JP3484173B2 - 静電アクチュエータ及びこれを用いたカメラモジュール - Google Patents

静電アクチュエータ及びこれを用いたカメラモジュール

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JP3484173B2 JP2001335851A JP2001335851A JP3484173B2 JP 3484173 B2 JP3484173 B2 JP 3484173B2 JP 2001335851 A JP2001335851 A JP 2001335851A JP 2001335851 A JP2001335851 A JP 2001335851A JP 3484173 B2 JP3484173 B2 JP 3484173B2
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章浩 古賀
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、静電気力を利用
して一対の固定子の間に配置された可動子を駆動する静
電アクチュエータに係り、特に、可動子への電気配線を
不要とした静電アクチュエータ及びこれを焦点調節機構
に用いたカメラモジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】一対の固定子の間に可動子を配置し、そ
の可動子を静電気力(クーロンカ)により駆動する静電
アクチュエータは、例えば、特開平8−140367号
公報に開示されている。この従来の静電アクチュエータ
は、対向して配置された第1固定子及び第2固定子と、
これらの固定子間に設けられた可動子からなる。第1固
定子及び第2固定子には、長手方向に沿って所定ピッチ
で複数の電極を配列してなる第1電極アレイ及び第2電
極アレイがそれぞれ配列される。但し、第1電極アレイ
の電極と第2電極アレイの電極は、互いに位相を1/2
ピッチ分ずらして配列されている。
【0003】さらに詳しくは、第1電極アレイ及び第2
電極アレイは、その配列方向において2個周期(1個お
き)毎の電極を1グループとした、4つのグループA,
B,C,Dに仮想的に分割され、グループ単位で可動子
上の電極との間に直流電圧が印加される構成となってい
る。
【0004】この静電アクチュエータでは、(1)第1
電極アレイと可動子に設けられた電極との間に直流電圧
を印加することで、可動子を静電気力により第1固定子
側に吸引させ、次に(2)第2電極アレイと可動子に設
けられた電極との間に直流電圧を印加することで、可動
子を第2固定子側に吸引する、という2つの駆動動作が
交互に繰り返される。
【0005】このような駆動動作により、可動子は、微
視的には第1固定子と第2固定子との間で上下振動をし
ながら、巨視的には電極アレイの1/2ピッチずつ固定
子の長手方向に順次移動される。ここで、可動子の移動
方向は、グループA,B,C,Dの電極に直流電圧を印
加する順序に従って決定される。
【0006】この従来の静電アクチュエータでは、固定
子上の電極アレイと可動子上の電極との間に直流電圧を
印加したときの静電気力を利用することから、固定子上
の電極アレイのみならず、可動子上の電極も電気配線す
ることが必須である。この可動子への電気配線のため、
アクチュエータの量産性が損なわれ、また、配線のため
のスペースが必要となってアクチュエータの小型化に不
利となる問題がある。さらに、可動子の頻繁な移動によ
り可動子上の電極への配線にストレスが加わるため、長
期の使用によっては信頼性という点でも問題がある。
【0007】また、従来の静電アクチュエータにおいて
は、固定子上の電極アレイと可動子上の電極との間に直
流電圧を印加したとき、電極上に絶縁破壊の対策のため
に形成された誘電体膜に誘電分極が発生し、この誘電分
極により一方の固定子側に吸引された可動子を固定子上
に引きつけたままにしようとする作用力が働く。誘電分
極は、電位としては微小であるが、可動子と固定子間の
距離が短いため、この作用力は、他方の固定子上の電極
と可動子上の電極間の静電気力による作用力よりも相対
的に大きくなることがあり、可動子の正常な移動動作を
妨げる要因となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、固定
子上の電極アレイと可動子上の電極との間に直流電圧を
印加したときの静電気力を利用して可動子を移動させる
従来の静電アクチュエータにおいては、可動子上の電極
への電気配線が必須であるため、量産性の低下、配線の
ための占有スペースによるアクチュエータの大型化を招
き、また信頼性という点でも問題がある。
【0009】さらに、従来の静電アクチュエータにおい
ては、電極上に絶縁破壊対策のために形成された誘電体
膜に生じる誘電分極の影響により、可動子の移動動作が
不安定となるおそれがあるという問題点もある。
【0010】この発明の目的は、可動子への電気配線を
不要とした静電アクチュエータを提供することにある。
【0011】また、この発明の他の目的は、電極上に形
成された誘電体膜の誘電分極による影響を除去して安定
した動作を実現できる静電アクチュエータを提供するこ
とにある。
【0012】さらに、この発明の別の目的は、このよう
な静電アクチュエータを焦点調節機構に用いたカメラモ
ジュールを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明に係る静電アクチュエータは、第1方向も
しくは、第1方向及びこれと直交する第2方向に所定ピ
ッチで配列された複数の電極からなる第1電極アレイを
有する第1固定子と、第1固定子に対向して設けられ、
第1方向及びこれと直交する第2方向の少なくとも一方
の方向に所定ピッチで配列された複数の電極からなる第
2電極アレイを有する第2固定子と、第1固定子と第2
固定子との間に配置され、少なくとも第1電極アレイ及
び第2電極アレイにそれぞれ対向する位置に第3電極及
び第4電極を有する可動子と、第1電極アレイ及び第2
電極アレイに接続された駆動回路とを有する。
【0014】駆動回路は、第1電極アレイの第1方向及
び第2方向のいずれかの方向に並んだ電極間に第1直流
電圧を印加する第1駆動動作と、第2電極アレイの第1
方向及び第2方向のいずれかの方向に並んだ電極間に第
2直流電圧を印加する第2駆動動作とを交互に、かつ第
1駆動動作により第1直流電圧を印加する電極の位置を
第1方向に順次ずらして繰り返し行うように構成され
る。
【0015】このように構成されたこの発明の静電アク
チュエータでは、第1固定子上の第1電極アレイ、第2
固定子上の第2電極アレイのいずれにおいても、隣接す
る電極間に直流電圧が印加されることで発生する静電気
力を利用して、可動子上の第3電極及び第4電極を通る
電気力線が縮もうとする作用により可動子を交互に吸引
するため、第3電極及び第4電極はフローティング電極
でよく、配線を行う必要がない。従って、量産性の向上
とアクチュエータの小型化に有利となり、可動子の移動
により配線にストレスが加わることによる信頼性の低下
という問題も解決される。
【0016】さらに、駆動回路が第1及び第2直流電圧
を同一電極に対して交互に極性反転するように印加すれ
ば、第1電極アレイ及び第2アレイ電極アレイ上に絶縁
破壊対策として誘電体膜を設けた場合でも、その誘電体
膜の誘電分極による帯電をキャンセルして、誘電分極に
よる可動子の移動動作の不安定化を防止することが可能
となる。
【0017】また、この発明によれば、このような静電
アクチュエータを焦点調節機構に用いたカメラモジュー
ルが提供される。このカメラモジュールは、例えば少な
くとも撮像素子を実装した基板上に上述の静電アクチュ
エータを設け、この静電アクチュエータの可動子に撮像
素子への入射光路に配置されるレンズを一体に設けて構
成される。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照してこの発明の
実施の形態を説明する。
【0019】(第1実施形態)図1(a)及び図1
(b)は、この発明の第1実施形態に係る静電アクチュ
エータの構成を示す図である。ここで、図1(a)は、
長手方向(X方向)に沿う静電アクチュエータの断面
図、図1(b)は、長手方向に直交する方向(Y方向)
に沿う静電アクチュエータの断面図である。また、図2
は、第1固定子及び第2固定子上の電極アレイの平面形
状と駆動回路の内部構成を示している。この静電アクチ
ュエータは、互いに対向して配置された第1固定子1及
び第2固定子2と、第1固定子1と第2固定子2の間に
配置されたY方向に沿って移動可能な可動子3と及び駆
動回路4から構成される。
【0020】第1固定子1は、絶縁性基板11と、この
基板11上に形成された第1電極アレイ12と、電極ア
レイ12上に形成された誘電体膜13からなる。第1電
極アレイ12は、図2に示されるように多数の短冊状の
電極を基板11の長手方向(第1方向=X方向)に沿っ
て所定ピッチPで一列に配列して構成されている。第1
電極アレイ12は、電極配列方向(X方向)に第1、第
2、第3及び第4電極からなる電極グループが等周期並
びに等間隔で配列されている。以下の説明において説明
を簡略にするために、第1、第2、第3及び第4電極
は、夫々A電極12A、B電極12B、C電極12C及
びD電極12Dと称し、図面中にもその配線に符号A、
B、C、Dを付してその接続関係を明瞭にしている。
【0021】図1(a)から明らかなようにA電極12
Aは、配線14Aによって共通接続され、駆動回路4に
接続されている。同様に、B電極12Bは、配線14B
によって共通接続され、駆動回路4に接続され、C電極
12Cは、配線14Cによって共通接続され、駆動回路
4に接続され、D電極12Dは、配線14Dによって共
通接続され、駆動回路4に接続されている。配線14
A、14B、14C、14Dは、絶縁層を介して二層配
線、即ち、立体配線され、その各一端は、駆動回路4に
接続される。
【0022】第2固定子2は、絶縁性基板21と、この
基板21上に被着された第2電極アレイ22と、電極ア
レイ22上に被着された誘電体膜23からなる。第2電
極アレイ22は、図2に示されるように2個の帯状の電
極(この明細書において、M,N電極と称する。)22
M,22Nを基板11の長手方向(第1方向=X方向)
と直交する方向(第2方向=Y方向)に所定の間隔を存
して、X方向に沿って形成される。M電極22M及びN
電極22Nは、駆動回路4に接続される。
【0023】第1固定子1及び第2固定子2上には、夫
々誘電体膜13,23が形成されている。誘電体膜13
は、第1電極アレイ12の電極間を絶縁すると共に第1
電極アレイ12の電極と可動子3上の第5電極33とを
絶縁するために設けられている。同様に、誘電体膜23
は、第2電極アレイ22の電極間を絶縁すると共に電極
アレイ22の各電極と可動子3上の第6電極34とを絶
縁するために設けられている。
【0024】一般に、静電アクチュエータにおいて、電
極上に誘電体膜が設けられる場合には、誘電体膜の誘電
分極の影響によって、可動子の移動動作が不安定となる
おそれがある。しかしながら、本実施形態では、後に詳
述するように電極への電圧印加パターンを工夫すること
により、このような問題が解決される。
【0025】可動子3は、その内部が中空の直方体の絶
縁性基体31で形成されている。この絶縁性基体31
は、第1固定子1上の第1電極アレイ12に対向する側
に凸部32を有し、第1電極アレイ12に対向するこの
凸部32の面上には、第5電極33が被着され、第2固
定子2上の第2電極アレイ22に対向する凸部32の面
上には、第6電極34が被着されている。この可動子3
は、第1固定子1と第2固定子2との間の移動空間に図
1(a)の左右方向(X方向)に移動可能に配置されて
いる。図1(a)に示されるように、可動子3の移動方
向(X方向)に沿った凸部32の電極面の寸法(幅L)
は、X方向における各電極12A,12B,12C,1
2Dの寸法(幅Wa)に対して1.5〜2.0倍程度に
定められている。一方、第5電極33及び第6電極34
は、駆動回路4に接続されず、電気的に浮いた状態、い
わゆるフローティング電極とされている。
【0026】駆動回路4は、図2に示されるように二つ
の直流電圧源41,42を有し、直流電圧源41,42
からの直流電圧信号をスイッチングして矩形波電圧信号
を発生する二つのスイッチ回路43,44及びスイッチ
