JP3482898B2 - 回折型光学部品の設計方法 - Google Patents
回折型光学部品の設計方法Info
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Description
計方法に関する。光学部品というのは光を屈折、透過、
吸収、集光、反射、散乱、回折させる部品である。回折
型というのは屈折型のより高度な概念であり、光の回折
現象を利用して所定の作用を行わせるものである。屈折
というのはレンズやプリズムなどにおいて屈折率の差に
よって光の進行方向を曲げるものである。境界において
スネルの法則が成り立ち、境界以外は方向の決まった光
線として取り扱う。広がりを持ったビームは複数の光線
によって代表されると考えるからこれは幾何光学によっ
て扱うことができる。幾何光学ではビームは異なる経路
を進行し、一様媒質では直進すると考える。一本一本の
光線を追跡できるし、追跡することによって集光、拡散
の様子を計算できる。そこでは光は波動として扱われな
い。光の振幅、位相の分布は、光線の重み、光路差で扱
うことができるが、波動としての伝搬の振舞は厳密に扱
うことはできない。反射は屈折と対比されることもある
が、これは屈折率によって決まり、反対概念ではない。
反射望遠鏡の集光なども幾何光学によって取り扱うこと
ができる。
を利用して所望の動作を行わせる光学素子である。回折
であるからもはや幾何光学では役に立たない。波動光学
的にあつかわねばならない。つまり振幅と位相の分布を
持った波動として光をとらえ、その伝搬を回折現象とし
て扱う必要がある。光線という概念は有用でない。直進
する光線というイメージよりも連続した波頭をもつ波動
というイメージでとらえなければならない。
ているものは回折格子であろう。透過型のものも反射型
のものもある。平行な溝を幾つも等間隔に形成した回折
格子は白色光にたいして分光に用いられることもある。
単色光の場合は0次回折光、±1次回折光、±2次回折
光などを発生することができる。格子間隔をd、波長を
λとすると、m次回折光はdsinθ=mλの方向に出
る。次数mが増えるにしたがって回折光強度は急速に減
少する。回折格子は、格子間隔dで等間隔に溝を切って
あるだけなので得られる作用が限られる。自由度の高い
光の制御を行うことはできない。
ements, DOE)というのは古典的な回折格子より進化
してより一般的な機能を有する素子である。ホログラフ
ィック光学素子とも呼ばれる。より細かくxyの二次元
分布を自在に与えるような回折型素子が求められる。例
えば、像面(xy面)において等間隔にK個の集光点を
等強度で形成するという、(1×K)スポットを目的と
する場合もある。或いは像面においてx方向にK個、y
方向にL個のスポット(K×L)を等間隔等強度に形成
することを目的とする場合もある。等間隔でなくて所望
の間隔に(K×L)のスポットを像面に形成するという
場合もありうる。レンズやミラーによる屈折型、反射型
の光学系は、集光点が光軸上に一つ存在し、入射光の品
質をできるだけ損なうことなく、像が明晰に形成できる
ということが目的になる。回折型の光学部品は入射光の
品質を損なわないことに加え、それに光学的な情報を付
加することで、集光点が幾つもできて複雑な像を形成さ
せることが可能である。だから回折型の光学素子は、屈
折反射型とは異なった用途がある。
な赤外光を出す。金属の溶接、切断、熱処理などに使わ
れる。炭酸ガスレ−ザによってプリント基板に多数の孔
を開けるという新しい用途もある。小さい孔(約100
μm径)を縦横に多数等間隔に穿孔するのである。ガル
バノミラーを使ってビームを左右に高速で振りfθレン
ズという特殊なレンズによってビームを集光してプリン
ト基板に当てる。通常のレンズはθだけ傾いたビームは
像面の中心からftanθ離れたところにビームスポッ
トを作るが、fθレンズは、像面の中心からfθ離れた
点に集光点を作る。ガルバノミラーを0、±θ、±2θ
…というふうに振ると等間隔に孔を開ける事が出来る。
二つのガルバノミラーを用いれば、基板上を2次元的に
走査し任意の位置に孔を開けることができる。
つのであるが、ガルバノミラーの運動が高速であるから
かなりの速度で孔を開けることができる。複数のドリル
によって機械的に穿孔するのに比べて炭酸ガスレ−ザ・
ガルバノミラー・fθレンズの組み合わせによる光学的
穿孔の方が高速であり低コスト化を図ることができる。
しかしガルバノミラーはミラーを左右に機械的に揺動さ
せるものであり、ミラーの慣性があるから高速化には限
界がある。fθレンズも設計が難しく作製は容易でな
い。
プリント基板に多数の小孔を一挙に穿孔するということ
を考えた。回折型光学素子ならば、ガルバノミラーでビ
ームを左右に振る分(K×1)のビームスポットを一挙
に穿孔できる。欲を言えば、一行分にとどまらず、ある
矩形領域(K×L)の小孔を一度に穿孔したいものであ
る。そのようにビームをKとか(K×L)に分岐できれ
ば、ガルバノミラーもfθレンズも不要になる。回折型
光学部品は波動光学の手法を使って設計される。
を説明する。回折型光学部品(DOE)は、表面の微細
な凹凸形状パターンによって光の位相を変調し像面に所
望の複数の焦点よりなるパターンを形成する。レンズ、
ミラーの場合は幾何光学に立脚してビーム追跡がなされ
るが、DOEでは回折理論を基礎としたフーリエ光学解
析によって設計が行われる。図1のような基本光学系を
仮定する。
位相変調を受ける。これを集光レンズによって絞って像
面に結像させる。進行方向をz軸にとりこれに平行な面
をxy面とする。単色の一様平面波を仮定するとexp
(jkz)となる。kは波数(k=2π/λ)である。
実際には強度分布(例えばガウシアンなど)を持つか
ら、これをa(x,y)によって表現する。平面波は波
動a(x,y)exp(jkz)によって表現される。
回折素子であるから単色性は重要である。しかし単色で
ない場合も解析は可能である。異なる波長の波動を単に
重ね合わせれば良い。
から単色である。DOEの複素振幅透過率をt(x,
y)とする。これはDOEの入射面の(x,y)の点に
1の光が垂直に入ったとき出射面の同じ(x,y)の点
にt(x,y)の光がでてくるということを表す。厚み
をd、屈折率をnとすると、これは簡単にはexp(j
nd)によって表現される。このようなものをt(x,
y)とするのである。DOEの直後での光の複素振幅は
a(x,y)t(x,y)となる。その後に集光レンズ
がある。レンズの焦点距離をfとする。DOE・レンズ
を通過した直後の複素振幅U(x,y)は
に大きいものと仮定している。さらにレンズ収差はない
ものとしている。(1)式にはレンズの屈折率が陽に現
れないが屈折率がどうでも良いというのではない。屈折
率はfに入っているのである。光軸から離れた点P
(x,y)と焦点との距離PFと、レンズ中心Oと焦点
Fとの距離OFとの差が(x2+y2+f2)1/2−
f=(x2+y2)/2f(POがfよりずっと小さい
として)によって与えられる。レンズの焦点で集光しこ
こで位相が同一である。光路差が上のように与えられる
から、これに波数kを掛けたものが位相の差異になる。
中心を基準とし時間を遡るので−を付ける。これが最後
の項を与える。
であるが、レンズ面からfだけ離れた像面での複素振幅
をW(X,Y)によって表現する。(x,y)はレンズ
でのx、y座標であり、X、Yは像面でのx、y座標で
ある。像面とレンズの距離はfであるから、レンズでの
