JP3486626B2 - Adhesive material - Google Patents
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な接着材に関するも
のである。詳しくは、金属材料、有機高分子材料、セラ
ミックス材料、及び人体硬組織等の接着に好適に使用で
きるプライマー溶液と(メタ)アクリレート系光硬化型
接着性組成物からなる接着材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】接着材は近年、自動車、電子産業、ある
いは建築、医療などの様々な分野に広く用いられ、それ
ぞれ特有の性状が要求されている。中でも医療用として
歯牙の修復に用いられる歯科用接着材は、口腔内での特
殊な環境に耐える強固な接着性と耐久性が要求される。
【0003】歯牙は主にエナメル質と象牙質とで構成さ
れているが、その大部分が無機質から成るエナメル質に
対しては、被着面を予め酸処理した上、アクリル系のモ
ノマー液から成る接着材を塗布する方法が一般に採用さ
れ、臨床的にも十分な効果が認められている。しかしな
がら、有機質を多く含み、無数の細管から滲出する体液
に絶えずさらされている象牙質に対しては、この様な被
着面の酸処理は効果が少ないばかりか、歯髄の損傷を招
く危険がある。
【0004】そこでこの様な象牙質に対し、被着面の酸
処理を施す事なく優れた接着性を得るための試みとし
て、象牙質との強固な親和性を期待し、カルボン酸、リ
ン酸、スルホン酸等の酸性の官能基を有するビニルモノ
マーを接着材の成分として添加する方法が行なわれてき
た。
【0005】この方法によって接着力はかなり向上して
来たが、長期の耐久性を考慮すると未だ満足できるもの
ではないのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は工業用の種々
の材料、とりわけ有機質を多く含む象牙質のような人体
硬組織に対しても優れた接着強度を示す接着材の開発を
目的とするものである。
【0007】
【問題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を解決するため研究を重ねた結果、特定組成のプライ
マー溶液で処理した後、特定の接着性組成物を用いて接
着した場合、象牙質に対しても優れた接着性が得られる
ことを見い出し本発明を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明は、(a)カルボキシル基又
はその酸無水物を少なくとも1個と、炭素数が2個以上
であって、水素原子の一部が水酸基又はカルボキシル基
で置換されていてもよいアルキレン基及び下記式
【0009】
【化7】
【0010】で示される基よりなる群から選ばれるいず
れかの疎水性基とを有するビニルモノマーを含んでなる
プライマー溶液と、(b)下記式で表される酸性基を有
するビニルモノマー
【0011】
【化8】
【0012】〔式中、R1はアルキル基または水素原
子、R2は炭素数2〜20の有機残基、lは1または2
の整数、mは0又は1の整数、nは1〜3の整数、Xは
カルボキシル基(l=2の場合、Xは酸無水基;−CO
−O−CO−の形で存在してもよい)、−OPOCl2
基または−OPO(OH)R3基(R3は水酸基、アリ
ール基、アルコキシル基またはアリーロキシル基)を示
す〕を含有し、化学重合触媒を含まない(メタ)アクリ
レート系光硬化型接着性組成物からなる、人体硬組織用
の医療用接着材料である。
【0013】本発明の接着方法に用いるプライマーは、
カルボキシル基又はその酸無水物を少くとも1個と疎水
性基を有するビニルモノマーから成る。
【0014】疎水性基としては、下記に例示されるよう
な炭素数が2個以上のアルキレン基、あるいはこれらの
基の水素原子の一部が水酸基やカルボキシル基などで置
換されたもの、
【0015】
【化9】【0016】又は下記式
【0017】
【化10】
【0018】で示される基である。
【0019】優れた接着性を発現させるためには、疎水
性基の総炭素数が4〜20のビニルモノマーが好まし
い。
【0020】本発明におけるプライマー溶液に含まれる
ビニルモノマーを具体的に例示すると、
【0021】
【化11】
【0022】等が挙げられる。
【0023】本発明に用いるプライマーは、必要に応じ
て毒物学的に許容しうる有機溶媒又は該有機溶媒と水の
混合液に溶解して用いる事ができ、その場合の濃度は5
〜100wt%とすることが接着の観点から好ましい。
有機溶媒としては、本プライマーに用いられるビニルモ
ノマーを溶解させしかも揮発性のものが好適に使用され
る。具体的に例示すればアセトン、塩化メチレンやエタ
ノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類な
どが挙げられる。特にアルコールと水の混合液に溶解し
てプライマーとする事が接着力の向上にとって好まし
い。
【0024】尚、本願発明においてプライマーとは、接
着剤を用いて接着する前に被着面を処理する下塗り剤の
ことをいう。
【0025】プライマー処理方法としては、一般的には
スポンジまたは小筆で被着面が完全に濡れる程度に塗布
する方法が採用される。プライマー処理後は、エアーを
吹きつけて乾燥したのち次の接着工程へ移ることが接着
力向上のために好ましい。
【0026】本発明の接着方法においては、上記プライ
マー処理後に(メタ)アクリレート系光硬化型接着性組
成物(以下、光硬化型接着性組成物ともいう)を用いる
ことが必須である。
【0027】該(メタ)アクリレート系光硬化型接着性
組成物は、光重合触媒、及び光重合触媒によって重合す
る(メタ)アクリレート化合物を主成分とするものであ
るが、後述するように硬化促進剤、重合禁止剤、フィラ
ー等を必要に応じて添加してもよい。
【0028】しかしながら、光重合触媒に替えて化学重
合触媒を含む接着性組成物を用いた場合には高い接着強
度を得ることは出来ない。これは、化学重合の場合に
は、被着面に接着組成物を塗布する前から重合が始まっ
ているため、(メタ)アクリレート化合物の分子量が上
昇し被着面を充分に濡らすことができなく、又、充分に
濡らすことができたとしても、象牙質のように歯髄から
の浸出液があふれている面では光重合の場合の様に速や
かに重合できず接着界面における重合が不十分になるた
めであると推測される。
【0029】本発明に用いる光硬化型接着組成物の主成
分の一つである(メタ)アクリレート化合物としては、
光重合触媒によって重合する公知のものが特に限定され
ることなく使用できる。
【0030】一般に好適に使用される該(メタ)アクリ
レート化合物を具体的に例示すると、メチル(メタ)ア
クリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピ
ル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリ
レート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル
(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレ
ート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、トリ
デシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アク
リレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グ
リシジル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレング
リコール(メタ)アクリレート、(2−メタアクリロキ
シエチル)マレイン酸モノエステル等の単官能ビニルモ
ノマー;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレング
リコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオ
ールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオー
ルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ
(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ
(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)ア
クリレート、2,2’−ビス〔((メタ)アクリロイル
オキシポリエトキシフエニル〕プロパン、2,2’−ビ
ス〔4−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプ
ロポキシ)フェニル〕プロパン、トリメチロールプロパ
