JP3490982B2 - 真空計用圧力補正装置 - Google Patents

真空計用圧力補正装置

Info

Publication number
JP3490982B2
JP3490982B2 JP2001148066A JP2001148066A JP3490982B2 JP 3490982 B2 JP3490982 B2 JP 3490982B2 JP 2001148066 A JP2001148066 A JP 2001148066A JP 2001148066 A JP2001148066 A JP 2001148066A JP 3490982 B2 JP3490982 B2 JP 3490982B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vacuum gauge
pressure
value
correction
controller
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001148066A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002340720A (ja
Inventor
純子 佐伯
政雄 秋野
Original Assignee
純子 佐伯
秋野鋼機株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 純子 佐伯, 秋野鋼機株式会社 filed Critical 純子 佐伯
Priority to JP2001148066A priority Critical patent/JP3490982B2/ja
Publication of JP2002340720A publication Critical patent/JP2002340720A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3490982B2 publication Critical patent/JP3490982B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measuring Fluid Pressure (AREA)
  • Particle Accelerators (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、真空計用圧力補正
装置に関し、詳しくは、外部から流入する荷電粒子のゲ
ージヘッドに及ぼす影響を補正し、圧力値をより正確に
測定できるようにする真空計用圧力補正装置に関する。
【0002】近年、加速器、特に、放射光を発生させる
電子貯蔵リングにおいては、そのリング内を周回する電
子ビームの質の向上、その軌道安定化と長寿命化等のた
めに、リング内の圧力の超高真空化が行われている。そ
のレベルは、電子ビーム無しでの基底状態で10-9Pa
台、電子ビーム有りの運転状態で10-6Pa台以下とい
う状況である。この傾向は、半導体等のデバイス製造の
ための薄膜加工装置においても同様である。理想的な機
能材料を素子として形成するためには、固体表面の清浄
化及び薄膜加工過程の清浄化が必須であり、そのために
は、超高真空化が必要になる。この超高真空雰囲気を形
成するに際しては、その圧力を測定する必要がある。こ
のために、真空計が用いられる。この真空計には高い信
頼性と汎用性を備えたものが求められるが、その目的に
最適な真空計として、電離真空計が知られている。
【0003】図4は、従来より超高真空雰囲気、例え
ば、電子貯蔵リングの圧力測定に用いられている真空計
(電離真空計)の側面図である。この真空計100は、
フランジが設けられた本体部101、この本体部101
の中心部に突出させた針状のコレクタ(collector )1
02、このコレクタ102を囲むように設けられた円筒
格子状のグリッド(grid)103、このグリッド103
に沿うように取り付けられたフィラメント(filament)
104を備えている。
【0004】図4のように構成された従来の電離真空計
100は、本体部101が測定対象の機器の内壁等にフ
ランジを介して取り付けられる。そして、フィラメント
104に通電を行うと、このフィラメント104から熱
電子が発生する。次に、グリッド103に適当な正電位
を与えると、発生熱電子はグリッド103の近傍を往復
運動する。この熱電子は、測定雰囲気中(空間中)に残
留しているガス分子に衝突し、このガス分子をイオン化
する。イオン化されたガス分子はアースに接続されてい
るコレクタ102に集まり、その総合イオン電流値から
全圧力を判定する。圧力値が高い場合には測定されたイ
オン電流値は大きくなり、逆に、圧力値が低い場合には
イオン電流値は小さくなる。したがって、コレクタ10
2に流れ込むイオン電流値により、一元的に圧力を測定
することができる。
【0005】電離真空計100の測定精度は、機械的な
圧力測定装置の国際基準代表例であるスピニングロータ
ゲージを基準にしている。このスピニングロータゲージ