回路43,44からの矩形波電圧信号の出力を制御する
スイッチ制御回路45を含んでいる。第1電極アレイ1
2を直流電圧源41に配線14を介して接続するスイッ
チ回路43は、入力端子及び出力端子を有し、入力端子
に与えられるスイッチ制御回路45からの制御信号によ
り出力端子からの出力が制御される。同様に直流電圧源
42を備えたスイッチ回路44には、第2電極アレイ2
2が配線24を介して接続されている。即ち、M電極2
2Mが配線24Mを介してスイッチ回路44に接続さ
れ、N電極22Nが配線24Nを介してスイッチ回路4
4に接続されている。また、このスイッチ回路44は、
入力端子及び出力端子を有し、入力端子に与えられるス
イッチ制御回路45からの制御信号により出力端子から
の出力が制御される。スイッチ制御回路45は、例えば
静電アクチュエータに動作指令を与える図示しないホス
トコンピュータからの駆動指令信号S1及び方向指示信
号S2に従ってスイッチ回路43,44を制御するよう
に構成されている。
【0027】以下、図3(a)〜3(f)に示すタイム
チャート及び図4〜図7を参照して本実施形態の静電ア
クチュエータの動作を説明する。ここで、図3(a)〜
3(f)は、A電極12A,B電極12B,C電極12
C,D電極12D,M電極12M,N電極22Nに印加
される電圧波形を示し、図4〜図7は、可動子の動作状
態の遷移を示している。
【0028】動作の開始にあっては、駆動回路4をアク
ティブにする為にスイッチ制御回路45に駆動指令信号
S1が入力され、図1(a)中で右或いは左方向への可
動子3の移動を指示する方向指示信号S2が入力され
る。尚、以下の説明では、特記しない限り、可動子3が
右方向に移動されるものとして説明する。
【0029】この駆動指令信号S1及び方向指示信号S
2に応答して、図3(a)及び図3(b)に示すように
直流電圧源41からスイッチ回路43を介してA電極1
2Aに正の電圧、B電極12Bに負の電圧が一定の期間
T1の間印加される。このときA電極12A、第5電極
33、B電極12Bで構成される回路は、等価的に2つ
のキャパシタを含む直列回路に相当し、図4に示すよう
にA電極12A、第5電極33、B電極12Bの経路で
電気力線E1が生じる。電気力線E1は、できるだけ縮
もうとするので、A電極12A及びB電極12Bと第5
電極33との間に静電吸引力が働き、可動子3は、第1
固定子1側に移動する。
【0030】次に、図3(e)及び図3(f)に示すよ
うに直流電圧源42からスイッチ回路44を介して期間
T2の間、M電極22Mに正の電圧、N電極22Nに負
の電圧が印加される。このときM電極22M、第6電極
34、N電極22Nで構成される回路は、等価的に2つ
のキャパシタを含む直列回路に相当し、図5に示すよう
にM電極22M、第6電極34、N電極22Nの経路で
電気力線E2が生じる。この電気力線E2もできるだけ
縮もうとするので、M電極22M及びN電極22Nと第
6電極34との間に静電吸引力が働き、可動子3は、第
2固定子2側に移動する。
【0031】次に、図3(b)及び図3(c)に示すよ
うにB電極12Bに正の電圧、C電極12Cに負の電圧
が期間T3の間印加され、図6に示されるようにこれに
よりB電極12B、第5電極33、C電極12Cの経路
で電気力線E3が発生し、B電極12B及びC電極12
Cと第5電極33との間に静電吸引力が働き、可動子3
は、第1固定子1側に移動する。ここで、第1電極アレ
イ12の電圧が印加されるB電極12B,C電極12C
は、先に期間T1において電圧が印加されたA電極12
A,B電極12Bに対して1ピッチ(P)分ずれて配置
されている。従って、可動子3は、第1固定子2側に移
動する際に1ピッチP分だけ右方向へ移動することにな
る。
【0032】次に、図3(e)及び3(f)に示される
ようにN電極22Nに正の電圧、M電極22Mに負の電
圧が期間T4の間印加され、図7に示されるようにこれ
によりN電極22N、第6電極34、M電極22Mの経
路で電気力線E4が発生し、M電極22M及びN電極2
2Nと第6電極34との間に静電吸引力が働き、可動子
3は、第2固定子2側に移動する。
【0033】以下、期間T5の間に図3(c)及び図3
(d)に示されるようにC電極12Cに正の電圧、D電
極12Dに負の電圧が印加され、次に図3(e)及び図
3(f)に示されるように期間T2と同様に期間T6の
間にM電極22Mに正の電圧、N電極22Nに負の電圧
が印加される。次に、期間T7の間に図3(d)及び図
3(a)に示されるようにD電極12Dに正の電圧、A
電極12Aに負の電圧が印加され、次に期間T4と同様
に期間T8の間に図3(e)及び図3(f)に示される
ようにN電極22Nに正の電圧、M電極22Mに負の電
圧が印加されるという動作が順次行われ、期間T1〜T
8で1周期Tの動作が終了する。
【0034】このような動作により、可動子3は、微視
的には第1固定子1と第2固定子2間で振動しながら、
巨視的には第1固定子1上の電極アレイ12の電極配列
方向(X方向)、この例では、図1で右方向に順次1ピ
ッチPずつ移動する。
【0035】また、図1(a)中で左方向への移動を指
示する方向指示信号S2が入力された場合には、図3
(a)〜3(f)において期間T8から期間T1に向か
うように、上記と逆の電圧印加パターンで、D電極12
D、A電極12A間、M電極12M,N電極22N間、
C電極12C、D電極12D間、N電極22N、M電極
12M間、B電極12B、C電極12C間、M電極12
M,N電極22N間、A電極12A、B電極12B間、
N電極22N、M電極12M間に、順次直流電圧が印加
されることにより、可動子3は、微視的には第1固定子
1と第2固定子2間で振動しながら、巨視的には図1
(a)で左方向に順次移動することになる。
【0036】上述した本実施形態の静電アクチュエータ
では、第1固定子1上の第1電極アレイ12及び第2固
定子2上の第2電極アレイ22のいずれにおいても、隣
接する電極間に直流電圧が印加されることで発生する静
電気力を利用して可動子3が交互に吸引される。即ち、
可動子3上の第5電極33及び第6電極34を通る電気
力線が縮もうとする作用により可動子3が交互に吸引さ
れる。このような作用では、可動子3上の第5電極33
及び第6電極34は、フローティング電極でよく、これ
らの電極33,34に駆動回路4から配線を行う必要が
ない。従って、量産性の向上とアクチュエータの小型化
に有利となる。また、可動子3の移動により配線にスト
レスが加わることによる信頼性の問題を解消することが
できる。
【0037】さらに、本実施形態では、一つの電極に注
目すると、印加される直流電圧の極性が交互に反転され
ている。例えば、A電極12Aは、期間T1では、正の
電圧が印加され、次の期間T3では負の電圧が印加され
る。B電極12B,C,D及びM,N電極22M,22
Nについても同様である。このような電圧の印加によっ
て、絶縁破壊対策として設けられた誘電体膜13,23
の誘電分極による帯電が逆極性の電圧印加によりキャン
セルされるので、誘電分極による可動子3の移動動作の
不安定化を防止することが可能となる。
【0038】なお、本実施形態では、可動子3上の第6
電極34が絶縁性基体31の平面上に形成されている。
この変形実施形態として、第2固定子2上の第2電極ア
レイ22を構成するM電極22M及びN電極22Nに対
応させて、絶縁性基体31の底面に凸面を設け、その凸
面上に第6電極34を形成してもよい。また、可動子3
の全体を導電性部材で構成し、A電極12A、B電極1
2B,C電極12C,D電極12Dに対向する部分及び
M電極12M,N電極22Nに対向する部分を第5電極
33及び第6電極34として機能させるようにしても良
い。この点は、後述する他の実施形態においても同様で
ある。
【0039】(第2実施形態)図8及び図9は、この発
明の第2実施例に係る静電アクチュエータの構造を概略
的に示す断面図及び第1固定子及び第2固定子上の電極
アレイの平面形状と駆動回路のブロックを示している。
図1(a)及び図1(b)並びに図2に示した静電アク
チュエータは、第1固定子1で可動子3に対して推進力
が与えられるいわゆる片側推進タイプであるに対して図
8及び図9に示される静電アクチュエータは、第1固定
子1のみならず第2固定子2でも可動子3に対して推進
力が与えられるいわゆる両側推進タイプを示している。
【0040】この図8及び図9に示される静電アクチュ
エータは、図2に示される第1固定子1と同様の構造を
有する第1固定子1を備えるとともに、第1固定子と同
様に多数の短冊状の電極22を基板11の長手方向(第
1方向=X方向)に沿って所定ピッチPで一列に配列
し、第1固定子1と略同様の構造を有する第2固定子2
を有している。第2固定子2は、電極アレイ22の配列
が第1固定子1の電極アレイの配置に対してP/2ピッ
チだけずらされて配置されている。また、第2固定子2
では、E電極22Eは、配線24Eによって共通接続さ
れ、駆動回路4に接続されている。F電極22Fは、配
線24Fによって共通接続され、駆動回路4に接続さ
れ、G電極22Gは、配線24Gによって共通接続さ
れ、駆動回路4に接続され、H電極22Hは、配線24
Hによって共通接続され、駆動回路4に接続されてい
る。配線24は、絶縁層を介して二層配線、即ち、立体
配線され、その各一端は、駆動回路4に接続される。
【0041】また、図8に示される可動子3は、図1
(a)に示す可動子と同様の構造を有し、第1固定子1
上の電極アレイ12に対向する側に凸部32を有し、電
極アレイ12に対向するこの凸部32の面上には、第5
電極33が被着され、第2固定子2上の電極アレイ22
に対向する凸部32を有し、電極アレイ12に対向する
この凸部32の面上には、第6電極34が被着されてい
る。第5電極33及び第6電極34は、駆動回路4に接
続されず、電気的に浮いた状態、いわゆるフローティン
グ電極とされている。
【0042】駆動回路4は、図9に示されるように二つ
の直流電圧源41,42を有し、直流電圧源41,42
からの直流電圧信号をスイッチングして矩形波電圧信号
を発生する二つのスイッチ回路43,44及びスイッチ
回路43,44からの矩形波電圧信号の出力を制御する
スイッチ制御回路45を含んでいる。直流電圧源41に
第1電極アレイ12が配線14を介して接続されるスイ
ッチ回路43は、入力端子及び出力端子を有し、入力端
子に与えられるスイッチ制御回路45からの制御信号に
より出力端子からの出力が制御される。同様に直流電圧
源42に第2電極アレイ22が配線24を介して接続さ
れるスイッチ回路44は、入力端子及び出力端子を有
し、入力端子に与えられるスイッチ制御回路45からの
制御信号により出力端子からの出力が制御される。スイ
ッチ制御回路45は、例えば図示しないホストコンピュ
ータからの駆動指令信号S1及び方向指示信号S2に従
ってスイッチ回路43,44を制御するように構成され
ている。
【0043】以下、図10(a)〜図10(h)に示す
タイムチャート及び図11を参照して本実施形態の静電
アクチュエータの動作を説明する。ここで、図10
(a)〜図10(h)は、A電極12A,B電極12
B,C電極12C,D電極12D,E電極12E、F電
極12F、G電極12G、H電極22Hに印加される電
圧波形を示し、図11は、可動子の動作状態の遷移を示
している。
【0044】動作の開始にあっては、駆動回路4をアク
ティブにする為にスイッチ制御回路45に駆動指令信号
S1が入力され、図8中で右或いは左方向への可動子3
の移動を指示する方向指示信号S2が入力される。尚、
以下の説明では、特記しない限り、可動子3が右方向に
移動されるものとして説明する。
【0045】この駆動指令信号S1及び方向指示信号S
2に応答して、図10(a)及び図10(b)に示すよ
うに直流電圧源41からスイッチ回路43を介してA電
極12Aに正の電圧、B電極12Bに負の電圧が一定の
期間T1の間印加される。このときA電極12A、第5
電極33、B電極12Bで構成される回路は、等価的に
2つのキャパシタを含む直列回路に相当し、図11に示
すようにA電極12A、第5電極33、B電極12Bの
経路で電気力線E1が生じる。電気力線E1は、できる
だけ縮もうとするので、A電極12A及びB電極12B
と第5電極33との間に静電吸引力が働き、可動子3
は、第1固定子1側に移動する。
【0046】次に、図10(g)及び10(h)に示す
ように直流電圧源42からスイッチ回路44を介して期
