンズのレンズ面形状で相殺することが出来る。
【0072】
【表1(A)】
【0073】
【表1(B)】
【0074】
【表2(A)】
【0075】
【表2(B)】
【0076】
【表3(A)】
【0077】
【表3(B)】
【0078】
【表4(A)】
【0079】
【表4(B)】
【0080】
【表5(A)】
【0081】
【表5(B)】
【0082】
【表6】
【0083】
【表7】
【0084】
【表8】
【0085】
【表9】
【0086】
【発明の効果】本発明によれば、投写用レンズ装置にお
ける少なくとも2枚のプラスチック非球面レンズの形状
によって、投写用レンズ装置を大口径化しても、温度,
湿度に対するフォーカス性能低下を相殺できる。
ける少なくとも2枚のプラスチック非球面レンズの形状
によって、投写用レンズ装置を大口径化しても、温度,
湿度に対するフォーカス性能低下を相殺できる。
【0087】さらに、他の効果として、
(1)投写レンズ全系の正屈折力を有するレンズのスク
リーン側に凹レンズを配置しておらず、広画角化しても
歪曲収差,非点収差の補正が可能でハイフォーカスと広
画角が両立できる。
リーン側に凹レンズを配置しておらず、広画角化しても
歪曲収差,非点収差の補正が可能でハイフォーカスと広
画角が両立できる。
【0088】(2)前述したように凹レンズが配置され
ていない為、画面周辺部からの光線を発散させることが
ない。したがって光線高さをを低くできる。このため
に、良好な周辺光量比が実現できる。
ていない為、画面周辺部からの光線を発散させることが
ない。したがって光線高さをを低くできる。このため
に、良好な周辺光量比が実現できる。
【0089】又、温度,湿度に対するフォーカス性能低
下を低減する為に、前記プラスチック非球面レンズの有
効径以外の部分(コバ部)に径方向からレンズの動きを
拘束する手段を具備して、温度,湿度変化による膨張に
よってレンズの局部形状を強制的に変形させ、前述の相
殺効果をより高めることができる。
下を低減する為に、前記プラスチック非球面レンズの有
効径以外の部分(コバ部)に径方向からレンズの動きを
拘束する手段を具備して、温度,湿度変化による膨張に
よってレンズの局部形状を強制的に変形させ、前述の相
殺効果をより高めることができる。
【0090】又、レンズ形状によっては、拘束力を持た
ない保持手段が必要となる場合もあり、本発明のプラス
チックレンズ及び、鏡筒によって前述の保持が実現でき
る。
ない保持手段が必要となる場合もあり、本発明のプラス
チックレンズ及び、鏡筒によって前述の保持が実現でき
る。
【図1】本発明の一実施例としての投写用レンズ装置を
示す断面図である。
示す断面図である。
【図2】本発明の一実施例としての投写用レンズ装置を
示す断面図である。
示す断面図である。
【図3】本発明による投写用レンズ装置の動作原理を説
明するためのレンズ概略図である。
明するためのレンズ概略図である。
【図4】本発明による投写用レンズ装置の動作原理を説
明するためのレンズ概略図である。
明するためのレンズ概略図である。
【図5】本発明による投写用レンズ装置の動作原理を説
明するためのレンズ概略図である。
明するためのレンズ概略図である。
【図6】緑蛍光体の発光スペクトル特性図である。
【図7】レンズ形状の定義の説明に用いる説明図であ
る。
る。
【図8】レンズ形状の定義の説明に用いる説明図であ
る。
る。
【図9】本発明の実施例として示した投写用レンズ装置
のMTF特性図である。
のMTF特性図である。
【図10】本発明の実施例として示した投写用レンズ装
置のMTF特性図である。
置のMTF特性図である。
【図11】本発明の実施例として示した投写用レンズ装
置のMTF特性図である。
置のMTF特性図である。
【図12】本発明の実施例として示した投写用レンズ装
置のMTF特性図である。
置のMTF特性図である。
【図13】本発明の実施例として示した投写用レンズ装
置のMTF特性図である。
置のMTF特性図である。
【図14】本発明の一実施例としての投写用レンズ装置
のレンズ形状変化に対するMTF特性を示した特性図で
ある。
のレンズ形状変化に対するMTF特性を示した特性図で
ある。
【図15】本発明の一実施例としての投写用レンズ装置
のレンズ形状変化に対するMTF特性を示した特性図で
ある。
のレンズ形状変化に対するMTF特性を示した特性図で
ある。
【図16】本発明の一実施例としての投写用レンズ装置
の温度変化により生じるレンズの屈折率変化に対するM
TF特性を示した特性図である。
の温度変化により生じるレンズの屈折率変化に対するM
TF特性を示した特性図である。
【図17】本発明の一実施例としての投写用レンズ装置
の温度変化により生じるレンズの屈折率変化に対するM
TF特性を示した特性図である。
の温度変化により生じるレンズの屈折率変化に対するM
TF特性を示した特性図である。
1…第1群レンズ、2…第2群レンズ、3…第3群レン
ズ、4…第4群レンズ、5…単レンズ、P1 …蛍光面、
6…冷却液、7…ブラウン管パネル、8…内鏡筒、9…
外鏡筒、10…ブラケット、11…固定ネジ、12…固
定板、13…スクリーン
ズ、4…第4群レンズ、5…単レンズ、P1 …蛍光面、
6…冷却液、7…ブラウン管パネル、8…内鏡筒、9…
