JP3488415B2 - 鯉のぼり - Google Patents

鯉のぼり

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、無風状態でも水平
姿勢を保ち、僅かの風によって、追従性よく、良く泳ぐ
鯉のぼりに関する。 【0002】 【従来の技術】日本古来の文化である五月の節句の鯉の
ぼりを立てる家が近来極端に少なくなり、素晴らしい伝
統ある日本の慣習が衰退の一途を辿っている。 【0003】衰退の原因は2つ考えられる。1つは、1
0m以上もある1本柱を立てて、5〜8mの大きな鯉の
ぼりを泳がすことは、最近の住宅事情から限られた家以
外は不可能である。もう1つは、口輪に紐をつけただけ
の昔ながらの鯉のぼりは、ベランダや5m以下位の低空
では元気無く垂れ下がっているだけで泳がないので、立
てて喜ぶという気になれない。 【0004】この他、末端で結合させた2本の水平な杆
材を支柱に固定して、これに鯉の形の袋体を装着し、水
平を保持する鯉のぼりもあるが、室内の飾り物の域を出
ず、屋外では硬直している為か不自然で、元気良く泳ぐ
鯉のぼりとは程遠く、やはり立てて祝い喜ぶという気に
なれないのか、殆ど普及していない。古来、鯉のぼりは
男子の健やかな成長を願い祝う元気の象徴であり、風に
乗り颯爽と泳いでこそ立てる意味がある。また、 例え
ば、一戸建ての家には、コンクリート台に4m位の支柱
を挿入固定し、寸法が60cmから1m80cm位の鯉
のぼりが適合すると考えられるが、5m以下位の低空で
は風の流れが絶えず変化している。風の流れに敏感に反
応し、190〜200度の水平回転をして、風が胴の中
に入る角度になると、回転を停止して元気良く泳ぐ鯉の
ぼりが理想的である。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、支
柱の回りに水平保持した鯉を、微風で泳がすことがで
き、かつ風の流れに敏感に反応させて追従させることが
でき、190〜200度の水平回転をして、颯爽と泳が
せることのできる鯉のぼりを提供することを目的とす
る。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の鯉のぼりは、垂直面内に配置された一対の板
状部材の各々の一側端を、上方より抜き差し自在の芯棒
で相互に結合し、両板状部材が水平面内で相互に回転自
在となるよう軸支して成る蝶番を構成部材とし、前記蝶
番の一方の板状部材を支柱に固定し、前記蝶番の他方の
板状部材に、弾力性の有る金属棒を上方に向けて40〜
45度の角度で固定してから15〜20cmの距離を置
いて鯉のぼりの口輪がくる位置で略水平となる よう折り
曲げ、さらに胴の中を通り背筋に沿って尾に至った部分
から再び上方に曲げて末端に至らしめて、全体的には
水平方向に延伸せしめて固定し、前記金属棒に、その開
口部分を口輪とする鯉の形の袋体を、前記口輪の開口方
向を前記蝶番に対峙せしめて装着して成ることを特徴と
する。 【0007】前記の如き蝶番を用いるので、微風によっ
て容易に回動可能となり、風の流れに対し敏感で容易に
追従できる。蝶番によれば、190〜200度の水平回
転をして、また360度回転しないので、垂直軸回りで
のぐるぐる舞いを阻止できる。 【0008】鯉のぼりを微風にも敏感に反応させて、生
き生きと泳がせるのに重要な事は、弾力性のある金属棒
を水平に支柱に固定しないことである。弾力性のある金
属棒(ハガネ棒又はステンレス棒)を蝶番の板状部材に
水平に取り付けると、金属棒5自体の重量で末端にかけ
て垂れ下がるため、水平を保つことが出来ない。上方に
向けて40〜45度の角度を保つように曲げて固定し、
板状部材から15〜20cm(鯉のぼりの寸法によって
変える)の長さで口輪との交差点に達した所で、ほぼ水
平若しくは、10〜15度の角度(鯉のぼりの寸法によ
って変える)を保つように曲げ、胴の中を背筋に沿っ
て、尾から更に上方に曲げ、尾に沿って末端に至らしめ
る。特に、40〜45度の角度に曲げられた弾力性のあ
る金属棒の口輪との交差点までの15〜20cmの長さ
が、風に対する敏感な弾力の反応を生み出し、鯉のぼり
を生き生きと泳がせる重要な要因になっている。 【0009】高さ5m以下位の低空では、全く無風状態
の時間は殆ど無いと言って良いくらい風の流れが絶えず
多用に変化している。従って、本発明の鯉のぼりによれ
ば、高さ5m以下の庭先やベランダに設置した場合、鯉
のぼりを微風にも敏感に反応させて、生き生きと、颯爽
と泳がせることができる。 【0010】以上により、本発明の鯉のぼりによれば、
