JP3487731B2 - 電気めっき液の濃度安定化方法 - Google Patents
電気めっき液の濃度安定化方法Info
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Description
ドフレームが並列に形成されたリードフレーム基板ある
いはその他の金属製部品等を電気めっきする場合のめっ
き液の濃度安定化方法に関する。
の他の部品に、例えば銀めっきを行う場合には、めっき
液自体が減少すると共に、めっき液中の銀イオンの濃度
が薄くなる。そこで、このめっき液を補充するために、
従来、以下のような2つの方法のうち何れかが行われて
いた。 (1)所定枚数のリードフレーム基板をめっきした後
に、原液タンクからめっき液をポンプによってめっき液
槽に供給し、これによって、めっき液の量と含まれる銀
イオンの量を確保する。 (2)めっき電流を積算電流計によって測定し、積算電
流計が一定の電流量を計測した場合に、原液タンクから
めっき原液をポンプによってめっき液槽に供給し、これ
によって、めっき液量と含まれる銀イオンの量を補充す
る。
及び(2)による方法は、ポンプの動作時間は作業者の
経験によって設定しており、めっき原液の供給量を間違
うとめっき処理に支障が生じるので、熟練した作業者が
慎重に行う必要があるという問題があった。また、
(1)の方法においては、めっき電流による銀析出で銀
イオンが減少するのを考慮しておらず、(2)の方法に
おいては、めっき処理中にリードフレーム基板が持ち出
すめっき液の量は考慮されていないので、正確なめっき
原液の供給が困難であるという問題があった。本発明は
かかる事情に鑑みてなされたもので、熟練した作業者を
必要とせず、めっき液中の金属イオンの濃度の安定化を
図り、更には自動的にめっき原液の供給を行うことも可
能な電気めっき液の濃度安定化方法を提供することを目
的とする。
記載の電気めっき液の濃度安定化方法は、連続的又は間
欠的に搬送される対象物にめっき液を接触させて電気め
っきを行い、所定数の前記対象物のめっきを終えた後に
めっき原液の補充を行う電気めっき液の濃度安定化方法
において、前記めっき原液の補充量Qは、前記所定数の
対象物のめっき液の持ち出し量の総計量をA(cc)、
前記めっき液中の金属イオン濃度をB(mg/cc)、
前記所定数の対象物のめっき期間中の積算電流値をC
(AM)、めっき金属の理論析出量をD(mg/A
M)、前記めっき原液の金属イオン濃度をE(mg/c
c)とした場合、(1)式をもとにして行い、更に、前
記めっき原液は、ポンプによって、原液タンクからめっ
き液槽に搬送され、前記ポンプの吐出能力をF(cc/
min)とした場合、該ポンプの作動時間T(min)
を(2)式によって求めている。 Q=(A×B+C×D)/E ・・・・・・(1) T=(A×B+C×D)/(E×F) ・・・・・・(2)
度安定化方法は、請求項1記載の方法において、前記め
っき液槽には液面計及びpH計が設けられ、前記めっき
原液を補充する際に、該めっき液槽にpH調整剤を投入
すると共に、不足する液を補う水も入れている。
つ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発
明の理解に供する。ここに、図1は本発明の一実施の形
態に係る電気めっき液の濃度安定化方法を適用しためっ
き装置の概略ブロック図、図2は同方法のフロー図、図
3は同方法を適用した場合のめっき液中の銀イオン濃度
の経過図、図4は従来方法を適用しているめっき液中の
銀イオン濃度の経過図である。
に係る電気めっき液の濃度安定化方法が適用されるめっ
き装置10は、めっき液槽11と、めっき原液タンク
(原液タンクの一例)12、水タンク13及びpH調整
液タンク14からそれぞれめっき原液、水、pH調整液
(pH調整剤)をめっき液槽11に供給するポンプ15
〜17と、これらの制御装置18、19とを有してい
る。以下、これらについて詳しく説明する。
液が充填され、図示しないポンプによって汲み上げられ
てめっき対象物の一例であるリードフレーム基板に通電
状態で噴射され、所定の部分に電気めっきを行って、残
っためっき液がこのめっき液槽11に戻るようになって
いる。このめっき液槽11には、pH計20と液面計2
1が設けられ、制御装置19に入力されて、特定量のめ
っき原液をめっき原液タンク12からポンプ15(P
1)によってめっき液槽11に送った際に、ポンプ16