任意の点と像面での任意の点の距離は{(X−x)2+
(Y−y)2+f2}1/2であるが、レンズ・像面中
心の距離はfでありこれを引くと、Δ={(X−x)2
+(Y−y)2+f2}/2fということになる。これ
に波数kを掛けたものが位相差である。位相差をexp
の肩において、U(x,y)exp(jkΔ)dxdy
が、像面でのW(X,Y)への寄与を与える。レンズ面
での全ての寄与はこれを積分することによって求められ
る。
代入すると、
を持つ。a(x,y)、t(x,y)のフーリエ変換を
A(u,v)、T(u,v)とする。例えば
の振幅a(x,y)に依存する。これは当然である。厳
密にはレ−ザビームのビーム強度分布を考慮し第1項も
計算に入れる。ここでは簡単に説明するために一様平面
波とする。第1項(2乗成分は一定だから)の寄与も無
視してしまうと、一様平面波の場合像面での複素振幅は
る。厳密な取扱いを必要とする場合は、それぞれの段階
で厳密な式を扱うようにするべきである。ここでは説明
を簡単にするためと後述する計算を簡単にするために単
純化している。ここまではDOEの形状t(x,y)に
よって像面での複素振幅W(X,Y)が与えられるとし
てきたが、逆に像面での振幅を与えておき、DOEの形
状を決めるということができないかと考えられる。
隔スポットを得たいという場合は、W(X,Y)が所望
のK個の領域で所定の一定値をとり、その他の領域で0
を取るように決める。或いは(K×L)の点でスポット
を形成するようにしたいというのであれば、W(X,
Y)をそのように与える。そのようなW(X,Y)を与
えるDOEの複素振幅透過率t(x,y)はどんなもの
であるのか?という問題になる。そうであれば、W
(X,Y)が決まるから、これを逆フーリエ変換してt
(x,y)を求めることができる。そうすればずっと簡
単に正確にDOE形状が決まる筈である。
にそのような事をしない。なぜかと言うと、それは製作
容易性を考慮するからである。所望のW(X,Y)が決
まりこれを逆フーリエ変換すると望ましいDOEの形状
t(x,y)が決まる。が、得られるt(x,y)は振
幅と位相の両者の分布を有する。振幅分布はDOE表面
の凹凸では実現できない。透過率分布を持たせることに
なるが、透過せず反射あるいは吸収されたエネルギーは
損失となってしまう。また、位相分布は無段階の連続的
な値を有し、階段状の凹凸で実現しきれない(作製でき
ない)。だから逆フーリエ変換によって遡行するのでは
なくDOEから順方向に計算を進める。
幅δx、縦方向に幅δyのセル(最小単位)が横にM、
縦にN個並んでいるものとする。つまり横寸法はM
δx、縦寸法はNδyである。このようにDOEを格子
化するのは作製を容易にするためであるが、計算を単純
化するという事もある。
さは2値或いは4値あるいはそれ以上の2n値(n=
3、4、5、…)のいずれかに決める。2値の場合は、
0かπの2値である。セル高さは透過光の位相を与える
のであり、位相は0〜2πまでしか考えなくて良いので
ある。4値の場合は、0と、π/2、π、3π/2であ
る。4値だと計算が複雑になるから2値の場合について
説明する。セルの高さという表現をしているが実際には
厚みである。屈折率をnとするとDOEの(x,y)で
の厚みをdとすると、これに屈折率を掛けて波長で割っ
て2πを掛けたものが位相の進みであるが、空気中を進
む場合との差が問題であるから2π(n−1)d/λの
位相差がでる。厚みが2値d1、d2をとるとして、空
気との位相差は2π(n−1)d1/λと2π(n−
1)d2/λである。前者を基準として、後者が位相差
πを与える。つまり2π(n−1)(d2−d1)/λ
=πなのである。材料の屈折率が決まると、厚みの差
(d2−d1)が決まる。d2−d1=λ/2(n−
1)。差は決まるが、基準厚みd1は任意である。
mを−M/2から+M/2−1に変化させ、縦セル番号
nを−N/2から+N/2−1に変化させる。セルは座
標(m,n)によって指定できる。そのセルの位相をφ
mn,振幅透過率をtmnとする。φmnは0かπであ
る。
{tmn}を求める事が課題になる。座標(x,y)は
連続でありセルは非連続であるから全体の振幅透過率t
(x,y)を表現するために次のような矩形関数を定義
する。
率の単純な和であるから、(m−0.5)δx≦x<
(m+0.5)δx、(n−0.5)δy≦y<(n+
0.5)δyのとき、t(x,y)=tmnである。同
じ事をrect関数を使って、
のが、T(kX/f,kY/f)=W(X,Y)であり
(間にはいろいろの近似、仮定がある)この仮定の下で
−1、nの積算範囲は−N/2〜N/2−1である。そ
れぞれのセル(m,n)について積分が計算できる。そ
れはsinc関数によって表現される。sinc関数は
あり、両側に波をうちながら減少して行く関数である。
OEの振幅透過率のフーリエ変換とsinc関数の積に
よって表されるということである。有限幅のスリットか
らの回折の場合かならずsinc関数が現れる。スリッ
ト(溝や段)が無限小の幅を持つ場合は、sinc関数
は現れない。0次回折が強く、二次回折、三次回折など
高次が弱くなるのはsinc関数によって表現される。
一次元の回折格子ならば一つのsinc関数があるが、
回折素子は二次元の回折だからx、y両方のsinc関
数が生ずる。
というのは集光レンズでフーリエ変換しているからであ
る。レンズの作用はフーリエ変換なのである。だからこ
れは予め予想できる結果である。
的な場合は、このままの式を使ってその形状を与えるよ
うにtmnを決めればよい。連続的に変化する回折光分
布を作ろうという場合はそのままの式を使うことができ
る。
ので像面の回折光分布も離散化する方が都合がよい。特
に後述するFFTを使って計算する場合、DOEの振幅
透過率と像面の回折光分布は同じ格子の大きさ(M×N)
を持たねばならない。DOEの離散化単位をセルといっ
たので、像面の離散化の単位を像面セルということにす
る。像面セルの個々の番号を横番号pと縦番号qによっ
て指定する。指数関数の中をフーリエ変換に適した2π
(m/M)pという形にする。すると2π(m/M)p
=kmδxX/fであるから、p=MδXX/fλとい
うような置き換えがなされれば良い。つまり像面のセル
横幅δ1=fλ/δxMに取れば良いのである。X=p
δ1という対応になる。同様にy方向の番号qは、q=
NδyY/fλとなる。像面セルの縦幅δ2=fλ/δ
yNである。Y=qδ2である。そのような離散化によ
って前の式は、
ourier Transform;DFT)である。これはtmn、M、N
等が既知であれば、コンピュータによって計算すること
ができる。像面セル(p、q)での回折光の複素振幅は
ける回折光強度分布はIpqは、これを二乗して、
Fourier Transform ; FFT)によって直ちに計算するこ
とができるので(16)式からIpqが求まる。
品)は、入射光を、一定の強度比をもつ複数の回折光に
空間的に分割するものである。DOE自体では角度方向
に分解するものである。例えばある幾つかの方向には強
度が1で、それ以外の方向には強度が0であるように回
折させる。これであると二値に回折光が分離されるだけ
であるが別段3値とか4値とかに回折光強度を多段値に
しても良い。どのような段階の回折光を得るにしても設
計方法は同じであるから、簡単のため以下の説明は2段
階のものだけに限る。
た光は無限遠までそれぞれ平行光になる。計算はそれで
もできるが実際の用途では無限遠では使いにくいので集
