JP3481918B2 - オーディオ信号符号化・復号化装置 - Google Patents

オーディオ信号符号化・復号化装置

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JP3481918B2
JP3481918B2 JP2001125699A JP2001125699A JP3481918B2 JP 3481918 B2 JP3481918 B2 JP 3481918B2 JP 2001125699 A JP2001125699 A JP 2001125699A JP 2001125699 A JP2001125699 A JP 2001125699A JP 3481918 B2 JP3481918 B2 JP 3481918B2
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和宏 杉山
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、オーディオ信号
符号化・復号化装置(以下、「オーディオレコーダ」と
いう)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、小型のオーディオレコーダとして
は、一般に磁気テープを用いたテープレコーダが広く用
いられている。しかしテープレコーダは、複雑なメカニ
カルな部分や電磁変換部分を含むため、小型化には限界
があり、振動に弱い、また、電池寿命が短い、繰り返し
によるメカニカル部の磨耗がある、ランダムアクセスは
困難、録音/再生の立ち上がり速度にも限界がある等と
いった欠点がある。
【0003】一方、近年の半導体技術の進歩は目覚まし
く、半導体メモリの大容量化が著しく進んでいる。これ
に伴い、半導体メモリのオーディオ記録や画像記録とい
ったAV分野への応用が種々考えられて来ている。半導
体メモリの音声(オーディオ)記録への応用例は、留守
番電話、各種おもちゃ、また駅のアナウンスマシーン
等、まだ記録時間は短いが、種々の製品に使用されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の半導体メモリを
記録媒体としたオーディオレコーダは、オーディオ信号
を一定の情報量のまま記録するように構成されているの
で、記録時間は半導体メモリの容量で決定されてしま
い、記録中にメモリがなくなった場合などは、いったん
録音を中断し、新しい半導体メモリに交換するといった
作業が必要で、大切な情報が欠落する、もしくは、音楽
信号が途中で途切れてしまうといった問題点があった。
【0005】また、従来の磁気テープを用いたテープレ
コーダや半導体メモリを記録媒体としたオーディオレコ
ーダは、オーディオ信号を固定長フレームで記録するよ
うに構成されているので、記録するオーディオデータを
一定のレートに圧縮する高能率符号化方式も、MPEG
のオーディオ符号化方式のように、1フレーム(例えば
384サンプル)のオーディオデータを固定長の符号化
フレームにするように符号化される。ところが、オーデ
ィオデータを所定の音質で圧縮する場合、各フレームの
情報量は異なる。例えば、無音部分はほとんど情報量が
なく、アタック音等の急激な変化を生じる部分では情報
量が多くなる。よって、1フレームの信号を固定長フレ
ームで符号化するような符号化方式では、情報量の少な
いフレームには必要以上のビットが割り当てられ、反対
に情報量の多いフレームには必要なビットが割り当てら
れないといった問題点が生じる。
【0006】この発明は上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、所定の容量の半導体メモリには
特に記録時間を設けないでも(勿論目安としての記録時
間はあるが)、録音の中断や音楽信号が途中で途切れる
ことなく、引き続き連続して記録できる半導体メモリオ
ーディオレコーダを得ることを目的とする。
【0007】また、高音質でより効率よく半導体メモリ
に記録できる(記録時間を長くできる)半導体メモリオ
ーディオレコーダを得ることを目的とする。
【0008】また、可変長フレームで記録されている半
導体メモリから記録データを高速再生することを目的と
する。
【0009】更に、半導体メモリに記録されたデータか
ら無音部分等の不要な部分を飛ばし、必要なデータが記
録されている部分のみを再生することにより「早聞き」
が行える半導体メモリオーディオレコーダを得ることを
目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明に係るオーディ
オ信号符号化・復号化装置は、入力したディジタルオー
ディオ信号を周波数帯域に対応した変換係数に変換する
周波数変換手段と、得られた変換係数に対して以下に示
すル−ルに従う階層化及び量子化を施すことでn個(n
は2以上の自然数)の階層レベルに分割した符号化デー
タを得る階層化/量子化手段を備えたものである。 1.変換係数のうち、その周波数帯域が所定の周波数f
1までの変換係数であって、かつ、その量子化レベルが
MSB側から所定のビット数b1までの変換係数を選択
し、これを階層レベル1の符号化デ−タS1とする。 2.変換係数のうち、その周波数帯域が所定の周波数f
2(f2≧f1)までの変換係数であって、かつ、その
量子化レベルがMSB側から所定のビット数b2(b2
≧b1)までの変換係数を選択し、さらに、この信号か
ら階層レベル1の変換係数を差し引いた残差信号を階層
レベル2の符号化データS2とする。 3.変換係数のうち、その周波数帯域が所定の周波数f
n(fn≧fn−1)までの変換係数であって、かつ、
その量子化レベルがMSB側から所定のビット数bn
(bn≧bn−1)までの変換係数を選択し、さらに、
この信号から階層レベル1乃至階層レベルn−1の変換
係数を差し引いた残差信号を階層レベルn の符号化デ−
タSnとする。
【0011】また、入力したディジタルオーディオ信号
を周波数帯域に対応した変換係数に変換する周波数変換
手段と、得られた変換係数から、聴覚心理特性に基づく
可聴信号成分を抽出するとともに、以下に示すル−ルに
従う階層化及び量子化を施してn個(nは2以上の自然
数)の階層レベルに分割した符号化データを得る階層化
/量子化手段を備えたものである。 1.可聴信号成分の変換係数のうち、その周波数帯域が
所定の周波数f1までの変換係数を選択し、これを階層
レベル1の符号化デ−タS1とする。 2.可聴信号成分の変換係数のうち、その周波数帯域が
所定の周波数f2(f2≧f1)までの変換係数を選択
し、さらに、この信号から階層レベル1の変換係数を差
し引いた残差信号を階層レベル2の符号化データS2と
する。 3.可聴信号成分の変換係数のうち、その周波数帯域が
所定の周波数fn(fn≧fn−1)までの変換係数を
選択し、さらに、この信号から階層レベル1乃至階層レ
ベルn−1の変換係数を差し引いた残差信号を階層レベ
ルnの符号化デ−タSnとする。
【0012】また、以下に示すル−ルに従った階層化及
び量子化が施され、人間の聴覚特性に基づく階層的な優
先順位が与えられた階層符号化オーディオデ−タと該階
層符号化オーディオデ−タの階層レベルの識別コ−ドと
を入力として、該識別コ−ドに基づき階層符号化オーデ
ィオデ−タをその階層レベルに応じて復号化すること
で、周波数帯域に対応した変換係数を得る復号化手段
と、得られた変換係数に逆変換を施すことにより元のデ
ィジタルオーディオ信号を得る周波数逆変換手段とを備
えたものである。 1.ディジタルオーディオ信号を周波数変換することで
得られる変換係数のうち、その周波数帯域が所定の周波
数f1までの変換係数であって、かつ、その量子化レベ
ルがMSB側から所定のビット数b1までの変換係数を
選択し、これを階層レベル1の符号化デ−タS1とす
る。 2.変換係数のうち、その周波数帯域が所定の周波数f
2(f2≧f1)までの変換係数であって、かつ、その
量子化レベルがMSB側から所定のビット数b2(b2
≧b1)までの変換係数を選択し、さらに、この信号か
ら階層レベル1の変換係数を差し引いた残差信号を階層
レベル2の符号化デ−タS2とする。 3.変換係数のうち、その周波数帯域が所定の周波数f
n(fn≧fn−1)までの変換係数であって、かつ、
その量子化レベルがMSB側から所定のビット数bn
(bn≧bn−1)までの変換係数を選択し、さらに、
この信号から階層レベル1乃至階層レベルn−1の変換
係数を差し引いた残差信号を階層レベルnの符号化デ−
タSnとする。
【0013】また、以下に示すル−ルに従った階層化及
び量子化が施され、人間の聴覚特性に基づく階層的な優
先順位が与えられた階層符号化オーディオデ−タと該階
層符号化オーディオデ−タの階層レベルの識別コ−ドと
を入力として、該識別コ−ドに基づき階層符号化オーデ
ィオデ−タをその階層レベルに応じて復号化すること
で、周波数帯域に対応した変換係数を得る復号化手段
と、得られた変換係数に逆変換を施すことにより元のデ
ィジタルオーディオ信号を得る周波数逆変換手段とを備
えたものである。 1.人間の聴覚心理特性に基づき抽出された可聴信号成
分の変換係数のうち、その周波数帯域が所定の周波数f
1までの変換係数を選択し、これを階層レベル1の符号
化デ−タS1とする。 2.可聴信号成分の変換係数のうち、その周波数帯域が
所定の周波数f2(f2≧f1)までの変換係数を選択
し、さらに、この信号から階層レベル1の変換係数を差
し引いた残差信号を階層レベル2の符号化デ−タS2と
する。 3.可聴信号成分の変換係数のうち、その周波数帯域が
所定の周波数fn(fn≧fn−1)までの変換係数を
選択し、さらに、この信号から階層レベル1乃至階層レ
ベルn−1の変換係数を差し引いた残差信号を階層レベ
ルnの符号化デ−タSnとする。
【0014】
【発明の実施の形態】実施の形態1. 以下、この発明の実施の形態1を図について説明する。
実施の形態1では、説明を簡単化するためにオーディオ
符号化の階層符号ブロック分割数を2として説明する
が、分割数が増えた場合でも、基本的な考え方は同じで
ある。図1において、1はオーディオ信号の入力端子、
2は次段で必要なオーディオレベルに合わせるオーディ
オアンプ、3はオーディオ信号をディジタル信号に変換
するA/D変換器、4はディジタルオーディオ信号の階
層符号化を行う階層符号化器、5はオーディオ信号の記
録媒体である半導体メモリ、6は半導体メモリ5に階層
符号化器4からのオーディオ信号を所定のアドレスへ書
き込み、また、所定のアドレスからオーディオ信号を読
み出して階層復号化器7に送り出すメモリアドレス制御
器、7は階層符号化器4で符号化されたオーディオ信号
を復号する階層復号化器、8はディジタルオーディオ信
号をアナログオーディオ信号に変換するD/A変換器、
9はD/A変換器の出力を次段で必要なオーディオレベ
ルに合わせるオーディオアンプ、10はオーディオ信号
の出力端子、14はクロック発生器である。
【0015】図2,図3は、階層符号化器4において、
ディジタル化されたオーディオ信号を、2分割符号化を
行う構成例を示した図である。図2の構成例では、16
