JP3488802B2 - 鉄道車輌用ブレーキ装置 - Google Patents

鉄道車輌用ブレーキ装置

Info

Publication number
JP3488802B2
JP3488802B2 JP09279197A JP9279197A JP3488802B2 JP 3488802 B2 JP3488802 B2 JP 3488802B2 JP 09279197 A JP09279197 A JP 09279197A JP 9279197 A JP9279197 A JP 9279197A JP 3488802 B2 JP3488802 B2 JP 3488802B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure
brake
hydraulic
cylinder
air
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP09279197A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10273046A (ja
Inventor
則道 熊谷
清五 内田
政志 仲野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Railway Technical Research Institute
Original Assignee
Railway Technical Research Institute
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Railway Technical Research Institute filed Critical Railway Technical Research Institute
Priority to JP09279197A priority Critical patent/JP3488802B2/ja
Publication of JPH10273046A publication Critical patent/JPH10273046A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3488802B2 publication Critical patent/JP3488802B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Regulating Braking Force (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空圧を動力源とし
て車輪に制動をかける鉄道車輌用の滑走防止機能付きブ
レーキ装置に関する。特には、滑走防止制御の応答性に
優れ、かつ構造のシンプルな鉄道車輌用ブレーキ装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】図3を参照しつつ従来技術の一例を説明
する。図3は、従来の空−油圧増圧式の滑走防止機能付
き鉄道車輌用ブレーキ装置の構成を模式的に示す系統図
である。この図のブレーキ装置は、制輪子15(ブレー
キ作動部材)をブレーキシリンダ21を用いて車輪11
に押し付けて制動する形式としているが、ディスクブレ
ーキ式であってもよい。
【0003】各車輪11には、回転センサ13(パルス
ジェネレーター等)が取り付けられており、各車輪11
の回転数を常時検出している。そして、回転センサ13
の信号は滑走防止コントローラ103に送られ、コント
ローラ103は、別途検出される車輌の走行速度と各車
輪11の速度とを比較して、車輪11の滑走(ブレーキ
時に列車速度>車輪速度)を検知している。
【0004】ブレーキ制輪子15は鋳鉄製等のブロック
であり、車輪11の踏面に押し付けて車輪11の制動を
行う。このような制輪子方式の他に、ディスク方式のブ
レーキも多用されるようになってきている。なお、本発
明はブレーキ方式の相違にかかわらず適用可能である。
【0005】制輪子15を駆動するシリンダ21は油圧
式である。以前は、ブレーキシリンダは空圧式が主流で
あったが、車輌の車輪11周りに多くの部品が配置され
るようになってきた昨今の高速車輌では、ブレーキシリ
ンダの寸法を小さくする等の必要が生じ油圧式が主流と
なっている。なお、その場合にも、詳しくは後述するよ
うに、ブレーキ動力の根幹においては空圧を用いてい
る。そうしている理由は、圧縮空気の持つ高いエネルギ
ー貯留性により、動力発生源停止時あるいは車輌分離
(動力源も分離される)といった最悪時においてもブレ
ーキを作動させることが可能でなければならないという