外鏡筒、10…ブラケット、11…固定ネジ、12…固
定板、13…スクリーン
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 沼田 徹
神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地
株式会社日立製作所家電研究所内
(72)発明者 和田 清
神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地
株式会社日立製作所家電研究所内
(56)参考文献 特開 平2−190811(JP,A)
特開 昭55−143518(JP,A)
Claims (3)
- 【請求項1】 画像表示装置の画面表示部に映出された
原画像をスクリーン上に拡大投写するための、複数のレ
ンズ素子を備えた投写用レンズ装置において、 前記複数のレンズ素子は、少なくとも、 その光軸を含む中心部分がスクリーン側に対して凸形状
を為すとともに正の屈折力を持ち、光軸から半径方向に
離れた周辺部分であって、前記画像表示装置の画面表示
部の端部近傍における物点から放出された映像の主光線
が通過する該周辺部分が、スクリーン側に対して凹形状
を為すとともに負の屈折力を持つ第1のプラスチックレ
ンズと、 その光軸を含む中心部分が正の屈折力を持ち、光軸から
半径方向に離れた周辺部分であって、前記画像表示装置
の画面表示部の端部近傍における物点から放出された映
像の主光線が通過する該周辺部分が、スクリーン側に対
して凸形状を為すとともに該中心部分よりも強い正の屈
折力を持つ第2のプラスチックレンズと、 を含み、前記スクリーン側から画像表示装置側にかけ
て、前記第1のプラスチックレンズ、第2のプラスチッ
クレンズの順に配置され、前記第1のプラスチックレン
ズにおける前記周辺部の凹形状と前記第2のプラスチッ
クレンズおける前記周辺部の凸形状とによって、周囲の
温度、湿度の変化に起因する当該周辺部における焦点距
離の変動を、互いに相殺するようにしたことを特徴とす
る投写用レンズ装置。 - 【請求項2】 前記第1のプラスチックレンズの周辺部
における屈折力と前記第2のプラスチックレンズの周辺
部における屈折力とが、ほぼ等しいことを特徴とする請
求項1に記載の投写用レンズ装置。 - 【請求項3】 請求項1または2に記載の投写用レンズ
装置を備えることを特徴とするプロジェクションテレビ
ジョン装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05404298A JP3491733B2 (ja) | 1998-03-06 | 1998-03-06 | 投写用レンズ装置及びそれを用いたプロジェクションテレビジョン装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05404298A JP3491733B2 (ja) | 1998-03-06 | 1998-03-06 | 投写用レンズ装置及びそれを用いたプロジェクションテレビジョン装置 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2241323A Division JP2859405B2 (ja) | 1989-04-28 | 1990-09-13 | 投写用レンズ装置及びそれを用いたプロジェクションテレビジョン装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10221598A JPH10221598A (ja) | 1998-08-21 |
JP3491733B2 true JP3491733B2 (ja) | 2004-01-26 |
Family
ID=12959554
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP05404298A Expired - Fee Related JP3491733B2 (ja) | 1998-03-06 | 1998-03-06 | 投写用レンズ装置及びそれを用いたプロジェクションテレビジョン装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3491733B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003015034A (ja) | 2001-04-26 | 2003-01-15 | Hitachi Ltd | 投写用レンズ装置およびこれを用いた背面投写型画像表示装置 |
JP4863216B2 (ja) * | 2007-03-09 | 2012-01-25 | スタンレー電気株式会社 | プロジェクター型ヘッドライト用の投影レンズ |
-
1998
- 1998-03-06 JP JP05404298A patent/JP3491733B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10221598A (ja) | 1998-08-21 |
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