光レンズをいれて平行光をある像面に集光させる。集光
レンズを挿入した場合、像面ではある領域では回折光強
度が1、その他の領域では0ということになる。回折光
が存在すべき領域を信号領域と呼び、それの要素セルを
信号セルということにし、回折光が存在すべきでない領
域を空白領域といい、その要素セルを空白セルというこ
とにしよう。
が望ましい。信号セルに入る回折光の強度のバラツキを
簡単に強度バラツキと呼ぶ。強度バラツキはできるだけ
小さい方がよい。空白セルに入る回折光をノイズと呼
ぶ。ノイズはできるだけ小さい方がよい。また回折効率
ηもパラメータとなりうる。回折効率ηは高い方がよ
い。回折効率は、入射光のエネルギー全体に対し、所望
位置に回折される光量(信号領域に入る光量)の比とし
て定義される。光エネルギーの利用効率を表す重要な特
性である。理想的には、回折効率はできるだけ大きく、
強度バラツキと、ノイズ強度はできるだけ小さい事が望
まれる。
特性が目標値にできるだけ近くなるようにパターンの位
相分布を最適化すべきである。目標をどのようにして設
計に反映するのか?その手段が評価関数である。評価関
数は、これら特性値とその目標値との差を含むものと
し、特性値が目標に接近すれば評価関数が減少するよう
な関数形とすれば良い。もっとも単純には、着目する特
性値とその目標値との差の二乗の和によって評価関数を
定義する。評価関数を減少させることは、評価関数に含
まれる特性値が目標に近づくことを意味する。しかし評
価関数に含まれていない特性については評価関数は中立
である。評価関数から外れた特性はどのように変動する
かわからない。ここでは、回折効率、強度バラツキ、ノ
イズ強度を評価関数に含ませるべき特性として選択し
た。評価関数Eは
信号領域を意味する。ηはその時点での複素振幅透過率
(変数)に対する回折効率、ηobjは目標回折効率であ
る。1項は回折効率の目標値からのズレの二乗である。
2項は信号領域での平均の回折強度Iavと、信号領域
Sでの(p,q)セルでの回折強度Ipqの差の二乗の
和を意味する。3項は空白セルでの回折光の最大値(M
ax)の2乗を採用している。空白セルの回折はないの
がいいのであるが実際には存在する。これがノイズであ
り、ノイズの評価としてノイズの2乗和をとってもよい
のであるが、ここでは最大値によってノイズを評価して
いる。w1、w2、w3は重みである。
度が一様で、回折効率が目標通りであれば0となる。そ
うでなくてもノイズが減り、信号強度が均一に近づき、
回折効率が目標に近づくと、評価関数は減少する。変数
である振幅透過率をすこしづつ変動させて、評価関数を
最小化すれば、そのときの変数は、ノイズを最も少なく
し、信号強度をはぼ均一にし、回折効率は目標にもっと
も近いものを与える筈である。変数値を変えながら評価
関数を極小化することによって、最適の変数の組を見い
だすことができる。
では、数万〜数百万個のセルの位相(振幅透過率)を変
数として、評価関数を最小化する最適化計算を行う必要
がある。セルの数が多いので計算にはかなりの時間を要
することがある。2段階位相の場合(0かπ)のDOE
の設計の道筋を図3によって説明する。この方法はDire
ct Binary Search法という。回折型素子のセルの位相の
初期値を設定する。2段階なので、セルの位相は0かπ
かの何れかである。φmnというのは(m,n)セルに
与える位相を意味する。φmnは0かπである。初期位
相はここではランダムに与えている。初期位相の与え方
はランダム以外にも定型の分布とする方法もある。
回折光の分布Ipqがわかる。これによって評価関数E
を計算する。これは評価関数に番号rをつける。rは1
から始まる。最初の評価関数であるからEr(r=1)
とする。次にただひとつ(u、v)セルの位相を変更す
る。このセルの位相がπであったら0に変更し、0であ
ったらπに変更する。これによって像面での回折強度I
pqが計算できる。その強度分布から評価関数E’を計
算することができる。もしもEよりもE’の方が小さい
とすると、(u,v)セルの位相変更を受け入れる。
E’を評価関数Eの値とする。反対に、もしもEよりも
E’が大きいとすると(u,v)セルの位相変更は良く
なかったのであるから位相をもとに戻す。評価関数はも
とのままとする。
v=0から始める。ここから出発するが、その次は
(1,0)、(2,0)…というよう右へ位相変更セル
を推移させる。v=0の行の位相変更が終わる(u=
M)と、次の行(v=1)に移動する。こうしてセル一
つ一つの位相を反転させ、そのたびに回折光強度Ipq
を全て計算し、評価関数を計算する。評価関数が減るな
ら位相変更を受容し、評価関数を減少した値に変える。
評価関数が減らない場合は位相変更を棄却し、評価関数
はもとの値を維持する。最下段右端までゆく(u=M−
1、v=N−1)とこのとき評価関数Eはかなり減少し
ている。
−E)を計算する。減少量が予め定めた一定量εより大
きいとき(Er−E>ε)は、まだ評価関数が減少する
余地があるということである。そこでそのときのEをE
rに置き直す。再び(0,0)セルから位相を反転させ
る作業を繰り返す。一つのセルの位相を反転させて回折
光分布Ipqを求め、評価関数を計算し、これが減って
いれば受け入れ、減らなければ拒絶するという作業であ
る。これを何度か繰り返す必要がある。理由は、一つの
セルずつ評価関数が減る場合に位相を反転しているが、
一つずつであるから他のセルの状態が変化したとき、あ
るセルの位相を反転したほうが評価関数を減少させると
は限らないからである。何度もこのループを繰り返すこ
とによって評価関数を極小化できる。Er−E<εとな
ったら、r=1での計算を終了する。初めの初期値から
出発して到達した解 φmnと最小化された評価関数値
Eが得られる。
同じ手順で評価関数を極小化しても到達できる状態も極
小値も異なる。図4に変数の組と評価関数の関係を理念
的に示す。横軸は変数である。変数は多数あるが横軸ひ
とつで多数の変数を代表させている。縦軸は評価関数で
ある。初期値をI1とし、ここから出発し評価関数を減
少させてゆくとA点で評価関数が極小になる。右側に山
があるのでこれ以上には進まない。初期値をI2として
ここから始めるとB点で評価関数が極小化される。さら
に初期値をI3とするとC点で評価関数が極小になる。
評価関数が極小になる状態は初期値に依存する。それで
さまざまの初期値から出発し極小値を幾つか求めてその
うちの最小値を採用する必要がある。この例ではAやB
ではなくて評価関数Eの最小値を与える変数値としてC
を採用する。
初期値依存性がある。そこでつぎに初期値を変更する
(r=2)。おのおののセルの位相を全てランダムに決
める。この初期値(初期位相組)から同じ計算をして、
その初期値から到達できる最小の評価関数を求める。前
の初期値(r=1)での評価関数の極小値Eoptと大
小比較する。今回(r=2)の方が評価関数が小さけれ
ばそれを受容する。(E opt,φopt mn)これを
繰り返す(r=3,4,5,…)。図3において初期値
を何回更新するか?という問題がある。セルの数をMN
とすると、初期値の組は2MNだけある。このすべての
組を初期値として計算すると時間が掛かりすぎるしその
必要もない。評価関数を減少させて行く過程で通過する
状態も多数あるからである。初期値はここではランダム
に与えるが、規則的にある法則にしたがって与えても良
い。初期値を与える回数を(R−1)として予め決めて
おく。r=Rになると計算を終了する。
