JP3489294B2 - イオンビーム中のイオン種割合測定装置 - Google Patents

イオンビーム中のイオン種割合測定装置

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JP3489294B2 JP28808695A JP28808695A JP3489294B2 JP 3489294 B2 JP3489294 B2 JP 3489294B2 JP 28808695 A JP28808695 A JP 28808695A JP 28808695 A JP28808695 A JP 28808695A JP 3489294 B2 JP3489294 B2 JP 3489294B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、イオンビーム中
に含まれている各イオン種の強度の割合、例えば液晶デ
ィスプレイの製造等に使用されるイオンドーピング装置
(即ち非質量分離型のイオン注入装置)における質量分
離されていないイオンビーム中に含まれている各イオン
種の強度の割合を、簡単、迅速かつ正確に測定するイオ
ン種割合測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図14は、イオンドーピング装置30に
従来のイオン種割合測定装置32を組み合わせた例を示
す概略図である。
【0003】この例のイオンドーピング装置30は、図
示しない真空排気装置によって真空排気される処理室8
内において、その上部に取り付けられたイオン源2から
引き出したイオンビーム6を、質量分離することなく、
被処理物(例えば半導体ウェーハやその他の基板)10
に照射して、当該被処理物10にイオン注入を行うよう
構成されている。4はイオン源2のイオンビーム引き出
し用の電極であり、図示例のように1枚の場合もあれば
複数枚の場合もある。
【0004】このようなイオンドーピング装置30を用
いて被処理物10を処理する場合、被処理物10に照射
されるイオンビーム6は質量分離されていないため、通
常は、被処理物10の処理に進む前に、イオンビーム6
中にどのようなイオン種がどのような割合で含まれてい
るかというイオン種割合を測定し、そのイオン種割合が
良好な場合に初めて被処理物10の処理工程へ進むよう
にしている。
【0005】イオン種割合測定装置32は、そのような
測定を行うものであり、処理室8のイオン源2に対向す
る部分に設けられたポート12を通過してきたイオンビ
ーム6を質量分析する分析マグネット14と、この分析
マグネット14にそれを励磁するマグネット電流I1
供給する出力電流可変のマグネット電源16と、分析マ
グネット14から選択的に導出されるイオン種によるイ
オン電流I2 を計測するイオン電流計測器(例えばファ
ラデーカップ)18と、マグネット電源16から分析マ
グネット14に供給するマグネット電流I1 を変化させ
たときにイオン電流計測器18によって計測されるイオ
ン電流I2 をマグネット電流I1 と対応させて記憶し、
かつ両者をグラフの形で表示する表示装置22とを備え
ている。マグネット電流I1 を変化させると、分析マグ
ネット14における磁場強度が変化してその磁場強度に
応じたイオンビーム6中のイオン種のみが選択的に導出
され(即ち質量分離され)、そのイオン種によるイオン
電流I2 がイオン電流計測器18によって計測される。
【0006】図15は、上記のようにして表示装置22
に表示されるイオン電流波形の一例を示す。横軸のマグ
ネット電流I1 は、分析マグネット14によって分析さ
れるイオン種の種類(より具体的には、その質量とエネ
ルギーとで決まる運動量)に対応しており、マグネット
電流I1 が大きいほどイオン種の質量等は大きい。縦軸
のイオン電流I2 は、そのときのイオン種の量を表して
おり、そのピーク値が大きいほどそのイオン種は多い。
【0007】そして従来は、イオンドーピング装置30
の操作員(オペレータ)が、分析マグネット14に供給
するマグネット電流I1 を手動で変化させてI1 および
2のデータを採取して、上記図15に示すようなイオ