保安上の要請からである。
【0006】油圧ブレーキシリンダ21のロッド17の
先端は、制輪子15に接続されており、後端はピストン
25に接続されている。ピストン25とブレーキシリン
ダ21の前側エンドプレート22間にはバネ23が押し
勝手に設置されている。このバネ23によって、ピスト
ン25は後退方向(制輪子15が車輪11から離れる方
向)に付勢されている。ピストン25の反ロッド側は、
油圧室27となっており、同室27に油圧が立つと、ピ
ストン25はバネ23の付勢力に抗して前進(制輪子1
5が車輪11に接する方向)する。このブレーキシリン
ダ21は、車輌床下の車輪11の近傍に配置されてい
る。
【0007】ブレーキシリンダ21の油圧室27は、連
通管29を介して、増圧シリンダ31の油圧室35と連
通している。連通管29の途中には油圧制御弁101が
設置されている。この油圧制御弁101は滑走防止コン
トロールの際に動作するものであるが、それについては
後述する。
【0008】増圧シリンダ31は、空圧(5〜9kgf/cm
2)を動力源として高圧の油圧(90〜140kgf/cm2)を
発生させる(増圧する)ものである。すなわち、増圧シ
リンダ31は、油圧シリンダ部33と空圧シリンダ部4
1とからなり、両シリンダの油圧ピストン37と空圧ピ
ストン43は連結ロッド39で連結されている。油圧ピ
ストン37は、油圧部33内に摺動自在に収められてお
り、油圧室35内の油を押す。空圧ピストン43は空圧
部41内に摺動自在に収められており、空圧室45内の
圧縮空気によって押される。油圧ピストン37と空圧ピ
ストン43の面積比(一般的に10〜20)がこの増圧
シリンダの増圧比となる。なお、空圧室45内の空圧が
低下すると、空圧ピストン43及び油圧ピストン37
は、ブレーキシリンダ21内のバネ23の付勢力により
(油圧を介して)後退する。
【0009】増圧シリンダ31の空圧室45には空圧配
管47が接続されている。この空圧配管47から圧縮空
気が出入りする。この空圧配管47には給排締切弁10
5が設置されている。給排締切弁105も、油圧制御弁
101同様に、滑走防止制御時に動作するものであり、
詳細は後述する。
【0010】空圧配管47は空圧配管55に接続されて
おり、空圧配管55の元端には主ブレーキ制御弁57
(Dポート)が接続されている。主ブレーキ制御弁57
には、その他に、給気元管65(Aポート)、給気管6
1(Bポート)、排気管59(Cポート)が接続されて
いる。給気元管65は元空気溜81に繋がっており、空
気のそもそもの供給源である。元空気溜81は、機関車
や動力車などに設置されており、列車全体に動力空気を
供給する。元空気溜81には空気圧入用のコンプレッサ
83が設置されている。
【0011】給気管61は、補助空気溜63に繋がって
いる。補助空気溜63は、列車の各車輌毎に設けられて
おり、動力用の空気を一時貯留するタンクである。な
お、元空気溜の他に補助空気溜を必要とするのは、列車
分離のような突発事故で各車輌が機関車等との連結が外
れた場合にも、各車輌に最低限の動力源を残しておくた
めである。
【0012】主ブレーキ制御弁57の作用について説明
する。主ブレーキ制御弁57は、電磁弁であって、ブレ
ーキユルメ(不制動)位置とブレーキ(制動)位置の2
つの位置をとることができる。主ブレーキ制御弁57の
操作は、運転室内に設置されているブレーキ指令器85
を運転士が操作することにより行う。ブレーキユルメ位
置では、ポートCとDをつないで増圧シリンダ31の空
圧室45内の空気を排気管59から大気へ排出する。こ
の際、前述のとおり、制輪子15はバネ23の付勢力に
よって車輪11から離れる。同時に、ポートBとAをつ
ないで元空気溜81から空気を補助空気溜63に補給す
る。
【0013】一方、ブレーキ位置では、ポートAとCは
閉としておき、BとDをつないで補助空気溜63から空
圧を増圧シリンダ31の空圧室45に導入する。これに
より、ブレーキシリンダ21のバネ23の付勢力に抗し
て、ピストン43、37、25が前進して、ブレーキ制
輪子15を車輪11に押し付け制動する。なお、主ブレ
ーキ制御弁励磁時にブレーキユルメ位置となり、非励磁
時にはブレーキ位置となるのでフェールセイフとなって
いる。
【0014】次に滑走防止動作について説明する。ブレ
ーキ時の滑走とは、車輪のブレーキ操作が強すぎた時
に、車輪がレール上を滑ってしまう現象である。この滑
走が生じると、制動距離が長くなるとともに、車輪踏面
に摩耗フラット部が生じるので好ましくない。そこで、
最近の鉄道車輌では、滑走が発生したときに、それを防
止するブレーキ動作を行うこととしている。
【0015】まず、ブレーキ中に車輪11が滑走したこ
と(列車速度>車輪速度)を、回転センサ13と滑走防
