JP3486151B2 - 防水マイク - Google Patents

防水マイク

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JP3486151B2
JP3486151B2 JP2000129698A JP2000129698A JP3486151B2 JP 3486151 B2 JP3486151 B2 JP 3486151B2 JP 2000129698 A JP2000129698 A JP 2000129698A JP 2000129698 A JP2000129698 A JP 2000129698A JP 3486151 B2 JP3486151 B2 JP 3486151B2
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正孝 植木
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、雨、霧に曝される
などの高湿度な場所、風呂の中、粉塵の発生する工場、
気圧の低い高山、気圧の高い水中でも広い周波数帯に亘
って良好に集音することができる防水マイクロホン(以
下、防水マイクと略称する)に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えばコンデンサ形マイクは、ケ
ース内を音圧-電気信号変換部によって前後の室に仕切
っており、音圧-電気信号変換部は、板状の電極と、電
極周縁に配置されたスペーサとしてのOリングを介して
電極の前面全体を覆う薄い導電性の振動板とで構成さ
れ、電極と振動板の間に60〜200Vの直流電圧が印加さ
れる。そして、外部からケース前壁の開口を経て前室に
入る音波によって振動板が振動すると、電極と振動板と
の間の静電容量の変化が、抵抗の両端から音声信号とし
て得られ、この音声信号のインピーダンスをインピーダ
ンス変換増幅器で通常の値(200〜600Ω)に変換して出力
するようになっている。ケース内の前室が開口を経て外
気に連通しているのに対して、後室は、前方が振動板の
振動のために電極に設けられた貫通穴を経て上記Oリン
グで囲まれた隙間に連通するが、後方はケースの背壁に
よって外部から遮断されていて、上記隙間と後室は、外
気に対して密封された状態となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のコンデンサ
形マイクは、振動板と電極の間の僅かな隙間と後室が外
気から密封されているため、高湿度の環境で用いても隙
間や後室に水分が侵入する虞はない反面、後室の製造時
の圧力である大気圧に比べて圧力が高低する環境で用い
ると、振動板が没入して電極に接触したままとなった
り、突出して隙間が広がり過ぎたままとなって、正常な
集音ができなくなるという問題がある。そこで、振動板
と電極の間にスポンジなどの緩衝材を介装したコンデン
サ形マイクも試作されているが、振動板と電極の衝突音
を無くすことができず、相当な高圧では集音が不可能に
なるうえ、低圧環境には対応できず、抜本的な解決策に
はなっていない。また、上記従来のコンデンサ形マイク
のケース全体を弾性材料からなる防水カバーで覆えば、
湯気の充満する風呂場や水中で用いることもできるが、
水深が深くなって前室に高圧が加わるようになると、上
述の問題を避けることができない。
【0004】そこで、本発明の目的は、後室の圧力が前
室の静的圧力に等しくなるように振動板やケースの構造
を工夫することによって、そのまま気圧の低い高山や気
圧の高い高圧室で適用でき、ケース全体を防水カバーで
覆って水深の深い水中でも適用でき、しかも広い周波数
帯に亘って良好な集音を行なうことができる防水マイク
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明は、外部に連通する開口をも
つ前壁を有するケースと、板厚方向の連通穴を有して上
記ケース内を前室と後室に仕切る板状の電極と、この電
極の前方に隙間をあけて配置され、上記電極の前面を覆
う振動板を備えたコンデンサ形の防水マイクにおいて、