ビットのディジタルオーディオ信号を、上位8ビットを
階層符号ブロック1,下位8ビットを階層符号ブロック
2として分割する。
【0016】また、図3の構成例では、4分割のサブバ
ンド分割フィルタ15でオーディオ周波数を4つのサブ
バンドに分割し、ビット割当器16で、各サブバンド毎
に階層符号ブロック1と階層符号ブロック2へのビット
割当てを定め、各サブバンド毎の階層符号ブロック1と
階層符号ブロック2の信号量の合計が、2分割となるよ
うにコントロールする。
【0017】図2,図3の何れの構成例の場合も、量子
化ビットの上位ビット側を優先順位の高い階層符号ブロ
ック1に割り当てることで、下位ビットの階層符号ブロ
ック2が欠落しても、、音質は劣化するが、オーディオ
信号を再現することができる。
【0018】また、図3の帯域分割を行う方式では、人
の聴感特性を考慮してビットの割当てを最適にすること
で、オーディオ信号が階層符号ブロック1だけになった
場合でも、音質の劣化を極力少なくすることができる。
【0019】図4は、半導体メモリ5上のメモリマップ
を示しており、オーディオ階層符号ブロックの識別コー
ドを記録する制御データエリアと、オーディオ信号を記
録するオーディオエリアAと、オーディオエリアBから
なる。図5は、オーディオ信号の半導体メモリ5への記
録状況を、時間経過にしたがって示したものである。
【0020】次に、まず、記録系の動作について説明す
る。図1において、入力端子1に入力されたオーディオ
信号は、オーディオアンプ2で所定のレベルに増幅さ
れ、A/D変換器3にてディジタル信号に変換され、階
層符号化器4に入力される。階層符号化器4では、ディ
ジタル化されたオーディオ信号を図2または図3に示し
た方法により、階層符号ブロック1に記録する信号と、
階層符号ブロック2に記録する信号の2つに分割する。
【0021】2つに分割された符号化信号は、半導体メ
モリ5に、図4に示すメモリマップのように記録され
る。記録の流れは、記録開始時は、図5(a)に示すよ
うにオーディオエリアAには符号器4で符号化された階
層符号ブロック1が、また、オーディオエリアBには階
層符号ブロック2が順番に記録される。図5(b)はオ
ーディオ信号が順次記録され、メモリ5がほぼ満杯にな
った状態を示している。
【0022】図5(c)は、さらに連続したオーディオ
信号を記録するために、優先順位の低い階層符号ブロッ
ク2のオーディオ信号の書き込みエリア(この場合はオ
ーディオエリアB)に上書きする形で、引き続き、オー
ディオ信号の階層符号ブロック1のみが記録される。
【0023】図5(d)は、このような上書きが行われ
て、記録エリアが満杯になった状態を示している。メモ
リアドレス制御器6は、メモリ容量検出器13からの信
号に応じて、図5で説明した流れになるように、メモリ
アドレスをコントロールする。また、階層レベルの識別
コードは、図5(a),(b)の場合は「階層レベル
1」ということで階層符号ブロック“00”が、また、
図5(c),(d)の場合は「階層レベル2」というこ
とで階層符号ブロック“01”が記録される。
【0024】再生時には、まず、階層レベル識別コード
再生器12で階層レベルの識別コードのチェックを行
い、“00”つまり「階層レベル1」の場合には、半導
体メモリ5のオーディオエリアAとオーディオエリアB
を順番にアクセスして、再生オーディオ信号を階層復号
化器7に出力する。また、階層レベルの識別コードが
“01”つまり「階層レベル2」の場合には、半導体メ
モリ5のオーディオエリアAから順番にアクセスして
(オーディオエリアAが終わると続けてオーディオエリ
アBをアクセスする)、再生オーディオ信号を階層復号
化器7に出力する。
【0025】階層復号化器7では、半導体メモリ5から
の再生信号を「階層レベル1」、「階層レベル2」のい
ずれの場合もディジタルオーディオ信号を復号するよう
に構成されている(「階層レベル2」の再生信号の場合
は、階層レベル識別符号コードにより階層符号ブロック
2の信号に零を入力すればよい)。
【0026】階層復号化器7の出力は、D/A変換器8
によりアナログオーディオ信号に変換され、オーディオ
アンプ9で所定のオーデイオレベルに増幅されて、出力
端子10から出力される。なお、サンプリングクロック
等の記録再生時にシステム全体で必要なクロックは、ク
ロック発生器14より供給される。
【0027】実施の形態2. 図6は、この発明の実施の形態2のブロック回路で、図
1と同一符号はそれぞれ同一部分を示しており、17は
階層符号化器4で符号化されたオーディオ信号の全てを
記録できる記録容量に余裕のある第1の半導体メモリ、
18はオーディオデータ保存用として所定の容量を持つ
(着脱式ができるメモリカード等)第2の半導体メモ
リ、19は階層レベル変換器で、第1の半導体メモリ1
7から第2の半導体メモリ18にオーディオ信号をダビ
ングする際、メモリ容量検出器13から出力されるオー
ディオ記録時間に応じて、第2の半導体メモリ18のメ
モリ容量に丁度合うように、ブロック符号化の優先順位
の低い階層符号ブロックを欠落させることによって、全
体の信号量をコントロールする。
【0028】20は第1のメモリアドレス制御器で、第
1の半導体メモリ17に階層符号化器4からのオーディ
オ信号を所定のアドレスに記録する制御、および、第1
の半導体メモリ17から第2の半導体メモリ18にダビ
ングする場合に、転送速度を速くして第1の半導体メモ
リ17のデータを読み出す制御を行う。21は第2のメ
モリアドレス制御器で、第2の半導体メモリからオーデ
ィオ信号を所定のアドレスから読み出す制御、および、
第1の半導体メモリ17から第2の半導体メモリ18に
ダビングする場合に転送速度を速くして第2の半導体メ
モリにデータを書き込む制御を行う。
【0029】次に、記録系の動作について説明する。入
力端子1に入力されたオーディオ信号は、オーディオア
ンプ2で所定のレベルに増幅され、A/D変換器3にて
ディジタル信号に変換され、階層符号化器4に入力され
る。階層符号化器4では、図2または図3に示したよう
に、優先順位を持った2つの階層符号ブロックの信号に
符号化される。ここで優先順位の低い階層符号ブロック
が欠落して優先順位の高い階層符号ブロックのみとなっ
た場合でも、音質は劣化するもののオーディオ信号が正
常に再生できることは、実施の形態1と同様である。
2つのブロックに分割されて符号化されたオーディオ信
号は、第1のメモリアドレス制御器20からのアドレス
信号に従って第1の半導体メモリ17に記録される。第
1の半導体メモリ17は容量的に余裕があるので、入力
されたオーディオ信号は全て記録されることになる。
【0030】次に、第1の半導体メモリ17から第2の
半導体メモリ18へのダビング動作について説明する。
メモリ容量検出器13は、第1の半導体メモリ17に書
き込まれたオーディオ信号の記録時間を検出し、この検
出信号を階層レベル変換器19に送り、ここで第2の半
導体メモリ18のメモリ容量と比較され、信号を減らす
必要があるか否か、あるとすればどの程度削減させれば
よいかを判断し、削減する場合には比率に応じて階層レ
ベルを変える。つまり、優先順位の低い階層符号ブロッ
クを欠落させる。
【0031】この実施の形態2では、データの分割数を
2としているが、この分割数を多くとればとるほど記録
時間と音質の劣化度合いをきめ細やかに制御することが
でき、より半導体メモリを効率よく使用することができ
る(記録時間と音質の劣化度合いは直線的な関係にな
る)。
【0032】さらに、この階層レベルを階層レベル識別
コード発生器11に送り、識別コードも同時に第2の半
導体メモリ18の制御エリアに記録する。また、ダビン
グ時には、第1のメモリアドレス制御器20と第2のメ
モリアドレス制御器21のアドレッシングを高速に動作
させ、メモリのアクセススピードの許す範囲内で高速ダ
ビングさせる。この高速ダビングの機能は、記録媒体
(半導体メモリ)が2組あるにもかかわらず、あたかも
1つで記録しているように見せるために重要な機能であ
る。
【0033】再生時には、まず、階層レベル識別コード
再生器12が第2の半導体メモリ18の制御エリアから
識別コードを判定し、その結果を第2のメモリアドレス
制御器21に送る。第2のメモリアドレス制御器21
は、階層レベルに応じて所定のアドレスから順番に第2
の半導体メモリ18から再生信号を読み出す。
【0034】階層復号化器7は、いずれの階層レベルの
再生信号であってもそれぞれに応じて復号を行う。階層
復号化器7の出力はD/A変換器8によりアナログオー
ディオ信号に変換され、オーディオアンプ9で所定のオ
ーデイオレベルに増幅されて出力端子10から出力され
る。なお、再生に必要なサンプリングクロック等のクロ
ックは、クロック発生器14から供給される。
【0035】実施の形態3. 以下、この発明の実施の形態3を図7〜図11について
説明する。この実施の形態3では、階層符号化の階層符
号ブロック分割数を4として説明するが、異なる分割数
の場合でも考え方は同じである。図7において、図1と
同一符号はそれぞれ同一部分を示しており、22はディ
ジタルオーディオ信号の階層符号化器、23はメモリア
ドレス制御器で、半導体メモリ5に階層符号化器22か
らのオーディオ信号を所定のアドレスへ階層毎に分類し
て書き込み、また、所定のアドレスから各階層のオーデ
ィオ信号を読み出し、さらに、半導体メモリ5の容量を
検出し、半導体メモリ5が満杯になると、既に書き込ま
れたデータのうち上記階層符号化器22により優先順位
の低い階層符号ブロックとして書き込まれたデータのメ
モリエリアから順次時間的に連続したオーディオ信号を
上書きするように制御する。24は階層符号化器22で
符号化さたオーディオ信号を復号する階層復号化器であ
る。
【0036】図8,図9は階層符号化器22において、
ディジタルオーディオ信号を4分割して階層符号化を行
う内容を説明するための図である。まず図8において、
入力された原オーディオ信号から信号の分類を行う、つ
まり人間の聴覚特性である最小可聴限により元々聞こえ
ない信号と、マスキング効果により聞こえなくなった信
号と、さらに聞こえる信号の3つに大別する。次にこの
中から聞こえる信号のみを選択し、図9に示す周波数特
性に従って、さらに4つの階層レベルに分割することを
示している。
【0037】図10は階層レベル4の階層符号化器22
の構成、および半導体メモリ5への記録方式について説
明するための図で、27はA/D変換器3でディジタル
信号に変換されたオーディオ信号を所定のブロックに帯
域分割する分割フィルタ、28は分割された信号をMD
CTにより直行変換するMDCT変換器、29は入力信
号の変化に応じてMDCT28の変換ブロックサイズを
設定するブロックサイズ設定器、30はMDCT28の
係数を聴覚心理に基づいてクリティカルバンドに従って
グルーピングを行うグルーピング器、31は図8、図9
に示したオーディオ信号の分類によって、聞こえない信
号を除去し、聞こえる信号を4つの階層レベルに階層化
して量子化する階層化/量子化器、32は聞こえる信号
のみをどのように各周波数帯域にビット配分するかを決