る。目的を決めてそれを達成する位相分布を求めパター
ンを設計する工程がある。これまでに述べて来たものは
この段階に関することである。本発明の目的はパターン
設計に関する改良を与えることである。その後実際にD
OEを作製する工程が示してある。微細加工、コ−ティ
ング、検査などの具体的な工程を経てDOE(回折型光
学部品)が製造される。
く簡単に述べるに止める。DOEのセルの位相、即ち厚
みが決まったので微細加工する。図6はその工程を示
す。DOEの基板(レ−ザ光を透過する部材例えばZn
Se基板)にレジストを塗布する。セルパターンを描い
たフォトマスクを基板の上に接近させて保持し、紫外線
ランプ(UV)光をマスクの上からレジストに照射す
る。レジストはポジ型でもネガ型でも良い。ポジ型の場
合をここでは示す。マスク遮光部でUV光は遮断され、
マスクの透明部をUV光が透過する。これがレジストに
光酸反応をおこし、レジストの高分子結合を分断する。
現像すると光が当たった部分のレジストが除去され、光
が当たらなかった部分が残る。上面をエッチングすると
レジストのない部分が抉られる。
うに2段の構造物ができる。段差は0とπの位相差に等
しくなるようにλ/2(n−1)としている。2段階位
相のDOEの場合は左最下段の状態で出来上がりであ
る。4段階位相のDOEの場合は右の欄にしめすように
同じ様なエッチングの工程を繰り返せば良い。位相がπ
/2と3π/2の段を新しく作製することができる。2
N段階位相のDOEは、このリソグラフィをN回繰り返
すことによって段部形成できる。そのあと、基板の両面
に無反射コ−ティングをおこなう。レ−ザ光を照射する
とそのままでは前面後面で反射して損失が大きい。両面
に誘電体多層膜をつけて反射を抑制する。
揮できるのかどうか検査をしなければならない。レ−ザ
光を当てて像面での回折光の分布を測定し、所望の回折
分布になっているかどうかを測定する。図1において像
面の位置に検出器をおいて光量を測定するのである。
の設計方法は、誤差のない理想の部品を目標にして評価
関数を立ててこれを最小化する。これによって回折型光
学部品のパターンを求めるようになっていた。製造時の
誤差によって特性が低下するということは考慮されてい
ない。しかし製造時には必ず誤差が生ずる。製造誤差の
ために特性が所望の値よりも低下するがそれも初めから
計算に含めるというのではない。製造誤差のために性能
が低下するだろうが、誤差がちいさければ良いのである
から、製造誤差をできるだけへらせば良い事である、と
いうのが従来の設計法の思想である。
概略を示す図である。各種の拘束条件を設定する。例え
ばパターンサイズを予め決める。これは目的に応じて任
意に決めることができる。例えば64セル×64セルの
構造にするとか、128セル×128セルにするとかで
ある。光源のエネルギーや像面での回折パターンの寸法
や複雑さなどを勘案して適宜決める。位相段数も予め設
定できるパラメータである。最も単純には0とπの2段
階にすればよい。
あるいは高さの差によって位相差を実現する。透過型の
場合は、厚みの差をΔtとし、屈折率をnとし波長をλ
とすると、位相差は2π(n−1)Δt/λによって与
えられる。0とπの二段階にするというのは高低部の差
をΔt=λ/2(n−1)にするということである。2
段階でも回折は起こるので2段階位相でもよい。
む場合には、4段階、8段階、…に位相をかえることが
できる。4段階というのは0、π/2、π、3π/2の
4段階の位相を取るようにするということである。部品
表面は4段階の高さをとる。最小段差はこの場合Δt=
λ/4(n−1)である。回折型部品は同じ寸法のセル
を縦横にいくつも繰り返し並べたという単純な構造をし
ているので拘束条件はそのぐらいしかない。透過型の回
折型部品の場合、材料が決まれば屈折率も予め決まって
いる。屈折率の揺らぎはありうるが、屈折率自体は自由
に選ぶことができない。だからこれらはここでの条件に
入らない。ここで条件というのは本来自由に選択できる
ものをある特定の数値に限定するということである。
に関しても自由度がある。所望の性能と、計算される性
能との差の2乗の和として評価関数を与えるというのが
普通の方法である。そのように選ぶと、評価関数を減ら
すということと所望性能への接近とが等価になる。例え
ば回折効率、バラツキ、ノイズなどを評価関数中の特性
値として選ぶことができる。回折効率は目的の値と、そ
のパラメータから計算された値との違いの2乗として評
価関数に含めることができる。
域が複数ある場合にその領域へ回折される光量の揺らぎ
をいう。これは平均値或いは所望の値と、個々の領域へ
の回折量の値の差の2乗として評価関数に含めることが
できる。ノイズというのは回折光が到達してはならない
領域に回折される光量のことである。これは0である事
が望ましいが、実際にはなかなかそのようにはできな
い。それでこれらの光量を2乗して評価関数に含めるこ
とができる。その他にも所望の値と、計算値の差の2乗
を評価関数に含ませることができる。つまり、目的とな
る回折パターンから評価関数の構造を決定する。言い換
えると、評価関数の設定によって目的の回折パターンを
表現できる、ということである。
最適化計算を始める。例えば1ユニットパターンが64
セル×64セルで、2段階位相というように決める。ど
こから始めるにしても初期値としてパラメータを適当に
あたえる必要がある。図4によって抽象的に説明したよ
うに初期値の与えかたには任意性がある。初期値から評
価関数を最小化して到達できる最終的な解も初期値依存
性がある。目的となる回折パターンをも考慮して適当に
初期値を与えるべきである。例えば64セル×64セ
ル、2段階位相という単純な場合であれば、24096
個の組み合わせがある。その内の一つを初期値に選ぶ。
例えば隣接セルはすべて位相が異なり碁盤の白黒が交互
にならぶような初期値を与える。あるいはm×mのグル
ープごとに位相の異なるようにするとか、様々の初期値
の選び方がある。以下に示す実施例では乱数を発生さ
せ、ランダムに初期位相を与えている。
することができる。これを求める式については先ほど説
明した通りである。集光レンズを含めた系で考えると像
面での各点への回折光量を求めるということになる。回
折パターンが決まるから評価関数を計算することができ
る。ついで初期値から少しセルの位相を変化させ、その
組み合わせについて全ての方向への回折光量を求める。
どのセルの位相を変化させるか?ということに関して任
意性がある。以下に示す実施例では順にセル位相をひと
つづつ変更している。しかしそれ以外の方法で位相を変
化させるセルを選ぶようにしても良い。
先ほどの評価関数より低下するかどうか調べる。低下す
れば改良されたということである。さらにその次のセル
の位相を変更させて同じ様な計算を繰り返す。何度も同
じような計算を繰り返す事によって評価関数Eが極小に
なる。最小評価関数を与えるセル位相を暫定的な解とす
る。すでに述べたように、評価関数極小を与える解は初
期値の選択に依存することがある。そこで初期値を先述
のものと異なる値に選ぶ。その初期値から同じ様な計算
をして、評価関数極小を与える暫定解を求める。このよ
うにしていくつかの初期値から出発して極小評価関数を
与える暫定的な解を求める。そしてその内最小の評価関
数を与える暫定的な解を最適解として選ぶ。このような
過程が評価関数最小化と書いた操作である。
しながら、所望の性能を満たすかどうかは分からない。
結果の評価を行わなければならない。光学性能について
