JP3487874B2 - 腐食を抑制する不凍性組成物 - Google Patents

腐食を抑制する不凍性組成物

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    • C23FNON-MECHANICAL REMOVAL OF METALLIC MATERIAL FROM SURFACE; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL; MULTI-STEP PROCESSES FOR SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL INVOLVING AT LEAST ONE PROCESS PROVIDED FOR IN CLASS C23 AND AT LEAST ONE PROCESS COVERED BY SUBCLASS C21D OR C22F OR CLASS C25
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    • C23F11/08Inhibiting corrosion of metallic material by applying inhibitors to the surface in danger of corrosion or adding them to the corrosive agent in other liquids
    • C23F11/10Inhibiting corrosion of metallic material by applying inhibitors to the surface in danger of corrosion or adding them to the corrosive agent in other liquids using organic inhibitors

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水溶液に使用する金属
腐食抑制剤、ならびにそのような腐食抑制剤を有する不
凍/冷却剤組成物に関する。より詳細には、本発明は、
一塩基酸または該酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩
もしくはアミン塩と、ヒドロカルビルトリアゾールと、
イミダゾールとを組み合わせたものを含む腐食抑制剤、
ならびにそのような腐食抑制剤を有する不凍/冷却剤組
成物に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】自動
車のエンジン冷却系は、銅、はんだ、黄銅、鋼、鋳鉄、
アルミニウム、マグネシウムおよびそれらの合金をはじ
めとする多様な金属を含む。種々のイオンの存在ならび
にこのような冷却系に見られる高い温度、圧力および流
量により、そのような金属が腐食の攻撃を受ける可能性
は高い。冷却系中の腐食生成物の存在は、エンジン燃焼
室からの伝熱を妨げることがあり、これが、金属の温度
が高くなり過ぎる原因となって、エンジンの過熱および
エンジン部品の故障を招くおそれがある。Kirk-Othmer
Encyclopedia of Chemical Technology (1978年版)Vo
l. 3,pp.79-95 の、Fay, R. H.による「Antifreezes
and Deicing Fluids」を参照するとよい。したがって、
自動車冷却系における腐食生成物の形成を抑制するか、
除くことができるならば、一般に有益であろう。本発明
の一つの目的は、種々の金属を含む自動車のエンジン冷
却系における腐食の防止および抑制に有用な腐食抑制剤
を提供することである。
【0003】自動車の燃費改善を求める傾向により、エ
ンジンおよび冷却系の部品に、アルミニウムおよび場合
によってはマグネシウムをますます使用するようになっ
た。しかし、アルミニウム含有冷却系においては、孔食
およびすきま腐食が特に優勢であるということがわかっ
た。自動車冷却系に使用される多くの従来の腐食抑制添
加剤は、種々のアルミニウムおよびマグネシウムの合金
に見られる孔食およびすきま腐食の現象に対して十分な
保護を与えない。したがって、アルミニウムおよびマグ
ネシウムの合金を含む自動車冷却系に見られる孔食およ
びすきま腐食の現象を抑制するか除くかすることができ
るならば、特に有益であろう。本発明のもう一つの目的
は、アルミニウムおよびマグネシウムの金属面の孔食お
よびすきま腐食を防止あるいは抑制する、自動車冷却系
に使用するための腐食抑制剤を提供することである。
【0004】自動車の不凍/冷却剤組成物に使用される
腐食抑制剤は、使用および冷却系中の腐食生成物の蓄積
により、徐々に消耗してゆく。このように、系中の腐食
生成物の蓄積およびその結果の腐食抑制剤の消耗もしく
は劣化を抑制するか、除くことができるならば、有益で
あろう。本発明のさらなる目的は、不凍/冷却剤組成物
に使用される従来の腐食抑制剤よりも消耗もしくは劣化
を被りにくい腐食抑制剤を提供することである。
【0005】種々の一塩基酸ならびにそのような酸の塩
は、不凍/冷却剤組成物に用いられると、腐食抑制剤と
して個々に有効であるということが周知である。例え
ば、種々の一塩基酸のナトリウム塩を軟鋼腐食抑制剤と
して水溶液中に使用することが、Journal of Applied C
hemistry, vol.11(1961年7月), pp.254-55 の、Hers
ch, P.らの「An Experimental Survey of Rust Prevent
ives in Water-II. TheScreening of Organic Inhibito
rs 」に開示されている。セバシン酸ナトリウムとベン
ゾトリアゾールとの混合物を有用な腐食抑制剤としてエ
ンジン冷却剤に使用することが、G. Butler およびA.