ン電流波形を表示装置22に表示させ、この波形を用い
てその各ピークの高さを目視によって読み取り、その各
ピークの割合すなわちイオン種の割合を電卓等で計算
し、更にイオンビーム6の引き出しに使用するガス種
(即ちガスの種類)によって区別される必要イオン種と
不要イオン種との割合を電卓等で計算し、その結果に基
づいて、被処理物10の処理に進むべきか否かを判断し
ていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来のイ
オン種割合測定装置32では、上記のように測定の殆ど
全ての処理を操作員に頼っているため、測定に多くの時
間がかかると共に、操作員への負担も大きい。また、ピ
ーク値の見落し、計測のバラツキ、計算間違い等が避け
られず、測定の正確さに欠けると共に、操作員が交替す
ると測定結果がバラツクという問題もある。
【0009】そこでこの発明は、操作員への負担を軽減
すると共に、イオン種割合の測定を迅速かつ正確に行う
ことができるイオン種割合測定装置を提供することを主
たる目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明のイオン種割合
測定装置の一つは、測定対象のイオンビームを質量分析
する分析マグネットと、この分析マグネットにそれを励
磁するマグネット電流を供給する出力電流可変のマグネ
ット電源と、分析マグネットから選択的に導出されるイ
オン種によるイオン電流を計測するイオン電流計測器
と、マグネット電源を制御して分析マグネットに供給す
るマグネット電流を変化させ、そのときのマグネット電
流とイオン電流計測器で計測されるイオン電流とを互い
に対応させて計測する計測手段と、この計測手段で計測
したイオン電流のマグネット電流に対する一次微分値を
算出する一次微分手段と、同イオン電流のマグネット電
流に対する二次微分値を算出する二次微分手段と、この
二次微分値に対して設定されたしきい値および二次微分
値がこのしきい値と等しくなる二つの点間のマグネット
電流の幅に対して設定された許容幅を用いて、二次微分
値の負側の絶対値がこのしきい値以上でありかつその幅
が許容幅以下である部分をピーク部分とみなしてその絶
対値が最大値を示す点のマグネット電流値を検出してそ
れを仮のピーク位置とするピーク位置検出手段と、この
仮のピーク位置での一次微分値が0であり、かつこのピ
ーク位置のマグネット電流値が大きい側隣りでの一次微
分値が負であるか否かを判定してその結果が肯定的であ
ればこの仮のピーク位置を真のピーク位置として確定す
るピーク位置確定手段と、このピーク位置確定手段によ
って確定された1以上のピーク位置でのイオン電流値を
それぞれ求めてそれをピーク強度とするピーク強度決定
手段と、この各ピーク強度の割合を算出するピーク割合
算出手段と、この各ピーク強度の割合をそれぞれ表示す
る表示装置とを備えることを特徴とする。
【0011】上記構成によれば、イオン種割合の測定に
必要なデータ即ちマグネット電流およびイオン電流の計
測から、イオン電流のピーク位置とピーク強度の決定、
各ピーク強度の割合の算出およびその表示までの一連の
処理の殆ど全てを自動的に行うことができるので、操作
員への負担を大幅に軽減することができると共に、イオ
ン種割合の測定を迅速かつ正確に行うことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は、イオンドーピング装置に
この発明に係るイオン種割合測定装置を組み合わせた例
を示す概略図である。図14の従来例と同一または相当
する部分には同一符号を付し、以下においては当該従来
例との相違点を主に説明する。
【0013】この実施例のイオン種割合測定装置34
は、前述したような分析マグネット14、マグネット電
源16およびイオン電流計測器18と、以下に詳述する
計測制御装置24とを備えている。なお、ポート12と
分析マグネット14の入口との間には、図1に示す例の
ように、余分なイオンビームを除去するコリメータ36
を設けておくのが好ましい。また、イオン電流計測器1
8から出力されるイオン電流は非常に小さいので、図1