(P2)、ポンプ17(P3)を介してめっき液槽11
にその不足量が供給されるようになっている。
18からの信号によって制御されて、不足する銀イオン
を含むめっき原液のみをめっき液槽11に供給するよう
になっている。この処理を行う制御装置18は、内部に
CPU22、これに接続されるROM23、RAM2
4、入出力インターフェイス25を有し、入出力インタ
ーフェイス25には、めっき処理したリードフレーム基
板の枚数に相当するストローク数26、全体の処理命令
を伝達するキーボード27、図示しないめっき用整流器
の積算電流値28が入力されていると共に、ポンプ15
を駆動するポンプ駆動部29が連結されている。そし
て、前記ROM23にはこのポンプ15を駆動してめっ
き原液をめっき液槽11に供給するプログラムが記載さ
れている。
ムのフローについて説明する。まず、本装置によってめ
っきされたリードフレーム基板の枚数に相当するストロ
ーク信号を近接スイッチ等で検知して入力し、このスト
ローク数Nをカウントする(ステップS1)。この実施
の形態においては、所定数の対象物のめっきは600と
しているので、このストローク数Nが600になったか
否かを判断し(ステップS2)、600ストロークをカ
ウントした時点で以下の処理を行う。即ち、予め実験に
よって測定されたこのリードフレーム基板の600スト
ローク当たりの銀めっき液の持ち出し量の総計量A(c
c)とめっき液の銀イオン濃度B(mg/cc)をキー
ボード27から入力しておき、リードフレーム基板が搬
送される過程における銀の持ち出し量を演算する(ステ
ップS3)。
を、キーボード27から予め入力されためっき原液の銀
イオン濃度E(mg/cc)で割って、めっき原液の補
充量を演算する(ステップS4)。そして、更にポンプ
15の吐出能力F(cc/min)で割るとポンプ動作
時間T1(min)が算出される(ステップS5)。次
に、リードフレーム基板の電気めっきを600ストロー
ク行っためっき電源の積算電流値C(AM)を入力し
(ステップS6)、予めキーボード27から入力された
銀の1(AM)当たりの理論析出量D(mg/AM)と
の演算を行い、めっき液からの銀の析出量を演算する
(ステップS7)。この銀の析出量をめっき原液の銀イ
オン濃度E(mg/cc)で割って補充すべきめっき原
液の量を演算し(ステップS8)、更にポンプ吐出能力
F(cc/min)で割ってポンプ15の動作時間T2
(min)を演算する(ステップS9)。この後、ステ
ップS5とステップS9の結果からT=(T1+T2)
を算出し(ステップS10)、その時間だけ、ポンプ1
5を作動させて、めっき原液タンク12からめっき液槽
11にめっき原液を輸送する(ステップS11)。な
お、ステップS4及びステップS8で演算された補充す
るめっき原液の和がめっき原液の補充量Qとなる。
っき液内の銀イオンの量は確保された筈であるが、めっ
き液のpHが適正値でない場合には、pH計20で監視
して不足するpHをpH調整液タンク14からポンプ1
7によって汲み上げてめっき液のpH調整を行う。そし
て、蒸発等によってめっき液の表面レベルが下降してい
ることを液面計21によって計測して、不足する場合に
は、水タンク13からポンプ16によって必要量の水を
汲み上げてめっき液槽11に充填することになる。この
ようなめっき液のpHの調整、液量の調整は600スト
ロークのリードフレーム基板のめっきを完了して後に行
った方が好ましい。以上の制御を行っためっき液の銀イ
オン濃度を日毎に測定して、グラフ化したものを図3に
示すが、図4に示す従来法による電気めっき液の調整方
法のばらつき(50−80g/L)に比較して本実施の
形態に係る方法によるめっき液の銀イオン濃度のばらつ
き(61−68g/L)の方が小さいことが分かる。
説明したが、他の金属の電気めっき方法であっても本発
明は適用される。なお、本実施の形態においては、一日
に一回程度、めっき液の金属イオンの濃度を測定し、更
に過不足する金属イオンの量を補正することもでき、こ
れによって更に正確にめっき液の金属イオンの量を制御
できる。また、めっき原液の濃度は、実際に使用するめ
っき液槽内のめっき液濃度より、2〜20%の範囲で金
属イオン濃度(mg/cc)を濃くするのが好ましく、
これによって、めっき液槽11内のめっき液の濃度を簡
単に必要なめっき液濃度に戻すことができる。
安定化方法は以上の説明からも明らかなように、めっき
液の金属イオンの濃度のばらつきをより正確に安定して