D. Mercerの「Inhibitor Formulations forEngine Cool
ants」, British Corrosion Journal, vol. 12., no.3
(1977),pp.171-74 に開示されている。
【0006】いくつかの米国およびその他の国の特許引
用例が、種々の一塩基酸またはそのような酸の塩を、不
凍/冷却剤組成物に使用するための腐食抑制剤として使
用することを開示している。
【0007】米国特許第4,342,596号明細書
は、C8 〜C20脂肪族一塩基酸5〜20部と、潤滑剤
0.5〜4部、アミノアルキルアルカノールアミン0.
5〜4.0部、芳香族モノもしくはポリカルボン酸10
〜35部、およびこの芳香族酸とともに水溶性塩を形成
するために使用するアミンを含む金属用の腐食抑制組成
物を開示している。
【0008】米国特許第3,573,225号明細書
は、C6 〜C18飽和カルボン酸の塩50〜100部、ア
ルカリ金属安息香酸塩20〜200部、エタノールアミ
ンと飽和C6 〜C18脂肪酸との反応生成物より選択され
るアルカノールアミド1〜50部を含む腐食抑制剤を開
示している。
【0009】イギリス公開特許第2,122,598号
公報は、少なくとも一種のC6 〜C10脂肪族カルボン
酸、少なくとも一種のC6 〜C8 ポリヒドロキシカルボ
ン酸、および少なくとも一種の芳香族モノカルボン酸と
をそれぞれ塩として含む金属腐食抑制剤を開示してい
る。
【0010】米国特許第4,759,864号明細書
は、液状アルコール凝固点降下剤、C6 〜C12脂肪族一
塩基酸、アルカリ金属ホウ酸塩、およびヒドロカルビル
トリアゾールから本質的になる、リン酸塩、アミンもし
くは亜硝酸塩を含まない腐食抑制不凍性濃縮組成物を開
示している。
【0011】米国特許第4,647,392号明細書
は、C5 〜C16脂肪族一塩基酸、C5〜C16ヒドロカル
ビル二塩基酸、およびヒドロカルビルトリアゾールを含
む、不凍系に使用するための腐食抑制剤を開示してい
る。
【0012】ヨーロッパ公開特許第0251480号公
報は、C8 〜C12脂肪族一塩基酸、アルキル安息香酸お
よびヒドロカルビルトリアゾールを組み合わせたものを
含む、不凍液系に使用するための腐食抑制剤を開示して
いる。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、水系に使用す
るための新規な腐食抑制剤組成物、その抑制剤組成物を
含む不凍/冷却剤濃縮物およびその抑制剤組成物を含む
水性不凍/冷却剤組成物に関する。この腐食抑制剤組成
物の成分は、不凍/冷却剤組成物に使用されると、改善
された腐食抑制効果を示すことがわかった。
【0014】本発明の不凍性組成物は、水溶性液状アル
コール凝固点降下剤と、カルボン酸もしくはそれらの塩
およびトリアゾール化合物からなる腐食抑制剤とを含む
ものであって、含まれる液状アルコールの量を基準とし
て、1)遊離酸として計算して0.1〜15重量%のC
5 〜C16脂肪族一塩基酸またはそのアルカリ金属塩、ア
ンモニウム塩もしくはアミン塩、2)0.1〜0.5重
量%のヒドロカルビルトリアゾール、および3)0.0
5〜5重量%のイミダゾールを含む。
【0015】また、水溶性液状アルコール凝固点降下剤
を含む水性液と接触する金属の腐食を軽減するために、
カルボン酸もしくはそれらの塩およびトリアゾール化合
物を腐食抑制剤として添加することにより、該水性液を
処理する方法であって、含まれる液状アルコールの量を
基準として、1)遊離酸として計算して0.1〜15重
量%のC5 〜C16脂肪族一塩基酸またはそのアルカリ金
属塩、アンモニウム塩もしくはアミン塩、2)0.1〜
0.5重量%のヒドロカルビルトリアゾール、および
3)0.05〜5重量%のイミダゾールを該水溶液に組
み込むことを特徴とする方法が提供される。