間T2の間、G電極22Gに正の電圧、H電極22Hに
負の電圧が印加される。このときG電極22G、第6電
極34、H電極22Hで構成される回路は、等価的に2
つのキャパシタを含む直列回路に相当し、同様にG電極
22G、第6電極34、H電極22Hの経路で電気力線
が生じる。この電気力線もできるだけ縮もうとするの
で、G電極22G及びH電極22Hと第6電極34との
間に静電吸引力が働き、可動子3は、第2固定子2側に
移動する。ここで、第1電極アレイ12の電圧が印加さ
れるG電極22G,H電極22Hは、先に期間T1にお
いて電圧が印加されたA電極12A,Bに対してが1/
2ピッチ(P)分ずれて配置されている。従って、可動
子3は、第1固定子2側に移動する際に1/2ピッチP
分だけ右方向へ移動することになる。
【0047】次に、図10(b)及び図10(c)に示
すようにB電極12Bに正の電圧、C電極12Cに負の
電圧が期間T3の間印加され、これによりB電極12
B、第5電極33、C電極12Cの経路で電気力線E3
が発生し、B電極12B及びC電極12Cと第5電極3
3との間に静電吸引力が働き、可動子3は、第1固定子
1側に移動する。ここで、第1電極アレイ12の電圧が
印加されるB電極12B,C電極12Cは、先に期間T
1において電圧が印加されたA電極12A,Bに対して
が1ピッチ(P)分ずれて配置されている。従って、可
動子3は、第1固定子2側に移動する際に1ピッチP分
だけ右方向へ移動することになる。
【0048】次に、図10(e)及び図10(h)に示
されるようにH電極22Hに正の電圧、E電極22Eに
負の電圧が期間T4の間印加され、これによりH電極2
2H、第6電極34、E電極22Eの経路で電気力線が
発生し、H電極22H及びE電極22Eと第6電極34
との間に静電吸引力が働き、可動子3は、第2固定子2
側に移動する。
【0049】以下、期間T5の間に図10(c)及び図
10(d)に示されるようにC電極12Cに正の電圧、
D電極12Dに負の電圧が印加され、次に図10(e)
及び図10(f)に示されるように期間T6の間にE電
極22Eに正の電圧、F電極22Fに負の電圧が印加さ
れる。次に、期間T7の間に図10(d)及び図10
(a)に示されるようにD電極12Dに正の電圧、A電
極12Aに負の電圧が印加され、次に期間T8の間に図
10(f)及び図10(g)に示されるようにF電極2
2Fに正の電圧、G電極22Gに負の電圧が印加される
という動作が順次行われ、期間T1〜T8で1周期Tの
動作が終了する。
【0050】このような動作により、可動子3は、微視
的には第1固定子1と第2固定子2間で振動しながら、
巨視的には第1固定子1上の電極アレイ12の電極配列
方向(X方向)、この例では、図8で右方向に移動す
る。
【0051】また、図8中で左方向への移動を指示する
方向指示信号S2が入力された場合には、図10(a)
〜図10(h)において期間T8から期間T1に向かう
ように、上記と逆の電圧印加パターンで、D電極12
D、A電極12A間、F電極22F,G電極22G間、
C電極12C、D電極12D間、E電極22E、F電極
22F間、B電極12B、C電極12C間、H電極22
H,E電極22E間、A電極12A、B電極12B間、
G電極22G、H電極22H間に、順次直流電圧が印加
されることにより、可動子3は、微視的には第1固定子
1と第2固定子2間で振動しながら、巨視的には図8で
左方向に順次移動することになる。
【0052】(第3の実施形態)第1実施形態では、第
1固定子1上の第1電極アレイ12を可動子3の移動方
向(第1方向=X方向)に一列に配列し、第1電極アレ
イ12のX方向において隣接する電極間に直流電圧を印
加している。これに対して、第2実施形態では、図12
に示されるように2列の第1電極アレイ12−1,12
−2が第1方向(X方向に)沿って並べられ、この第1
方向(X方向に)に直交する方向(第2方向=Y方向)
では、第1電極アレイ12−1,12−2間に所定の間
隔が空けられている。この第3実施形態では、これらの
各電極列間、すなわちY方向において隣接した電極間に
直流電圧が印加される。このように第3実施形態では、
固定子上の電極配列及び電圧の印加方法が第1実施形態
と異なっている。
【0053】図12は、この発明の第3実施形態に係る
静電アクチュエータにおける第1固定子1上の第1電極
アレイ12を示す平面図である。同図12に示されるよ
うに、第1電極アレイ12は、所定のピッチPで配列さ
れた電極12A+,12B+,12C+,12D+からなる
電極列12−1及び−電極12A−,12B−,12C
−,12D−からなる電極列12−2を有する。一方、
第2固定子2上の第2電極アレイ22については、第1
実施形態と同様、図2に示されるように2個の帯状の
M,N電極22M,22Nが所定の間隔空けて基板21
の長手方向(X方向)に沿って延出されている。可動子
3には、第1電極アレイ12の電極列12−1及び電極
列12−2にそれぞれ対応して前述した第5電極33が
2列設けられる。
【0054】尚、上述した符号に付した付記符号+及び
−は、電気の分野における電位の+及び−を意味せず、
一方の符号+を付した電極の電位がプラスであれば、他
方の符号−を付した電極の電位がマイナスとなり、ま
た、その逆に、一方の符号+を付した電極の電位がマイ
ナスであれば、他方の符号−を付した電極の電位がプラ
スとなる関係を意味している。
【0055】また、A、B、C、D電極12A+,12
B+,12C+,12D+及びA、B、C、D電極12A
−,12B−,12C−,12D−の夫々は、第1実施
形態におけるA、B、C、D電極12A,12B,12
C,12Dに対応している。A+電極12A+は、互いに
共通接続されて導電パッドP1に接続され、B極12B
+は、互いに共通接続されて導電パッドP2に接続さ
れ、C極12C+は、互いに共通接続されて導電パッド
P3に接続され、D極12D+は、互いに共通接続され
て導電パッドP4に接続されている。同様に、A、B、
C、D電極12A−,12B−,12C−,12D−の
夫々も対応する電極に共通接続されて導電パッドP5,
P6,P7,P8に接続されている。パッドP1,P
2,P3,P4,P5,P6,P7,P8は、図2と同
様に駆動回路2に接続されている。この駆動回路は、図
2に示したように直流電圧源41,42とスイッチ回路
43,44及びスイッチ制御回路45から構成される
が、直流電圧源41と第1電極アレイ12との間に接続
されるスイッチ回路43は、図2に示す実施例とは異な
り、4の出力端子ではなく8つの出力端子を有してい
る。
【0056】次に、図13(a)〜図13(j)に示す
タイムチャートを参照して図12に示される静電アクチ
ュエータの動作を説明する。ここで、図9A〜9Jは、
夫々A+電極12A+,A−電極12A−,B+電極12
B+,B−電極12B−,C+電極12C+,C−電極1
2C−,D+電極12D+,D−電極12D−,M電極2
2M,N電極22Nに印加される電圧波形を示してい
る。
【0057】始めに、期間T1の間、図13(a)に示
すようにA+電極12A+に正の電圧、図13(b)に示
すようにA−電極12A−に負の電圧、図13(c)に
示すようにB+電極12B+に正の電圧及び図13(d)
に示すようにB−電極12B−に負の電圧が印加され
る。このときA+電極12A+、第5電極33、A−電極
12A−で構成される回路及びB+電極12B+、第5電
極33、B−電極12B−で構成される回路は、それぞ
れ等価的に2つのキャパシタを含む直列回路に相当し、
A+電極12A+、第5電極33、A−電極12A−の経
路及びB+電極12B+、第5電極33、B−電極12B
−の経路で電気力線が生じる。これらの電気力線ができ
るだけ縮もうとすることにより、A+電極12A+,A
−,B+,B−と第5電極33間に静電吸引力が働き、
可動子3は、第1固定子1側に移動する。
【0058】次に、期間T2の間、図13(i)に示す
ようにM電極22Mに正の電圧、図13(j)に示すよ
うにN電極22Nに負の電圧が印加される。このとき、
M電極22M、第6電極34、N電極22Nから構成さ
れる回路は、等価的に2つのキャパシタを含む直列回路
に相当し、M電極22M、第6電極34、N電極22N
の経路で電気力線が生じる。この電気力線ができるだけ
縮もうとすることにより、M電極22M及びN電極22
Nと第6電極34との間に静電吸引力が働き、可動子3
は、第2固定子2側に移動する。
【0059】次に、必ずしも必要な工程ではないが、期
間T1における印加電圧の極性とは逆にA+電極12A+
に負の電圧、A−電極12A−に正の電圧、B+電極1
2B+に負の電圧、B−電極12B−に正の電圧が期間
T3の間印加され、引き続き期間T2における印加電圧
の極性とは逆に期間T4の間にM電極22Mに負の電
圧、N電極22Nに正の電圧が印加される。このように
期間T3,T4において期間T1,T2における印加電
圧の極性とは逆極性の直流電圧がA+電極12A+及びA
−電極12A−間、B+電極12B+及びB−電極12B
−間、M電極22M及びN電極22N間に印加されるこ
とにより、絶縁破壊対策として設けられた誘電体膜1
3,23の誘電分極によって生じる帯電が放電され、誘
電分極による可動子3の移動動作の不安定化を防止する
ことができる。
【0060】次に、期間T5の間に、図13(b)に示
すようにB+電極12B+に正の電圧、図13(d)に示
すようにB−電極12B−に負の電圧、図13(e)に
示すようにC+電極12C+に正の電圧、図13(f)に
示すようにC−電極12C−に負の電圧が印加される。
その結果、B+電極12B+,B−電極12B−,C+電
極12C+,C−電極12C−と第5電極33間に静電
吸引力が働き、可動子3は、第1固定子1側に移動す
る。ここで、第1電極アレイ12の電圧が印加されるB
+電極12B+,B−電極12B−,C+電極12C+,C
−電極12C−は、先に期間T1において電圧が印加さ
れたA+電極12A+,A−電極12A−,B+電極12
B+,B−電極12B−に対して位置が1ピッチ(P)
分ずれて配置されていることから、可動子3は、第1固
定子1側に移動する際に1ピッチP分だけ右方向へ移動
することになる。次いで、図13(i)及び13Jに示
すように期間T6の間にM電極22Mに正の電圧、N電
極22Nに負の電圧が印加されることにより、M電極2
2M及びN電極22Nと第6電極34との間に静電吸引
力が働き、可動子3は、第2固定子2側に移動する。
【0061】さらに、期間T3,T4と同様に、期間T
5,T6における印加電圧の極性とは逆に、図13
(c)に示すようにB+電極12B+に負の電圧、図13
(d)に示すようにB−電極12B−に正の電圧、図1
3(e)に示すようにC+電極12C+に負の電圧、図1
3(f)に示すようにC−電極12C−に正の電圧が期
間T7の間印加される。その後、期間T8の間に図13
(i)及び図13(j)に示すように引き続きM電極2
2Mに負の電圧、N電極22Nに正の電圧が印加され、
誘電体膜13,23の誘電分極による帯電がキャンセル
され、誘電分極による可動子3の移動動作の不安定化が
防止される。
【0062】以下同様に、第1電極アレイ12における
電極列12−1のA+電極12A+,B+電極12B+,C
+電極12C+,D+電極12D+及び電極列12−2のA
−電極12A−,B−電極12B−,C−電極12C
−,D−電極12D−がそれぞれ二組ずつ選択されて直
流電圧が印加される第1駆動動作と、M電極22M,N
電極22Nに直流電圧が印加される第2駆動動作が交互
に繰り返され、かつ電極列12−1及び電極列12−2
の直流電圧が印加される電極の位置を順次1ピッチP分
だけつづらして行われ(期間T9〜T12)、期間T1
〜T12で1周期Tの駆動動作が終了する。
【0063】このような駆動動作によって、第1実施形
態と同様に可動子3は、微視的には第1固定子1と第2
固定子2との間で振動しつつ、巨視的には図12で右方
向へ移動することになる。電極に直流電圧を印加する順
序を上記と逆にすれば、可動子3は、図12で左方向に
移動する。
【0064】本実施形態によれば、第1実施形態と同様
の効果が得られるほか、次のような特有の効果がある。
第1実施形態においては、第1電極アレイ12の隣接す
る電極間を可動子3上の第5電極33を経由して通過す
る電気力線E1,E3,…が第1固定子1と可動子3間
の静電吸引力に寄与する。第1電極アレイ12を構成す