そのパターンが所望の特性を持つかどうかということを
調べる。これは求められた解自体が、所望の性能を満た
すかどうかということで当然に確かめなければならない
ことである。もうひとつ製造公差について解析しなけれ
ばならない。これは少し分かりにくいかもしれない。計
算上では所望の性能がでたとしても実際に製作してみる
と製造誤差のために要求性能を満たさないということが
ありうる。そこで誤差を与えて光学性能の低下を調べ
る。光学性能が所望の性能より低下する誤差の値が許容
誤差つまり公差である。設計値±公差の範囲にあるかぎ
り所望の性能を得ることができる。
きる。しかし公差があまりに小さいと製造誤差をそれ未
満に抑制する事が難しい。公差が充分に取れるような解
であればそれを最終的な解とする。そうであればよいが
そうでないこともある。もしも公差が小さすぎて製造誤
差を公差未満に押さえることが難しい場合は、その解は
不適である。折角評価関数を最小にする解として算出さ
れたのにその解を捨てなければならない。この場合は、
初めの各種条件設定まで戻る。
128×128に微細化する、或いは位相設定を2段階
から4段階に細かくする、とか条件をより細かくする。
このように細かく条件設定して、同じ計算経路を再び行
う。つまり初期値の組を仮定して回折光分布を求め、評
価関数を計算し、初期値から僅かにパターンを変更して
評価関数を計算する。評価関数が減る方向にパターンを
変更する…、というような計算をする。そして評価関数
極小を与える暫定的な解を求める。さらに初期値の組を
変えて同じ計算をする。いくつも初期値から出発した解
を比較して評価関数最小の解の組を求める。これが図7
の最適化計算である。さらに結果の評価を行う。その解
どおりに製作されたとした場合に、所望の光学性能を満
足するかどうか?ということを調べる。さらに誤差を与
えて性能低下を調べ許容できる誤差の大きさ、つまり公
差を求める。公差が充分に大きければ良い。大きい誤差
を与える解を最終的な解として確定する。
性能を満たさないとき、あるいは公差が狭すぎて製造で
きないというような場合は、みたび条件設定に戻り、異
なる条件に設定し(パターンサイズを増やす、位相の段
階を増やす)、同じような計算をみたび繰り返す。
って最適の解を求める。これが従来の回折型素子の設計
方法である。
に細かいものに高めることによって性能を高めるという
手法だと言って良い。初め64セル×64セルとして評
価関数を最小化し解を求め、その解でいけなければ、1
28セル×128セルというようにパターンを微細化す
る。微細化すると計算量が増えるという欠点がもちろん
存在する。しかし性能は上がることであろう。評価関数
は誤差の二乗の和になるような選び方をするので、性能
が所定のものに近づけば評価関数自体が減少する筈であ
る。だから評価関数最小という指針によって求めた解
は、条件が細かくなるほど性能の要求は満足するであろ
う。
関数には公差に関する項が全く含まれない。評価関数最
小という目標で求めた解は広い公差をもたらすかどうか
全くわからない。評価関数最小ということは公差の広狭
に関しては全く中立的である。公差解析は行うし、公差
が狭いと条件設定に戻るのであるが、条件を細かくする
と公差が増えるとは限らない。64セル刻みだったもの
を128セル刻みのパターンにしたからといって解の公
差は増えるとはかぎらない。評価関数は公差を増やすと
いうような動機は全く持っていないからである。評価関
数の減少は性能向上に等価であるが、公差拡大には全く
役に立たない。理想的な解どおりのパターンの場合に性
能を極大化させるというのが評価関数の使命である。公
差については全く与り知らぬ事であると言わねばならな
い。
増やすという事は公差を減らす方向に働く。64セルだ
ったものを128セルに増やすと1セルの寸法は半分に
なるのであるから、許される誤差、つまり公差は減退す
る傾向にある。評価関数自体に公差を減らすという性質
がないのであるし、条件設定は細かくなるばかりなので
あるから、計算をいくらたくさん繰り返しても公差はな
かなか小さくならない。むしろ公差は減少し、図7の計
算ループが閉じないという事があり得る。コンピュータ
が無限の繰り返し計算をしてもついに満足できる広い公
差に至らないということが往々にしてある。これは評価
関数が、本来的に理想性能の向上だけに関心があり、公
差には全く無関心である、ということに根ざしている。
従来法の根本的な欠点である。
差を与えることができる設計方法を提供することが本発
明の目的である。つまり広い公差をパラメータに与え、
回折型光学部品を製造容易にすることが本発明の課題で
ある。
えた状態を想定し、誤差賦与状態について評価関数を計
算し、誤差のない状態の評価関数に加えた統合評価関数
を作る。統合評価関数を最小化することによって変数を
決定する。特に広い公差を要求する変数について誤差を
賦与した誤差状態を想定するのが良い。
計方法を説明する。状態S0は誤差のない状態である。
これの評価関数をE0とする。状態S1は適当なパラメ
ータPiについて誤差+δiを与えた状態である。これ
の評価関数をE1とする。状態S2は同じパラメータP
iに誤差−δiを与えた状態である。これの評価関数を
E2とする。その他のパラメータPjについて誤差±δ
jを賦与した状態S3、S4などを考えることもでき
る。また同じパラメータに±δの誤差を与えるのではな
くて、異なるパラメータPj,Pkについて、+δj、
−δkの誤差を与える様にしても良い。このような誤差
を初めから賦与した状態についての評価関数E1、
E2、E3、E4、…を誤差のない状態の評価関数E0
に加えて、統合評価関数Eを作り、これを最小化して、
適当な変数値を与えるというのが本発明の設計方法であ
る。図8において上段は無誤差状態S0、賦与誤差状態
S1、S 2…などを表している。これらの状態について
評価関数がそれぞれ定義することができる。評価関数に
重みwkを乗じて合い加えて統合評価関数
適の変数の組を求める。ここは従来法と同じである。初
期値の組を変えて同様な計算をして統合評価関数Eを求
める。統合評価関数を最小化する。最小化によって最適
の変数の組を求める。そして最小の評価関数を実現する
変数の値を求める。そのあと結果の評価を行う。図7に
示すサイクルを繰り返すのは同様である。結果の評価と
しては、光学性能の評価と製造公差の評価である。これ
らの要件がみたされない場合、条件設定を改変し同じ操
作を繰り返す。だから本発明は、図7のような流れにお
いて、評価関数に、誤差を含む状態S1、S2…などの
評価関数E1、E2…などを含ませるということであ
る。これが本発明の根本思想である。
うのはどういうものか?という事を説明する。図9〜図
12は正常な段差状態と誤差状態を例示する。図11は
誤差のない2段階素子の場合を示す。位相が0の領域と
位相がπの領域の2種類しかない。図9は4段階状態で
あって位相が0、π/2、π、3π/2の4種類の段を
含むのである。図12は2段階素子の誤差を例示する。
図10は4段階素子の場合の誤差状態を例示する。誤差
には段差誤差、幅誤差、側壁傾斜などがある。どの変数
についても理想状態(無誤差)と、誤差賦与状態を考え
ることができる。このうち分かりやすいのは段差誤差で
あろう。
型の場合屈折率をnとして、位相0と位相πの段の高さ
の差はλ/2(n−1)である。そのような場合従来法
ならば、段差をλ/2(n−1)としたものだけを想定
するのである。本発明は、段差を1.05λ/2(n−
1)とか、0.95λ/2(n−1)とか、或いは1.