ン(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ
(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ
(メタ)アクリレート等の多官能ビニルモノマーが用い
られる。
【0031】又、(メタ)アクリレート化合物として、
接着力および耐久性を向上させるために下記式で表され
る酸性基を有するビニルモノマーが配合される。
【0032】
【化12】
【0033】〔式中、R1はアルキル基または水素原
子、R2は炭素数2〜20の有機残基、lは1または2
の整数、mは0又は1の整数、nは1〜3の整数、Xは
カルボキシル基(l=2の場合、Xは酸無水基;−CO
−O−CO−の形で存在してもよい)、−OPOCl2
基または−OPO(OH)R3基(R3は水酸基、アリ
ール基、アルコキシル基またはアリーロキシル基)を示
す〕上記一般式中、R1で示される基は水素原子又はア
ルキル基であり、アルキル基としては具体的にメチル
基、エチル基が挙げられる。
【0034】又、R2は炭素数2〜20の有機酸基であ
る。炭素数1以下の場合は、湿潤下での接着耐久性が低
い。炭素数21以上の場合は、材料の入手が困難であ
り、しかも硬化体の強度が得られないため接着力が低
い。該有機残基は、上記炭素数を満足する限り脂肪族系
あるいは芳香族系有機残基のいずれでもよく、さらにハ
ロゲン、アミノ基、水酸基等の置換基によって一部が置
換されていてもよい。
【0035】一般式中、Xはカルボキシル基,−OPO
Cl2、又は−OPO(OH)R3基であり、上記有機
残基に1又は2個結合している。ここでR3で示される
基は水酸基;フェニル基等のアリール基;メトキシ基、
エトキシ基、ブトキシ基等のアルコキシル基;フエノキ
シ基、ベンジルオキシ基等のアリーロキシル基のいずれ
かである。
【0036】一般に好適に使用される酸性基を有するビ
ニルモノマーを具体的に例示するとp−メタクリロキシ
安息香酸、p−ビニル安息香酸、2−メタクリロキシエ
チルフタル酸、2−メタクリロキシエチルコハク酸等の
分子内に1つのカルボキシル基を有するビニルモノマ
ー;7−メタクリロキシ−1,1−ヘプタンジカルボン
酸、11−メタクリロキシ−1,1−ウンデカンジカル
ボン酸、13−メタクリロキシ−1,1−トリデカンジ
カルボン酸、4−(β−メタクリロキシエチル)トリメ
リット酸エステルおよび無水物等の分子内に2つのカル
ボキシル基を有するビニルモノマー;6−メタクリロキ
シヘキシルジハイドロジェンホスフェート、10−メタ
クリロキシデシルジハイドロジェンホスフェート、6−
メタクリロキシヘキシルブチルホスフェート、6−メタ
クリロキシヘキシルフェニルホスフェート、2−メタク
リロキシエチルハイドロジェンフェニルホスフェート、
などの分子内に1つのリン酸基を有するビニルモノマ
ー;ビスフエノールAジグリシジルメタクリレートとオ
キシ塩化リンの反応生成物などの分子内に2つのリン酸
基を有するビニルモノマー:などが挙げられる。
【0037】優れた接着性を発現させるためには、前記
一般式で表わされる酸性基を有するビニルモノマーのR
2が炭素数4〜20のアルキレン基が好ましく、更には
Xがカルボキシル基である場合には炭素数4〜20、X
が−OPO(OH)R3で、R3が水酸基である場合に
は炭素数6〜20、R3がアリール基、アルコキシル基
又はアリーロキシル基である場合には炭素数2〜12で
あることが特に好ましい。これら好ましいビニルモノマ
ーを具体的に例示すると、7−メタクリロキシ−1,1
−ヘプタンジカルボン酸、11−メタクリロキシ−1,
1−ウンデカンジカルボン酸、13−メタクリロキシ−
1,1−トリデカンジカルボン酸等の分子内にカルボキ
シル基を2個有するジカルボン酸類、あるいは6−メタ
クリロキシヘキシルジハイドロジェンホスフェート、1
0−メタクリロキシデシルジハイドロジェンホスフェー
ト等のモノホスフェート類が挙げられる。
【0038】かかる酸性基を有するビニルモノマーは、
通常光硬化型接着性組成物中の全重合性モノマー100
重量部当り1〜50重量部含有させる。
【0039】本発明に用いる光硬化型接着組成物の主成
分の他の一つは、光重合触媒である。光重合触媒として
は公知のものが何ら制限なく使用される。具体的には、
ジアセチル、アセチルべンゾイル、べンジル、2,3−
ペンタジオン、2,3−オクタジオン、4,4’−ジメ
トキシベンジル、α−ナフチル、β−ナフチル、4,
4’−オキシベンジル、カンファーキノン、9,10−
フェナンスレンキノン、アセナフテンキノン等のα−ジ
ケトン;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチル
エーテル、ベンゾインプロピルエーテル等のベンゾイン
アルキルエーテル;2,4−ジエトキシチオキサント
ン、2−クロロチオキサントン、メチルチオキサントン
等のチオキサンソン誘導体;ベンゾフェノン、p,p’
−ジメチルアミノベンゾフエノン、p,p’−メトキシ
ベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体が好適に使用
される。
【0040】これらの光重合触媒は光硬化型接着性組成
物中の全量合性モノマー100重量部に対して、0.0
5〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部添加する
ことが望ましい。
【0041】また、上記の光重合触媒と同時に他の添加
剤を必要に応じて添加してもよい。例えば硬化促進剤を
添加することができる。
【0042】かかる硬化促進剤としては、N,N−ジメ
チル−p−トルイジン、N,N’−ジメチルベンジルア
ミン、N−メチルジブチルアミン、ジメチルアミノエチ
ルメタクリレート、N,N−ジメチル−m−アニシジ
ン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル等のアミン化合
物;アリルチオ尿素、o−トリルチオ尿素などのチオ尿
素化合物;ジメチルホスファイト、ジオクチルホスファ
イト等のホスファイト化合物;などが挙げられる。
【0043】該硬化促進剤の添加量は光硬化型接着性組
成物中の全重合性モノマー100重量部に対して0.0
5〜5重量部、好ましくは0.1〜3重量部が望まし
い。
【0044】本発明の光硬化型接着性組成物を使用する
場合の重合は、高圧、中庄、低圧水銀灯による紫外線;
ハロゲンランプ、キセノンランプ等による可視光線を照
射することにより行うことができる。
【0045】本発明に用いる光硬化型接着性組成物は、
必要に応じてハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチ
ルエーテル、ブチルヒドロキシトルエン等の重合禁止剤
を少量添加するのが好ましい。
【0046】また、本発明においては、接着の対象物に
よってはフィラーを添加するのが好ましい。フィラーを
添加することによって機械的強度、耐水性が向上し、更
に流動性、塗布性をコントロールすることができる。フ
ィラーとしては例えば、石英、無定形シリカ、シリカジ
ルコニア、クレー、酸化アルミニウム、タルク、雲母、
カオリン、ガラス、硫酸バリウム、酸化ジルコニウム、
酸化チタン、チッ化ケイ素、チッ化アルミニウム、チッ
化チタン、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭酸カルシウム、
ヒドロキシアパタイト、リン酸カルシウム等の無機物;
ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレー
ト、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエステル、ナ
イロン等の高分子又はオリゴマー等の有機物;及び有機
−無機の複合フィラー等が挙げられる。上記無機フィラ
ーは通常、γ−メタクリロイルオキシプロピルメリメト
キシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のシランカッ
プリング剤で処理したものを使用するのが好ましい。
【0047】上記フィラーの添加量は必要に応じて適宜
選択でき、例えば光硬化型接着性組成物中の全重合性モ
ノマー100重量部に対して1〜300重量部の割合と
なる範囲から選べばよい。
【0048】本発明に用いる光硬化型接着性組成物に
は、有機溶媒が含まれないことが望ましい。特にエタノ
ールなどのアルコール類を含むと接着力が低下する傾向
にある。これは、接着剤の被膜厚さが薄くなり過ぎるた
め接着面に欠陥が生じ易いことと、アルコールは重合禁
止剤としての役割を果たすためと考えられる。
【0049】次に接着方法について具体的に説明する
が、これら具体例に限定されるものではない。被着体の
一方が固体で他方が例えば光硬化型コンポジットレジン