めるダイナミックビット配分器、33はMDCT28の
ブロックに応じてスケールファクタを決定するスケール
ファクタ算出器、34は半導体メモリ5に記録するため
に記録フォーマット化するためのフォーマッティング器
である。また、図10の右側には半導体メモリ5に階層
符号化データを記録する概念を示している。
【0038】図11は半導体メモリ5上のメモリマップ
を示す図で、階層レベルの識別コードを記録する制御デ
ータエリア、オーディオ信号を記録するオーディオエリ
ア(階層レベル1〜階層レベル4)からなる。また、図
11中の(1)から(4)は、オーディオ信号の半導体
メモリ5への記録状態を時間経過に応じて示したもので
ある。つまり(1)は階層レベル4で符号化したオーデ
ィオ信号がメモリ満杯にまで記録された状態、(2)は
(1)の状況を経過し、さらに連続してオーディオ信号
を記録した場合で、階層レベル4の記録エリアに階層レ
ベル1〜3で上書きした状態、(3)は(2)の状況を
経過し、さらに連続してオーディオ信号を記録した場合
で、階層レベル3の記録エリアまで階層レベル1〜2で
上書きした状態、(4)は(3)の状況を経過し、さら
に連続してオーディオ信号を記録した場合で、階層レベ
ル2の記録エリアまで階層レベル1で上書きした状態
(メモリ上の全ての信号が階層レベル1になる)を示し
ている。
【0039】次に、記録時の実施の形態1と異なる部分
の動作について説明する。A/D変換器3にてディジタ
ル信号に変換され、階層符号化器22に入力されたオー
ディオ信号は、階層符号化器22で図8,図9,図10
に示した方法により階層符号化データに変換されて半導
体メモリ5に記録される。この階層符号化器22では、
まず、オーディオ信号を分割フィルタ27により所定の
ブロックに分割し、一方、ブロックサイズ設定器29に
よりMDCTを行うサンプルサイズを決定する。切り出
したサンプルの振幅の変化が少ない場合はMDCTのブ
ロックサイズを大きくし、また振幅の変化が大きい場合
はMDCTのブロックサイズを小さくしてプリエコーの
発生を抑える。
【0040】MDCT変換器28では、分割フィルタ2
7で分割された周波数帯域毎にMDCTの変換を行い、
各変換係数は聴覚心理に基づいたグルーピング器30に
よりクリティカルバンド毎にグルーピングされ、階層化
/量子化器31により下記に示すルールに従って4つの
帯域に分割される。図9にその帯域とレンジを示す。
【0041】1.まず階層レベル1として、複数の周波
数帯域に分割された各係数の中から、低域の係数から所
定の周波数帯域f1までの係数を選択し、かつその係数
の量子化レベルもMSB側から所定のビット数を選択
し、これを階層レベル1の符号化データS1とする。
【0042】2.次に階層レベル2として、f1 よりも
高い所定の周波数帯域f2 までの係数を選択し、かつそ
の係数の量子化レベルもMSB側から階層レベル1より
も多い所定のビット数を選択し、この信号から各係数毎
に対応する階層レベル1の係数の信号成分を引いた残差
信号を、階層レベル2の符号化データS2 とする。
【0043】3.次に階層レベル3として、f2よりも
高い所定の周波数帯域f3までの係数を選択し、かつそ
の係数の量子化レベルもMSB側から階層レベル2より
も多い所定のビット数を選択し、この信号から各係数毎
に対応する階層レベル1,2および3の係数の信号成分
を引いた残差信号を、階層レベル3の符号化データS3
とする。
【0044】4.同様に、階層レベル4として、f3よ
りも高域の所定の周波数帯域f4までの係数を選択し、
かつその係数の量子化レベルもMSB側から階層レベル
3で選択したよりも多い所定のビット数を選択し、この
信号から各係数毎に対応する階層レベル1、2および3
の係数の信号成分を引いた残差信号を、階層レベル4の
符号化データS4とする。
【0045】一方、ダイナミックビット配分器32で
は、MDCTのブロック単位で各周波数帯域毎にどのよ
うにビットを配分するかを決定し、またスケールファク
タ算出器33ではMDCTのブロック単位で各係数の最
大値を抽出し、この最大値で各サンプルの値を正規化す
る。フォーマッティング器34では、スケールファク
タ、ビット配分、階層化されたデータ(S1、S2、S
3、S4)の3つをフォーマッティングし、半導体メモ
リ5に送る。
【0046】半導体メモリ5に送られた階層化されたオ
ーディオ信号は、メモリアドレス制御器23により図1
0右側に示すように、まず、階層レベル4で半導体メモ
リ5に各階層レベル毎に分類して記録していく。半導体
メモリ5が満杯になって記録メモリが無くなると、次に
階層レベル4で書き込まれていたメモリエリアに、連続
したオーディオ信号を階層レベル1〜3で上書きしてい
く。この状態をメモリマップ上で表現したのが図11で
ある。上記の説明は図11(1)→(2)の記録状態を
示したものである。階層レベル識別コード発生器25
は、図11(1)の状態では最大階層レベル4というこ
とで識別コード“11”を、また図11(2)の状態を
最大階層レベル3ということで識別コード“10”を発
生して半導体メモリ5の制御データエリアに記録する。
【0047】同様に、図11(2)→(3)→(4)と
記録状態が進むのと同時に階層レベルも3→2→1とな
り、記録すべき識別コードも“10”→“01”→“0
0”となる。この場合、記録時間は最終的には半導体メ
モリ5上が階層レベル1のみのオーディオ信号になった
場合が最大であり、各階層レベル(1〜4)の情報量が
同じとすれば、図11(1)の状態よりも記録されたオ
ーディオ品質は劣化するものの記録時間は4倍になる。
【0048】再生時には、先ず階層レベル識別コード再
生器26により階層レベル識別コードのチェックを行
う。この情報をメモリアドレス制御器23が受け、図1
1のメモリマップに従って記録されたオーディオ信号を
半導体メモリ5から読みだしていく。まず識別コードが
“11”、つまり階層レベル4の場合には、図11
(1)のメモリマップに従って階層レベル1〜4の信号
を読みだしていく。識別コードが“10”つまりレベル
3の場合には、図11(2)のメモリマップに従って階
層レベル1〜3の信号を読みだしていく。以下同様に、
識別コードが“01”で階層レベル2の場合には図11
(3)のメモリマップに従って階層レベル1〜2の信号
を、識別コード“00”で階層レベル1の場合には図1
1(4)のメモリマップに従って階層レベル1の信号を
読みだしていく。
【0049】階層復号化器24では、半導体メモリ5か
ら読み出された信号は、階層レベル識別コード再生器2
6からの識別信号により、その階層レベルに応じた復号
化を行うように構成されている。階層復号化器24の出
力はD/A変換器8によりアナログオーディオ信号に変
換され、所定のオーデイオレベルに増幅するオーディオ
アンプ9を経て、オーディオ出力端子10から出力され
る。また記録再生時におけるサンプリングクロック等の
システム全体に必要となるクロックはクロック発生器1
4より供給される。
【0050】実施の形態4. 次に、この発明の実施の形態4を図12,図13につい
て説明する。図12は実施の形態4のブロック回路図
で、図7と同一符号は、それぞれ同一部分を示してい
る。図12において、35はアドレス切換器で、書き込
みアドレス発生器36からのメモリアドレスと、読み出
しアドレス発生器37からのメモリアドレスを切り換え
る。書き込みアドレス発生器36は半導体メモリ5に階
層符号化したオーディオ信号を書き込むためのアドレス
を発生する。読み出しアドレス発生器37はクロック分
周器39からの再生クロックに従って半導体メモリ5か
ら階層符号化されたオーディオ信号を読み出すためのア
ドレスを発生する。38は階層レベル判定器で、オーデ
ィオ信号の再生スピードにより、階層復号化器24に与
えられる復号演算時間が変わるため(つまり、再生スピ
ードが上がれば所定のオーディオサンプル数の復号に与
えられる演算時間は短くなり、逆に再生スピードが下が
れば所定のオーディオサンプル数の復号に与えられる演
算時間は長くなる:通常、階層符号化器や復号化器はD
SP(Digital Signal Process
or)等を用いソフトウェア処理を行う場合が多く、ま
たこのDSP自身もかなりの高速演算を実行しているの
で、オーディオ信号の再生スピードが早くなったからと
いって、同様にDSPの演算時間を高速にする事は出来
ない)、与えられた演算時間内に復号可能な階層レベル
を判定して階層復号化器24に知らせる。39はクロッ
ク分周器で、再生スピード設定スイッチからの信号によ
りクロック発生器14で発生したクロックを分周し読み
出しアドレス発生器37に送出する。40は再生スピー
ド設定器を構成するスイッチである。
【0051】図13は実施の形態4のオーディオ復号時
間と再生スピードの関係を示した図で、図13(a),
(b)は通常再生時に、4つの階層レベルの信号全てが
復号できる場合を示している。一方、図13(c),
(d)は再生スピードを2倍速にした場合で、2つの階
層レベルの信号しか復号演算が間に合わないことを示し
ている。
【0052】次に、記録時の実施の形態3と異なる部分
の動作について説明する。階層符号化器22で階層符号
化されたオーディオ信号は、書き込みアドレス発生器3
6で発生した書き込みアドレスがアドレス切り換え器3
5で選択されて半導体メモリ5に与えられ、所定のアド
レスに記録される。
【0053】再生時には、まず、アドレス切り換え器3
5により半導体メモリ5の読み出しアドレスが読み出し
アドレス発生器37に切り換わる。読み出しアドレス発
生器37では、再生スピード設定器40で設定された
(この例では、通常再生スピードに対してUP,DOW
Nで制御するように構成されている)読み出しスピード
に従ってクロック分周器39で読み出しアドレス発生器
37に与えるクロックを作り出す。半導体メモリ5から
は設定された再生スピードに従ってオーディオ信号が読
みだされ、階層復号化器24で復号される。この場合の
復号階層レベルは、図13に示したようにオーディオ信
号の再生スピードにより、階層復号化器24に与えられ
る復号演算時間が変わるため、与えられた演算時間内に
復号可能な階層レベルを階層レベル判定器38にて判定
される。
【0054】図13(a),(b)の通常再生時では、
4つの階層レベルの信号全てが復号でき、一方図13
(c),(d)の再生スピードを2倍速にした場合で
は、2つの階層レベルの信号まで正常に復号演算が可能
なことを示している。再生スピードを倍にすると、再生
オーディオ信号は全て2倍の周波数になる、つまり5k
Hzの信号成分は10kHzに、また10kHzの信号
成分は20kHzにシフトするので、実際的には10k
Hz以上の信号は可聴帯域をオーバーすることになり、
高域成分の多い階層レベル3または4の復号は殆ど必要
でなくなる。このことからも図13(c),(d)のよ
うに、階層レベル1〜2のみを復号する方式は非常に適
した方法といえる。階層復号化器24の出力はD/A変
換器8によりアナログオーディオ信号に変換され、所定
のオーデイオレベルに増幅するオーディオアンプ9を経