止コントローラ103で検知したら、油圧制御弁101
を動作させてブレーキシリンダ21の油圧室27から油
圧を少量抜いて、制輪子15の押し付け圧力を瞬時低下
させてブレーキ力を弱める。これにより、車輪が加速し
てレールと滑らなくなったら(再粘着という)油圧制御
弁101からの圧抜きを停止し再びブレーキ力を強め
る。
【0016】上述の滑走防止油抜き時には、油圧制御弁
101の油抜き動作時に、増圧シリンダの空圧ピストン
43も前進する(図の左方向に移動する)。一例では、
油圧制御弁101が約12回作動すると、空圧ピストン
43の行程は全ストローク近くまで進み、増圧シリンダ
31が押し切ってしまい、ブレーキ制輪子15を押せな
くなってしまう。このときは、給排締切弁105を作動
させて増圧シリンダ31の空圧室45内の空圧を抜く。
これによって、空圧ピストン43は、ブレーキシリンダ
21のバネ23の付勢力で後退する。なお、この際に、
図示されていない油補充装置によって、先に抜いた油
が、増圧シリンダ31の油圧室35内に戻される。その
結果、空圧ピストン43は後退限まで戻り、再びブレー
キ動作及び滑走防止動作が可能となる。なお、油圧制御
弁101及び給排締切弁105の制御は、滑走防止コン
トローラ103が行う。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述のピス
トン戻し動作には約2秒を要し、この間は、ブレーキ指
令中であるにもかかわらず、2秒ものノーブレーキ走行
を行うこととなり、制動距離がその分伸びることとな
る。
【0018】また、図3の構成では、油圧制御弁101
及び給排締切弁105、さらに油補充装置を要し部品点
数が多くなっていた。また、できるだけ一回のピストン
戻し動作あたりに可能な滑走防止動作(圧油抜き動作)
の回数を多くするためには増圧シリンダのストロークを
長くする必要があり、同シリンダが大型化し重くなって
いた。また、油圧系統には動力源がないため、油圧単独
で増圧方向の操作ができなかった。そのため、上述のピ
ストン戻し操作時のブレーキ不能といった問題や、空圧
系統故障に作動させるバックアップブレーキを別システ
ムで設ける必要があった。そのため、装置が複雑となり
重量が増大していた。
【0019】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたもので、随時に滑走防止作動を行いながら
ブレーキ作動を行うことのできる鉄道車輌用ブレーキ装
置を提供することを目的とする。また、構成がシンプル
で部品点数少・軽量な鉄道車輌用ブレーキ装置を提供す
ることを目的とする。
【0020】s
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の鉄道車輌用ブレーキ装置は、 ブレーキ作
動部材を駆動する油圧ブレーキシリンダと、 この油圧
ブレーキシリンダに油圧を抜き/入れするサーボ油圧ポ
ンプと、 空圧源から空圧供給を受けて増圧された油圧
を発生させ、油圧ブレーキシリンダに油圧を供給する油
圧空圧増圧シリンダと、 増圧シリンダの空圧を速やか
に低下させる空気流入遮断及び排気手段と、 上記油圧
の圧力を検知する圧力センサと、 車輪の滑走を検知す
るとともに、上記空気流入遮断、排気手段及びサーボ油
圧ポンプを制御する滑走防止コントローラであって、ブ
レーキ作動時に車輪滑走が発生した場合に、滑走防止の
ための適正油圧シリンダ内圧力を設定し、サーボ油圧ポ
ンプを動作させて油圧シリンダ内の圧力を減圧又は昇圧
することにより滑走車輪の滑走を停止させて再粘着させ
るコントローラと、を具備し、上記ブレーキ装置におい
て、空気ブレーキ系統がフェールした場合にも、サーボ
油圧ポンプから油圧を送り続けることによってブレーキ
制御が可能であり、また、油圧ブレーキ系統がフェール
した場合にも、空気ブレーキ系統によってブレーキ制御
が可能であることを特徴とする。
【0021】本発明においては、上記空気流入遮断及び
排気手段の排気能力が、上記増圧シリンダの空圧低減率
で10kgf/cm2/sec 以上であることが好ましい。また、
上記空気流入遮断及び排気手段のON−OFF作動速度
が0.05秒以下であることが好ましい。滑走防止のた
めの空圧抜き動作を迅速に行い、滑走防止動作の応答性
・制御性を高めることができる。さらに、上記空気流入
遮断及び排気手段を、上記増圧シリンダに対して実質的
に直接取り付け、該手段と増圧シリンダの間に空気管路
等の空気が蓄積される空間を実質的に設けないようにす
ることが好ましい。該手段の制御対象とする空気容量
(体積×圧力)を極力少なくすることができるので、速
やかに目標の空気圧力に達することが可能になる。