のようなペースト状物の場合は、固体側にプライマー、
次いで光硬化型接着性組成物を塗布したのちに、好まし
くは接着力を上げるために接着性組成物に可視光を10
〜60秒照射する。次いでペースト状物を盛り、さらに
圧接したのち、光照射して重合硬化させ、両被着体を接
着する。被着体がいずれも固体である場合は、一方にプ
ライマーを塗布し、他方には光硬化型接着性組成物を塗
布したのち両体を圧接し、次いで接着境界あるいは固体
表面の上から光照射を行い硬化接着させる。
【0050】
【発明の効果】本発明の接着材は、特定成分からなるプ
ライマーで予め処理した後、(メタ)アクリレート系光
硬化型接着性組成物を用いて接着する事によって、その
接着性を著しく向上させることが可能である。特に、歯
牙や骨のような人体硬組織、とりわけ、有機成分を多く
含むことにより従来より接着が困難とされていた象牙質
の接着において優れた効果を発揮する。
【0051】本発明の接着材は、上記の接着の他に金
属、セラミックス、有機高分子等の接着にも有効であ
る。
【0052】
【実施例】以下、本発明を更に具体的に説明するため、
実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。
【0053】以下の実施例、参考例および比較例におい
て用いる(メタ)アクリレート化合物を以下の如く略記
する。
【0054】
【化13】
【0055】参考例1〜9、比較例1本発明のプライマ
ーを用い、酸性基を有するビニルモノマーを含まない
(メタ)アクリレート系光硬化型接着性組成物を用いて
象牙質に対する接着強度の測定を行った。測定方法は以
下のとおりである。
【0056】屠殺後24時間以内の牛前歯を抜去し、注
水下、#800のエメリーペーパーで唇面に水平になる
ように象牙質を削り出した。次にその面に圧縮空気を約
10秒間吹きつけて乾燥した後、この象牙質の面に直径
4mmφの穴のあいたパラフィンワックスを両面テープ
により固定して、該面を底面とする模擬窩洞を形成し
た。
【0057】その面に、表1に示した組成のプライマー
を塗布して60秒間放置した後に圧縮空気を吹きっけて
乾燥し、引き続き下記の組成の(メタ)アクリレート系
光硬化型接着性組成物を塗布し、次いで市販の可視光照
射器「ホワイトライト」(タカラベルモント社製)を用
いて10秒間光照射した。さらにその上に市販光硬化型
コンポジットレジン「パルフイークライト」(徳山曹達
社製)を填入、圧接した後、再度30秒間光照射して硬
化させた。
【0058】コンポジツトレジンが硬化後、パラフィン
ワックスを取り除き、37℃の水中に24時間放置し
た。前記牛前歯とコンポジツトレジン硬化体にそれぞれ
金属製のアタッチメントを取り付け、引張り試験機(ク
ロスヘッドスピード:10mm/min)で象牙質と光
硬化型接着性組成物との接着強度の測定を行なった。
【0059】光硬化型接着性組成物の組成は以下の通り
である。
【0060】
2−ヒドロキシエチルメタクリレート 28.3重量部
ビスフェノールAジグリシジルメタクリレート 26.6 〃
トリエチレングリコールジメタクリレート 45.1 〃
カンファーキノン 0.4 〃
p−ジメチルアミノ安息香酸エチル 0.6 〃
ハイドロキノンモノメチルエーテル 0.05〃
上記方法で得られた接着強度、及び比較例としてプライ
マーを塗布しなかった場合の接着強度を表1に示す。
【0061】
【表1】
【0062】実施例1〜16、比較例2〜4
参考例3,6および8のプライマーを用い、光硬化型接
着性組成物として下記、及び表2に示した組成物を使用
した以外は参考例1〜9と同様にして接着力を測定し
た。
【0063】
酸性基を有するビニルモノマー X 重量部
ビスフェノールAジグリシジルメタクリレート 40 〃
トリエチレングリコールジメタクリレート 60−X 〃
カンファーキノン 0.4 〃
p−ジメチルアミノ安息香酸エチル 0.6 〃
ハイドロキノンモノメチルエーテル 0.05〃
上記方法で得られた接着強度、並びに比較例としてプラ
イマーが本発明の「カルボキシル基又はその酸無水物を
少なくとも1個と特定の疎水性基を有するビニルモノマ
ー」を含まない場合及び該ビニルモノマーに該当しない
ビニルモノマーを用いた場合の接着強度もあわせて表2
に示す。
【0064】
【表2】【0065】
【表3】
【0066】実施例17〜20
実施例1のプライマーを用い、光硬化型接着性組成物と
しては、組成物中のカンファーキノンとp−ジメチルア
ミノ安息香酸エチルに替えて表3に示した光重合触媒お
よび硬化促進剤を用いた以外は実施例1と同様にして接
着強度を測定した。結果もあわせて表3に記す。
【0067】
【表4】
【0068】実施例21〜23
実施例1のプライマー及び酸性基を有するビニルモノマ
ーを用い、光硬化型接着組成物中のビスフェノールAジ
グリシジルメタクリレートおよびトリエチレングリコー
ルジメタクリレートに替えて表4に示した(メタ)アク
リレート化合物を用いた以外は実施例1と同様にして接
着強度を測定した。結果を表4にあわせて示す。
【0069】
【表5】
【0070】比較例5〜7
参考例3のプライマーを用い、光硬化型接着性組成物に
替えて表5に示す化学硬化型接着性組成物を用いた以外
は同様にして接着強度を測定した。結果をあわせて表5
に示す。
【0071】
【表6】
Description: BACKGROUND OF THE INVENTION 1. Field of the Invention The present invention relates to a novel adhesive. More specifically, the present invention relates to an adhesive composed of a primer solution and a (meth) acrylate-based photocurable adhesive composition that can be suitably used for bonding metal materials, organic polymer materials, ceramic materials, and human hard tissues. 2. Description of the Related Art In recent years, adhesives have been widely used in various fields such as automobiles, electronics industry, construction, and medical treatment, and their respective properties are required. Above all, a dental adhesive used for restoring teeth for medical use is required to have strong adhesiveness and durability that can withstand a special environment in the oral cavity. [0003] Tooth is mainly composed of enamel and dentin. For enamel which is mostly composed of inorganic material, the surface to be adhered is treated in advance with an acid and then an acrylic monomer solution is used. A method of applying such an adhesive is generally adopted, and a sufficient effect has been recognized clinically. However, for dentin, which is rich in organic matter and is constantly exposed to bodily fluids exuding from countless tubules, such acid treatment of the adherent surface is not only ineffective, but also risks pulp damage. is there. As an attempt to obtain excellent adhesion to such dentin without applying acid treatment to the surface to be adhered, carboxylic acid and phosphoric acid are expected in view of strong affinity with dentin. A method of adding