に示す例のように、イオン電流計測器18の出力側にピ
コアンメータ38を設けて、イオン電流I2 を扱い易い
大きさに適当に増幅するのが好ましい。
【0014】図2は、計測制御装置24の構成の一例を
示すブロック図であり、この計測制御装置24は、計測
手段41、一次微分手段42、二次微分手段43、ピー
ク位置検出手段44、ピーク位置確定手段45、ピーク
強度決定手段46、ピーク割合算出手段47、表示装置
48および記憶手段49を備えている。この計測制御装
置24は、例えば、パーソナルコンピュータおよびそれ
用のディスプレイから成る。但し、このような各手段を
一つの装置にまとめずに、幾つかの装置に分散させても
良い。後述する他の実施例においても同様である。
【0015】計測手段41は、マグネット電源16を制
御してそれから分析マグネット14に供給するマグネッ
ト電流I1 を変化させ、そのときのマグネット電流I1
とイオン電流計測器18で計測されるイオン電流I2
を互いに対応させて計測するものである。この計測手段
41によってマグネット電源16から出力するマグネッ
ト電流I1 を変化させる動作は、全てを計測手段41に
よる自動で行わせても良いし、例えば計測手段41にボ
リュームのようなものを設けておいてそれを操作員が操
作する動作を介在させても良い。このような処理によっ
て、例えば図15に示したのと同様のイオン電流波形が
得られる。図6Aは、その一部分を拡大して示すもので
あり、同図中の点fおよびgはそれぞれ変曲点である。
【0016】一次微分手段42は、計測手段41で計測
したイオン電流I2 のマグネット電流I1 に対する一次
微分値を算出するものであり、二次微分手段43は、同
イオン電流I2 のマグネット電流I1 に対する二次微分
値を算出するものである。図6Bおよび図6Cは、図6
Aのイオン電流波形の一次微分値および二次微分値をそ
れぞれ示す。
【0017】ピーク位置検出手段44は、図6Cを参照
して、上記二次微分値に対して外部から設定されたしき
い値Tと、二次微分値がこのしきい値Tと等しくなる二
つの点a、b間のマグネット電流I1 の幅Eに対して外
部から設定された許容幅Wとを用いて、二次微分値の負
側の絶対値0がこのしきい値T以上であり(この例では
いずれも絶対値で比較している)、かつその幅Eが許容
幅W以下である部分Fをピーク部分とみなしてその絶対
値が最大値を示す点cのマグネット電流I1 を検出して
それを仮のピーク位置Pとする。このようなしきい値T
および許容幅Wを設定し比較することによって、大きさ
および急峻さが所定以上の二次微分値波形、ひいてはイ
オン電流波形のみを、ピークとして検出することができ
る。
【0018】ピーク位置確定手段45は、図6Bを参照
して、上記仮のピーク位置Pでの一次微分値が0であ
り、かつこのピーク位置Pのマグネット電流値が大きい
側隣りGでの一次微分値が負であるか否かを判定して、
その結果が肯定的であれば(即ち、この図6Bの例のよ
うに上記仮のピーク位置Pでの一次微分値が0であり、
かつ上記隣りGでの一次微分値が負であれば)、この仮
のピーク位置Pを真のピーク位置として確定する。この
ようにするのは、イオン電流波形の真のピーク部分では
ない、単なる変曲点のような部分を誤って検出するのを
避けるためである。
【0019】イオン電流波形には、通常は例えば図15
に示すように複数のピークが存在するので、以上の手段
によって、複数のピーク位置Pが確定される。
【0020】ピーク強度決定手段46は、図6Aを参照
して、ピーク位置確定手段45によって確定された1以
上のピーク位置Pでのイオン電流I2 の値をそれぞれ求
めてそれをピーク強度Hとする。
【0021】ピーク強度決定手段46は、上記のように
ピーク位置Pでのイオン電流値を求めてそれをそのまま
ピーク強度Hとする代わりに、上記ピーク位置Pでのイ
オン電流値の他にピーク位置Pのごく近傍の前後数点
d、eでのイオン電流値をも求めて、これらのイオン電
流値の内の最大値を求め、その最大値をピーク強度Hと
するようにしても良い。そのようにすれば、ピーク位置
Pのごく近傍でイオン電流波形が凹凸していても、その