て、オーディオ出力端子10から出力される。
【0055】実施の形態5. 以下、本発明の実施の形態5を図に基づいて説明する。
実施の形態5のブロック回路図は実施の形態3の図7と
同様であるので図示は省略する。また、本実施の形態5
による半導体メモリオーディオレコーダの階層符号化の
概念図も実施の形態3の図8と同様であるので図示は省
略する。
【0056】図14は、本実施の形態5の階層符号化器
22の階層レベルの分割の態様を示す図で、階層符号化
の方法が実施の形態3と異なる。以下、階層符号化の符
号ブロック分割数を、実施の形態3と同様に4とし、入
力された原オーディオ信号の分類も、実施の形態3の図
8と同様に、人間の聴覚特性である最小可聴限により元
々聞こえない信号と、マスキング効果により聞こえなく
なった信号と、聞こえる信号の3つに大別し、この中か
ら聞こえる信号のみを選択して、さらに図14に示す周
波数特性に従って4つの階層レベルに分割する。
【0057】すなわち、図14において、マスキングレ
ベルを超える可聴成分を情報量が等しくなるように、階
層レベル1から階層レベル4までに周波数方向で4分割
し、さらに全体の情報量は所望のビットレートを満たす
ようにする。
【0058】図15は本実施の形態5の階層符号化器2
2の構成と半導体メモリ5への記録方法を示す図であ
る。図において、41はサブバンドn分割フィルタで、
A/D変換器3でディジタル信号に変換されたオーディ
オ信号を複数のサブバンドに帯域分割する。42は可聴
成分抽出手段で、オーディオ信号をFFT変換により周
波数領域に変換し、聴覚特性に基づいたマスキングによ
り可聴成分のみを抽出する。43は各フレームのサブバ
ンドごとの情報量算出手段で、可聴成分抽出手段42に
より抽出された可聴成分に対し、6dBあたり1bit
の情報量を割り当てることにより、各サブバンドごとの
情報量を算出する。44は各フレームの情報量算出手段
で、サブバンドごとの情報量算出手段43より得られた
各サブバンドの情報量を合計して1符号化フレームあた
りの情報量を算出する。
【0059】45は所望の符号化レートに基づきフレー
ムあたりの情報量Cを設定する符号化レートに基づくフ
レームあたりの情報量設定器、46は情報量コントロー
ル回路で、フレームの情報量算出手段44により算出さ
れた各フレームの情報量とそれまでに符号化されたフレ
ームに割り当てられた情報量の平均値である平均割当情
報量に従い、最終的な平均情報量が符号化レートに基づ
くフレームあたりの情報量設定器45により得られる設
定情報量Cに一致するように各フレームに割り当てる割
当情報量を算出する。47は各階層の帯域決定手段で、
情報量算出手段43により算出された各フレームのサブ
バンドごとの情報量と情報量コントロール回路46によ
り算出された割当情報量によりその割当情報量を与える
のに最適な各階層(K1からK4)の符号化帯域を決定
する。48はビットアロケーション回路で、各階層の帯
域決定手段47により得られた各階層に割り当てる帯域
情報に従い、各階層に対する割当帯域内の可聴成分に対
し、その大きさに従って再ビット割当を行う、49は量
子化回路で、ビットアロケーション回路48により得ら
れたビット割当情報に従い、各サブバンドデータを量子
化する。
【0060】50は階層符号化フォーマッティング器
で、各階層の帯域決定手段47により得られた各階層の
割当帯域情報と、ビットアロケーション回路48により
得られたビット割当情報と、量子化器49より得られた
データを階層符号化してフォーマットする。また、図1
5の右側には階層符号化データを半導体メモリ5に記録
する概念を示したものである。
【0061】半導体メモリ5上のメモリマップ、および
オーディオ信号の書込み手順は、実施の形態3で説明し
た図11と同じであるので、説明は省略する。
【0062】次に、記録時の動作の実施の形態3と異な
る部分について説明する。階層符号化器22では、オー
ディオ信号より図8、図14に示した方法により階層符
号化データに変換され、半導体メモリ5に記録される。
この階層符号化器22では、まずオーディオ信号をサブ
バンドn分割フィルタ41によりn個のサブバンドに分
割し、同時に可聴成分抽出手段42において、オーディ
オ信号をFFT変換により周波数領域に直交変換し、周
波数領域で聴覚特性に基づいたマスキングレベルが求め
られ、可聴成分が抽出される。図16(a)に示すよう
に周波数スペクトラムとマスキングレベルの差が可聴成
分である。さらに、可聴成分はサブバンド分割によるサ
ブバンド帯域ごとにまとめられ、図16(b)に示すよ
うに各サブバンドごとの可聴成分が抽出される。
【0063】次に、情報量算出手段43では、可聴成分
6dBに対し1bitの情報量を与えることにより図1
6(c)に示すように各サブバンド帯域に対する情報量
が算出される。そして、各フレームの情報量算出手段4
4にてn個のサブバンドの情報量が加算され、1フレー
ムの情報量が算出される。符号化レートに基づくフレー
ムあたりの情報量設定器45では、所望の符号化レート
を設定することによりそのビットレートに基づきフレー
ムあたりの情報量Cが算出され、情報量コントロール回
路46に送られる。
【0064】情報量コントロール回路46では、それま
でに符号化されたフレームに割り当てられたフレームあ
たりの平均情報量に従い、最終的な平均割当情報量が符
号化レートに基づくフレームあたりの情報量設定器で設
定された情報量Cに一致するように、各フレームの情報
量算出手段44により算出された情報量に対し割当帯域
決定に用いる割当情報量を定める。例えば、それまでに
符号化されたフレームに割り当てられた総ビット数をs
um、符号化フレーム数をcountとすると、sum
をcountで割って得られる平均割当情報量(Mバ−
とする)が、符号化ビットレートより換算した1フレー
ムあたりの情報量Cより多い場合には割当情報量を減ら
すように、少ない場合には増やすようにコントロールす
る情報量コントロール係数(K=C/Mバ−とする)
を、各フレームの情報量算出手段44により算出された
情報量(mとする)に乗算し、割当情報量(M=mKと
する)を算出する。
【0065】次に、各階層の帯域決定手段47では、情
報量算出手段43により得られた各サブバンドごとの情
報量と、情報量コントロール回路46により得られた割
当情報量により各階層ごとに割当情報量でカバーできる
帯域を算出し、それを各階層の帯域とする。例えば、オ
ーディオ信号を16のサブバンドに分割し各サブバンド
ごとの情報量を算出したものが図17に示すような値で
あったとすると、そのフレームに対する割当情報量が4
3ビットであった場合、階層レベル1(K1)から階層
レベル4(K4)の各階層レベルに対し割り当てる情報
量を等情報量とすることにより、各階層に対し割り当て
ることのできる情報量はそれぞれ10ビットとなる。
【0066】各フレームに対する情報量の割当は、以下
の手順で行う。まず、K1の割当帯域を求める。最低帯
域のサブバンド1の情報量が10ビットであることか
ら、このサブバンドのみでK1の割当情報量10ビット
になるため、K1の符号化帯域として割り当てることの
できる帯域は1サブバンドとなる。次に、K2の割当帯
域を求める。K1に割り当てた帯域以上のサブバンドか
らサブバンド2とサブバンド3の情報量を加算すると1
0(6+4)ビットとなり、K2の割当ビット10ビッ
トに一致する。よってK2の符号化帯域として割り当て
ることのできる帯域は、2、3サブバンドである。同様
に、K2に割り当てた帯域以上のサブバンドであるサブ
バンド4からサブバンド6までの情報量を加算すると1
0ビットとなり、K3の割当情報量と一致し、サブバン
ド7からサブバンド10までの情報量を加算すると10
ビットとなり、K4の割当情報量と一致する。
【0067】これにより、各階層に割り当てることので
きる帯域は、それぞれ図17に示すように、1サブバン
ド、2、3サブバンド、4〜6サブバンド、7〜10サ
ブバンドとなる。ビットアロケーション回路48では、
各階層の帯域決定手段47により得られた各階層への割
当帯域情報と、可聴成分抽出手段42により得られた可
聴成分により、各階層の割当帯域内の可聴成分に対し、
その大きさに従って再ビット割当がなされる。例えば、
図17に示すように、各階層レベルK1〜K4に対し帯
域割当された場合、K1帯域はサブバンド1のみの1サ
ブバンド、K2帯域はサブバンド2、3の2サブバン
ド、K3帯域はサブバンド4〜6の3サブバンド、K4
帯域はサブバンド7〜10の4サブバンドとなる。
【0068】よって、階層レベル1ではサブバンド1の
可聴成分に対し、6dBあたり1ビットのビット割当が
行われ、次に階層レベル2ではサブバンド2、3の可聴
成分に対し、可聴成分の大きさに従って6dBあたり1
ビットが再ビット割当され、さらに階層レベル3ではサ
ブバンド4、5、6の可聴成分に対し、階層レベル4で
はサブバンド7、8、9、10の可聴成分に対し再ビッ
ト割当される。量子化器49では、ビットアロケーショ
ン回路48より得られた各サブバンドに対するビット割
当情報に従い、サブバンドn分割フィルタ41より得ら
れるサブバンドデータが量子化される。階層符号化フォ
ーマッティング器50では、各階層の帯域決定手段47
より得られる各階層の割当帯域情報に従い、ビット割当
情報と量子化データが各階層ごとにフォーマッティング
され、半導体メモリ5に送られる。 以上のような階層
符号化器22により符号化されたデータは、各フレーム
の情報量は可変長であるが、1フレーム内に含まれる各
階層の情報量は等情報量となる。
【0069】半導体メモリ5に送られた階層化されたオ
ーディオ信号は、メモリアドレス制御器23により図1
5の右側に示すように、まず階層レベル4で半導体メモ
リ5に各階層毎に分類して記録していく。半導体メモリ
5が満杯になると、階層4の書き込まれていたメモリエ
リアに連続したオーディオ信号を階層レベル3で上書き
していく。この図15は、概念を示したもので各フレー
ムの情報量が等しいように書かれているが、実際には可
変長フレームで符号化されるため、半導体メモリ5は、
各フレームの情報量に応じて記憶できるようにコントロ
ールされる。
【0070】この状態をメモリマップ上で表現したのが
図11であって、上記の説明は図11(1)→(2)の
記録状態を示したものである。階層レベル識別コード発
生器25では、図11(1)の状態では最大階層レベル
4ということで識別コード“11”を、また図11
(2)の状態を最大階層レベル3ということで識別コー
ド“10”を記録する。同様に、図11(2)→(3)
→(4)と記録状態が進むと同時に階層レベルも3→2
→1となり記録すべき識別コードも“10”→“01”
→“00”となる。この場合記録時間は最終的には半導
体メモリ上が階層1のみのオーディオ信号になった場合
が最大であり、各階層(1〜4)の情報量が同じとすれ
ば図11(1)の状態よりも、記録されたオーディオ品
質は劣化するものの記録時間は4倍になる。
【0071】再生時には、まず階層レベル識別コード再
生器26により階層レベル識別コードのチェックを行
う。この情報をメモリアドレス制御器23が受け、図1