る電極の電気力線E1,E3,…の方向に沿った方向の
寸法(幅Wa)は、第1固定子と可動子3間の距離に比
して十分に大きいことが望まれる。この幅Waが小さい
と、電気力線E1,E3,…が減少し、第5電極33を
経由することなく第1電極アレイ12の隣接する電極の
端面間を通過する電気力線が相対的に増加してしまう。
第5電極33を経由しない後者の電気力線は、第1固定
子1と可動子3間の静電吸引力に寄与しないので、その
割合が相対的に増えることは、可動子3に対する駆動力
の減少につながり、好ましくない。第1電極アレイ12
の電極配列ピッチを大きくすれば電極の幅Waを大きく
できるので、この問題は、解消されるが、電極配列ピッ
チを大きくすると可動子3の移動分解能が低下する、す
なわち1ステップ当たりの移動量が大きくなってしま
う。
【0065】これに対して、第3の実施形態において
は、第1電極アレイ12における電極列12−1のA+
電極12A+,B+電極12B+,C+電極12C+,D+電
極12D+と電極列12−2のA−電極12A−,B−
電極12B−,C−電極12C−,D−電極12D−と
の間を可動子3上の第5電極33を経由して通過する電
気力線が第1固定子1と可動子3間の静電吸引力に寄与
する。この場合は、これらの電気力線の方向に沿った方
向のA+電極12A+,B+電極12B+,C+電極12C
+,D+電極12D+、A−電極12A−,B−電極12
B−,C−電極12C−,D−電極12D−の寸法(長
さWb)が第1固定子と可動子3間の距離に比して十分
に大きいことが望まれるが、この長さWbは、第1電極
アレイ12の電極配列ピッチPに左右されることなく容
易に大きくできる。従って、第5電極33を経由するこ
となく第1電極アレイ12の隣接する電極の端面間を通
過する電気力線が相対的に減少し、可動子3に対する駆
動力を大きくすることができる。
【0066】(第4の実施形態)図14は、この発明の
第4の実施形態に係る静電アクチュエータにおける第1
固定子1上の第1電極アレイ12を示す平面図である。
同図14に示されるように、第1電極アレイ12は、そ
れぞれピッチPで配列されたA+電極12A+,B+電極
12B+からなる電極列12−1、A−電極12A−,
B−電極12B−からなる電極列12−2、C+電極1
2C+,D+電極1212D+からなる電極列12−3、
及びC−電極12C−,D−電極12D−からなる電極
列12−4を有し、これらが図で上から電極列12−
1,12−4,12−3,12−2の順で配置されてい
る。
【0067】電極列12−1と電極列12−2は、電気
的にペアの関係にあり、各電極は、X方向に所定ピッチ
Pかつ同一位相で配列される。電極列12−3と電極列
12−4も電気的にペアの関係にあり、各電極は、X方
向に所定ピッチPかつ同一位相で配列されるが、その位
相は、電極列12−1及び電極列12−2に対して1/
2ピッチ(P/2)だけずれている。
【0068】一方、第2固定子2上の第2電極アレイ2
2については、第1実施形態と同様、図2に示されるよ
うに2個の帯状のM,N電極22M,22Nを所定の間
隔で基板21の長手方向(X方向)に沿って形成して構
成される。可動子3については、第1電極アレイ12の
各電極列12−1,12−2,12−3,12−4にそ
れぞれ対応して前述した第5電極33が4列設けられ
る。
【0069】電極12A+,電極12B+,電極12C
+,電極12D+,電極12A−,電極12B−,電極1
2C−,電極12D−は、第1実施形態における電極1
2A,12B,12C,12Dに対応し、同一符号が付
される電極が共通接続されると共に、パッドP1,P
2,P3,P4,P5,P6,P7,P8を介して駆動
回路に接続される。
【0070】本実施形態では、まずA+電極12A+に正
の電圧、A−電極12A−に負の電圧が一定時間印加さ
れることによって、A+電極12A+、第5電極33、A
−電極12A−の経路で電気力線が生じ、この電気力線
ができるだけ縮もうとすることによりA+電極12A+,
A−電極12A−と第5電極33間に静電吸引力が働
き、可動子3は、第1固定子1側に移動する。この後、
M電極22Mに正の電圧、N電極22Nに負の電圧が印
加されることによって、M電極22M、第6電極34、
N電極22Nの経路で電気力線が生じ、この電気力線が
できるだけ縮もうとすることによりM電極22M及びN
電極22Nと第6電極34との間に静電吸引力が働き、
可動子3は、第2固定子2側に移動する。
【0071】次に、C+電極12C+に正の電圧、C−電
極12C−に負の電圧が一定時間印加されることによっ
てC+電極12C+,C−電極12C−と第5電極33間
に静電吸引力が働き、可動子3は、第1固定子1側に移
動した後、M電極22Mに負の電圧、N電極22Nに正
の電圧が印加されることによってM電極22M及びN電
極22Nと第6電極34との間に静電吸引力が働き、可
動子3は、第2固定子2側に移動する。ここで、第1電
極アレイ12の電圧が印加されるC+電極12C+,C−
電極12C−は、先に電圧が印加されたA+電極12A
+,A−電極12A−に対して位置が1/2ピッチ(P
/2)分ずれているので、可動子3は、第2固定子2側
に移動する際にP/2だけ右方向へ移動することにな
る。
【0072】以下同様に、B+電極12B+に正の電圧、
B−電極12B−に負の電圧が一定時間印加されること
によってB+電極12B+,B−電極12B−と第5電極
33間の静電吸引力で可動子3が第1固定子1側に移動
した後、M電極22Mに正の電圧、N電極22Nに負の
電圧が印加されることによってM電極22M及びN電極
22Nと第6電極34との間の静電吸引力で可動子3が
第2固定子2側に移動し、さらにD+電極12D+に正の
電圧、D−電極12D−に負の電圧が一定時間印加され
ることによってD+電極12D+,D−電極12D−と第
5電極33間の静電吸引力で可動子3が第1固定子1側
に移動した後、M電極22Mに負の電圧、N電極22N
に正の電圧が印加されることによってM電極22M及び
N電極22Nと第6電極34との間の静電吸引力で可動
子3が第2固定子2側に移動するという駆動動作が行わ
れる。
【0073】このような駆動動作によって、第1実施形
態と同様に可動子3は、微視的には第1固定子1と第2
固定子2との間で振動しつつ、巨視的には図14で右方
向へ移動することになる。電極に直流電圧を印加する順
序を上記と逆にすれば、可動子3は、図10で左方向に
移動する。
【0074】本実施形態によっても、第1実施形態と同
様の効果が得られる。また、第1実施形態では、可動子
3の移動分解能(1ステップ当たりの移動距離)が第1
電極アレイ12の電極配列ピッチPと等しかったのに対
し、第3の実施形態における可動子3の移動分解能は、
第1電極アレイ12の電極配列ピッチPの1/2となる
ため、より精度の良い移動が可能となる。
【0075】また、本実施形態では、電極とパッド間の
接続は、立体配線ではなく、平面配線が可能となり、よ
り量産性の向上が図られる。
【0076】(第5の実施形態)図15は、この発明の
第5の実施形態に係る静電アクチュエータにおける第1
固定子1上の第1電極アレイ12を示す平面図である。
本実施形態では、第3の実施形態で説明した第1電極ア
レイ12にさらに2列の電極列を追加している。すなわ
ち、第1電極アレイ12は、それぞれピッチPで配列さ
れたA+電極12A+,B+電極12B+からなる電極列1
2−1、A−電極12A−,B−電極12B−からなる
電極列12−2、C+電極12C+,D+電極12D+から
なる電極列12−3、C−電極12C−,D−電極12
D−からなる電極列12−4、電極12E+,12F+か
らなる電極列12−5及び電極12E−,12F−から
なる電極列12−6を有し、これらが図15において上
から電極列12−1,12−4,12−5,12−6,
12−3,12−2の順で配置されている。
【0077】電極列12−1と電極列12−2は、電気
的にペアの関係にあり、各電極は、X方向に所定ピッチ
Pかつ同一位相で配列される。電極列12−3と電極列
12−4も電気的にペアの関係にあり、各電極は、X方
向に所定ピッチPかつ同一位相で配列されるが、その位
相は、電極列12−1及び電極列12−2に対して1/
3ピッチ(P/3)だけずれている。また、電極列12
−5と電極列12−6も電気的にペアの関係にあり、各
電極は、X方向に所定ピッチPかつ同一位相で配列され
るが、その位相は、電極列12−3及び電極列12−4
に対してさらに1/3ピッチ(P/3)、従って電極列
12−1及び電極列12−2に対しては、2/3ピッチ
(2P/3)だけずれている。
【0078】一方、第2固定子2上の第2電極アレイ2
2については、第1実施形態と同様、図2に示されるよ
うに2個の帯状のM,N電極22M,22Nを所定の間
隔で基板21の長手方向(第1方向)に沿って形成して
構成される。可動子3については、第1電極アレイ12
の各電極列12−1,12−2,12−3,12−4,
12−5,12−6にそれぞれ対応して前述した第3電
極34が6列設けられる。
【0079】電極12A+,12B+,12C+,12D
+,12E+,12F+,12A−,12B−,12C
−,12D−,12E−,12F−は、それぞれ12A
+,12B+,12C+,12D+,12E+,12F+,1
2A−,12B−,12C−,12D−,12E−,1
2F−のグループに属しており、これらの電極は、対応
する電極グループ毎に共通接続されると共に、パッドP
1〜P12を介して図示しない駆動回路に接続される。
【0080】本実施形態では、まずA+電極12A+に正
の電圧、A−電極12A−に負の電圧が一定時間印加さ
れることによって電極12A+,12A−と第5電極3
3間に静電吸引力が働き、可動子3は、第1固定子1側
に移動する。この後、M電極22Mに正の電圧、N電極
22Nに負の電圧が印加されることによって、M電極2
2M及びN電極22Nと第6電極34との間に静電吸引
力が働き、可動子3は、第2固定子2側に移動する。
【0081】次に、C+電極12C+に正の電圧、C−電
極12C−に負の電圧が一定時間印加されることによっ
てC+電極12C+,C−と第5電極33間に静電吸引力
が働き、可動子3は、第1固定子1側に移動した後、M
電極22Mに負の電圧、N電極22Nに正の電圧が印加
されることによってM電極22M及びN電極22Nと第
6電極34との間静電吸引力が働き、可動子3は、第2
固定子2側に移動する。次に、電極E+に正の電圧、電極
F−に負の電圧が一定時間印加されることによって電極
E+,E−と第5電極33間に静電吸引力が働き、可動
子3は、第1固定子1側に移動した後、M電極22Mに
正の電圧、N電極22Nに負の電圧が印加されることに
よってM電極22M及びN電極22Nと第6電極34と
の間静電吸引力が働き、可動子3は、第2固定子2側に
移動する。
【0082】次に、電極12F+に正の電圧、電極12
F−に負の電圧が一定時間印加されることによって電極
12F+,12F−と第5電極33間に静電吸引力が働
き、可動子3は、第1固定子1側に移動した後、M電極
22Mに負の電圧、N電極22Nに正の電圧が印加され
ることによってM電極22M及びN電極22Nと第6電
極34との間静電吸引力が働き、可動子3は、第2固定
子2側に移動する。
【0083】このような駆動動作が繰り返されることに
よって、第1実施形態と同様に可動子3は、微視的には
第1固定子1と第2固定子2との間で振動しつつ、巨視
的には図15で右方向へ移動する。電極に直流電圧を印
加する順序を上記と逆にすれば、可動子3は、図15で
左方向に移動する。
【0084】本実施形態によっても、第1実施形態と同
様の効果が得られるほか、可動子3の移動分解能は、第
1電極アレイ12の電極配列ピッチPの1/3となるた
め、さらに精度の良い移動が可能となる。本実施形態の
考えを拡張し、第1電極アレイをさらに多数からなる電
極列にすることもできる。電極列をn列(但し、nは、
偶数)とすれば、電極配列ピッチPの1/(n/2)だ
け各電極列の位相を第1方向にずらせることにより、移
動分解能をさらに上げることができる。
【0085】また、本実施形態によれば、第3の実施形
態と同様に立体配線を必要としないため、量産性を向上
させることができる。
【0086】(第6の実施形態)図16(a)及び図1
6(b)は、この発明の第6の実施形態に係る第1固定
子1上の第1電極アレイ12及び第2固定子2上の第2