1λ/2(n−1)とするということである。
%減らしたりするということである。2段階でなくて4
段階あるいは8段階に段差を与える場合も同様である。
4段階なら一つの刻みはλ/4(n−1)であるが、こ
れを一様に1.1λ/4(n−1)とか、0.9λ/4
(n−1)とかにした状態が誤差賦与状態である。
である。不均一は誤差としては段差誤差程には明確な意
味を持たないが明確に定義することはできる。一様に段
差を所定値より増減するのではなくて、0位相は一様に
しπ位相にあたるものをπの近傍で少しづつ増減させ
る。あるいはπ位相は一様にし0位相を振っても良い。
段差の標準偏差が所定の値、例えば5%、或いは10%
にするようにする。これが段差不均一誤差を与えた状態
である。標準偏差が同一でも段差状態は幾つも考えられ
る。だから標準偏差だけでこの状態を指示することがで
きない。適当なバラツキの状態で標準偏差が所定の値に
なるものを想定すれば良い。段差誤差の賦与の場合は±
δの誤差を与えて、対称な誤差賦与状態S1、S2とい
うものが可能である。段差不均一の場合は負の標準偏差
というものが存在しないので、正の不均一だけしか考え
られない。
というのもある。これはセルの幅が狂っているというよ
うな誤差である。幅の誤差についても幅そのものの誤差
状態、例えばπ位相の段が一様に5%大きいとかいうよ
うな誤差状態を考える事ができる。或いは幅不均一とい
う誤差状態も想到することができる。幅不均一があって
その標準偏差が5%とか10%というように指定するの
である。これも幅自体に一様誤差を賦与する場合は±δ
の誤差を与えた対称の誤差状態を考えることができる。
しかし、幅の不均一の場合を標準偏差によって規定する
ときは、正の標準偏差しかありえない。
いうのも誤差の一つである。側壁は直立しているのが理
想であるがエッチングによっては傾斜が付く事もある。
傾斜角のズレが誤差になる。傾斜角0度から正負の両方
に傾きがありうるので傾斜についても±δの角度誤差を
賦与することができる。それによって生成される誤差状
態がS1、S2などとなる。また傾斜角を一様にずらす
のではなくて、傾斜角を不均一にばらつかせることもで
きる。その場合は傾斜角の標準偏差によって、誤差状態
を規定する。標準偏差で規定する場合、何度もいうが、
状態が一義的に決定されている訳ではない。
れでは誤差賦与状態の評価関数を、評価関数に含めるこ
とによってどのような事が起こるのか?これが問題であ
る。なにか良いことが起こらなければ誤差状態の評価関
数を算入する意味はない。ある変数について誤差を賦与
すると、その変数についての誤差の許容量が増加する。
つまりその変数に対する公差が増えるということであ
る。公差が増えれば製造が容易になる。だからより製品
価格を下げることができる。それだけでなくて設計自体
も容易になる。図7の循環系において結果評価が不適で
あって条件設定に戻る繰り返しの回数も少なくなるはず
である。
よる設計についても説明する。初めに共通の設計事項を
述べる。一つは7分岐用回折光学部品である。
8mm×2.048mm 一次元パターン 周期Λ=2.048mm(=1ユニ
ットサイズ) ZnSe基板(屈折率n=2.403) ○入射レ−ザ光 波長λ=10.6μm 平行光 ○集光レンズ 焦点距離 f=200mm
の集光スポットの間隔dは d=λf/Λ=1.035mm (19) となる。
間隔7分岐というのは、レ−ザ光を回折型光学部品にあ
てると、像面においてある方向(例えばx方向とする)
に7つの回折点が等間隔に生ずるということである。二
段階位相というのは回折部品を透過する光の位相が0と
πの二値を取るということである。4段階とか8段階に
位相を変化させることは可能であるが、最も単純なケー
スとして2段階位相の場合を考える。回折部品はMユニ
ット×Mユニットからなる正方形である。これらのユニ
ットは全て同じセル構造を持つ。
の正方形である。一つのセルは16μm×16μmのサ
イズを持つ。セル一つについて透過光の位相が0かπか
を割り当てる。一つのユニットは16384のセルから
なる。縦2.048mm、横2.048mmの正方形で
あり、面積は4.194304mm2である。一つのユ
ニットの大きさが回折型光学部品の大きさを成している
わけではない。複数のユニット(M×M)を縦横に並べ
て大きな開口(有効径)を持たせる。ビームは1ユニッ
トの大きさに対して、十分に大きな径を持って入射す
る。しかしどのユニットのセルも同じセル配置になるか
ら変数が増える訳ではない。だからユニットは一つだけ
考えれば良いのである。位相分布のパターンの周期は
2.048mmであるが、これはユニットサイズに合致
するように選んだのである。1ユニットを縦横に繰り返
して成るパターンであるから、その周期が1ユニットサ
イズと等しくなるのである。
を用いる。レンズもZnSeレンズとする。回折光は炭
酸ガスレ−ザの10.6μmの光を用いる。ZnSeは
10.6μmに対して透明である。回折型光学部品だけ
だとΛsinθ=nλによって決まる角度θの方向に光
が分岐される。Λは格子の繰り返し周期でnは整数であ
る。整数nを回折次数という。ところがここではレンズ
を使うから像面(f)が決まる。像面で周期的な7つの
回折パターンを形成するように回折部品を作る。
ルの位相は同じである。だから、1ユニットに含まれる
128セル×128セルの位相が一般に変数となる。つ
まり16384の変数がある。一般に2次元に広がった
回折像を目的とするなら16384の変数を扱わなけれ
ばならない。位相が0かπかの二値しか取らないとして
も組み合わせ総数は216384通りもある。しかしこ
の例題では簡単のため一次元問題(x方向)を扱ってい
る。y方向には同一のパターンである。その場合、y方
向のセルの位相は同じである。だからx方向にならぶ1
28個のセルの位相だけが変数になる。この変数は2段
階としている。つまり0かπである。2値しかとらない
ように単純化しているから組み合わせ総数は2128に
過ぎない。
出発する。誤差のない状態(S0)について変数を仮定
し評価関数を計算し変数を変更して評価関数極小となる
変数組を求める。これが従来法による設計である。本発
明の方法は誤差のない状態(S 0)の他に、誤差のある
状態(S1、S2…)を仮定してこれらの状態の評価関
数も相加えてこれらの和を極小にするのである。実施例
1では段差誤差を与えた状態を考える。実施例2では段
差が不均一性を与えた状態を考えるのである。
のズレの2乗である。目標値に接近すれば評価関数が減
少するようにしている。ここで回折効率の目標値ηobj
は0.75とした。2項目は7つのシグナル光Ipqの強
度バラツキを計算している。Sがシグナル光である範囲
をしめす。Iavは7つのシグナル光の平均値である。
Sでない部分では回折光が0であるというのが目標であ
る。しかし不完全な素子である場合、S以外の領域にも
回折光が現れる。そこでその強度の最大値の二乗を評価
関数に入れている。
値0.75に近づくために、7つの回折光(シグナル)
が一様であるように、ノイズが小さくなるようにという
ような項目を選んでいる。w1=w2=w3=1として
これを最小にするようにパラメータを変更していった。
い)]DBS法により最適化計算を実施した。これによ
って図13に示すようなユニットパターンを得た。1次
元の回折パターンを作るものだから縦方向には同じもの
になり、横方向に白黒が交代する。黒で示すのは位相が
0、白で示すのは位相がπであるものである。1ユニッ
トは128セル×128セルであるから2.048mm
×2.048mmの大きさを示している。これと同じパ
ターンを繰り返したものが従来法によって求めた回折光
学部品の位相パターンである。
る回折強度を回折次数ごとに求め、これをグラフに表し
たものである。回折次数というのは、ブラッグの回折式
Λsinθ=nλにあらわれる次数nである。これだけ
だと角度の異なる平行なビームの群れであるがレンズに
よってある像面に集光させるから、次数に比例した距離
にスポットが対応する。ここではマイナス64〜プラス
64の回折次数の信号強度(回折強度)をしめす。これ
が図13のユニットパターンによる回折である。0次回