1のメモリマップに従って記録されたオーディオ信号を
半導体メモリ5から読みだしていく。まづ識別コードが
“11”つまり階層レベル4の場合には、図11(1)
のメモリマップに従って階層1〜4の信号を読みだして
いく。識別コードが“10”つまりレベル3の場合に
は、図11(2)のメモリマップに従って階層レベル1
〜3の信号を読みだしていく。
【0072】以下、同様に、識別コードが“01”で階
層レベル2の場合には図11(3)のメモリマップに従
って階層レベル1〜2の信号を、識別コード“00”で
階層レベル1の場合には図11(4)のメモリマップに
従って階層レベル1の信号を読みだしていく。階層復号
化器24では、半導体メモリ5から読み出された信号
は、階層レベル識別コード再生器26からの識別信号に
より、その階層レベルに応じた復号化を行うように構成
されている。階層復号化器24の出力はD/A変換器8
によりアナログオーディオ信号に変換され、所定のオー
デイオレベルに増幅するオーディオアンプ9を経て、オ
ーディオ出力端子10から出力される。
【0073】実施の形態6. 次に、本発明の実施の形態6について説明する。図18
は実施の形態6による半導体メモリオーディオレコーダ
の階層符号化器の構成を示す図である。図において、4
1はサブバンドn分割フィルタで、A/D変換器3でデ
ィジタル信号に変換されたオーディオ信号を複数のサブ
バンドに帯域分割する。42は可聴成分抽出手段で、オ
ーディオ信号をFFT変換により周波数領域に変換し、
聴覚特性に基づいたマスキングにより可聴成分のみを抽
出する。45は符号化レートに基づくフレームあたりの
情報量設定器で、所望の符号化レートに基づきフレーム
あたりの情報量Cを設定する。48はビットアロケーシ
ョン回路で、各階層の帯域決定手段54により得られた
一サイクルの各階層に割り当てる帯域情報に基づき、各
フレームごとに各階層に対する割当帯域内の可聴成分に
対し、その大きさに従って再ビット割当を行う。49は
量子化回路で、ビットアロケーション回路48により得
られたビット割当情報に従い、各サブバンドデータを量
子化する。
【0074】50は階層符号化フォーマッティング器
で、各階層の帯域決定手段54により得られた各階層の
割当帯域情報とビットアロケーション回路48により得
られたビット割当情報と、量子化器49により得られた
データを階層符号化しフォーマットする。51は平均情
報量算出手段で、可聴成分抽出手段42により抽出され
た可聴成分の一定時間あたりの平均値をとり、その平均
値に対し、6dBあたり1bitの情報量を割り当てる
ことにより、各フレームの各サブバンドごとの平均情報
量を算出する。52は各フレームの瞬時情報量算出手段
で、可聴成分抽出手段42により得られる可聴成分のあ
る最大サブバンド情報SBmaxから各符号化フレーム
ごとの情報量を算出する。53は情報量コントロール回
路で、各フレームの瞬時情報量算出手段52より得られ
る瞬時情報量と、それまでに符号化されたフレームに割
り当てられた平均割当情報量に従い、最終的な平均情報
量が符号化レートに基づくフレームあたりの情報量設定
器45により得られる設定情報量Cに一致するように、
一サイクルの区間割当情報量を算出する。54は各階層
の帯域決定手段でで、平均情報量算出手段51により算
出された各フレームのサブバンドごとの平均情報量と、
情報量コントロール回路53により算出された区間割当
情報量により、その割当情報量を与えるのに最適な各階
層レベル(K1からK4)の一サイクルの各階層の符号
化帯域を決定する。
【0075】図19は実施の形態6による平均情報量算
出手段のサブバンドごとの平均情報量算出動作を示すフ
ローチャート図である。
【0076】図20は実施の形態6による情報量コント
ロール手段における区間割当情報量算出動作を示すフロ
ーチャート図である。
【0077】図21は実施の形態6による各階層の帯域
決定手段54における割当帯域決定動作を示すフローチ
ャート図である。
【0078】図22は実施の形態6によるビットアロケ
ーション回路48におけるビット割当動作を示すフロー
チャート図である。
【0079】次に、動作について説明する。階層符号化
器22では、まず、オーディオ信号をサブバンドn分割
フィルタ41によりn個のサブバンドに分割し、同時
に、可聴成分抽出手段42においてオーディオ信号をF
FT変換により周波数領域に直交変換し、周波数領域で
聴覚特性に基づいたマスキングレベルが求められ、可聴
成分が抽出される。図16(a)に示すように周波数ス
ペクトラムとマスキングレベルの差が可聴成分である。
さらに、可聴成分はサブバンド分割によるサブバンド帯
域ごとにまとめられ、図16(b)に示すように各サブ
バンドごとの可聴成分が抽出される。
【0080】次に、平均情報量算出手段51では、図1
9のフローチャート図に示すように、可聴成分抽出手段
42により抽出された各サブバンドごとの可聴成分をX
フレーム分累積加算し、加算後Xで除算することにより
可聴成分のXフレーム分の平均値を算出し、その平均可
聴成分に対し、6dBあたり1bitの情報量を与える
ことによりXフレーム分の平均情報量が算出され、これ
が次の1サイクル(Xフレーム分)の帯域決定に使用さ
れる。各フレームの瞬時情報量算出手段52では、可聴
成分抽出手段42より得られる可聴成分の存在する最大
の帯域(SBmaxとする)から、瞬時情報量を以下の
方法で推定する。
【0081】図23〜25は、実施の形態6による瞬時
情報量決定手段での可聴成分の存在する最大の帯域SB
maxと情報量の関係を示す図であるが、これらのデー
タからわかるように、SBmaxと情報量はほぼ比例関
係にあるため、SBmaxから情報量を推定できる。こ
の実施の形態6では、瞬時情報量をSBmaxと情報量
の関係を利用した推定により求めているが、可聴成分に
対し、6dBあたり1bitの情報量を与え、各サブバ
ンドの情報量の加算により算出してもよい。
【0082】符号化レートに基づくフレームあたりの情
報量設定器45では、所望の符号化レートを設定するこ
とによりそのビットレートに基づきフレームあたりの情
報量Cが算出され、情報量コントロール回路53に送ら
れる。情報量コントロール回路53では、それまでに符
号化されたフレームに割り当てられたフレームあたりの
平均情報量に従い、最終的な平均割当情報量が符号化レ
ートに基づくフレームあたりの情報量設定器で設定され
た情報量Cに一致するように、各フレームの瞬時情報量
算出手段52により算出された瞬時情報量に対し1サイ
クルの区間割当情報量を定める。
【0083】情報量コントロール回路53の動作を図2
0のフローチャートに示す。区間割当情報量MN バ−
は、Xフレームを1サイクルと、1サイクルごとにそれ
までに符号化されたフレームの平均割当情報量Mバ−に
応じて、例えば次式のように算出される。 MN バ−=C+(C−Mバ−) ここでCは符号化レートに基づく1フレームあたりの情
報量であり、最終的に平均割当情報量がこの値となるよ
うにMN バ−がコントロールされる。また、1サイクル
の間、毎フレームごとに瞬時情報量算出回路52より算
出された瞬時情報量mに情報量コントロール係数Kを乗
算することにより瞬時割当情報量Mが算出される。ま
た、瞬時割当情報量の平均値による平均割当情報量Mバ
−および情報量コントロール係数Kは1サイクルごとに
更新される。
【0084】次に、各階層の帯域決定手段54では、図
21のフローチャートに示すように、1サイクルごとに
各サブバンドごとの平均情報量算出手段51により得ら
れた各サブバンドごとの平均情報量と、情報量コントロ
ール回路53により得られた1サイクル間の区間割当情
報量を入力し、区間割当情報量を4分割することにより
各階層あたりの割当情報量を算出し、各階層ごとに割当
情報量でカバーできる帯域を低域側より算出し、それを
各階層の割当帯域とする。ビットアロケーション回路4
8では、各階層の帯域決定手段54により得られた各階
層への1サイクル間の割当帯域情報と、可聴成分抽出手
段42により得られた可聴成分が入力される。各階層の
割当帯域内の可聴成分に対しその大きさに従って再ビッ
ト割当がなされる。
【0085】量子化器49では、ビットアロケーション
回路48より得られた各サブバンドに対するビット割当
情報に従い、サブバンドn分割フィルタ41より得られ
るサブバンドデータが量子化される。階層符号化フォー
マッティング器50では、各階層の帯域決定手段54よ
り得られる各階層の割当帯域情報に従い、ビット割当情
報と量子化データが各階層ごとにフォーマッティングさ
れ、半導体メモリ5に送られる。
【0086】実施の形態7. 次に、本発明の実施の形態7について説明する。図26
は実施の形態7によるメモリオーディオレコーダの階層
符号化器の構成を示すブロック回路図で図18と同一符
号はそれぞれ同一部分を示しており、55は各フレーム
のサブバンドごとの情報量算出手段43により算出され
たサブバンドごとの情報量を平滑化してサブバンドごと
の平均情報量を算出するローパスフィルタ、56は情報
量コントロール回路46により得られる瞬時割当情報量
を平滑化して平均割当情報量を算出するローパスフィル
タである。
【0087】図27は実施の形態7の情報量コントロー
ル回路46の構成を示す図で、57はコンパレータで、
情報量設定器45より得られる所望のビットレートに従
ったフレームあたりの情報量とビットアロケーション回
路48よりえられるビット割当情報量の差分を抽出す
る。58は抽出された差分を平滑化するローパスフィル
タ、59はローパスフィルタにより平滑化された差分値
を符号化比率に変換する変換器、60は乗算器で、符号
化比率変換器59により算出された符号化比Kを各フレ
ームの情報量算出手段44により得られる情報量に乗算
し、割当情報量を算出する。
【0088】次に、実施の形態7の動作について説明す
る。階層符号化器22では、まずオーディオ信号をサブ
バンドn分割フィルタ41によりn個のサブバンドに分
割し、同時に可聴成分抽出手段42において、オーディ
オ信号をFFT変換により周波数領域に直交変換し、周
波数領域で聴覚特性に基づいたマスキングレベルが求め
られ、可聴成分が抽出される。図16(a)に示すよう
に周波数スペクトラムとマスキングレベルの差が可聴成
分である。さらに、可聴成分はサブバンド分割によるサ
ブバンド帯域ごとにまとめられ、図16(b)に示すよ
うに各サブバンドごとの可聴成分が抽出される。次に情
報量算出手段では可聴成分6dBに対し1bitの情報
量を与えることにより図16(c)に示すように各サブ
バンド帯域に対する情報量が算出される。
【0089】そして、ローパスフィルタ55にてサブバ
ンド毎の情報量が平滑化され、サブバンドごとの平均情
報量が得られる。一方、各フレームの瞬時情報量算出手
段52では、n個のサブバンドの情報量が加算され、1
フレームの情報量が算出される。符号化レートに基づく
フレームあたりの情報量設定器45では、所望の符号化
レートを設定することによりそのビットレートに基づき
フレームあたりの情報量Cが算出され、情報量コントロ
ール回路53に送られる。情報量コントロール回路53