上記振動板および上記ケースの背壁に、貫通する絞り穴
を夫々設け、これらの絞り穴は、上記前室の動的圧力変
動を上記後室に実質的に伝えず、上記前室の静的圧力変
動を上記後室に実質的に伝えるようになっていることを
特徴とする。
【0006】請求項1の振動板とケース背壁に夫々絞り
穴を設けた防水マイクの設置場の圧力を、大気圧から漸
増または漸減、つまり静的に増減した場合、これに対応
して前室の圧力は静的に増減し、この増減が絞り穴を経
て後室に実質的に伝わって、後室の圧力は、前室の圧力
に等しくなる。一方、上記絞り穴は、集音すべき音声に
よる前室の動的圧力変動を後室に実質的に伝えないの
で、振動板は音声に応じて振動する。従って、振動板
は、従来の後室が密封されたコンデンサ形マイクと異な
り、没入して電極に接触したままになったり、突出して
電極との隙間が過度に広がったりせずに、音声に応じて
正常に振動するので、広い周波数帯に亘って良好な集音
を行なうことができる。
【0007】請求項2の防水マイクは、上記前室と上記
背壁の外部を連通するように上記ケースの壁に設けられ
た連通穴と、上記ケースを水密に覆う弾性材料からなる
防水カバーを備えたことを特徴とする。
【0008】請求項2の防水マイクを徐々に水中に沈め
ると、ケース全体が弾性材料からなる防水カバーで覆わ
れ、ケースの壁に前室と背壁の外部を連通する連通穴が
設けられているので、防水カバーが水深に応じた静水圧
を受けて圧縮される。すると、ケース内の空気圧は、上
記絞り穴および連通穴により上記静水圧の静的漸増に釣
合うように、前室、隙間、後室ともに均等に増加する。一
方、上記絞り穴は、集音すべき水中の音声による防水カ
バーを介する前室の動的圧力変動を、後室に実質的に伝
えないので、振動板は音声に応じて振動する。従って、
振動板は、従来の後室が密封されたコンデンサ形マイク
と異なり、没入して電極に接触したままになったり、突
出して電極との隙間が過度に広がったりせずに、音声に
応じて正常に振動するので、広い周波数帯に亘って良好
な集音を行なうことができる。ケース内の部材は、ケー
スが防水カバーで覆われているので、水に濡れないう
え、空気中の腐蝕性物質や粉塵の侵入が防がれる。従っ
て、この防水マイクは、水中のみならず、陸上の多湿ま
たは劣悪な環境でも用いることができる。
【0009】請求項3の防水マイクは、上記振動板が、
合成樹脂板に金属を蒸着するとともに、表面を永久帯電
させてなることを特徴とする。
【0010】請求項3の防水マイクは、振動板が表面を
永久帯電させた所謂エレクトレット材からなるので、電
極と振動板の間に印加していた直流電源が不要になるか
ら、小型、軽量化が図られる。また、外部雰囲気に接す
る振動板が金属を蒸着した合成樹脂板からなるので、ケ
ース全体を防水カバーで覆わなくとも、多少の湿気や腐
食環境でも用いることができる。
【0011】請求項4の防水マイクは、上記後室に、上
記振動板および電極を含む音圧-電気信号変換部のイン
ピーダンスを外部の出力側回路のインピーダンスに等し
くするインピーダンス変換のための電子回路を設けたこ
とを特徴とする。
【0012】請求項4の防水マイクの振動板および電極
を含む音圧-電気信号変換部の一般に高いインピーダン
スを外部の出力側回路の一般に低いインピーダンスに等
しくするので、音声を表わす電気信号は、エネルギ的に
最も効率よく出力側回路に伝えられる。従って、コンパ
クトな構成の防水マイクでもって、出力信号の伝送距離
が数百メータと長くなる高山や水中でも、良好な音声信
号を得ることができる。
【0013】請求項5の防水マイクは、上記電子回路
が、受信すべき周波数帯に応じた複数のイコライザを含
むとともに、上記ケース内に、圧力センサと、この圧力
センサの検出信号に基づいて上記イコライザを選択して
作動させる制御部とを設けたことを特徴とする。
【0014】請求項5の防水マイクでは、圧力センサ
が、例えば防水カバーを介して水深に応じて増加するケ
ース内の気圧を検出し、この検出信号に基づいて制御部
が、例えば水中会話の集音信号の周波数帯を、陸上で聴
かれるその音声の通常の周波数帯に変換するようなイコ
ライザを選んで作動させる。つまり、上記防水マイクで