折、±1次回折、±2次回折、±3次回折の7つの回折
光が等しく強く、それ以外の回折光が0であるというの
がこの回折素子の設計の目的であった。
強度になっているが、±1次回折が他の5本の回折光よ
り少し弱い。0次、±2次、±3次はほぼ等しい。信号
光(7つ)の強度バラツキは3.6%であった。7本の
信号光の強度を加えたものが回折効率である。目標は7
5%であったが、従来例による設計では回折効率が7
3.2%であった。−3次〜+3次回折光以外に回折光
がないというのが理想である。が必ずしもそうはなら
ず、±4〜±8次にも回折光が現れる。±16次や、±
24次のあたりにも回折光がある。これらはノイズであ
る。ノイズ強度は信号光の平均強度の4.5%であっ
た。
的な形で製作されたときの性能である。しかし実際には
計算通りのパラメータの値で回折光学部品をつくること
はできない。段差誤差、段差不均一などの製作誤差がか
ならず付随する。これらの誤差によって性能は、設計値
よりも低下する。誤差によってどれほど性能が劣化する
のか?これを従来法によって設計した回折光学部品につ
いて考察する。図10、図12に示すように回折部品の
誤差には段差誤差や段差不均一、側壁傾斜などがある。
ここではそのうち段差誤差だけを考える。
るから、位相πについて誤差を2、4、6、8、10%
与えたとする。これは全ての段について共通に段差誤差
を与えるものである。一つ、あるいは二つの段(π)だ
けに誤差を与えるのではない。段差誤差はここでは位相
で表現しているが、実は0とπに対応する部分の高さの
差である。屈折率がn、波長がλ、とすると位相πを与
える高さの差はλ/2(n−1)である。これに2%の
誤差を与えるというのは、高さの差を1.02λ/2
(n−1)にするということである。
次、±1〜±3次回折光強度がどのように変動するかを
計算した。図15はその結果を示すグラフである。横軸
は、段差誤差(2〜10%)である。左縦軸は回折光強
度、右縦軸は強度バラツキである。段差誤差が増えると
0次回折光が増える。そのほかの回折光(±1〜±3
次)強度は低下する。そのため7本の回折光のなかで強
度バラツキが増大する。誤差がないときは、強度バラツ
キは3.6%であったが、8%の段差誤差で7%にもな
る。10%の段差誤差で10%もの強度バラツキが生ず
る。つまり従来法で設計した光学部品は段差誤差に対す
る許容量が小さいということである。
誤差は全ての段が一様に同じ誤差を持つとしていたが、
段差不均一はそれぞれの(πの)段の高さがばらついて
いるという状態を示す。バラツキをその分布の標準偏差
σによって表現する。段差バラツキの標準偏差が2、
4、6、8、10%の場合について、7つの回折光(−
3次〜+3次)の回折強度と、7つの回折の強度バラツ
キを計算した。図16はその結果を示す。横軸は段差不
均一(標準偏差σ)である。右縦軸は強度バラツキ、左
縦軸は回折光強度である。0次回折光が増加するが、そ
の他の回折光は減少する。そのために強度バラツキが増
える。段差不均一がないとき強度バラツキは3.6%で
あったが、段差不均一が6%で4.4%に、段差不均一
が10%で8%になってしまう。段差不均一に対しても
許容量が小さいということである。
従来法の段差誤差のない状態S0の他に、+10%の段
差誤差を賦与した状態S1と、−10%の段差誤差を賦
与した状態S2を想定する。S0の評価関数をE0と
し、S1の評価関数をE1、S2の評価関数をE2とす
る。誤差を初めから与えた状態を想定してこれらの評価
関数を、誤差にない評価関数に加え全体の評価関数を最
小にすることによってパラメータを求めるというのが本
発明の思想である。だからここでは賦与誤差として段差
誤差を想定する。統合評価関数Eは
2は各状態の重みであって、W0=1、W1=0.3、
W2=0.3とした。統合評価関数Eを最小にするよう
な最適化計算をした。その結果を図17に示す。図17
は1ユニット分のパターンである。そのほかのユニット
も共通のパターンを持つ。図13と比較してずいぶんと
パターンが異なるという事が分かる。図13(従来法)
では黒部分が優越している。白の部分はわずかである。
それに反し図17(実施例1)では白部分が優勢であ
る。黒の部分はほんのわずかである。目的は7つの回折
パターンを等間隔に発生させるということで共通なので
あるのにユニットパターンはこれほども相違するのであ
る。しかしながら、このような差違は2段階のパターン
では意味を持たない。2段階パターンでは0、πの位相
を持つことと、0、−πの位相を持つことは同値であ
る。即ち、白黒反転させても光学的に同値である。
毎の回折強度を示す。±3次、±2次、±1次、0次の
7つの回折次数の強度が大体0.1程度で大きい。とこ
ろが0次回折が小さくて±1次回折が強い。この点で図
14の従来法の場合と異なっている。±1次に次いで±
3次回折が大きい。回折効率は73.4%であって従来
法(73.2%)と同じ程度である。強度バラツキは
3.9%であり従来法より少し大きくなった。ノイズに
関していえば、±7次〜±4次の8本も0.005程度
の回折がある。そのためノイズ強度は5.7%であっ
て、従来法(4.5%)より少し増えている。このよう
に実施例1は理想的な場合(製造誤差がない場合)の性
能は従来法の設計よりも劣る。しかし実際には製造誤差
がつきものである。誤差があっても性能が低下しないと
いう事の方が重要である。
差誤差が2、4、6、8、10%の場合に、強度バラツ
キ、±1〜±3次の回折光強度がどのように変動するか
を計算した。その結果を図19に示す。横軸は段差誤差
である。これは全ての段(π)に対して共通に与える。
強度バラツキは段差誤差が増えるとかえって減少する。
段差誤差が6%の時にバラツキは2.8%程度である。
段差誤差が8%のときでもバラツキは3.6%程度で、
段差誤差0(3.9%)の時よりも少ない。
から0次回折光は0.1未満である。段差誤差が増える
と0次回折が増える。これはやむを得ない。しかし初め
0次が弱いので段差誤差が増えて0次が増えても他の高
次の回折と均衡するようになる。実際段差誤差が6%で
あるとき、0次が±3次とほぼ等しくなりここでつりあ
う。だから強度バラツキが最小値(2.8%)を取るの
である。実施例1では段差誤差が0〜9%の範囲で存在
しても性能低下が少ないということである。
与)]均一の段差誤差を賦与誤差として導入したのが実
施例1であった。次に段差不均一を誤差として賦与した
ものを考える。段差不均一がない状態をS0とする。段
差不均一5%の状態をS1とする。これは段差がばらつ
いており、そのバラツキの標準偏差が5%だということ
である。段差不均一10%の状態をS2とする。これも
段差がばらついており、標準偏差が10%だということ
である。S0、S1、S2に対する評価関数をE0、E
1、E2とする。統合評価関数Eは
を求めた。ユニットのパターンは図20に示す通りであ
る。これは図17の実施例1のユニットパターンと著し
く相違する。むしろ従来法によって求めた図13のパタ
ーンに似ている。左に黒があり続いて白の帯がある。中
央は黒で右は黒のパターンとなっている。右側の白黒の
縞模様が少し違う。
ターンを作り出すものであるが、ユニットのパターンは
このようにかなり違う。初期状態の差が僅かなら結果の
状態の差もわずかであるはずという摂動論などによって
は取り扱う事ができない。一つには回折という現象がフ
ーリエ変換と同じように非局所的な性質を持つからであ
ろう。もう一つは図4によって説明したように評価関数
には幾つもの谷があり、異なる初期値から到達できる谷
は相互に異なっているから、まったく類似しないパター
ンが評価関数を極小化することがありうるのである。
す。7つの回折信号のうち、0次光が0.1未満で弱く
なっている。±2次、±1次光が強い。±3次回折はこ
れらより弱い。ノイズもかなりあって±4次〜15次ま
での次数の回折は無視できない程度である。回折効率は
73.7%、強度バラツキは3.2%、ノイズ強度は
6.1%である。回折効率、強度バラツキは従来法(7
3.2%、3.6%)によるものと殆ど変わらないが、
ノイズ強度6.1%は従来法(4.5%)より大きくな
る。このような性能は製造誤差がないときの理想状態の