【0016】本発明の新規な腐食抑制剤は、水系、特に
自動車の不凍/冷却剤組成物に腐食抑制剤として使用す
るための、脂肪族一塩基酸または該酸のアルカリ金属
塩、アンモニウム塩もしくはアミン塩と、ヒドロカルビ
ルトリアゾールと、イミダゾールとを組み合わせたもの
を含む。
【0017】上記の腐食抑制剤の脂肪族一塩基酸成分
は、C5 〜C16脂肪族一塩基酸または該酸のアルカリ金
属塩、アンモニウム塩もしくはアミン塩、好ましくは少
なくとも一種のC6 〜C12脂肪族一塩基酸または該酸の
アルカリ金属塩、アンモニウム塩もしくはアミン塩であ
ることができる。これは、以下の酸またはその異性体の
一種またはそれ以上を包含する。すなわち、ヘプタン
酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸お
よびドデカン酸ならびにそれらの混合物である。オクタ
ン酸および2−エチルヘキサン酸が特に好ましい。一塩
基酸塩を形成するには、いかなるアルカリ金属、アンモ
ニウムまたはアミンをも使用することもできるが、アル
カリ金属が好ましい。ナトリウムおよびカリウムが、一
塩基酸塩の形成に使用するのに好ましいアルカリ金属で
ある。
【0018】上記の腐食抑制剤のヒドロカルビルトリア
ゾール成分は、芳香族トリアゾールまたはアルキル置換
芳香族トリアゾール、例えばベンゾトリアゾールまたは
トリルトリアゾールであることが好ましい。使用するの
にもっとも好ましいトリアゾールはトリルトリアゾール
である。ヒドロカルビルトリアゾールは、約0.1〜
0.5重量%、好ましくは約0.1〜0.3重量%の濃
度で用いられる。ヒドロカルビルトリアゾールは、銅お
よび銅合金の腐食防止性を改善することに有用である。
【0019】イミダゾールは、含まれる液状アルコール
の量を基準に0.05〜5重量%、好ましくは0.1〜
1重量%の値で添加することができる。また、アルキル
またはアリール置換イミダゾールを使用してもよい。
【0020】上記の腐食抑制剤混合物は、もっとも代表
的には、内燃機関の冷却剤として、不凍性組成物に使用
される。他の用途は、作動油、水性切削油、塗料、可溶
性油、金属切削油、航空機氷結防止剤およびグリースを
包含することができる。これらの用途においては、ナト
リウム、カリウム、リチウム、バリウム、カルシウムお
よびマグネシウムをはじめとする金属の水酸化物ととも
に一塩基酸塩を形成することができる。
【0021】もっとも一般的に使用される不凍性組成物
は、水と、水溶性液状アルコール凝固点降下剤、例えば
グリコールおよびグリコールエーテルとの混合物を含
む。該組成物の主成分として使用することができるグリ
コールエーテルは、グリコール、例えばエチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、プロピレングリコールお
よびジプロピレングリコールならびにグリコールモノエ
ーテル、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、プロピレングリコールおよびジプロピレングリコ
ールのメチルエーテル、エチルエーテル、プロピルエー
テルおよびブチルエーテルを含む。エチレングリコール
が不凍性組成物の主成分として特に好ましい。
【0022】本発明の好ましい一つの実施態様において
は、上記の腐食抑制剤は、水10〜90重量%、好まし
くは25〜50重量%と、水溶性液状アルコール凝固点
降下剤、好ましくはエチレングリコールとを含む不凍/
冷却剤水溶液と混合されて使用される。
【0023】部分的に中和した脂肪族酸腐食抑制剤とイ
ミダゾールとを組み合わせたものを使用すると、中性p
H付近の優れたpH制御および緩衝能力が得られるとい
うことがわかった。残存アルカリ性度、残存酸性度およ
びpHは、酸の中和の量および/またはイミダゾール含
量を変えることにより、容易に制御することができる。