は、磁気浮上させた球の回転抵抗から圧力を換算する真
空計であり、このスピニングロータゲージを用いて10
-5Pa台までの較正を行い、これ以下の圧力較正は、外
挿して圧力を決定している。また、エキストラクターゲ
ージを用い、参考としている。
【0006】通常、電離真空計における圧力換算式は、
次のように表される。全圧力P(Pa)に対応するイオ
ン電流値Ii(A)は、真空計固有の感度係数S(1/
Pa)、フィラメントからの電子放出電流Ie(A)か
ら、 Ii=S×P×Ie と表せる(ここで、SとIeは、ほぼ一定)。
【0007】最近の傾向として、単なる超高真空ではな
く、荷電粒子が多数飛び交う雰囲気で圧力値を測定する
ことが多い。そこで問題となるのが、外部から荷電粒子
が流入し、真空計ヘッド部に影響を及ぼすことである。
例えば、電子貯蔵リングにおいては、光速に近い速度で
周回する電子の軌道を曲げることで、高輝度放射光やそ
の光子が物質と衝突することで生じる放射線等で、前記
真空計を用いた圧力測定では多量の荷電粒子が真空計ヘ
ッド部へ流入することにより、圧力値を正確に測定でき
ない状況を生じることがある。例えば、コレクタ102
で測定しようとしたイオン電流値Iiが、コレクタ10
2に到達する前に光電子により中和されるため、表示圧
力値Pを実際値よりも低い値に表示してしまうケースが
ある。
【0008】また、半導体製造装置においては、不純物
の少ない理想的な薄膜を作成するために、超高真空雰囲
気が必要になってきている。半導体製造装置は、プラズ
マやイオンを用いた装置が多いため、イオンが真空計の
ヘッド部に流入してイオン過多となり、圧力が高いと誤
測定する。このため、半導体製造装置は、超高真空雰囲
気の圧力を正確に測定しにくい装置の1つとなってい
る。
【0009】以上説明したように、電離真空計において
は、外部からの荷電粒子による影響は避けられない。そ
こで、電離真空計に補正電極(correcting electrode)
を設け、この補正電極によって外部からの荷電粒子を検
出し、この検出出力に基づいて補正を行い、荷電粒子に
よる影響が測定結果に表れないようにし、本来の圧力を
精度良く測定可能にした提案が、「『Journal
of VacuumScience & Techno
logy A』Vol.18、244(2000)」と
して、既に行われている。
【0010】図5は、補正電極を備えた自己補正機能付
電離真空計を示す側面図である。この自己補正機能付電
離真空計110は、図4に示した従来の電離真空計10
0にあって、延長されたグリッド103のコレクタ10
2の延長線上の先端部に、前記コレクタ102とは別に
補正電極105を取り付けた構成としている。
【0011】図6は、従来の補正回路付真空計コントロ
ーラの構成を示すブロック図である。この従来の補正回
路付真空計コントローラ200は、補正電極105を備
えた図5の構成の電離真空計110に用いられるもので
ある。図6に示すように、補正回路付真空計コントロー
ラ200は、コレクタ102から出力されるイオン電流
Icが入力される入力端子1には、DCアンプ2が接続
され、このDCアンプ2にはスイッチ3が接続されてい
る。スイッチ3の一方の切換端子には補正回路10が接
続されている。スイッチ3の他方の切換端子には、アン
プ4が接続されており、このアンプ4にはスイッチ5の
一方の切換端子が接続されている。スイッチ5の他方の
切換端子には、補正回路10の出力信号が印加される。
さらに、スイッチ5の共通端子には、A/D(アナログ
/デジタル)変換器6が接続されている。また、入力端
子7には、補正電極105からの信号(ICE)が入力さ
れ、この入力端子7には補正回路10が接続されてい
る。
【0012】補正回路10は、スイッチ3の出力信号を
増幅するアンプ11、このアンプ11のアナログ出力を
デジタル信号に変換するA/D変換器12、A/D変換
器12により検索した値(V)を出力するROM(リ
ード・オンリー・メモリ)13、ROM13のデジタル
出力をアナログ信号に変換するD/A(デジタル/アナ
ログ)変換器14、このD/A変換器14の出力信号を
増幅すると共にこれを電流値として出力するアンプ1
5、入力端子7に接続された抵抗16、図5の補正電極
105に流入した荷電粒子電流を抵抗16により電圧変
換した信号(VCE)を電流値として増幅するアンプ1
7、このアンプ17の出力電流とアンプ15の出力電流
との偏差を出力する差動アンプ18、差動アンプ18の
出力電流を前記電極形状係数に乗じた値として出力する
可変抵抗器19、及びスイッチ3の出力電流と可変抵抗
器19の出力電流との偏差を出力する差動アンプ20を
備えている。
【0013】ここで、上記Vの求め方としては、ま
ず、荷電粒子の存在しない環境下で電離真空計のみで圧
力値を測定し、ついで、測定した圧力値に対し、補正電
極105に流入する荷電粒子電流の電圧変換値を測定
し、これをVとすることにより求められる。
【0014】次に、図6の構成の動作について説明す
る。スイッチ3とスイッチ5は連動して動作する。外部
から荷電粒子の流入が考えられる場合、スイッチ3はア
ンプ11側に切り換えられる。この状態で、入力端子1