最大部分のピーク強度を間違いなく検出することができ
る。
【0022】ピーク割合算出手段47は、上記のように
して求めた複数の各ピーク強度Hの割合を算出する。こ
の各ピーク強度Hの割合の合計は100%である。
【0023】図15に示すイオン電流波形について、上
記のようにして複数のピーク位置P、そのピーク強度H
およびその割合を求めた結果を図7に示す。ピーク位置
Pおよびピーク強度Hは、マグネット電流I1 およびイ
オン電流I2 にそれぞれ対応しており、ここでは一例と
して、それらの電流値をそのままピーク位置Pおよびピ
ーク強度Hとしているが、これらの電流値を比例的に変
換してピーク位置Pおよびピーク強度Hとして表すよう
にしても良い。ピーク番号は、ピーク位置Pの小さい方
から便宜的にP1、P2、P3・・・と名付けたもので
ある。
【0024】この例では、前述したしきい値T以上およ
び許容幅W以下を満足するピークは11個検出されてい
るが、同じイオンビーム6でも、このピークの数は、し
きい値Tおよび許容幅Wの設定値を変えることによって
変化する。例えば、しきい値Tを大きくするほど、かつ
許容幅Wを小さくするほど、より高くかつより急峻なピ
ークしか検出しなくなるので、検出されるピークの数は
減ることになる。
【0025】表示装置48は、例えばCRT、液晶ディ
スプレイ等であり、上記のようにして算出した各ピーク
強度の割合およびその他の情報を表示する。その表示の
仕方は、各ピーク強度の割合を例えば図7の「割合」の
欄に示すようにそのまま数値で表示しても良いが、グラ
フの形で表示する方が目視しやすいので好ましい。その
例を図8および図9に示す。
【0026】図8は、図7に示したピーク番号P1〜P
11における各ピーク強度の割合を積み重ね棒グラフの
形で横に表示した例を示す。各ピーク強度の割合は、互
いに異なるパターンおよび/または色で表示されてお
り、その各々の長さが各々の割合を表している。図9
は、上記と同じ割合を円グラフの形で表示した例を示
す。
【0027】操作員は、表示装置48に表示されたこの
ような各ピーク強度の割合即ちイオン種の割合を見て、
被処理物10の処理に進むべきか否かを判断すれば良
い。従来のように各ピークの高さをイオン電流波形から
読み取り、その各ピークの割合を電卓等で計算する等の
作業は全く不要になる。
【0028】記憶手段49は、上記各手段41〜47に
おいて計測、算出する等して得られた各種データを記憶
し保存するものである。図4、図5および図13の実施
例においては、後述する各手段50〜53において得ら
れたデータ等も保存する。この記憶手段49への結線
は、図が複雑になるので簡略化しているが、基本的に
は、全ての手段にバス等を経由して接続されている。
【0029】表示装置48には、直前に計測したデータ
と、以前に計測して記憶手段49に保存していたデータ
とを切り換えて出力するようにしても良い。
【0030】図3は、図2の計測制御装置24における
処理の流れの一例を示したものである。各ステップ61
〜70における処理内容は、上記各手段41〜49のと
ころで説明したとおりである。但し、しきい値Tと許容
幅Wを設定するステップ64は、ピーク位置を検出する
ステップ65以前であればどこに入れても良い。
【0031】上記のような計測制御装置24を有するこ
の実施例のイオン種割合測定装置34によれば、イオン
種割合の測定に必要なデータ即ちマグネット電流I1
よびイオン電流I2 の計測から、イオン電流のピーク位
置Pとピーク強度Hの決定、各ピーク強度の割合の算出
およびその表示までの一連の処理の殆ど全てを自動的に
行うことができるので、操作員への負担を大幅に軽減す
ることができる。しかも、従来のような操作員による波
形読み取り、計算等の処理を要しないので、イオン種割
合の測定を迅速に行うことができると共に、波形読み取
りのバラツキ、誤り、計算間違い等が入り込む余地がな
いので、イオン種割合の測定を正確に行うことができ
る。従って、被処理物10の処理へ進むべきか否かのプ
ロセス管理が極めて容易かつ正確になる。
【0032】次に、他の実施例について説明すると、図