では、それまでに符号化されたフレームに割り当てられ
たフレームあたりの平均情報量に従い最終的な平均割当
情報量が符号化レートに基づくフレームあたりの情報量
設定器で設定された情報量Cに一致するように、各フレ
ームの情報量算出手段44により算出された情報量に対
し瞬時割当情報量を定める。
【0090】そして、ローパスフィルタ56にて瞬時割
当情報量が平滑化され平均割当情報量が算出される。次
に各階層の帯域決定手段47では、ローパスフィルタ5
5により得られた平滑化された各サブバンドごとの情報
量と、ローパスフィルタ56により得られた平滑化され
た割当情報量を入力し、平均割当情報量を4分割するこ
とにより各階層あたりの割当情報量を算出し、各階層ご
とに割当情報量でカバーできる帯域を低域側より算出
し、それを各階層の割当帯域とする。
【0091】ビットアロケーション回路48では、各階
層の帯域決定手段47により得られた各階層への割当帯
域情報と、可聴成分抽出手段42により得られた可聴成
分により、各階層の割当帯域内の可聴成分に対し、その
大きさに従って再ビット割当がなされる。量子化器49
では、ビットアロケーション回路48より得られた各サ
ブバンドに対するビット割当情報に従い、サブバンドn
分割フィルタ41より得られるサブバンドデータが量子
化される。階層符号化フォーマッティング器50では、
各階層の帯域決定手段47より得られる各階層の割当帯
域情報に従い、ビット割当情報と量子化データが各階層
ごとにフォーマッティングされ、半導体メモリ5に送ら
れる。
【0092】次に、情報量コントロール回路53での情
報量コントロール動作について述べる。情報量コントロ
ール回路53では、まずコンパレータ57により情報量
設定器45より得られる所望のビットレートに従ったフ
レームあたりの情報量とビットアロケーション回路48
よりえられるビット割当情報量の差分が抽出され、ロー
パスフィルタ58により抽出された差分が平滑化され
る。次に符号化比率変換器59でローパスフィルタ58
により平滑化された差分値が符号化比率に変換され、乗
算器60にて符号化比率変換器59により算出された符
号化比Kを各フレームの情報量算出手段44により得ら
れる情報量に乗算し、割当情報量が算出される。以上の
動作により、所望のビットレートと割当情報の差の累積
値に従い緩やかに情報量を制御することにより可変長フ
レーム符号化における情報量を平均的に所定のビットレ
ートにコントロールしている。
【0093】以上のように入力されたオーディオ信号に
基づいてビット割当可変、帯域可変で各階層の符号を構
成する階層符号化を用いることにより、高音質で効率よ
く記録でき、また記録時間に捕らわれずに最適な音質で
記録再生できるメモリオーディオレコーダが得られる。
【0094】実施の形態8. 図28は、この発明の実施の形態8のブロック回路図
で、図1と同一符号はそれぞれ同一部分を示している。
この実施の形態8では、オーディオ信号を周波数領域に
変換したデータを量子化する場合について説明するが、
量子化するデータはサブバンドデータでもよい。図28
において、61は符号化器62に入力されるディジタル
オーディオデータ、63は時間−周波数領域変換回路
(以下、「周波数領域変換回路」という)で、入力され
たディジタルオーディオデータ61を周波数領域に変換
する。64は周波数領域変換回路63により変換された
変換係数データ、65はビット割当回路で、入力された
オーディオ信号の特性に基づいて所定の音質を得るよう
に変換係数データ64に対するビット割当を定める。6
6はビット割当回路65により定められたビット割当情
報、67は量子化回路で、周波数領域変換回路63によ
り得られた変換係数データ64をビット割当回路65よ
り与えられたビット数で量子化する。68は量子化回路
67により量子化された量子化データ、69はビット割
当情報66と量子化データ68をフォーマッティングす
るフォーマッティング回路、70はビット割当情報66
によりフレーム長を算出するフレーム長算出回路、71
はフレーム長算出回路70より算出されたフレーム長に
従って書き込みアドレスを制御する書き込みアドレス制
御回路で、63,65,67,69,70,71で符号
化器62を構成している。
【0095】5は符号化データを記憶する半導体メモ
リ、72は半導体メモリ5より取り出されたビット割当
情報、73はビット割当情報およびフレーム長算出回路
で、ビット割当情報72を一時バッファに蓄え、このビ
ット割当情報72よりフレーム長を算出する。74は読
みだしアドレス制御回路で、入力されるフレーム長に従
って必要な量子化データ75を半導体メモリ5より読み
出すように読みだしアドレスを制御する。75は半導体
メモリ5から読みだされた量子化データ、76はビット
割当情報72により与えられたビット数の量子化データ
75を逆量子化する逆量子化回路で、73,74,76
で復号化器77を構成している。
【0096】図29は図28中に示すビット割当回路6
5の構成を示したものである。図29において、78は
帯域分割エネルギ算出回路で、係数データ64を複数の
周波数帯域に分割し、各帯域のエネルギを算出する。7
9は許容ノイズレベル算出回路で、帯域分割エネルギ算
出回路78で算出された各帯域のエネルギに基づいて各
帯域の許容ノイズレベルを算出する。80はビット割当
算出回路で、許容ノイズレベル算出回路79で算出され
た各帯域の許容ノイズレベルと、各帯域のエネルギの差
に応じて各帯域に分けられた変換係数に割り当てるビッ
ト数を決める。
【0097】図30は、符号化器62により高能率符号
化された1フレームの符号化データを示すフォーマット
図である。1フレームの符号化データは、固定長のビッ
ト割当情報と可変長の量子化データで構成される。
【0098】図31は、ビット割当回路65でビット算
出に用いられる、マスキングスレッショルドと最小可聴
限の関係を示す図である。図32は、各帯域のエネルギ
と、算出された許容ノイズレベルを示す図である。
【0099】図33は、半導体メモリ5上に符号化デー
タを記録する際に、ビット割当情報66と量子化データ
68を、補助情報記録エリアと量子化データ記録エリア
に分けて記録する場合において、高速再生をする場合の
動作を示す図である。
【0100】次に、実施の形態8の記録時の動作につい
て説明する。A/D変換器3にてディジタルデータに変
換されたオーディオ信号61は、符号化器62の時間−
周波数領域変換回路63に入力され、時間−周波数領域
変換回路63で一定のサンプルごとにブロック化され、
そのフレーム単位で周波数領域に変換され、変換係数デ
ータ64はビット割当回路65に入力される。ビット割
当回路65では、所定の音質を満たすように入力された
オーディオ信号の特性に基づいたビット割当が行われ
る。ビット割当回路65で決められたビット割当情報6
6は量子化回路67に入力される。量子化回路67で
は、入力されたビット割当情報66に基づいて変換係数
データ64が割り当てられたビット数で量子化される。
ビット割当情報66と量子化データ68は、フォーマッ
ティング回路69にてフォーマットされる。また、ビッ
ト割当情報66はフレーム長算出回路70に入力され、
フレーム長算出回路70では、変換係数に割り当てられ
たビット数とそのビット数で量子化される変換係数の数
により、量子化データに割り当てられた全ビット数が求
められ、これに補助情報として送られる固定長のビット
割当情報のビット数を加えられて符号化された1フレー
ムの長さが算出され、書き込みアドレス制御回路71に
送られる。
【0101】このように、所定の音質が得られるように
ビット割当され、そのビット数で量子化された量子化デ
ータと、割り当てられたビット割当情報を記録すること
により、一定長の1フレームのオーディオデータを可変
長に符号化するような符号化法を、以下、「フレーム長
可変符号化」という。書き込みアドレス制御回路71で
は、入力されたフレーム長に従って書き込みアドレスが
発生され、フォーマッティングされた圧縮データが半導
体メモリ5に書き込まれ、書き込みアドレスがフレーム
長に従って移動される。その結果、半導体メモリ5には
符号化データがフレーム長可変で連続的に記録される。
【0102】次に、再生時には、半導体メモリ5より固
定長のビット割当情報72が読みだされ、ビット割当情
報バッファ73に蓄えられる。ビット割当情報バッファ
73では、入力されたビット割当情報より量子化データ
に割当られたビット数が算出され、読みだしアドレス制
御回路74に送られる。読みだしアドレス制御回路74
では、入力された量子化データの符号長にしたがって読
みだしアドレスが発生され、半導体メモリ5より量子化
データ75が読みだされる。読みだされた量子化データ
75は、逆量子化回路76において、ビット割当情報バ
ッファ73より入力されるビット割当情報にしたがっ
て、与えられたビット数の量子化データが逆量子化さ
れ、復号される。復号化器77の出力はD/A変換器8
によりアナログオーディオ信号に変換され、所定のオー
デイオレベルに増幅するオーディオアンプ9を経て、オ
ーディオ出力端子10から出力される。
【0103】次に、上記半導体メモリレコーダの符号化
器62中のビット割当回路65におけるビット割当動作
を図29について説明する。入力された変換係数データ
64は、帯域分割エネルギ算出回路78にて複数の周波
数帯域に分割され、各帯域の変換係数より平均エネルギ
が算出される。算出された各帯域のエネルギは許容ノイ
ズレベル算出回路79に入力され、許容ノイズレベルが
算出される。許容ノイズレベルの算出には、人間の聴覚
特性を考慮して聴感上劣化の少ない圧縮を行うため、マ
スキング効果、最小可聴限特性等が用いられる。ここ
で、マスキング効果とは、ある周波数帯域のレベルの大
きな音によって他の周波数帯域の音がマスクされる効果
であり、最小可聴限とは、人間の聞こえる最小レベルの
音である。
【0104】図31に各帯域のエネルギに対してマスキ
ング効果、最小可聴限により許容ノイズレベルが算出さ
れる例を示す。図31において、S1〜S10は10箇
の周波数帯域に分割された場合の各周波数帯域のエネル
ギを示す。各帯域のエネルギから左右に伸びた斜線は、
その帯域の音によりマスキングされる領域を示す。ま
た、破線の特性曲線は最小可聴限を示す。各周波数帯域
の許容ノイズレベルは、他の周波数帯域からのマスキン
グレベルと最小可聴限のうち最大レベルのものが選ばれ
る。図31の例において、選ばれた各周波数帯域の許容
ノイズレベルを図32中に横線で示す。許容ノイズレベ
ル算出回路79で算出された許容ノイズレベルと各帯域
のエネルギは、割当ビット算出回路80に入力される。
割当ビット算出回路80では、許容ノイズレベル以下の
音は聞こえないため、許容ノイズレベルを超える帯域の
音に対し、各周波数帯域のエネルギと許容ノイズレベル
の差に応じたビット数を算出し、ビット割当情報66を
出力する。このように割り当てられたビット数は、入力
されたオーディオ信号の性質に基づくものであり、1フ
レームの符号化に割り当てられるビット数は可変であ
る。
【0105】以上のように、ビット割当された1フレー