には、図5に示した真空計のコレクタ102に流入した
イオン電流ICが入力され、DCアンプ2によって増幅
される。イオン電流値ICには、外部環境から流入した
荷電粒子が含まれている。その出力電流は、スイッチ3
を介してアンプ11及び差動アンプ20に入力される。
アンプ11で増幅された信号は、A/D変換器12によ
ってデジタル信号に変換される。この信号値に基づいて
予め設定されている変換テーブルが検索され、対応する
圧力値に対応する電圧値Vが導出される。電圧値V
はD/A変換器14によってアナログ信号に変換され、
さらにアンプ15で増幅された後、差動アンプ18の
(−)入力端子に入力される。
【0015】一方、入力端子7には、図5の補正電極1
05に流入した荷電粒子電流が入力され、抵抗16で電
圧値VCEに変換され、アンプ17で増幅し電流値に変換
した後、差動アンプ18の(+)入力端子に入力され
る。差動アンプ18では(VCE−V)が求められ、こ
の値は可変抵抗器19により換算して取り出され、差動
アンプ20の(−)入力端子に入力される。差動アンプ
20の(+)入力端子にはイオン電流値ICの値が入力
されているので、差動アンプ20では、〔IC−(VCE
−V)×α〕(αは補正電極105の固有の形状係
数)が求められ、この値はスイッチ5を介してA/D変
換器6に印加され、デジタル信号に変換される。A/D
変換器6の出力信号が補正後の出力信号となる。この後
は、本来の真空計コントローラの圧力換算表示回路へ入
力され、補正した圧力値の表示が行われる。なお、補正
回路10を必要としないときには、スイッチ3と5をア
ンプ4側に切り換える。この場合、圧力値は、補正を行
わない状態で表示されることになる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記のような
補正回路付真空計コントローラでは、既存の電離真空計
コントローラ内に直接組み込んで使用されるため、各製
造メーカーによる様々なコントローラごとにそれぞれ圧
力補正回路を組み込まなければならない。つまり、補正
機能を真空計に付加する必要がある場合、各製造メーカ
ーは、自社製コントローラのケース内に補正回路を内蔵
させて電離真空計コントローラを構成することとなる。
このため、手間がかかると共に製造コストが高くなる。
また、既設(在来)の電離真空計コントローラに組み込
むことができないため、既設のコントローラは廃棄せざ
るをえない。現実には、ユーザーが最初から補正機能を
必要と考えて発注することは稀であり、殆んどが補正回
路のない電離真空計コントローラを所有している。以上
の理由により、既設の電離真空計コントローラを併用
し、かつ補正機能を組み込めるようにすることが要望さ
れる。
【0017】本発明の目的は、既存の電離真空計コント
ローラに併用して補正機能を持たせることが可能な真空
計用圧力補正装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の真空計用圧力補正装置は、グリッドと外
部からの荷電粒子を検出する補正電極が附設された電離
真空計に接続され、前記電離真空計のコレクタ電流を電
圧値に変換する電離真空計コントローラと併用される
空計用圧力補正装置において、前記電離真空計自身によ
って発生し前記補正電極に流入する荷電粒子電流の電圧
変換値を、前記電離真空計コントローラの圧力情報から
演算する変換テーブルを備える不揮発メモリと、前記不
揮発メモリの出力を電流値に変換し、この電流変換値と
前記補正電極で検出した電流値の偏差を求め、前記電離
真空計の電極形状係数に基づいて補正されたコレクタ流
入電流値の偏差を算出して圧力換算し、前記電離真空計
コントローラからの圧力値を補正して表示する補正表示
手段とを備え、前記変換テーブルは、予め外部からの荷
電粒子の存在しない環境下で、前記電離真空計を用いて
測定した圧力に対応して補正電極に流入する荷電粒子電
流の電圧変換値を求めることによって、前記電離真空計
コントローラの圧力情報から前記補正電極に流入する荷
電粒子電流の電圧変換値を演算可能とするものである。
【0019】前記補正表示手段は、前記電離真空計コン
トローラからのアナログによる圧力情報をデジタル信号
に変換するA/D変換器と、前記デジタル変換された圧
力情報から前記補正電極へ流入した荷電粒子電流の電圧
変換値を演算する不揮発メモリの出力をアナログ信号に
変換するD/A変換器と、前記D/A変換器の出力信号
を増幅する第1の増幅器と、前記補正電極からの検出値
を増幅する第2の増幅器と、前記第1及び第2の増幅器
の出力信号の偏差を求める第1の差動増幅器と、この第
1の差動増幅器の出力信号を差圧に換算する演算回路
と、前記電離真空計コントローラの圧力情報と前記差圧
との偏差を求める第2の差動増幅器と、補正した最終圧
力を表示する補正圧力表示部とを備えたものである。
【0020】前記電離真空計コントローラは、既存の真
空計コントローラを用いることができる。
【0021】前記のように構成された真空計用圧力補正
装置によれば、補正電極を備えた自己補正機能付真空計