4に示す実施例のように、ピーク強度決定手段46によ
って求めた各ピーク強度を、イオン源2においてイオン
ビーム6を発生させるのに用いたガス種(即ちガスの種
類)に応じて、被処理物10の処理に必要なイオン種の
ピーク強度と不要なイオン種のピーク強度とに区別する
区別手段50を更に設けておいて、各ピーク強度の割合
を表示装置48にそれぞれ表示する際に、必要なイオン
種の各ピーク強度の割合を、互いに色は異なるけれども
同系色で互いに連続して表示し、かつ不要なイオン種の
各ピーク強度の割合を、互いに色は異なるけれども上記
とは異なった同系色で互いに連続して表示するようにし
ても良い。連続して表示するのは、そのようにすれば、
連続した部分の割合の合計の確認等が容易になるからで
ある。
【0033】イオン源2において使用するガス種が決ま
れば、それから得られるイオンビーム6中に含まれてい
るイオン種の内で必要なイオン種が決まり、そのような
イオン種を分析マグネット14から選択的に導出する場
合のマグネット電流I1 が決まるので、マグネット電流
1 によって、即ちピーク位置Pによって、必要なイオ
ン種か不要なイオン種かを区別することができる。上記
区別手段50はこのような処理を行うものである。
【0034】例えば、被処理物10にリン(P)イオン
を注入する場合、イオン源2にはガス種としてPH
3 (ホスフィン)を供給してそれをイオン化してイオン
ビーム6を引き出すが、このイオンビーム6にはリンを
含むイオン種の他に、リンを含まない水素(H)だけの
イオン種も含まれている。前者は必要なイオン種、後者
は不要なイオン種である。図15の波形および図7の表
は、ガス種にこのようなホスフィンを用いた場合の例を
示すものであり、その場合にピークを示す代表的なイオ
ン種を具体的に示せば、ピーク番号P3はH+ 、ピーク
番号P5はH2 + 、ピーク番号P6はH3 + 、ピーク番号
P7はP+ 、ピーク番号P8はPH+ 、ピーク番号P9
はPH2 + 、ピーク番号P10はPH3 + である。
【0035】このように、図7の例の場合は、ピーク番
号P1〜P6はリンを含んでいないので不要なイオン種
であり、P7〜P11はリンを含んでいるので必要なイ
オン種であるので、図7あるいは図8の例において、ピ
ーク番号P1〜P6の各割合は、互いに連続して表示し
ており、その色は例えば赤系の色(例えば赤〜黄付近の
色)とする。また、ピーク番号P7〜P11の各割合は
互いに連続して表示しており、その色は例えば青系の色
(例えば青緑〜紺付近の色)にする。このようにすれ
ば、各ピーク強度のそれぞれの割合と、必要なイオン種
の割合および不要なイオン種の割合とを同時に簡単に確
認することができるので、視認性が一層良好になり、操
作員等によるイオン種割合の確認を一層良好かつ確実に
行うことができる。
【0036】また、図5に示す実施例のように、上記の
ような区別手段50の他に、少なくとも、必要なイオン
種の各ピーク強度の割合(例えば図7の例におけるピー
ク番号P7〜P11の各ピーク強度の割合)を合計する
合計手段51を更に設けておいて、表示装置48に上記
各実施例のように各ピーク強度の割合をそれぞれ表示す
る代わりに、必要なイオン種のピーク強度の合計割合を
表示装置48に表示するようにしても良い。
【0037】そのようにすれば、操作員は、自分で必要
なイオン種の合計割合を求める必要がなくなるので、一
目で、必要なイオン種の割合が基準値以上であるか否か
を、即ち被処理物10の処理に進むべきか否かを判断す
ることができ、判断が極めて容易になる。
【0038】また、上記合計手段51を、必要なイオン
種のピーク強度の割合の合計だけでなく、不要なイオン
種の各ピーク強度の割合(例えば図7の例におけるピー
ク番号P1〜P6の各ピーク強度の割合)をも合計する
ものとして、表示装置48に、必要なイオン種のピーク
強度の合計割合と不要なイオン種のピーク強度の合計割
合とを共に表示するようにしても良い。
【0039】上記例の場合、合計割合は、数値のみで表
示装置48に表示しても良いが、例えば図10〜図12
にそれぞれ示すようなグラフの形で表示すると、視認性