イミダゾールの添加はpH制御に役立つ。アルカリ金属
水酸化物を添加して、組成物のpHを所望のレベルに調
節してもよい。本発明による組成物は、エンジンの不凍
液系に求められるようなほぼ中性のpH範囲に、簡単に
混合することができる。
【0024】腐食防止性をさらに改善するために、遊離
酸として計算して0.1〜15重量%の二塩基酸、すな
わちC5 〜C16ヒドロカルビル二塩基酸またはその塩を
含めてもよい。上記の腐食抑制剤の二塩基酸成分は、C
5 〜C16ヒドロカルビル二塩基酸または該酸のアルカリ
金属塩、アンモニウム塩もしくはアミン塩、好ましくは
少なくとも一種のC8 〜C12ヒドロカルビル二塩基酸ま
たは該酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩もしくはア
ミン塩であることができる。この群に含まれるものは、
芳香族および脂肪族のC5 〜C16二塩基酸およびその
塩、好ましくはC8 〜C12脂肪族二塩基酸および該酸の
アルカリ金属塩、アンモニウム塩もしくはアミン塩であ
る。これは、以下の酸の一種またはそれ以上を包含す
る。すなわち、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、ウンデカンジオン酸、ドデカンジオン酸、ジシクロ
ペンタジエン二酸(以下、DCPDDAと呼ぶ)、テレ
フタル酸およびそれらの混合物である。セバシン酸が特
に好ましい。二塩基酸塩を形成するには、いかなるアル
カリ金属、アンモニウムまたはアミンをも使用すること
ができるが、アルカリ金属が好ましい。ナトリウムおよ
びカリウムが、二塩基酸塩の形成に使用するのに好まし
いアルカリ金属である。一塩基酸と、二塩基酸と、イミ
ダゾールと、ヒドロカルビルトリアゾールとを組み合わ
せたものが特に好ましい。好ましい不凍性組成物は、遊
離酸として計算して0.1〜2.5重量%のC8 〜C12
脂肪族一塩基酸、および遊離酸として計算して0.1〜
2.5重量%のヒドロカルビル二塩基酸;またはこれら
の酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩もしくはアミン
塩を含む。
【0025】追加的に、一種またはその以上の従来の腐
食抑制剤を、上記の腐食抑制剤と組み合わせて使用して
もよい。そのような従来の腐食抑制剤は、0.01〜
5.0重量%の濃度で使用することができ、アルカリ金
属ホウ酸塩、アルカリ金属ケイ酸塩、アルカリ金属安息
香酸塩、アルカリ金属硝酸塩、アルカリ金属亜硝酸塩、
アルカリ金属モリブデン酸塩およびヒドロカルビルチア
ゾールからなる群より選択することができる。本発明の
新規な腐食抑制剤と組み合わせて使用するのに最も好ま
しい従来の腐食抑制剤は、ヒドロカルビルチアゾールお
よびメタケイ酸ナトリウム五水和物である。オルガノシ
ラン安定剤をメタケイ酸ナトリウム五水和物とともに使
用してもよい。
【0026】
【発明の効果】本発明によって、アルミニウムなどの金
属に対する改善された腐食防止効果および再パッシベー
ション能力を有し、中性付近で優れたpH制御および緩衝
能力を有する不凍/冷却剤組成物を調製するための不凍
性組成物を得ることができる。本発明で得られる不凍性
組成物は、水系、特に優れた腐食抑制効果を必要とする
エンジン用の不凍/冷却剤を調製するのに有用である。
【0027】
【実施例】本発明の方法を、以下の例によってさらに説
明する。なお、以下の例において、別段指定のないかぎ
り、%値はすべて重量%である。
【0028】主要量(少なくとも93重量%)のエチレ
ングリコールを含む多数の不凍性濃縮組成物を製造し
た。
【0029】例1(比較例) 不凍性組成物を製造した。この不凍性組成物は、主要量
のエチレングリコール、2−エチルヘキサン酸3.5%
および組成物のpHを7.0〜9.0に変えるためのN
aOH(50%)2%を含むものであった。