a vinyl monomer having an acidic functional group such as sulfonic acid as a component of an adhesive has been performed. Although the adhesive strength has been considerably improved by this method, at present, it is still unsatisfactory in view of long-term durability. SUMMARY OF THE INVENTION The present invention is directed to the development of an adhesive which exhibits excellent adhesive strength to various industrial materials, especially human hard tissues such as dentin containing a large amount of organic matter. It is the purpose. Means for Solving the Problems The inventors of the present invention have conducted studies to solve the above problems, and as a result, after treating with a primer solution having a specific composition, using a specific adhesive composition. When they were bonded, they found that excellent adhesion to dentin was obtained, and completed the present invention. That is, the present invention relates to (a) a carboxyl group or an acid anhydride thereof, which has at least one carbon atom, has two or more carbon atoms, and a part of hydrogen atoms is substituted with a hydroxyl group or a carboxyl group. And an alkylene group represented by the following formula: A primer solution containing a vinyl monomer having any one of hydrophobic groups selected from the group consisting of: (b) a vinyl monomer having an acidic group represented by the following formula: Embedded image Wherein R 1 is an alkyl group or a hydrogen atom, R 2 is an organic residue having 2 to 20 carbon atoms, 1 is 1 or 2
M is an integer of 0 or 1; n is an integer of 1 to 3; X is a carboxyl group (when l = 2, X is an acid anhydride group;
—O—CO—), —OPOCl 2
Group or -OPO (OH) R 3 group (R 3 is a hydroxyl group, an aryl group, an alkoxyl group or an aryloxyl group) contained showing a], does not include a chemical polymerization catalyst (meth) acrylate-based light-curable adhesive composition For human hard tissues
Is a medical adhesive material. The primer used in the bonding method of the present invention is:
It comprises a vinyl monomer having at least one carboxyl group or its acid anhydride and a hydrophobic group. Examples of the hydrophobic group include an alkylene group having 2 or more carbon atoms as exemplified below, or a group in which some of the hydrogen atoms of these groups are substituted with a hydroxyl group, a carboxyl group, or the like. Embedded image Or the following formula: Is a group represented by In order to exhibit excellent adhesiveness, a vinyl monomer having a hydrophobic group having 4 to 20 carbon atoms in total is preferable. Specific examples of the vinyl monomer contained in the primer solution in the present invention are as follows: And the like. The primer used in the present invention can be used by dissolving it in a toxicologically acceptable organic solvent or a mixture of the organic solvent and water, if necessary.
It is preferable to set it to 100 wt% from the viewpoint of adhesion.
As the organic solvent, those which dissolve the vinyl monomer used in the present primer and which are volatile are preferably used. Specific examples include acetone, methylene chloride, ethanol, and alcohols such as isopropyl alcohol. In particular, it is preferable to dissolve in a mixture of alcohol and water to form a primer for improving the adhesive strength. In the present invention, the term "primer" refers to an undercoating agent for treating the surface to be adhered before bonding with an adhesive. As a primer treatment method, a method is generally employed in which a sponge or a small brush is applied so that the surface to be adhered is completely wetted. After the primer treatment, it is preferable to blow the air to dry and then proceed to the next bonding step for improving the bonding strength. In the bonding method of the present invention, it is essential to use a (meth) acrylate-based photocurable adhesive composition (hereinafter, also referred to as a photocurable adhesive composition) after the above-mentioned primer treatment. The (meth) acrylate-based photocurable adhesive composition is mainly composed of a photopolymerization catalyst and a (meth) acrylate compound polymerized by the photopolymerization catalyst. An agent, a polymerization inhibitor, a filler and the like may be added as necessary. However, when an adhesive composition containing a chemical polymerization catalyst is used instead of the photopolymerization catalyst, a high adhesive strength cannot be obtained. This is because, in the case of chemical polymerization, since the polymerization has started before the adhesive composition is applied to the adherend, the molecular weight of the (meth) acrylate compound increases and the adherend cannot be sufficiently wetted. Also, even if it can be sufficiently wetted, it cannot be polymerized promptly as in the case of photopolymerization on the surface where the exudate from the pulp overflows, such as dentin, and the polymerization at the bonding interface becomes insufficient. Is assumed. The (meth) acrylate compound which is one of the main components of the photocurable adhesive composition used in the present invention includes:
Known materials polymerized by a photopolymerization catalyst can be used without any particular limitation. Specific examples of the (meth) acrylate compounds generally preferably used include methyl (meth) acrylate, ethyl (meth) acrylate, n-propyl (meth) acrylate, isopropyl (meth) acrylate, and n- Butyl (meth) acrylate, isobutyl (meth) acrylate, n-hexyl (meth) acrylate, 2-ethylhexyl (meth) acrylate, tridecyl (meth) acrylate, stearyl (meth) acrylate, 2-hydroxyethyl (meth) acrylate, 2 Monofunctional vinyl monomers such as hydroxypropyl (meth) acrylate, glycidyl (meth) acrylate, methoxydiethylene glycol (meth) acrylate, (2-methacryloxyethyl) maleic acid monoester; Koruji (meth) acrylate,
Diethylene glycol di (meth) acrylate, triethylene glycol di (meth) acrylate, tetraethylene glycol di (meth) acrylate, propylene glycol di (meth) acrylate, 1,4-butanediol di (meth) acrylate, 1,6-hexane Diol di (meth) acrylate, neopentyl glycol di (meth) acrylate, 1,10-decanediol di (meth) acrylate, bisphenol A di (meth) acrylate, 2,2′-bis [((meth) acryloyloxypoly Ethoxyphenyl] propane, 2,2'-bis [4- (3-methacryloyloxy-2-hydroxypropoxy) phenyl] propane, trimethylolpropane (meth) acrylate, trimethylolethanetri (meth) acrylate, Polyfunctional vinyl monomers such as lame Chi roll tetra (meth) acrylate is used. [0031] Further, as (meth) acrylate compound,
In order to improve adhesive strength and durability, a vinyl monomer having an acidic group represented by the following formula is blended. Embedded image Wherein R 1 is an alkyl group or a hydrogen atom, R 2 is an organic residue having 2 to 20 carbon atoms, 1 is 1 or 2
M is an integer of 0 or 1; n is an integer of 1 to 3; X is a carboxyl group (when l = 2, X is an acid anhydride group;
—O—CO—), —OPOCl 2
A group or —OPO (OH) R 3 group (R 3 is a hydroxyl group, an aryl group, an alkoxyl group or an aryloxyl group)] In the above general formula, the group represented by R 1 is a hydrogen atom or an alkyl group, and an alkyl group Specific examples include a methyl group and an ethyl group. R 2 is an organic acid group having 2 to 20 carbon atoms. When the number of carbon atoms is 1 or less, the adhesion durability under wet conditions is low. When the number of carbon atoms is 21 or more, it is difficult to obtain a material, and the adhesive strength is low because the strength of the cured body cannot be obtained. The organic residue may be an aliphatic or aromatic organic residue as long as the number of carbon atoms is satisfied, and may be partially substituted with a substituent such as a halogen, an amino group, or a hydroxyl group. In the general formula, X is a carboxyl group, -OPO