【0022】また、上記空気流入遮断及び排気手段、さ
らにはサーボ油圧ポンプが、選択的に取り外し取り付け
可能な構造を有することが好ましい。鉄道車輌によって
は、その性能面での要求や製造コストを低下させる観点
から、滑走防止装置を取り付けないものもある。そのよ
うな車輌にとっては、滑走防止のための余計な部品が付
いていることは、保守(定期的に分解、修繕を行う)コ
ストを高め、製作コストも高くなる。そこで、本ブレー
キ装置の取り付け対象の車輌に合わせて空圧増圧機能の
みを使用したり、増圧機能と滑走防止機能の両方を使用
したり、さらにサーボ油圧ポンプによってより高速かつ
精緻なブレーキコントロールをも行うことができるよう
な構造とすることが好ましいのである。具体的には、バ
ルブ等をフランジ接続しておき、不要な場合は取り外し
て盲板を取り付けられるようにしておくこと等の手段が
ある。
【0023】図を参照しつつ、さらに具体的に説明す
る。図1は、本発明の一実施例に係る鉄道車輌用ブレー
キ装置の構成を模式的に示す系統図である。図1におい
て、図3の従来の鉄道車輌用ブレーキ装置と同様の部位
は同じ符号に示してあり、その説明は省略する。
【0024】図1の鉄道車輌用ブレーキ装置の特徴は以
下のとおりである。 (1)滑走防止用のブレーキユルメを増圧シリンダ31
の空圧側で行うこともできる。すなわち、増圧シリンダ
31の空圧室45につながる空圧配管47には、空気流
入遮断及び排気手段としての排気弁49及び排気管51
と、空圧供給停止弁53が設置されている。滑走防止用
のブレーキユルメ時には、滑走防止コントローラ203
の指示によって、空圧供給停止弁53が閉となり、排気
弁49が開となり、空圧室45の空圧が大気に開放さ
れ、瞬間的に空圧室45の圧力が低下する。これに連動
して、ピストン43、37、27に加わる力が弱まり、
結局、ブレーキ制輪子15の車輪11に対する圧迫が弱
まる。
【0025】このような滑走防止制御方法は、考えよう
によっては最もオーソドックスなものと言える。しか
し、従来では、空圧部での圧抜きでは応答性が遅すぎて
有効な滑走防止制御を行うことは不可能と考えられてい
た。そのため、上述の従来のような複雑な構造となって
いた。しかし、本実施例では、滑走防止動作用の弁や配
管を増圧シリンダの直近に配置するとともに、弁の作動
速度を0.01秒単位でON−OFF可能としたこと等
により、空圧部での対応によっても高応答の滑走防止制
御が可能となった。
【0026】なお、滑走防止動作時における増圧シリン
ダの圧抜きは、一気に圧零近くまで抜くのではなく、3
段階程度に段階を設定しておき、滑走の具合を見ながら
段階的に圧抜きするとともに、滑走が収まる兆候が見え
た時には再度段階的に圧を上げることがブレーキ距離を
短くする上では好ましい。このような制御の方法につい
ては、特開平5−319243号等の手法を採用でき
る。
【0027】(2)本実施例の鉄道車輌用ブレーキ装置
は、油圧の圧力を検知する圧力センサ205と、車輪の
滑走を検知するとともに、サーボ油圧ポンプ207を制
御する滑走防止コントローラ203を具備する。そし
て、該滑走防止コントローラ203が、ブレーキ作動時
に車輪滑走が発生した場合に、滑走防止のための適正油
圧シリンダ内圧力を設定し、サーボ油圧ポンプ207を
動作させて油圧シリンダ21内の圧力を減圧又は昇圧す
ることにより滑走車輪の滑走を停止させて再粘着させ
る。
【0028】すなわち、ブレーキシリンダ21内の油圧
室27と、増圧シリンダ31内の油圧室35とを繋ぐ連
通管29には、圧力センサ205が付設されており、同
管29内の油圧(ブレーキシリンダ21内の油圧室27
や、増圧シリンダ31内の油圧室35内の圧力に等し
い)を検知している。センサ205から、油圧信号は滑
走防止コントローラ203に送られる。
【0029】連通管29には、油圧配管206を介して
サーボ油圧ポンプ207が接続されている。サーボ油圧
ポンプ207は、連通管29からブレーキシリンダ21
に油圧を送る、及び、抜き取る働きをする。サーボ油圧
ポンプ207には、油溜め209が接続されており、油
量の調整に供されている。サーボ油圧ポンプ207は、
滑走防止コントローラ203からの指令により動作し、
滑走防止コントローラ203が適当と判断した圧力にブ
レーキシリンダ油圧室27がなるように、油を抜き・入
れ(減圧・昇圧)する。これにより、空圧のみを用いた
場合より高速かつ精緻な滑走制御が可能である。
【0030】(3)本実施例の鉄道車輌用ブレーキ装置
では、ブレーキ装置において、空気ブレーキ系統がフェ
ールした場合にも、サーボ油圧ポンプ207から油圧を
送り続けることによってブレーキ制御が可能である。す
なわち、空圧等の何らかのトラブル(配管破損等)の際