は、選択された適正なイコライザによって、媒体によっ
て異なる音波伝達特性に起因する集音信号の特性の補正
や感度の補正を行なうことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示の実施の形態
により詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態の
コンデンサ形防水マイクを示す縦断面図である。この防
水マイクは、外部に連通する開口2を前壁1aにもつケ
ース1と、このケース1の背面を閉ざす背壁3と、ケー
ス1内を前室5と後室6に仕切る音圧-電気信号変換部
4を備えている。この音圧-電気信号変換部4は、空気
を流通させて振動板11を振動させるための複数の貫通
穴8をもつ板状の電極7と、ケース内面に接する電極7
の周縁に配置されたスペーサとしてのOリング9と、O
リング9による狭い隙間10をあけて電極7の前面全体
を覆う振動板11とからなる。
【0016】この振動板11および背壁3には、板厚方
向に貫通する絞り穴12,13を夫々設けている。これ
らの絞り穴12,13は、ケース1の外部および外部に
開口2を経て連なる前室5の音声等による動的圧力変動
を後室6に実質的に(有意に)伝えない一方、標高または
水深の徐々な増加等による外部および前室5の静的圧力
変動を後室6に実質的に(有意に)伝えるような直径に設
定されている。
【0017】上記振動板11は、合成樹脂板の表面を電
気処理によって永久帯電させた所謂エレクトレット材の
表面に金属を蒸着してなり、振動板11と電極7の間に
直流電力(成極電圧)を印加する必要がなくなるうえ、総
てが金属からなる振動板に比して湿気や腐食環境に強い
という利点を有する。後室6内には、前室に入ってくる
音声によって振動板11と電極7を含む音圧-電気信号
変換部4のインピーダンスを外部の出力側回路のインピ
ーダンスに等しくするためのインピーダンス変換のため
の電子回路14が、電極7と背壁3を繋ぐように設けら
れ、背壁3の外面には、音声信号の+,−の出力端子1
5,16が設けられている。
【0018】上記電子回路14は、図3の回路図に示す
ように、抵抗R1〜R7、容量C1〜C4およびエミッ
タフォロワをなす2段のトランジスタQ1,Q2を有し
て、音圧-電気信号変換部4から入力される微弱な電気
信号を増幅するとともに、音圧-電気信号変換部4の高
いインピーダンスを、出力端子15,16に繋がれる信
号線やスピーカの低いインピーダンスに等しくするもの
で、これにより防水マイクの出力インピーダンスは、10
0Ω以下に抑えられ、出力信号線が200m程度と長くなっ
ても、良好に音声信号を伝送できることが確かめられ
た。また、上記電子回路14は、+側の出力端子15を
音声-電気信号変換部4への電力供給線に兼用した2線
式伝送方式を用いているので、3線式よりも構成が簡素
化されるという利点がある。
【0019】上記構成の防水マイクは、次のように動作
する。例えば、防水マイクを高山に担ぎ上げるとか、徐
々に圧力が上昇する高圧室に置くとかして、ケース1の
外部の圧力を大気圧から漸減または漸増、つまり静的に
増減すると、開口2を経て外部と連通する前室5の圧力
は対応して静的に増減するが、この圧力の増減は、図1
中の矢印で示すように、振動板11の絞り穴12、背壁
3の絞り穴13および電極7の貫通穴8を経て後室6に
実質的に伝わって、後室6の圧力は、前室5の圧力に等
しくなる。一方、上記絞り穴12,13は、集音すべき
音声による外部および前室5の動的圧力変動を後室6に
実質的に伝えないので、振動板11は、ケース内の圧力
の大小に拘わらず音声に応じて振動する。つまり、振動
板11は、従来の後室が密封されたコンデンサ形マイク
のように外部の高圧で没入して電極7に接触したままに
なったり、外部の低圧で突出して電極7との隙間10が
過度に広がったりせずに、音声に応じて正常に振動す
る。従って、このコンデンサ形マイクによれば、高圧、
低圧環境下で従来のマイクでは集音できなかった広い可
聴周波数帯に亘って良好に集音を行なうことができる。
【0020】なお、絞り穴12,13の直径を小さくす