に接続された電離真空計コントローラからの圧力情報、
不揮発性メモリによる情報、及び自己補正機能付真空計
の電極形状係数に基づいてコレクタに流入した荷電粒子
を算出することにより、電離真空計コントローラの圧力
表示値を補正することができる。これにより、在来の電
離真空計コントローラに簡単に圧力補正機能を付加でき
るようになり、既設の電離真空計コントローラの有効利
用が可能になる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を基に説明する。図1は、本発明の真空計用圧力
補正装置の構成を示すブロック図である。本発明の真空
計用圧力補正装置30は、入力端子1,7、及び電離真
空計コントローラ150に接続される。真空計用圧力補
正装置30は、電離真空計コントローラ150の圧力デ
ータに基づいて補正した圧力値PCOを算出する差動アン
プ31、電離真空計コントローラ150からの圧力デー
タの仮数部(Factor)と指数部(Order )の情報(例え
ば、仮数部=4.8、指数部=−8)を入力とするA/
D変換器32、このA/D変換器32の出力レベル(圧
力情報)に基づいてV を出力するROM33、このR
OM33の出力電圧をアナログ信号に変換するD/A変
換器34、このD/A変換器34の出力電圧を電流増幅
するDCアンプ35、このDCアンプ35の出力電流I
が(−)入力端子に入力されると共に出力電流が差圧
計算演算回路38の入力端子に入力される差動アンプ3
6、入力端子7に接続され、入力された補正電極105
の検出電流ICEを増幅し、差動アンプ36の(+)入力
端子に入力するDCアンプ37、差動アンプ36の出力
信号に電離真空計の電極形状係数を乗じて差圧Δpを差
動アンプ31に出力する差圧計算演算回路38、差動ア
ンプ31から出力される補正値を表示する補正圧力表示
部39を備えている。
【0023】ROM33は、事前に測定した真空計の固
有値(V値)をテーブルとして設定しており、これを
A/D変換器32の出力(圧力値)に基づいて検索し、
応答する値を出力する。電離真空計コントローラ150
は、補正装置(補正回路)の接続を考慮していない従来
の真空計に接続されていたコントローラであるが、本発
明の補正装置が必要とする圧力情報は従来より出力され
ている。
【0024】次に、図1の真空計用圧力補正装置の動作
について説明する。既存の設備である電離真空計コント
ローラ150からは、圧力情報として仮数部と指数部の
2つの値が出力され、それぞれがデジタル信号に変換さ
れた後、ROM33に入力される。ROM33によって
得られたVは、D/A変換器34によってアナログ信
号に変換され、DCアンプ35に入力される。DCアン
プ35では、Vに対応する電流値Iを出力する。電
極形状係数αは、補正電極105とコレクタ102の表
面積の比を抵抗値で除したものであり、外部からコレク
タ102へ流入する荷電粒子電流を求める換算係数であ
る。
【0025】前記IとDCアンプ37からの検出電流
CEとに基づいて、差動アンプ36は(ICE−I)×
αを算出し、この値を差圧計算演算回路38へ送出す
る。差圧計算演算回路38では、差圧Δpを、 Δp={α(ICE−I)/SIC} として計算し、これを差動アンプ31の(−)入力端子
に入力する。また、電離真空計コントローラ150の出
力(PC )は差動アンプ31の(+)入力端子に入力さ
れる。差動アンプ31はΔpとPC の偏差を求めること
により、圧力値を補正し、この補正圧力値PCOを補正圧
力表示部39に表示する。
【0026】真空雰囲気内の圧力測定においては、瞬間
的な測定によって正確な値を得ることは、イオン電流値
の測定に基づいているために難しく、少なくとも数回程
度の測定の平均値を取る必要がある。また、測定値は、
ファクターにおいては小数点以下2桁で大きく変動して
いる。そこで、サンプリング時間を100ms程度以上
にとり、繰り返し測定を行って平均化させる必要があ
る。
【0027】以上のように、本発明の真空計用圧力補正
装置によれば、既存の電離真空計コントローラに付加す
ることができるため、旧式の在来の真空計コントローラ
と併用することが可能になり、既存のコントローラを有
効利用することが可能になり、経済性に優れている。
【0028】図2は、本発明の真空計用圧力補正装置の
第1の適用例を示す構成図である。図2は半導体薄膜形
成用超高真空スパッタリング(Sputterring )装置(以
下、単にスパッタリング装置という)の概要を示し、そ
の真空チェンバに本発明にかかる真空計用圧力補正装置
が付設される。このスパッタリング装置は、真空チェン
バ51、この真空チェンバ51の内壁の所定位置に設け
られたスパッタ用イオン源52,53、アシスト用イオ
ン源54、これらイオン源52、53、54の前面に設
けられた電荷中和用フィラメント55,56,57、ス
パッタ用イオン源52,53の中間部に配設される基板
ホルダ58、真空チェンバ51に接続されたクライオポ
ンプ59、真空チェンバ51の内壁の所定の2ヵ所に設
置された真空計60,61、この真空計60,61のそ
れぞれに接続される図1に示した構成の既存の電離真空