電極アレイ22を示す平面図である。第1電極アレイ1
2は、図16(a)に示されるようにそれぞれピッチP
でX方向に配列されたA+電極12A+,B+電極12B+
からなる電極列12−1とA−電極12A−,B−電極
B−からなる電極列12−2を有する。第2電極アレイ
22は、図16(b)に示されるようにそれぞれピッチ
Pで第1方向に配列されたC+電極22C+,D+電極1
2D+からなる電極列22−1とC−電極22C−,D
−電極12D−からなる電極列22−2を有する。但
し、第2電極アレイ22の電極は、第1電極アレイ12
の電極に対して位相が1/2ピッチ(P/2)だけずれ
ている。
【0087】電極12A+及び電極12B+、は、夫々電
極12A−、電極12B−に対応的に駆動され、電極1
2A+、電極12B+、電極12A−、電極12B−は、
夫々共通接続されると共に、パッドP1,P2,P3,
P4を介して図示しない駆動回路に接続されている。同
様に、電極22C+,電極12D+は、同様に夫々電極2
2C−,電極12D−に対応し、電極12C+,電極1
2D+、電極22C−,電極12D−は、共通接続され
ると共に、パッドP5,P6,P7,P8を介して図示
しない駆動回路に接続される。
【0088】次に、図17(a)〜図17(h)に示す
タイムチャートを参照して本実施形態の静電アクチュエ
ータの動作を説明する。図17(a)〜17Hは、電極
12A+,電極12A−,電極12B+,電極12B−,
電極22C+,電極22C−,電極12D+,電極12D
−に印加される電圧波形を示している。
【0089】まず、図17(a)及び17Hに示すよう
に期間T1の間に第1固定子1上のA+電極12A+に正
の電圧、A−電極12A−に負の電圧が印加される。こ
のときA+電極12A+、第5電極33、A−電極12A
−の回路は、等価的に2つのキャパシタを含む直列回路
に相当し、A+電極12A+、第5電極33、A−電極1
2A−の経路で電気力線が生じる。この電気力線ができ
るだけ縮もうとすることによって、A+電極12A+,A
−電極12A−と第5電極33間に静電吸引力が働き、
可動子3は、第1固定子1側に移動する。
【0090】次に、図17(e)及び17(h)に示す
ように期間T2の間に第2固定子2上のC+電極22C+
に正の電圧、C−電極22C−に負の電圧が一定時間印
加される。このときC+電極22C+、第6電極34、C
−電極22C−の回路は、等価的に2つのキャパシタを
含む直列回路に相当し、C+電極22C+、第6電極3
4、C−電極22C−の経路で電気力線が生じる。この
電気力線ができるだけ縮もうとすることによって、C+
電極22C+,C−電極22C−と第6電極34間に静
電吸引力が働き、可動子3は、第2固定子2側に移動す
る。ここで、C+電極22C+,C−は、A+電極12A
+,A−電極12A−に対して位相がP/2だけずれて
いるので、可動子3は、第2固定子2側に移動する際に
図16でP/2だけ右方向へ移動することになる。
【0091】次に、図17(c)及び17(d)に示す
ように期間T3の間に第1固定子1上のB+電極12B+
に正の電圧、B−電極12B−に負の電圧が一定時間印
加されることにより、B+電極12B+、第5電極33、
B−電極12B−の経路で電気力線が生じてB+電極1
2B+,B−と第5電極33間に静電吸引力が働き、可
動子3は、第1固定子1側に移動するが、B+電極12
B+,B−は、A+電極12A+,A−電極12A−に対
して位相がP/2だけずれているので、可動子3は、第
1固定子2側に移動する際に図16でP/2だけ右方向
へ移動することになる。
【0092】次に、図17(g)及び17(h)に示す
ように期間T4の間に第2固定子2上のD+電極12D+
に正の電圧、D−電極12D−に負の電圧が一定時間印
加されることにより、D+電極12D+、第6電極34、
D−電極12D−の経路で電気力線が生じてD+電極1
2D+,D−電極12D−と第6電極34間に静電吸引
力が働き、可動子3は、第2固定子2側に移動するが、
D+電極12D+,D−電極12D−は、C+電極22C
+,C−電極22C−に対して位相がP/2だけずれて
いるので、可動子3は、第2固定子2側に移動する際に
図16でP/2だけ右方向へ移動することになる。
【0093】このような駆動動作によって、第1実施形
態と同様に可動子3は、微視的には第1固定子1と第2
固定子2との間で振動しつつ、巨視的には図16で右方
向へ移動することになる。電極に直流電圧を印加する順
序を上記と逆にすれば、可動子3は、図16で左方向に
移動する。
【0094】以下、同様にA+電極12A+,A−電極1
2A−間、B+電極12B+,B−電極12B−間、C+
電極22C+,C−電極22C−間、D+電極12D+,
D−電極12D−間に順次直流電圧が印加され(期間T
4〜T8)、期間T1〜T8で1周期Tの駆動動作が終
了する。但し、図17(a)〜17(h)に示されるよ
うに期間T4〜T8においては、期間T1〜T4と逆極
性の直流電圧が印加されることにより、先と同様に誘電
体膜13,23の誘電分極による帯電がキャンセルさ
れ、誘電分極による可動子3の移動動作の不安定化が防
止される。
【0095】(第7の実施形態)図18は、この発明の
第7の実施形態に係る第1固定子1上の第1電極アレイ
12を示す平面図である。本実施形態における第1電極
アレイ12は、第6の実施形態におけるA+電極12A
+,B+電極12B+からなる電極列12−1を2つから
なる電極列12−1A,12−1Bに分割し、これらか
らなる電極列12−1A,12−1BをA−電極12A
−,B−電極12B−からなる電極列12−2の両側に
配置した点が第5の実施形態と異なっている。
【0096】この第1電極アレイ12においては、既に
述べたと同様に電極12A+及び電極12B+は、夫々電
極12A−及び電極12B−に対応的に駆動されるよう
に電極12A+、電極12B+、電極12A−及び電極1
2B−は、夫々共通接続されると共に、パッドP1,P
2,P3,P4を介して図示しない駆動回路に接続され
ている。
【0097】第2電極アレイ22は、図18に示される
と同様に3列の電極配列でも良く、図9に示すような1
列の電極配列22或いは図16(b)に示されるような
2列の電極配列22でも良い。また、第2電極アレイ2
2の電極22C+、22D+、22C−、22D−は、
第1電極アレイ12の電極12A+、12B+、12A
−、12B−に対して位相が1/2ピッチ(P/2)だ
けずれて配置されている。
【0098】この第1電極アレイ12においては、既に
述べたと同様に電極12A+、電極12B+及び電極12
C+は、夫々電極12A−,電極12B−及び電極12
C−に対応的に駆動されるように電極12A+,電極1
2B+,電極12C+、電極12A−,電極12B−、
電極12C−は、夫々共通接続されると共に、パッドP
1,P2,P3,P4、P5、P6を介して図示しない
駆動回路に接続されている。同様に、電極22C+,電
極12D+は、同様に夫々電極22C−,電極12D−
に対応し、電極12C+,電極12D+、電極22C−,
電極12D−は、共通接続されると共に、パッドP5,
P6,P7,P8を介して図示しない駆動回路に接続さ
れる。
【0099】図18に示すような第1電極アレイ12を
有する第1の固定子1及び図16(b)に示されるよう
な2列の電極配列22を有する第2の固定子2を具備し
た静電アクチュエータの動作について、図19(a)〜
図19(h)を参照して下記に説明する。
【0100】駆動指令信号S1及び方向指示信号S2が
入力されると、この駆動指令信号S1及び方向指示信号
S2に応答して、図19(a)及び図19(b)に示す
ように直流電圧源41からスイッチ回路43を介してA
+電極12A+に正の電圧、A−電極12A−に負の電
圧が一定の期間T1の間印加される。このときA+電極
12A+、第5電極33、A−電極12A−で構成され
る回路は、既に説明したように等価的に2つのキャパシ
タを含む直列回路に相当する。従って、A+電極12A
+及びA−電極12A−と第5電極33との間に静電吸
引力が働き、可動子3は、第1固定子1側に移動され
る。
【0101】次に、図19(e)及び19(f)に示す
ように直流電圧源42からスイッチ回路44を介して期
間T2の間、C+電極22C+に正の電圧、C−電極2
2C−に負の電圧が印加される。このとき同様にC+電
極22C+、第6電極34、C−電極22C−で構成さ
れる回路は、等価的に2つのキャパシタを含む直列回路
に相当する。従って、C+電極22C+及びC−電極2
2C−と第6電極34との間に静電吸引力が働き、可動
子3は、第2固定子2側に移動される。
【0102】ここで、第1電極アレイ12の電圧が印加
されるC+電極22C+及びC−電極22C−は、先に
期間T1において電圧が印加されたA+電極12A+及
びA−電極12A−に対して1/2ピッチ(P)だけず
れて配置されている。従って、可動子3は、第1固定子
2側に移動する際に1/2ピッチP分だけ右方向へ移動
される。
【0103】次に、図19(c)及び図19(d)に示
すようにB+電極12B+に正の電圧、B−電極12B
−に負の電圧が期間T3の間印加され、これによりB+
電極12B+、第5電極33、B−電極12B−の経路
で電気力線E3が発生し、B+電極12B+及びB−電
極12B−と第5電極33との間に静電吸引力が働き、
可動子3は、第1固定子1側に移動する。従って、可動
子3は、駆動開始前に比べて第1固定子2側に移動する
際に1ピッチP分だけ右方向へ移動することになる。
【0104】次に、図19(e)及び図19(f)に示
されるようにD+電極22D+に正の電圧、D−電極2
2D−に負の電圧が期間T4の間印加され、これにより
D+電極22D+、第6電極34、D−電極22D−の
経路で電気力線が発生し、D+電極22D+及びD−電
極22D−と第6電極34との間に静電吸引力が働き、
可動子3は、第2固定子2側に移動する。
【0105】以下、期間T5の間に図19(a)及び図
19(b)に示されるように12A−電極12A−に正
の電圧、12A+電極12A+に負の電圧が印加され、
次に図19(e)及び図19(f)に示されるように期
間T6の間にC−電極22C−に正の電圧、C+電極2
2C+に負の電圧が印加される。次に、期間T7の間に
図19(c)及び図10(d)に示されるようにB−電
極12B−に正の電圧、B+電極12B+に負の電圧が
印加され、次に期間T8の間に図19(g)及び図19
(h)に示されるようにD−電極22D−に正の電圧、
D+電極22D+に負の電圧が印加されるという動作が
順次行われ、期間T1〜T8で1周期Tの動作が終了す
る。
【0106】このような動作により、可動子3は、微視
的には第1固定子1と第2固定子2間で振動しながら、
巨視的には第1固定子1上の電極アレイ12の電極配列
方向(X方向)、この例では、図8で右方向に移動す
る。
【0107】また、図8中で左方向への移動を指示する
方向指示信号S2が入力された場合には、図19(a)
〜図19(h)において期間T8から期間T1に向かう
ように、上記と逆の電圧印加パターンで、対応する電極
に電圧が印加されることにより、可動子3は、微視的に
は第1固定子1と第2固定子2間で振動しながら、巨視
的には図8で左方向に順次移動することになる。
【0108】図18に示した実施形態によると、第1〜
第5の実施形態と同様の効果に加えて、次のような特有
の効果を期待することができる。第1〜第5の実施形態
によると、第1固定子1及び第2固定子2と可動子3と
の間に働く静電吸引力が最大となる位置がY方向の中心
にあるため、可動子3は、Y方向の中心を軸として左右
に揺動する可能性がある。これに対し、第6の実施形態
によると静電吸引力が最大となる位置は、Y方向の固定
子1の中心から左右にずれた二箇所に存在するため、可
動子3が揺動を起こしにくくなる。このように本実施形
態によれば、第1〜第5の実施形態に比較して可動子3
の挙動及び姿勢の安定化を図ることができるという利点
がある。
【0109】(第8の実施形態)図20は、第8の実施
形態に係る第1固定子1上の第1電極アレイ12を示し
ている。この図20に示される第1電極アレイ12で
は、図18に示す電極アレイ12と同様に3列の電極列
12−2,12−1A,12−1Bを有している。図2
0に示される第1電極アレイ12では、図18に示す電
極配列とは異なり、その電極の結線が異なっている。即