るほど、後室6の共振周波数が高くなるので、集音すべ
き音の周波数に応じて共振点を最適に設定すればよい。
また、外気温度が上昇または下降して外部と後室6との
間で圧力差が静的に変動する場合も、上述と同様の動作
により、広い可聴周波数帯に亘って良好に集音を行なう
ことができる。上記実施の形態のコンデンサ形マイク
は、振動板11が合成樹脂の表面を、例えば電気処理に
よって永久帯電させたエレクトレット材に金属膜を蒸着
させたものなので、振動板11と電極7の間の直流電源
が不要になって、小型化、簡素化を図れるうえ、総てが
金属からなる振動板に比して湿気や腐食環境に強いとい
う利点がある。また、このコンデンサ形マイクは、電子
回路によってインピーダンスを外部の出力側回路の低イ
ンピーダンスに整合させるので、出力信号の伝送距離が
数百メータと長くなる高山あるいはケース全体を防水カ
バーで覆えば水中でも、良好な音声信号を得ることがで
きるという利点がある。
【0021】図2は、本発明の他の実施の形態のコンデ
ンサ形防水マイクを示す縦断面図である。この防水マイ
クは、水中での使用を主目的として、ケース1の詳細構
造を変更し、ケース全体を防水カバーで覆い、電子回路
に部材を追加した点のみが図1の実施形態と異なるの
で、図1と同じ部材には同一番号を付している。即ち、
水圧による防水カバー19の収縮および収縮による形崩
れ防止を考慮して、ケース1の前壁の外面1bを中央の
開口2に向かって内側へ傾斜させるとともに、図1の背
壁3の外側にケース1の外壁となる第2の背壁17を設
ける一方、防水カバー19で覆われたケース1の前室5
と後室6を連通させるべく、ケース1の頂壁、底壁およ
び前壁に一端が開口2の周縁に、他端が背壁3の外部に
夫々開口する連通穴18を設けている。そして、このケ
ース1全体をポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル
等の弾性材料からなる防水カバー19で水密に覆ってい
る。なお、図2の防水マイクは、ケースの壁に上記連通
穴18を設けたので、振動板11の絞り穴12を省略す
ることもできる。
【0022】後室6内に設けられた電子回路20は、受
信すべき周波数帯に応じた複数のイコライザ21と、内
部の圧力を検出する圧力センサ22と、この圧力センサ
22の検出信号に基づいて上記イコライザ21を選択し
て作動させる制御部23とを図1の電子回路14に追加
している。上記イコライザ21は、図3の回路図のトラ
ンジスタQ1,Q2の間に介設、あるいはトランジスタQ
1に代えて設けられ、特定周波数帯の信号を通すバンド
パスフィルタを含むことができる。
【0023】上記制御部23は、圧力センサ22の検出
信号が表わす気圧に基づき、ケース1が大気中または水
中のいずれに置かれているかを判断し、前者の場合は、
大気中で用いられる通常のコンデンサ形マイク用のイコ
ライザを選択作動させ、後者の場合は、音波伝達媒体が
水になったことによる集音信号の周波数帯域の変化を音
波伝達媒体が大気の場合の周波数帯域に補正するような
イコライザを選択動作させる。つまり、音圧-電気信号
変換部4からの集音信号は、制御部23が選択した適正
なイコライザによって、水中の音波伝達特性に起因する
特性や感度の変化が通常の空中における特性や感度に補
正されるのである。
【0024】図2の防水マイクは、次のように動作す
る。防水マイクを徐々に水中に沈めると、ケース1全体
が弾性材料からなる防水カバー19で覆われているの
で、防水カバー19が水深に応じた静水圧を受けて圧縮
される。ケース1の前壁1bは内側に傾斜し、ケース1
の背面は第2の背壁17で閉ざされているので、防水カ
バー19は、余裕をもって収縮できるとともに、形崩れ
を起こさない。ケース1内の空気圧は、図2中の矢印で
示すように、振動板11の絞り穴12、電極7の貫通穴
8、背壁3の絞り穴13およびケース1の連通穴18に
よって、静水圧の静的漸増に釣合うように前室5、隙間
10、後室6共に均等に増加する。一方、上記絞り穴1
2,13は、集音すべき水中の音波による防水カバー1
9を介する前室5の動的圧力変動を、後室6に実質的に