計コントローラ62、63、真空計用圧力補正装置6
4,65、クライオポンプ57にバルブ66を介して接
続されたロータリーポンプ67、スパッタ用イオン源5
8,59の電源装置68,69、アシスト用イオン源5
4の電源装置70、スパッタ用イオン源52,53にア
ルゴンガスを供給するアルゴンガス源71、アシスト用
イオン源54にガスを供給するガス導入系72を備えて
いる。
【0029】図2において、スパッタリングを行う場
合、まず、基板ホルダ58に基板(半導体ウェハ)73
を装着し、真空チェンバ51内のスパッタ用イオン源5
2,53に対向する位置に金属によるターゲット74,
75を設置する。次いで、ポンプにより真空チェンバ5
1内を超高真空状態にし、この状態を維持する。圧力
は、自己補正機能付真空計60,61によって測定され
る。次に、電源装置68,69,70を稼働させ、同時
に、アルゴンガス源71及びガス導入系72からガスを
供給する。アシスト用イオン源54により基板73の表
面を清浄化する。その後、スパッタ用イオン源52,5
3からターゲット74,75に向けてアルゴンビームを
照射し、ターゲット74,75から基板73に向けてス
パッタされたターゲット物質粒子が飛翔し、これが基板
73上に被着することにより、薄膜が形成される。その
際、ガス流量や圧力を制御する必要があるが、図1で説
明したように、正確な圧力補正が行われる。
【0030】図3は、本発明の真空計用圧力補正装置の
第2の適用例を示す斜視図である。図3は電子貯蔵リン
グにおける真空計取り付け部が示され、電子ビームが通
過するチェンバ81の所定位置に自己補正機能付真空計
90が取り付けられている。チェンバ81の所定位置に
は、受光体82が設置されており、この近傍に排気口8
3が設けられている。自己補正機能付真空計90は排気
口83に付属した真空計取付口91に取り付けられてい
る。自己補正機能付真空計90には、図示を省略してい
るが、図1に示した構成の電離真空計コントローラと補
正装置が接続され、圧力測定値の補正を行っている。
【0031】図3の構成において、チェンバ81と排気
口83は連通しており、不図示の真空ポンプが接続され
ている。真空ポンプを稼働させると、排気口83を通じ
てチェンバ81内が所定の真空にされ、その圧力が自己
補正機能付真空計90によって測定される。この自己補
正機能付真空計90は、前記従来技術において説明した
ように、外部から流入する荷電粒子の影響を受ける。し
かし、本発明に係る真空計用圧力補正装置を付加するこ
とにより、外部から流入する荷電粒子による圧力の影響
を防げ、圧力値を正確に測定することができる。
【0032】なお、図1においては、IC、LSI等の
個別部品により真空計用圧力補正装置を構成したが、ワ
ンチップマイクロコンピュータ等を用いて補正装置を構
成することもできる。また、汎用のパーソナルコンピュ
ータを用い、ソフト的に処理することも可能である。本
発明は、このほか、その基本的技術思想を逸脱しない範
囲で種々設計変更することができる。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の真空計用
圧力補正装置によれば、補正電極を備えた自己補正機能
付真空計に接続された電離真空計コントローラからの圧
力情報、不揮発性メモリによる情報、及び自己補正機能
付真空計の電極形状係数に基づいてコレクタに流入した
荷電粒子を算出し、電離真空計コントローラの圧力表示
値を補正する構成にしたので、在来の電離真空計コント
ローラに簡単に補正機能を付加できるようになり、既設
の電離真空計コントローラの有効利用が可能になり、経
済性と汎用性を備えた真空計用圧力補正装置の提供が可
能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る真空計用圧力補正装
置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の真空計用圧力補正装置の第1の適用例
を示す構成図である。
【図3】本発明の真空計用圧力補正装置の第2の適用例
を示す斜視図である。
【図4】電子貯蔵リングの圧力測定に用いられている電
離真空計の側面図である。
【図5】補正電極を備えた自己補正機能付電離真空計を
示す側面図である。
【図6】従来の補正回路付真空計コントローラの構成を
示すブロック図である。
【符号の説明】
1,7 入力端子 30 真空計用圧力補正装置 31,36 差動アンプ 32 A/D変換器 33 ROM 34 D/A変換器 35,37 DCアンプ 38 差圧計算演算回路 39 補正圧力表示部 90,110 自己補正機能付真空計 100 従来の電離真空計 102 コレクタ 103 グリッド 104 フィラメント 105 補正電極 150 電離真空計コントローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−38739(JP,A) 特開 昭63−151834(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01L 21/32