ち、電極列12−2では、A−電極12A−、B−電極
12B−、C−電極12C−が周期的に配列され、夫々
対応するA−電極12A−、B−電極12B−、C−電
極12C−に共通接続され、対応するパッドP3,P
4,P6を介して図示しない駆動回路に接続されてい
る。また、電極列12−1A,12−1Bでは、A+電
極12A+、B+電極12B+、C+電極12C+が周
期的に配列され、夫々対応するA+電極12A+、B+
電極12B+、C+電極12C+に共通接続され、対応
するパッドP1,P2,P5を介して図示しない駆動回
路に接続されている。
【0110】一方、第2固定子2上の第2電極アレイ
は、図2に示す第1の実施形態と同様に電極22M、2
2NがX方向に延出された構造を有している。
【0111】図20に示すような第1電極アレイ12を
有する第1の固定子1及び図2に示されるような電極2
2M、22NがX方向に延出された電極配列22を有す
る第2の固定子2を具備した静電アクチュエータの動作
について、図21(a)〜図21(h)を参照して下記
に説明する。
【0112】駆動指令信号S1及び方向指示信号S2が
入力されると、この駆動指令信号S1及び方向指示信号
S2に応答して、図21(a)及び図21(b)に示す
ように直流電圧源41からスイッチ回路43を介してA
+電極12A+に正の電圧、A−電極12A−に負の電
圧が一定の期間T1の間印加される。このときA+電極
12A+、第5電極33、A−電極12A−で構成され
る回路は、既に説明したように等価的に2つのキャパシ
タを含む直列回路に相当する。従って、A+電極12A
+及びA−電極12A−と第5電極33との間に静電吸
引力が働き、可動子3は、第1固定子1側に移動され
る。
【0113】次に、図21(g)及び21(h)に示す
ように直流電圧源42からスイッチ回路44を介して期
間T2の間、M電極22Mに正の電圧、N電極22Nに
負の電圧が印加される。このとき同様にM電極22M、
第6電極34、N電極22Nで構成される回路は、等価
的に2つのキャパシタを含む直列回路に相当する。従っ
て、M電極22M及びN電極22Nと第6電極34との
間に静電吸引力が働き、可動子3は、第2固定子2側に
移動される。
【0114】次に、図21(c)及び図21(d)に示
すようにB+電極12B+に正の電圧、B−電極12B
−に負の電圧が期間T3の間印加され、これによりB+
電極12B+、第5電極33、B−電極12B−の経路
で電気力線E3が発生し、B+電極12B+及びB−電
極12B−と第5電極33との間に静電吸引力が働き、
可動子3は、第1固定子1側に移動する。従って、可動
子3は、駆動開始前に比べて第1固定子2側に移動する
際に1ピッチP分だけ右方向へ移動することになる。
【0115】次に、図21(g)及び図21(h)に示
されるようにN電極22Nに正の電圧、M電極22Mに
負の電圧が期間T4の間印加され、これによりN電極2
2N、第6電極34、M電極22Mの経路で電気力線が
発生し、N電極22N及びM電極22Mと第6電極34
との間に静電吸引力が働き、可動子3は、第2固定子2
側に移動する。
【0116】以下、期間T5の間に図21(e)及び図
21(f)に示されるようにC+電極12C+に正の電
圧、C−電極12C−に負の電圧が印加され、次に図2
1(g)及び図21(h)に示されるように期間T6の
間にM電極22Mに正の電圧、N電極22Nに負の電圧
が印加される。次に、期間T7の間に図21(a)及び
図21(b)に示されるようにA−電極12A−に正の
電圧、12A+電極12A+に負の電圧が印加され、図
21(g)及び図21(h)に示されるように期間T8
の間にM電極22Mに負の電圧、N電極22Nに正の電
圧が印加される。次に期間T9の間に図21(c)及び
図21(d)に示されるようにB−電極22B−に正の
電圧、B+電極22B+に負の電圧が印加され、図21
(g)及び図21(h)に示されるように期間T10の
間にM電極22Mに正の電圧、N電極22Nに負の電圧
が印加される。更に、期間T11の間に図21(e)及
び図21(f)に示されるようにC−電極12C−に正
の電圧、12C+電極12C+に負の電圧が印加され、
図21(g)及び図21(h)に示されるように期間T
12の間にM電極22Mに負の電圧、N電極22Nに正
の電圧が印加される動作が順次行われ、期間T1〜T1
2で2周期2Tの動作が終了する。
【0117】このような動作により、可動子3は、微視
的には第1固定子1と第2固定子2間で振動しながら、
巨視的には第1固定子1上の電極アレイ12の電極配列
方向(X方向)、この例では、図8で右方向に移動す
る。
【0118】また、図8中で左方向への移動を指示する
方向指示信号S2が入力された場合には、図21(a)
〜図21(h)において期間T12から期間T1に向か
うように、上記と逆の電圧印加パターンで、対応する電
極に電圧が印加されることにより、可動子3は、微視的
には第1固定子1と第2固定子2間で振動しながら、巨
視的には図8で左方向に順次移動することになる。
【0119】図20に示した実施形態によると、第1〜
第5の実施形態と同様の効果に加えて、第7の実施形態
と同様に第1〜第5の実施形態に比較して可動子3の挙
動及び姿勢の安定化を図ることができる。
【0120】(第9の実施形態)図22は、この発明の
第9の実施形態に係る第1固定子1上の第1電極アレイ
12を示す平面図である。本実施形態における第1電極
アレイ12は、第6の実施形態におけるB+電極12B+
を第2方向Yに3分割し、これら3分割されたB−電極
12B−をA+電極12A+の間に配置した点が第5の実
施形態と異なっている。分割されたB−電極12B−
は、配線により共通に接続され、動作上は一つからなる
電極列として機能する。
【0121】一方、第2固定子2上の第2電極アレイ
は、図示していないが、第6の実施形態と同様に第1電
極アレイ12の電極に対して位相を1/2ピッチ(P/
2)だけずらして構成される。
【0122】本実施形態における駆動動作は、図18に
示した第7の実施形態と同様であり、図19(a)〜図
19(h)に示すような電圧パターンで動作されるの
で、その説明を省略する。また、本実施形態に基づく効
果は、第6の実施形態と同様であるが、本実施形態の特
有の効果として、図19から分かるようにA+電極12
A+及びB+電極12B+の配線効率を上げることがで
き、基板11の面積が同じであれば、電極の有効面積を
より大きくとることができるため、可動子3の駆動能力
がより向上することができる。
【0123】(第10の実施形態)図23は、この発明
の第10の実施形態に係る第1固定子1上の第1電極ア
レイ12を示す平面図である。この図23に示される第
1電極アレイ12では、図22に示す電極アレイ12と
同様の電極配列パターンを有しているが、図22に示す
電極配列とは異なる結線で接続されている。即ち、図2
3に示される第1電極アレイ12では、2電極12A
+,12A−、3電極12B−、12+,12B−、2
電極12C−,12C−、3電極12A+,12A−、
2電極12B−、12+,12B−及び3電極12C
−,12C−が周期的に配列され、夫々対応するA−電
極12A−、B−電極12B−、C−電極12C−に共
通接続され、対応するパッドP3,P4,P6を介して
図示しない駆動回路に接続されている。また、A+電極
12A+、B+電極12B+、C+電極12C+が夫々
対応するA+電極12A+、B+電極12B+、C+電
極12C+に共通接続され、対応するパッドP1,P
2,P5を介して図示しない駆動回路に接続されてい
る。
【0124】一方、このような第1電極アレイ12は、
図2に示す第1の実施形態と同様に電極22M、22N
がX方向に延出された構造を有する第2固定子2と組み
合わされて静電アクチュエータが構成される。
【0125】本実施形態における駆動動作は、図20に
示した第8の実施形態と同様であり、図21(a)〜図
21(h)に示すような電圧パターンで動作されるの
で、その説明を省略する。また、本実施形態に基づく効
果は、第9の実施形態と同様であり、可動子3の駆動能
力を向上することができる。
【0126】(第11の実施形態)図24は、この発明
の第11の実施形態における第2固定子2上の第2電極
アレイ22の構成を示す平面図である。この第2電極ア
レイ21は、第1実施形態における第2電極アレイ22
を構成するM,N電極22M,22Nをそれぞれ櫛歯状
電極とし、これらを非接触で噛み合わせて構成される。
このような構成としても、第1実施形態における第2電
極アレイ22と同様の効果が得られる。
【0127】(第12の実施形態)次に、この発明に係
る静電アクチュエータの応用例について説明する。この
発明に係る静電アクチュエータは、低消費電力で効率の
良い駆動特性が得られるため、例えば小型電子カメラの
焦点調節機構としての利用に適している。
【0128】図25は、この発明による静電アクチュエ
ータを焦点調節機構に用いた小型電子カメラのモジュー
ル部分を示している。焦点調節機構に適用される静電ア
クチュエータは、既に述べた何れの実施形態に係る構造
を有するものであっても良い。図25に示されるよう
に、基板100上にCMOSもしくはCCDにより構成
される固体撮像素子101が配置され、この上に静電ア
クチュエータ102が設けられている。この静電アクチ
ュエータ102は、図25に示したように可動子3にレ
ンズ5を一体に設けたものである。また、基板100上
には、静電アクチュエータ102の駆動回路4及び駆動
回路4を制御するためのDSP(ディジタルシグナルプ
ロセッサ)チップ等を含むICチップ103が実装され
ている。
【0129】このような電子カメラモジュールは、図2
5中に示されるように極めて小型に構成できるため、携
帯電話機やディジタルカメラ等に好適である。
【0130】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば可
動子への電気配線が不要であり、量産性及び信頼性に優
れ、小型化にも有利な静電アクチュエータを提供するこ
とができる。
【0131】また、電極上に形成された誘電体膜の誘電
分極による影響を除去することも容易であり、それによ
って安定した動作を実現することができる。
【0132】さらに、本発明によれば上述した静電アク
チュエータを焦点調節機構に用いることにより、極めて
小型に構成できる携帯電話機やディジタルカメラ等に好
適なカメラモジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)及び(b)は、この発明の第1実施形態
に係る静電アクチュエータの長手方向及びこれと直交す
る方向に沿う概略的断面図
【図2】図1に示す第1固定子及び第2固定子上の第1
電極アレイ及び第2電極アレイと駆動回路の構成を示す
概略図
【図3】(a)〜(f)は、図1に示した静電アクチュ
エータの動作を説明するためのタイミングチャート
【図4】図1に示した静電アクチュエータの動作を説明
するための第1ステップでの様子を示す模式図
【図5】図1に示した静電アクチュエータの動作を説明
するための第2ステップでの様子を示す模式図
【図6】図1に示した静電アクチュエータの動作を説明
するための第3ステップでの様子を示す模式図
【図7】図1に示した静電アクチュエータの動作を説明
するための第4ステップでの様子を示す模式図
【図8】この発明の第2実施形態に係る静電アクチュエ
ータの長手方向に沿う概略的断面図
【図9】図8に示した第1固定子及び第2固定子上の第
1電極アレイ及び第2電極アレイと駆動回路の構成を示
す概略図
【図10】(a)〜(h)は、図8に示した静電アクチ
ュエータの動作を説明するためのタイミングチャート
【図11】図8に示した静電アクチュエータの動作を説
明するための第1ステップでの様子を示す模式図
【図12】この発明の第3の実施形態に係る静電アクチ
ュエータの第1固定子上の電極アレイの構成を概略的に
示す平面図
【図13】(a)〜(j)は、図12に示した静電アク
チュエータの動作を説明するためのタイミングチャート
【図14】この発明の第4の実施形態に係る静電アクチ
ュエータの第1固定子上の第1電極アレイの構成を概略
的に示す平面図
【図15】この発明の第5の実施形態に係る静電アクチ
ュエータの第1固定子上の第1電極アレイの構成を概略
的に示す平面図
【図16】この発明の第6の実施形態に係る静電アクチ
ュエータの第1固定子上の第1電極アレイの構成を概略
的に示す平面図
【図17】(a)〜(h)Hは、図16に示した静電ア
クチュエータの動作を説明するためのタイミングチャー
【図18】この発明の第7の実施形態に係る静電アクチ
ュエータの第1固定子上の第1電極アレイの構成を概略
的に示す平面図
【図19】(a)〜(h)は、図18に示した静電アク
チュエータの動作を説明するためのタイミングチャート
【図20】この発明の第8の実施形態に係る静電アクチ
ュエータの第1固定子上の第1電極アレイの構成を概略
的に示す平面図
【図21】(a)〜(h)は、図20に示した静電アク
チュエータの動作を説明するためのタイミングチャート
【図22】この発明の第9の実施形態に係る静電アクチ
ュエータの第1固定子上の第1電極アレイの構成を概略
的に示す平面図
【図23】この発明の第10の実施形態に係る静電アク
チュエータの第1固定子上の第1電極アレイの構成を概
略的に示す平面図
【図24】この発明の第11の実施形態に係る静電アク
チュエータの第1固定子上の第1電極アレイの構成を概
略的に示す平面図
【図25】この発明の第12の実施形態としてこの発明
による静電アクチュエータの応用例である小型電子カメ
ラモジュールを示す図
【符号の説明】
1…第1固定子 2…第2固定子 3…可動子 4…駆動回路 5…レンズ 11…絶縁性基板 12…第1電極アレイ 12−1〜12−6…電極列 13…誘電体膜 21…絶縁性基板 22…第2電極アレイ 22−1,22−2…電極列 23…誘電体膜 31…絶縁性基体 32…凸面 33…第3電極 34…第4電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 笠原 章裕 東京都港区芝浦一丁目1番1号 株式会 社東芝本社事務所内 (56)参考文献 特開 平11−281870(JP,A) 特開 平10−239578(JP,A) 特開 平6−38553(JP,A) 特開 平5−122948(JP,A) 特開 平2−206376(JP,A) 特開 平8−140367(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02N 1/00 G02B 7/02 G02B 7/04 H04N 5/232

Claims (19)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1方向もしくは、第1方向及びこれと直
    交する第2方向に所定ピッチで配列された複数の電極か
    らなる第1電極アレイを有する第1固定子と、 前記第1固定子に対向して設けられ、前記第1方向及び
    これと直交する第2方向の少なくとも一方の方向に所定
    ピッチで配列された複数の電極からなる第2電極アレイ
    を有する第2固定子と、 前記第1固定子と前記第2固定子との間に配置され、少
    なくとも前記第1電極アレイ及び第2電極アレイにそれ
    ぞれ対向する位置に第3電極及び第4電極を有する可動
    子と、 前記第1電極アレイ及び第2電極アレイに接続された駆
    動回路とを備え、 前記駆動回路は、前記第1電極アレイの前記第1方向及
    び第2方向のいずれかの方向に並んだ電極間に第1直流
    電圧を印加する第1駆動動作と、前記第2電極アレイの
    前記第1方向及び第2方向のいずれかの方向に並んだ電
    極間に第2直流電圧を印加する第2駆動動作とを交互
    に、かつ前記第1駆動動作により前記第1直流電圧を印
    加する電極の位置を前記第1方向に順次ずらして繰り返
    し行うことを特徴とする静電アクチュエータ。
  2. 【請求項2】前記第1電極アレイは、前記第1方向に複
    数個周期毎に離散した電極の集まりを1グループとした
    複数のグループに分割され、 前記駆動回路は、前記第1駆動動作時に前記第1電極ア
    レイの同一グループの電極に前記第1直流電圧を同時に
    印加する動作を、前記第1電極アレイのグループの位置
    を前記第1方向に順次ずらして繰り返し行うように構成
    される請求項1記載の静電アクチュエータ。
  3. 【請求項3】第1方向に所定ピッチで配列され、かつ前
    記第1方向と直交する第2方向に所定の間隔を存して配
    置された複数の電極列からなる第1電極アレイを有する
    第1固定子と、 前記第1固定子に対向して設けられ、前記第1方向及び
    第2方向の少なくとも一方の方向に所定ピッチで配列さ
    れた複数の電極からなる第2電極アレイを有する第2固
    定子と、 前記第1固定子と前記第2固定子との間に配置され、少
    なくとも前記第1電極アレイ及び第2電極アレイにそれ
    ぞれ対向する位置に第3電極及び第4電極を有する可動
    子と、 前記第1電極アレイ及び第2電極アレイに接続された駆
    動回路とを備え、 前記駆動回路は、前記第1電極アレイの前記第2方向に
    おいて隣接する前記電極列の電極間に第1直流電圧を印
    加する第1駆動動作と、前記第2電極アレイの前記第1
    方向及び第2方向のいずれかの方向に並んだ電極間に第
    2直流電圧を印加する第2駆動動作とを交互に、かつ前
    記第1駆動動作により前記第1直流電圧を印加する電極
    の位置を前記第1方向に順次ずらして繰り返し行う静電
    アクチュエータ。
  4. 【請求項4】前記駆動回路は、前記第1駆動動作を前記
    電極列の前記第1方向において隣接する複数の電極につ
    いて同時に行う請求項3記載の静電アクチュエータ。
  5. 【請求項5】前記第1電極アレイは、2つの電極列で各
    々構成されるペアを少なくとも2つ有し、各電極列の電
    極は各ペア内では同位相、各ベア間では異なる位相でそ
    れぞれ前記第1方向に配列され、 前記駆動回路は、前記第1駆動動作において前記各ペア
    の前記電極列の電極間に前記第1直流電圧を印加する請
    求項3記載の静電アクチュエータ。
  6. 【請求項6】前記第1電極アレイの各々の電極列は、前
    記第1方向に複数個周期毎に離散した電極の集まりを1
    グループとした複数のグループにそれぞれ分割され、 前記駆動回路は、前記第1駆動動作に前記第1電極アレ
    イの各電極列の同一グループの電極と他の電極列の同一
    グループの電極との間に前記第1直流電圧を印加し、か
    つ該第1直流電圧を印加するグループの位置を前記第1
    方向に順次ずらして繰り返し行うように構成される請求
    項5記載の静電アクチュエータ。
  7. 【請求項7】第1方向に所定ピッチで配列され、かつ前
    記第1方向と直交する第2方向に所定の間隔を存して配
    置された少なくとも2列の電極列からなる第1電極アレ
    イを有する第1固定子と、 前記第1固定子に対向して設けられ、前記第1方向に前
    記第1電極アレイと同一ピッチでかつ前記第1電極アレ
    イに対して位相をずらして配列されると共に、前記第2
    方向に所定の間隔を存して配置された少なくとも2列の
    電極列からなる第2電極アレイを有する第2固定子と、 前記第1固定子と前記第2固定子との間に配置され、少
    なくとも前記第1電極アレイ及び第2電極アレイにそれ
    ぞれ対向する面に第3電極及び第4電極を有する可動子
    と、 前記第1電極アレイ及び第2電極アレイに接続された駆
    動回路とを備え、 前記駆動回路は、前記第1電極アレイの前記第2方向に
    おいて隣接する電極間に第1直流電圧を印加する第1駆
    動動作と、前記第2電極アレイの前記第2方向において
    隣接する電極間に第2直流電圧を印加する第2駆動動作
    とを交互に、かつ前記第1駆動動作及び第2駆動動作に
    より前記第1直流電圧及び第2直流電圧を印加する電極
    の位置を前記第1方向に順次ずらして繰り返し行う静電
    アクチュエータ。
  8. 【請求項8】前記第1電極アレイの各々の電極列及び前
    記第2電極アレイの各々の電極列は、前記第1方向に複
    数個周期毎に離散した電極の集まりを1グループとした
    複数のグループにそれぞれ分割され、 前記駆動回路は、前記第1駆動動作時に前記第1電極ア
    レイの各電極列の同一グループの電極と他の電極列の同
    一グループの電極との間に前記第1直流電圧を印加し、
    前記第2駆動動作時に前記第2電極アレイの各電極列の
    同一グループの電極と他の電極列の同一グループの電極
    との間に前記第2直流電圧を同時に印加し、前記第1駆
    動動作及び第2駆動動作により前記第1直流電圧及び第
    2直流電圧を電極に印加するグループの位置を前記第1
    方向に順次ずらして繰り返し行うように構成されること
    を特徴とする請求項7記載の静電アクチュエータ。
  9. 【請求項9】前記第1電極アレイは、3列の前記電極列
    を有し、 前記駆動回路は、前記第1駆動動作時に前記第1電極ア
    レイの中央の電極列の電極と両側の2つの電極列の電極
    との間に前記第1直流電圧を印加する請求項7記載の静
    電アクチュエータ。
  10. 【請求項10】前記第1固定子及び第2固定子は、前記
    第1電極アレイ及び第2電極アレイの電極表面を覆うよ
    うに設けられた誘電体膜を有する請求項1、3、7のい
    ずれか1項記載の静電アクチュエータ。
  11. 【請求項11】前記第1固定子及び第2固定子は、前記
    第1電極アレイ及び第2電極アレイの電極表面を覆うよ
    うに設けられた誘電体膜を有し、 前記駆動回路は、前記第1及び第2直流電圧を同一電極
    に対して交互に極性反転するように印加する請求項1、
    3、7のいずれか1項記載の静電アクチュエータ。
  12. 【請求項12】少なくとも撮像素子を実装した基板と、 前記基板上に設けられた請求項1乃至11のいずれか1
    項記載の静電アクチュエータと、 前記撮像素子への入射光路に配置されるように前記可動
    子に設けられたレンズとを具備するカメラモジュール。
  13. 【請求項13】第1方向に所定のピッチで配列された少
    なくとも第1、第2及び第3の電極を含む第1の電極配
    列を有する第1の固定子と、 空間を介して前記第1の固定子に対向して配置され、少
    なくとも第4及び第5の電極を含む第2の電極配列を有
    する第2の固定子と、 前記空間に配置され、前記第1の電極配列に対向する第
    1電極部及び前記第2の電極配列に対向する第2電極部
    を含み、この第1及び第2電極部が所定のフロート電位
    に維持されている可動子と、 前記所定のフロート電位よりも高い第1レベル及び前記
    所定のフロート電位よりも低い第2レベルを有する直流
    電圧信号を前記第1及び第2の電極配列に交互に印加す
    る駆動回路とを備えた静電アクチュエータであって、 前記駆動回路は、 第1の期間において、第1の直流電圧信号を前記第1の
    電極配列の隣接する第1及び第2の電極に印加し、この
    第1及び第2の電極を夫々前記第1及び第2レベルに維
    持して前記可動子の前記第1電極部を引き付け、 第2の期間において、第2の直流電圧信号を前記第2の
    電極配列の隣接する第4及び第5の電極に印加し、この
    第4及び第5電極を夫々前記第1及び第2レベルに維持
    して前記可動子の前記第2電極部を引き付け、 第3の期間において、第3の直流電圧信号を前記第1の
    電極配列の隣接する第2及び第3の電極に印加し、この
    第2及び第3の電極を夫々前記第1及び第2レベルに維
    持して前記可動子の前記第1電極部を引き付け、 前記第1、第2及び第3の直流電圧信号の印加に従って
    前記可動子を前記第1方向に移動させることを特徴とす
    る静電アクチュエータ。
  14. 【請求項14】第1方向に所定のピッチで配列された少
    なくとも第1、第2及び第3の電極を含む第1の電極配
    列を有する第1の固定子と、 空間を介して前記第1の固定子に対向して配置され、前
    記第1方向に延出されている少なくとも第4及び第5の
    電極を含む第2の電極配列を有する第2の固定子と、 前記空間に配置され、前記第1の電極配列に対向する第
    1電極部及び前記第2の電極配列に対向する第2電極部
    を含み、この第1及び第2電極部が所定のフロート電位
    に維持されている可動子と、 前記所定のフロート電位よりも高い第1レベル及び前記
    所定のフロート電位よりも低い第2レベルを有する直流
    電圧信号を前記第1及び第2の電極配列に交互に印加す
    る駆動回路とを備えた静電アクチュエータであって、 前記駆動回路は、 第1の期間において、第1の直流電圧信号を前記第1の
    電極配列の隣接する第1及び第2の電極に印加し、この
    第1及び第2の電極を夫々前記第1及び第2レベルに維
    持して前記可動子の前記第1電極部を引き付け、 第2の期間において、第2の直流電圧信号を前記第2電
    極配列の第4及び第5電極に印加し、この第4及び第5
    電極を夫々前記第1及び第2レベルに維持して前記可動
    子の前記第2電極部を引き付け、 第3の期間において、第3の直流電圧信号を前記第1の
    電極配列の隣接する第2及び第3電極に印加し、この第
    2及び第3の電極を夫々前記第1及び第2レベルに維持
    して前記可動子の前記第1電極部を引き付け、 第4の期間において、第4の直流電圧信号を前記第2の
    電極配列の隣接する第4及び第5の電極に印加し、この
    第4及び第5の電極を夫々前記第1及び第2レベルに維
    持して前記可動子の前記第2電極部を引き付け、 前記第1、第2、第3及び第4の直流電圧信号の印加に
    従って前記可動子を前記第1方向に移動させることを特
    徴とする静電アクチュエータ。
  15. 【請求項15】第1方向に所定のピッチで配列された少
    なくとも第1、第2及び第3の電極を含む第1の電極配
    列を有する第1の固定子と、 空間を介して前記第1の固定子に対向して配置され、前
    記第1方向に前記所定のピッチで配列される少なくとも
    第4、第5及び第6の電極を含む第2の電極配列を有す
    る第2の固定子と、 前記空間に配置され、前記第1の電極配列に対向する第
    1電極部及び前記第2の電極配列に対向する第2電極部
    を含み、この第1及び第2電極部が所定のフロート電位
    に維持されている可動子と、 前記所定のフロート電位よりも高い第1レベル及び前記
    所定のフロート電位よりも低い第2レベルを有する直流
    電圧信号を前記第1及び第2の電極配列に交互に印加す
    る駆動回路とを備えた静電アクチュエータであって、 前記駆動回路は、 第1の期間において、第1の直流電圧信号を前記第1の
    電極配列の隣接する第1及び第2の電極に印加し、この
    第1及び第2の電極を夫々前記第1及び第2レベルに維
    持して前記可動子の前記第1電極部を引き付け、 第2の期間において、第2の直流電圧信号を前記第2の
    電極配列の隣接する第4及び第5の電極に印加し、この
    第4及び第5の電極を夫々前記第1及び第2レベルに維
    持して前記可動子の前記第2電極部を引き付け、 第3の期間において、第3の直流電圧信号を前記第1の
    電極配列の隣接する第2及び第3の電極に印加し、この
    第2及び第3の電極を夫々前記第1及び第2レベルに維
    持して前記可動子の前記第1電極部を引き付け、 第4の期間において、第4の直流電圧信号を前記第2の
    電極配列の隣接する第5及び第6の電極に印加し、この
    第5及び第6の電極を夫々前記第1及び第2レベルに維
    持して前記可動子の前記第2電極部を引き付け、 前記第1、第2、第3及び第4の直流電圧信号の印加に
    従って前記可動子を前記第1方向に移動させることを特
    徴とする静電アクチュエータ。
  16. 【請求項16】第1方向に所定のピッチで配列された少
    なくとも第1、第2及び第3の電極を夫々含む実質的に
    平行な第1及び第2の電極配列を有する第1の固定子
    と、 空間を介して前記第1の固定子に対向して配置され、前
    記第1方向に延出されている少なくとも第4及び第5の
    電極を含む第3の電極配列を有する第2の固定子と、 前記空間に配置され、前記第1の電極配列に対向する第
    1電極部及び前記第2の電極配列に対向する第2電極部
    を含み、この第1及び第2電極部が所定のフロート電位
    に維持されている可動子と、 前記所定のフロート電位よりも高い第1レベル及び前記
    所定のフロート電位よりも低い第2レベルを有する直流
    電圧信号を前記第1及び第2の電極配列に交互に印加す
    る駆動回路とを備えた静電アクチュエータであって、 前記駆動回路は、 第1の期間において、第1の直流電圧信号を前記第1及
    び第2の電極配列の隣接する第1の電極に印加し、この
    隣接する第1の電極を夫々前記第1及び第2レベルに維
    持して前記可動子の前記第1電極部を引き付け、 第2の期間において、第2の直流電圧信号を前記第3の
    電極配列の第4及び第5の電極に印加し、この第4及び
    第5の電極を夫々前記第1及び第2レベルに維持して前
    記可動子の前記第2電極部を引き付け、 第3の期間において、第3の直流電圧信号を前記第1及
    び第2の電極配列の隣接する第2の電極に印加し、この
    隣接する第2の電極を夫々前記第1及び第2レベルに維
    持して前記可動子の前記第1電極部を引き付け、 前記第1、第2、第3及び第4の直流電圧信号の印加に
    従って前記可動子を前記第1方向に移動させることを特
    徴とする静電アクチュエータ。
  17. 【請求項17】第1方向に所定のピッチで配列された少
    なくとも第1及び第2の電極を夫々含む実質的に平行な
    第1及び第2の電極配列を有する第1の固定子と、 空間を介して前記第1の固定子に対向して配置され、前
    記第1方向に前記所定のピッチで、前記第1及び第2の
    電極配列に対して1/2ピッチだけ位相差を与えて配列
    されている少なくとも第3及び第4の電極を夫々含む実
    質的に平行な第3及び第4の電極配列を有する第2の固
    定子と、 前記空間に配置され、前記第1の電極配列に対向する第
    1電極部及び前記第2の電極配列に対向する第2電極部
    を含み、この第1及び第2電極部が所定のフロート電位
    に維持されている可動子と、 前記所定のフロート電位よりも高い第1レベル及び前記
    所定のフロート電位よりも低い第2レベルを有する直流
    電圧信号を前記第1及び第2の電極配列並びに前記第3
    及び第4の電極配列に交互に印加する駆動回路とを備え
    た静電アクチュエータであって、 前記駆動回路は、 第1の期間において、第1の直流電圧信号を前記第1及
    び第2の電極配列の隣接する第1の電極に印加し、この
    隣接する第1の電極を夫々前記第1及び第2レベルに維
    持して前記可動子の前記第1電極部を引き付け、 第2の期間において、第2の直流電圧信号を前記第3及
    び第4の電極配列の隣接する第3の電極に印加し、この
    隣接する第3の電極を夫々前記第1及び第2レベルに維
    持して前記可動子の前記第1電極部を引き付け、 第3の期間において、第3の直流電圧信号を前記第1及
    び第2の電極配列の隣接する第2の電極に印加し、この
    隣接する第2の電極を夫々前記第1及び第2レベルに維
    持して前記可動子の前記第1電極部を引き付け、 第4の期間において、第4の直流電圧信号を前記第3及
    び第4の電極配列の隣接する第4の電極に印加し、この
    隣接する第4の電極を夫々前記第1及び第2レベルに維
    持して前記可動子の前記第1電極部を引き付け、 前記第1、第2、第3及び第4の電圧信号の印加に従っ
    て前記可動子を前記第1方向に移動させることを特徴と
    する静電アクチュエータ。
  18. 【請求項18】第1方向に所定のピッチで配列された少
    なくとも第1及び第2の電極を夫々含む実質的に平行な
    第1、第2及び第3の電極配列を有する第1の固定子
    と、 空間を介して前記第1の固定子に対向して配置され、少
    なくとも第4及び第5の電極を含む第4の電極配列を有
    する第2の固定子と、 前記空間に配置され、前記第1の電極配列に対向する第
    1電極部及び前記第2の電極配列に対向する第2電極部
    を含み、この第1及び第2電極部が所定のフロート電位
    に維持されている可動子と、 前記所定のフロート電位よりも高い第1レベル及び前記
    所定のフロート電位よりも低い第2レベルを有する直流
    電圧信号を前記第1及び第2の電極配列並びに第4の電
    極配列に交互に印加する駆動回路とを備えた静電アクチ
    ュエータであって、 前記駆動回路は、 第1の期間において、第1の直流電圧信号を前記第1、
    第2及び第3の電極配列の隣接する第1の電極に印加
    し、前記第1及び第3の電極配列の第1の電極を夫々前
    記第1及び第2レベルの一方に、前記第2の電極配列の
    第1の電極を前記第1及び第2レベルの他方に維持して
    前記可動子の前記第1電極部を引き付け、 第2の期間において、第2の直流電圧信号を前記第4の
    電極配列の第4及び第5の電極に印加し、この第4及び
    第5の電極を夫々前記第1及び第2レベルに維持して前
    記可動子の前記第2電極部を引き付け、 第3の期間において、第3の直流電圧信号を前記第1、
    第2及び第3の電極配列の隣接する第2の電極に印加
    し、前記第1及び第3の電極配列の第2の電極を夫々前
    記第1及び第2レベルの一方に、前記第2の電極配列の
    第2の電極を前記第1及び第2レベルの他方に維持して
    前記可動子の前記第1電極部を引き付け、 前記第1、第2及び第3の電圧信号の印加に従って前記
    可動子を前記第1方向に移動させることを特徴とする静
    電アクチュエータ。
  19. 【請求項19】実質的に平行な第1及び第2の電極配列
    並びに実質的に平行な第3,第4及び第5の電極配列を
    含み、この第1及び第2の電極配列の夫々が第1方向に
    所定のピッチで配列され、第1方向に直交する第2方向
    に一列に配置された第1及び第2の電極を含み、第3、
    第4及び第5の電極配列の夫々が第1方向に所定のピッ
    チで配列され、前記第1及び第2の電極配置列の間で前
    記第2方向に直線的に配置されている第3、第4及び第
    5の電極を含む第1の固定子と、 空間を介して前記第1の固定子に対向して配置され、少
    なくとも第6及び第7の電極を含む第6の電極配列を有
    する第2の固定子と、 前記空間に配置され、前記第1の電極配列に対向する第
    1電極部及び前記第2の電極配列に対向する第2電極部
    を含み、この第1及び第2電極部が所定のフロート電位
    に維持されている可動子と、 前記所定のフロート電位よりも高い第1レベル及び前記
    所定のフロート電位よりも低い第2レベルを有する直流
    電圧信号を前記第1及び第2の電極配列並びに前記第
    3,第4及び第5の電極配列の一方及び第4の電極配列
    に交互に印加する駆動回路とを備えた静電アクチュエー
    タにおいて、 前記駆動回路は、 第1の期間において、第1の直流電圧信号を前記第1及
    び第2の電極配列の第1及び第2の電極に印加し、前記
    第1及び第2の電極配列の第1の電極を夫々前記第1及
    び第2レベルに維持して前記可動子の前記第1電極部を
    引き付け、 第2の期間において、第2の直流電圧信号を前記第6の
    電極配列の第6及び第7の電極に印加し、この第6及び
    第7の電極を夫々前記第1及び第2レベルに維持して前
    記可動子の前記第2電極部を引き付け、 第3の期間において、第3の直流電圧信号を前記第3、
    第4及び第5の電極配列の第3、第4及び第5の電極に
    印加し、前記第3及び第5の電極配列の第3及び第5の
    電極を夫々前記第1及び第2レベルの一方に、前記第4
    の電極配列の第4の電極を前記第1及び第2レベルの他
    方に維持して前記可動子の前記第1電極部を引き付け、 前記第1、第2及び第3の電圧信号の印加に従って前記
    可動子を前記第1方向に移動させることを特徴とする静
    電アクチュエータ。
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