伝えないので、振動板11は音波に応じて振動する。従
って、振動板11は、従来の後室が密封されたコンデン
サ形マイクと異なり、没入して電極7に接触したままに
なったり、突出して電極7との隙間10が過度に広がっ
たりせずに、音波に応じて正常に振動するので、広い周
波数帯に亘って良好な集音を行なうことができる。0.3m
m厚の防水カバー19を用いて実験したところ、水深7
0mに耐えることが確かめられ、従来のマイクにおける7
00Hz〜2kHzに比して5Hz〜40kHzと広範囲な周波数帯
において良好な集音を行なえることが確かめられた。
【0025】振動板11と電極7からなる音声-電気信
号変換部4で得られた電気信号は、後室6の電子回路2
0で増幅およびインピーダンス整合処理されるが、電子
回路20の圧力センサ22が、水深に対応する後室6の
内圧を検出し、この検出信号に基づいて制御部23が適
正なイコライザ21を選択作動させ、そのイコライザ2
1によって、上記電気信号の特性や感度が空気中におけ
る特性や感度に補正される。従って、出力端子15,1
6から出力される音声信号は、図1の防水マイクで述べ
たと同様、インピーダンス整合により、伝送距離が数百
メータと長くできるうえ、音声信号の再生音は、電気信
号の特性、感度の補正により、従来の高周波数側にシフ
トしていたものが大気中で聴かれる通常の周波数帯のも
のになる。
【0026】図2の防水マイクは、防水カバー19を取
り外して空気中でも勿論使用することができ、その場
合、制御部23によって圧力センサ22の検出信号に基
づき大気中用のイコライザ21が選択作動され、図1の
防水マイクで述べたと同様、広い可聴周波数帯に亘って
良好に集音ができるうえ、合成樹脂のエレクトレット材
に金属膜を蒸着させた振動板11により、小型化、簡素
化を図れ、湿気や腐食環境に強いという利点をもつ。上
記実施の形態の防水マイクは、これと同様の良好な集音
特性を複雑な構成で得る従来の防水マイクに比して、略
1/10のコストで製造することができる。
【0027】なお、電子回路20に負圧環境における集
音信号の特性、感度を補正するイコライザを設け、圧力
センサ22の負圧を表わす検出信号に基づき制御部23
によって上記イコライザを選択作動させるようにしても
よい。また、図3の1段目のトランジスタQ1は、集積
回路に置き換えることができる。
【0028】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、請求項1
の防水マイクは、ケース内を前室と後室に仕切る板状の
電極前面を隙間をおいて覆う振動板およびケースの背壁
に、前室の動的圧力変動を後室に実質的に伝えず、前室
の静的圧力変動を後室に実質的に伝える絞り穴を夫々設
けているので、振動板が外気圧の変動で従来のように没
入して電極に接触したままになったり、突出して電極と
の隙間が過度に広がったりせずに、音波に応じて正常に
振動し、広い周波数帯に亘って良好な集音を行なうこと
ができる。
【0029】請求項2の防水マイクは、前室と背壁の外
部を連通するようにケース壁に連通穴を設け、ケースを
弾性材料からなる防水カバーで覆っているので、ケース
内への水の侵入を防ぎつつ、上記連通穴のお陰で、振動
板が外気圧の変動で従来のように没入して電極に接触し
たままになったり、突出して電極との隙間が過度に広が
ったりせずに、音波に応じて正常に振動し、広い周波数
帯に亘って良好な集音を行なうことができるうえ、空気
中においては湿気の多い環境や腐蝕性雰囲気中でも良好
に用いることができる。
【0030】請求項3の防水マイクは、振動板が合成樹
脂板の表面を永久帯電させ、かつ上記表面に金属を蒸着
させてなるので、電極と振動板の間に印加する直流電源
が不要になって小型、軽量化が図れるとともに、防水カ
バーが無くとも多少の湿気や腐食性環境下でも良好に用
いることができる。
【0031】請求項4の防水マイクは、振動板と電極を
含む音圧-電気信号変換部のインピーダンスを外部の出
力側回路のインピーダンスに等しくするインピーダンス
変換のための電子回路を後室に設けているので、音圧-
電気信号変換部の一般に高いインピーダンスを外部の出