に増圧シリンダ31内の空圧室45の空圧が抜けた場合
であっても、サーボ油圧ポンプ207が動いて、増圧シ
リンダ31の油圧室35及びブレーキシリンダ21の油
圧室27に油を送れば、空圧ピストン43が空圧室45
の左端に底付きして、ブレーキシリンダ油圧室27内に
油圧が立つのでブレーキを作動させることができる。ま
た、油圧ブレーキ系統がフェールした場合にも、空気ブ
レーキ系統のみでブレーキ制御が可能である。
【0031】図2は、本発明の他の1実施例に係る鉄道
車輌用ブレーキ装置の構成を模式的に示す系統図であ
る。図2において、図3の従来の鉄道車輌用ブレーキ装
置と同様の部位は同じ符号に示してあり、その説明は省
略する。図2の鉄道車輌用ブレーキ装置は、図1の鉄道
車輌用ブレーキ装置からサーボ油圧ポンプ及び圧力セン
サを取り除いたタイプである。
【0032】この実施例に係る鉄道車輌用ブレーキ装置
は、空圧を動力源として車輪に制動をかける鉄道車輌用
の滑走防止機能付きブレーキ装置であって;空圧源63
から空圧供給を受けて増圧された油圧を発生させる増圧
シリンダ31と、この増圧シリンダから油圧供給を受け
てブレーキ作動部材15を駆動する油圧ブレーキシリン
ダ21と、増圧シリンダの空圧を速やかに低下させる空
気流入遮断及び排気手段49、53と、車輪の滑走を検
知するとともに、上記空気流入遮断及び排気手段を制御
する滑走防止コントローラ71とを具備することを特徴
とする。
【0033】すなわち、本実施例では、油圧系統が基本
的に閉鎖系となっており、滑走防止時のブレーキユルメ
は増圧シリンダの空圧側で行う。すなわち、ブレーキシ
リンダ21の油圧室27と、連通管29、及び増圧シリ
ンダ41の油圧室35は互いに連通している空間となっ
ているが、この空間の油は、基本的に容量不変のまま移
動するのみである。もちろん、ピストンの外周のパッキ
ン(図示されず)部からの油の微少洩れは存在するの
で、その分を補充するための機構は設けなければならな
い。しかし、その機構も、図3の従来の鉄道車輌用ブレ
ーキ装置用のものよりも圧倒的に小型ですむ。
【0034】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の鉄道車輌用ブレーキ装置は、以下の効果を発揮する。 油圧、空圧と独立の動力源を二つ持ち、同一の箇所
に二つの動力源でブレーキを作用させることが可能(デ
ィスク又は車輪)であることから、バックアップブレー
キを別システムで追加した場合よりはるかに軽量とな
る。また、空圧・油圧のどちらかを定位とせず、目的に
よってどちらが定位か決める方が自由度がある。
【0035】 増圧シリンダのピストン戻しのために
ブレーキ不能となる時間がなくなるので、有効にブレー
キングでき、ブレーキ距離を短縮できる。 図2の実施例では、油圧抜き関係の部品が不要とな
るとともに、油補充関係の構造も小型ですみ、また増圧
シリンダのストロークも短くなるため、部品点数減及び
軽量化(一例、新幹線車輌1台分で45kgから35kgへ
10kg減)を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る鉄道車輌用ブレーキ装
置の構成を模式的に示す系統図である。
【図2】本発明の他の1実施例に係る鉄道車輌用ブレー
キ装置の構成を模式的に示す系統図である。
【図3】従来の空−油圧増圧式の滑走防止機能付き鉄道
車輌用ブレーキ装置の構成を模式的に示す系統図であ
る。
【符号の説明】
11 車輪 13 回転センサ 15 制輪子 17 ロッド 21 油圧ブレーキシリンダ 23 バネ 25 ピストン 27 油圧室 29 連通管 31 増圧シリンダ 33 油圧部 35 油圧室 37 油圧ピストン 39 連結ロッド 41 空圧部 43 空圧ピストン 45 空圧室 47 空圧配管 49 排気弁 51 排気管 53 空圧供給停止弁 55 空圧配管 57 主ブレーキ制御弁 59 排気管 61 給気管 63 補助空気溜 65 給気元管 71 滑走防止コン
トローラ 81 元空気溜 83 エアコンプレ
ッサー 85 ブレーキ指令器 101 油圧制御弁 103 滑走防止コントローラ 105 給排締切弁 203 滑走防止コントローラ 205 圧力センサ 207 サーボ油圧ポンプ 209 油溜め
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−70255(JP,A) 特開 平7−186952(JP,A) 特開 平7−96826(JP,A) 特開 平6−54406(JP,A) 特開 平6−24340(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B61H 11/08 B60T 8/46