Cl 2 or —OPO (OH) R 3 group, which is bonded to one or two organic residues. Here, the group represented by R 3 is a hydroxyl group; an aryl group such as a phenyl group; a methoxy group;
An alkoxyl group such as an ethoxy group or a butoxy group; or an aryloxyl group such as a phenoxy group or a benzyloxy group. Specific examples of vinyl monomers having an acidic group which are generally preferably used include p-methacryloxybenzoic acid, p-vinylbenzoic acid, 2-methacryloxyethyl phthalic acid and 2-methacryloxyethyl succinic acid. Vinyl monomer having one carboxyl group in the molecule; 7-methacryloxy-1,1-heptanedicarboxylic acid, 11-methacryloxy-1,1-undecanedicarboxylic acid, 13-methacryloxy-1,1-tridecanedicarboxylic acid, 4 Vinyl monomers having two carboxyl groups in the molecule, such as-(β-methacryloxyethyl) trimellitate and anhydride; 6-methacryloxyhexyl dihydrogen phosphate, 10-methacryloxydecyl dihydrogen phosphate, 6 −
Methacryloxyhexyl butyl phosphate, 6-methacryloxyhexyl phenyl phosphate, 2-methacryloxyethyl hydrogen phenyl phosphate,
And vinyl monomers having two phosphate groups in a molecule such as a reaction product of bisphenol A diglycidyl methacrylate and phosphorus oxychloride. In order to exhibit excellent adhesiveness, the vinyl monomer having an acidic group represented by the above-mentioned general formula is required to have R
2 is preferably an alkylene group having 4 to 20 carbon atoms, and furthermore, when X is a carboxyl group, the alkylene group has 4 to 20 carbon atoms;
Is -OPO (OH) R 3 , and when R 3 is a hydroxyl group, it may have 6 to 20 carbon atoms, and when R 3 is an aryl group, an alkoxyl group or an aryloxyl group, it may have 2 to 12 carbon atoms. Particularly preferred. Specific examples of these preferred vinyl monomers include 7-methacryloxy-1,1
-Heptanedicarboxylic acid, 11-methacryloxy-1,
1-undecanedicarboxylic acid, 13-methacryloxy-
Dicarboxylic acids having two carboxyl groups in the molecule, such as 1,1-tridecanedicarboxylic acid, or 6-methacryloxyhexyl dihydrogen phosphate;
Monophosphates such as 0-methacryloxydecyl dihydrogen phosphate are exemplified. The vinyl monomer having such an acidic group is
Normally all polymerizable monomers 100 in the photocurable adhesive composition
It is contained in an amount of 1 to 50 parts by weight per part by weight. Another one of the main components of the photocurable adhesive composition used in the present invention is a photopolymerization catalyst. Known photopolymerization catalysts are used without any limitation. In particular,
Diacetyl, acetylbenzoyl, benzyl, 2,3-
Pentadione, 2,3-octadione, 4,4′-dimethoxybenzyl, α-naphthyl, β-naphthyl, 4,
4'-oxybenzyl, camphorquinone, 9,10-
Α-diketones such as phenanthrenequinone and acenaphthenequinone; benzoin alkyl ethers such as benzoin methyl ether, benzoin ethyl ether and benzoin propyl ether; thioxanthone derivatives such as 2,4-diethoxythioxanthone, 2-chlorothioxanthone and methylthioxanthone Benzophenone, p, p '
Benzophenone derivatives such as -dimethylaminobenzophenone and p, p'-methoxybenzophenone are preferably used. These photopolymerization catalysts are used in an amount of 0.0
It is desirable to add 5 to 10 parts by weight, preferably 0.1 to 5 parts by weight. Further, other additives may be added, if necessary, simultaneously with the above-mentioned photopolymerization catalyst. For example, a curing accelerator can be added. Examples of the curing accelerator include N, N-dimethyl-p-toluidine, N, N'-dimethylbenzylamine, N-methyldibutylamine, dimethylaminoethyl methacrylate, N, N-dimethyl-m-anisidine, amine compounds such as ethyl p-dimethylaminobenzoate; thiourea compounds such as allyl thiourea and o-tolyl thiourea; phosphite compounds such as dimethyl phosphite and dioctyl phosphite; The curing accelerator is added in an amount of 0.0 to 100 parts by weight of the total polymerizable monomers in the photocurable adhesive composition.