力側回路の一般に低いインピーダンスに等しくできて、
音声を表わす電気信号がエネルギ的に最も効率よく出力
側回路に伝えられ、長い伝送距離でも良好な音声信号を
得ることができる。
【0032】請求項5の防水マイクは、上記電子回路
が、受信すべき周波数帯に応じた複数のイコライザを含
むとともに、上記ケース内に、圧力センサと、この圧力
センサの検出信号に基づいて上記イコライザを選択して
作動させる制御部とを設けているので、圧力センサの検
出信号の表わすケース内圧に応じて、制御部が適切なイ
コライザを選んで作動させ、音波伝達媒体によって異な
る音波伝達特性に起因する集音信号の特性の補正や感度
の補正が行なわれるから、水中で発せられた音を恰も大
気中で発せられた音のように集音することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態のコンデンサ形防水マイク
を示す縦断面図である。
【図2】 本発明の他の実施形態のコンデンサ形防水マ
イクを示す縦断面図である。
【図3】 図1のコンデンサ形防水マイクの電子回路の
一例を示す回路図である。
【符号の説明】
1 ケース 1a 前壁 2 開口 3 背壁 4 音圧-電気信号変換部 5 前室 6 後室 7 電極 8 貫通穴 9 Oリング 10 隙間 11 振動板 12,13 絞り穴 14,20 電子回路 15,16 出力端子 17 第2の背壁 18 連通穴 19 防水カバー 21 イコライザ 22 圧力センサ 23 制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04R 1/00 321 H04R 3/00 320 H04R 19/01 H04R 19/04

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外部に連通する開口をもつ前壁を有する
    ケースと、板厚方向の連通穴を有して上記ケース内を前
    室と後室に仕切る板状の電極と、この電極の前方に隙間
    をあけて配置され、上記電極の前面を覆う振動板を備え
    たコンデンサ形の防水マイクにおいて、 上記振動板および上記ケースの背壁に、貫通する絞り穴
    を夫々設け、これらの絞り穴は、上記前室の動的圧力変
    動を上記後室に実質的に伝えず、上記前室の静的圧力変
    動を上記後室に実質的に伝えるようになっていることを
    特徴とする防水マイク。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の防水マイクにおいて、
    上記前室と上記背壁の外部を連通するように上記ケース
    の壁に設けられた連通穴と、上記ケースを水密に覆う弾
    性材料からなる防水カバーを備えたことを特徴とする防
    水マイク。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の防水マイクに
    おいて、上記振動板は、合成樹脂板に金属を蒸着すると
    ともに、表面を永久帯電させてなることを特徴とする防
    水マイク。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか1つに記載の
    防水マイクにおいて、上記後室に、上記振動板および電
    極を含む音圧-電気信号変換部のインピーダンスを外部
    の出力側回路のインピーダンスに等しくするインピーダ
    ンス変換のための電子回路を設けたことを特徴とする防
    水マイク。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の防水マイクにおいて、
    上記電子回路は、受信すべき周波数帯に応じた複数のイ
    コライザを含むとともに、上記ケース内に、圧力センサ
    と、この圧力センサの検出信号に基づいて上記イコライ
    ザを選択して作動させる制御部とを設けたことを特徴と
    する防水マイク。
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