制御できるので、めっき製品の金属イオン濃度変化によ
る不良を防止できる。また、めっき原液をポンプで自動
的に所定量汲み上げて補充するので、従来のようにポン
プ運転を細かく設定しながら手動によって作動させる必
要がなくなり、ポンプの制御が極めて容易となる。めっ
きの対象物によるめっき条件が変わっても、予めその対
象物についてめっき液の持ち出し量が分かってこの値を
入力しておけば、自動的にめっき液の濃度の制御がで
き、めっき液濃度を安定させることができる。
度安定化方法を適用しためっき装置の概略ブロック図で
ある。
濃度の経過図である。
濃度の経過図である。
液槽 12 めっき原液タンク 13 水タン
ク 14 pH調整槽 15 ポンプ 16 ポンプ 17 ポンプ 18 制御装置 19 制御装
置 20 pH計 21 液面計 22 CPU 23 ROM 24 RAM 25 入出力
インターフェイス 26 ストローク数 27 キーボ
ード 28 積算電流値 29 ポンプ
駆動部
Claims (2)
- 【請求項1】 連続的又は間欠的に搬送される対象物に
めっき液を接触させて電気めっきを行い、所定数の前記
対象物のめっきを終えた後にめっき原液の補充を行う電
気めっき液の濃度安定化方法において、 前記めっき原液の補充量Qは、前記所定数の対象物のめ
っき液の持ち出し量の総計量をA(cc)、前記めっき
液中の金属イオン濃度をB(mg/cc)、前記所定数
の対象物のめっき期間中の積算電流値をC(AM)、め
っき金属の理論析出量をD(mg/AM)、前記めっき
原液の金属イオン濃度をE(mg/cc)とした場合、
(1)式をもとにして行い、更に、前記めっき原液は、ポンプによって、原液タンク
からめっき液槽に搬送され、前記ポンプの吐出能力をF
(cc/min)とした場合、該ポンプの作動時間T
(min)を(2)式によって求めることを特徴とする
電気めっき液の濃度安定化方法。 Q=(A×B+C×D)/E ・・・・・・(1) T=(A×B+C×D)/(E×F) ・・・・・・(2) - 【請求項2】 前記めっき液槽には液面計及びpH計が
設けられ、前記めっき原液を補充する際に、該めっき液
槽にpH調整剤を投入すると共に、不足する液を補う水
も入れることを特徴とする請求項1記載の電気めっき液
の濃度安定化方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15771297A JP3487731B2 (ja) | 1997-05-30 | 1997-05-30 | 電気めっき液の濃度安定化方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15771297A JP3487731B2 (ja) | 1997-05-30 | 1997-05-30 | 電気めっき液の濃度安定化方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10331000A JPH10331000A (ja) | 1998-12-15 |
JP3487731B2 true JP3487731B2 (ja) | 2004-01-19 |
Family
ID=15655734
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP15771297A Expired - Fee Related JP3487731B2 (ja) | 1997-05-30 | 1997-05-30 | 電気めっき液の濃度安定化方法 |
Country Status (1)
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Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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KR100824802B1 (ko) * | 2006-05-16 | 2008-04-24 | 한국산업기술대학교산학협력단 | 다종의 도금첨가제 자동공급장치 |
-
1997
- 1997-05-30 JP JP15771297A patent/JP3487731B2/ja not_active Expired - Fee Related
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