ムの符号化データは、図30に示すように固定長のビッ
ト割当情報と、割り当てられたビット数で量子化された
可変長の量子化データに符号化され、フォーマッティン
グされる。このように固定長のビット割当情報を補助情
報とすることにより、量子化データに割り当てられたビ
ット数が算出できるので、可変長フレームでの符号化が
可能である。また、半導体メモリ5ではアドレスの制御
により記録位置を高速でランダムに決めれるので、可変
長フレームの符号の記録が可能である。
【0106】また、可変長フレームの符号を図30に示
すようなフォーマットで記録せず、半導体メモリ5上
に、補助情報を記録するエリアと量子化データを記録す
るエリアを設け、補助情報を記録するエリアにビット割
当情報66を固定長で連続的に記録し、量子化データ6
8を記録するエリアに可変長の量子化データを連続的に
記録するようにする。これにより、補助情報エリアの固
定長のビット割当情報により量子化データの記録された
アドレスを算出し、所定のフレーム間隔で量子化データ
を読みだして復号することにより、高速再生が可能とな
る。
【0107】図33にこの一例を示す。図33の例で
は、アドレス0より999が補助情報(ビット割当情
報)記録エリア、アドレス1000より量子化データ記
録エリアとなっており、アドレス0より20ビットでビ
ット割当情報が記録されている。ビット割当情報の中に
示されている数字は、ビット割当情報より算出される量
子化データの1フレームのビット数であり、量子化デー
タ記録エリアには、この数字で示される量子化データが
可変長で連続記録されている。図中の丸で囲まれた数字
はフレーム番号を示す。よって、ビット割当情報中の数
字に量子化データ記録エリアの最初のアドレス1000
を加算することにより、量子化データの記録されている
最初のアドレスが算出できる。ゆえに、まず補助情報中
のビット割当情報を読みだし、読みだしたビット割当情
報より量子化データの記録されているアドレスを算出
し、5フレーム毎に算出されたアドレスより量子化デー
タを読みだし、復号することにより5倍速の高速再生が
可能となる。量子化データの読みだしは、図33中の二
重丸で囲まれた番号のフレーム1、6、11、16・・
・・の順で行われ、読みだされるフレームのアドレス
は、1000、1378、1723、2112・・・・
となる。
【0108】上記のように、入力されたオーディオ信号
に基づいて所定の音質が得られるようフレーム長可変で
ビット割当を行い、ビット割当情報と量子化データに符
号化するフレーム長可変符号化方式を用い、可変長フレ
ームで高速ランダムアクセス可能な半導体メモリに記憶
させることにより、高音質で効率よく記録でき、長時間
記録可能な半導体メモリレコーダが得られる。
【0109】実施の形態9. 次に、この発明の実施の形態9を図について説明する。
図34において、図28と同一符号はそれぞれ同一部分
を示しており、81は再生フレーム選択回路で、ビット
割当情報により量子化データに割り当てられたビット数
を算出し、割り当てられたビット数が、所定のしきい値
を超えたフレームのみを再生フレームとして選択する。
82は再生フレーム選択回路81により得られる再生フ
レーム選択情報と再生フレームのビット割当情報、83
は再生フレーム選択回路81で算出された量子化データ
の符号長と再生フレーム選択情報である。
【0110】実施の形態9の記録時の動作は、実施の形
態1と同様であるので説明は省略する。次に、再生時の
「早聞き動作」について説明する。ここでの「早聞き」
とは、データを一定の間隔で連続的に飛ばすことによる
高速再生、あるいは再生速度を速めることによる早聞き
ではなく、半導体メモリレコーダを会議メモ等会話の記
録に用いた場合に、無音部分あるいは周囲の雑音のみで
会話の記録されていない部分を飛ばすことにより、必要
な会話部分のみを連続的に再生することによる早聞きで
ある。
【0111】半導体メモリ5より固定長のビット割当情
報72が読みだされ、再生フレーム選択回路81に入力
される。再生フレーム選択回路81では、ビット割当情
報72により1フレームの量子化データに割り当てられ
たビット数が算出される。ここで、実施の形態8におい
て述べたような方法でビット割当がされている場合、無
音部分においては全変換係数が最小可聴限以下のレベル
となるため、量子化データに割り当てられるビット数は
0となる。
【0112】また、雑音のみが記録されている部分にお
いても、全体のレベルが小さいため量子化データに割り
当てられるビット数は非常に少なくなる。よって、1フ
レームに割り当てられているビット数に所定のしきい値
を設け、割り当てられたビット数がそのしきい値を超え
ないフレームについては、無音部分または雑音部分とし
て再生されず、しきい値を超えたフレームについて再生
フレーム選択情報とビット割当情報82が逆量子化回路
76に送られる。
【0113】また、再生フレーム選択回路81にて算出
された1フレームの量子化データに対する符号長と再生
フレーム選択情報83は、読みだしアドレス制御回路7
4に送られる。読みだしアドレス制御回路74では、再
生フレームとして選択されたフレームが入力された場合
には、ともに入力された量子化データの符号長にしたが
って読みだしアドレスが発生され、半導体メモリ5より
量子化データ75が読みだされる。
【0114】また、再生フレームとして選択されなかっ
たフレームでは、量子化データに割り当てられたビット
数分アドレスを移動する。読みだされた量子化データ7
5は逆量子化回路76においてフレーム選択情報ととも
に入力されるビット割当情報82にしたがって与えられ
たビット数の量子化データが逆量子化され、復号され
る。復号化器77の出力はD/A変換器8によりアナロ
グオーディオ信号に変換され、所定のオーデイオレベル
に増幅するオーディオアンプ9を経て、オーディオ出力
端子10から出力される。
【0115】以上のように、入力された信号に基づきビ
ット割当を行うフレーム長可変符号化では、無音部分等
情報量の少ないフレームはビット割当は非常に少ないの
で、上記のようにビット割当が所定のしきい値を超えた
フレームのみを再生することにより、無音区間等を飛ば
し、音声の記録されている部分のみを早聞き再生でき
る。
【0116】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、オーデ
ィオ信号の符号化に優先順位を持たせた階層符号化方式
を用いたことと、記録媒体の半導体メモリのランダムア
クセス性を駆使することにより、半導体メモリオーディ
オレコーダの記録時間を切り換えるように構成したの
で、記録媒体に定められた記録時間にとらわれないで常
に最適な音質(記録時間が短い時は最高の音質で記録さ
れ、記録時間が長くなるにつれて音質は劣化する)で記
録再生できる半導体メモリオーディオレコーダが得られ
る効果がある。
【0117】また、オーディオ信号の符号化に優先順位
を持った階層符号化を用いたことと、記録媒体としての
半導体メモリのランダムアクセス性を駆使することによ
り、半導体メモリ記録再生装置の記録時間をフレキシブ
ルになるように構成したので、記録媒体に定められた記
録時間にとらわれないで常に最適な音質(記録時間が短
い時は高音質で記録され、記録時間が長くなるにつれて
音質は劣化する)で記録再生でき、かつ可変速再生も可
能な半導体メモリオーディオレコーダが得られる効果が
ある。
【0118】また、オーディオ信号の符号化に優先順位
を持った階層符号化を用いたことと、その階層符号化の
方法を各階層の情報量に応じて最適なビット割当を行う
可変長フレーム符号化を用いながら各階層の情報量を等
しくするようなものとしたこと、および記録媒体として
の半導体メモリのランダムアクセス性を駆使することに
より、半導体メモリ記録再生装置の記録時間をフレキシ
ブルになるように構成したので、記録媒体に定められた
記録時間にとらわれないで常に最適な音質(記録時間が
短い時は高音質で記録され、記録時間が長くなるにつれ
て音質は劣化する)で記録再生でき、かつ可変速再生も
可能な半導体メモリオーディオレコーダが得られる効果
がある。
【0119】また、入力オーディオ信号の特性に基づい
て所定の音質を保つようなビット割当を行い、補助情報
としてビット割当情報を記録し、このビット割当情報よ
り可変長フレームで符号化できるフレーム長可変符号化
方式を用いたことと、ビット割当情報を利用して半導体
メモリにアクセスするアドレスを制御することにより、
記録媒体の半導体メモリの高速ランダムアクセス性を駆
使し、半導体メモリオーディオ記録再生装置に効率よく
記録できるようにしたので、高音質で記録時間の長い半
導体メモリオーディオ記録再生装置が得られる効果があ
る。
【0120】また、半導体メモリ上に補助情報記録エリ
アと量子化データ記録エリアを設け、補助情報記録エリ
アに固定長で連続的にビット割当情報を記録するように
したので、可変長フレームでも高速再生が可能となる効
果がある。
【0121】また、フレーム長可変符号化によるビット
割当情報を利用し、情報量が所定のしきい値を超えるフ
レームのみを再生するようにしたので、非常に簡単な回
路構成で「早聞き」が可能な半導体メモリオーディオ記
録再生装置が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による半導体メモリ
オーディオレコーダのブロック回路図である。
【図2】 実施の形態1の階層符号化方式の一構成例を
示す図である。
【図3】 実施の形態1の階層符号化方式の他の構成例
を示す図である。
【図4】 実施の形態1の半導体メモリのメモリマップ
である。
【図5】 実施の形態1のオーディオ信号の半導体メモ
リへの記録経過を示した図である。
【図6】 この発明の実施の形態2による半導体メモリ
オーディオレコーダのブロック回路図である。
【図7】 この発明の実施の形態3による半導体メモリ
オーディオ記録再生装置のブロック回路図である。
【図8】 実施の形態3の階層符号化の概念を説明する
ための図である。
【図9】 実施の形態3の階層符号化の階層レベルを示
す周波数特性図である。
【図10】 実施の形態3の階層符号化器の構成と半導
体メモリへの記録方式の概念を示す図である。
【図11】 実施の形態3の半導体メモリのメモリマッ
プである。
【図12】 この発明の実施の形態4による半導体メモ
リオーディオ記録再生装置のブロック回路図である。
【図13】 実施の形態4のオーディオ復号時間とオー
ディオ再生時間の関係を示す図である。
【図14】 本発明の実施の形態5〜7による半導体メ
モリオーディオ記録再生装置の階層符号化の階層レベル
を示す周波数特性図である。
【図15】 実施の形態5の階層符号化器の構成と半導
体メモリへの記録方式の概念を示す図である。
【図16】 実施の形態5〜7の階層符号化器における
可聴成分の抽出と情報量算出の様子を示す図である。
【図17】 実施の形態5〜7の階層符号化器における
各階層の割当帯域決定の様子を示す図である。
【図18】 実施の形態6の階層符号化器の構成を示す
図である。
【図19】 実施の形態6の情報量算出手段のサブバン