は一層向上する。その場合、必要なイオン種の合計割合
と不要なイオン種の合計割合とを表示する場合は、両者
を適当なパターンおよび/または色で区別するのが好ま
しい。また、グラフと併せてそれぞれの合計割合を示す
数値を表示しても良い。そのようにすれば、操作員によ
る判断がより正確かつ容易になる。
【0040】また、上記のようにピーク強度の割合等を
表示装置48に表示して最終的な判断を操作員に委ねる
代わりに、即ちピーク割合算出手段47、表示装置48
および合計手段51を設ける代わりに、図13に示す実
施例のように、必要なイオン種のピーク強度の合計割合
を算出する合計割合算出手段52と、この合計割合が予
め定められた基準値以上であるか否かを判定してその結
果を出力する合否判定手段53とを設けておいて、計測
制御装置24に自動で合否を判定させるようにしても良
い。判定の結果は、合格を出力しても良いし、不合格を
出力しても良い。
【0041】判定結果の出力の仕方としては、例えばラ
ンプのような視覚的なもの、ブザーのような聴覚的なも
の、あるいはインターロック信号のような電気的なもの
等、種々のものが採り得る。インターロック信号を取り
出せば、判定結果が合格の場合、それ以降の被処理物1
0の処理工程を自動的に開始させることも可能である。
【0042】この実施例によれば、操作員による最終的
な合否判断も不要になるので、プロセス管理が一層楽に
なり、自動化を一層進めることができる。
【0043】
【発明の効果】この発明は上記のとおり構成されている
ので、次のような効果を奏する。
【0044】請求項1の発明によれば、イオン種割合の
測定に必要なデータの計測から、イオン電流のピーク位
置とピーク強度の決定、各ピーク強度の割合の算出およ
びその表示までの一連の処理の殆ど全てを自動的に行う
ことができるので、操作員への負担を大幅に軽減するこ
とができる。しかも、従来のような操作員による波形読
み取り、計算等の処理を要しないので、イオン種割合の
測定を迅速に行うことができると共に、波形読み取りの
バラツキ、誤り、計算間違い等が入り込む余地がないの
で、イオン種割合の測定を正確に行うことができる。従
って、被処理物の処理へ進むべきか否かのプロセス管理
が極めて容易かつ正確になる。
【0045】請求項2の発明によれば、請求項1の効果
に加えて更に次のような効果を奏する。即ち、表示装置
には、各イオン種のピーク強度の割合が、必要なイオン
種と不要なイオン種とに区別されてそれぞれ表示される
ので、各ピーク強度のそれぞれの割合と、必要なイオン
種の割合および不要なイオン種の割合とを同時に簡単に
確認することができる。従って、視認性が一層良好にな
り、操作員等によるイオン種割合の確認を一層良好かつ
確実に行うことができる。
【0046】請求項3の発明によれば、請求項1の効果
に加えて更に次のような効果を奏する。即ち、表示装置
には必要なイオン種の合計割合が表示されるので、操作
員は、自分で必要なイオン種の合計割合を求める必要が
なくなり、一目で、必要なイオン種の割合が基準値以上
であるか否かを、即ち被処理物の処理に進むべきか否か
を判断することができ、判断が極めて容易になる。
【0047】請求項4の発明によれば、イオン種割合の
測定に必要なデータの計測から、イオン電流のピーク位
置とピーク強度の決定、必要なイオン種と不要なイオン
種との区別、必要なイオン種のピーク強度の合計割合の
算出およびその合否判定までの一連の処理の殆ど全てを
自動的に行うことができるので、操作員への負担を大幅
に軽減することができると共に、イオン種割合の測定お
よび評価を迅速かつ正確に行うことができる。しかも、
操作員による最終的な合否判断も不要になるので、プロ
セス管理が一層楽になり、自動化を一層進めることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】イオンドーピング装置にこの発明に係るイオン
種割合測定装置を組み合わせた例を示す概略図である。
【図2】図1中の計測制御装置の構成の一例を示すブロ
ック図である。
【図3】図2の計測制御装置における処理の流れの一例