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グリッドと外部からの荷電粒子を検出す
    る補正電極が附設された電離真空計に接続され、前記
    離真空計のコレクタ電流を電圧値に変換する電離真空計
    コントローラと併用される真空計用圧力補正装置におい
    て、前記電離真空計自身によって発生し前記補正電極に
    流入する荷電粒子電流の電圧変換値を、前記電離真空計
    コントローラの圧力情報から演算する変換テーブルを備
    える不揮発メモリと、前記不揮発メモリの出力を電流値
    に変換し、この電流変換値と前記補正電極で検出した電
    流値の偏差を求め、前記電離真空計の電極形状係数に基
    づいて補正されたコレクタ流入電流値の偏差を算出して
    圧力換算し、前記電離真空計コントローラからの圧力値
    を補正して表示する補正表示手段とを備え、前記変換テ
    ーブルは、予め外部からの荷電粒子の存在しない環境下
    で、前記電離真空計を用いて測定した圧力に対応して補
    正電極に流入する荷電粒子電流の電圧変換値を求めるこ
    とによって、前記電離真空計コントローラの圧力情報か
    ら前記補正電極に流入する荷電粒子電流の電圧変換値を
    演算可能とすることを特徴とする真空計用圧力補正装
    置。
  2. 【請求項2】 前記補正表示手段は、前記電離真空計コ
    ントローラからのアナログによる圧力情報をデジタル信
    号に変換するA/D変換器と、前記デジタル変換された
    圧力情報から前記補正電極へ流入した荷電粒子電流の電
    圧変換値を演算する不揮発メモリの出力をアナログ信号
    に変換するD/A変換器と、前記D/A変換器の出力信
    号を増幅する第1の増幅器と、前記補正電極からの検出
    値を増幅する第2の増幅器と、前記第1及び第2の増幅
    器の出力信号の偏差を求める第1の差動増幅器と、この
    第1の差動増幅器の出力信号を差圧に換算する演算回路
    と、前記電離真空計コントローラの圧力情報と前記差圧
    との偏差を求める第2の差動増幅器と、補正した最終圧
    力を表示する補正圧力表示部とを備えたことを特徴とす
    る請求項1記載の真空計用補正装置。
JP2001148066A 2001-05-17 2001-05-17 真空計用圧力補正装置 Expired - Fee Related JP3490982B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001148066A JP3490982B2 (ja) 2001-05-17 2001-05-17 真空計用圧力補正装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001148066A JP3490982B2 (ja) 2001-05-17 2001-05-17 真空計用圧力補正装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002340720A JP2002340720A (ja) 2002-11-27
JP3490982B2 true JP3490982B2 (ja) 2004-01-26