【0030】例2(比較例) 不凍性組成物を製造した。この不凍性組成物は、主要量
のエチレングリコール、トリルトリアゾール0.2%お
よび組成物のpHを7.0〜9.0に変えるためのNa
OH(50%)0.02%を含むものであった。
【0031】例3(比較例) 不凍性組成物を製造した。この不凍性組成物は、主要量
のエチレングリコール、トリルトリアゾール0.2%、
2−エチルヘキサン酸3.5%および組成物のpHを
7.0〜9.0に変えるためのNaOH(50%)2%
を含むものであった。
【0032】例4(比較例) 不凍性組成物を製造した。この不凍性組成物は、主要量
のエチレングリコールおよびイミダゾール0.8%を含
むものであった。
【0033】例5(本発明) 不凍性組成物を製造した。この不凍性組成物は、主要量
のエチレングリコール、トリルトリアゾール0.2%、
2−エチルヘキサン酸3.5%、イミダゾール0.1%
および組成物のpHを7.0〜9.0に変えるためのN
aOH(50%)2%を含むものであった。
【0034】例6(本発明) 不凍性組成物を製造した。この不凍性組成物は、主要量
のエチレングリコール、トリルトリアゾール0.2%、
2−エチルヘキサン酸3.5%、イミダゾール0.8%
および組成物のpHを7.0〜9.0に変えるためのN
aOH(50%)1.75%を含むものであった。
【0035】例7(比較例) 不凍性組成物を製造した。この不凍性組成物は、主要量
のエチレングリコール、セバシン酸3.5%および組成
物のpHを7.0〜9.0に変えるためのNaOH(5
0%)2.75%を含むものであった。
【0036】例8(比較例) 不凍性組成物を製造した。この不凍性組成物は、主要量
のエチレングリコール、トリルトリアゾール0.2%、
セバシン酸3.5%および組成物のpHを7.0〜9.
0に変えるためのNaOH(50%)2.8%を含むも
のであった。
【0037】例9(比較例) 不凍性組成物を製造した。この不凍性組成物は、主要量
のエチレングリコール、トリルトリアゾール0.2%、
セバシン酸3.5%、イミダゾール0.5%および組成
物のpHを7.0〜9.0に変えるためのNaOH(5
0%)2.53%を含むものであった。
【0038】例10(比較例) 不凍性組成物を製造した。この不凍性組成物は、主要量
のエチレングリコール、トリルトリアゾール0.2%、
セバシン酸0.85%、オクタン酸1.65%および組
成物のpHを7.0〜9.0に変えるためのNaOH
(50%)1.55%を含むものであった。
【0039】例11(本発明) 不凍性組成物を製造した。この不凍性組成物は、主要量
のエチレングリコール、トリルトリアゾール0.2%、
セバシン酸0.85%、オクタン酸1.65%、イミダ
ゾール0.5%および組成物のpHを7.0〜9.0に
変えるためのNaOH(50%)1.55%を含むもの
であった。
【0040】例12(比較例) 不凍性組成物を製造した。この不凍性組成物は、主要量
のエチレングリコール、ヘプタン酸3.5%および組成
物のpHを7.0〜9.0に変えるためのNaOH(5
0%)2.13%を含むものであった。
【0041】例13(本発明) 不凍性組成物を製造した。この不凍性組成物は、主要量
のエチレングリコール、トリルトリアゾール0.2%、
ヘプタン酸3.5%、イミダゾール0.8%および組成
物のpHを7.0〜9.0に変えるためのNaOH(5
0%)1.76%を含むものであった。
【0042】例14(比較例) 不凍性組成物を製造した。この不凍性組成物は、主要量
のエチレングリコール、トリルトリアゾール0.2%、
2−エチルヘキサン酸3.25%、セバシン酸0.25
%および組成物のpHを7.0〜9.0に変えるための
NaOH(50%)2.07%を含むものであった。
【0043】例15(比較例) 不凍性組成物を製造した。この不凍性組成物は、主要量