場合のものである。実際には製造誤差がある。段差不均
一性があったときの、強度バラツキ、回折光強度の変化
を計算によって求めた。結果を図22にしめす。横軸は
段差不均一性である。段差がばらついているがその標準
偏差によって不均一性を表している。
2、3次が強いということを述べた。段差不均一がある
と0次が徐々に増加する。しかし初めに(段差不均一
0)0次が最も弱いのであるからこれが増加してもその
ほかの6つの回折線と同等になるので強度バラツキがか
えって減少するようになる。段差不均一が6%で0次が
±3次の強度にほぼ等しくなる。だから強度バラツキも
1.6%に減っている。段差不均一が8%になると、0
次が1、2次回折とほぼ並ぶようになる。強度バラツキ
はいっそう小さくなる。1.2%程度である。このよう
に段差不均一が0で、0次回折が弱くなっているから段
差不均一があって0次が増えても、強度バラツキはかえ
って減少するのである。ということは製造時に段差不均
一があっても所望の性能の回折光学部品を製造すること
ができるということである。
統合評価関数を最小化することによって最適の位相分布
を求めるから、広い公差を許すような設計が可能にな
る。製造容易な回折型光学部品の設計方法を与えること
ができる。
せ、レンズによって像面に回折像を形成するという作用
を説明するための図。
図。横にM個縦にN個のセルが並んでおり、セルの高さ
が異なり高い部分が1に、低い部分が0に対応すること
を説明する図。
するための流れ図。
をとり評価関数を減らすように変数を変化させるが、初
期値の選び方によって極小となる変数値と極小値が異な
るということを説明するための評価関数グラフ。
よりなる回折型光学部品の製造工程図。
略をしめす説明図。
図。
図。
る段差誤差、幅誤差、側壁傾斜誤差の定義を説明する断
面図。
図。
る段差誤差、幅誤差、側壁傾斜誤差の定義を説明する断
面図。
りユニットが幾つも縦横に繰り返す回折型光学部品であ
って、像面に等間隔直線上に7つの回折線を生ずる部品
の位相分布を、誤差を与えない従来法によって計算した
1ユニット分のパターンを示す図。黒が位相0の領域
(セル)を、白が位相πの領域(セル)を示している。
設計した回折型光学部品の回折光の強度分布図。縦軸は
回折次数、横軸は回折強度である。
設計した回折型光学部品において段差誤差があった場合
の、7つの回折強度のバラツキと、0次〜±3次の回折
線強度が、段差誤差によってどのように変動するかを示
すグラフ。横軸は段差誤差(%)、左縦軸は回折光強
度、右縦軸は強度バラツキである。
設計した回折型光学部品において段差不均一があった場
合の、7つの回折強度のバラツキと、0次〜±3次の回
折線強度が、段差誤差によってどのように変動するかを
示すグラフ。横軸は段差不均一(%)、左縦軸は回折光
強度、右縦軸は強度バラツキである。
りユニットが幾つも縦横に繰り返す回折型光学部品であ
って、像面に等間隔直線上に7つの回折線を生ずる部品
の位相分布を、±10%の段差誤差を賦与した状態
S1、S2の評価関数を含んだ統合評価関数を最小化す
る本発明の実施例1によって計算した1ユニット分のパ
ターンを示す図。黒が位相0の領域(セル)を、白が位
相πの領域(セル)を示している。
差誤差を賦与した状態S1、S2の評価関数を含む統合
評価関数を最小化する本発明の実施例1によって計算し
た回折型光学部品の回折光の強度分布図。縦軸は回折次
数、横軸は回折強度である。
差誤差を賦与した状態S1、S2の評価関数を含む統合
評価関数を最小化する本発明の実施例1によって設計し
た回折型光学部品において段差誤差があった場合の、7
つの回折強度のバラツキと、0次〜±3次の回折線強度
が、段差誤差によってどのように変動するかを示すグラ
フ。横軸は段差誤差(%)、左縦軸は回折光強度、右縦
軸は強度バラツキである。
りユニットが幾つも縦横に繰り返す回折型光学部品であ
って、像面に等間隔直線上に7つの回折線を生ずる部品
の位相分布を、5%、10%の段差不均一を賦与した状
態S1、S2の評価関数を含んだ統合評価関数を最小化
する本発明の実施例2によって計算した1ユニット分の
パターンを示す図。黒が位相0の領域(セル)を、白が
位相πの領域(セル)を示している。
の段差不均一を賦与した状態S1、S2の評価関数を含
む統合評価関数を最小化する本発明の実施例2によって
計算した回折型光学部品の回折光の強度分布図。縦軸は
回折次数、横軸は回折強度である。
の段差不均一を賦与した状態S1、S2の評価関数を含
む統合評価関数を最小化する本発明の実施例2によって
設計した回折型光学部品において段差誤差があった場合
の、7つの回折強度のバラツキと、0次〜±3次の回折
線強度が、段差不均一によってどのように変動するかを
示すグラフ。横軸は段差不均一性(%)、左縦軸は回折
光強度、右縦軸は強度バラツキである。
Claims (5)
- 【請求項1】 基板面を縦横のセルに分割し各々のセル
の高さを複数段階に変化させ基板を透過し或いは基板に
よって反射される回折光の位相差をπ/2M −1、2π
/2M−1、3π/2M−1、…、(2M−1)π/2
M−1(Mは整数)の何れかになるように段差をあたえ
回折光が所望のパターンになるようにした回折型光学部
品の設計において、誤差を与えない無誤差状態S0の評
価関数E0と、誤差を賦与した状態S1、S2、…の評
価関数E1、E2、…を定数重みを乗じて合い加えた統
合評価関数E=w0E0+w1E1+w2E2+…を作
り、これを最小化することによって最適の変数の組を求
めることを特徴とする回折型光学部品の設計方法。 - 【請求項2】 賦与すべき誤差が全てのセルに一様に与
えた段差誤差であることを特徴とする請求項1に記載の
回折型光学部品の設計方法。 - 【請求項3】 賦与すべき誤差が段差不均一であること
を特徴とする請求項1に記載の回折型光学部品の設計方
法。 - 【請求項4】 賦与すべき誤差がセル幅誤差であること
を特徴とする請求項1に記載の回折型光学部品の設計方
法。 - 【請求項5】 賦与すべき誤差がセルの側壁傾斜である
ことを特徴とする請求項1に記載の回折型光学部品の設
計方法。
Priority Applications (3)
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ID=12402517
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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Country Status (1)
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR20180117370A (ko) * | 2017-04-19 | 2018-10-29 | 주식회사 제이티에스인더스트리 | 주문 제작 기반의 빔질 향상용 디오이 렌즈 제조 방법 및 이에 의해 제조된 빔질 향상용 디오이 렌즈 |
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CN111736336B (zh) * | 2020-07-03 | 2021-08-03 | 杭州驭光光电科技有限公司 | 衍射光学元件的周期优化方法 |
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1999
- 1999-02-12 JP JP03401299A patent/JP3482898B2/ja not_active Expired - Lifetime
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KR102031218B1 (ko) | 2017-04-19 | 2019-10-11 | 주식회사 제이티에스인더스트리 | 주문 제작 기반의 빔질 향상용 디오이 렌즈 제조 방법 및 이에 의해 제조된 빔질 향상용 디오이 렌즈 |
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