5 to 5 parts by weight, preferably 0.1 to 3 parts by weight is desirable. When the photocurable adhesive composition of the present invention is used, the polymerization is carried out by using a high-pressure, Nakasho, low-pressure mercury lamp for ultraviolet rays;
The irradiation can be performed by irradiating visible light with a halogen lamp, a xenon lamp, or the like. The photocurable adhesive composition used in the present invention comprises:
If necessary, it is preferable to add a small amount of a polymerization inhibitor such as hydroquinone, hydroquinone monomethyl ether, and butylhydroxytoluene. In the present invention, it is preferable to add a filler depending on an object to be bonded. By adding a filler, mechanical strength and water resistance are improved, and further, fluidity and coatability can be controlled. Examples of the filler include quartz, amorphous silica, silica zirconia, clay, aluminum oxide, talc, mica,
Kaolin, glass, barium sulfate, zirconium oxide,
Titanium oxide, silicon nitride, aluminum nitride, titanium nitride, silicon carbide, boron carbide, calcium carbonate,
Inorganic substances such as hydroxyapatite and calcium phosphate;
Organic substances such as polymers or oligomers such as polymethyl methacrylate, polyethyl methacrylate, polyvinyl chloride, polystyrene, polyester, and nylon; and organic-inorganic composite fillers. Usually, it is preferable to use the inorganic filler that has been treated with a silane coupling agent such as γ-methacryloyloxypropylmerimethoxysilane or vinyltriethoxysilane. The amount of the filler to be added can be appropriately selected as needed. For example, the filler may be selected from a range of 1 to 300 parts by weight based on 100 parts by weight of the total polymerizable monomer in the photocurable adhesive composition. Good. It is desirable that the photocurable adhesive composition used in the present invention does not contain an organic solvent. In particular, when alcohols such as ethanol are contained, the adhesive strength tends to decrease. This is presumably because the adhesive layer is too thin to cause a defect on the adhesive surface, and alcohol plays a role as a polymerization inhibitor. Next, the bonding method will be described in detail, but the present invention is not limited to these specific examples. When one of the adherends is a solid and the other is a paste-like material such as a photocurable composite resin, a primer is provided on the solid side,
Then, after applying the photocurable adhesive composition, visible light is preferably applied to the adhesive composition for increasing the adhesive strength.
Irradiate for ~ 60 seconds. Next, the paste-like material is put on the plate, and further press-contacted, and then polymerized and cured by irradiating light to bond both adherends. When both adherends are solid, apply a primer to one, apply a photocurable adhesive composition to the other, and then press the two bodies together, then irradiate light from the adhesion boundary or from above the solid surface And make it adhere by curing. The adhesive of the present invention is pretreated with a primer composed of a specific component, and then adhered by using a (meth) acrylate-based photocurable adhesive composition, whereby the adhesiveness is improved. Significant improvements can be made. In particular, an excellent effect is exhibited in bonding human hard tissues such as teeth and bones, particularly dentin, which has been conventionally difficult to bond by containing a large amount of organic components. The adhesive of the present invention is also effective for bonding metals, ceramics, organic polymers and the like in addition to the above-mentioned bonding. Hereinafter, the present invention will be described in more detail with reference to the following Examples.