弾力性のある金属棒を蝶番の板状部材に取り付けている
ため、風の流れに対する追従性がよく、かつ上下に弾力
性をもって追従でき、体に感じない微風でもゆれて良く
そよぐ。しかも、蝶番の板状部材が開いて支柱に当るま
で190〜200度水平回転でき、風が胴の中に入る角
度になると回転を停止して良く泳ぐ。 【0011】 【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照し、本発明
の実施の形態を説明する。図1は、本発明の一実施の形
態に係る鯉のぼりの全体構成を示す側面図、図2は図1
の蝶番の板状部材の一部に被せられる外装カバーの説明
図、図3は金属棒を主体とする骨構造の側面図、図4は
その拡大断面図を示す。 【0012】図示のように、例えば座先に設置される支
柱1の上方には、蝶番2の一方の板状部材(扉とも呼
ぶ)2Aが固定されている。 【0013】蝶番2は、垂直面内に配置された一対の板
状部材2A、2Bの各々の一側端を、上方より抜き差し
自在の芯棒3で相互に結合し、両板状部材2A、2Bが
水平面内で相互に回転自在となるよう構成されている。
芯棒3は、両板状部材2A、2Bの突合面に形成された
結合用の穴に対し、上方から抜き差し自在とされ、いわ
ゆる落し込みにより、両板状部材2A、2Bを相互に結
合できる。 【0014】前記板状部材2A、2Bの内、他方の板状
部材2Bの結合用の穴の位置と反対側の側縁には、口糸
13を固定するための穴4が明けられている。 【0015】前記板状部材2Bには、ハガネ又はステン
レス鋼等による弾力性の有る金属棒5の一端が溶接止め
されている。板状部材2Bの溶接止めされた部分には図
2に示す外装カバーが被せられる。 【0016】金属棒5は、溶接止めを行うため、小さく
コの字形に曲げた後、上方に40〜45度に折り曲げら
れ、15〜20cmの距離をとり、続いて、鯉の形の袋
体6の背筋を通る骨7と為すべく、ほぼ水平若しくは1
0〜15度を持たせて適切に曲げられる。金属棒5に
は、ビニール管8が挿通され、背筋中央部分には、粘着
シート9を介してパット10が固定される。15〜20
cmの寸法及び10〜15度の角度は、袋体6の寸法に
応じ、その範囲で適切に定められる。尾びれ部分は、こ
れを支持するために斜め上方に立ち上げる。袋体6の尾
の末尾16の内部には、ビニール管8で外装された金属
棒5を挿入し、安定して固定するための収納筒11が設
けられる。 【0017】そもそも、本発明は、5m以下の低空で
は、全く無風状態の時間は殆ど無いといって良い位、風
の流れが絶えず多様に変化していることに着目して発明
したものである。 【0018】鯉のぼりを微風にも敏感に反応させて、生
き生きと泳がせるのに重要な事は、弾力性のある金属棒
5を水平に板状部材2Bに固定しないことである。弾力
性のある金属棒5を板状部材2Bに水平に取り付ける
と、金属棒5自体の重量で末端にかけて垂れ下がるた
め、水平を保つことが出来ない。 【0019】上方に向けて40〜45度の角度を保つよ
うに曲げて固定し、板状部材2Bから15〜20cm
(鯉のぼりの寸法によって変える)の長さで口輪との交
差点15に達した所で、ほぼ水平若しくは、10度〜1
5度の角度(鯉のぼりの寸法によって変える)を保つよ
うに曲げ、胴の中を背筋に沿って、尾から更に上方に曲
げ、尾に沿って末端に至らしめる。特に、40〜45度
の角度に曲げられた弾力性のある金属棒5の口輪との交
差点15までの15〜20cmの長さが、風に対する敏
感な弾力の反応を生み出し、鯉のぼりを生き生きと泳が
せる重要な要因になっている。 【0020】実施例を示すと、弾力性のあるハガネ又は
ステンレスの金属棒5の直径は、鯉のぼりの寸法が60
〜80cmの場合2 . 5mm、100〜120cmの場
合3mm、140〜160cmの場合4mm、180c
mの場合5mmが最適である。また、曲げた金属棒5の
角度の維持には、焼成処理を施しても良いが、ハガネ
棒、ステンレス棒ではその必要がない。焼成処理を施す
と、逆に弾力が減殺されるので却って良くない。尚、蝶
番2の板状部材2Bに取り付ける弾力性のある金属棒5
は、溶接で固定する。 【0021】以上示した本発明の鯉のぼりは、風を受け
て190〜200度の水平回転を行い、風が口から胴の
中に入る位置に来ると、水平回転を停止して元気良く泳
ぎ、風向きが変わると更に風の流れに合わせて水平面内
での回転をして、同じ動作を繰り返し行い元気良く泳
ぐ。このとき、この水平回転は、芯棒3の回りの回転で