ドごとの平均情報量算出動作を示すフローチャート図で
ある。
【図20】 実施の形態6の情報量コントロール手段に
おける区間割当情報量を算出する動作を示すフローチャ
ート図である。
【図21】 実施の形態6の各階層の帯域決定手段にお
ける割当帯域決定動作を示すフローチャート図である。
【図22】 実施の形態6のビットアロケーション回路
におけるビット割当動作を示すフローチャート図であ
る。
【図23】 実施の形態6の瞬時情報量決定手段におけ
る可聴成分の存在する最大の帯域SBmaxと情報量の
関係を示す図である。
【図24】 実施の形態6の瞬時情報量決定手段におけ
る可聴成分の存在する最大の帯域SBmaxと情報量の
関係を示す図である。
【図25】 実施の形態6の瞬時情報量決定手段におけ
る可聴成分の存在する最大の帯域SBmaxと情報量の
関係を示す図である。
【図26】 本発明の実施の形態7による半導体メモリ
オーディオ記録再生装置の階層符号化器の構成を示した
図である。
【図27】 実施の形態7の階層符号化器の情報量コン
トロール回路の構成を示す図である。
【図28】 この発明の実施の形態8による半導体メモ
リオーディオ記録再生装置のブロック回路図である。
【図29】 実施の形態8の符号化器のビット割当回路
の構成を示す図である。
【図30】 実施の形態8のフレーム長可変符号化方式
による符号化フレームのフォーマットを示す図である。
【図31】 実施の形態8の符号化器のビット割当回路
でのマスキング効果と最小可聴限を用いた許容ノイズレ
ベルの算出の様子を示した図である。
【図32】 実施の形態8の符号化器のビット割当回路
での各帯域の許容ノイズレベルとエネルギの様子を示し
た図である。
【図33】 実施の形態8による高速再生を説明するた
めのメモリマップである。
【図34】 この発明の実施の形態9による半導体メモ
リオーディオ記録再生装置のブロック回路図である。
【符号の説明】
3 A/D変換器、4 階層符号化器、5 半導体メモ
リ、6 メモリアドレス制御器、7 階層復号化器、8
D/A変換器、11 階層レベル識別コード発生器、
12 階層レベル識別コード再生器、13 メモリ容量
検出器、15 サブバンド分割フルタ、16 ビット
割当器、17 第1の半導体メモリ、18 第2の半導
体メモリ、19 階層レベル変換器、20 第1のメモ
リアドレス制御器、21 第2のメモリアドレス制御器
22 階層符号化器、23 メモリアドレス制御器、2
4 階層復号化器、25 階層レベル識別コード発生
器、26 階層レベル識別コード再生器、27 分割フ
ィルタ、28 MDCT、29 ブロックサイズ設定
器、30 グルーピング器、31 階層化/量子化器、
32 ダイナミックビット配分器、33 スケールファ
クタ算出器、34 フォーマッティング器、35 アド
レス切換器、36 書き込みアドレス発生器、37 読
み出しアドレス発生器、38 階層レベル判定器、39
クロック分周器、40 再生スピード設定器、41
サブバンドn分割フィルタ、42 可聴成分抽出手段、
43 各フレームのサブバンドごとの情報量算出手段、
44 各フレームの情報量算出手段、45 符号化レー
トに基づくフレームあたりの情報量設定器、46 情報
量コントロール回路、47 各階層の帯域決定手段、5
1 各サブバンドごとの平均情報量算出手段、52 各
フレームの瞬時情報量算出手段、53 情報量コントロ
ール回路、54 各階層の帯域決定手段、55 サブバ
ンド毎の情報量平滑化フィルタ、56 割当情報量平滑
化フィルタ、57 情報量比較器、58 差分情報量平
滑化フィルタ、59 符号化比率変換器、62 符号化
器、65 ビット割当回路、67 量子化回路、70
フレーム長算出回路、71 書き込みアドレス制御回
路、73 ビット割当情報バッファおよびフレーム長算
出回路、74 読みだしアドレス制御回路、77 復号
化器、78 帯域分割エネルギ算出回路、79 許容ノ
イズレベル算出回路、80 割当ビット算出回路、81
再生フレーム選択回路、82 再生フレーム選択情報
およびビット割当情報、83 再生フレーム選択情報お
よび量子化データの符号長。
フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平5−18050 (32)優先日 平成5年1月7日(1993.1.7) (33)優先権主張国 日本(JP) (56)参考文献 特開 昭63−117527(JP,A) 特開 昭63−285032(JP,A) 実開 昭63−29300(JP,U) 特公 平1−57360(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G10L 19/02 G10L 19/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力したディジタルオーディオ信号を周
    波数帯域に対応した変換係数に変換する周波数変換手段
    と、 得られた変換係数に対して以下に示すル−ルに従う階層
    化及び量子化を施すことでn個(nは2以上の自然数)
    の階層レベルに分割した符号化データを得る階層化/量
    子化手段を備えたことを特徴とするオーディオ信号符号
    化装置。 1.前記変換係数のうち、その周波数帯域が所定の周波
    数f1までの変換係数であって、かつ、その量子化レベ
    ルがMSB側から所定のビット数b1までの変換係数を
    選択し、これを階層レベル1の符号化デ−タS1とす
    る。 2.前記変換係数のうち、その周波数帯域が所定の周波
    数f2(f2≧f1)までの変換係数であって、かつ、
    その量子化レベルがMSB側から所定のビット数b2
    (b2≧b1)までの変換係数を選択し、さらに、この
    信号から前記階層レベル1の変換係数を差し引いた残差
    信号を階層レベル2の符号化データS2とする。 3.前記変換係数のうち、その周波数帯域が所定の周波
    数fn(fn≧fn−1)までの変換係数であって、か
    つ、その量子化レベルがMSB側から所定のビット数b
    n(bn≧bn−1)までの変換係数を選択し、さら
    に、この信号から前記階層レベル1乃至階層レベルn−
    1の変換係数を差し引いた残差信号を階層レベルnの符
    号化デ−タSnとする。
  2. 【請求項2】 入力したディジタルオーディオ信号を周
    波数帯域に対応した変換係数に変換する周波数変換手段
    と、 得られた変換係数から、聴覚心理特性に基づく可聴信号
    成分を抽出するとともに、以下に示すル−ルに従う階層
    化及び量子化を施してn個(nは2以上の自然数)の階
    層レベルに分割した符号化データを得る階層化/量子化
    手段を備えたことを特徴とするオーディオ信号符号化装
    置。 1.前記可聴信号成分の変換係数のうち、その周波数帯
    域が所定の周波数f1までの変換係数を選択し、これを
    階層レベル1の符号化デ−タS1とする。 2.前記可聴信号成分の変換係数のうち、その周波数帯
    域が所定の周波数f2(f2≧f1)までの変換係数を
    選択し、さらに、この信号から前記階層レベル1の変換
    係数を差し引いた残差信号を階層レベル2の符号化デー
    タS2とする。 3.前記可聴信号成分の変換係数のうち、その周波数帯
    域が所定の周波数fn(fn≧fn−1)までの変換係
    数を選択し、さらに、この信号から前記階層レベル1乃
    至階層レベルn−1の変換係数を差し引いた残差信号を
    階層レベルnの符号化デ−タSnとする。
  3. 【請求項3】 以下に示すル−ルに従った階層化及び量
    子化が施され、人間の聴覚特性に基づく階層的な優先順
    位が与えられた階層符号化オーディオデ−タと該階層符
    号化オーディオデ−タの階層レベルの識別コ−ドとを入
    力として、該識別コ−ドに基づき前記階層符号化オーデ
    ィオデ−タをその階層レベルに応じて復号化すること
    で、周波数帯域に対応した変換係数を得る復号化手段
    と、 得られた変換係数に逆変換を施すことにより元のディジ
    タルオーディオ信号を得る周波数逆変換手段とを備えた
    ことを特徴とするオーディオ信号復号化装置。 1.ディジタルオーディオ信号を周波数変換することで
    得られる変換係数のうち、その周波数帯域が所定の周波
    数f1までの変換係数であって、かつ、その量子化レベ
    ルがMSB側から所定のビット数b1までの変換係数を
    選択し、これを階層レベル1の符号化デ−タS1とす
    る。 2.前記変換係数のうち、その周波数帯域が所定の周波
    数f2(f2≧f1)までの変換係数であって、かつ、
    その量子化レベルがMSB側から所定のビット数b2
    (b2≧b1)までの変換係数を選択し、さらに、この
    信号から前記階層レベル1の変換係数を差し引いた残差
    信号を階層レベル2の符号化デ−タS2とする。 3.前記変換係数のうち、その周波数帯域が所定の周波
    数fn(fn≧fn−1)までの変換係数であって、か
    つ、その量子化レベルがMSB側から所定のビット数b
    n(bn≧bn−1)までの変換係数を選択し、さら
    に、この信号から前記階層レベル1乃至階層レベルn−
    1の変換係数を差し引いた残差信号を階層レベルnの符
    号化デ−タSnとする。
  4. 【請求項4】 以下に示すル−ルに従った階層化及び量
    子化が施され、人間の聴覚特性に基づく階層的な優先順
    位が与えられた階層符号化オーディオデ−タと該階層符
    号化オーディオデ−タの階層レベルの識別コ−ドとを入
    力として、該識別コ−ドに基づき前記階層符号化オーデ
    ィオデ−タをその階層レベルに応じて復号化すること
    で、周波数帯域に対応した変換係数を得る復号化手段
    と、 得られた変換係数に逆変換を施すことにより元のディジ
    タルオーディオ信号を得る周波数逆変換手段とを備えた
    ことを特徴とするオーディオ信号復号化装置。 1.人間の聴覚心理特性に基づき抽出された可聴信号成
    分の変換係数のうち、その周波数帯域が所定の周波数f
    1までの変換係数を選択し、これを階層レベル1の符号
    化デ−タS1とする。 2.前記可聴信号成分の変換係数のうち、その周波数帯
    域が所定の周波数f2(f2≧f1)までの変換係数を
    選択し、さらに、この信号から前記階層レベル1の変換
    係数を差し引いた残差信号を階層レベル2の符号化デ−
    タS2とする。 3.前記可聴信号成分の変換係数のうち、その周波数帯
    域が所定の周波数fn(fn≧fn−1)までの変換係
    数を選択し、さらに、この信号から前記階層レベル1乃
    至階層レベルn−1の変換係数を差し引いた残差信号を
    階層レベルnの符号化デ−タSnとする。
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