を示すフローチャートである。
【図4】図1中の計測制御装置の構成の他の例を示すブ
ロック図である。
【図5】図1中の計測制御装置の構成の更に他の例を示
すブロック図である。
【図6】マグネット電流を変化させたときのイオン電流
の波形の一部分を拡大して示すと共に(A)、その一次
微分波形(B)および二次微分波形(C)を示す。
【図7】各ピーク番号におけるピーク位置、そのピーク
強度およびその割合を表にして表す図である。
【図8】各ピーク強度の割合を積み重ね棒グラフの形で
横に表示する例を示す図である。
【図9】各ピーク強度の割合を円グラフの形で表示する
例を示す図である。
【図10】必要なイオン種の割合の合計と不要なイオン
種の割合の合計とを積み重ね棒グラフの形で表示する例
を示す図である。
【図11】必要なイオン種の割合の合計と不要なイオン
種の割合の合計とを円グラフの形で表示する例を示す図
である。
【図12】必要なイオン種の割合の合計と不要なイオン
種の割合の合計とを棒グラフの形で表示する例を示す図
である。
【図13】図1中の計測制御装置の構成の更に他の例を
示すブロック図である。
【図14】イオンドーピング装置に従来のイオン種割合
測定装置を組み合わせた例を示す概略図である。
【図15】図1および図14の装置においてマグネット
電流を変化させたときに計測されるイオン電流の波形の
一例を示す図である。
【符号の説明】
2 イオン源 6 イオンビーム 14 分析マグネット 16 マグネット電源 18 イオン電流計測器 24 計測制御装置 30 イオンドーピング装置 34 イオン種割合測定装置 41 計測手段 42 一次微分手段 43 二次微分手段 44 ピーク位置検出手段 45 ピーク位置確定手段 46 ピーク強度決定手段 47 ピーク割合算出手段 48 表示装置 49 記憶手段 50 区別手段 51 合計手段 52 合計割合算出手段 53 合否判定手段
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭48−50788(JP,A) 特開 昭51−27390(JP,A) 特開 平2−262040(JP,A) 特開 昭53−140090(JP,A) 特開 平5−94791(JP,A) 特開 平3−25847(JP,A) 特開 昭59−97050(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 49/00 - 49/42 H01J 37/317

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測定対象のイオンビームを質量分析する
    分析マグネットと、この分析マグネットにそれを励磁す
    るマグネット電流を供給する出力電流可変のマグネット
    電源と、分析マグネットから選択的に導出されるイオン
    種によるイオン電流を計測するイオン電流計測器と、マ
    グネット電源を制御して分析マグネットに供給するマグ
    ネット電流を変化させ、そのときのマグネット電流とイ
    オン電流計測器で計測されるイオン電流とを互いに対応
    させて計測する計測手段と、この計測手段で計測したイ
    オン電流のマグネット電流に対する一次微分値を算出す
    る一次微分手段と、同イオン電流のマグネット電流に対
    する二次微分値を算出する二次微分手段と、この二次微
    分値に対して設定されたしきい値および二次微分値がこ
    のしきい値と等しくなる二つの点間のマグネット電流の
    幅に対して設定された許容幅を用いて、二次微分値の負
    側の絶対値がこのしきい値以上でありかつその幅が許容
    幅以下である部分をピーク部分とみなしてその絶対値が
    最大値を示す点のマグネット電流値を検出してそれを仮
    のピーク位置とするピーク位置検出手段と、この仮のピ
    ーク位置での一次微分値が0であり、かつこのピーク位
    置のマグネット電流値が大きい側隣りでの一次微分値が
    負であるか否かを判定してその結果が肯定的であればこ
    の仮のピーク位置を真のピーク位置として確定するピー