Examples are shown, but the present invention is not limited to these examples. (Meth) acrylate compounds used in the following Examples, Reference Examples and Comparative Examples are abbreviated as follows. Embedded image Reference Examples 1 to 9 and Comparative Example 1 Adhesion strength to dentin was measured using the primer of the present invention and a (meth) acrylate-based photocurable adhesive composition containing no vinyl monomer having an acidic group. Was done. The measuring method is as follows. The anterior bovine teeth were removed within 24 hours after slaughter, and dentin was cut out under water by using # 800 emery paper so as to be horizontal to the lips. Next, after blowing compressed air on the surface for about 10 seconds and drying, a paraffin wax with a hole of 4 mm in diameter is fixed to this dentin surface with a double-sided tape to form a simulated cavity having the surface as the bottom surface. did. A primer having a composition shown in Table 1 was applied to the surface, left for 60 seconds, dried by blowing compressed air, and subsequently a (meth) acrylate-based photocurable adhesive composition having the following composition: The product was applied, and then irradiated with light for 10 seconds using a commercially available visible light irradiator “White Light” (manufactured by Takara Labelmont). Further, a commercially available light-curable composite resin “PARF EQUILITE” (manufactured by Tokuyama Soda Co., Ltd.) was loaded thereon, pressed, and then irradiated with light again for 30 seconds to cure. After the composite resin was cured, the paraffin wax was removed, and the composite resin was left in water at 37 ° C. for 24 hours. A metal attachment was attached to each of the cow front teeth and the composite resin cured body, and the adhesion strength between the dentin and the photocurable adhesive composition was measured using a tensile tester (crosshead speed: 10 mm / min). . The composition of the photocurable adhesive composition is as follows. 2-hydroxyethyl methacrylate 28.3 parts by weight Bisphenol A diglycidyl methacrylate 26.6 {triethylene glycol dimethacrylate 45.1} camphorquinone 0.4 {ethyl p-dimethylaminobenzoate 0.6} hydroquinone monomethyl Ether 0.05% Table 1 shows the adhesive strength obtained by the above method and the adhesive strength when no primer was applied as a comparative example. [Table 1] Examples 1 to 16 and Comparative Examples 2 to 4 The primers of Reference Examples 3, 6 and 8 were used as reference materials except that the compositions shown below and in Table 2 were used as the photocurable adhesive composition. The adhesive force was measured in the same manner as in Examples 1 to 9. Vinyl monomer having acidic group X parts by weight Bisphenol A diglycidyl methacrylate 40 {triethylene glycol dimethacrylate 60-X} camphorquinone 0.4 {ethyl p-dimethylaminobenzoate 0.6} hydroquinone monomethyl ether 05〃 The adhesive strength obtained by the above method, and as a comparative example, the case where the primer does not contain the “vinyl monomer having at least one carboxyl group or its acid anhydride and a specific hydrophobic group” of the present invention; Table 2 also shows the adhesive strength when using a vinyl monomer that is not a monomer.
Shown in [Table 2] [Table 3] Examples 17 to 20 Using the primer of Example 1, the photocurable adhesive composition was changed to camphorquinone and ethyl p-dimethylaminobenzoate in the composition by photopolymerization shown in Table 3. The adhesive strength was measured in the same manner as in Example 1 except that a catalyst and a curing accelerator were used. Table 3 also shows the results. [Table 4] Examples 21 to 23 Using the primer of Example 1 and the vinyl monomer having an acidic group, the results are shown in Table 4 in place of bisphenol A diglycidyl methacrylate and triethylene glycol dimethacrylate in the photocurable adhesive composition. The adhesive strength was measured in the same manner as in Example 1 except that the (meth) acrylate compound was used. The results are shown in Table 4. [Table 5] Comparative Examples 5 to 7 Adhesion strength was measured in the same manner except that the primer of Reference Example 3 was used and the chemically curable adhesive composition shown in Table 5 was used instead of the photocurable adhesive composition. . Table 5 with the results
Shown in [Table 6]
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−323283(JP,A) 特開 平1−113057(JP,A) 特開 昭62−223289(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 6/00 C09D 4/00 C09D 5/00 C09J 4/02 ────────────────────────────────────────────────── ─── Continuation of the front page (56) References JP-A-4-323283 (JP, A) JP-A 1-113057 (JP, A) JP-A-62-223289 (JP, A) (58) Survey Field (Int.Cl. 7 , DB name) A61K 6/00 C09D 4/00 C09D 5/00 C09J 4/02
Claims (1)
少なくとも1個と、炭素数が2個以上であって、水素原
子の一部が水酸基又はカルボキシル基で置換されていて
もよいアルキレン基及び下記式 【化1】 で示される基よりなる群から選ばれるいずれかの疎水性
基とを有するビニルモノマーを含んでなるプライマー溶
液と、(b)下記式で表される酸性基を有するビニルモ
ノマー 【化2】 〔式中、R1はアルキル基または水素原子、R2は炭素
数2〜20の有機残基、lは1または2の整数、mは0
又は1の整数、nは1〜3の整数、Xはカルボキシル基
(l=2の場合、Xは酸無水基;−CO−O−CO−の
形で存在してもよい)、−OPOCl2基または−OP
O(OH)R3基(R3は水酸基、アリール基、アルコ
キシル基またはアリーロキシル基)を示す〕を含有し、
化学重合触媒を含まない(メタ)アクリレート系光硬化
型接着性組成物とからなる、人体硬組織用の医療用接着
材料。(57) [Claim 1] (a) At least one carboxyl group or an acid anhydride thereof, has two or more carbon atoms, and a part of hydrogen atoms is a hydroxyl group or a carboxyl group. And an alkylene group optionally substituted with the following formula: A primer solution comprising a vinyl monomer having any hydrophobic group selected from the group consisting of: and (b) a vinyl monomer having an acidic group represented by the following formula: [Wherein, R 1 is an alkyl group or a hydrogen atom, R 2 is an organic residue having 2 to 20 carbon atoms, 1 is an integer of 1 or 2, m is 0
Or the integer 1, n represents an integer of 1-3, X is (when l = 2, X is an acid anhydride group, may also be present in -CO-O-CO- form of) a carboxyl group, - OPOCl 2 Group or -OP
O (OH) R 3 group (R 3 represents a hydroxyl group, an aryl group, an alkoxyl group or an aryloxyl group)];
A medical adhesive material for human hard tissues, comprising a (meth) acrylate-based photocurable adhesive composition containing no chemical polymerization catalyst.
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