Family

ID=18993454

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001148066A Expired - Fee Related JP3490982B2 (ja) 2001-05-17 2001-05-17 真空計用圧力補正装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3490982B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011099238A1 (ja) * 2010-02-12 2011-08-18 株式会社アルバック トランスデューサ型真空計
JP7036675B2 (ja) * 2018-06-11 2022-03-15 株式会社アルバック Ba型電離真空計及びその感度異常検知方法、並びにba型電離真空計を用いた圧力測定方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002340720A (ja) 2002-11-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2045582B1 (en) Flowmeter
US8928329B2 (en) Cold cathode gauge fast response signal circuit
US7332714B2 (en) Quadrupole mass spectrometer and vacuum device using the same
EP0233784B1 (en) Vacuum monitoring apparatus
US7207224B2 (en) Wide-range combination vacuum gauge
JP3359941B2 (ja) 真空計の制御回路
WO2008047428A1 (fr) COMPTEUR ÉLECTRONIQUE DE kWh
KR20030082927A (ko) 전자유량계
US7418869B2 (en) Wide-range combination vacuum gauge
Arnold et al. Stable and reproducible Bayard–Alpert ionization gauge
WO2017197078A1 (en) Trans-impedance amplifier with increased dynamic range
JP3490982B2 (ja) 真空計用圧力補正装置
EP0879420A1 (en) Improved charge rate electrometer
US4967157A (en) Method and circuit for extending the range of a cold cathode discharge vacuum gauge
Gathman et al. Improved field meter for electrostatic measurements
Fedchak et al. Recommended practice for calibrating vacuum gauges of the ionization type
JP3449721B2 (ja) X線放射を測定する方法および計器
JP2004163136A (ja) 真空計用圧力補正装置
JP5148104B2 (ja) 真空測定方法および真空計
US5543706A (en) Circuit and method for measuring current in a circuit
JP2697932B2 (ja) 真空度測定装置
JPH075265A (ja) ガス圧力変動に伴う測定誤差を補正したガスフロー型比例計数管
JP2020008303A (ja) ガス検出装置
JPH075266A (ja) 電極間電圧の変動に伴う測定誤差を補正可能な比例計数管
US20040261713A1 (en) Monitoring system for plasma deposition facility

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3490982

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081107

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081107

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091107

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101107

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111107

Year of fee payment: 8

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111107

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121107

Year of fee payment: 9

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131107

Year of fee payment: 10

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees