JP3482316B2 - 鋳型用離型剤組成物 - Google Patents

鋳型用離型剤組成物

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JP3482316B2 JP05901797A JP5901797A JP3482316B2 JP 3482316 B2 JP3482316 B2 JP 3482316B2 JP 05901797 A JP05901797 A JP 05901797A JP 5901797 A JP5901797 A JP 5901797A JP 3482316 B2 JP3482316 B2 JP 3482316B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、離型剤組成物及び
これを用いた鋳型造型方法に関するものである。更に詳
しくは本発明は、鋳造品に使用する鋳型を造型する際
に、造型された鋳型を鋳型模型から抜型するのを容易に
するために、鋳型模型表面に塗布して使用される鋳型用
離型剤組成物と、これを用いた鋳型造型方法に関するも
のである。しかしながら本発明の離型剤組成物は、鋳型
造型以外にも、ウレタンフォーム、発泡スチレン、ゴ
ム、フィルム、テープ、ラベル、レンズ、セメント、ガ
ラス、樹脂等の成型品等に関して、離型性を容易にする
目的で使用することができる。
【0002】
【従来の技術】金属を溶解して所望の形状、大きさを有
する鋳物を製造する鋳造法においては、鋳型が使用され
ている。この鋳型は珪砂等の耐火性粒状材料を主材料と
し、これに水ガラスに代表される無機粘結剤や、フラン
樹脂に代表される有機粘結剤が配合されてなるものであ
り、木型、金型、樹脂型等の鋳型模型(以下単に「模
型」と言う)を用いて製造されている。しかしながら、
鋳型製造に際しては、鋳型に配合された粘結剤によっ
て、模型の表面に耐火性粒状材料が付着し(これは模型
面へのシミツキと呼ばれている)、高精度の鋳型が出来
なかったり、模型に充填された鋳型の抜型すら出来ない
場合がある等、鋳型の生産性に関して支障をきたす問題
がある。
【0003】このような問題に対処するために、従来か
ら鋳型と模型との離型を容易にするため、種々の離型剤
が模型に塗布されている。こうした鋳型用離型剤として
は、例えば特開昭50−5230号公報記載の無機粉体とパラ
フィンワックスからなる離型剤組成物、特開昭52−1144
22号公報記載のシリコーン樹脂とミネラルスピリット
(鉱物油)等からなる離型剤組成物、特開昭60−12248
号公報記載のシリコーンオイルとシリコン樹脂ワニスか
らなる離型剤組成物、特開昭61−86046号公報記載の有
機粉末を主成分とする離型剤組成物、特開昭62−168637
号公報記載のシリコーン等に酸硬化性樹脂の硬化を阻害
する化合物を配合した離型剤組成物などが公知である。
また特開平8−176372号公報には、水分散系離型剤組成
物として、酢酸ビニル共重合体とイソシアネートとを反
応させてなる長鎖アルキル化合物を、酸変性ポリオレフ
ィン共重合体と共に水分散させたものが記載されてい
る。これらの他にも、シリカ、アルミナ、タルク、黒鉛
等の無機粉末を分散スラリー化した塗料等が従前より使
用されており、さらにその他、ニス、エポキシ樹脂、ウ
レタン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂等を主体
とする離型ペイントも使用されている。しかし、未だに
満足できる離型性能は得られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような現状に鑑
みて、本発明の一つの課題は、より十分な離型性能をも
たらす離型剤を提供することである。
【0005】一方、近年各種の鋳型用粘結剤の開発が旺
盛に行われており、種々の鋳型造型プロセスが発展して
いる。特に鋳型生産性が要求されるものについては、ガ
ス硬化型プロセス、即ちコールドボックス法(ウレタン
・アミン硬化)やアルカリフェノール・蟻酸メチル硬化
法、或いは作業及び鋳物品質を改善可能なプロセスであ
る炭酸ガス硬化型アルカリフェノール法(レゾールCO
2法)などが鋳造業界で注目を集めている。
【0006】このような高生産性が要求されるガス硬化
型の鋳型造型プロセスでは、模型へのシミツキが発生す
ると、ガスを通気させるために設けたベントホールを塞
いだり、抜型の際に鋳型が壊れたりして抜型性が著しく
悪化するため、有効な離型剤が必要とされる。本発明の
さらなる課題は、こうした用途にも有用な離型剤を提供
することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】前述のように、金属を溶
解して所望の形状を有する鋳造品を製造する工程に用い
られる鋳型を製造する場合、模型表面に離型剤を塗布し
た後、粘結剤と鋳物砂の混合物(以下「混練砂」と言
う)をこの模型に充填して硬化し、鋳型の造型を行う。
本発明者らは、上記課題の下に鋭意研究を行った結果、
このときに所定のアルキル又はアルケニルケテンダイマ
ーを含有する離型剤組成物を用いると、模型からの鋳型
の抜型性が大幅に改善されることを見出し、本発明に到
達したものである。
【0008】即ち本発明は、次式:
【0009】
【化2】
【0010】に示すアルキル又はアルケニルケテンダイ
マーを含有する離型剤組成物及びこれを用いた鋳型造型
方法を提供するものである。前記した特開平8−176372
号公報にはイソシアネートと並んでケテンダイマーの記
述があるが、そこではイソシアネートやケテンダイマー
は酢酸ビニル共重合体と反応させられて長鎖アルキル化
合物となり、これがさらに酸変性ポリオレフィン共重合
体と共に水分散される。本発明のようにアルキル又はア
ルケニルケテンダイマーを単独で含有する離型剤組成物
はこれまでに提案されていない。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の離型剤組成物のアルキル
又はアルケニルケテンダイマーにおいて、Rは炭素数9
〜32のアルキル基又はアルケニル基である。炭素数が9
より小さいと離型性能が低下してくる一方で、炭素数が
32より大きいと低温貯蔵安定性が悪化する傾向がある。
炭素数として好ましい範囲は12〜23であり、これらのも
のは離型性能及び低温時における有機溶剤に対しての分
散や溶解性が良好であり、貯蔵安定性に優れた離型剤組
成物を得ることができる。
【0012】本発明において、離型剤組成物は、粉末状
のアルキル又はアルケニルケテンダイマーを単独で用い
ることも出来る。しかしながら模型表面に均一に塗布す
るためには、本発明で用いられる離型剤組成物は、アル
キル又はアルケニルケテンダイマーを溶媒に溶解及び/
又は分散させて含有することが好ましい。このように溶
媒に溶解及び/又は分散している場合は、本発明の組成
物中のアルキル又はアルケニルケテンダイマーの含有量
は、溶媒100重量部に対して0.1〜40重量部が好ましく、
0.5〜30重量部が更に好ましい。0.1重量部未満では離型
性能が不十分であり、また40重量部を超えると低温貯蔵
安定性が悪くなる。
【0013】溶媒としては、無機溶剤として水や液化炭
酸ガス、又は有機溶剤の一種以上が用いられる。アルキ
ル又はアルケニルケテンダイマーを溶解、乳化、可溶化
或いは分散させる目的で界面活性剤や乳化剤或いは分散
剤を用いても良いが、長期に渡る離型剤組成物の貯蔵安
定性を考慮すると、これがアルキル又はアルケニルケテ
ンダイマー自体の加水分解性に係わること、並びに塗布
作業性及び鋳型生産性の面から、溶媒は水よりも、液化
炭酸ガスや有機溶剤系の非水系溶媒が好ましい。
【0014】本発明で用いられる有機溶剤としては、炭
化水素、ハロゲン系溶剤、アルコール類、エステル類等
の一種以上を用いることが出来る。具体的な化合物とし
ては、脂肪族炭化水素としてプロパン、ブタン、ノルマ
ルペンタン、2-メチルブタン、ノルマルへキサン、2-メ
チルペンタン、2,2-ジメチルペンタン、2,3-ジメチルブ
タン、ノルマルへプタン、オクタン、2,2,3-トリメチル
ペンタン、イソオクタン等、芳香族炭化水素としてトル
エン、キシレン、ベンゼン、石油ベンジン、石油ナフ
サ、リグロイン、工業ガソリン、灯油等、脂環族炭化水
素としてシクロペンタン、メチルシクロペンタン、シク
ロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキ
サン、シクロヘキセン等、ハロゲン系溶剤として塩化メ
チレン、ジクロロメタン、四塩化炭素、塩化エチル、1,
1-ジクロロエタン、1,1,1-トリクロロエタン、1,1-ジク
ロロエチレン、テトラクロロエタン、トリクロロエチレ
ン、トリクロロフルオロメタン、1,1,2-トリクロロ-1,
2,2-トリフルオロエタン、1,1,2,2-テトラクロロ-1,2-
ジフルオロエタン等、アルコール類としてメタノール、
エタノール、プロパノール等、エステル類として蟻酸メ
チル、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、酢酸メチル、酢酸エ
チル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等が挙げられる。
【0015】本発明の離型剤組成物の溶媒として用いる
有機溶剤としては、上記のような脂環族炭化水素又は脂
肪族炭化水素を離型剤組成物の溶媒100重量部中に50重
量部以上用いることが、貯蔵安定性の面から好ましい。
更に好ましくは、離型剤組成物の有機溶剤100重量部中
に、脂環族炭化水素30重量部〜99重量部、脂肪族炭化水
素50重量部〜1重量部を用いる。更に詳しくは、脂環族
炭化水素としてシクロヘキサン、脂肪族炭化水素として
ノルマンヘプタンが良好であるが、芳香族炭化水素であ
るトルエンやキシレンを適宜添加、配合しても差し支え
ない。
【0016】本発明に用いられる離型剤組成物には、更
に従来より知られている化合物を添加配合してもよい。
例えば、シリコーン、フッ素化合物、黒鉛、油類(油
脂、香油、流動パラフィン、エステル、塩素化パラフィ
ン)、ポリスチレンワックス等の蝋、ワニス、無機粉
末、アルミペースト等の金属粉末、前述した離型ペイン
ト等を一種以上併用することができる。これらの従来よ
り知られている化合物の添加量は、特に限定されるもの
ではない。また、本発明の離型剤組成物にアエロジル等
のチクソトロピック剤や消泡剤等を添加配合しても良
い。
【0017】本発明の鋳型用離型剤組成物を模型表面に
塗布する方法としては、通常は刷毛塗り、スプレー塗
布、シャワーリング等があるが、特に限定されるもので
はない。また、本発明の鋳型用離型剤組成物を塗布する
鋳型模型の種類としては木型、金型、樹脂型、発泡スチ
レン模型等の何れでも良く、これについても特に限定さ
れるものではない。
【0018】本発明の離型剤組成物は、特に鋳造品に使
用する鋳型を造型する際に、造型された鋳型を鋳型模型
から抜型するのを容易にするために、鋳型模型表面に塗
布して使用される。即ち、本発明の離型剤組成物は鋳型
造型プロセスに関して使用されるものである。
【0019】粘結剤による鋳型造型プロセスとしては、
社団法人日本鋳造技術協会発行の「第4版鋳型造型法」
記載のものとして、無機粘結剤系では水ガラス法、有機
粘結剤系ではフラン樹脂、レゾールフェノール・酸硬化
法、フェノールウレタン・アミン硬化法(自硬性及びガ
ス硬化)、水溶性フェノール樹脂・エステル硬化法(自
硬性及びガス硬化)、水溶性フェノール樹脂・炭酸ガス
硬化法、精密鋳造鋳型であるセラミックモールド法、ソ
リッドモールド法、プラスターモールド法、ショウプロ
セス法等がある。本発明は、鋳型模型表面に予め上記し
た離型剤組成物を塗布した後、前述した鋳型造型プロセ
スの何れかを用いて鋳型造型することを特徴とする鋳型
造型方法を提供する。
【0020】上記の鋳型造型プロセスの中でも特に、抜
型抵抗の大きい水溶性フェノール樹脂・炭酸ガス硬化法
の場合に、顕著な抜型性の改善が認められる。水溶性フ
ェノール樹脂・炭酸ガス硬化法では、フェノール類とア
ルデヒド類とをアルカリ水溶液の中で反応させることに
よって、アルカリ性レゾールフェノール樹脂水溶液を得
る。通常この得られた樹脂、即ちアルカリ性レゾールフ
ェノール樹脂水溶液に、硬化促進剤である硼素化合物
(硼砂、硼酸カリウム等)をアルカリ性レゾールフェノ
ール樹脂水溶液100重量部に対して3〜10重量部添加配
合せしめ、更に鋳型強度を向上させる目的で、グリコー
ル類であるブチルカルビトール等を5〜20重量部及びシ
ランカップリング剤を0.1〜3重量部添加配合せしめ
て、粘結剤を得る。このようにして得られた粘結剤を、
耐火性粒状材料100重量部に対して0.1〜10重量部、好ま
しくは0.5〜5重量部、ミキサーで混練して混練砂を得
る。本発明の鋳型造型用離型剤組成物を造型しようとす
る鋳型模型表面に塗布し、乾燥した後にこの混練砂を充
填する。その後、炭酸ガスを通気し、鋳型を造型するこ
とができる。通常、炭酸ガスの使用量は、耐火性粒状材
料100重量部に対して0.01〜30重量部である。
【0021】耐火性粒状材料としては、石英質を主成分
とする珪砂、クロマイト砂、ジルコン砂、オリビン砂、
アルミナ砂、ムライト砂、合成ムライト砂等が挙げられ
るが、耐火性粒状材料の種類或いは粒度指数は特に限定
されるものではない。また新砂であるか再生砂であるか
によって制限を受けるものでもない。
【0022】なお、本発明の鋳型造型方法としては、本
発明の鋳型造型用離型剤組成物を鋳型模型表面に塗布し
乾燥させた後、混練砂を充填し、減圧して炭酸ガスで常
圧まで置換して鋳型を硬化させるVRH(Vaccum Repla
ce Hardening)造型法、SV(Suction and Vibratin
g)プロセス造型法、或いは吸圧造型法などの他の造型
法にも応用できるものであり、特に限定されるものでは
ない。
【0023】さらに冒頭にも述べたように、本発明によ
る離型剤組成物は、鋳型造型以外にも、ウレタンフォー
ム、発泡スチレン、ゴム、フィルム、テープ、ラベル、
レンズ、セメント、ガラス、樹脂等の成形品等に関し、
離型性を容易にする目的として使用することができる。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明する
が、本発明はこれらの実施例により何ら制限されるもの
ではない。
【0025】実施例1〜11及び比較例1〜2 表1に示す炭素数を有する各種のアルキル基を有するア
ルキルケテンダイマー(以下AKDと言う)を表1所定
の重量部で、やはり表1に示す種類及び重量部の有機溶
剤中に溶解または分散させ、本発明の鋳型用離型剤組成
物を得た。一方、珪砂2kgに対し、水溶性フェノール樹
脂粘結剤であるカオーステップC-800(花王クエーカー
株式会社製)60gを添加し、キッチンエードミキサーで
混練し、混練砂を得た。混練砂を木枠に充填し、炭酸ガ
スを通気(常温において20l/分、2kg/cm2、1分間通
気)し、下記の方法に従って抜型抵抗値及び低温貯蔵安
定性の測定を行った。結果を表1に示す。 [抜型抵抗測定の試験方法]図1に示す抜け勾配が1/
100の歯板の模型表面(鋳型に接する水平方向の表面積
は100cm2)に離型剤組成物を刷毛で塗布し、1時間常温
乾燥させた後、各種鋳型粘結剤の造型プロセスで得られ
る混練砂に模型表面を図1のように埋設し、混練砂が硬
化して鋳型として抜型強度に到達したときの抜型抵抗
(引き抜き強度)を測定した。抜型抵抗値が小さいさほ
ど離型性が良いことを表す。
【0026】[低温貯蔵安定性]100ccのガラスビン容
器に80ccの離型剤組成物を入れ、3℃の恒温器の中に7
日間放置した。期間経過後において液体で均一溶解して
いるものについて、低温での貯蔵安定性を良好と示し
た。また固化したものをゲル化と示し、100ccガラスビ
ン容器の底に沈澱を生じたものを白色沈澱発生と示し
た。
【0027】
【表1】
【0028】表1に見られるように、実施例1〜11はア
ルキル基の炭素数が9〜32の範囲にあるAKDを配合添
加した離型剤組成物であるが、比較例1及び2に比べて
明らかに低い抜き型抵抗値を示す。即ちこれらのものは
明らかに優れた離型性能を示している。また実施例1〜
11の中でも、アルキル基の炭素数が12〜23のAKDを0.
1〜40重量%配合添加した実施例3〜7は、実施例1〜
2及び8〜9に比べてより低い抜型抵抗値を示し、より
好ましいものである。
【0029】また、低温貯蔵安定性(7日後)について
も、アルキル基の炭素数が9〜32のAKDによる離型剤
組成物が、この範囲から外れる比較例1及び2より優れ
ることが明白である。
【0030】実施例12〜21 アルキル基の炭素数が16と18のAKDの混合物(混合比
率は50重量%/50重量%、融点55.0℃)を表2に示す重
量部で、やはり表2に示す種類と重量部の有機溶媒に対
して溶解または分散させ、本発明の鋳型造型用離型剤組
成物を得た。先の場合と同様にして、珪砂2kgに対し、
水溶性フェノール樹脂粘結剤であるカオーステップC-80
0(花王クエーカー株式会社製)60gを添加し、キッチ
ンエードミキサーで混練して得た混練砂を木枠に充填
し、炭酸ガスを通気(常温において20l/分、2kg/c
m2、1分間通気)し、先の場合と同様にして抜型抵抗値
の測定を行った。結果を表2に示す。 比較例3〜8 以下の比較例3〜8は、従来から用いられている離型剤
組成物について示すものである。 比較例3 平均粒径として12ミクロンからなるシリカ粉末60g、流
動パラフィン100g、メタノール200ml、水100ml、αオ
レフィンスルホン酸ソーダ5mlを混合し、家庭用ジュー
スミキサーで5分間撹拌して乳化スラリー状の離型剤を
製造した。先に示した方法に従い、抜型抵抗値の測定を
行った。結果を表2に併せて示す。
【0031】比較例4 ジメチルポリシロキサン15重量部をミネラルスピリット
87重量部に加えて均一に溶解し、ステアリン酸ナトリウ
ム1重量部を加え均一に分散した。この分散液の粘度は
25℃において180cpsであった。先に示した方法に従い、
抜型抵抗値の測定を行った。結果を表2に併せて示す。
【0032】比較例5 粘度1000cpsのジメチルシリコーンオイル3重量部、シ
リコーン樹脂ワニスとしてフェニルメチルシリコーンワ
ニス1重量部、塩化メチレン86重量部、シリカ粉10重量
部を混合し、家庭用ジュースミキサーで5分間撹拌して
乳化スラリー状の離型剤を製造した。先に示した方法に
従い、抜型抵抗値の測定を行った。結果を表2に併せて
示す。
【0033】比較例6 平均粒径0.5ミクロンからなるステアリン酸亜鉛5重量
部、アセトン95重量部を混合し、家庭用ジュースミキサ
ーで5分間撹拌して乳化スラリー状の離型剤を製造し
た。先に示した方法に従い、抜型抵抗値の測定を行っ
た。結果を表2に併せて示す。
【0034】比較例7 シリコーン油75重量%、ホルムアミド25重量%を混合
し、家庭用ジュースミキサーで5分間撹拌して乳化スラ
リー状の離型剤を製造した。先に示した方法に従い、抜
型抵抗値の測定を行った。結果を表2に併せて示す。
【0035】比較例8 離型剤成分(R1)である酢酸ビニル重合体10gとオクタ
デシルイソシアネート67g及び触媒であるジラウリル酸
ジブチル錫0.01gを加えて反応させた白色沈殿物を得た
ものをメタノール及びヘキサンで洗浄した後、乾燥して
得た離型剤成分(R1)を15重量部、酸変性ポリオレフィ
ン共重合体を4重量部、界面活性剤であるアルキルジフ
ェニルエーテルスルホン酸ソーダ(ペレックスSS-L花王
株式会社製)を1重量部、1-デカノール及び水を76重量
部混合して高圧式乳化機(ホモジナイザー)に入れ、12
0℃、500rpmで10分間撹拌して溶融状態にした。次い
で、135℃に昇温し、5000rpmで1時間高速回転して乳化
させ、水分散系離型剤組成物を得た。先に示した方法に
従い、抜型抵抗値の測定を行った。結果を表2に併せて
示す。
【0036】比較例9〜13 実施例15〜19と類似組成でAKDを配合しない離型剤組
成物を、比較例9〜13として同様に評価した。結果を同
じく表2に示す。
【0037】
【表2】
【0038】実施例12〜21のものは、従来より公知であ
る離型剤組成物、即ち比較例3〜8に示した如きものに
比べ、抜型抵抗値が低い。即ち本発明によれば、より十
分な離型性能をもたらす離型剤が提供される。
【0039】また、実施例15〜19及び比較例9〜13によ
り、本発明によるAKDは従来より公知である離型剤成
分と併用した離型剤組成物としても抜型抵抗値が低く、
離型性能が優れることが明白である。
【0040】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、離型性能
に優れ、しかも低温での貯蔵安定性にも優れた鋳型用離
型剤組成物が得られる。また本発明の鋳型造型方法によ
れば、シミツキなどの問題を生ずることなしに、優れた
離型性によって生産効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例における抜型抵抗測定試験を説明する
ための概略図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−305608(JP,A) 特開 平8−176372(JP,A) 特開 平1−266166(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22C 3/00 B28B 7/38 B29C 33/56 - 33/60

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次式: 【化1】 (式中、Rは炭素数9〜32のアルキル基又はアルケニ
    ル基) に示すアルキル又はアルケニルケテンダイマーを含有す
    ることを特徴とする鋳型用離型剤組成物。
  2. 【請求項2】 Rが炭素数12〜23のアルキル基又は
    アルケニル基であることを特徴とする、請求項1の鋳型
    離型剤組成物
  3. 【請求項3】 前記アルキル又はアルケニルケテンダイ
    マーが溶媒に溶解及び/又は分散して含有されているこ
    とを特徴とする、請求項1の鋳型用離型剤組成物。
  4. 【請求項4】 前記溶媒100重量部に対し、前記アル
    キル又はアルケニルケテンダイマーを0.1〜40重量
    部含有することを特徴とする、請求項3の鋳型用離型剤
    組成物。
  5. 【請求項5】 前記溶媒が有機溶剤であることを特徴と
    する、請求項4の鋳型用離型組成物。
  6. 【請求項6】 前記有機溶剤が脂環族炭化水素又は脂肪
    族炭化水素であることを特徴とする、請求項5の鋳型用
    離型剤組成物。
  7. 【請求項7】 前記脂環族炭化水素がシクロヘキサンで
    あり、前記脂肪族炭化水素がノルマルヘプタンであるこ
    とを特徴とする、請求項6の鋳型用離型剤組成物。
  8. 【請求項8】 請求項1から7の何れか1の鋳型用離型
    剤組成物を模型表面に塗布して鋳型造型を行うことを特
    徴とする鋳型造型方法。
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