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブレーキ作動部材を駆動する油圧ブレー
    キシリンダと、 この油圧ブレーキシリンダに油圧を抜き/入れするサー
    ボ油圧ポンプと、 空圧源から空圧供給を受けて増圧された油圧を発生さ
    せ、油圧ブレーキシリンダに油圧を供給する油圧空圧増
    圧シリンダと、 増圧シリンダの空圧を速やかに低下させる空気流入遮断
    及び排気手段と、 上記油圧の圧力を検知する圧力センサと、 車輪の滑走を検知するとともに、上記空気流入遮断、排
    気手段及びサーボ油圧ポンプを制御する滑走防止コント
    ローラであって、ブレーキ作動時に車輪滑走が発生した
    場合に、滑走防止のための適正油圧シリンダ内圧力を設
    定し、サーボ油圧ポンプを動作させて油圧シリンダ内の
    圧力を減圧又は昇圧することにより滑走車輪の滑走を停
    止させて再粘着させるコントローラと、 を具備し、 上記ブレーキ装置において、空気ブレーキ系統がフェー
    ルした場合にも、サーボ油圧ポンプから油圧を送り続け
    ることによってブレーキ制御が可能であり、また、 油圧ブレーキ系統がフェールした場合にも、空気ブレー
    キ系統によってブレーキ制御が可能であることを特徴と
    する鉄道車輌用ブレーキ装置。
  2. 【請求項2】 空圧を動力源として車輪に制動をかける
    鉄道車輌用の滑走防止機能付きブレーキ装置であって; 空圧源から空圧供給を受けて増圧された油圧を発生させ
    る増圧シリンダと、 この増圧シリンダから油圧供給を受けてブレーキ作動部
    材を駆動する油圧ブレーキシリンダと、 増圧シリンダの空圧を速やかに低下させる空気流入遮断
    及び排気手段と、 車輪の滑走を検知するとともに、上記空気流入遮断及び
    排気手段を制御する滑走防止コントローラと、 を具備し、 上記空気流入遮断及び排気手段を、上記増圧シリンダに
    対して直接取り付け、該手段と増圧シリンダの間に空気
    が蓄積される空間を設けないことを特徴とする 鉄道車輌
    用ブレーキ装置。
  3. 【請求項3】 上記空気流入遮断及び排気手段が選択的
    に取り外し取り付け可能な構造を有する請求項記載の
    鉄道車輌用ブレーキ装置。
JP09279197A 1997-03-28 1997-03-28 鉄道車輌用ブレーキ装置 Expired - Lifetime JP3488802B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP09279197A JP3488802B2 (ja) 1997-03-28 1997-03-28 鉄道車輌用ブレーキ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP09279197A JP3488802B2 (ja) 1997-03-28 1997-03-28 鉄道車輌用ブレーキ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10273046A JPH10273046A (ja) 1998-10-13
JP3488802B2 true JP3488802B2 (ja) 2004-01-19