    ク位置確定手段と、このピーク位置確定手段によって確
    定された1以上のピーク位置でのイオン電流値をそれぞ
    れ求めてそれをピーク強度とするピーク強度決定手段
    と、この各ピーク強度の割合を算出するピーク割合算出
    手段と、この各ピーク強度の割合をそれぞれ表示する表
    示装置とを備えることを特徴とするイオンビーム中のイ
    オン種割合測定装置。
  2. 【請求項2】 前記各ピーク強度を、前記イオンビーム
    を発生させるのに用いたガス種に応じて、必要なイオン
    種のピーク強度と不要なイオン種のピーク強度とに区別
    する区別手段を更に備え、前記各ピーク強度の割合を表
    示装置にそれぞれ表示する際に、必要なイオン種の各ピ
    ーク強度の割合を互いに色は異なるけれども同系色で互
    いに連続して表示し、かつ不要なイオン種の各ピーク強
    度の割合を互いに色は異なるけれども上記とは異なった
    同系色で互いに連続して表示するようにしている請求項
    1記載のイオンビーム中のイオン種割合測定装置。
  3. 【請求項3】 前記各ピーク強度を、前記イオンビーム
    を発生させるのに用いたガス種に応じて、必要なイオン
    種のピーク強度と不要なイオン種のピーク強度とに区別
    する区別手段と、必要なイオン種の各ピーク強度の割合
    を合計する合計手段とを更に備え、前記各ピーク強度の
    割合を表示装置にそれぞれ表示する代わりに、この必要
    なイオン種のピーク強度の割合の合計を表示装置にそれ
    ぞれ表示するようにしている請求項1記載のイオンビー
    ム中のイオン種割合測定装置。
  4. 【請求項4】 測定対象のイオンビームを質量分析する
    分析マグネットと、この分析マグネットにそれを励磁す
    るマグネット電流を供給する出力電流可変のマグネット
    電源と、分析マグネットから選択的に導出されるイオン
    種によるイオン電流を計測するイオン電流計測器と、マ
    グネット電源を制御して分析マグネットに供給するマグ
    ネット電流を変化させ、そのときのマグネット電流とイ
    オン電流計測器で計測されるイオン電流とを互いに対応
    させて計測する計測手段と、この計測手段で計測したイ
    オン電流のマグネット電流に対する一次微分値を算出す
    る一次微分手段と、同イオン電流のマグネット電流に対
    する二次微分値を算出する二次微分手段と、この二次微
    分値に対して設定されたしきい値および二次微分値がこ
    のしきい値と等しくなる二つの点間のマグネット電流の
    幅に対して設定された許容幅を用いて、二次微分値の負
    側の絶対値がこのしきい値以上でありかつその幅が許容
    幅以下である部分をピーク部分とみなしてその絶対値が
    最大値を示す点のマグネット電流値を検出してそれを仮
    のピーク位置とするピーク位置検出手段と、この仮のピ
    ーク位置での一次微分値が0であり、かつこのピーク位
    置のマグネット電流値が大きい側隣りでの一次微分値が
    負であるか否かを判定してその結果が肯定的であればこ
    の仮のピーク位置を真のピーク位置として確定するピー
    ク位置確定手段と、このピーク位置確定手段によって確
    定された1以上のピーク位置でのイオン電流値をそれぞ
    れ求めてそれをピーク強度とするピーク強度決定手段
    と、この各ピーク強度を、前記イオンビームを発生させ
    るのに用いたガス種に応じて、必要なイオン種のピーク
    強度と不要なイオン種のピーク強度とに区別する区別手
    段と、必要なイオン種のピーク強度の合計の割合を算出
    する合計割合算出手段と、この合計割合が予め定められ
    た基準値以上であるか否かを判定してその結果を出力す
    る合否判定手段とを備えることを特徴とするイオンビー
    ム中のイオン種割合測定装置。
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