のエチレングリコール、トリルトリアゾール0.2%、
2−エチルヘキサン酸3.25%、セバシン酸0.25
%、ホウ砂(10%水溶液)1.15%および組成物の
pHを7.0〜9.0に変えるためのNaOH(50
%)2.07%を含むものであった。
【0044】例16(本発明) 不凍性組成物を製造した。この不凍性組成物は、主要量
のエチレングリコール、トリルトリアゾール0.2%、
2−エチルヘキサン酸3.25%、セバシン酸0.25
%、イミダゾール0.8%および組成物のpHを7.0
〜9.0に変えるためのNaOH(50%)1.85%
を含むものであった。
【0045】評価とその結果 表1は、緩衝剤を含まず、またはホウ酸塩およびイミダ
ゾールを含む脂肪族酸抑制剤組成物についての、MTU
(Motoren und Turbinen Union)の試験法に従って実施し
た動的高温腐食試験の結果を示す。緩衝剤を含まない組
成物、およびイミダゾールを緩衝剤として含む組成物の
場合に、低い腐食速度が見出された。ホウ酸塩を含む組
成物の場合に、高い腐食速度が見出された。ホウ酸塩
は、pH緩衝能力を与えることができるが、アルミニウ
ムの腐食防止性が影響を受けることがわかる。
【0046】
【表1】
【0047】また、本発明の各例の腐食抑制特性を、急
速循環電位運動分極(Rapid CyclicPotentiokinetic Po
larization =RCP)走査によって試験した。この技
術は、CEBELCOR(Centre Belge d'Etude de la Corrosi
on)の出版物、Rapports Techniques, vol.147, R.T. 2
72(1984年8月)に記載されている。この技術は、破裂
もしくは孔食電位(ER )および再パッシベーション電
位(EP )を測定する。これらの電位は、銀の基準電極
および腐食の攻撃を受ける材料でできた作用電極によっ
て測定する。ER 値が高い(正の値が大きい)ほど、試
験された不凍性組成物が、孔食の発生および進行を防ぐ
効果は大きい。同様に、EP が高い(正の値が大きい)
ということは、試験された腐食抑制剤組成物が、既存の
孔およびすきまを再びパッシベートする能力が高いこと
を示す。表2は、各例について、アルミニウム作用電極
を利用するRCP走査によって得られたデータを示す。
得られたER およびEP のデータが示すように、本発明
は、孔食およびすきま腐食の攻撃に対する相乗的な抵抗
を助長する。表3は、銅電極を使用して得られたデータ
を示す。
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】イミダゾールに比較し得る化合物、例えば
ヒドロカルビルトリアゾールは、アルミニウムの場合に
は、孔食電位および再パッシベーション電位における大
きな変化を生じさせないことがわかる。ヒドロカルビル
トリアゾールは、上述のように、銅および銅合金の腐食
防止性を改善する。すなわち、表3は、例えば一塩基酸
を含む冷却剤溶液にトリルトリアゾールを添加すること
が、銅の腐食防止性を改善することを示す。そのような
系にイミダゾールを添加すると、ER およびEP が高ま
るということがわかる。
【0051】脂肪族二塩基酸を使用するならば、イミダ
ゾールと脂肪族一塩基酸とを組み合わせたものによって
見られるアルミニウムの腐食防止性に対する相乗効果は
見られない。しかし、一塩基酸−二塩基酸の組成物によ
って得られる相乗的な腐食防止性(ヨーロッパ公開特許
第0229440号公報に記載)は、イミダゾールの使
用によって高められる。
【0052】図1は、部分的に中和した脂肪族酸腐食抑
制剤とイミダゾールとを組み合わせたものを使用する場
合に、中性pH付近において、優れたpH制御および緩
衝能力が得られることを例証する。
【0053】すなわち、図1はイミダゾール0.8%、
pH7.2に中和したヘプタン酸(C7一塩基酸)3.