Family

ID=14064249

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP09279197A Expired - Lifetime JP3488802B2 (ja) 1997-03-28 1997-03-28 鉄道車輌用ブレーキ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3488802B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4942347B2 (ja) * 2006-01-18 2012-05-30 川崎重工業株式会社 鉄道車両用輪軸操舵装置
CN109532929B (zh) * 2018-11-28 2019-11-05 中国铁道科学研究院集团有限公司 一种旅客列车用冗余压力监测装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10273046A (ja) 1998-10-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS6038243A (ja) 液圧ブレーキ装置
JPS61207260A (ja) ロツキング防止兼駆動スリツプ防止装置
KR101415205B1 (ko) 차량용 브레이크 시스템
KR101518880B1 (ko) 차량용 브레이크 드래그 저감장치의 제어방법
JPH01262248A (ja) 車輌用油圧式ロック防止制動系
JP3488802B2 (ja) 鉄道車輌用ブレーキ装置
US6655756B2 (en) Fast mode release in a force generating apparatus using estimated actuator apply chamber pressure
US7018001B2 (en) Fast mode release in a force generating apparatus
KR100297932B1 (ko) 차량용브레이크장치
US6132013A (en) Anti-lock and traction control braking system using non-driven wheel brake de-isolation
JP2003137082A (ja) ブレーキ制御装置
JPH04231247A (ja) ブレーキ圧制御装置
KR101415210B1 (ko) 유압 제동시스템
JP3043134B2 (ja) 二輪車用アンチロック制動装置
JPH0640324A (ja) 鉄道車両用流体ブレーキ装置及び鉄道車両用ブレーキの制御方法
KR100369034B1 (ko) 자동차의 제동장치
JP3940573B2 (ja) 鉄道車両用ブレーキ装置
JP2888322B2 (ja) 車両の回生装置付ブレーキ装置
KR100379923B1 (ko) 차량용 안티록 브레이크 시스템
KR100243582B1 (ko) 자동차의 비상제동장치
JP2001219839A (ja) ブレーキ装置
JP2639647B2 (ja) 自動車用液圧式制動装置の制動液圧制御方法
KR100352948B1 (ko) 차량용 안티록 브레이크 시스템
KR19990019603A (ko) 차량에서 스티어링 휠의 브레이크 시스템
KR19990037714U (ko) 자동차의 노즈 다운(nose-down) 방지 장치

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071031

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081031

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091031

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101031

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111031

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111031

Year of fee payment: 8

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111031

Year of fee payment: 8

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111031

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121031

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121031

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131031

Year of fee payment: 10

EXPY Cancellation because of completion of term