あるので微風であっても良く泳ぎ、かつ風の流れに対
しよく追従する。 【0022】弾力性の有る金属棒5を40〜45度の角
度に折り曲げ、15〜20cmの距離を置いてほぼ水平
方向に延伸し、この延伸部分に袋体6を装着しているの
で、風に対する敏感な弾力反応を生み出し、鯉のぼりを
生き生きと泳がせることができる。 【0023】吹き流しと3匹の鯉のぼりが、蝶番2の水
平回転の限界位置に達すると、当然揃って停止するが、
風向きが変わると、水平回転して反対の限界位置まで回
転する運動を繰り返し、その間で、口輪12から胴の中
に風が吹き抜ける位置になると停止して元気良く泳ぐ。 【0024】吹き流しと3匹の鯉のぼりが、同時に水平
回転したり、夫々別々に水平回転をして同じ位置に停止
して揃って泳いだり、多様な動きをするので、従来の鯉
のぼりでは見られない動きと泳ぎが見る人を楽しませ
る。 【0025】また、360度回転しないので、鯉のぼり
の支柱回りでのぐるぐる舞いも当然起こらない。 【0026】本発明は、以上示した実施の形態に限定さ
れるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適
宜設計的変更を行うことができ、各種態様で実施でき
る。 【0027】 【発明の効果】以上の通り、本発明は、特許請求の範囲
に記載の通りの鯉のぼりであるので、支柱の回りに水平
保持した鯉を微風で泳がすことができ、かつ風の流れに
敏感に反応させて追従させることができ、風に乗って颯
爽と泳がせることができる。風の流れが絶えず変化して
いる高さ5m以下の庭先やベランダ設置において、常時
風に乗せて泳がすことができる。 【0028】また、本発明の鯉のぼりは、風を受けて1
90度〜200度の水平回転を行い、風が口から胴の中
に入る位置に来ると、水平回転を停止して元気良く泳
ぎ、風向きが変わると更に風の流れに合わせて水平回転
をして、同じ動作を繰り返し行い元気良く泳ぐ。 【0029】さらに、吹き流しと3匹の鯉のぼりが、蝶
番2の水平回転の限界位置に達すると、当然揃って停止
するが、風向きが変わると、水平回転して反対の限界位
置まで回転する運動を繰り返し、その間で、口輪12か
ら胴の中に風が吹き抜ける位置になると停止して元気良
く泳ぐ。 【0030】吹き流しと3匹の鯉のぼりが、同時に水平
回転したり、夫々別々に水平回転をして同じ位置に停止
して揃って泳いだり、多様な動きをするので、従来の鯉
のぼりでは見られない動きと泳ぎが見る人を楽しませ
る。360度回転しないので、鯉のぼりの支柱回りでの
ぐるぐる舞いも当然起こらない。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の一実施の形態に係る鯉のぼりの側面図
である。 【図2】図1に示される板状部材の溶接部に被せられる
外装カバーの側面図である。 【図3】図1に示す鯉のぼりの金属棒の部分(骨)を抜
き出して示す側面図である。 【図4】図3に示す骨の背筋パットの位置する部分の拡
大断面図である。 【符号の説明】 1 支柱 2 蝶番 2A、2B 板状部材 3 芯棒 4 穴 5 弾力性の有る金属棒 6 鯉の形をした袋体 7 骨 8 ビニール管 9 粘着シート 10 パット 11 収納筒 12 口輪 13 口糸 14 外装カバー 15 交差点 16 尾の末尾
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A47G 33/00 G09F 17/00

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 垂直面内に配置された一対の板状部材の
    各々の一側端を、上方より抜き差し自在の芯棒で相互に
    結合し、両板状部材が水平面内で相互に回転自在となる
    よう軸支して成る蝶番を構成部材とし、 前記蝶番の一方の板状部材を支柱に固定し、 前記蝶番の他方の板状部材に、弾力性の有る金属棒を
    方に向けて40〜45度の角度で固定してから15〜2
    0cmの距離を置いて鯉のぼりの口輪がくる位置で略水
    平となるよう折り曲げ、さらに胴の中を通り背筋に沿っ
    て尾に至った部分から再び上方に曲げて末端に至らしめ
    て、全体的には略水平方向に延伸せしめて固定し、 前記金属棒に、その開口部分を口輪とする鯉の形の袋体
    を、前記口輪の開口方向を前記蝶番に対峙せしめて装着
    して成ることを特徴とする鯉のぼり。
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