5%、および部分的に中和したヘプタン酸とイミダゾー
ルとを組み合わせたものをそれぞれ含む各冷却剤溶液に
ついての、ASTM D1121(残存アルカリ性度)
による滴定曲線(pH値を0.1NのHClの添加量に
相関させたもの)を示す。同様に、0.1NのNaOH
による滴定曲線を示す(残存酸性度)。%値は、存在す
るエチレングリコールを基準にしたものである。本発明
による組成物は、優れた緩衝作用を提供し、例えば排気
の漏れ、残留する酸洗浄剤またはエチレングリコールの
酸化によって冷却剤に導入された酸を中和する。
【図面の簡単な説明】
【図1】各種の腐食防止剤を含む冷却剤の残存アルカリ
性度および残存酸性度を示す滴定曲線である。
【符号の説明】
1 イミダゾール0.8%配合 2 中和ヘプタン酸配合 3 ヘプタン酸およびイミダゾール配合
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ワルテル・アントーン・ファン・ネステ ベルギー国、ビー−9040 ザンクト・ア マンドスベルク、ケールスプラインスト ラート 63 (56)参考文献 特開 昭62−158778(JP,A) 特開 昭63−293179(JP,A) 特開 昭60−251287(JP,A) 特開 昭62−270785(JP,A) 特開 昭63−192259(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09K 5/00 - 5/06 C23F 11/00 - 11/18 EUROPAT(QUESTEL)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウムの存在下で使用される、水
    溶性液状アルコール凝固点降下剤と腐食抑制剤とを含
    む、自動車エンジン用不凍性組成物であって、 腐食抑制剤が、含まれる液状アルコールの量を基準とし
    て、 (1)遊離酸として計算して、0.1〜15重量%のC
    5〜C16の脂肪族一塩基酸又はそのアルカリ金属塩、ア
    ンモニウム塩若しくはアミン塩、 (2)0.1〜0.5重量%のヒドロカルビルトリアゾ
    ール、及び (3)0.05〜5重量%のイミダゾール を必須成分として含む不凍性組成物。
  2. 【請求項2】 不凍性組成物中の液状アルコールの量を
    基準として、前記(1)成分が、遊離酸として計算して
    0.1〜2.5重量%のC8〜C12脂肪族一塩基酸又は
    そのアルカリ金属塩、アンモニウム塩若しくはアミン塩
    であり、さらに遊離酸として計算して0.1〜2.5重
    量%のヒドロカルビル二塩基酸又はそのアルカリ金属
    塩、アンモニウム塩若しくはアミン塩を含む、請求項1
    記載の不凍性組成物。
  3. 【請求項3】 水溶性液状アルコール凝固点降下剤と腐
    食抑制剤とを含む水性冷却剤組成物の存在下で、アルミ
    ニウムの腐食を抑制する方法であって、 腐食抑制剤が、含まれる液状アルコールの量を基準とし
    て、 (1)遊離酸として計算して、0.1〜15重量%のC
    5〜C16の脂肪族一塩基酸又はそのアルカリ金属塩、ア
    ンモニウム塩若しくはアミン塩、 (2)0.1〜0.5重量%のヒドロカルビルトリアゾ
    ール、及び (3)0.05〜5重量%のイミダゾール を必須成分として含む方法。
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